JP4130368B2 - 車両用エンジン始動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、イグニッションスイッチを操作することにより、車両のエンジンを始動させる車両用エンジン始動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両盗難防止等の理由から、従来のメカニカルキーに替わって、IDコードを含むID信号を送信可能な携帯機が所持されている。この携帯機を用いた遠隔制御操作として、車両のエンジンを始動可能な状態にするスマートイグニッション機能が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
例えば、図10に示すように、車両94側において、プッシュ式のイグニッションスイッチ90と携帯機91の挿入可能な携帯機スロット装置92とが、車室内のインストルメントパネル93に設置されている。通常、所有者は、携帯機91を所持したまま、車両94との間で電波による相互通信を行なっている。このとき、携帯機91と車両94との間でID照合が行なわれ、予め設定されたIDコードとID信号に含まれるIDコードとが一致することを条件として、車両94のエンジンを始動可能な状態にし、イグニッションスイッチ90を操作することでエンジンが始動される。
【0004】
携帯機スロット装置92は、携帯機91の電池の電圧低下等により、同携帯機91を所持したままでは、車両94との間で電波による相互通信が不能となったときに使用される。詳しくは、携帯機91を携帯機スロット装置92に挿入し、同携帯機91内に備えられたトランスポンダ95から、トランスポンダ用のIDコード(トランスポンダコード)を含むトランスポンダ信号が送信されることにより、車両94との間で相互通信が可能となっている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−122058号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、携帯機スロット装置92は、上述のように、緊急用として設置されるものであり、普段使用されることは無い。それにも拘らず、携帯機スロット装置92は、携帯機91を保持する保持機構を備えているため、その設置スペースをインストルメントパネル93にある程度確保する必要があった。しかし、最近、車両システムの電子化、高機能化が急速に進み、車両94に搭載される電気・電子部品等が増加傾向にある等の理由から、インストルメントパネル93の限られたスペースに、携帯機91を設置するためのスペースを十分に確保することが非常に困難となっていた。
【0007】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、インストルメントパネルに、携帯機の設置スペースを確保し易い車両用エンジン始動装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、携帯機から送信されるID信号に基づいて、車両のエンジンを始動可能な状態とし、車室内のインストルメントパネルに設けられたイグニッションスイッチを操作することによりエンジンを始動させる車両用エンジン始動装置において、前記イグニッションスイッチはそれ自体に前記携帯機を収容可能でかつ前記インストルメントパネルから引き出し可能な保持部材を備え、前記保持部材に前記携帯機が収容されていることを条件として前記イグニッションスイッチの作動を許可する許可手段を備えたことをその要旨とする。
【0009】
この構成にすれば、イグニッションスイッチはそれ自体に携帯機を収容可能な保持部材を備えているため、従来のように、イグニッションスイッチとは別に携帯機を設置するスペースを確保する必要がなくなる。よって、イグニッションスイッチと携帯機とを設置するのに必要な面積を小さくすることができる。従って、インストルメントパネルの限られたスペースにおいても、携帯機の設置するためのスペースを容易に確保することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、携帯機から送信されるID信号に基づいて、車両のエンジンを始動可能な状態とし、車室内のインストルメントパネルに設けられたイグニッションスイッチを操作することによりエンジンを始動させる車両用エンジン始動装置において、前記インストルメントパネルには、前記携帯機を前記イグニッションスイッチの前面と対峙するように保持可能な保持部材を備え、その保持部材に前記携帯機が保持されていることを条件として前記イグニッションスイッチの作動を許可する許可手段を備えたことをその要旨とする。
【0011】
この構成にすれば、保持部材により保持された携帯機は、イグニッションスイッチと重なり合うような位置関係で配置されている。このため、イグニッションスイッチと携帯機とを設置するのに必要な面積を小さくすることができる。よって、インストルメントパネルの限られたスペースにおいても、携帯機の設置するためのスペースを容易に確保することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記許可手段は、前記保持部材に前記携帯機が保持されていることを検出する検出手段と、その検出手段の検出結果に基づいて前記イグニッションスイッチの作動を制御する制御手段とを含んで構成されていることをその要旨とする。
【0013】
この構成にすれば、保持部材に携帯機が収容されると、検出手段は、その検出信号を制御手段に入力する。制御手段は、その検出信号に基づいてイグニッションスイッチの作動を許可する。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の発明において、車両のエンジンが駆動されているとき前記保持部材に保持されている前記携帯機が抜けないようにロックするためのロック手段を備えたことをその要旨とする。
【0015】
この構成にすれば、ロック手段によって、車両のエンジン駆動時において、保持部材に保持された携帯機が抜けるのを防止することができる。よって、車両のエンジン駆動時における安全性を確保することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化し車両用エンジン始動装置11の第1実施形態を図1〜図5に従って説明する。
【0017】
図1に示すように、車室内のインストルメントパネル14において、車両1のエンジンを始動させるイグニッションスイッチ13が運転席前方に配設されている。イグニッションスイッチ13は、操作ボタン12と保持部材としての保持ケース15とが一体化されており、同保持ケース15がインストルメントパネル14の内側に形成された収納部17に収納されている。
【0018】
保持ケース15は、上面が開口された箱状体であって、その開口部から携帯機16を収容可能となっている。また、保持ケース15は、緊急時に、インストルメントパネル14の収納部17から外部に引き出されるようになっている。ここでいう緊急時とは、携帯機16に装備されている電池の電圧低下等により、スマートイグニッション機能が不可能となり、携帯機16を所持したままでは、車両1との間で電波による相互通信ができない場合のことを指す。
【0019】
図2に示すように、携帯機16は、薄型のケース本体20内に、コイルアンテナや送受信回路等の複数の電子部品や電池25を備えている。また、電池25の電圧低下等による緊急時用として、携帯機16は、ケース本体20内に、トランスポンダ24やメカニカルキー26を備えている。
【0020】
次に、イグニッションスイッチ13の内部構造について説明する。
図3(a)〜(c)に示すように、イグニッションスイッチ13は、操作ボタン12、保持ケース15、エンジン始動許可スイッチ18、圧縮ばね19を備えている。保持ケース15は、圧縮ばね19を介して車両のボディ2に固定されている。エンジン始動許可スイッチ18は、イグニッションスイッチ13の押圧操作時に、保持ケース15の内奥側端部によって押圧されるように収納部17内に配設されている。また、保持ケース15の底部には、携帯機16が保持ケース15に収容されたことを検出する携帯機検出スイッチ37が配設されている。
【0021】
保持ケース15の操作ボタン12側端部には、一対の係止突起15aが設けられている。保持ケース15は、圧縮ばね19により付勢されることで、係止突起15aがインストルメントパネル14の内壁に係止され、収納部17から抜け出ないようになっている。インストルメントパネル14の収納部17に保持ケース15が収納されている状態では、保持ケース15の表面とインストルメントパネル14の表面とがほぼ面一に配置されている。
【0022】
収納部17の底部には、コイル状の送受信アンテナ36が配設されている。イグニッションスイッチ13の内奥部には、保持ケース15に保持されている携帯機16が外部に抜けないようにロックするためのロック装置46が設置されている。ロック手段としてのロック装置46は、アクチュエータとしてのソレノイド47と、一端に略L字状の係止部48aを有するロックバー48とを備えている。ロックバー48は、その他端がソレノイド47の軸部47aに駆動連結されている。ソレノイド47の励磁に伴い、軸部47aが出没することによりロックバー48は支点49を中心に回転往復運動し、係止部48aが保持ケース15の内奥側端部に係脱することで、保持ケース15はロック又はアンロックされる。
【0023】
続いて、本実施形態における車両用エンジン始動装置11の電気的構成について説明する。図4に示すように、車両用エンジン始動装置11は、車両1の所有者に所持される携帯機16と、車両1に搭載される送受信装置30とを備えている。
【0024】
携帯機16は、携帯機側受信回路21、携帯機側マイコン22、携帯機側送信回路23、トランスポンダ24を備えている。携帯機側受信回路21は、携帯機側受信アンテナ21aを介して車両1側の送受信装置30からのリクエスト信号を受信する。携帯機側マイコン22は、リクエスト信号が携帯機側受信回路21から入力されたときに、予め設定された所定のIDコードを含むID信号を出力する。携帯機側送信回路23は、ID信号を所定周波数の電波に変調し、携帯機側送信アンテナ23aを介して車両1側の送受信装置30に送信する。
【0025】
トランスポンダ24はトランスポンダ制御部24aを備えている。トランスポンダ制御部24aは、電磁波によって十分なエネルギを受けると、予め設定された所定のトランスポンダ用のIDコード(トランスポンダコード)を含むトランスポンダ信号を出力する。詳しくは、このトランスポンダ制御部24aは、送受信装置30からのトランスポンダ駆動電波を受信すると、トランスポンダ信号を出力する。
【0026】
車両1側において、送受信装置30は、車両側送信回路31、車両側受信回路32,33、マイクロコンピュータ(車両側マイコン)34及び切換回路35を備えている。車両側送信回路31及び車両側受信回路32,33は、それぞれ車両側マイコン34に接続されている。車両側送信回路31及び車両側受信回路33は、切換回路35を介して、電磁界としてのトランスポンダ駆動電波及びトランスポンダ信号を送受信する送受信アンテナ36と接続されている。この切換回路35は、送受信アンテナ36を、車両側送信回路31または車両側受信回路33に選択的に接続するための回路である。また、車両側受信回路32には、携帯機16からのID信号を受信する車両側受信アンテナ32aが接続されている。
【0027】
車両側送信回路31は、車両側マイコン34から間欠的に出力されるリクエスト信号を所定周波数の電波に変換し、送受信アンテナ36を介して外部に送信する。また、車両側送信回路31は、車両側マイコン34から出力されるトランスポンダ駆動信号を所定周波数の電波に変換してトランスポンダ駆動電波を生成し、送受信アンテナ36を介して外部に送信する。車両側マイコン34は、図示しないCPU、RAM、ROM等から構成されており、リクエスト信号及びトランスポンダ信号を択一的に出力する。
【0028】
車両側受信回路32は、車両側受信アンテナ32aを介して携帯機16からのID信号を受信可能となっている。車両側受信回路32は、受信されたID信号をパルス信号に復調して受信信号を生成するとともに、その受信信号を車両側マイコン34へ入力する。また、車両側受信回路33は、送受信アンテナ36を介して携帯機16からのトランスポンダ信号を受信可能となっている。このとき、送受信アンテナ36は、切換回路35によって車両側受信回路33に接続されており、車両側受信回路33は、受信されたトランスポンダ信号をパルス信号に復調して受信信号を生成するとともに、その受信信号を車両側マイコン34へ入力する。
【0029】
エンジン始動許可スイッチ18、携帯機検出スイッチ37、ロック装置46及びエンジン駆動装置50が、車両側マイコン34と接続されている。車両側マイコン34は、携帯機16からのID信号が入力されたときに、予め設定されたIDコードとID信号に含まれるIDコードとの比較(IDコードの照合)を行う。車両側マイコン34は、IDコードの照合の結果に基づいてエンジン駆動装置50の制御を行なう。詳しくは、車両側マイコン34は、それらIDコード同士が一致したことを条件として、エンジン駆動装置50に対しエンジン始動許可信号を出力する。
【0030】
携帯機検出スイッチ37は、保持ケース15に携帯機16が収容されたことを検出したとき、その検出信号を車両側マイコン34に入力する。車両側マイコン34は、携帯機検出スイッチ37の検出信号が入力されると、その検出信号に基づいてトランスポンダ駆動信号を車両側送信回路31に出力する。即ち、車両側マイコン34は、保持ケース15内に携帯機16が収容されていることを条件として、トランスポンダ駆動信号を車両側送信回路31に出力する。
【0031】
車両側マイコン34は、トランスポンダ24からのトランスポンダ信号が入力されたときに、予め設定されたトランスポンダコードとトランスポンダ信号に含まれるトランスポンダコードとの比較(トランスポンダコードの照合)を行う。車両側マイコン34は、トランスポンダコードの照合の結果に基づいてエンジン駆動装置50の制御を行なう。詳しくは、車両側マイコン34は、それらトランスポンダコード同士が一致したことを条件として、エンジン駆動装置50に対しエンジン始動許可信号を出力する。
【0032】
エンジン始動許可信号がエンジン駆動装置50に出力されている状態で、エンジン始動許可スイッチ18がオンされ、その操作信号が車両側マイコン34に入力されると、車両側マイコン34は、ロック装置46及びエンジン駆動装置50に電気信号を出力する。このとき、車両1のエンジンが始動されるとともに、ロック装置46により所定の動作が行なわれる。
【0033】
上述のように、車両用エンジン始動装置11は、保持ケース15内に携帯機16が収容されていることを条件としてイグニッションスイッチ13によるエンジン始動を許可する許可手段を備えている。ここでいう許可手段とは、車両側マイコン34と携帯機検出スイッチ37とを含んで構成されている。
【0034】
続いて、エンジンを始動させるための一連の動作を、図3(a)〜(c)、図4に従って説明する。
通常、携帯機16は、所有者により携帯されたまま、車両1側との間でリクエスト信号やID信号等の電波による相互通信が実行されている。ところが、携帯機16は、電池25の電圧低下等が生じた場合、リクエスト信号やID信号等の電波による相互通信が実行不能となる。そこで、以下のようにして、エンジンの始動操作が行なわれる。
【0035】
図3(a),(b)に示すように、まず、操作ボタン12を指で摘みながら、保持ケース15を、インストルメントパネル14の収納部17から外部へ引き出す。引き出された保持ケース15内に携帯機16を収容すると、携帯機検出スイッチ37は携帯機16を検出し、その検出信号を車両側マイコン34に入力する。車両側マイコン34は、検出信号に応答してトランスポンダ駆動信号を出力し、送受信アンテナ36を介してトランスポンダ駆動電波を外部に送信する。
【0036】
携帯機16内のトランスポンダ24は、そのトランスポンダ制御部24aがトランスポンダ駆動電波により十分なエネルギを受けるとトランスポンダ信号を出力する。このトランスポンダ信号が、車両1側の送受信アンテナ36に受信されると、車両側マイコン34は、トランスポンダコードの照合を行い、それらトランスポンダコード同士が一致したことを条件として、エンジン駆動装置50にエンジン始動許可信号を出力する。エンジン始動許可信号がエンジン駆動装置50に出力されている間に、イグニッションスイッチ13の操作ボタン12を前方に押し込み、エンジン始動許可スイッチ18がオンされると、その操作信号が車両側マイコン34に入力されることにより車両1のエンジンが始動される。
【0037】
このとき、車両側マイコン34によるロック装置46の駆動制御が行われる。詳しくは、ソレノイド47の軸部47aが没入し、ロックバー48の一端部が下降することで、係止部48aが保持ケース15の内奥側端部に係止される。このようにして、保持ケース15は、ロック装置46によって、インストルメントパネル14の収納部17から抜けないように保持された状態でロックされる。
【0038】
図3(b),(c)に示すように、操作ボタン12の押し込みが解除されると、保持ケース15は、圧縮ばね19の付勢力により押し込み方向とは反対方向に戻される。すると、係止突起15aがインストルメントパネル14の内壁に係止され、保持ケース15は、収納部17に収納された状態で保持される。
【0039】
尚、携帯機16を保持ケース15から取り出す場合、ソレノイド47の軸部47aが突出し、ロックバー48の一端部が上昇することで、係止部48aが保持ケース15の内奥側端部から離脱する。このようにして、保持ケース15は、インストルメントパネル14の収納部17に保持されたロック状態から解除される。
【0040】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)図5(a)に、従来のイグニッションスイッチ90及び携帯機スロット装置92について、車室内から見たときの正面図を示す。設置スペースS1は、イグニッションスイッチ90と携帯機スロット装置92とを設置するのに必要なスペースを示している。この場合、イグニッションスイッチ90及び携帯機スロット装置92は、それぞれが互いに並列して配置されているため、設置スペースS1はイグニッションスイッチ90の投影面積T1と携帯機スロット装置92の投影面積U1とを加えたものとほぼ等しくなっている。一方、図5(b)に、本実施形態のイグニッションスイッチ13及び保持ケース15について、車室内から見たときの正面図を示す。この場合、イグニッションスイッチ13はそれ自体に携帯機16を収容する保持ケース15を設けているため、操作ボタン12及び保持ケース15は、それぞれが互いに重なり合う位置関係で配置されている。つまり、イグニッションスイッチ90とは別に携帯機16を設置するスペースを確保する必要がなくなる。このため、本実施形態におけるイグニッションスイッチ13と携帯機16との設置スペースS2は、イグニッションスイッチ13が占める設置スペースとほぼ等しくなっている。よって、イグニッションスイッチ13と保持ケース15とを設置するのに必要な面積を小さくすることができる。従って、インストルメントパネル14の限られたスペースにおいても、携帯機16を設置するためのスペースを容易に確保することができる。
【0041】
(2)イグニッションスイッチ13の内奥部には、保持ケース15に保持されている携帯機16が外部に抜けないようにするためロック装置46が設置されている。このため、車両1のエンジン駆動時において、保持ケース15に保持された携帯機16が外部に抜けるのを、ロック装置46を作動させることで防止することができる。よって、車両1のエンジン駆動時における安全性を確保することができる。
【0042】
(3)保持ケース15は、操作ボタン12を指で摘むことにより、インストルメントパネル14の収納部17から引出し可能となっている。このため、携帯機16の挿脱を無理なく行なうことができる。よって、緊急時における車両1のエンジン始動操作を無理なく行なうことができる。
【0043】
(4)インストルメントパネル14の収納部17に保持ケース15が収納されている状態では、保持ケース15の表面とインストルメントパネル14の表面とがほぼ面一に配置されている。よって、インストルメントパネル14の内装面においては凹凸が少なくなる、従って、車室内の意匠性を向上させることができる。
【0044】
(第2実施形態)
以下、本発明を車両用エンジン始動装置11に具体化した第2実施形態を図6〜図8に従って説明する。なお、第2実施形態の車両用エンジン始動装置11は、第1実施形態の車両用エンジン始動装置11を変更したのみの構成であるため、同様の部分については同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0045】
図6(a),(b)に示すように、車室内のインストルメントパネル14において、携帯機16の保持する保持ホルダ63が、イグニッションスイッチ60の操作ボタン62付近に設けられている。保持ホルダ63は、操作ボタン62の三方を囲むように凹状に形成され、携帯機16は保持ホルダ63に保持された状態で、イグニッションスイッチ60の操作ボタン62と対峙するように配置される。
【0046】
保持ホルダ63は、携帯機16を支持する支持部63aと、この支持部63aの両端部に立設され挿入部63cから挿入される携帯機16の挿入をガイドするための2つのガイド部63bとを備えている。ここでは、支持部63aとガイド部63bとが一体に形成されており、支持部63aと、ガイド部63bと、インストルメントパネル14の外面とに包囲された空間に、携帯機16を縦置にして保持している。
【0047】
次に、イグニッションスイッチ60及びその周辺の内部構造について説明する。
図7(a)〜(c)に示すように、保持ホルダ63は、携帯機16がインストルメントパネル14の外面に沿って差し込まれるように形成されている。この場合、携帯機16は、保持ホルダ63により保持された状態で、その厚み方向がイグニッションスイッチ60の押圧方向の軸線C1上に配置される。保持ホルダ63の底部には、同保持ホルダ63内に携帯機16が挿入されたことを検出する携帯機検出スイッチ37が配設されている。
【0048】
イグニッションスイッチ60は、操作ボタン62、エンジン始動許可スイッチ18、コイルスプリング66等を備えている。操作ボタン62は、コイルスプリング66を介して車両1のボディ2に固定されている。エンジン始動許可スイッチ18は、操作ボタン62の内奥部に配設されている。操作ボタン62の側面には、円周方向に沿って係止突起67が形成されている。操作ボタン62は、コイルスプリング66の付勢力により、係止突起67がインストルメントパネル14の内壁に係止されることで所定位置に保持されている。
【0049】
イグニッションスイッチ60の周辺には、コイル状の送受信アンテナ36が、その中心を操作ボタン62及びコイルスプリング66が貫通するように配設されている。イグニッションスイッチ60の内奥部には、保持ホルダ63に保持されている携帯機16が外部に抜けないようにするためのロック装置68が設置されている。
【0050】
ロック装置68は、アクチュエータとしてのソレノイド69と、抜止防止板65と、バネ70とを備えている。抜止防止板65は、一端がインストルメントパネル14の開口部64付近に配置され、他端がバネ70を介して車両のボディ2に固定されている。抜止防止板65は、携帯機16の上部において、保持ホルダ63の挿入部63c間に亘って延びるように形成された開口部64から出没するようになっている。抜止防止板65の他端部には傾斜面65aが形成されており、この傾斜面に65aに対し、ソレノイド69の軸部69a先端が当接するように配置されている。ロック装置68は、軸部69aが出没することにより、抜止防止板65を水平方向に往復移動可能としている。
【0051】
続いて、エンジンを始動させるための一連の動作を、図4、図7(a)〜(c)に従って説明する。尚、図4に示すロック装置46については、ロック装置68を付して説明する。
【0052】
図7(a)に示すように、まず、保持ホルダ63の挿入部63cから携帯機16を挿入する。すると、携帯機検出スイッチ37は、保持ホルダ63に携帯機16が挿入されたことを検出し、その検出信号を車両側マイコン34に入力する。車両側マイコン34は、検出信号に応答してトランスポンダ駆動信号を出力し、送受信アンテナ36を介してトランスポンダ駆動電波を外部に送信する。
【0053】
携帯機16内のトランスポンダ24は、トランスポンダ駆動電波に応答して、トランスポンダ信号を出力する。このトランスポンダ信号が車両1側の送受信アンテナ36に受信されると、車両側マイコン34は、トランスポンダコードの照合を行い、それらトランスポンダコード同士が一致したことを条件として、エンジン駆動装置50にエンジン始動許可信号を出力する。
【0054】
図7(b)に示すように、所有者は、保持ホルダ63に保持された携帯機16を指で押し込む。このとき、イグニッションスイッチ60の操作ボタン62は、携帯機16とともに押し込まれ、エンジン始動許可スイッチ18がオンされる。エンジン始動許可スイッチ18がオンされると、その操作信号が車両側マイコン34に入力され、車両1のエンジンが始動される。
【0055】
このとき、ロック装置68は、ソレノイド69の軸部69aが突出することにより、傾斜面65aが同軸部69aの先端により押圧され、抜止防止板65を前方(図8(b)に示すA方向)に移動させる。すると、インストルメントパネル14の開口部64から抜止防止板65が突出され、携帯機16の上方が抜止防止板65で覆われる。このようにして、携帯機16は、ロック装置68によって、保持ホルダ63から取り外しできないように保持された状態でロックされる。
【0056】
図7(c)に示すように、操作ボタン62を押し込む押圧力がなくなると、操作ボタン62は、コイルスプリング66の付勢力により同操作ボタン62の押し込み方向と反対方向に戻される。すると、操作ボタン62は、係止突起67がインストルメントパネル14の内壁に係止されることで所定の位置に保持される。
【0057】
尚、携帯機16を保持ホルダ63から取り外す場合、ソレノイド69の軸部69aが没入し、抜止防止板65がバネ70の付勢力によって後方(図7(b)に示すB方向)に移動することで、携帯機16の上方が開放される。このようにして、携帯機16は、保持ホルダ63内にロックされた状態が解除される。
【0058】
従って、この第2実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(5)図8(a)に、従来のイグニッションスイッチ90及び携帯機スロット装置92において、車室内から見たときの正面図を示す。図8(b)に、本実施形態のイグニッションスイッチ60及び保持ホルダ63について、車室内から見たときの正面図を示す。この場合、携帯機16のほぼ中央に操作ボタン62が位置しているため、操作ボタン62及び保持された携帯機16は、イグニッションスイッチ60と互いに重なり合う位置関係で配置されている。このため、本実施形態における携帯機16とイグニッションスイッチ60との設置スペースS3は、イグニッションスイッチ60が占める設置スペースとほぼ等しくなっている。よって、携帯機16とイグニッションスイッチ60とを設置するのに必要な面積を小さくすることができる。従って、インストルメントパネル14の限られたスペースにおいても、携帯機16を設置するためのスペースを容易に確保することができる。
【0059】
(6)保持ホルダ63は、携帯機16がインストルメントパネル14の外面に沿って差し込まれるように形成されている。このため、携帯機16を保持するためのスペースを、インストルメントパネル14の内側に確保する必要がなくなる。よって、インストルメントパネル14の限られたスペースにおいて、携帯機16を設置するためのスペースがより一層確保し易くなる。
【0060】
(7)保持ホルダ63は、イグニッションスイッチ60の操作ボタン62と対峙するように携帯機16を保持している。このため、車両1の所有者は、携帯機16を保持ホルダ63に差し込み、その携帯機16の一面を押し込むだけで、エンジン始動許可スイッチ18をオンすることができる。よって、イグニッションスイッチ60の押圧操作を無理なく行なうことができる。従って、緊急時においても、車両1のエンジン始動操作を無理なく行なうことができる。
【0061】
(8)保持ホルダ63は、支持部63aとガイド部63bとが一体に形成された単純構造であるため、材料コストを低く抑えることができるため、低コスト化を実現することができる。
【0062】
(9)イグニッションスイッチ60の内奥部には、保持ホルダ63に保持されている携帯機16が外部に抜けないようにするためロック装置68が配設されている。このため、車両1のエンジン駆動中に携帯機16が保持ホルダ63の外部に抜け出るのを、ロック装置68により防止することができる。よって、車両1のエンジン駆動時における安全性を確保することができる。
【0063】
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・第2実施形態においては、携帯機16は、保持ホルダ63により保持された状態で、その厚み方向がイグニッションスイッチ60の押圧方向の軸線C1上に配置されていた。しかし、これ以外の構成であってもよく、例えば、図9(a)に示すように、携帯機16は、保持ホルダ75により保持された状態で、その幅方向がイグニッションスイッチ60の押圧方向の軸線C1上に配置されるようにしてもよい。
【0064】
・第2実施形態において、保持ホルダ63は、携帯機16を下方から支持する支持部63aと、同携帯機16をその対向する両側面から支持する2つのガイド部63bとが一体に形成されていた。しかし、保持ホルダ63はこれ以外の構成であってもよく、例えば、図9(b)に示すように、一組の略L字状に形成された支持部78からなり、両支持部78が携帯機16の下側コーナー部を保持する構成としてもよい。また、図9(c)に示すように、保持ホルダ80は、支持部81とガイド部82とを別体で構成してもよい。
【0065】
・第1実施形態及び第2実施形態において、保持ケース15及び保持ホルダ63は、薄型の携帯機16を保持可能に形成されていた。しかし、保持ケース15及び保持ホルダ63は、薄型の携帯機16以外にも、任意の形状の携帯機16を保持可能に形成してもよい。
【0066】
次に、上記実施形態及び別例によって把握される技術的思想を以下に記載する。
(1)前記収容部材は、上面が開口される箱状に形成され、その外側面に前記イグニッションスイッチを押圧操作するための操作ボタンが設けられ、この操作ボタンを操作することにより、エンジン始動許可スイッチが作動されることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の車両用エンジン始動装置。
【0067】
(2)前記ロック手段は、ソレノイドと前記ソレノイドに駆動連結されたロックバーとを備え、前記ロックバーの先端部が前記保持部材に係脱可能に構成されていることを特徴とする請求項4に記載に車両用エンジン始動装置。
【0068】
(3)前記ロック手段は、ソレノイドと抜止防止板とを備え、前記抜止防止板が前記インストルメントパネルの内装面に設けられた開口部から出没可能に構成されていることを特徴とする請求項4に記載の車両用エンジン始動装置。
【0069】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、インストルメントパネルに、携帯機の設置スペースを容易に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態におけるイグニッションスイッチ付近の斜視図。
【図2】同じく車両用エンジン始動装置を構成する携帯機の断面図。
【図3】同じく(a)〜(c)はイグニッションスイッチによるエンジン始動操作を説明するための図。
【図4】同じく車両用エンジン始動装置の電気的構成を示すブロック図。
【図5】同じく(a)は比較例を示すイグニッションスイッチ付近の拡大平面図。(b)は本実施形態のイグニッションスイッチ付近の拡大平面図。
【図6】(a),(b)は第2実施形態におけるイグニッションスイッチ付近の斜視図。
【図7】同じく(a)〜(c)はイグニッションスイッチによるエンジン始動操作を説明するための図。
【図8】同じく(a)は比較例を示すイグニッションスイッチ付近の拡大平面図。(b)は本実施形態のイグニッションスイッチ付近の拡大平面図。
【図9】(a)〜(c)は別例の保持ホルダの斜視図。
【図10】従来技術のイグニッションスイッチ付近の斜視図。
【符号の説明】
1…車両、11…車両用エンジン始動装置、12,62・・・操作ボタン、13,60…イグニッションスイッチ、14…インストルメントパネル、15…保持ケース(保持部材)、16…携帯機、34…車両側マイコン(制御手段)、37…携帯機検出スイッチ(検出手段)、34…許可手段、37…許可手段、63…保持ホルダ(保持部材)。
Claims (4)
- 携帯機から送信されるID信号に基づいて、車両のエンジンを始動可能な状態とし、車室内のインストルメントパネルに設けられたイグニッションスイッチを操作することによりエンジンを始動させる車両用エンジン始動装置において、
前記イグニッションスイッチはそれ自体に前記携帯機を収容可能でかつ前記インストルメントパネルから引き出し可能な保持部材を備え、前記保持部材に前記携帯機が収容されていることを条件として前記イグニッションスイッチの作動を許可する許可手段を備えたことを特徴とする車両用エンジン始動装置。 - 携帯機から送信されるID信号に基づいて、車両のエンジンを始動可能な状態とし、車室内のインストルメントパネルに設けられたイグニッションスイッチを操作することによりエンジンを始動させる車両用エンジン始動装置において、
前記インストルメントパネルに、前記携帯機を前記イグニッションスイッチの前面と対峙するように保持可能な保持部材を備え、その保持部材に前記携帯機が保持されていることを条件として前記イグニッションスイッチの作動を許可する許可手段を備えたことを特徴とする車両用エンジン始動装置。 - 前記許可手段は、前記保持部材に前記携帯機が保持されていることを検出する検出手段と、その検出手段の検出結果に基づいて前記イグニッションスイッチの作動を制御する制御手段とを含んで構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用エンジン始動装置。
- 前記車両のエンジンが駆動されているとき前記保持部材に保持されている前記携帯機が抜けないようにロックするためのロック手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の車両用エンジン始動装置。
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