JP4124415B2 - 油圧緩衝器の補強構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は油圧緩衝器の補強構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の油圧緩衝器は、ダンパチューブの下端部をスピニング加工したり、下端部に底板を溶接することにより底部を形成し、この底部に車軸側取付部となるアイジョイントを溶接して取付けている。そして、ダンパチューブの底部に対するアイジョイントの取付強度を確保するため、実開平3-121245に記載の如く、ダンパチューブの底部をアイジョイントの外形に倣う円弧面としてそれらの溶接面積を大きくし、その溶接強度の増強を図っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術では、車両の仕様により車量が重くなると、ダンパチューブの底部に対するアイジョイントの取付部に高い応力が集中し、この取付部に必要十分な取付強度を確保できない。このような場合には、ダンパチューブとアイジョイントの肉厚を大きくして強度確保するものとなり、油圧緩衝器の重量が大幅に大きくなり、コスト面でも不利になる。
【0004】
本発明の課題は、ダンパチューブの底部に対するアイジョイントの取付強度を簡易な構造で補強することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、ダンパチューブの下端部に底板を溶接して形成した底部にアイジョイントを溶接した油圧緩衝器の補強構造において、ダンパチューブの側部とアイジョイントの外周部とをつなぐ補強部材を設け、前記補強部材が、ダンパチューブの側部に溶接される保持部と、アイジョイントの外周部に溶接される支持部とを有し、前記保持部がダンパチューブの側部の全周囲に嵌合する嵌合部を備え、前記補強部材における嵌合部の下端側部分はその上端側部分よりも拡径された逃げ部を形成され、逃げ部はダンパチューブの外周との間に隙間を形成してなるものである。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記補強部材における嵌合部の下端側部分には、前記逃げ部がダンパチューブの外周との間に形成する隙間に開口する孔を穿設してなるものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は油圧緩衝器を一部破断して示す正面図、図2は第1実施形態を示し、(A)は正面図、(B)は側面図、図3は第2実施形態を示し、(A)は正面図、(B)は側面図、図4は第1参考形態を示し、(A)は正面図、(B)は側面図、図5は第2参考形態を示し、(A)は正面図、(B)は側面図、図6は第3参考形態を示し、(A)は正面図、(B)は側面図である。
【0016】
(第1実施形態)(図1、図2)
油圧緩衝器10は、図1に示す如く、ダンパチューブ11とダンパロッド12と懸架ばね13を有し、ダンパチューブ11の外周部には下スプリングシート14を取着し、ダンパロッド12に上スプリングシート15を取着し、懸架ばね13をスプリングシート14、15の間に介装している。
【0017】
油圧緩衝器10は、ダンパチューブ11の下部に車軸側取付部16を設け、ダンパロッド12に取着してある上スプリングシート15に車体側取付部17を備え、車体側取付部17に取付ボルト18を取着してある。そして、油圧緩衝器10は、懸架ばね13により路面からの衝撃を吸収し、ダンパチューブ11が内蔵する減衰装置(不図示)により懸架ばね13の伸縮振動を制振する。
【0018】
尚、油圧緩衝器10は、ダンパロッド12の外端部に挿着したジョイントカラー21によりワッシャ22、カバープレート23を位置決めし、これらのワッシャ22、カバープレート23の間にマウントラバー24A、24Bを設け、このマウントラバー24A、24Bの間に上スプリングシート15の基端部15Aを挟持した状態で該ダンパロッド12の上端部に取付ナット25が螺装される。また、上スプリングシート15の筒状部15Bが囲むダンパロッド12まわりにはバンプラバー26が圧入され、ダンパチューブ11のダンパロッド12が貫通している軸封部まわりにはバンプストッパキャップ27が固定され、バンプストッパキャップ27にバンプラバー当接板27Aを備えている。
【0019】
また、油圧緩衝器10は、上スプリングシート15のばね受部15Cにスプリングラバー28を介して懸架ばね13を支持し、上スプリングシート15とスプリングラバー28との間にダストカバー29の取付部29Aを挟み込んでいる。
【0020】
以下、油圧緩衝器10において、ダンパチューブ11の下端部に設けた車軸側取付部16の取付構造について詳述する。
【0021】
油圧緩衝器10は、図2に示す如く、ダンパチューブ11の下端部に底板31を嵌合し、ダンパチューブ11の下端部と底板31の外周を円周状溶接部32によって溶接することによりダンパチューブ11の底部11Aを形成してある。そして、底部11Aの中央部にアイジョイント33を当接させてこれらを円周状溶接部34で溶接し、アイジョイント33の内径部にブッシュ35を圧入して車軸側取付部16を形成している。
【0022】
油圧緩衝器10は、ダンパチューブ11の下端部寄りの側部とアイジョイント33の外周部とをつなぐ補強部材36を設けている。補強部材36は、ダンパチューブ11の側部に溶接部37で溶接される保持部36Aと、アイジョイント33の外周部に溶接部38で溶接される支持部36Bとを有する。
【0023】
補強部材36の保持部36Aは、ダンパチューブ11の側部の全周囲に嵌合する嵌合部41を備え、ダンパチューブ11の外周と嵌合部41の上端部を円周状溶接部37によって溶接している。嵌合部41の上端部側部分はダンパチューブ11の外周を隙間なく抱持し、ダンパチューブ11と同芯をなす。
【0024】
補強部材36の支持部36Bは、嵌合部41の下端側部分の直径方向にて相対する2部分から下方に延出される2組の相対する板状部42、42からなる。2組の板状部42の間隔はアイジョイント33の外径より小さく、両板状部42の下端部はダンパチューブ11の軸方向でアイジョイント33の外周部に突き当てられ、直線状溶接部38によってアイジョイント33の外周部に溶接される。
【0025】
尚、補強部材36の支持部36Bを構成する両板状部42の間隔はアイジョイント33の外径と等しくし、両板状部42の下端部はアイジョイント33の直径上でアイジョイント33の外周部に溶接されても良い。これによれば、アイジョイント33の取付強度の補強効果を向上できる。
【0026】
ダンパチューブ11の下端部は底板31を溶接した溶接部32の溶接ビートが該ダンパチューブ11の外径よりはみ出るから、補強部材36における嵌合部41の下端側部分と両板状部42はその溶接ビードとの干渉を回避するために、嵌合部41の上端側部分よりも拡径された逃げ部43を形成する。嵌合部41の下端側部分には、アイジョイント33と補強部材36を溶接したダンパチューブ11の塗装時に、逃げ部43がダンパチューブ11の外周との間に形成する隙間に侵入する塗料の液溜まり防止孔44を穿設してある。
【0027】
ダンパチューブ11への車軸側取付部16の取付手順は以下の通りになる。
(1)ダンパチューブ11の底部11Aにアイジョイント33を溶接する。
【0028】
(2)補強部材36をダンパチューブ11の上端部の側から挿入し、補強部材36の支持部36Bを構成する板状部42の下端部をアイジョイント33の外周部に突き当て、補強部材36を位置決めする。
【0029】
(3)補強部材36の保持部36A(嵌合部41)をダンパチューブ11の側部に溶接し、支持部36B(板状部42)をアイジョイント33の外周部に溶接する。
(4)アイジョイント33にブッシュ35を圧入する。
【0030】
本発明によれば、以下の作用がある。
▲1▼ダンパチューブ11の底部11Aにアイジョイント33を溶接した上で、ダンパチューブ11の側部とアイジョイント33の外周部とを補強部材36によりつないでいる。補強部材36は、ダンパチューブ11の中心軸に対し、ダンパチューブ11の側部とアイジョイント33の外周部とをつなぐつなぎ点を、アイジョイント33とダンパチューブ11の底部11Aとの溶接部よりも外側に配置するものとなり、アイジョイント33の取付強度を簡易に補強できる。
▲2▼取付部材はダンパチューブ11自体も補強する。
【0031】
▲3▼上記▲1▼、▲2▼により、ダンパチューブ11、アイジョイント33の肉厚を大きくすることなく、アイジョイント33の取付強度、ダンパチューブ11の強度を補強でき、油圧緩衝器10の重量を大幅に大きくすることがなく、コスト面でも有利になる。
【0032】
▲4▼補強部材36は、ダンパチューブ11の側部とアイジョイント33の外周部に溶接されてそれらの両者に高い接合強度で接合される。
【0033】
▲5▼補強部材36の保持部36Aを構成する嵌合部41がダンパチューブ11の側部の周囲に嵌合することにより、ダンパチューブ11自体の補強効果が大きく、ダンパチューブ11の座屈を防止できる。
【0034】
▲6▼補強部材36の支持部36Bがダンパチューブ11の軸方向でアイジョイント33の外周部に突き当てられることにより、ダンパチューブ11とアイジョイント33に対する補強部材36の溶接位置を簡易に位置決めできる。
【0035】
(第2実施形態)(図3)
第2実施形態が第1実施形態と異なる点は、補強部材36の支持部36Bを構成する両板状部42の下端部を、アイジョイント33の外周部の曲面に沿ってアイジョイント33の直径上まで延在し、両板状部42の下端部とアイジョイント33の外周部とを溶接する直線状溶接部38をアイジョイント33の直径上で相対する2位置に設けたことにある。
【0036】
本実施形態によれば、補強部材36の支持部36Bがアイジョイント33の外周部の曲面に沿って溶接されることにより、補強部材36とアイジョイント33の外周部との溶接部38に生ずる応力を分散し、強度的に有利になる。
【0037】
(第1参考形態)(図4)
第1参考形態が第2実施形態と異なる点は、ダンパチューブ11の下端部をスピニング加工して底部11Aを形成したものであり、補強部材36の嵌合部41の下端側部分と両板状部42は第2実施形態の逃げ部43を形成されず、液溜まり防止孔44も穿設されない。
【0038】
(第2参考形態)(図5)
第2参考形態が第2実施形態と異なる点は、補強部材36を2枚の相対する板材51、51により構成したことにある。両板材51の上端側部分は、補強部材36の保持部36Aを構成し、ダンパチューブ11の直径上で相対する両側部に円弧状溶接部37により溶接される。
【0039】
両板材51の下端側部分は、補強部材36の支持部36Bを構成し、アイジョイント33の外周部の曲面に沿ってアイジョイント33の直径上まで延在し、アイジョイント33の直径上で相対する2位置に直線状溶接部38により溶接される。両板材51の中間部は、ダンパチューブ11の下端部に底板31を溶接した溶接部32の溶接ビードを回避するための逃げ部52、塗料の液溜まり防止孔53を備える。
【0040】
(第3参考形態)(図6)
第3参考形態が第2参考形態と異なる点は、第2参考形態における2枚の相対する板材51、51の各下端部をアイジョイント33の下側外周部に沿う半円部によりつないだ1枚のU字状板材61とし、この板材61を補強部材36としたことにある。
【0041】
U字状板材61の両端部たる2つの上端部は、補強部材36の保持部36Aを構成し、ダンパチューブ11の直径上で相対する両側部に円弧状溶接部37によりに溶接される。U字状板材61の略半円周状下端部は、補強部材36の保持部36Bを構成し、アイジョイント33の略下半周に密着して該アイジョイント33の外周部に沿う円弧状溶接部38によりアイジョイント33の外周部に溶接される。U字状板材61において、ダンパチューブ11の両側部に溶接された両上端部とアイジョイント33の外周部に溶接された略半円周状下端部との中間部は、ダンパチューブ11の下端部に底板31を溶接した溶接部32の溶接ビードを回避するための逃げ部62、塗料の液溜まり防止孔63を備える。
【0042】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0043】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ダンパチューブの底部に対するアイジョイントの取付強度を簡易な構造で補強することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は油圧緩衝器を一部破断して示す正面図である。
【図2】 図2は第1実施形態を示し、(A)は正面図、(B)は側面図である。
【図3】 図3は第2実施形態を示し、(A)は正面図、(B)は側面図である。
【図4】 図4は第1参考形態を示し、(A)は正面図、(B)は側面図である。
【図5】 図5は第2参考形態を示し、(A)は正面図、(B)は側面図である。
【図6】 図6は第3参考形態を示し、(A)は正面図、(B)は側面図である。
Claims (2)
- ダンパチューブの下端部に底板を溶接して形成した底部にアイジョイントを溶接した油圧緩衝器の補強構造において、
ダンパチューブの側部とアイジョイントの外周部とをつなぐ補強部材を設け、
前記補強部材が、ダンパチューブの側部に溶接される保持部と、アイジョイントの外周部に溶接される支持部とを有し、
前記保持部がダンパチューブの側部の全周囲に嵌合する嵌合部を備え、
前記補強部材における嵌合部の下端側部分はその上端側部分よりも拡径された逃げ部を形成され、逃げ部はダンパチューブの外周との間に隙間を形成してなることを特徴とする油圧緩衝器の補強構造。 - 前記補強部材における嵌合部の下端側部分には、前記逃げ部がダンパチューブの外周との間に形成する隙間に開口する孔を穿設してなる請求項1に記載の油圧緩衝器の補強構造。
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| JP2002017694A JP4124415B2 (ja) | 2002-01-25 | 2002-01-25 | 油圧緩衝器の補強構造 |
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| JP2002017694A JP4124415B2 (ja) | 2002-01-25 | 2002-01-25 | 油圧緩衝器の補強構造 |
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