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JP4124103B2 - 廃棄物の焼却方法及び焼却装置 - Google Patents
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JP4124103B2 - 廃棄物の焼却方法及び焼却装置 - Google Patents

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Description

本発明は、廃棄物の焼却方法及び焼却装置に関し、特に、廃棄物の焼却灰を建設・土木資材等として再利用する技術に関する。
廃棄物の焼却灰を建設・土木資材等として再利用するには、環境面から、焼却灰に含まれる所定の金属(主に重金属)の溶出を抑制する必要があり、その基準として、例えば、「土壌の汚染に係る環境基準」(平成3.8.23、環告46)がある。
焼却灰からの重金属の溶出を抑制する方法としては、焼却灰を1300℃程度以上で溶融しスラグ化する技術が一般に知られている。
しかしながら、焼却灰の溶融処理は、既存の廃棄物の焼却装置では能力的に難しく、溶融設備の追加が必要な場合が多い。また、溶融可能な設備であっても、1300℃以上の高温処理を必要とすることから、エネルギーコストが高い。
そこで、焼却灰の処理技術として、炉内の酸素濃度を制御することにより、比較的低温での熱処理によって焼却灰からの重金属の溶出を抑制する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−190910号公報
上記した炉内の酸素濃度を制御する技術では、焼却灰を溶融する技術に比べて、処理温度の低温化が図れるものの、既存の焼却設備に適用するには、重金属溶出をより確実に抑制できることが望まれる。特に、低温での焼却灰の熱処理技術では、処理温度に応じて鉛(Pb)の溶出量が変化しやすいことから、環境基準を満たす上で、鉛(Pb)の溶出を確実に抑制可能な技術の開発が望まれている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、低温での熱処理によって焼却灰からの重金属の溶出、特に、鉛(Pb)の溶出を抑制することが可能な廃棄物の焼却方法及び焼却装置を提供することを目的とする。
上記した本発明の目的は、焼却対象の廃棄物に、Si及びCaを含む物質を添加することにより、焼却中の処理物内で前記廃棄物からの重金属の溶出を抑制するCaを含む鉱物相を発達させることを特徴とする廃棄物の焼却方法により達成される。
これにより、低温での熱処理によって焼却灰からの重金属の溶出、特に、鉛の溶出を抑制することが可能となる。
前記廃棄物の焼却方法において、前記Caを含む鉱物相は、例えば、ゲーレナイト(Gehlenite:SiCaAl)を含む。
この場合、前記物質は、Si、Ca、Alをモル比で、Si:Ca:Al=1:2:2の割合で含むのが好ましい。
また、前記廃棄物の焼却方法においては、前記物質として前記Caを含む鉱物相を有する鉱物を予め生成し、該生成した鉱物を焼却対象の廃棄物に添加してもよい。
この場合、予め生成する鉱物としては、例えば、ゲーレナイト(SiCaAl)が挙げられる。
前記廃棄物の焼却方法は、焼却対象の廃棄物に、焼却中の処理物内で前記廃棄物からの重金属の溶出を抑制するCaを含む鉱物相を発達させるSi及びCaを含む物質を投入するための投入口を備えることを特徴とする廃棄物の焼却装置により実施できる。
また、前記廃棄物の焼却方法は、焼却中の処理物内で前記廃棄物からの重金属の溶出を抑制するCaを含む鉱物相を発達させるSi及びCaを含む物質として、前記Caを含む鉱物相を有する鉱物を生成するための鉱物生成装置を備えることを特徴とする廃棄物の焼却装置によっても実施できる。
この場合、前記鉱物としては、例えば、ゲーレナイト(SiCaAl)が挙げられる。
本発明の廃棄物の焼却方法及び焼却装置によれば、焼却中の処理物内でCaを含む鉱物相を発達させることにより、低温での熱処理によって焼却灰からの重金属の溶出、特に、鉛(Pb)の溶出を抑制することが可能となる。
以下、本発明について説明する。
本発明者らは、上記文献(特開2003−190910号公報)に記載の技術に着目し、焼却灰の低温熱処理に関する研究を進めた結果、熱処理中の処理物内でCaを含む鉱物相を発達させることにより、焼却灰からの重金属の溶出量、特に、鉛(Pb)の溶出量を減少させることができることを解明し、この鉱物相の核となる物質あるいは鉱物相の成長を促す物質として、焼却対象の廃棄物に、Si及びCaを含む物質を添加することにより本発明を完成した。
すなわち、本発明の廃棄物の焼却方法においては、Si及びCaを含む物質を、焼却処理前あるいは焼却中の廃棄物に添加することにより、焼却中の処理物内でCaを含む鉱物相を発達させ、これにより、廃棄物の焼却灰を、重金属の溶出、特に、鉛(Pb)の溶出の少ないものにする。
なお、本発明では、廃棄物の焼却処理過程において、焼却灰の重金属溶出抑制化を図っている。つまり、廃棄物の焼却処理後に、焼却灰を別途熱処理する工程を必ずしも必要としない。これは、工程並びに装置構成の簡素化を図る上で有利である。なお、廃棄物の焼却灰に、Si及びCaを含む物質(Caを含む鉱物を含む)を添加し、それに対して熱処理を行っても同様の抑制効果が得られることは言うまでもない。
ここで、Caを含む鉱物相の発達により重金属の溶出が抑制される理由は、例えば次の2つが考えられる。
(1)鉱物相が発達すると処理物中の重金属が鉱物相内に取り込まれる。そして、その重金属が鉱物相の組織として固定化されることで、重金属の溶出が抑制される。
(2)鉱物相が発達すると処理物中のCaを代表とするアルカリ土類またはアルカリ金属が鉱物相内に取り込まれる。アルカリ土類またはアルカリ金属が鉱物相の組織として固定化されることで、アルカリ土類またはアルカリ金属の溶出が抑制される。その結果、溶出液のpHの上昇が抑制され、溶出液のpHが酸性に傾く。溶出液のpHが酸性に傾くことにより、重金属の溶解度が低下し、重金属の溶出が抑制される。
前記Caを含む鉱物相としては、例えば、ゲーレナイト(SiCaAl)が挙げられる。
Si、Ca、Alを含む物質を、焼却前あるいは焼却中の廃棄物中に添加することにより、焼却処理時の廃棄物の昇温に伴って、処理物中にゲーレナイト(SiCaAl)の核を生成させ、処理物内でゲーレナイト相を発達させることが可能である。この場合、ゲーレナイト相を良好に発達させる上で、前記物質に、Si、Ca、Alがモル比で、Si:Ca:Al=1:2:2の割合で含まれるのが好ましい。なお、廃棄物中には一般にAlが多く含まれ、また焼却処理空間には酸素が含まれることから、添加する物質にAlが含まれてなくてもよい。すなわち、少なくともSi及びCaを含む物質を廃棄物中に添加することにより、焼却中の処理物内でゲーレナイト相を発達させることが可能である。
また、本発明の廃棄物の焼却方法において、ゲーレナイトなどのCaを含む鉱物を予め生成しておき、その鉱物を焼却対象の廃棄物に投入/添加することにより、より確実に、焼却中の処理物内でCaを含む鉱物相(ゲーレナイト相など)を発達させることが可能である。ゲーレナイトは、例えば、次式(1)、(2)に基づいて生成可能である。
SiO+2CaO+Al→SiCaAl …(1)
SiO+2CaCO+Al→SiCaAl+2CO …(2)
次に、前記本発明の廃棄物の焼却方法を実施可能な焼却装置について説明する。
廃棄物の焼却装置としては、例えば、回転式ストーカ炉や、移動層式ストーカ炉などを用いることができる。回転式ストーカ炉の構成は、例えば、特開平11−257616号公報に記載されている。また、移動層式ストーカ炉の構成は、例えば、特開2002−181311号公報に記載されている。
図1は、本発明に係る廃棄物の焼却装置を回転式ストーカ炉に適用した例を模式的に示す図である。
図1において、焼却装置1は、回転自在に配設される円筒状の燃焼炉2と、この燃焼炉2で発生した燃焼ガスが導入されるボイラ3と、ボイラ3から排出される排ガスが導入されるエコノマイザー4と、廃棄物Wに添加される鉱物を生成するための鉱物生成装置20とを含んで構成されている。
燃焼炉2の導入部2aには、廃棄物Wを一時貯蔵する供給ホッパ5と、供給ホッパ5から廃棄物Wを適宜燃焼炉2内へ送るためのスクリューフィーダ6とが設置されている。供給ホッパ5には、鉱物生成装置20で生成された鉱物を廃棄物W中に投入するための投入口5aが設けられている。また、燃焼炉2の排出部2bは、燃焼灰を排出するための落下抗7に接続されている。円筒状の燃焼炉2は、導入部2aに比べて排出部2bが低くなるように、回転軸が傾けて配されている。燃焼炉2の下部側面には、燃焼炉2内に燃焼用空気を供給するための複数の空気吹出部10a〜10dが配設されている。複数の空気吹出部10a〜10dはそれぞれ、燃焼用空気の組成を適宜調整する燃焼空気生成装置15に接続されており、複数の空気吹出部10a〜10dから吹き出される空気は、廃棄物Wの種類や燃焼炉2の燃焼条件等に応じて酸素濃度や供給量等が個々に制御される。鉱物生成装置20は、原料を昇温するための熱処理炉を備えており、熱処理炉内の温度や環境条件が適宜制御される。
上記構成の焼却装置1においては、まず、鉱物生成装置20において、Caを含む鉱物、本例ではゲーレナイト(SiCaAl)が生成される。ゲーレナイトは、例えば、SiO、CaO(あるいはCaCO)、Alの混合物を熱処理炉21内に投入して昇温することにより生成することができる。生成したゲーレナイトは、供給ホッパ5の投入口5aを介して焼却前の廃棄物Wに添加される。ゲーレナイトの添加は、自動で行ってもよく、作業者が行ってもよい。また、ゲーレナイトの添加量は、廃棄物Wの種類や燃焼炉2の燃焼条件等に応じて設定される。
そして、ゲーレナイトが添加された廃棄物Wが焼却炉2内に導入され、廃棄物Wが焼却処理される。廃棄物Wの焼却時、複数の空気吹出部10a〜10dを介して燃焼用空気が燃焼炉2内に供給される。燃焼によって発生した排ガス(燃焼ガス)は、排出部2bからボイラ3に導入されて熱回収され、さらに、エコノマイザー4へ導かれる。
また、廃棄物Wの燃焼時、焼却中の処理物(廃棄物W、廃棄物Wの炭化物、燃焼灰など)内では、添加されたゲーレナイト(SiCaAl)を核として、廃棄物Wあるいは燃焼灰に含まれるSi、Ca、Alや重金属(Pbなど)を取り込みながら、ゲーレナイト相が発達する。ゲーレナイト相の発達により、排出部2bから排出される焼却灰は、重金属の溶出、特に、鉛(Pb)の溶出の少ないものになる。燃焼灰は、落下抗7を介して回収され、建設・土木資材(骨材など)等として再利用される。
なお、本例では、燃焼炉2に導入する前の廃棄物Wに鉱物(ゲーレナイト)を添加しているが、燃焼炉2内にゲーレナイトを投入/添加してもよい。この場合、ゲーレナイトの投入位置は、ゲーレナイト相が発達する時間を確保する上で、燃焼炉2の導入部2aに近い位置であるのが好ましく、燃焼炉2の最高温度地点よりも上流側であるのが好ましい。
[ラボ試験によるゲーレナイト添加試験]
表1下段に示す実灰相当の組成になるように、市販試薬を混合して表1上段に示す模擬灰(以後、試料1と称す)を作成した。また、表1下段に示す実灰相当の組成になるように、ゲーレナイトと市販試薬の混合物とを1:4の重量比で混合した試料(以後、試料2と称す)を作成した。
Figure 0004124103
ゲーレナイトは次のように作成した。
SiO、CaCO、Alの各試薬をモル比で1:2:1で混合し、マッフル炉で10℃/min で1500℃まで昇温し、その後3時間保持し、自然放冷した。X線回折装置によりゲーレナイト(Gehlenite:SiCaAl)が生成していることを確認した。
次に、試料1と試料2とを、10℃/min で、所定の処理温度(800℃、900℃、1000℃、1100℃)まで昇温し、1時間保持後取り出して大気放冷した。その処理物について、環告46号試験に準じて、溶出試験を行い、溶出液のpHとPb濃度を分析した。試験結果を図2に示す。
図2に示すように、ゲーレナイトの添加により、鉛溶出量が 1/10 以上に減少する結果が得られた。また、ゲーレナイトを添加した条件では、処理温度の上昇に従い、鉱物量の発達が顕著に見られた。また、ゲーレナイトの添加により、溶出液のpHの値も著しく低下した。
このように、模擬灰を用いた試験において、ゲーレナイトの添加により、鉛の溶出量を抑制できることが確認された。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
本発明に係る廃棄物の焼却装置を回転式ストーカ炉に適用した例を模式的に示す図である。 模擬灰を用い、鉱物(ゲーレナイト)の添加による鉛溶出抑制効果を試験した結果を示すグラフ図である。
符号の説明
1…焼却装置、2…燃焼炉、W…廃棄物、20…鉱物生成装置、5…供給ホッパ、5a…投入口。

Claims (8)

  1. 廃棄物を焼却処理する方法において、焼却対象の廃棄物に、Si及びCaを含む物質を添加することにより、焼却中の処理物内で前記廃棄物からの重金属の溶出を抑制するCaを含む鉱物相を発達させることを特徴とする廃棄物の焼却方法。
  2. 前記Caを含む鉱物相は、ゲーレナイト(SiCaAl)を含むことを特徴とする請求項に記載の廃棄物の焼却方法。
  3. 前記物質は、Si、Ca、Alをモル比で、Si:Ca:Al=1:2:2の割合で含むことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の廃棄物の焼却方法。
  4. 前記物質として前記Caを含む鉱物相を有する鉱物を予め生成し、該生成した鉱物を焼却対象の廃棄物に添加することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の廃棄物の焼却方法。
  5. 予め生成する鉱物は、ゲーレナイト(SiCaAl)であることを特徴とする請求項に記載の廃棄物の焼却方法。
  6. 廃棄物を焼却処理する装置において、焼却対象の廃棄物に、焼却中の処理物内で前記廃棄物からの重金属の溶出を抑制するCaを含む鉱物相を発達させるSi及びCaを含む物質を投入するための投入口を備えることを特徴とする廃棄物の焼却装置。
  7. 廃棄物を焼却処理する装置において、焼却中の処理物内で前記廃棄物からの重金属の溶出を抑制するCaを含む鉱物相を発達させるSi及びCaを含む物質として、前記Caを含む鉱物相を有する鉱物を生成するための鉱物生成装置を備えることを特徴とする廃棄物の焼却装置。
  8. 前記鉱物は、ゲーレナイト(SiCaAl)であることを特徴とする請求項に記載の廃棄物の焼却方法。
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