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JP4124589B2 - ウエハー保持装置 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミックスと金属との接合体及びそれを用いた静電チャック装置などの半導体基板への成膜及びエッチング装置に適するウエハー保持装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体装置の製造において半導体ウエハーを保持するために用いるウエハー保持装置にあって、ウエハーを静電吸着により固定するための例えばセラミック製の静電チャックとしてのセラミックス層を、冷却ジャケットあるいは加熱ヒータを有する金属製基材に接合したものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ウエハー保持装置における接合の一般的な構造としては、セラミック製静電チャック(セラミックス層)と金属製基材(冷却ジャケット・加熱ヒータ)とを、ボルトにて締結したり、接着剤により接合したり、あるいはインジウム半田のような低融点半田(融点120℃程度)を使用して接合する構造等がある。この接合体の構造の一例を図3に示す。
【0004】
図3に示された接合体は、セラミックス層11と金属製基材12とを直接接合したものである。セラミックスよりも金属の方の熱膨張率が大きいことにより、図3のものにあっては、セラミックス層11に、高温で接合した後の冷却時に凸形の変形(反り)が生じたり、またウエハー保持装置としての高温使用時に凹形の変形(反り)が生じたりする。これは、近年の被処理体の大型化傾向によりウエハー保持装置も大型化が要求され、そのため大型の接合体が必要とされると、さらに顕著となる。そして、上記熱サイクルにより、接合部のはく離やセラミックス層の割れが生じるという問題が発生する。
【0005】
また、セラミックスと金属との熱膨張率の大きな差を緩和するために、図4に示されるように、セラミックス層11と金属製基材12とを、セラミックス及び金属の複合材13を介して接合したものがある。この場合には、複合材13の熱膨張率をセラミックス層11と同程度の熱膨張率にすることができ、セラミックス層11に発生する応力が緩和され、接合部のはく離やセラミックス層11の割れが生じることを防止することができる。
【0006】
しかしながら、この図4の構造のものであっても、ウエハー保持装置の全体としては、図における上部(セラミックス層11)の熱膨張率が小さく、下部(金属製基材12)の熱膨張率が大きい。また最近は、ウエハー処理のプロセスにおけるプラズマエネルギを大きくする場合があり、その場合にはウエハーが高温になるためウエハー保持装置がより一層の高温で使用される傾向にある。そのような高温に耐えられる接合状態にするための接合処理において冷却時に上部と下部との熱ひずみの差によって冷却時にセラミックス層11に凸形の変形(反り)が生じる虞がある。また、上記したようにウエハーが高温になってセラミックス層11に凹形の変形(反り)が生じ、ウエハー処理のプロセス時の熱サイクルにより、接合部のはく離やセラミックス層11の割れが生じるという問題が発生する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決して、セラミックス層と金属製基材とを接合する時の温度が高温であってもセラミックス層に反りや割れが発生することを防止すると共に、高温での使用時においても反りや割れが発生することを防ぐことを実現するために、本発明に於いては、半導体製造において使用されるウエハー保持装置であって、金属製基材と、前記金属製基材の主面と当該主面とは相反する裏面にそれぞれ設けられた各複合材と、ウエハーを保持する面を形成するべく前記金属製基材の主面側に設けられた複合材に積層されたセラミックス層とを有し、前記複合材が、金属の母相中に少なくともセラミックスの粒子・繊維・多孔質体が内蔵された複合材料であり、かつ前記金属製基材にろう付けにより接合され、前記金属製基材の主面に設けられた前記複合材の金属とセラミックスとの複合比率が、前記複合材と前記セラミックス層との熱膨張率が前記金属製基材の主面への接合時に前記セラミックス層に発生する応力を緩和する値になるように調整され、前記金属製基材の裏面に設けられた前記複合材の金属とセラミックスとの複合比率が、前記金属製基材と前記各複合材と前記セラミック層との全体の使用状態での熱膨張率のバランスを取るべく、前記金属製基材の主面側よりも裏面側の温度が低い状態で使用される場合には前記金属製基材の裏面に設けられた前記複合材の熱膨張率を大きくし、逆の場合には前記金属製基材の裏面に設けられた前記複合材の熱膨張率を小さくするように調整されているものとした。
【0008】
これによれば、ウエハー保持装置を構成する各部材を高温で接合した後に冷却する場合やウエハー保持装置を高温で使用する場合に、金属製基材とセラミックス層との両者間の大きな熱膨張率差により、金属製基板がセラミックス層に対して大きく熱膨張しても、両者間に介装された複合材のセラミックスと金属との複合比率を調整することにより複合材の熱膨張率を適切化することができるため、セラミックス層に発生する応力を緩和して、セラミックス層に反りや割れが発生することを防止できる。さらに、金属製基板の裏面にも複合材が設けられていることから、金属製基板のセラミックス層側の熱膨張率の差による影響を反対側から抑えるように、上記セラミックス層側とは相反する側の複合材の熱膨張率を適切化することにより、ウエハー保持装置全体の熱膨張率の差による変形に対するバランスを取ることができる。
【0009】
特に、金属製基材が、アルミニウムまたはアルミニウム合金またはチタンまたはチタン合金またはステンレス鋼を用いて形成され、あるいは、前記複合材の金属に、アルミニウムまたはアルミニウム合金または銅または銅合金またはニッケルまたはニッケル・鉄・コバルト合金を用いたり、あるいは、前記複合材のセラミックスに、炭化珪素または窒化珪素またはアルミナまたは窒化アルミニウムを用いたりすると良い。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図面に示された具体例に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明が適用されたウエハー保持装置を概略示す側断面図である。図に示されるように、金属製基材1の主面としての図における上面に複合材2が積層状態に設けられ、その複合材2の図における上面に、図示されないウエハーを例えば静電チャックで保持するための保持面を形成するセラミックス層3が積層状態に配設されている。また、金属製基材1の上記上面とは相反する裏面としての図における下面にも複合材4が設けられている。
【0012】
上記複合材2・4は、金属の母相中にセラミックスの粒子・繊維・多孔質体などが内蔵された複合材料のことであり、金属母相としてはアルミニウム合金が望ましく、セラミックスの粒子・繊維・多孔質体としてはSiCが望ましく、例えばAl−SiCである。なお、複合材2・4は、基材1の上下面に鋳込みまたは接合(例えばろう接)によって接合状態に配設されている。
【0013】
上記金属製基材1の金属には、アルミニウムまたはアルミニウム合金が使用されている。また、他の金属として、チタンまたはチタン合金、あるいはステンレス鋼を用いることができる。また、複合材2・4の金属には、アルミニウムの他に、アルミニウム合金または銅または銅合金またはニッケルまたはニッケル・鉄・コバルト合金を用いることができる。また、複合材2・4のセラミックスには、炭化珪素の他に、窒化珪素またはアルミナまたは窒化アルミニウムを用いることができる。
【0014】
なお、金属製基材1の上面に配置される複合材2にあっては、接合時にセラミックス層3に発生する応力を緩和するために、セラミックス層3に用いられているセラミックスの熱膨張率と複合材2の熱膨張率とがほぼ同じになるように、複合材2に用いられる金属とセラミックスとの複合比率が調整されている。また、金属製基材1の下面に配置される複合材4にあっては、接合体(基材1・複合材2・セラミックス層3・複合材4)全体の熱膨張率のバランスを取るために必要な値となるように、複合材4に用いられる金属とセラミックスとの複合比率が調整されている。
【0015】
本願発明によれば、このような複合材2・4をウエハー保持装置の上面及び下面の両面に配置しており、これにより、金属製基材1に両複合材2・4を一体化する接合時、あるいはウエハーの処理プロセス実行のためにウエハー保持装置として使用する使用時に高温及び低温間の温度差により金属製基材1が反ってしまう変形を低減することができる。したがって、セラミックス層3に発生する応力が緩和され、セラミックス層3と複合材2との間の接合部5のはく離や、セラミックス層3の割れが生じることがない。
【0016】
また、金属製基材1の下面側の複合材4にあっては、その厚さや複合比率を変えることにより、使用時の温度変化(勾配)に好適に対応することかできる。例えば、ウエハー保持装置に、図1に示されるように冷却用に冷媒を通すジャケット6を設け、上面側よりも下面側の温度が低い状態でウエハー保持装置が使用される場合には、上下の複合材2・4を同じ熱膨張率にすると上面側の複合材2の熱膨張量が大きくなるため、ウエハー保持装置の全体が上に凸状に変形してしまうという問題が発生する。この場合には、上面側の複合材2よりも下面側の複合材4の熱膨張率を大きくするように、下面側の複合材4におけるセラミックスと金属との複合比率を変更することにより、上記したような使用状態での変形を低減することができる。
【0017】
なお、上記ジャケット6に代えて加熱ヒータを設けることもでき、またジャケット6に冷媒または温媒を流すようにすることができる。加熱する場合には上記とは逆にすれば良く、このようにして種々の使用条件に好適に対応し得る。
【0018】
次に、図2に示される熱応力解析モデル(概略側断面図)に基づいて、表1に、図3に対応する複合材無しの場合(a)、図4に対応して上面のみに複合材13を設けた場合(b)、そして本願発明による図1に対応して上下面に複合材2・4を設けた場合(c)の3タイプにおいて、25℃から300℃へ昇温した場合におけるセラミックス層3・11の表面の反り量と、セラミックス層3・11に発生する応力の熱応力解析結果の一例を示す。
【0019】
図2の熱応力解析モデルにあっては、図2(a)が図3に、図2(b)が図4に、図2(c)が図1に対応している。図2(a)の場合には、両複合材が無く、その部分が基材12により形成されている。図2(b)の場合には、上側複合材13のみが設けられ、その分だけ基材12の厚さが薄くされている。図2(c)の場合には、両複合材2・4が設けられており、それらの分だけ基材1の厚さが薄くなっている。
【0020】
また、図2において、各部材は円形をなし、セラミックス層3・11の厚さを6mmとし、その直径を210mmとしている。基材1・12の直径は250mmであり、上側複合材2(13)の外径はセラミックス層3(11)と同じであり、下側複合材4の外径は基材1(12)と同じである。なお、下側複合材4の中央部分が孔になっているのは、実際の処理装置に装着する形状に合わせたためである。
【0021】
【表1】
Figure 0004124589
表1に示されるように、金属製基材とセラミックス層とを複合材を介して接合した場合(図4)には、セラミックス層に発生する最大応力が、複合材を使用しない場合(図3)の約2/3に緩和されることが分かる。また、セラミックス層の表面の反り量は、上側複合材のみを用いた場合(図4)には、複合材を使用しない場合(図3)とほぼ同じである。
【0022】
それに対して、本願発明により基材の上下面に複合材を用いた場合(図1)には、セラミックス層に発生する最大応力が、複合材を使用しない場合(図3)の約2/3に緩和されていると共に、セラミックス層の表面の反り量は、上側複合材のみを用いた場合(図4)の約1/6まで減少している。このように、基材の上下面に複合材を設けることにより、セラミックス層に発生する最大応力の低減、及びセラミックス層表面の反り量の低減に効果が大である。
【0023】
【発明の効果】
このように本発明によれば、金属製基板の両面に複合材を設けたことから、金属製基材とセラミックス層との両者間の大きな熱膨張率の差により、温度変化により金属製基板がセラミックス層に対して大きく熱膨張しても、両者間に介装した複合材の熱膨張率を適切化することによりセラミックス層に発生する応力を緩和することができると共に、金属製基板のセラミックス層側とは相反する側の面にも複合材を設けたことから、ウエハー保持装置全体の各部材間の熱膨張率の差に対するバランスを取って、金属製基板とセラミックス層との接合部のはく離や、セラミックス層の変形を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づくウエハー保持装置を概略示す側断面図。
【図2】(a)は図3に対応する熱応力解析モデルであり、(b)は図4に対応する熱応力解析モデルであり、(c)は図1に対応する熱応力解析モデルである。
【図3】従来の複合材が無いウエハー保持装置を概略示す側断面図。
【図4】従来の金属製基板に複合材を介してセラミックス層を設けたウエハー保持装置を概略示す側断面図。
【符号の説明】
1 金属製基材
2 複合材
3 セラミックス層
4 複合材
5 接合部
6 ジャケット
11 セラミックス層
12 金属製基材
13 複合材

Claims (4)

  1. 半導体製造において使用されるウエハー保持装置であって、
    金属製基材と、前記金属製基材の主面と当該主面とは相反する裏面にそれぞれ設けられた各複合材と、ウエハーを保持する面を形成するべく前記金属製基材の主面側に設けられた複合材に積層されたセラミックス層とを有し、
    前記複合材が、金属の母相中に少なくともセラミックスの粒子・繊維・多孔質体が内蔵された複合材料であり、かつ前記金属製基材にろう付けにより接合され、
    前記金属製基材の主面に設けられた前記複合材の金属とセラミックスとの複合比率が、前記複合材と前記セラミックス層との熱膨張率が前記金属製基材の主面への接合時に前記セラミックス層に発生する応力を緩和する値になるように調整され、
    前記金属製基材の裏面に設けられた前記複合材の金属とセラミックスとの複合比率が、前記金属製基材と前記各複合材と前記セラミック層との全体の使用状態での熱膨張率のバランスを取るべく、前記金属製基材の主面側よりも裏面側の温度が低い状態で使用される場合には前記金属製基材の裏面に設けられた前記複合材の熱膨張率を大きくし、逆の場合には前記金属製基材の裏面に設けられた前記複合材の熱膨張率を小さくするように調整されていることを特徴とするウエハー保持装置。
  2. 前記金属製基材が、アルミニウムまたはアルミニウム合金またはチタンまたはチタン合金またはステンレス鋼を用いて形成されていることを特徴とする請求項1に記載のウエハー保持装置。
  3. 前記複合材の金属に、アルミニウムまたはアルミニウム合金または銅または銅合金またはニッケルまたはニッケル・鉄・コバルト合金を用いたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のウエハー保持装置。
  4. 前記複合材のセラミックスに、炭化珪素または窒化珪素またはアルミナまたは窒化アルミニウムを用いたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のウエハー保持装置。
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