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JP4126626B2 - データ符号化装置及びデータ符号化方法 - Google Patents
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JP4126626B2 - データ符号化装置及びデータ符号化方法 - Google Patents

データ符号化装置及びデータ符号化方法 Download PDF

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Description

【0001】
【目次】
以下の順序で本発明を説明する。
【0002】
発明の属する技術分野
従来の技術
発明が解決しようとする課題
課題を解決するための手段
発明の実施の形態
(1)原理(図1〜図10)
(2)データ符号化装置の構成(図11及び図12)
(3)動作及び効果(図13)
(4)他の実施の形態
発明の効果
【0003】
【発明の属する技術分野】
本発明はデータ符号化装置及びデータ符号化方法に関し、例えばMPEG2(Moving Picture Experts Group 2)方式によつて画像データを圧縮符号化するデータ符号化装置及びデータ符号化方法に適用して好適なものである。
【0004】
【従来の技術】
従来、MPEG2方式を用いた画像圧縮方法においては、処理フレームのマクロブロツクに対応するマクロブロツクを参照フレームの所定エリアの中からサーチして輝度値の絶対値差分和が最小となるマクロブロツクを検出する、いわゆるブロツクマツチング法と呼ばれる動き補償(以下、これを単にMC(Motion Compensation )処理と呼ぶ)処理が行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようなブロツクマツチング法と呼ばれる動き補償処理においては、特殊効果の1つであるフエードインまたはフエードアウト処理の施された画像データを符号化する際、符号化効率が低下し易いことが一般的に知られている。
【0006】
例えば映画のオープニングやエンデイングにおいて良く見られるフエードインまたはフエードアウト処理された画像データの一例として、タイトル等の静止した画像を映し出した画面全体の輝度レベルが徐々に明るく又は暗くなるシーンがある。
【0007】
このような場合、MPEG2方式ではブロツクマツチング法による動き検出を行うと、本来の画像の動きあるいは画像の静止した状態とは無関係に画像データの輝度レベルが変化することにより、輝度値の絶対値差分和が最小となるマクロブロツクが本来の位置ではない場所に存在することがあり、このような場合に誤検出してしまうことが起こり得る。
【0008】
この場合、絵柄の異なるマクロブロツクを誤つて選択してしまうことになり、この結果差分データが多くなつて符号化効率が低下してしまうという問題があつた。またフエードインまたはフエードアウト処理は、フレーム全体に対して処理が行われることが多いために、フレーム全体に歪みが発生して画質劣化が生じてしまうという問題があつた。
【0009】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、動きのあつた画像データや動きがなく輝度が変化するだけの画像データを正確に判定し、それぞれの画像データに応じた符号化処理を実行し得るデータ符号化装置及びデータ符号化方法を提案しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、処理フレームの処理フレームデータブロックと、当該処理フレームデータブロックに対応する参照フレームの参照フレームデータブロックとの間における各画素の輝度差の総和である輝度絶対値差分和を算出し、処理フレームデータブロックの各画素の輝度値から1画素当りの輝度の平均値を減算した結果の全画素数分の総和より、参照フレームデータブロックの各画素の輝度値から1画素当りの輝度の平均値を減算した結果の全画素数分の総和を減算することによって、処理フレームデータブロック及び参照フレームデータブロック間における動き検出値を表すAC成分絶対値差分和を算出し、AC成分絶対値差分和が輝度絶対値差分和よりも小さい場合、処理フレームデータブロック及び参照フレームデータブロックの間で動きがなく、フェードイン処理又はフェードアウト処理が施されていると判定し、このときAC成分絶対値差分和及び輝度絶対値差分和を「0」として量子化ステップサイズを決定し、その量子化ステップサイズに基づいて符号化処理を行うようにする。
【0011】
この場合、輝度絶対値差分和が処理フレームデータブロック及び参照フレームデータブロック間の明るさの変化の割合を示し、AC成分絶対値差分和が処理フレームデータブロック及び参照フレームデータブロック間における画像の動きの大きさを示すことになるため、AC成分絶対値差分和が輝度絶対値差分和よりも小さい場合、処理フレームデータブロック及び参照フレームデータブロックの間でフェードイン処理又はフェードアウト処理が施されていると判定し、このときAC成分絶対値差分和及び輝度絶対値差分和を「0」として量子化ステップサイズを決定し、その量子化ステップサイズに基づいて符号化処理を行うことが出来るので、フェードイン処理又はフェードアウト処理が施されているか否かを正確に判定した後、その判定結果に応じた最適かつ効率の良い符号化処理を行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0013】
(1)原理
本発明においては、実際に画像が動いたときと、フエードインまたはフエードアウト時の画像が動かなく輝度が変化したときとの判定を正確に行い、それぞれの状態における画像データに応じた符号化処理を実行するようになされている。
【0014】
図1に示すように、処理フレーム1におけるマクロブロツクMB1の画素ごとの輝度値をCi 、参照フレーム2においてマクロブロツクMB1に対応する同じ位置のマクロブロツクMB2の画素ごとの輝度値をR0i、さらに処理フレーム1と参照フレーム2との間で動きがあつたときの参照フレーム2におけるマクロブロツクMB1に対応するマクロブロツクMB3の画素ごとの輝度値をRi とすると、処理フレーム1のマクロブロツクMB1と参照フレーム2のマクロブロツクMB3との輝度値の絶対値差分和EMEは、次式
【0015】
【数1】
Figure 0004126626
【0016】
によつて表される。
【0017】
ここで輝度値の絶対値差分和EMEは、処理フレーム1のマクロブロツクMB1と参照フレーム2のマクロブロツクMB3とのマクロブロツク間における各画素の輝度差の総和であり、2つのマクロブロツク間で明るさのレベルがどの様に変化したかの割合を輝度差によつて示している。
【0018】
因みに、処理フレーム1と参照フレーム2との間で画像の動きがあつたときにも、2つのマクロブロツク間で絵柄が異なつてくるため輝度差が生じることになり、この場合にも輝度値の絶対値差分和EMEが所定レベルの値を示すことになる。すなわち輝度値の絶対値差分和EMEは、2つのマクロブロツク間での輝度の変化と画像の動きの変化を含んだ情報でもある。
【0019】
このような輝度値の絶対値差分和EMEが大きければ、明るさが短時間で急激に変化したこと(例えばフラツシユ光が照射された画像データ)を表しており、小さければ明るさが長い時間に亘つて緩やかに変化したこと(例えばフエードインまたはフエードアウト処理された画像データ)を表している。
【0020】
また図2に示すように、マクロブロツクMB1の輝度値Ci を含む平均輝度値CAVは、次式
【0021】
【数2】
Figure 0004126626
【0022】
によつて表され、マクロブロツクMB2の輝度値R0iを含む平均輝度値R0AV は、次式
【0023】
【数3】
Figure 0004126626
【0024】
によつて表される。
【0025】
ここで処理フレーム1と参照フレーム2との間で、動きベクトル(0、0)の同じ位置における2つのマクロブロツク間のAC成分の絶対値差分和EACは、上述の(2)式及び(3)式を用いて、次式
【0026】
【数4】
Figure 0004126626
【0027】
によつて表される。
【0028】
ここでAC成分の絶対値差分和EACは、処理フレーム1のマクロブロツクMB1の各画素の輝度値から1画素当たりの輝度の平均値を減算した結果の全画素数分の総和より、参照フレーム2のマクロブロツクMB2の各画素の輝度値から1画素当たりの輝度の平均値を減算した結果の全画素数分の総和を減算して得られた動き検出値であり、2つのマクロブロツク間で動きがあつたか否かを判定する場合に用いる。
【0029】
例えば、フエードインまたはフエードアウト処理によつて全体的に輝度レベルが低く処理された処理フレーム1のマクロブロツクMB1と、当該マクロブロツクMB1と絵柄が同一で全体的に輝度レベルが高く処理された参照フレーム2のマクロブロツクMB2とを考えてみた場合に、マクロブロツクMB1の各画素の輝度値から1画素当たりの輝度の平均値を減算した結果の全画素数分の総和と、マクロブロツクMB2各画素の輝度値から1画素当たりの輝度の平均値を減算した結果の全画素数分の総和とは同じ値になる。
【0030】
すなわちAC成分の絶対値差分和EACは、マクロブロツクMB1とマクロブロツクMB2との間でフエードインまたはフエードアウト処理によつて明るさのレベルが変化した場合でも、画像が動いていなければ絵柄が同一であるために値は「0」となる。これは明るさの変化が激しいフラツシユ光が与えられた場合でも同じである。
【0031】
従つてAC成分の絶対値差分和EACが大きければ画像に大きな動きがあつたことを示し、小さければ画像の動きが少なかつたことを示し、AC成分の絶対値差分和EACが値「0」を示す場合には画像の動きが全くなかつたことを示している。
【0032】
このようにして算出した輝度値の絶対値差分和EMEが大きく、AC成分の絶対値差分和EACが小さい場合には、動きが小さくて明るさの変化が激しい例えばフラツシユ光が照射されたような画像データであることになり、輝度値の絶対値差分和EMEが小さく、AC成分の絶対値差分和EACが大きい場合には、明るさの変化が殆どなく大きな動きのあつた画像データであることになる。
【0033】
また輝度値の絶対値差分和EMEが大きく、AC成分の絶対値差分和EACが大きい場合には、大きな動きがあると共に明るさの変化が激しい画像データであることになり、輝度値の絶対値差分和EMEが小さく、AC成分の絶対値差分和EACが小さい場合には、動きが殆どなく明るさの変化の割合が小さい、すなわちフエードインまたはフエードアウト処理された画像データであることになる。このように画像の動きが殆どなく明るさのレベルだけが変化するような画像データは、AC成分の絶対値差分和EACが必ず小さな値を示す。
【0034】
従つて図3(A)及び(B)に示すように、上述のように(1)式によつて求められた輝度値の絶対値差分和EME(図3(A))と、(4)式によつて求められたAC成分の絶対値差分和EAC(図3(B))とをそれぞれ比較したときに、図4に示すように、AC成分の絶対値差分和EACが輝度値の絶対値差分和EMEよりも大きい場合(EAC=EME直線の上側に位置する)には、フエードインまたはフエードアウト処理が施された画像データでではなく処理フレーム1と参照フレーム2との間で画像に動きがあつたと判定し、動きベクトル(XVEC 、YVEC )を基にマクロブロツクMB1の画像データをインターモードとして符号化する。
【0035】
これに対してAC成分の絶対値差分和EACが輝度値の絶対値差分和EMEよりも小さい場合(EAC=EME直線の下側に位置する)には、処理フレーム1と参照フレーム2との間で画像に動きがなくフエードインまたはフエードアウト処理が施された画像データであつたと判定し、強制的に動きベクトルを(0、0)にすると共に、輝度値の絶対値差分和EME及びAC成分の絶対値差分和EACを強制的に「0」とし、値が「0」の輝度値の絶対値差分和EME´またはAC成分の絶対値差分和EAC´を基に量子化ステツプサイズ(Q)を小さな値に決定し、当該量子化ステツプサイズに基づいた符号化処理を実行する。
【0036】
このように値が「0」の輝度値の絶対値差分和EME´またはAC成分の絶対値差分和EAC´を基に量子化ステツプサイズ(Q)を算出すれば、データ量の少ない差分データを符号化するために最適な量子化ステツプサイズを導き出すことができ、これにより、処理フレーム1と参照フレーム2との間で動きがなかつたときのマクロブロツクMB1とマクロブロツクMB3との差分データを効率良く符号化処理することができる。
【0037】
ところでこの動き補償処理においては、処理フレーム1と参照フレーム2との間におけるマクロブロツク間の輝度値の絶対値差分和EMEとAC成分の絶対値差分和EACとに基づいて、マクロブロツクMB1がフエードインまたはフエードアウト処理された画像データであるか否かを判定し、それぞれの画像データの状態に応じた符号化処理を実行するようになされているが、この判定が必ずしも正しくない場合がある。
【0038】
例えば、図5に示すように処理フレーム3のマクロブロツクMBC と参照フレーム4のマクロブロツクMBR との間で実際に画像の動きがあつた場合で、処理フレーム3のマクロブロツクMBC と、当該マクロブロツクMBC と同じ位置に存在する参照フレーム4のマクロブロツクMBR0との輝度差が大きくて絵柄の簡単さ(以下、これを平坦度(フラツトネス)と呼ぶ)が近い場合、処理フレーム3のマクロブロツクMBC と参照フレーム4のマクロブロツクMBR0との平坦度が近いために、AC成分の絶対値差分和EACは(4)式により小さな値が導き出される。
【0039】
また通常のブロツクマツチング法によつてマツチングされた輝度差が最小となるマクロブロツクMBR とマクロブロツクMBC との輝度値の絶対値差分和EMEは、画像に動きがあつたために輝度値の絶対値差分和EMEは(1)式によりあるレベルの値として算出される。
【0040】
この場合、図4のグラフを用いて画像に動きがあつたか否かを判定するとなると、輝度値の絶対値差分和EMEがあるレベルの値でAC成分の絶対値差分和EACが小さな値となる位置は、図6に示す範囲Aの中に入ることになる。このことは、処理フレーム3のマクロブロツクMBC と参照フレーム4のマクロブロツクMBR との間において、2つのマクロブロツク間で画像の動きがあつたにも係わらず、範囲Aがフエードインまたはフエードアウト処理された画像データであると認める領域内にあるために、フエードインまたはフエードアウト処理された画像データとして判定されてしまう。
【0041】
このとき強制的に動きベクトルが(0、0)にされ、値が「0」の輝度値の絶対値差分和EME´またはAC成分の絶対値差分和EAC´を基に量子化ステツプサイズ(Q)を小さな値に決定する処理が働くことになり、マクロブロツクMBC の画像データに対して小さな量子化ステツプサイズによる符号化処理が行われる。このため、符号化された画像データの発生符号量が多くなり過ぎてしまつて、一定レートで画像データを伝送するときの発生符号量が多くなり過ぎてしまうことにより、完全に復号するだけのデータを復号側に伝送し切れなくなつてしまう。
【0042】
またこの場合、値が「0」の輝度値の絶対値差分和EME´またはAC成分の絶対値差分和EAC´を基に、データ量の少ない差分データを符号化するために最適な小さな値の量子化ステツプサイズ(Q)を決定しているために、その後の処理系におけるイントラ/インター判定において当該量子化ステツプサイズに応じて必ずインター処理が選択されることになる。
【0043】
この場合、処理フレーム3と参照フレーム4との間でフエードインまたはフエードアウト処理された画像であると判定したことによつて、マクロブロツクMBC とマクロブロツクMBR0との差分データをインター符号化処理しようとすると、逆に発生符号量が多くなつてしまつて符号化効率が低下すると共にブロツク歪みが発生する等の不具合が生じてしまう。従つて、このような場合には実際に画像に動きがあつたので、動きベクトル(0、0)を用いて符号化するのではなく、通常の動き補償による符号化処理を行うべきである。
【0044】
従つてマクロブロツクMBC とマクロブロツクMBR0との差分データを基に予測符号化処理するよりも、マクロブロツクMBC とマクロブロツクMBR との間の動きベクトル(XVEC 、YVEC )を基に差分データをインター符号化処理する方が発生符号量が少なくて済み、高画質な画像データを生成できるということが幾つかの実験によつて判明した。
【0045】
図7に示すように、正しいフエードインまたはフエードアウト処理が施された処理フレーム3のマクロブロツクMBC と参照フレーム4のマクロブロツクMBR0とは絵柄が同じであり、輝度レベル(明るさ)に変化があるだけである。従つて、このような場合にフエードインまたはフエードアウト処理された画像であると正確に判定し、動きベクトル(0、0)を用いて差分データのみを符号化処理すれば発生符号量を抑えることができる。
【0046】
ところが、フエードインまたはフエードアウト処理が施された場合、ブロツクマツチング法では輝度レベルの差だけを見て判定しているため、実際には動きがあつたにも係わらず偶然に輝度レベルが最小となるマクロブロツクが存在してしまつて誤判定が生じていた。
【0047】
このようなことを回避して正確にフエードインまたはフエードアウト処理された画像であることを判定するために、本発明では例えば図8に示すように、2つの映像ソース(例えばフエードイン、フエードアウト処理の施されたタイトル映像や、光量変化の激しい映像)における実際の輝度値の絶対値差分和EMEやAC成分の絶対値差分和EACをグラフ上でプロツトしてみた。この結果、輝度値の絶対値差分和EME≦1200、AC成分の絶対値差分和EAC≦2000の範囲にフエードインまたはフエードアウト処理が施された画像データが集中していることが判明した。
【0048】
これを簡略的な図9を用いて見てみると、フエードインまたはフエードアウト処理された画像データは範囲Bの領域内に集中している。すなわち図10に示すように斜線部分で示された領域Zの範囲にある場合に、画像に動きがなくフエードインまたはフエードアウト処理された画像データであると判定し、動きベクトルを強制的に(0、0)とし、値が「0」の輝度値の絶対値差分和EME´やAC成分の絶対値差分和EAC´を基に算出した量子化ステツプサイズに基づくインター符号化処理を行い、それ以外の領域にある場合には画像に動きがあつたと判定し、通常の動き検出に基づく符号化処理を行うようにする。このようにして本発明においては、画像の動きの誤検出を防止して正確にフエードインまたはフエードアウト処理された画像データを検出し、それぞれの画像データに応じた符号化処理を実行するようになされている。
【0049】
(2)データ符号化装置の構成
図11において、10は全体として本発明のデータ符号化装置を示し、まず画像データD1を前処理部11に入力する。前処理部11は、順次入力される画像データD1の各フレーム画像についてIピクチヤ、PピクチヤまたはBピクチヤの3つの画像タイプのうちのどの画像タイプとして処理するかを指定した後、当該フレーム画像の画像タイプに応じて当該フレーム画像を符号化する順番に並び替え、さらに当該フレーム画像を16画素×16ラインの輝度信号及び当該輝度信号に対応する色差信号によつて構成されるマクロブロツクに分割し、これをマクロブロツクデータD2としてメモリ12に格納する。
【0050】
メモリ12は、制御部24によつてマクロブロツクデータD2の読み出しタイミングが制御されており、当該制御部24から供給される制御信号S1に基づいてマクロブロツクデータD2を読み出し、これを符号化ブロツク30の演算回路13及び動きベクトル検出部14にそれぞれ送出する。
【0051】
動きベクトル検出部14は、マクロブロツクデータD2の各マクロブロツクの動きベクトルを、当該マクロブロツクデータD2及びフレームメモリ15に記憶されている参照画像データD14を基に算出し、動きベクトルデータD18として動き判定部25に送出する。
【0052】
演算回路13は、メモリ12から読み出されたマクロブロツクデータD2について、当該マクロブロツクデータD2の各マクロブロツクの画像タイプに基づいてイントラモード、順方向予測モード、逆方向予測モードまたは双方向予測モードのいずれかの予測モードの動き補償を行う。
【0053】
ここでイントラモードとは、符号化対象となるフレーム画像をそのまま伝送データとする方法であり、順方向予測モードとは、符号化対象となるフレーム画像と過去参照画像との予測残差を伝送データとする方法である。また逆方向予測モードとは、符号化対象となるフレーム画像と未来参照画像との予測残差を転送データとする方法であり、双方向予測モードとは、符号化対象となるフレーム画像と、過去参照画像及び未来参照画像の2つの予測画像の平均値との予測残差を伝送データとする方法である。
【0054】
まずマクロブロツクデータD2がIピクチヤである場合について説明する。この場合、マクロブロツクデータD2はイントラモードで処理される。すなわち、演算回路13はマクロブロツクデータD2のマクロブロツクを、そのまま演算データD3としてDCT(Discrete Cosine Transform :離散コサイン変換)部17に送出する。
【0055】
DCT部17は、演算データD3に対してDCT変換処理を行つてDCT係数化し、これをDCT係数データD4として量子化部18に送出する。量子化部18は、DCT係数データD4に対して量子化処理を行い、量子化DCT係数データD5としてVLC部19及び逆量子化部20にそれぞれ送出する。このとき量子化部18は、制御部24より供給される量子化制御値D21に応じて、量子化処理における量子化ステツプサイズを調整することにより発生する符号量を制御するようになされている。
【0056】
逆量子化部20に送出された量子化DCT係数データD5は逆量子化処理を受け、DCT係数データD11として逆DCT部21に送出される。そしてDCT係数データD11は、逆DCT部21において逆DCT処理を受け、演算データD12として演算回路22に送出され、参照画像データD13としてフレームメモリ15に記憶される。
【0057】
次に、マクロブロツクデータD2がPピクチヤである場合について説明する。この場合、演算回路13はマクロブロツクデータD2について、イントラモードまたは順方向予測モードのいずれかの予測モードによる動き補償処理を行う。
【0058】
予測モードがイントラモードの場合、上述のIピクチヤの場合と同様に、演算回路13はマクロブロツクデータD2のマクロブロツクをそのまま演算信号D3としてDCT部17に送出する。
【0059】
これに対して、予測モードが順方向予測モードの場合、演算回路13はマクロブロツクデータD2について動き補償部16より供給される順方向予測画像データD17を用いて減算処理する。
【0060】
順方向予測画像データD17は、フレームメモリ15に記憶されている参照画像データD13を、動き判定部25から供給される動きベクトルデータD18またはD25に応じて動き補償することにより算出される。すなわち動き補償部16は、順方向予測モードにおいてフレームメモリ15の読出アドレスを動きベクトルデータD18に応じてずらして参照画像データD13を読み出し、これを順方向予測画像データD17として演算回路13及び演算回路22にそれぞれ供給する。
【0061】
演算回路13は、マクロブロツクデータD2から順方向予測画像データD17を減算して予測残差としての差分データを得、これを演算データD3としてDCT部17に送出する。また演算回路22には、動き補償部16より順方向予測画像データD17が供給されており、演算回路22は演算データD12に当該順方向予測画像データD17を加算することにより参照画像データD13を局部再生し、フレームメモリ15に記憶する。
【0062】
次に、メモリ12からBピクチヤのマクロブロツクデータD2が演算回路13に供給された場合について説明する。この場合、演算回路13はマクロブロツクデータD2について、イントラモード、順方向予測モード、逆方向予測モードまたは双方向予測モードのいずれかの動き補償処理を行う。
【0063】
予測モードがイントラモードまたは順方向予測モードの場合、マクロブロツクデータD2は上述のPピクチヤの場合と同様の処理を受ける。但し、Bピクチヤは他の予測参照画像として用いられないので、参照画像データD13はフレームメモリ15には記憶されない。
【0064】
これに対して、予測モードが逆方向予測モードの場合、演算回路13はマクロブロツクデータD2について動き補償部16より供給される逆方向予測画像データD16を用いて減算処理する。
【0065】
逆方向予測画像データD16は、フレームメモリ15に記憶されている参照画像データD13を、動き判定部25から供給される動きベクトルデータD18に応じて動き補償することにより算出される。すなわち動き補償部16は、逆方向予測モードにおいてフレームメモリ15の読出アドレスを動きベクトルデータD18に応じてずらして参照画像データD13を読み出し、これを逆方向予測画像データD16として演算回路13及び演算回路22にそれぞれ供給する。
【0066】
演算回路13は、マクロブロツクデータD2から逆方向予測画像データD16を減算して予測残差としての差分データを得、これを演算データD3としてDCT部17に送出する。また演算回路22には、動き補償部16より逆方向予測画像データD16が供給されており、演算回路22は演算データD12に当該逆方向予測画像データD16を加算することにより参照画像データD13(Bピクチヤ)を局部再生するが、Bピクチヤは他の予測参照画像として用いられないので、参照画像データD13はフレームメモリ15には記憶されない。
【0067】
予測モードが双方向モードの場合、演算回路13はマクロブロツクデータD2から、動き補償部16より供給される順方向予測画像データD17及び逆方向予測画像データD16の平均値を減算して予測残差としての差分データを得、演算データD3としてDCT部13に送出する。
【0068】
また演算回路22には動き補償部16より順方向予測画像データD17及び逆方向予測画像データD16が供給されており、演算回路22は演算データD12に当該順方向予測画像データD17及び逆方向予測画像データD16の平均値を加算することにより参照画像データD13(Bピクチヤ)を生成するが、Bピクチヤは他の予測参照画像として用いられないので、参照画像データD13はフレームメモリ15には記憶されない。
【0069】
かくして、データ符号化装置10に入力された画像データD1は、動き補償予測処理、DCT処理及び量子化処理を受け、量子化DCT係数データD5としてVLC部19に供給される。
【0070】
VLC部19は、量子化DCT係数データD5に対して所定の変換テーブルに基づく可変長符号化処理を行い、その結果得られるデータを可変長符号化データD6としてバツフア部23に送出する。
【0071】
バツフア部23は、VLC部19から供給される可変長符号化データD6の蓄積状態を常時監視しており、バツフアの占有量情報D23を制御部24に送出する。制御部24は、占有量情報D23に基づいて量子化制御値D21を生成して量子化部18に供給し、量子化処理における量子化ステツプサイズを調整する。これにより量子化部18では、バツフア部23のデータ占有量に応じて当該バツフア部23がオーバーフローまたはアンダーフローしないような発生符号量の可変長符号化データD6を生成する。
【0072】
またバツフア部23は、所定の読み出しレート(伝送レート)を維持するに十分なデータ量によつて構成される例えばピクチヤ単位の符号化データに所定のヘツダ情報を付加することによりPES(Packetized Elementary Stream)パケツト化し、複数のPESパケツトを連ねたPESパケツト列を出力データストリームD8として出力するようになされている。
【0073】
ところで動き判定部25においては、マクロブロツクデータD2がフエードインまたはフエードアウト処理された画像のように動きが無く輝度レベルが変化しただけの画像データであるか否かを正確に判定し、その判定結果に応じた符号化処理を制御部24によつて実行させるようになされている。
【0074】
ここで動きベクトル検出部14は、メモリ12から読み出されるマクロブロツクデータD2に基づいて、所定のサーチエリア内での輝度差が最小となる2つのマクロブロツク間の輝度値の絶対値差分和EMEを(1)式によつて算出し、AC成分の絶対値差分和EACを(4)式によつて算出し、動き判定部25にそれぞれ送出する。
【0075】
動き判定部25は、マイクロコンピユータ構成でなる比較部26において輝度値の絶対値差分和EME及びAC成分の絶対値差分和EACを所定の閾値D(図10における動き判定閾値DEME:2000、動き検出閾値DEAC:1200)とそれぞれ比較し、当該比較結果が閾値Dによつて設けられた領域Zを越えるような場合にはスイツチ回路28の接続端子を端子28a側に切り換え、比較結果が領域Z内になるような場合には接続端子を端子28b側に切り換える。
【0076】
パラメータ発生部27は、動きベクトル検出部14から供給される動きベクトル(XVEC 、YVEC )を表す動きベクトルデータD18と、輝度値の絶対値差分和EME及びAC成分の絶対値差分和EACに代えて、動きベクトルを強制的に(0、0)とする動きベクトルデータD25と、値が「0」でなる輝度値の絶対値差分和EME´及びAC成分の絶対値差分和EAC´を発生する。
【0077】
従つて比較部26では、比較結果が領域Zを越えるような場合、マクロブロツクデータD2をフエードインまたはフエードアウト処理された画像データではないと判定し、動きベクトル検出部14から供給される動きベクトルデータD18を動き補償部16に供給すると共に、輝度値の絶対値差分和EME及びAC成分の絶対値差分和EACを制御部24に送出する。
【0078】
動き補償部16は、動きベクトル(XVEC 、YVEC )に基づいてフレームメモリ15の読み出しアドレスをずらして参照画像データD16またはD17を読み出し、これを演算回路13に供給する。また制御部24は、動き判定部25から供給される輝度値の絶対値差分和EMEとバツフア部23から供給される占有量情報D23とに基づいて、演算データD3を量子化する際の最適な量子化ステツプサイズを算出し、これを量子化制御値D21として量子化部18に供給する。
【0079】
これに対して比較結果が領域Z内にあるような場合、比較部26はマクロブロツクデータD2をフエードインまたはフエードアウト処理された画像データであると判定し、スイツチ回路28の接続端子を端子28b側に切り換えることによりパラメータ発生部27から供給される動きベクトル(0、0)の動きベクトルデータD25を動き補償部16に供給すると共に、値が「0」でなる輝度値の絶対値差分和EME´及びAC成分の絶対値差分和EAC´を制御部24にそれぞれ送出する。
【0080】
動き補償部16は、動きベクトル(0、0)に応じたフレームメモリ15の読み出しアドレスに基づいて参照画像データD16またはD17を読み出し、これを演算回路13に供給する。また制御部24は、値が「0」でなる輝度値の絶対値差分和EME´またはAC成分の絶対値差分和EAC´を基に量子化部18の量子化ステツプサイズ(Q)を小さな値に決定することにより、フエードインまたはフエードアウトのような輝度レベルが変化しただけの画像データに対して小さな値の量子化ステツプサイズ(Q)で2つのマクロブロツク間の差分データを量子化するようになされている。
【0081】
ところで動き判定部25は、動きベクトルデータD18または動きベクトルデータD25をVLC部19に対しても送出するようになされており、当該VLC部19において可変長符号化データD6に対して動きベクトルデータD18またはD25を付加するようになされている。これにより動きベクトルデータD18またはD25の付加された可変長符号化データD6は、復号側において当該動きベクトルデータD18またはD25に基づいて動き量が求められて正確に復号される。
【0082】
次に、本発明の動き判定部25における動き判定処理手順を図12のフローチヤートを用いて説明する。すなわち動き判定部25は、RT1の開始ステツプから入つてステツプSP1に移る。
【0083】
ステツプSP1において動き判定部25は、動きベクトル検出部14によつて検出されたマクロブロツクデータD2の動きベクトルデータD18、及び輝度値の絶対値差分和EME及びAC成分の絶対値差分和EACを比較部26に入力し、ステツプSP2に移る。
【0084】
ステツプSP2において動き判定部25は、動きベクトル検出部14から供給された輝度値の絶対値差分和EME及びAC成分の絶対値差分和EACを比較部26において所定の閾値D(動き判定閾値DEME:2000、動き検出閾値DEAC:1200)と比較し、ステツプSP3に移る。
【0085】
ステツプSP3において動き判定部25は、輝度値の絶対値差分和EMEが所定の動き判定閾値DEME(2000)以下の範囲内であるか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことは輝度値の絶対値差分和EMEが動き判定閾値DEMEを越えていることを表しており、このとき動き判定部25はステツプSP7に移る。これに対してステツプSP3において肯定結果が得られると、このことは輝度値の絶対値差分和EMEが動き判定閾値DEME以下の範囲内であることを表しており、このとき動き判定部25はステツプSP4に移る。
【0086】
ステツプSP4において動き判定部25は、AC成分の絶対値差分和EACが所定の動き検出閾値DEAC(1200)以下の範囲内であるか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことはAC成分の絶対値差分和EACが動き検出閾値DEACを越えていることを表しており、このとき動き判定部25はステツプSP7に移る。これに対してステツプSP4において肯定結果が得られると、このことはAC成分の絶対値差分和EACが動き検出閾値DEAC以下の範囲内であることを表しており、このとき動き判定部25はステツプSP5に移る。
【0087】
ステツプSP5において動き判定部25は、AC成分の絶対値差分和EACが輝度値の絶対値差分和EMEの値以下であるか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことはAC成分の絶対値差分和EACが輝度値の絶対値差分和EMEの値よりも大きい(すなわちEME=EAC直線の上側に位置する)ことを表しており、このとき動き判定部25はステツプSP7に移る。これに対してステツプSP5において肯定結果が得られると、このことはAC成分の絶対値差分和EACが輝度値の絶対値差分和EMEの値以下である(すなわちEME=EAC直線の下側に位置する)ことを表しており、このとき動き判定部25はステツプSP6に移る。
【0088】
ステツプSP6において動き判定部25は、ステツプSP3〜ステツプSP5の全てにおいて肯定結果が得られたことにより、領域Z(図10)の範囲に輝度値の絶対値差分和EME及びAC成分の絶対値差分和EACが存在する場合には、すなわちマクロブロツクデータD2がフエードインまたはフエードアウト処理された画像データであると認識する。これにより動き判定部25は、パラメータ発生部27により動きベクトル(0、0)の動きベクトルデータD25を動き補償部16に供給すると共に、値が「0」でなる輝度値の絶対値差分和EME´またはAC成分の絶対値差分和EAC´を制御部24にそれぞれ供給する。
【0089】
かくして動き補償部16は、動きベクトルデータD18を用いることなく動きベクトル(0、0)の動きベクトルデータD25を用いることができると共に、制御部24は値が「0」でなる輝度値の絶対値差分和EME´またはAC成分の絶対値差分和EAC´を基に量子化部18の量子化ステツプサイズ(Q)をより小さな値に決定するような量子化制御値D21を算出し、これを量子化部18に供給する。
【0090】
ステツプSP7において動き判定部25は、マクロブロツクデータD2をインター符号化処理するか否かを判定する。ここで動き判定部25は、ステツプSP6からの処理が続いている場合であればフエードインまたはフエードアウト処理された画像データであるために差分データのみを符号化すれば良いので肯定結果が得られ、このときステツプSP8に移つて動きベクトル(0、0)を基に差分データのみを符号化処理して再度ステツプSP1に戻る。
【0091】
これに対して動き判定部25は、ステツプSP3〜ステツプSP5のいずれかからの処理に続いてインター符号化処理するか否かを判定する場合であれば、フエードインまたはフエードアウト処理された画像データではないので否定結果が得られ、このときステツプSP8に移つてマクロブロツクデータD2の画像データの状態にそれぞれ応じた符号化処理を行い、再度ステツプSP1に戻つて上述の処理を繰り返す。
【0092】
(3)動作及び効果
以上の構成において、動き判定部25は動きベクトル検出部14によつて算出された輝度値の絶対値差分和EME及びAC成分の絶対値差分和EACを比較部26に入力し、当該比較部26によつて輝度値の絶対値差分和EME及びAC成分の絶対値差分和EACの各値がグラフ上における領域Z(図10)で示す範囲内に存在するか否かを判定し、当該範囲内に存在する場合にフエードインまたはフエードアウト処理された画像データであると判定する。
【0093】
このようにフエードインまたはフエードアウト処理された画像データであると判定した場合、実際には輝度レベルの変化だけで画像データに動きはないので、動き判定部25は動きベクトル検出部14から供給される動きベクトルデータD18を用いることなく、パラメータ発生部27によつて発生した動きベクトル(0、0)の動きベクトルデータD25を動き補償部16に供給することにより、参照フレームにおける動きのない状態のマクロブロツクの位置を正確に指定することができる。
【0094】
またこのとき動き判定部25は、値が「0」でなる輝度値の絶対値差分和EME´またはAC成分の絶対値差分和EAC´を制御部24に供給する。制御部24においては、値が「0」でなる輝度値の絶対値差分和EME´またはAC成分の絶対値差分和EAC´を基に量子化部18の量子化ステツプサイズ(Q)を小さな値に決定するような量子化制御値D21を算出し、これを量子化部18に供給する。これにより量子化部18では、フエードインまたはフエードアウト処理された画像データを符号化処理するに相応しい量子化ステツプサイズによつて、処理フレームと参照フレームとにおける2つのマクロブロツク間の差分データを量子化して効率良く符号化することができる。
【0095】
さらに動き判定部25は、比較部26によつて輝度値の絶対値差分和EME及びAC成分の絶対値差分和EACの各値がグラフ上における領域Zで示す範囲内に存在しない場合にフエードインまたはフエードアウト処理された画像データではないと判定する。
【0096】
この場合動き判定部25は、動きベクトル検出部14から供給される動きベクトルデータD18を動き補償部16に供給し、制御部24によつてマクロブロツクデータD2の画像データの状態に応じた符号化処理を行うことができる。
【0097】
すなわち本発明においては、輝度値の絶対値差分和EMEが輝度の変化を表す情報と動きの変化を表す情報とを含んでおり、フエードインまたはフエードアウト処理された画像データよりも画像に動きがあつたときの画像データの方が輝度値の絶対値差分和EMEが大きくなるということに基づいて、所定の動き判定閾値DEME(2000)を越えた場合にフエードインまたはフエードアウト処理された画像データではないと判定するように設定する。
【0098】
これにより動き判定部25においては、フエードインまたはフエードアウト処理された画像データではないので当該画像データの状態に応じた効率の良い符号化処理を実行することができる。
【0099】
また本発明においては、動き判定部25により輝度値の絶対値差分和EMEが所定の動き判定閾値DEME(2000)以内の場合にはフエードインまたはフエードアウト処理された画像データと判定することができるが、この場合でもAC成分の絶対値差分和EACが大きな値を示している場合(例えば動き判定閾値DEME:1000、動き検出閾値DEAC:20000 )には画像に動きがあつたことになる。
【0100】
従つて動き判定部25は、輝度値の絶対値差分和EMEが所定の動き判定閾値DEME(2000)以内の場合で、輝度値の絶対値差分和EMEと、動きの変化を表すAC成分の絶対値差分和EACとが一定の比率で変化するEME=EAC直線を境界として、輝度値の絶対値差分和EMEの方がAC成分の絶対値差分和EACよりも高い値を示すと共に、AC成分の絶対値差分和EACが所定の動き検出閾値DEAC(1200)以内の場合に、すなわち領域Zで示す範囲内に存在するときにフエードインまたはフエードアウト処理された画像データであると判定するように設定する。
【0101】
これにより動き判定部25は、輝度値の絶対値差分和EMEとAC成分の絶対値差分和EACが領域Zで示す範囲内に存在するときに、フエードインまたはフエードアウト処理された画像データに対する最適な量子化ステツプサイズによつて、2つのマクロブロツク間における差分データを効率良く符号化することができる。
【0102】
このようにしてマクロブロツクデータD2がフエードインまたはフエードアウト処理された画像データであるか否かを正確に判定して符号化処理を行つた場合の一例を図13に示す。この図13は、あるコンサートにおけるライブシーンにおいて、輝度レベル変化の激しいスポツトライト光が瞬間的に何色にも入れ代わりながらドラマーに照射されたときのソロ演奏シーンを映した映像での発生符号量の変化率を示したものであり、横軸に時間を示し、縦軸には領域Zを設けなかつた場合の判定結果に基づいて符号化したときの発生符号量と、当該発生符号量に対して本発明の領域Zを設けた場合の判定結果に基づいて符号化したときの発生符号量の差との割合を示している。
【0103】
この場合、時間の推移に従つて殆どのケースにおいて発生符号量がマイナス5〜10〔%〕程度低下していることが分かる。このことは、動き判定部25においてフエードインまたはフエードアウト処理された画像データに対する正確な判定を行つていることにより、発生符号量を増加させることなく効率良く符号化して発生符号量を低下させることができたことを表している。
【0104】
以上の構成によれば、データ符号化装置10においては動き判定部25によりマクロブロツクデータD2がフエードインまたはフエードアウト処理された画像データであるか否かを正確に判定し、当該判定結果に応じた最適な量子化ステツプサイズを決定して符号化処理するようにしたことにより、発生符号量の増加を抑えて効率の良い符号化処理を行うことができる。
【0105】
(4)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、輝度レベルの変化する画像の一例としてフエードインまたはフエードアウト処理された画像データを正確に判定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、輝度レベルが短時間内に急激に変化するフラツシユシーンや窓が急に開いて明るい光が急に入り込んできたときのような画像データに本発明の動き判定処理を行つても良い。この場合、輝度差として表される輝度値の絶対値差分和EMEが非常に大きい値を示すと共に、動き検出値を表すAC成分の絶対値差分和EACが小さな値を示すので、輝度値の絶対値差分和EMEの動き判定閾値DEMEの値を任意に設定するようにすれば、上述の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0106】
また上述の実施の形態においては、輝度値の絶対値差分和EMEが動き判定閾値DEME(2000)以下でかつAC成分の絶対値差分和EACが動き検出閾値DEME(1200)以下であり、閾値としてのEME=EAC直線以下で示される領域Zの範囲内にマクロブロツクデータD2の輝度値の絶対値差分和EME及びAC成分の絶対値差分和EACが存在する場合にフエードインまたはフエードアウト処理された画像データであると判定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、判定基準に応じて輝度値の絶対値差分和EMEが動き判定閾値DEME(2000)以下であるという条件だけでフエードアウト処理された画像データであると判定するようにしても良く、また輝度値の絶対値差分和EMEが動き判定閾値DEME(2000)以下であり、かつEME=EAC直線以下で示される領域の範囲内にある場合にフエードインまたはフエードアウト処理された画像データであると判定するようにしても良く、判定の基準を任意に設定するようにしても良い。
【0107】
さらに上述の実施の形態においては、動き判定部25においてフエードインまたはフエードアウト処理された画像データであると判定した場合に、制御部24により値が「0」でなる輝度値の絶対値差分和EME´及びAC成分の絶対値差分和EAC´を用いて量子化ステツプサイズを小さな値に決定するための量子化制御値D21を生成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、必ずしも「0」でなくても量子化ステツプサイズを小さな値に決定するための量子化制御値D21を生成することができれば数値はいくつでも良く、例えば値の小さなAC成分の絶対値差分和EACを用いるようにしても良い。
【0108】
さらに上述の実施の形態においては、動き判定部25においてフエードインまたはフエードアウト処理された画像データであると判定した場合に、制御部24により値が「0」でなる輝度値の絶対値差分和EME´及びAC成分の絶対値差分和EAC´を用いてその後のインター判定処理を行うようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、「インター判定を行う」という予め決められた処理を付け加えるようにしても良い。
【0109】
さらに上述の実施の形態においては、動き判定をマクロブロツク単位で行うようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、所定画素数のブロツク単位やフレーム単位等、他の種々の大きさでなる領域の画像データを基に動き判定処理を実行するようにしても良い。
【0110】
さらに上述の実施の形態においては、検出手段及び動き検出算出手段としての動きベクトル検出部14と、比較手段としての比較部26と、符号化手段としての符号化ブロツク30を用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、他の種々の構成の検出手段、動き検出算出手段、比較手段及び符号化手段を用いるようにしても良い。
【0111】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、輝度絶対値差分和が処理フレームデータブロック及び参照フレームデータブロック間の明るさの変化の割合を示し、AC成分絶対値差分和が処理フレームデータブロック及び参照フレームデータブロック間における画像の動きの大きさを示すことになるため、AC成分絶対値差分和が輝度絶対値差分和よりも小さい場合、処理フレームデータブロック及び参照フレームデータブロックの間でフェードイン処理又はフェードアウト処理が施されていると判定し、このときAC成分絶対値差分和及び輝度絶対値差分和を「0」として量子化ステップサイズを決定し、その量子化ステップサイズに基づいて符号化処理を行うことが出来るので、フェードイン処理又はフェードアウト処理が施されているか否かを正確に判定した後、その判定結果に応じた最適かつ効率の良い符号化処理を行うことができ、かくして動きのあった画像データや動きがなく輝度が変化するだけの画像データを正確に判定し、それぞれの画像データに応じた符号化処理を実行し得るデータ符号化装置及びデータ符号化方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理の説明に用いた処理フレームと参照フレームの関係を示す略線図である。
【図2】本発明の原理の説明に用いた平均輝度値CAV、R0AV を示す略線図である。
【図3】本発明の原理の説明に用いた輝度値の絶対値差分和EME及びAC成分の絶対値差分和EACを示す略線図である。
【図4】本発明の原理の説明に用いた動き補償処理における判断基準を示すグラフである。
【図5】本発明の原理の説明に用いた問題が起こる画像パターンを示す略線図である。
【図6】本発明の原理の説明に用いた誤検出する場合の判断基準を示すグラフである。
【図7】本発明の原理の説明に用いたフエードインまたはフエードアウトする場合の略線図である。
【図8】本発明の原理の説明に用いた輝度値の絶対値差分和EME及びAC成分の絶対値差分和EACのグラフである。
【図9】本発明の原理の説明に用いた目的の画像が持つ性質を示すグラフである。
【図10】本発明の原理の説明に用いた有効範囲を示すグラフである。
【図11】本発明の実施の形態におけるデータ符号化装置の構成を示すブロツク図である。
【図12】動き判定部における動き判定処理手順を示すフローチヤートである。
【図13】発生符号量の変化率を示すグラフである。
【符号の説明】
1、3……処理フレーム、2、4……参照フレーム、10……データ符号化装置、13……演算回路、14……動きベクトル検出部、16……動き補償部、24……制御部、25……動き判定部、26……比較部、27……パラメータ発生部、28……スイツチ回路。

Claims (5)

  1. 処理フレームの処理フレームデータブロックと、当該処理フレームデータブロックに対応する参照フレームの参照フレームデータブロックとの間における各画素の輝度差の総和である輝度絶対値差分和を算出する輝度絶対値差分和算出手段と、
    上記処理フレームデータブロックの各画素の輝度値から1画素当りの輝度の平均値を減算した結果の全画素数分の総和より、上記参照フレームデータブロックの各画素の輝度値から1画素当りの輝度の平均値を減算した結果の全画素数分の総和を減算することによって、上記処理フレームデータブロック及び上記参照フレームデータブロック間における動き検出値を表すAC成分絶対値差分和を算出するAC成分絶対値差分和算出手段と、
    上記AC成分絶対値差分和が上記輝度絶対値差分和よりも小さい場合、上記処理フレームデータブロック及び上記参照フレームデータブロックの間で動きがなく、フェードイン処理又はフェードアウト処理が施されていると判定し、このとき上記AC成分絶対値差分和及び上記輝度絶対値差分和を「0」として量子化ステップサイズを決定し、その量子化ステップサイズに基づいて符号化処理を行う判定符号化手段と
    を具えるデータ符号化装置。
  2. 上記判定符号化手段は、上記フェードイン処理又はフェードアウト処理が施されていると判定したとき、上記動きベクトルの値を「0」として、上記処理フレームデータブロックと上記参照フレームデータブロックとの間で差分データのみを符号化処理する
    求項1に記載のデータ符号化装置。
  3. 上記判定符号化手段は、上記AC成分絶対値差分和が上記輝度絶対値差分和よりも大きい場合、上記処理フレームデータブロック及び上記参照フレームデータブロックの間で動きがあったと判定し動き補償による上記符号化処理を行う
    求項1に記載のデータ符号化装置。
  4. 処理フレームの処理フレームデータブロックと、当該処理フレームデータブロックに対応する参照フレームの参照フレームデータブロックとの間における各画素の輝度差の総和である輝度絶対値差分和を算出する輝度絶対値差分和算出手段と、
    上記処理フレームデータブロックの各画素の輝度値から1画素当りの輝度の平均値を減算した結果の全画素数分の総和より、上記参照フレームデータブロックの各画素の輝度値から1画素当りの輝度の平均値を減算した結果の全画素数分の総和を減算することによって、上記処理フレームデータブロック及び上記参照フレームデータブロック間における動き検出値を表すAC成分絶対値差分和を算出するAC成分絶対値差分和算出手段と、
    上記判定符号化手段は、上記AC成分絶対値差分和と上記輝度絶対値差分和とが一定の比率で変化する直線の下側に上記AC成分絶対値差分和が位置し、上記AC成分絶対値差分和が上記輝度絶対値差分和よりも小さい場合で、上記輝度絶対値差分和が第1の所定値以下で、上記AC成分絶対値差分和が第2の所定値以下であるとき、上記フェードイン処理又はフェードアウト処理が施されていると判定し動きベクトルが無いものとして符号化処理を行う判定符号化手段と
    を具えるデータ符号化装置。
  5. 処理フレームの処理フレームデータブロックと、当該処理フレームデータブロックに対応する参照フレームの参照フレームデータブロックとの間における各画素の輝度差の総和である輝度絶対値差分和を算出する輝度絶対値差分和算出ステップと、
    上記処理フレームデータブロックの各画素の輝度値から1画素当りの輝度の平均値を減算した結果の全画素数分の総和より、上記参照フレームデータブロックの各画素の輝度値から1画素当りの輝度の平均値を減算した結果の全画素数分の総和を減算することによって、上記処理フレームデータブロック及び上記参照フレームデータブロック間における動き検出値を表すAC成分絶対値差分和を算出するAC成分絶対値差分和算出ステップと、
    上記AC成分絶対値差分和が上記輝度絶対値差分和よりも小さい場合、上記処理フレームデータブロック及び上記参照フレームデータブロックの間で動きがなく、フェードイン処理又はフェードアウト処理が施されていると判定する判定ステップと、
    上記判定ステップにより、上記処理フレームデータブロック及び上記参照フレームデータブロックの間で動きがなく、フェードイン処理又はフェードアウト処理が施されていると判定したとき、上記AC成分絶対値差分和及び上記輝度絶対値差分和を「0」として量子化ステップサイズを決定し、その量子化ステップサイズに基づいて符号化処理を行う符号化ステップと
    を具えることを特徴とするデータ符号化方法。
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