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JP4129304B2 - 真空遮断器用接点材料,その製造方法および真空遮断器 - Google Patents
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JP4129304B2 - 真空遮断器用接点材料,その製造方法および真空遮断器 - Google Patents

真空遮断器用接点材料,その製造方法および真空遮断器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は真空遮断器用接点材料,その製造方法および真空遮断器に係り、特に真空遮断器の接点(接触子)として使用した場合に、耐電圧性等の他の特性を損なうことなく、耐溶着性を向上させることが可能な真空遮断器用接点材料,その製造方法および真空遮断器に関する。
【0002】
【従来の技術】
遮断器は平常状態の電路を開閉したり、接地事故や短絡事故などの異常時に,故障状態を検知する過電流継電器などと組み合わされて、自動的に瞬時に電路を遮断するために、電力設備,変電所内機器,高速鉄道車輌等に広く使用されている。特に真空遮断器は、10-4Pa程度の高真空に維持した容器(真空バルブ)内に対向配置した1対の接点部材を開閉することにより、電路の開閉を行うものである。
【0003】
図1は一般的な真空遮断器の構造例を示す断面図である。図1において接点の開閉動作が行われる遮断室1は、絶縁材料から成り略円筒状に形成された絶縁容器2と,この絶縁容器2の上下端に封止金属3a,3bを介して設けた金属製の蓋体4a,4bとによって区画形成され真空気密に構成されている。遮断室1内には軸方向に対向するように1対の導電棒5,6が配置され、その各導電棒5,6の対向する端部に、一対の電極7,8が取付けられている。図においては上部側の電極7を固定電極とする一方、下部側の電極8を可動電極としている。また可動電極8の導電棒6には、伸縮自在のベローズ9が装着されており、遮断室1内を真空気密に保持した状態で、可動電極8の軸方向における往復動を可能にしている。このベローズ9の上部には金属製のアークシールド10が設けられており、このアークシールド10によってベローズ9がアーク蒸気によって覆われることを防止している。
【0004】
また遮断室1内には、対向する一対の電極7,8を覆うように金属製のアークシールド11が配設されており、このアークシールド11によって絶縁容器2がアーク蒸気によって覆われることが防止される。
【0005】
また図2に拡大して示すように、電極8は導電棒6の端部に形成されるろう付け部12に加熱接合により固定されるか、または、かしめ加工によって圧着接続される。接点部材13aは電極8の端面中央部にろう材14を介して一体に固着されている。なお、図2に示す固定側接点部材13bも同様に、固定電極7の端面にろう材を介して一体に接合されている。
【0006】
上記構成の真空遮断器によれば、高真空中における高い絶縁耐力を利用できるため、対向する接点部材の開閉ストロークを短くできる特徴を有している。
【0007】
上記接点部材としては、高頻度にわたる接点の開閉時に発生するアークによって溶着しないように耐アーク性(耐弧性)や耐溶着性が必須となる一方、低接触抵抗性を維持するために高い導電特性を有することが必須の要件とされる。この耐弧性と高導電性とを共に満たす具体的な接点構成材料としては、例えば、Ag系,Ag−Cu系材料,Ag−CdO系材料,30%Cu−W系材料,50%Cu−Cr系材料などが使用されている。特にCu−W系接点材料は導電性に優れている一方、Cu−Cr系接点材料は耐電圧特性に優れているため、特に高出力用電気機器の接点材料として普及している。
【0008】
このCu−Cr系接点材料は、高い導電性を有するCuと、Cuと比較して導電性は劣るが高融点で耐弧性や耐圧性に優れたCrとを主体にして構成されており、接点材料に要求される高耐圧性と大電流遮断性とを両立させたものである。このような高耐圧性と大電流遮断性とを併せ持つCu−Cr系接点材料は、今後も電力設備、変電設備、鉄道車輌などへの用途の拡大が予想される一方で、真空遮断器自体の小型化への技術的要請もあり、より一層の性能向上が求められている。
【0009】
しかし、Cu−Cr接点材料には耐溶着性が悪いという問題が生じていた。この問題を解決するため、Cr粒径を最適化する方法(特開昭54−157284号公報、特開昭56−19832号公報、特開平4−95318号公報)、脆化促進のために微量のBi,Te,Se等の第三元素を添加する方法(特開昭54−147481号公報、特開昭60−193220号公報、特開昭60−28112号公報他)、接点材の密度を低くする方法(特開平5−101749号公報)等の多様な方法がこれまでに提案されている。
【0010】
一般的にこれらのCu−Cr接点材料は、Cu粉末とCr粉末の混合粉もしくはアトマイズ粉を成形し1050℃程度の高温度で焼結する粉末冶金法や、多孔質のCr仮焼体にCuを溶浸する方法、またはCrとCuとを所定の組成比で溶解する方法等で製造される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のCu−Cr接点材料では、大電流遮断用、高耐電圧用の接点としては必ずしも十分な特性を発揮させることは困難であった。一般に接点部材として課題となるのは、以下に説明する消耗変形(転移)、抵触抵抗、溶着の3点である。
【0012】
すなわち、消耗変形は、通電あるいは放電による接点の局部的な温度上昇と開閉の機械的動作とが加わり、接点材の表面が消耗あるいは変形することである。また、直流電流の場合には極性があり、電気化学的に正接点から負接点へ材質が転移することもある。このような接点表面の変化はさらに接点の消耗を助長する。
【0013】
また、抵触抵抗は、相対する接点が良好に接触しても、必ず存在するものである。したがって抵触抵抗により局部的な温度上昇が不可避であり、その温度上昇による接点の酸化あるいは上記の消耗変形により、さらに抵触抵抗が増加する。
【0014】
さらに、溶着は、接点の一部が溶出し接点間が張り付いてしまう現象であり、接点間の溶着により短絡を生じる。溶着原因として、大電流回路を接点で開閉する場合には放電アークが出現しやすいが、特に消耗変形および転移などにより接点間の接触が不良になり、火花放電により接点の一部が溶出し易くなることが挙げられる。
【0015】
これらの3点の課題を解決するためには、高頻度にわたる接点の開閉時に発生するアークによって溶着しないように耐アーク性(耐弧性)や耐溶着性を接点に付与することが必須となる一方、低接触抵抗性を維持するために高い導電特性を付与することが接点材料として必須の要件とされる。
【0016】
しかしながら上記のような種々の方法、例えば、Cr粒径を大きくしたり、脆化材料を添加することにより耐溶着性を向上させても、一方でそれに伴う耐電圧性等の劣化は不可避であった。また、接点材料の密度を低くすることにより硬度や電導性等が劣化してしまうという問題が生じていた。従って、従来のCu−Cr接点材料では、大電流遮断用、高耐電圧用の接点としては必ずしも十分な遮断特性を発揮できないという問題点があった。
【0017】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、耐電圧性等の他の遮断特性を損なうことなく、耐溶着性を向上させた真空遮断器用接点材料,その製造方法および真空遮断器を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために、本発明者らは、溶着後に引き外した接点材の破断面の金属組織に注目した。粉末冶金法で製造したCu−Cr系接点材料の場合、一度溶着が生じると接点表面の溶着部とその内部の未溶着部とにおいて、Cuの結晶組織の様相が大きく異なることが判明した。すなわち、溶着部においては再結晶化が起こり、未溶着部と比較してCu結晶粒が粗大化することが確認された。
【0019】
また、溶着した接点を引き外す場合、溶着部中心の初期接触面よりも、概してその内側の未溶着部の境界近傍部が破断することが、本発明者らの調査の結果、判明した。これらの事実から、溶着した接点の引き外し力とCu結晶粒径との相関関係が大きいことが推測される。さらに調査を進めた結果、引き外しによる破断は溶着部の内側に存在する未溶着部のCu結晶粒界に沿って発生することが判明した。さらに上記引き外し力を低下させるには、Cu結晶粒界を多くすること、もしくはCu結晶粒どうしの結び付きを弱くすることが有効であることが判明した。そこで、本願発明者らは、上記知見に基づいて接点材料の最適なCu結晶粒径、焼結温度を鋭意研究した結果、本発明を完成した。
【0020】
すなわち、本発明に係る真空遮断器用接点材料は、30〜70重量%の耐弧成分としてのCrと残部となる高導電成分としてのCuとの焼結体から成る真空遮断器用接点材料において、Cu結晶の平均粒径が20μm以下であり、かつ90重量%以上のCu結晶の粒径範囲が1〜30μmであることを特徴とする。
【0021】
本発明の接点材料において、Cu結晶の平均粒径および粒径範囲は耐溶着性に大きな影響を及ぼす要因であり、本発明では上記平均粒径は20μm以下とされる。Cu結晶の平均粒径が20μmを超えるように粗大になると、溶着時における接点の引き外し力が大きくなり、耐溶着性が低下する。したがって、Cu結晶の平均粒径は20μm以下とするが、さらに15μm以下の微細なCu結晶組織を形成することが好ましい。
【0022】
また、少なくとも90重量%のCu結晶の粒径範囲は1〜30μmとすることが好ましい。粒径が30μmを超える粗大なCu結晶粒子の割合が増加すると、前記と同様に耐溶着性が低下する一方、粒径が1μm未満と超微細なCu結晶粒子の割合が増加すると、不可避的に含有される酸素量が増大して接点の導電性が低下し易くなる。したがって、少なくとも90重量%のCu結晶の粒径範囲は1〜30μmとされるが、1〜20μmの範囲がさらに好ましい。
【0023】
上記のようにCu結晶の平均粒径を20μm以下としたり、少なくとも90重量%のCu結晶の粒径範囲を1〜30μmにすることによって、従来の高密度の接点材料と比較して同等の硬度および機械的強度を有する接点材料が得られる。
【0024】
本発明に係る真空遮断器用接点材料の製造方法は、耐弧成分としてのクロム粉末を30〜70重量%、残部となる高導電成分としての銅粉末とを混合して原料混合体を調製する工程と、この原料混合体を成形して成形体を形成する工程と、得られた成形体を非酸化性雰囲気中で温度800〜890℃で焼結する工程とを備え、上記銅粉末として粒径範囲が1〜18μmの銅粉末を使用することを特徴とする。
【0025】
ここで耐弧成分としてのCrは、耐弧性および耐溶着性に優れ、接点の長寿命化を図るための成分であり、原料混合体中に30〜70重量%の範囲で含有される。含有量が30重量%未満においては、耐弧性が低下して接点の長寿命化が困難である。一方、含有量が70重量%を超える場合には、後述する高導電成分としてのCuの含有量の相対的低下を招き、接触抵抗の増大により接点としての通電機能が低下してしまう。
【0026】
また高導電成分としてのCuは高い導電率を有し、接点の接触抵抗値を下げるために上記Cr成分を除く残余成分として約70〜30重量%(wt%)含有される。Cu含有量が30重量%未満の場合には導電性が低下し接触抵抗が増大し接点材料としての機能が低下する。一方、含有量が70重量%を超える場合は、前記耐弧成分の含有量が相対的に低下し接点開閉動作時に発生するアーク(電弧)によって接点が溶着し易くなり耐消耗性が低下してしまう。
【0027】
ここで上記Cu粉末としては、電解法によって製造されたCu粉末やアトマイズ法で製造されたCu粉末を使用することができる。これらの製法で得られたCu粉末は純度が良好であり、特に高純度材としての特性が要求される接点部材には好適なCu粉末材料である。ここでCu粉末としてアトマイズ粉またはデンドライト状組織を有する電解銅粉を使用する。いずれの場合においても、粉末の粒径範囲が1〜18μmであり平均粒径が10μm以下のCu粉末を使用することが肝要である。
【0028】
また、使用するCu粉末の平均粒径は、Cr粉末の平均粒径の1/20〜1/3の範囲とする。この粒径範囲に調整することにより、Cu粉末とCr粉末とが均一に分散した原料混合体が得られ易くなる。すなわち、混合操作後におけるCu粉末の平均粒径がCr粉末の平均粒径の1/3を超えるように粗大となる場合には、Cr粉末表面にCu粉末を均一に付着配置することが困難になる一方、1/20未満の微細粉となる場合には、Cu粉末の再凝集が起こり易くなり、いずれにしても各成分が均一に分散した状態が得られにくくなる。より好ましい粒径比率は1/10〜1/5の範囲である。
【0029】
本発明に係る真空遮断器用接点材料は、例えば以下の手順によって製造される。まず上記Cu粉末に対してCr粉末を30〜70重量%の割合で配合し、ボールミル等の機械的混合機によって均一に混合し、原料混合体を調製する。
【0030】
次に調製した原料混合体をプレス成形機の金型に充填し、600〜1000MPa程度の加圧力でプレス成形して所定形状のCu−Cr成形体を調製し、さらに得られた成形体を水素雰囲気などの非酸化性雰囲気中で温度800〜900℃と従来法における焼結温度の1050℃より低い温度で焼結して接点材料が形成される。
【0031】
上記焼結工程において、焼結温度が800℃未満であると、接点材料の緻密化が不十分であり、しかもCu粉末に含有されていた酸素が揮散せず十分に除去されない。一方、焼結温度が900℃を超えると焼結が過度に進行するため溶着引き外し力が増大する。このように従来法に比べて低温で焼結した場合、一般的には硬度の低下という問題が生じるが、本発明のようにCu結晶の粒径範囲を1〜30μmにしたり、平均粒径を20μm以下とすることにより、高密度の従来材と比べて同等の硬度が得られる。
【0032】
こうして形成した、Cu−Cr焼結体を所定形状に加工して接触子(接点部材)とし、この接触子を図1〜2に示すように対向する電極の端面にろう材を使用して一体に接合し、さらに接触子をそれぞれ接合した電極を導電棒の端部に接合することにより、真空遮断器が形成される。
【0033】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態について、以下の実施例を参照して説明する。
【0034】
実施例1
デンドライト状組織を構成する各Cu粒子の粒径範囲が1〜15μmであり、平均粒径が10μmである電解Cu粉末と平均粒径が60μmであるCr粉末とを重量比で1:1の割合で秤量し、ボールミル混合機によって均一に混合した。この混合粉末をプレス成形機の金型に充填し、最終的に得られる接点材料の相対密度が94%となるような加圧力でプレス成形して所定形状のCu−Cr成形体(圧粉体)を作製した。そして、得られた成形体を温度890℃の水素雰囲気中で焼結して実施例1に係る接点材料を調製した。得られた接点材料におけるCu結晶の粒径範囲が1〜30μmであるものが94%であり、平均粒径は14μmであった。
【0035】
次に、このCu−Cr焼結体を所定形状に加工して図1〜2に示す接触子(接点部材)13a,13bとし、この接触子を対向する電極7,8の端面にろう材14を使用して一体に接合し、さらに接触子13a,13bをそれぞれ接合した電極7,8を真空バルブ内の導電棒5,6の端部に接合することにより、真空遮断器に組み立てた。
【0036】
実施例2
デンドライト状組織を構成する各Cu粒子の粒径範囲が1〜10μmであり、平均粒径が6μmである電解Cu粉末と平均粒径が60μmであるCr粉末とを重量比で1:1の割合で秤量し、ボールミル混合機によって均一に混合した。この混合粉末をプレス成形機の金型に充填し、最終的に得られる接点材料の相対密度が94%となるような加圧力でプレス成形して所定形状のCu−Cr成形体を作製した。そして、得られた成形体を温度890℃の水素雰囲気中で焼結して、実施例2に係る接点材料を調製した。得られた接点材料におけるCu結晶の粒径範囲は1〜30μmのものが98重量%であり、平均粒径は11μmであった。
【0037】
次に、このCu−Cr焼結体を所定形状に加工して接触子とし、この接触子を対向する電極の端面にろう材を使用して接合し、さらに接触子をそれぞれ接合した電極を導電棒の端部に接合し、真空遮断器に組み込んだ。
【0038】
従来例
デンドライト状組織を構成する各Cu粒子の粒径範囲が2〜20μmであり、平均粒径が10μmである電解Cu粉末と平均粒径が60μmであるCr粉末とを重量比で1:1の割合で秤量し、ボールミル混合機によって均一に混合した。この混合粉末をプレス成形機の金型に充填し、最終的に得られる接点材料の相対密度が94%となるような加圧力でプレス成形して所定形状のCu−Cr成形体を作製した。そして、得られた成形体を温度1050℃の水素雰囲気中で焼結して、従来例に係る接点材料を調製した。得られた接点材料におけるCu結晶の粒径範囲は10〜80μmであり、平均粒径は50μmであった。
【0039】
次に、このCu−Cr焼結体を所定形状に加工して接触子とし、この接触子を対向する電極の端面にろう材を使用して接合し、さらに接触子をそれぞれ接合した電極を導電棒の端部に接合し、真空遮断器に組み込んだ。
【0040】
比較例1
デンドライト状組織を構成する各Cu粒子の粒径範囲が2〜20μmであり、平均粒径が10μmである電解Cu粉末と平均粒径が60μmであるCr粉末とを重量比で1:1の割合で秤量し、ボールミル混合機によって均一に混合した。この混合粉末をプレス成形機の金型に充填し、最終的に得られる接点材料の相対密度が94%となるような加圧力でプレス成形して所定形状のCu−Cr成形体を作製した。そして、得られた成形体を温度900℃の水素雰囲気中で焼結して、比較例1に係る接点材料を調製した。得られた接点材料におけるCu結晶の粒径範囲は1〜30μmのものが52重量%であり、平均粒径は33μmであった。
【0041】
次に、このCu−Cr焼結体を所定形状に加工して接触子とし、この接触子を対向する電極の端面にろう材を使用して接合し、さらに接触子をそれぞれ接合した電極を導電棒の端部に接合し、真空遮断器に組み込んだ。
【0042】
比較例2
デンドライト状組織を構成する各Cu粒子の粒径範囲が1〜15μmであり、平均粒径が8μmである電解Cu粉と、平均粒径が60μmであり、最大粒径が100μmの電解Cu粉末と、平均粒径が60μmであるCr粉末とを重量比で0.5:0.5:1の割合で秤量し、ボールミル混合機によって均一に混合した。この混合粉末をプレス成形機の金型に充填し、最終的に得られる接点材料の相対密度が94%となるような加圧力でプレス成形して所定形状のCu−Cr成形体を作製した。そして、得られた成形体を温度1050℃の水素雰囲気中で焼結して、比較例2に係る接点材料を調製した。得られた接点材料におけるCu結晶の粒径範囲は1〜30μmのものが23重量%であり、平均粒径は54μmであった。
【0043】
次に、このCu−Cr焼結体を所定形状に加工して接触子とし、この接触子を対向する電極の端面にろう材を使用して接合し、さらに接触子をそれぞれ接合した電極を導電棒の端部に接合し、真空遮断器に組み込んだ。
【0044】
そして各接点材料の遮断特性を比較評価するために、接点部材の硬度をJIS規格に規定する方法で測定するとともに、各真空遮断器について繰り返して遮断操作を実施し、耐溶着性および真空バルブの耐電圧を測定して下記表1に示す結果を得た。
【0045】
なお、耐溶着性は、対向する導電棒間に20kAの電流を20秒間通電し、その時の導電棒間の引き外しに必要な力の大小を測定して評価した。また各硬度、引き外し力および耐電圧は、従来例に係る接点材料の特性値を基準値1.00として相対値で示している。
【0046】
【表1】
Figure 0004129304
【0047】
上記表1に示す結果から明らかなように、Cu結晶の粒径範囲および平均粒径を従来例と同一にして、900℃の低温度で焼結したCu−Cr焼結体を使用した比較例1においては、1050℃の高温度で焼結した従来例の焼結体と比較して硬度が約10〜15%低下していた。一方、従来例と同様な高温度(1050℃)で焼結しても、Cu結晶の粒径範囲および平均粒径を最適化していない比較例2の場合には、硬度の低下はみられないが、引き外し力は従来例1と同様であり、耐溶着性の改善効果が少ない。
【0048】
一方、900℃以下の低温度(890℃)で焼結することにより、少なくとも90重量%のCu結晶の粒径範囲を1〜30μmとし、平均粒径を20μm以下と最適化した実施例1〜2に係る接点材料においては、従来例と同等以上の硬度が得られ、優れた構造強度を有している。また、引き外し力の低減効果が大きく、接点の耐溶着性が大幅に向上していることが確認できた。
【0049】
【発明の効果】
以上説明の通り、本発明に係る真空遮断機用接点材料によれば、Cu結晶の平均粒径を20μm以下としているため、接点材料としての耐電圧性および硬度を劣化させることなく耐溶着性を大幅に向上させることができ、真空遮断器用接点材料として極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る接点材料を適用する真空遮断器の構造を示す断面図。
【図2】図1に示す接点および電極部を拡大して示す断面図。
【符号の説明】
1 遮断室
2 絶縁容器(真空容器,真空バルブ)
3a,3b 封止金属
4a,4b 蓋体
5 導電棒
6 導電棒
7 電極(固定電極)
8 電極(可動電極)
9 ベローズ
10 アークシールド
11 アークシールド
12 ろう付け部
13a,13b 接点部材
14 ろう材(Agろう材)

Claims (5)

  1. 30〜70重量%の耐弧成分としてのCrと残部となる高導電成分としてのCuとの焼結体から成る真空遮断器用接点材料において、Cu結晶の平均粒径が20μm以下であり、かつ90重量%以上のCu結晶の粒径範囲が1〜30μmであることを特徴とする真空遮断器用接点材料。
  2. 耐弧成分としてのクロム粉末を30〜70重量%と、残部となる高導電成分としての銅粉末とを混合して原料混合体を調製する工程と、この原料混合体を成形して成形体を形成する工程と、得られた成形体を非酸化性雰囲気中で温度800〜890℃で焼結する工程とを備え、上記銅粉末として粒径範囲が1〜18μmの銅粉末を使用することを特徴とする真空遮断器用接点材料の製造方法。
  3. 銅粉末の平均粒径がクロム粉末の平均粒径の1/20〜1/3の範囲であることを特徴とする請求項記載の真空遮断器用接点材料の製造方法。
  4. 前記銅粉末の平均粒径が10μm以下であることを特徴とする請求項記載の真空遮断器用接点材料の製造方法。
  5. 真空容器内に対向して配置した1対の接触子の開閉動作によって電路を開閉する真空遮断器において、上記接触子が30〜70重量%の耐弧成分としてのCrと残部となる高導電成分としてのCuとの焼結体から成り、Cu結晶の平均粒径が20μm以下であり、かつ90重量%以上のCu結晶の粒径範囲が1〜30μmであることを特徴とする真空遮断器。
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