JP4126538B2 - ガソリンバリア性に優れた燃料容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車燃料に対する透過防止性能(ガソリンバリア性)、耐熱性、耐衝撃性および経済性に優れた燃料容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車用に代表される燃料容器において、軽量化、防錆性、易成形加工性、リサイクル性などの点から、金属製から熱可塑性樹脂製の燃料容器への実用化が積極的に進められている。燃料容器を自動車等に搭載する場合には、容器の耐熱性、耐水性および耐衝撃性などの各種性能が要求されることから、可塑性樹脂製燃料タンクとしては、ポリエチレン製単層型のものが普及しているが、比較的高いガソリン透過性を有するため、燃料容器本体からガソリン成分が透過、揮発するという問題があった。そこで、ガソリンバリア性に優れる容器としてポリエチレンとエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)の多層タンクが提案され(例えば、特許文献1参照。)、より良好なガソリンバリア性を有する燃料容器を得ることができるようになった。
【0003】
しかしながら、その一方で燃料容器に付属する成形部品(例えば、燃料チューブ、給油口のガス抜きライン、圧抜き用バルブ、およびこれら容器本体とのコネクターなど)は、一般には高密度ポリエチレン製のものが使用されている。このため、これらの成形部品部から燃料が透過・揮発する。ゆえに、燃料容器本体のガソリンバリア性を優れたものとしても、接続する成形部品から燃料が透過、揮発する問題が発生しており、しかもその量は無視できないものであった。
【0004】
これを解決する手段として、高密度ポリエチレンの代わりにバリア性樹脂(例えば、EVOHなど)を使用することが考えられるが、バリア性樹脂のみを燃料容器用成形部品として用いた場合は、ガソリンが透過・揮発するという問題点は解決できるが、燃料容器本体との熱融着性、機械強度、耐衝撃性などが不満足なものとなる。さらに高密度ポリエチレンとバリア性樹脂からなる多層構成の成形部品が提案されているが(例えば、特許文献2参照。)、熱融着やはめ込み等で生じる全ての接続部位について実質的にバリア性樹脂で被覆されている構成とはならず、その部位よりガソリンが透過、揮発する問題は解決されるものではなかった。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−29904号公報
【特許文献2】
特開2002−52658号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題を解決し、燃料チューブ、給油口のガス抜きライン、圧抜き用バルブなどと燃料容器本体との接続部分からの燃料の漏れが大幅に改善された、ガソリンバリア性、熱融着性、および機械強度に優れた燃料容器を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記問題を解決するために鋭意検討した結果、燃料容器用成形部品の内面および/または表面、あるいは燃料容器用成形部品と燃料容器本体との接続部位に、皮膜層として特定の活性水素含有化合物および有機ポリイソシアネート化合物を主成分とするウレタン樹脂組成物により形成される高ガソリンバリア性硬化皮膜層を形成させることにより、燃料容器用成形部品と燃料容器本体との接続部分からの燃料の漏れが大幅に改善されたガソリンバリア性、耐熱性、耐衝撃性および経済性に優れた燃料容器が得られることを見出した。
【0008】
すなわち本発明は、熱可塑性ポリマー樹脂により構成される燃料容器用成形部品が燃料容器本体に装着された燃料容器であって、該成形部品の内面および/または表面に皮膜層が形成されており、該皮膜層が活性水素含有化合物を主成分とする成分(A)および有機ポリイソシアネート化合物を主成分とする成分(B)より成るウレタン樹脂組成物により形成され、かつ該皮膜層の23℃、相対湿度60%RHにおけるガソリン透過係数が2 g−mm/m2・day以下であり、該皮膜層中に含有される(1)式に示される骨格構造が20重量%以上であることを特徴とする燃料容器を提供するものである。
また、本発明は、熱可塑性ポリマー樹脂により構成される燃料容器用成形部品が燃料容器本体に装着された燃料容器であって、該成形部品と燃料容器本体との接続部位に皮膜層が形成されており、該皮膜層が活性水素含有化合物を主成分とする成分(A)および有機ポリイソシアネート化合物を主成分とする成分(B)より成るウレタン樹脂組成物により形成され、かつ該皮膜層の23℃、相対湿度60%RHにおけるガソリン透過係数が2 g−mm/m2・day以下であり、該皮膜層中に含有される(1)式に示される骨格構造が20重量%以上であることを特徴とする燃料容器を提供する。
【化3】
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明において、燃料容器とは、自動車、オートバイ、船舶、航空機、発電機及び工業用、農業用機器に搭載された燃料容器、もしくは、これら燃料容器に燃料を補給するための携帯用容器、さらには、これら稼動のために用いる燃料を保管するための容器を意味する。また燃料としてはガソリンおよびメタノール、エタノールまたはMTBE等をブレンドしたガソリンすなわち含酸素ガソリンが代表例としてあげられるが、その他の重油、軽油、灯油なども例示される。
本発明の燃料容器は、燃料容器本体とこの燃料容器本体に装着された成形部品からなる。
【0010】
本発明の燃料容器を構成する燃料容器本体は、好ましくは熱可塑性樹脂製であり、熱可塑性樹脂製である場合には、ガソリンバリア性の高い樹脂層が含まれていることが好ましい。具体的には、中間層にバリア性樹脂層を有する多層構造の樹脂からなる容器や、容器表面にバリア性皮膜層が形成された熱可塑性樹脂製容器などが挙げられる。中間層にバリア性樹脂層を有する多層構造の樹脂からなる容器の場合、最外層にはポリオレフィン層が配置されていることが燃料容器の機械強度などの点から好ましく、バリア性樹脂層としては、好適にはEVOHが用いられ、エチレン含有量5〜60モル%、ケン化度90%以上であるEVOHが好ましい。最外層のポリオレフィンとしては、高密度ポリエチレンであることが好ましい。また、容器表面にバリア性皮膜層が形成された熱可塑性樹脂製容器の場合は、熱可塑性樹脂としては、成形後に形状を保持し得るものであればいずれのものでも使用することができ、例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン6,6などのポリアミド系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、EVOH系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などが挙げられるが、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、ポリオレフィン系樹脂の中でも低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直線状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン樹脂がより好ましく、ポリエチレン樹脂の中でも高密度ポリエチレン樹脂が特に好ましい。本発明で使用する皮膜層で容器内面および/または表面の少なくとも一部を被覆した容器が特に好ましい。
【0011】
また、容器本体を形成する熱可塑性樹脂に関しては、耐熱性や耐衝撃性などの諸性能を向上させるために、必要に応じて数種の樹脂を配合して使用しても良い。さらに、成形時に発生するスクラップ樹脂を再利用して使用しても良い。具体的には成形時に発生するロス部分や、一般消費者に使用された後の回収品の粉砕物等が挙げられる。かかるスクラップ樹脂を用いることにより廃棄物量が抑制されるため、環境保全の観点から好ましく、コスト低減の効果も得られる。
【0012】
さらに容器本体を形成する熱可塑性樹脂には、必要に応じて各種添加剤を配合することもできる。このような添加剤の例としては、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールなどの酸化防止剤、フタル酸エステル類、ワックス、流動パラフィン、リン酸エステルなどの可塑剤、エチレン−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどの紫外線吸収剤、ペンタエリスリットモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、硫酸化ポリオレフィン類、ポリエチレンオキシド、カーボワックスなどの帯電防止剤、エチレンビスステアロアミド、ブチルステアレートなどの滑剤、カーボンブラック、フタロシアニン、キナクリドン、インドリン、アゾ系顔料、ベンガラなどの着色剤、その他フィラー、熱安定剤等を挙げることができる。
【0013】
熱可塑性樹脂より成形される容器本体を得る方法としては、特に限定されるものではないが、一般のポリオレフィンの分野において実施されている成形方法、例えば、押出成形、ブロー成形、射出成形等があげられ、特に、押出成形、射出成形が好適である。また、成形後に容器と皮膜層との接着性を向上させるために、必要に応じて容器の内外表面にコロナ放電処理やオゾン処理などの各種表面処理を実施してもよい。
【0014】
また燃料容器本体の全体厚みは、好ましくは300〜10000μm、より好ましくは500〜8500μm、特に好ましくは1000〜7000μmである。なお、これらの厚みは燃料容器の胴部における平均厚みをいう。全体厚みが大きすぎると重量が大きくなりすぎ、自動車等の燃費に悪影響を及ぼし、燃料容器のコストも上昇する。一方全体厚みが小さすぎると剛性が保てず、容易に破壊されてしまう問題がある。したがって、容量や用途に対応した厚みを設定することが重要である。
【0015】
続いて本発明に用いられる成形部品について説明する。本発明に用いられる成形部品は、燃料容器本体に装着されて用いられる成形部品をいい、具体的には、燃料容器用コネクター、燃料容器用キャップ、燃料容器用バルブなどが挙げられるが、これに限定されない。好ましくは、燃料容器用コネクター、燃料容器用バルブである。
【0016】
本発明に用いられる成形部品は熱可塑性樹脂製であることが好ましく、具体的には、例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン6,6などのポリアミド系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、EVOH系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などが挙げられるが、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、ポリオレフィン系樹脂の中でも低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直線状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン樹脂がより好ましく、ポリエチレン樹脂の中でも高密度ポリエチレン樹脂が特に好ましい。また、耐熱性や耐衝撃性などの諸性能を向上させるために、必要に応じてこれらの樹脂を配合して使用したり、例えば、EVOHなどのガソリンバリア性樹脂とポリオレフィン樹脂との多層構成としても良い。さらに、容器本体の場合と同様に、成形時に発生するスクラップ樹脂を再利用して使用しても良い。また、熱可塑性樹脂には必要に応じて各種添加剤を配合することもできる。このような添加剤の例としては、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールなどの酸化防止剤、フタル酸エステル類、ワックス、流動パラフィン、リン酸エステルなどの可塑剤、エチレン−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、2−(2’−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどの紫外線吸収剤、ペンタエリスリットモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、硫酸化ポリオレフィン類、ポリエチレンオキシド、カーボワックスなどの帯電防止剤、エチレンビスステアロアミド、ブチルステアレートなどの滑剤、カーボンブラック、フタロシアニン、キナクリドン、インドリン、アゾ系顔料、ベンガラなどの着色剤、その他フィラー、熱安定剤等を挙げることができる。
【0017】
成形部品を燃料容器本体に装着する方法は特に限定されず、ねじ込み式、填め込み式による装着、および熱融着による装着法などが挙げられるが、熱融着による装着が好ましい。熱融着には一般的な手法が用いられ、ヒーターなどにより燃料容器本体および/または燃料容器用成形部品の融着面を加熱した後、融着を行う方法、燃料容器本体と燃料容器用成形部品を高周波融着する方法、および燃料容器本体と当該成形部品を超音波融着する方法などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0018】
成形部品コネクターとしての成型部品の使用態様としては、燃料容器本体に装着された燃料容器用コネクターとして使用する態様、さらにフレキシブルな燃料輸送用のパイプあるいはチューブ、ホースが装着される態様などが挙げられるが、これらに限定されない。このコネクターを燃料容器本体に装着する方法としては、ねじ込み式、填め込み式、熱融着による接合などが例示されるが、熱融着により装着されることが好ましい。また、コネクターは耐ストレスクラック特性、耐有機溶剤性に優れていることが、燃料容器用成形部品の長期連続使用性、すなわち製品寿命の観点から好適である。
【0019】
燃料容器用キャップは、給油口の閉蓋具として用いられる。その接合方法は特に限定されないが、ねじ込み式、填め込み式などが挙げられる。現在、多くの燃料容器用キャップは金属製であるが、軽量化、リサイクルなどの観点から熱可塑性樹脂製のキャップが近年注目を集めている。熱可塑性樹脂製の燃料容器用キャップについてはガソリンバリア性、耐有機溶剤性、耐ストレスクラック特性に優れていることが好ましく、開閉を繰り返すことから、耐摩耗性等の機械強度にも優れていることがさらに好ましい。
【0020】
本発明の燃料容器を構成する皮膜層について以下に説明する。本発明における皮膜層は活性水素含有化合物を主成分とする成分(A)および有機ポリイソシアネート化合物を主成分とする成分(B)より成るウレタン樹脂組成物により形成され、その23℃、相対湿度60%RHにおけるガソリン透過係数が2 g-mm/m2・day以下、好ましくは0.2 g-mm/m2・day以下、特に好ましくは0.02 g-mm/m2・day以下であることを特徴としている。ここでガソリン透過係数とは1mm厚のサンプル1平方メートルを24時間かけて透過するガソリンの量を示す値である。測定に用いられるガソリンとは、イソオクタン/トルエン/エタノール=45/45/10の体積分率で混合される模擬ガソリンである。
【0021】
また、前記ウレタン樹脂組成物の硬化により形成される皮膜層中に含有される(1)式に示される骨格構造が20重量%以上であることが好ましい。該骨格構造を20重量%以上にすることにより、良好なガソリンバリア性が発現する。
【化2】
【0022】
以下に、ウレタン樹脂組成物を形成する活性水素含有化合物と有機ポリイソシアネート化合物について詳細に説明する。
【0023】
本発明のウレタン樹脂組成物において、活性水素含有化合物は、ポリアミンのアルキレンオキシド付加物、アミド基含有ポリオール、ポリイソシアネート化合物のポリオール付加物およびポリオールから選ばれる少なくとも1種の化合物である。これらは、脂肪族化合物、脂環族化合物、芳香脂肪族化合物および芳香族化合物のいずれであってもよく、使用用途およびその用途における要求性能に応じて適宜選択することが可能であるが、より高いガソリンバリア性と皮膜層のガソリン漏洩防止機能の向上、さらに燃料容器用成形部品等への良好な接着性の発現を考慮した場合には、芳香族部位または脂環族部位を分子内に含む活性水素含有化合物が好ましく、上記(1)の骨格構造を分子内に含む活性水素含有化合物がより好ましい。また活性水素含有化合物は、末端官能基としてアミノ基および/または水酸基を有し、化合物中の活性水素の総数が2以上であるが、より高いガソリンバリア性と皮膜層のガソリン漏洩防止機能の向上、さらに燃料容器用成形部品等への良好な接着性の発現を考慮した場合には、活性水素の総数は3以上が好ましく、4以上がさらに好ましい。
【0024】
前記ポリアミンとしては、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン等の脂肪族ポリアミン、1,3−または1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4,4’−、2,4’−または2,2’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジアミン等の脂環族ポリアミン、m−またはp−キシリレンジアミン、1,3−または1,4−テトラメチルキシリレンジアミン等の芳香脂肪族ポリアミン、2,4−または2,6−トリレンジアミン、4,4’−、2,4’−または2,2’−ジアミノジフェニルメタン等の芳香族ポリアミンが例示できる。
【0025】
前記アミド基含有ポリオールとしては、ヒドロキシアルキルアミド等が例示できる。
【0026】
前記ポリイソシアネート化合物としては、m−またはp−フェニレンジイソシアネート、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−、2,4’−または2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、1,5−または2,6−ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、m−またはp−キシリレンジイソシアネート、1,3−または1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ポリイソシアネート、1,3−または1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−または1,4−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、4,4’−、2,4’−または2,2’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、前記芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネートのビュレット体、アロハネート体、ウレトジオン体、イソシアヌレート体などが例示できる。
【0027】
前記ポリオールとしてはエチレングリコール、1,2−または1,3−プロパンジオール、1,3−または1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の脂肪族ポリオール、1,3−または1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ポリオール、m−またはp−キシリレングリコール等の芳香脂肪族ポリオールが例示できる。
【0028】
前記ポリアミンのアルキレンオキシド付加物は、アルキレンオキシドの炭素数がいずれであっても高いガソリンバリア性および燃料容器用成形部品等への良好な接着性を発現するが、より高いガソリンバリア性と皮膜層のガソリン漏洩防止機能の向上、さらに燃料容器用成形部品等への良好な接着性の発現を考慮した場合には、アルキレンオキシドの炭素数を2〜4とすることが好ましい。また前記ポリアミンとアルキレンオキシドとの反応モル比については、いずれであってもガソリンバリア性を発現するが、より高いガソリンバリア性と皮膜層のガソリン漏洩防止機能の向上、さらに燃熱可塑性ポリマー樹脂製燃料容器への良好な接着性の発現を考慮した場合にはモル比([アルキレンオキシド]/[ポリアミン])が2〜16の範囲であることが好ましい。
【0029】
前記ポリイソシアネート化合物に付加させるポリオールは、前記ポリオールのいずれを用いてもよく、反応当量比についてもいずれであっても高いガソリンバリア性及び燃料容器用成形部品等への良好な接着性を発現するが、より高いガソリンバリア性と皮膜層のガソリン漏洩防止機能の向上、さらに燃料容器用成形部品等への良好な接着性の発現を考慮した場合には、当量比([ポリオール]/[ポリイソシアネート化合物])が2〜20の範囲であることが好ましい。反応方法としては、前記構成成分の添加順序として特に制限はなく、各成分の全量を逐次または同時に混合し、あるいは必要に応じて反応途中に適宜、ポリイソシアネート化合物を再添加することなど、従来本分野にて用いられている種々の方法を採用することができる。また反応時には、必要に応じて有機溶剤を用いることができる。有機溶剤としては、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等が例示できる。これらの有機溶媒は、単独または二種類以上組み合わせて使用できる。さらに反応時には、必要に応じて反応促進剤としては、公知の有機金属化合物(鉛または錫化合物)、3級アミンなどが使用できる。
【0030】
さらに、柔軟性や耐衝撃性、耐湿熱性などの諸性能を向上させるため、前記活性水素含有化合物は単独または適切な割合で混合した混合物として使用することができる。
【0031】
前記活性水素含有化合物は、より高いガソリンバリア性と皮膜層のガソリン漏洩防止機能の向上、さらに燃料容器用成形部品等への良好な接着性の発現を考慮した場合には、芳香脂肪族ポリアミンのアルキレンオキシド付加物、芳香脂肪族ポリイソシアネート化合物のポリオール付加物および芳香脂肪族ポリオールが好ましく、芳香脂肪族ポリアミンのアルキレンオキシド付加物がより好ましい。
【0032】
本発明のウレタン樹脂組成物において、有機ポリイソシアネート化合物は、(a)多官能イソシアネート化合物と(b)多官能アルコールの反応生成物、または(a)多官能イソシアネート化合物、(b)多官能アルコールおよび(c)多官能アミンおよび/または多官能カルボン酸の反応生成物であって、末端に2個以上のNCO基を有するものである。これらは脂肪族化合物、脂環族化合物、芳香脂肪族化合物および芳香族化合物のいずれであってもよく、使用用途およびその用途における要求性能に応じて適宜選択することが可能であるが、より高いガソリンバリア性と皮膜層のガソリン漏洩防止機能の向上、さらに燃料容器用成形部品等への良好な接着性の発現を考慮した場合には、芳香族部位または脂環族部位を分子内に含む有機ポリイソシアネート化合物が好ましく、上記(1)の骨格構造を分子内に含む有機ポリイソシアネート化合物がより好ましい。成分(a)と(b)の、または成分(a)、(b)および(c)の反応当量比は、いずれであっても高いガソリンバリア性および燃料容器用成形部品等への良好な接着性を発現するが、より高いガソリンバリア性と皮膜層のガソリン漏洩防止機能の向上、さらに燃料容器用成形部品等への良好な接着性の発現を考慮した場合には当量比([成分(a)]/[成分(b)]または[成分(a)]/[成分(b)+成分(c)])が2〜30であることが好ましい。
【0033】
有機ポリイソシアネート化合物を生成させる反応方法としては、前記構成成分の添加順序として特に制限はなく、各成分の全量を逐次または同時に混合し、あるいは必要に応じて反応途中に適宜、多官能イソシアネート化合物を再添加することなど、従来本分野にて用いられている種々の方法を採用することができる。また反応時には、必要に応じて有機溶媒を用いることができる。有機溶媒としては、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等が例示できる。これらの有機溶媒は、単独または二種類以上組み合わせて使用できる。さらに反応時には、必要に応じて反応促進剤としては、公知の有機金属化合物(鉛または錫化合物)、3級アミンなどが使用できる。(a)と(b)の反応生成物中、または(a)、(b)および(c)の反応生成物中に過剰の未反応成分(a)が存在した場合には、薄膜蒸留、抽出等既存の方法により反応生成物中から除去することができる。
【0034】
成分(a)である多官能イソシアネート化合物としては、m−またはp−フェニレンジイソシアネート、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−、2,4’−または2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、1,5−または2,6−ナフタレンジイソシアネート等の芳香族多官能イソシアネート化合物、m−またはp−キシリレンジイソシアネート、1,3−または1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族多官能イソシアネート化合物、1,3−または1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−または1,4−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、4,4’−、2,4’−または2,2’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環族多官能イソシアネート化合物、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族多官能イソシアネート化合物、更に、前記芳香族多官能イソシアネート化合物、芳香脂肪族多官能イソシアネート化合物、脂環族多官能イソシアネート化合物および脂肪族多官能イソシアネート化合物のビュレット体、アロハネート体、ウレトジオン体、イソシアヌレート体などが例示できる。
【0035】
成分(b)は、炭素数2〜10の多官能アルコールより選ばれる少なくとも1つの多官能アルコールであって、使用用途およびその用途における要求性能に応じて適宜選択することが可能である。多官能アルコールとしては、エチレングリコール、1,2−または1,3−プロパンジオール、1,3−または1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の脂肪族ポリオール、1,3−または1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ポリオール、m−またはp−キシリレングリコール等の芳香脂肪族ポリオールが例示できる。
【0036】
成分(c)は、芳香族多官能アミン、芳香脂肪族多官能アミン、脂環族多官能アミン、脂肪族多官能アミン、脂肪族アルカノールアミン、芳香族多官能カルボン酸、脂環族多官能カルボン酸および脂肪族多官能カルボン酸から選ばれる少なくとも1つの化合物であって、使用用途およびその用途における要求性能に応じて適宜選択することが可能である。
【0037】
芳香族多官能アミンとしては2,4−または2,6−トリレンジアミン、4,4’−、2,4’−または2,2’−ジアミノジフェニルメタン等、芳香脂肪族多官能アミンとしてはm−またはp−キシリレンジアミン、1,3−または1,4−テトラメチルキシリレンジアミン等、脂環族多官能アミンとしては、1,3−または1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4,4’−、2,4’−または2,2’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジアミン等、脂肪族多官能アミンとしてはエチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等、脂肪族アルカノールアミンとしてはエタノールアミン、プロパノールアミン等が例示できる。芳香族多官能カルボン酸としては、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等、脂環族多官能カルボン酸としては1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等、脂肪族多官能カルボン酸としてはマロン酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等が例示できる。
【0038】
より高いガソリンバリア性が発現し、皮膜層のガソリン漏洩防止機能が著しく向上する。また燃料容器用成形部品等への良好な接着強度も得られる。
有機ポリイソシアネート化合物として利用する際に、より高いガソリンバリア性と皮膜層のガソリン漏洩防止機能の向上、さらに燃料容器用成形部品等への良好な接着性の発現を考慮した場合、成分(a)である多官能イソシアネート化合物は、キシリレンジイソシアネート、およびキシリレンジイソシアネートより誘導される化合物であるビュレット体、アロハネート体、ウレトジオン体、イソシアヌレート体から選ばれる少なくとも1つの化合物であることが好ましく、キシリレンジイソシアネートがより好ましい。
さらに、柔軟性や耐衝撃性、耐湿熱性などの諸性能を向上させるため、前記有機ポリイソシアネート化合物は単独または適切な割合で混合した混合物として使用することができる。
【0039】
本発明のウレタン樹脂組成物は、前記成分(A)と(B)の反応により形成される樹脂硬化物中に前述の(1)式に示される骨格構造が20重量%以上含有されていることが好ましく、より好ましくは25重量%以上、さらに好ましくは30重量%以上である。該樹脂硬化物中に(1)式に示される骨格構造が20重量%以上含有されることにより、高いガソリンバリア性と皮膜層のガソリン漏洩防止機能の向上、さらに燃料容器用成形部品等への良好な接着性を発現することが可能となる。
【0040】
本発明におけるウレタン樹脂組成物の主成分である前記成分(A)と(B)の配合割合については、一般に活性水素含有化合物を主成分とする成分と有機ポリイソシアネート化合物を主成分とする成分との反応によりウレタン樹脂硬化物を作製する場合の標準的な配合範囲であってよい。具体的には、成分(A)に含まれる活性水素含有化合物中の水酸基数およびアミノ基数の合計に対する成分(B)に含まれる有機ポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基数の比が0.8〜2.0、好ましくは0.9〜1.7の範囲である。
【0041】
また、本発明において、ウレタン樹脂組成物には、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、エポキシ樹脂組成物、ポリアクリル系樹脂組成物、ポリウレア系樹脂組成物等の熱硬化性樹脂組成物を混合してもよい。
【0042】
皮膜層を燃料容器用成形部品等の表面に形成する場合には、表面の湿潤を助けるために前記ウレタン樹脂組成物の中に、シリコンあるいはアクリル系化合物といった湿潤剤を添加しても良い。適切な湿潤剤としては、ビックケミー社から入手しうるBYK331、BYK333、BYK348、BYK381などがある。これらを添加する場合には、硬化反応物の全重量を基準として0.01重量%〜2.0重量%の範囲が好ましい。
【0043】
また、本発明で形成される皮膜層のガソリンバリア性、耐衝撃性、耐熱性などの諸性能を向上させるために、ウレタン樹脂組成物の中にシリカ、アルミナ、マイカ、タルク、アルミニウムフレーク、ガラスフレークなどの無機フィラーを添加しても良い。高いガソリンバリア性を考慮した場合には、このような無機フィラーが平板状であることが好ましい。これらを添加する場合には、硬化反応物の全重量を基準として0.01重量%〜10.0重量%の範囲が好ましい。
【0044】
さらに、本発明で形成される皮膜層の燃料容器用成形部品等に対する接着性を向上させるために、ウレタン樹脂組成物の中にシランカップリング剤、チタンカップリング剤などのカップリング剤を添加しても良い。これらを添加する場合には、硬化反応物の全重量を基準として0.01重量%〜5.0重量%の範囲が好ましい。
【0045】
本発明の皮膜層を形成する場合には、皮膜層となるウレタン樹脂硬化物を得るのに十分な樹脂組成物の濃度および温度で実施されるが、これは開始材料および塗布方法の選択により変化し得る。すなわち、樹脂組成物の濃度は選択した成形部品の種類および材質、塗布方法などにより、溶剤を用いない場合から、ある種の適切な有機溶媒用いて約5重量%程度の組成物濃度に希釈する場合までの様々な状態をとり得る。有機溶媒としては、反応に対して不活性な溶媒であれば特に限定はされず、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトニトリル等のニトリル類、ジメチルホルミアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、等が挙げられる。これらの有機溶媒は、単独または二種類以上組み合わせて使用できる。またウレタンおよび/またはウレア化反応では、必要に応じてアミン系触媒、錫系触媒、鉛系触媒等のウレタン化触媒を単独または二種類以上組み合わせて使用できる。さらにリン酸亜鉛、リン酸鉄、モリブデン酸カルシウム、酸化バナジウム、水分散シリカ、ヒュームドシリカなどの防錆添加剤、フタロシアニン系有機顔料、縮合多環系有機顔料などの有機顔料、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、カーボンブラックなどの無機顔料等の各成分を単独または二種類以上組み合わせて必要割合量添加しても良い。
【0046】
本発明において、皮膜層の層厚は1〜200μm程度、好ましくは5〜100μmが実用的である。1μm未満であると十分なガソリンバリア性が発現せず、200μmを越えるとその膜厚の制御が困難になる。
【0047】
皮膜層を燃料容器用成形部品内面および/または表面、あるいは該成形部品と燃料容器本体との接続部位に形成させる場合には、使用する成形部品の形状や材質、および燃料容器本体と接続方法に応じて、成形部品部位や接続部位から燃料の揮発や飛散が懸念される箇所に皮膜層を形成させれば実質的にガソリンの揮発や飛散は抑制されるが、全ての燃料容器用成形部品内面および/または表面、および該成形部品と燃料容器本体との接続部位に皮膜層を形成させることがより好ましい。
また、例えば燃料容器用コネクターに接続されるフレキシブルな燃料輸送用のパイプあるいはチューブ、ホースなどは通常ガソリン透過性の高いポリエチレンなどの熱可塑性樹脂あるいはエラストマー材料より形成されることから、これらのパイプ、ホース、チューブなどの表面にも必要に応じて皮膜層を形成させることが好ましい。ここで論じる燃料容器用成形部品の表面とは、通常目視により確認が可能である外面及びパイプ、ホース、チューブなど筒状になっているものの内面を意味する。
【0048】
皮膜層はウレタン樹脂組成物の硬化により形成されるが、ウレタン樹脂組成物を燃料容器用成形部品内面および/または表面、あるいは該成形部品と燃料容器本体との接続部位に塗布する方法としては、ロール塗布、しごき塗り、刷毛塗り、流し塗り、スプレー塗布、浸漬塗布等任意の方法の中から被塗布材料の形態や塗布箇所などに応じて適宜選択できる。またこれらの処理後に、エアナイフ法やロール絞り法により塗布量の調整、外観の均一化、膜厚の均一化を行うことも可能である。ウレタン樹脂組成物の塗布後、必要に応じて加熱装置により皮膜層の硬化反応を完結させても良い。加熱装置による燃料容器の加熱方法はドライヤー、高周波誘導加熱、遠赤外線加熱、ガス加熱など従来公知の方法の中から適宜選択して用いることができる。加熱処理は到達材温で50〜300℃、好ましくは70〜200℃の範囲で行うことが望ましい。
【0049】
本発明の燃料容器は燃料容器用成形部品の表面、あるいは該成形部品と燃料容器本体との接続部位にガソリンバリア性に優れた皮膜層がウレタン樹脂組成物の硬化により形成されている。このため、従来からの問題であった燃料容器用成形部品からのガソリンの揮発や飛散、および燃料容器用成形部品と燃料容器本体との接続部位からのガソリンの揮発や飛散が抑制され、ガソリンバリア性に優れた燃料容器が提供される。
【0050】
【実施例】
以下に本発明の実施例を紹介するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
【0051】
<活性水素含有化合物A>
メタキシリレンジアミン1モルを仕込んだ。窒素気流下50℃に昇温し、4molのエチレンオキシドを5時間かけて滴下した。滴下終了後100℃で5時間攪拌し活性水素含有化合物Aを得た。
【0052】
<有機ポリイソシアネート化合物A>
反応容器に5molのメタキシリレンジイソシアネートを仕込んだ。窒素気流下80℃に昇温し、1molのジエチレングリコールを1時間かけて滴下した。滴下終了後80℃で2時間攪拌した後、0.03m2の薄膜蒸留装置を用い、真空度1.0Torr、蒸留温度180℃、供給速度5g/minの条件により残存メタキシリレンジイソシアネートの割合0.5重量%である有機ポリイソシアネート化合物Aを得た。
【0053】
<有機ポリイソシアネート化合物B>
反応容器に7.5molのメタキシリレンジイソシアネートを仕込んだ。窒素気流下80℃に昇温し、1molのグリセリンと270gのジメチルホルムアミドの混合溶液を5時間かけて滴下した。滴下終了後80℃で2時間攪拌した後、0.03m2の薄膜蒸留装置を用い、真空度1.0Torr、蒸留温度180℃、供給速度3g/minの条件により残存メタキシリレンジイソシアネートの割合1.0重量%である有機ポリイソシアネート化合物Bを得た。
【0054】
<有機ポリイソシアネート化合物C>
反応容器に3molのメタキシリレンジイソシアネートを仕込んだ。窒素気流下80℃に昇温し、0.3molのジエチレングリコールと0.2molのグリセリンの混合溶液を5時間かけて滴下した。滴下終了後80℃で2時間攪拌した後、0.03m2の薄膜蒸留装置を用い、真空度1.0Torr、蒸留温度180℃、供給速度5g/minの条件により残存メタキシリレンジイソシアネートの割合0.6重量%である有機ポリイソシアネート化合物Cを得た。
【0055】
また、ガソリン透過性の評価方法は以下の通りである。
75mmΦのアルミニウム製カップに模擬ガソリン(イソオクタン/トルエン/エタノール=45/45/10)を入れ、評価用コートフィルムをかぶせ、カップとフィルムの接点に接着剤を塗り密閉した。測定方法はフィルムが模擬ガソリンと直接接触しない気相法及びフィルムが模擬ガソリンと直接接触する液相法で測定した。60℃の環境で1000時間静置して、重量変化からガソリン透過率 (g/m2・day)を求めた。コートフィルム中の皮膜層のガソリン透過係数を以下の式を用いて計算した:
1/R = 1/Rn(n=1,2,..) + DFT/P
ここで、R = コートフィルムのガソリン透過率(g/m2・day)
Rn(n=1,2,..) = 各基材フィルムのガソリン透過率(g/m2・day)
DFT= 皮膜層の厚み(mm)
P = 皮膜層のガソリン透過係数(g・mm/m2・day)
【0056】
実施例1
活性水素含有化合物A100重量部及び有機ポリイソシアネート化合物A401重量部を混合し、アセトン/酢酸エチル=1/0.3溶液を用いて固形分濃度;35重量%に調製した。そこにアクリル系湿潤剤(ビック・ケミー社製;BYK381)を0.02重量部加え、よく攪拌しコート液を作製した。このコート液を厚み100μmの高密度ポリエチレン(HDPE)にバーコーターNo.24を使用してコーティングし、120℃で10分乾燥後、更に80℃で12時間硬化させることによりコートフィルムを得た。皮膜層の厚みは10μmであった。得られたコートフィルムについて、皮膜層のガソリン透過係数を求めた。結果を表1に示す。該皮膜層中に含有される(1)式に示される骨格構造は48.0重量%である。
【0057】
実施例2
有機ポリイソシアネート化合物Aの代わりに有機ポリイソシアネート化合物Bを387重量部用いた以外は実施例1と同様の方法で作製した。該皮膜層中の骨格構造(1)の含有率は50.7重量%であった。
【0058】
実施例3
有機ポリイソシアネート化合物Aの代わりに有機ポリイソシアネート化合物Cを395重量部用いた以外は実施例1と同様の方法で作製した。該皮膜層中の骨格構造(1)の含有率は49.6重量%であった。
【0059】
比較例1
EVOH(エチレン含量32モル%、けん化度99.6%)100μmのフィルムについてそのガソリン透過性を評価した。結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
【発明の効果】
本発明により、燃料チューブ、給油口のガス抜きライン、圧抜き用バルブなどの燃料容器用成形部品からの、およびこれらの燃料容器用成形部品と燃料容器本体との接続部分からの燃料の漏れが大幅に改善されたガソリンバリア性、耐熱性、耐衝撃性および経済性に優れた燃料容器を製造することが可能となる。
Claims (13)
- 前記ガソリン透過係数が0.2 g−mm/m2・day以下である請求項1または2に記載の燃料容器。
- 前記熱可塑性ポリマー樹脂が、ポリオレフィン樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリエチレンテレフタレートの少なくとも1種類で構成される樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載の燃料容器。
- 前記ポリオレフィン樹脂が、高密度ポリエチレン樹脂である請求項4に記載の燃料容器。
- 前記活性水素含有化合物が、ポリアミンのアルキレンオキシド付加物、アミド基含有ポリオール、ポリイソシアネート化合物のポリオール付加物およびポリオールから選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1〜5のいずれかに記載の燃料容器。
- 前記活性水素含有化合物が、芳香脂肪族ポリアミンのアルキレンオキシド付加物、芳香脂肪族ポリイソシアネート化合物のポリオール付加物および芳香脂肪族ポリオールから選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1〜5のいずれかに記載の燃料容器。
- 前記活性水素含有化合物が、芳香脂肪族ポリアミンのアルキレンオキシド付加物である請求項1〜5のいずれかに記載の燃料容器。
- 前記活性水素含有化合物が、キシリレンジアミンのアルキレンオキシド付加物である請求項1〜5のいずれかに記載の燃料容器。
- 前記アルキレンオキシドが、炭素数2〜4のアルキレンオキシドから選ばれる少なくとも1つである請求項6〜9のいずれかに記載の燃料容器。
- 前記有機ポリイソシアネート化合物が、下記の(a)と(b)の反応生成物、または(a)、(b)および(c)の反応生成物であって、末端に2個以上のNCO基を有するものである請求項1〜10のいずれかに記載の燃料容器。
(a)多官能イソシアネート化合物
(b)炭素数2〜10の多官能アルコールから選ばれる少なくとも1つの多官能アルコール
(c)芳香族多官能アミン、芳香脂肪族多官能アミン、脂環族多官能アミン、脂肪族多官能アミン、脂肪族アルカノールアミン、芳香族多官能カルボン酸、脂環族多官能カルボン酸および脂肪族多官能カルボン酸から選ばれる少なくとも1つの化合物 - 前記(a)多官能イソシアネート化合物が、キシリレンジイソシアネート、およびキシリレンジイソシアネートより誘導される化合物から選ばれる少なくとも1つの化合物である請求項11に記載の燃料容器。
- 前記(a)多官能イソシアネート化合物が、キシリレンジイソシアネートである請求項11に記載の燃料容器。
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