JP4125559B2 - 電子調律器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力楽音信号の音高と所定の基準音高との差分が所定範囲内にあるか否かを報知する電子調律器に関する。
【0002】
【従来の技術】
ギターなどの弦楽器の調律(チューニング)を行なう際には、弦楽器の弾弦により入力される楽音信号の音高を検出し、検出された音高(以下、検出音高と称する)と、あらかじめ設定されている基準音高との差分が所定範囲内にあるか否かを報知する電子調律器(チューナ)が用いられる。このような電子調律器には、検出音高と基準音高との差分を指し示す指針を有するメータや、その差分が所定範囲内にある場合に点灯するLED等が備えられている。操作者は、メータの指針が所定範囲内になるように、あるいはLEDが点灯するように調律を行なう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した電子調律器では、検出音高と基準音高との差分が所定範囲内にあるか否かの報知は、メータの指針が所定範囲内にあるか否か、あるいはLEDが点灯するか否かで行なわれる。しかし、ギター等の弦楽器では、楽音信号の音高が所定範囲内にある場合であっても、その楽音信号の波形は変動しているため、メータの指針が振動したりLEDが点滅表示する場合があり、そのような場合、初心者は調律が確実に行なわれたかどうかよく判らないという問題がある。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑み、調律が確実に行なわれたことを認識することができる電子調律器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の電子調律器は、入力楽音信号の音高と所定の基準音高との差分が所定範囲内にあるか否かを報知する電子調律器において、
上記差分が上記所定範囲内に入ったときに報知する第1の報知手段と、
上記差分が所定時間継続して上記所定範囲内にあったときに報知する第2の報知手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】
一般に、電子調律器でギター等の弦楽器の調律を行なうにあたり、その電子楽器に入力される楽音信号の音高が所定範囲内にある場合であっても、その楽音信号の波形は変動しているため、メータの指針が振動したりLEDが点滅表示する場合があり、そのような場合、初心者は調律が確実に行なわれたかどうかよく判らないという問題がある。
【0007】
本発明の電子調律器は、ギター等の調律を行なうにあたり、第1の報知手段である例えば上記メータの指針が振動したり上記LEDが点滅表示するような場合であっても、第2の報知手段(例えば、後述する実施形態におけるスピーカ)により入力楽音信号の音高と所定の基準音高との差分が所定時間継続して所定範囲内にあったときに報知される。従って、初心者であっても調律が確実に行なわれたことを認識することができる。
ここで、本発明の電子調律器において、前記第1の報知手段は、視覚に対する報知を行う視覚報知手段であってもよく、あるいは、前記第2の報知手段は、聴覚に対する報知を行う聴覚報知手段であってもよい。この場合に、前記視覚報知手段は、指針の動きで報知するメータであってもよく、あるいは、前記視覚報知手段は、発光器の発光状態で報知する発光手段であってもよい。また、前記聴覚報知手段は、発音して報知する発音手段であってもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0009】
図1は、本発明の一実施形態の電子調律器のブロック図である。
【0010】
図1に示す電子調律器100には、音響信号A(本発明にいう楽音信号の一例)が入力される。この電子調律器100は、入力された音響信号Aの音高と所定の基準音高との差分が所定範囲内にあるか否かを報知する電子調律器である。
【0011】
この電子調律器100には、ゼロクロス検出部102と、操作子群103と、CPU104と、表示部105と、放音部106と、ROM107と、RAM108とが備えられている。
【0012】
ゼロクロス検出部102は、入力される音響信号Aに対してゼロクロス検出を行ない、ゼロクロスが検出された時点でCPU104に割り込み信号を出力する。
【0013】
操作子群103には、基準音高選択スイッチ,タイムボタン,レンジボタン等の操作子が備えられている。これらの操作子については後述する。
【0014】
CPU104は、ROM107に記憶されたプログラムにより、図1に示す電子調律器100全体を制御する。具体的には、前述したゼロクロス検出部102から出力される割り込み信号により自己相関に基づいて基本周波数である音高を検出したり、操作子群103に備えられた操作子の操作状態を検出したり、あるいは表示部106に対する表示を制御したり、放音部106に備えられた後述するスピーカの駆動制御等を行なう。
【0015】
表示部105は、本発明にいう第1の報知手段の一例であり、この表示部105には、CPU104で検出された入力音響信号Aの音高と所定の基準音高との差分が所定範囲内にあるか否かを報知するメータや複数のLED等が備えられている。これらのメータやLED等については後述するが、この表示部105は、それらメータやLEDにより、上記差分が上記所定範囲内に入ったときに報知する。
【0016】
放音部106は、本発明にいう第2の報知手段の一例であり、スピーカ(もしくは電子ブザー)が備えられている。この放音部104は、上記差分が所定時間継続して上記所定範囲内にあったときに報知する。
【0017】
ROM107には、CPU104を動作させるプログラムや、基準音高データ、基準値との誤差範囲を示すデータ等が記憶されている。
【0018】
RAM108は、CPU104に備えられたワーキングRAM、検出音高を表わすデータ等を一時的に記憶するためのものである。
【0019】
図2は、図1に示す電子調律器の操作パネルを示す図である。
【0020】
この操作パネル110には、操作子群103を構成する基準音高選択スイッチ103_1,タイムボタン103_2,レンジボタン103_3が備えられている。
【0021】
基準音高選択スイッチ103_1は、6弦それぞれに対応する基準音高を設定するための操作子であり、ユーザは1〜6までの番号を選択操作することにより所望の弦に対応する基準音高を選択する。
【0022】
タイムボタン(TIME)103_2は、CPU104で検出された入力音響信号Aの音高(以下、単に検出音高と称する)が基準音高との誤差範囲に入ってからの継続時間を設定するための操作子である。タイムボタン103_2を押すごとに、そのタイムボタン103_2の上部に設けられた、表示器105を構成するLED105_4(継続時間0.5秒用),LED105_5(継続時間1.0秒用),LED105_6(継続時間2.0秒用)が点灯移動する。これにより所望の継続時間を選択することができる。初期値は、継続時間0.5秒が設定される(LED105_4が点灯する)。
【0023】
レンジボタン(RANGE)103_3は、検出音高と基準音高との誤差範囲を選択するための操作子である。レンジボタン103_3を押すごとに、そのタイムボタン103_3の上部に設けられた、表示器105を構成するLED105_7(誤差範囲±1cent用),LED105_8(誤差範囲±3cent用),LED105_9(誤差範囲±5cent用)が点灯移動する。これにより所望の誤差範囲を選択することができる。初期値は、誤差範囲±1centが設定される(LED105_7が点灯する)。
【0024】
また、この操作パネル110には、表示部105を構成するメータ105_1およびLED105_2,105_3が備えられている。
【0025】
メータ105_1は、指針105_1aを有し、中央がゼロ(検出音高と基準音高との誤差がゼロ)、左側がマイナス方向(検出音高の方が基準音高よりも低い)を示し、右側がプラス方向(検出音高の方が基準音高よりも高い)を示す。また、左側には−50Centまでの目盛りが刻まれており、右側には+50Centまでの目盛りが刻まれている。さらに、検出音高の方が基準音高よりも低い場合はLED105_2が点灯し、逆に検出音高の方が基準音高よりも高い場合はLED105_3が点灯する。また、検出音高と基準音高との誤差が設定された誤差範囲内であれば、LED105_2,LED105_3の双方が点灯する。
【0026】
さらに、この操作パネル110には、放音部106を構成するスピーカ106_1が備えられている。このスピーカ106_1は、入力検出音高と基準音高との差分が所定時間継続して上記誤差範囲内にあったときに、即ちチューニングが安定したことを報知するために発音される。スピーカ106_1からは、例えば選択されている基準音が発音される。尚、スピーカ106_1からの発音を停止するスイッチを設けてもよい。
【0027】
また、この操作パネル110には、被調律楽器の音を入力するためのマイクロホン110_1と、音響信号Aを直接入力するための入力端子110_2と、電子調律器100に電源を投入するための電源スイッチ110_3とが備えられている。尚、入力端子110_2にギターなどのプラグを挿入するとマイクロホン110_1からの入力は遮断される。
【0028】
図3は、図1に示す電子調律器におけるメイン処理ルーチンを示すフローチャートである。
【0029】
図3に示す電子調律器100に電源が投入されると、このルーチンが実行される。
【0030】
先ず、ステップS201において、初期設定を行なう。この初期設定では、タイムボタン103_2の操作により設定される継続時間(検出音高が基準音高との誤差範囲に入ってからの継続時間)の初期値を0.5秒にする(継続時間記憶用のTレジスタに記憶される)。また、レンジボタン103_3の操作により設定される検出音高と基準音高との誤差範囲の初期値を±1centにする(誤差範囲記憶用のRレジスタに記憶される)。さらに、継続時間0.5秒用のLED105_4,誤差範囲±1cent用のLED105_7を点灯する。
【0031】
次に、ステップS202において、設定モードの処理を行なう。詳細については図4で説明するが、この設定モードの処理では、基準音高選択スイッチ103_1により選択された基準音高を設定したり、タイムボタン103_2で設定された継続時間の値をTレジスタにセットしたり、レンジボタン103_3で設定された誤差範囲の値をRレジスタにセットしたりする。
【0032】
さらに、ステップS203において、検出モードの処理を行なう。詳細については図5で説明するが、この検出モードの処理では、電子調律器100に音響信号Aが入力されることで起動してその音響信号Aの音高を検出し、検出された音高と前述したステップS202で設定された基準音高との差分に基づいて検出結果を報知してステップS202に戻る。
【0033】
図4は、図3に示す設定モードのルーチンを示すフローチャートである。
【0034】
本実施形態の電子調律器100では、入力された音響信号Aの音高が基準音高と合うための条件が初期設定されるが、初期設定された条件と異なる条件を設定したい場合は、この設定モードのルーチンで処理される。
【0035】
先ず、ステップS301において、操作子群103のキー入力が有るか否か、即ち基準音高選択スイッチ103_1,タイムボタン103_2,レンジボタン103_3のうち、いずれかのボタン(キー)が操作されたか否かをスキャンすることにより検出する。操作子群103のキー入力が無いと判定された場合はこのルーチンを抜ける。一方、操作子群103のキー入力が有ると判定された場合はステップS302に進む。
【0036】
ステップS302において、基準音高選択スイッチ103_1が操作された場合はステップS313へ進み、レンジボタン103_3が操作された場合は検出音高と基準周波数の誤差範囲を設定する処理であるステップS308へ進み、タイムボタン103_2が操作された場合は検出音高が基準周波数の誤差範囲に入ってからの持続時間を設定する処理であるステップS303へ進む。
【0037】
最初に、ステップS303に進んだ場合について説明する。先ず、ステップS303において、現在の設定が0.5秒にある状態でタイムボタン103_2が操作された場合はステップS305に進み、1.0秒の設定値をTレジスタに記憶してステップS301に戻る。一方、現在の設定が0.5秒でない状態でタイムボタン103_2が操作された場合はステップS304に進む。
【0038】
ステップS304において、現在の設定が1.0秒である場合はステップS306に進み、2.0秒の設定値をTレジスタに記憶してステップS301に戻る。また、現在の設定が1.0秒でない場合はステップS307に進む。ステップS307では、0.5秒の設定値をTレジスタに記憶してステップS301に戻る。
【0039】
次に、ステップS308に進んだ場合について説明する。ステップS308において、現在の設定が±1centにある状態でレンジボタン103_3が操作された場合はステップS310に進み、±3centの設定値をRレジスタに記憶してステップS301に戻る。一方、現在の設定が±1cent秒でない状態でレンジボタン103_3が操作された場合はステップS309に進む。
【0040】
ステップS309において、現在の設定が±3centである場合はステップS311に進み、±5centの設定値をRレジスタに記憶してステップS301に戻る。また、現在の設定が±3centでない場合はステップS312に進む。ステップS312では、±1centの設定値をRレジスタに記憶してステップS301に戻る。
【0041】
さらに、ステップS313に進んだ場合は、このステップS313において、基準音高選択スイッチ103_1での選択に対応した1〜6番までの基準音高を設定してステップS301に戻る。
【0042】
図5は、図3に示す検出モードのルーチンを示すフローチャートである。
【0043】
先ず、ステップS401において、検出音高と基準音高との差分が所定時間継続して所定範囲内にあることを判定する安定判定用のタイマをクリアすると共にカウントを開始する。
【0044】
次に、ステップS402において、入力された音響信号Aが所定のレベルを超えているか否かが判定される。所定のレベルを超えていないと判定された場合はこのルーチンを終了する。一方、所定のレベルを超えていると判定された場合は、音高を検出するためにステップS403に進む。
【0045】
ステップS403では、ゼロクロス検出部102やCPU104で入力音響信号Aの音高を検出してステップS404に進む。
【0046】
ステップS404では、選択されている基準音高と検出音高との差分を求め、その差分が所定範囲外であれば、新たに入力音響信号Aを検出するためにステップS401へ戻る。一方、差分が所定範囲内であればその状況を報知するためにステップS405に進む。
【0047】
ステップS405では、入力音響信号Aの音高と基準音高との差分が所定範囲内であるため、メータ105_1の指針105_1aでその状態を表示するとともに2つのLED105_2,105_3を同時に点灯し、検出音高が基準音高範囲内であることを表示する。
【0048】
次に、ステップS406において、上記検出音高と基準音高との差分が所定範囲内(Rレジスタの値に対応する範囲)に継続して(Tレジスタの値に対応する時間)あったか否か、即ち設定した誤差範囲内でかつ設定した時間経過したか否かが判定される。この安定判定に要する時間の設定は、前述したステップS303〜ステップS307で実施される。差分が所定範囲内に継続してあったと判定された場合はステップS407に進み、そうでないと判定された場合はステップS402に戻る。
【0049】
ステップS407では、入力音響信号Aの、検出された音高が、上記の条件(設定した誤差範囲内でかつ設定した時間経過したという条件)を全て満たしていることを報知するために、メータ105_1の指針105_1aで基準音高との差(この時にはほとんどゼロに近い表示となる)を表示するとともに2つのLED105_2,105_3を同時に点灯させ、さらにタイムボタン103_2で設定した設定時間経過後にスピーカ106_1から所定の音(ピピッ)を放音してステップS401に戻る。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の電子調律器によれば、調律が確実に行なわれたことを認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の電子調律器のブロック図である。
【図2】図1に示す電子調律器の操作パネルを示す図である。
【図3】図1に示す電子調律器におけるメイン処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】図3に示す設定モードのルーチンを示すフローチャートである。
【図5】図3に示す検出モードのルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
100 電子調律器
102 ゼロクロス検出部
103 操作子群
103_1 基準音高選択スイッチ
103_2 タイムボタン
103_3 レンジボタン
104 CPU
105 表示部
105_2,105_3,105_4,105_5,105_6,105_7,105_8,105_9 LED
105_1 メータ
105_1a 指針
106 放音部
106_1 スピーカ
107 ROM
108 RAM
110 操作パネル
110_1 マイクロホン
110_2 入力端子
110_3 電源スイッチ
Claims (6)
- 入力楽音信号の音高と所定の基準音高との差分が所定範囲内にあるか否かを報知する電子調律器において、
前記差分が前記所定範囲内に入ったときに報知する第1の報知手段と、
前記差分が所定時間継続して前記所定範囲内にあったときに報知する第2の報知手段とを備えたことを特徴とする電子調律器。 - 前記第1の報知手段は、視覚に対する報知を行う視覚報知手段であることを特徴とする請求項1記載の電子調律器。
- 前記第2の報知手段は、聴覚に対する報知を行う聴覚報知手段であることを特徴とする請求項1記載の電子調律器。
- 前記視覚報知手段は、指針の動きで報知するメータであることを特徴とする請求項2記載の電子調律器。
- 前記視覚報知手段は、発光器の発光状態で報知する発光手段であることを特長とする請求項2記載の電子調律器。
- 前記聴覚報知手段は、発音して報知する発音手段であることを特徴とする請求項3記載の電子調律器。
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