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JP4130558B2 - 二輪車用衝撃吸収体 - Google Patents
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JP4130558B2 - 二輪車用衝撃吸収体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、二輪車の前面衝突時の衝撃を吸収して、乗員を保護するようにした二輪車用衝撃吸収体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、乗用車等の四輪自動車では、衝突時における乗員の保護を目的として、衝撃吸収体が用いられている。例えば、側面衝突時において乗員の頭部を保護するために、ピラーガーニッシュの内側に衝撃吸収体が設けられたり、乗員の腰や胸を保護するために、ドアトリムの内側等に衝撃吸収体が設けられたりしている。そして、この衝撃吸収体としては、例えば特開平8−164810号公報及び特許第2978083号公報に開示されるように、比較的低コストで製造することができる樹脂リブが多用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、これまで二輪車に関しては、衝突時のエネルギー吸収について有効な検討がなされていなかった。
【0004】
また、二輪車用の衝撃吸収体では、四輪自動車用の衝撃吸収体に比較して、はるかに大きなエネルギーを吸収する必要があった。すなわち、四輪自動車の場合には、質量4.54kgのダミーヘッドが速度15mile/h(=6.71m/s)で衝突するエネルギーを基準にして、吸収すべき運動エネルギーEk=1/2mv2が102.1(J)と設定されている。これに対して、二輪車の場合には、車両質量を100kg、走行速度を50km/h(=13.89m/s)とすると、その吸収すべき運動エネルギーEkが9646(J)になって、桁違いに大きなエネルギーを吸収する必要があった。
【0005】
また、前述した四輪自動車用の樹脂リブを二輪車に適用しようとした場合、リブの高さが60mm程度で、エネルギーの吸収ストロークが小さいため、衝撃吸収体の全体として広い取付面積を確保する必要がある。しかしながら、二輪車では衝撃吸収体が車両の前部に取り付けられることから、取付面積を大きくすることは不可能であった。さらに、樹脂リブの高さを大きく形成する方法も考えられるが、樹脂リブには成形時の抜きテーパをつける必要が生じる関係から、リブの肉厚が基端側ほど徐々に厚くなる。このため、樹脂リブの高さを大きく形成した場合には、その基端側が厚くなりすぎて、座屈変形発生荷重が大きくなるという課題があった。
【0006】
この発明は、このような従来の技術に存在する課題に着目してなされたものである。その目的は、二輪車の前部に狭い取付面積で容易に取り付けることができるとともに、衝突時の大きな衝撃を均等に受け止めて、衝撃を効率よく吸収することができる二輪車用衝撃吸収体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、複数の衝撃吸収リブを形成してなる複数の合成樹脂製の緩衝部材を備え、それらの緩衝部材を衝撃吸収リブの基端から先端に向かう方向が二輪車の車両前後方向となるように段積みして、二輪車の前部に取り付けるようにした二輪車用衝撃吸収体であって、衝突時の荷重または衝撃荷重を受けた際に、衝撃吸収リブが不均等に圧潰されるのを抑制するための抑制手段を設け、前記抑制手段は、隣接する緩衝部材の段積み接合面の一方に形成され、段積み方向に突出する凸面と、他方に形成され、段積み方向に凹む凹面の嵌合構成からなることを特徴とするものである。
【0008】
従って、この請求項1に記載の発明によれば、複数の緩衝部材を段積み構成にしたことにより、二輪車の前面衝突に対して衝撃吸収ストロークを大きくとることができる。よって、取付面積を大きく確保する必要がなく、二輪車の前部に狭い取付面積で容易に取り付けることができるとともに、衝突時の大きな衝撃を効率よく吸収することができる。また、複数の緩衝部材を段積みしていることから、1つの緩衝部材における衝撃吸収リブの高さを低くでき(例えば、60mm程度)、樹脂成形時の抜きテーパをつけても、衝撃吸収リブの基端側の肉厚を薄くすることができて、座屈変形発生荷重が変形(過程の)後半で大きくなるのを防止することができる。さらに、各緩衝部材に抑制手段が設けられているため、衝突時の荷重または衝撃荷重を受けた際に、複数の衝撃吸収リブが不均等に圧潰されることはない。よって、衝撃吸収リブの不均等な圧潰にて、複数の緩衝部材に段積み状態のアンバランスが生じるおそれを防止することができて、優れた衝撃吸収効果を発揮することができる。なお、ここで、複数の衝撃吸収リブが不均等に圧潰されることはない、とは、複数の衝撃吸収リブがほぼ均等に潰れるということを意味するものとする。
また、凸面と凹面との係合構成により、段積み状態の複数の緩衝部材に段積み方向と直交する方向への位置ずれが発生するおそれを確実に防止することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明においては、請求項1に記載の発明において、衝撃吸収リブが格子状に形成されていることを特徴としたものである。
従って、請求項2に記載の発明においては、衝撃吸収リブの全体で有効に衝撃吸収を行うことができ、乗員や車両の保護を有効に行うことができる。
【0010】
請求項3に記載の発明においては、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記衝撃吸収リブをその基端から先端に向かって肉厚が徐々に薄くなるように形成したことを特徴とするものである。
【0011】
従って、請求項3に記載の発明においては、衝撃吸収リブの圧潰をその先端側から基端側に向かって進行させることができ、衝撃吸収を有効に行うことができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記各緩衝部材を基板と、その基端に一体に形成された衝撃吸収リブとにより構成したことを特徴とするものである。
【0013】
従って、この請求項4に記載の発明によれば、段積み状態の各緩衝部材に衝突時の荷重または衝撃荷重が加わったとき、その衝突時の荷重または衝撃荷重がまず基板全体で受け止められ、それが各衝撃吸収リブに伝達されて、それらの衝撃吸収リブが連続的に圧潰される。よって、衝突時の荷重または衝撃荷重を一層効果的に吸収することができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記抑制手段は、衝撃吸収リブの配置密度を緩衝部材の中央域が外周域よりも粗くなるようにした構成からなることを特徴とするものである。
【0015】
従って、この請求項5に記載の発明によれば、衝撃吸収リブが変形しにくい緩衝部材の中央域において、衝撃吸収リブの配置密度が粗くなっていることから、中央域に配置された衝撃吸収リブに圧潰遅れが発生するのを抑制することができる。よって、複数の衝撃吸収リブを均等で安定的に圧潰することができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の発明において、前記抑制手段は、衝撃吸収リブを緩衝部材の外周縁に存在しないように配置することにより、緩衝部材の外周側を開放した構成からなることを特徴とするものである。
【0017】
従って、この請求項6に記載の発明によれば、衝撃吸収リブに外側への逃げが生じやすい緩衝部材の外周縁には、衝撃吸収リブが延在配置されていないことから、段積み状態の複数の緩衝部材にアンバランスが生じるおそれを確実に防止することができる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の発明において、前記抑制手段は、隣接する緩衝部材の段積み接合面の一方に形成された係合部と、他方に形成された係止爪との係止構成からなることを特徴とするものである。
【0019】
従って、この請求項7に記載の発明によれば、係合部と係止爪との係止構成により、段積み状態の複数の緩衝部材に段積み方向と直交する方向への位置ずれが発生するおそれを確実に防止することができる。
【0020】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の発明において、前記抑制手段は、隣接する緩衝部材の段積み接合面の双方にそれぞれ形成され、互いに対応する挿通孔と、それらの対応する挿通孔に挿通されたピンとからなることを特徴とするものである。
【0021】
従って、この請求項8に記載の発明によれば、両挿通孔に対するピンの挿通により、段積み状態の複数の緩衝部材に段積み方向と直交する方向への位置ずれが発生するおそれを確実に防止することができる。
【0024】
請求項に記載の発明によれば、請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の発明において、前記凸面及び凹面は、段積み接合面の中央部に形成されたことを特徴としたものである。
従って、請求項に記載の発明によれば、複数の緩衝部材を整列状態で段積みすることができ、衝撃吸収を確実に行うことができる。
【0025】
請求項1に記載の発明によれば、請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の発明において、前記凸面及び凹面は、段積み接合面の全体に形成されたことを特徴としたものである。
従って、請求項1に記載の発明によれば、複数の緩衝部材を整列状態で段積みすることができ、衝撃吸収を確実に行うことができるとともに、緩衝部材の全面で衝撃吸収を行うことができ、きわめて有効な衝撃吸収を実行できる。
【0026】
請求項1に記載の発明は、請求項1〜請求項1のいずれか一項に記載の発明において、前記抑制手段は、段積み状態の複数の緩衝部材の外周に接合配置され、緩衝部材が位置ずれしないように位置規制するようにした可撓性シートからなる位置規制部材であることを特徴とするものである。
【0027】
従って、この請求項1に記載の発明によれば、位置規制部材の配置により、段積み状態の複数の緩衝部材に段積み方向と直交する方向への位置ずれが発生するおそれを確実に防止することができる。
【0028】
請求項1に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明において、前記位置規制部材は、筒状をなすことを特徴としたものである。
従って、請求項1に記載の発明によれば、位置規制部材により複数の緩衝部材を一体的に包持することができ、緩衝部材の位置ずれを防いで、有効な衝撃吸収を行うことができる。
【0029】
請求項1に記載の発明においては、請求項1または1に記載の発明において、前記位置規制部材は、緩衝部材の外周面に対してほぼ密着することを特徴としたものである。
【0030】
従って、請求項1に記載の発明においては、位置規制部材の密着により緩衝部材の位置ずれを防いで、有効な衝撃吸収を行うことができる。
請求項1に記載の発明においては、請求項1または請求項1に記載の発明において、前記位置規制部材は、その内面に粘着剤が塗布されていることを特徴としたものである。
【0031】
従って、請求項1に記載の発明においては、粘着剤の作用により、緩衝部材を整列状態に維持することができ、有効な衝撃吸収を行うことができる。
請求項1に記載の発明においては、請求項1〜請求項1のいずれか一項に記載の発明において、前記位置規制部材は、熱収縮フィルムよりなることを特徴としたものである。
【0032】
従って、請求項1に記載の発明においては、位置規制部材により衝撃部材をかたく包持して整列保持でき、衝撃吸収機能を有効に発揮できる。
【0033】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下に、この発明の第1実施形態を、図1〜図7に基づいて説明する。
【0034】
図1及び図2に示すように、この実施形態の二輪車用衝撃吸収体41は、硬質の合成樹脂からなるカバー42により被覆された状態で二輪車43の前部に取付固定され、二輪車43の前面衝突時の衝撃を吸収して乗員及び車体を保護するようになっている。この衝撃吸収体41は複数(実施形態では6個)の緩衝部材44を段積みして構成され、各緩衝部材44はPP(ポリプロピレン)、PPF(ポリプロピレン+無機物)、ABS、PC/ABS(ポリカーボネートとABSとのアロイ)等の合成樹脂により形成されている。なお、各緩衝部材44は、適当位置において相互に接合されている。
【0035】
図3〜図5に示すように、前記各緩衝部材44は、縦方向及び横方向へ間隔をおいて平行に延長形成されたそれぞれ複数の縦方向リブ部45cと横方向リブ部45dとにより格子状をなす衝撃吸収リブ45と、その衝撃吸収リブ45の基端45a側に一体に形成された基板46とから構成されている。基板46の外周縁に位置する最外側の縦方向リブ部45c及び横方向リブ部45dは、緩衝部材44の外周壁を構成する。衝撃吸収リブ45は基端45aから先端45bに向かって肉厚が徐々に薄くなるように形成され、この衝撃吸収リブ45の基端45aから先端45bに向かう方向が二輪車43の車両前後方向となるように、複数の緩衝部材44が段積みされている。
【0036】
そして、この緩衝部材44の段積み状態で、図3に矢印で示すように、衝撃吸収体41に二輪車43の後方に向かう衝突時の荷重または衝撃荷重が加わったとき、基板46全体で衝突時の荷重または衝撃荷重が受け止められて格子状の衝撃吸収リブ45に伝達される。これにより、衝撃吸収リブ45が座屈変形して圧潰され、衝突時の荷重または衝撃荷重が効果的に吸収されるようになっている。すなわち、緩衝部材44に対して前後方向の衝撃が加わった際に、衝撃吸収リブ45がその弱い先端側から衝撃を吸収しながら座屈が進行するようになっている。
【0037】
ここで、図2及び図5に示すように、二輪車43の搭載スペース等の条件を考慮すると、緩衝部材44の縦方向の長さL1を140mm程度、横方向の長さL2を200mm程度、縦方向リブ部45c及び横方向リブ部45dの配列ピッチPを20〜30mmの範囲内で設定するのが好ましい。また、衝撃吸収効果を考慮して、衝撃吸収リブ45の高さHを30〜60mmの範囲内、基端45aの肉厚T1を1.0〜2.5mmの範囲内、先端45bの肉厚T2を0.5〜2.0mmの範囲内で設定するのが好ましい。なお、前記衝撃吸収リブ45の肉厚は、例えば縦方向リブ部45cと、横方向リブ部45dとがそれぞれ異なるように設定することもできるが、それらの値は両リブ部45c,45dとも前記数値内にするのが好ましい。
【0038】
さらに、前記基板46については、衝撃吸収体41が衝突時の荷重または衝撃荷重を受けた際に、まず基板46全体で衝突時の荷重または衝撃荷重を受け止めた後、格子状の衝撃吸収リブ45に荷重を分散して伝達させるために、ある程度の剛性を確保する必要がある。このため、図5に示すように、基板46の肉厚T3は2mm程度に設定するのが好ましい。
【0039】
図4に示すように、前記各緩衝部材44には、衝撃吸収体41が衝突時の荷重または衝撃荷重を受けた際に、衝撃吸収リブ45が不均等に圧潰されるのを抑制するための抑制手段としての抑制構造47が設けられている。すなわち、緩衝部材44の中央域において衝撃吸収リブ45の配置密度が粗くなるように、緩衝部材44の中央域に衝撃吸収リブ45の間抜き部48が設けられている。この間抜き部48により、外周方向への逃げ場が少なくて屈曲変形しにくい中央域の衝撃吸収リブ45に圧潰遅れが生じるのが抑制され、衝撃吸収リブ45がその全体に亘って均等で安定的に圧潰されるようになっている。
【0040】
すなわち、緩衝部材44の外側に位置する衝撃吸収リブ45は変形する際に外側へ逃げることが可能であるが、緩衝部材44の中心付近になると逃げ場がなくなることがある。このため、このような状況下において、見かけ上は、緩衝部材44の中央部が硬く、外側が軟らかい状態を呈する。そして、緩衝部材44を前面からの圧縮で押し潰していくと、一段目の緩衝部材44を潰す場合は問題ないが、2段目以降に位置する緩衝部材44の中心部分が充分には潰れないことがある。このような場合、図6(a)〜(c)に示すように、緩衝部材44の衝撃吸収リブ45が先に外側のどこかの部分で潰れると、その緩衝部材44は積み上げ部分から外へと押出され、押し出された衝撃吸収リブ45はあまり潰れることがないため衝撃のエネルギ吸収をできない事態に陥る。そこで、緩衝部材44の中央部の衝撃吸収リブ45の配置密度を粗くして逃げ場をつくり、その中央部を意図的に弱くすることによって、緩衝部材44の全体が安定的に潰れるようにしている。
【0041】
そこで、緩衝部材44の中央域に間抜き部48が形成されていない衝撃吸収体41の試作品と、緩衝部材44の中央域に間抜き部48が形成された実施形態の衝撃吸収体41とを用意した。そして、これらの試作品について、図6(a)〜(c)に示すように、段積み状態の緩衝部材44上に衝撃受け板49を当接配置した状態で衝突時の荷重または衝撃荷重を加えて、性能比較試験を行ったところ、次のような結果が得られた。
【0042】
まず、中央域に間抜き部48のない衝撃吸収体41の試作品では、図6(b)に示すように、中央域の衝撃吸収リブ45に圧潰遅れを生じ、その圧潰遅れを生じた緩衝部材44がアンバランスな形状になって外側への位置ずれを発生する。この位置ずれにより、衝突時の荷重または衝撃荷重の吸収が充分ではない状態となった。すなわち、この間抜き部48のない試作品では、図7(a)に示すように、緩衝部材44の衝撃吸収リブ45がある程度圧潰された中間地点S1で、前記のように緩衝部材44に位置ずれが生じるため、衝撃吸収を示す座屈変形発生荷重が低下した。また、位置ずれを生じた緩衝部材44については衝突時の荷重または衝撃荷重の吸収があまり行われなくなるため、後半地点S2では座屈変形発生荷重が高くなった。
【0043】
これに対して、中央域に間抜き部48を有する実施形態の衝撃吸収体41では、中央域の衝撃吸収リブ45に圧潰遅れが生じないため、段積み状態の緩衝部材44に位置ずれが発生することはない。これにより、各緩衝部材44の衝撃吸収リブ45が均一に安定して圧潰されて、衝突時の荷重または衝撃荷重が有効に吸収された。すなわち、この実施形態の衝撃吸収体41では、図7(b)に示すように、緩衝部材44の変位に対する座屈変形発生荷重の特性が変動することなく安定した状態になり、衝突時の荷重または衝撃荷重を有効に吸収できるという結果が得られた。
【0044】
なお、図6(b)や図7(a)に示す結果の衝撃吸収体41も緩衝装置としての機能は充分に備えるが、図6(c)や図7(b)に示す結果の衝撃吸収体41はさらに有効な機能を発揮する。
【0045】
従って、この実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1) この二輪車用衝撃吸収体41においては、複数の衝撃吸収リブ45を設けた複数の合成樹脂製の緩衝部材44が段積み状態で、二輪車43の前部に取り付けられるようになっている。このため、二輪車43の前面衝突に対して衝撃吸収ストロークを大きく確保することができ、取付面積(前面投影面積)をそれほど広く確保することなく、二輪車43の前部に狭い取付面積で取り付けることができるとともに、衝突時の大きな衝撃を効率よく吸収することができる。また、複数の緩衝部材44を段積みしていることから、1つの緩衝部材44における衝撃吸収リブ45の高さを60mm程度の所定高さに抑えることができる。よって、樹脂成形時の抜きテーパをつけても、衝撃吸収リブ45の基端45a側の肉厚が厚くなることなく薄くすることができて、座屈変形発生荷重が大きくなるのを防止することができる。加えて、同サイズで同一構成の緩衝部材44を積み上げて衝撃吸収体41ができるので、低コスト化に貢献する。
【0046】
また、衝撃吸収リブ45が、縦方向リブ部45cと横方向リブ部45dとにより格子状に構成されているため、衝撃吸収リブ45が緩衝部材44の全域にわたってほぼ均等に配置される。このため、衝撃吸収を緩衝部材44の全域で効率よく行うことができる。
【0047】
さらに、各緩衝部材44には衝突時の荷重または衝撃荷重を受けた際に、衝撃吸収リブ45が不均等に圧潰されるのを抑制するための抑制構造47が設けられている。このため、衝撃吸収リブ45を全体に亘って均等に座屈変形して圧潰することができ、衝撃吸収リブ45の不均等な圧潰にて、複数の緩衝部材44に段積み状態においてアンバランスが生じるおそれを防止することができて、優れた衝撃吸収効果を発揮することができる。
【0048】
(2) この二輪車用衝撃吸収体41においては、前記各衝撃吸収リブ45の基端45aに基板46が一体に形成されている。このため、段積み状態の各緩衝部材44に衝突時の荷重または衝撃荷重が加わったとき、その衝突時の荷重または衝撃荷重がまず基板46全体で受け止められた後に各衝撃吸収リブ45に伝達されて、それらの衝撃吸収リブ45がその全域において連続的に圧潰される。よって、衝突時の荷重または衝撃荷重を一層効果的に吸収することができる。
【0049】
(3) この二輪車用衝撃吸収体41においては、前記抑制構造47として、衝撃吸収リブ45の配置密度が緩衝部材44の中央域ほど粗くなるように形成されている。すなわち、衝撃吸収リブ45が格子状に交差して形成され、緩衝部材44の中央域において衝撃吸収リブ45の間抜き部48が設けられている。このため、緩衝部材44の中央域にの衝撃吸収リブ45に圧潰遅れが発生するのを抑制することができて、衝撃吸収リブ45を全体に亘って均等で安定的に圧潰することができる。従って、衝突時の荷重または衝撃荷重を有効に吸収できる。しかも、このような効果を奏する構成として、専用の部品を設けたわけではないので、部品点数が増えることがなく、構成が簡単である。
【0050】
(第2実施形態)
次に、この発明の第2実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。なお、この第2実施形態以降の各実施形態の説明においては、それ以前に説明された実施形態と異なる構成を中心に説明する。
【0051】
さて、この第2実施形態においては、図8に示すように、格子状の衝撃吸収リブ45が不均等に圧潰されるのを抑制するための抑制構造47として、衝撃吸収リブ45の縦方向リブ部45c及び横方向リブ部45dの配列ピッチPが、緩衝部材44の中央域ほど次第に広くなるように形成されている。これにより、衝撃吸収リブ45の配置密度が緩衝部材44の中央域ほど粗くなるように構成され、前記第1実施形態の場合と同様に、衝撃吸収体41に衝突時の荷重または衝撃荷重が加わったとき、各緩衝部材44の衝撃吸収リブ45が均一に安定して圧潰されるようになっている。
【0052】
従って、この第2実施形態によれば、前記第1実施形態における(1)及び(2)に記載の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(4) この二輪車用衝撃吸収体41においては、緩衝部材44の中央域ほど格子状の衝撃吸収リブ45の配列ピッチPが広くなるように形成されている。このため、緩衝部材44の中央域の衝撃吸収リブ45の配置密度が粗くなって、その中央域の見かけ上の硬さが柔らかくなり、衝撃吸収リブ45に圧潰遅れが発生するのを抑制することができて、衝撃吸収リブ45をその全体に亘って均等で安定的に圧潰することができる。
【0053】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態においては、図9〜図16に示すように、衝撃吸収リブ45の不均等な圧潰を抑制するための抑制構造47として、前記第1実施形態と同様に、緩衝部材44の中央域に衝撃吸収リブ45の間抜き部48が形成されている。これに加えて、図9〜図13に示すように、前記抑制構造47として、緩衝部材44の外周縁に衝撃吸収リブ45の延在しない開放部分50が形成されている。すなわち、前記第1実施形態の緩衝部材44の構成において、外周縁に沿って延びる縦方向リブ部45c及び横方向リブ部45dと、それらに直交する衝撃吸収リブ45の外端部の一部とが除去され、それらの除去部分に外側方に開放した開放部分50が形成されている。そして、この開放部分50の構成により、衝撃吸収体41に衝突時の荷重または衝撃荷重が加わったとき、緩衝部材44の外周縁に沿って延在する衝撃吸収リブ45の外側への逃げに起因して、段積み状態の緩衝部材44にアンバランスが生じるおそれを防止するようになっている。
【0054】
すなわち、図16(a)〜(c)に示すように、前記開放部分50が形成されることにより、前記基板46は、最外側に位置する格子開口Soよりも外方に張り出す大きさになっている。最外側に位置する格子開口Soとは、図16でいえば格子開口Soにドット表示した箇所をいう。基板46が最外側に位置する格子開口Soよりも外方に張り出すことによって、衝撃吸収体41が衝突時の荷重または衝撃荷重を受ける際に、まず基板46全体でその荷重を受け止め、しかる後、衝撃吸収リブ45に荷重を分散させることができる。
【0055】
すなわち、各緩衝部材44は接着等によって相互に固定しているが、大きな衝撃力が加わると、図15において、外周壁を構成する一番外側の衝撃吸収リブ45は下に位置する緩衝部材44の外側へと動いて脱落しやすい。一部の外周壁が脱落すると、強度バランスが崩れ傾きながら潰れることになり、座屈変形発生荷重が安定しなくなる。また、傾いた板状リブは弾き飛ばされる可能性もある。このような不具合を、外周壁を取り除くことによって、大きな衝撃が加わってもバランスよく崩れて衝撃を効率良く吸収できるようにしている。
【0056】
図16(a)に示すように、基板46の外周縁と衝撃吸収リブ45の先端とがほぼ一致しても、あるいは、図16(b)(c)に示すように、基板46の外周縁が衝撃吸収リブ45の先端よりも張り出すようにしてもよい。基板46の剛性を確保するために基板46の外周にフランジを適宜設けて基板46を補強してもよい。
【0057】
また、全ての最外側に位置する格子開口Soから突き出しリブ部分45eが延設している必要はなく、最外側に位置する格子開口Soを形成する交差点から突き出しリブ部分45eのない所が数箇所あってもよい。
【0058】
また、この実施形態では、図12及び図13に示すように、前記抑制構造47として、各緩衝部材44における衝撃吸収リブ45の縦横のリブ部45c,45dの基端45a側の交差部、及びそれに対応する部分の基板46の部分に複数の肉盗み用凹部51が形成されている。すなわち、この肉盗み用凹部51は、縦横のリブ部45c,45dの交差部において基板46の裏面側から衝撃吸収リブ45を抉ったような形状である。そして、この肉盗み用凹部51の形成により、衝突時の荷重または衝撃荷重を受けた際に、衝撃吸収リブ45の基端45a側の圧潰しにくい交差部の圧潰が容易になって、圧潰最終段階での座屈変形発生荷重の上昇が抑えられるようになっている。
【0059】
さらに、この実施形態においては、図12〜図14に示すように、前記抑制構造47として、隣接する緩衝部材44の段積み接合面の一方である基板46の背面外周部に一体形成された突片52と、他方である衝撃吸収リブ45の先端に形成された切欠凹部53との係合構成が付加されている。すなわち、各緩衝部材44の基板46の背面には、その外周縁に沿って複数の突片52が突出形成されている。また、この突片52と対応するように、各緩衝部材44の衝撃吸収リブ45の先端45bには複数の切欠凹部53が形成されている。そして、複数の緩衝部材44が段積みされた状態で、切欠凹部53が突片52に外嵌されて、突片52と切欠凹部53とが互いに係合され、緩衝部材44の段積み方向と直交する方向への位置ずれが防止されるようになっている。
【0060】
なお、この第3実施形態においては、抑制構造47として、間抜き部48,開放部分50,肉盗み用凹部51,突片52及び切欠凹部53を設けたが、これらのうちの少なくともひとつの構成を設ければ、衝撃吸収機能を得ることができる。また、これらの構成のうちで、適当なものを任意に2つ以上組み合わせてもよい。
【0061】
従って、この第3実施形態によれば、前記各実施形態における(1)〜(3)に記載の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(5) この二輪車用衝撃吸収体41においては、前記抑制構造47として、緩衝部材44の外周縁に衝撃吸収リブ45の延在しない開放部分50が形成されている。このため、衝撃吸収リブ45に外側への逃げが生じやすい緩衝部材44の外周縁には、衝撃吸収リブ45が延在配置されていないことから、複数の緩衝部材44に段積み状態においてアンバランスが生じるおそれを確実に防止することができ、衝突エネルギを効果的に吸収できる。
【0062】
(6) この二輪車用衝撃吸収体41においては、前記抑制構造47として、緩衝部材44の段積み接合面の一方に形成された突片52と、他方に形成された切欠凹部53との係合構成が付加されている。このため、突片52と切欠凹部53との係合構成にて、段積み状態の複数の緩衝部材44に段積み方向と直交する方向への位置ずれが発生するおそれを確実に防止することができて、衝撃吸収リブ45を全体に亘って均等で安定的に圧潰することができて、前記と同様に衝突エネルギを効果的に吸収できる。
【0063】
さらに、この二輪車用衝撃吸収体41においては、前記抑制構造47として、肉盗み用凹部51を設けているため、本来圧潰しにくい縦横のリブ部45c,45dの交差部を確実に圧潰させることができ、衝撃吸収を確実に実行できる。
【0064】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態では、図17及び図18に示すように、前記抑制構造47として、第3実施形態の突片52と切欠凹部53との係合構成に代えて、以下の構成が設けられている。つまり、この第4実施形態においては、緩衝部材44の基板46の背面である段積み接合面の一方に形成された係合部54と、他方である衝撃吸収リブ45の先端に形成された係止爪55との係止構成が設けられている。すなわち、各緩衝部材44の基板46の表面には、その外周縁に沿って係合孔54aを有する複数の係合部54が突出形成されている。また、この係合部54と対応するように、各緩衝部材44の衝撃吸収リブ45の先端45bには複数の係止爪55が形成されている。そして、複数の緩衝部材44が段積みされた状態で、それらの対向する段積み接合面において、係合部54の係合孔54aと係止爪55とが互いに係合され、緩衝部材44の段積み方向と直交する方向への位置ずれが防止されるようになっている。
【0065】
従って、この第4実施形態によれば、前記各実施形態における(1)〜(3)及び(5)に記載の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(7) この二輪車用衝撃吸収体41においては、係合部54と係止爪55との係止構成にて、段積み状態の複数の緩衝部材44に段積み方向と直交する方向への位置ずれが発生するおそれを確実に防止することができる。よって、衝撃吸収リブ45を全体に亘って均等で安定的に圧潰することができる。
【0066】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態においては、図19及び図20に示すように、前記抑制構造47として、第3実施形態の突片52と切欠凹部53との係合構成に代えて、挿通孔57,58とピン59とからなる結合構成が付加されている。すなわち、各緩衝部材44における基板46の背面の外周部には、その外周縁に沿って複数の突出片56が形成され、それらの突出片56には挿通孔57が形成されている。また、この挿通孔57と対応するように、各緩衝部材44の衝撃吸収リブ45の先端45bにも複数の挿通孔58が形成されている。そして、複数の緩衝部材44が段積みされた状態で、両挿通孔57,58にピン59が圧入状態で挿通されることにより、緩衝部材44の段積み方向と直交する方向への位置ずれが防止されるようになっている。
【0067】
従って、この第5実施形態によれば、前記各実施形態における(1)〜(3)及び(5)に記載の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(8) この二輪車用衝撃吸収体41においては、挿通孔57,58とピン59とからなる結合構成によって、段積み状態の複数の緩衝部材44に段積み方向と直交する方向への位置ずれが発生するおそれをいっそう確実に防止することができる。よって、衝撃吸収リブ45を全体に亘って均等で安定的に圧潰させることができる。
【0068】
(第6実施形態)
次に、第6実施形態においては、図21〜図23に示すように、前記抑制構造47として、第2実施形態と同様に、緩衝部材44の中央域ほど衝撃吸収リブ45の配列ピッチPが広くなるように形成されている。それとともに、第3実施形態と同様に、緩衝部材44の外周縁に衝撃吸収リブ45の延在しない開放部分50が形成されている。
【0069】
さらに、これらの構造に加えて、前記抑制構造47として、緩衝部材44の段積み接合面の一方を構成する基板46の中央に凸面60が形成されている。また、抑制構造47として、段積み接合面の他方を構成する衝撃吸収リブ45の先端縁の中央に凹面61が形成されている。これらの凸面60及び凹面61は、低い四角錐台状をなし、雌雄の係合関係を有する。そして、複数の緩衝部材44が段積みされた状態で、凸面60と凹面61との係合により、緩衝部材44の段積み方向と直交する方向への位置ずれ、すなわち横ずれが防止されるようになっている。
【0070】
従って、この第6実施形態によれば、前記各実施形態における(1)〜(5)に記載の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(9) この二輪車用衝撃吸収体41においては、凸面60と凹面61との係合構成にて、段積み状態の複数の緩衝部材44に段積み方向と直交する方向への位置ずれが発生するおそれを確実に防止することができる。よって、衝撃吸収リブ45を全体に亘って均等で安定的に圧潰することができ、衝突エネルギを有効に吸収できる。
【0071】
(第7実施形態)
次に、第7実施形態においては、図24及び図25に示すように、抑制構造47としての凸面60と凹面61との形状が、前記第6実施形態の場合と相違している。すなわち、各緩衝部材44の基板46の中央に低四角柱状の凹面61が形成されるとともに、衝撃吸収リブ45の先端45b側の中央に前記凹面61と雌雄をなす低い四角柱状の凸面60が形成されている。
【0072】
従って、この第7実施形態においても、前記各実施形態における(1)〜(5)及び(9)に記載の効果と同様の効果を得ることができる。
(第8実施形態)
次に、第8実施形態においては、図26及び図27に示すように、抑制構造47としての凸面60と凹面61との形状が、前記第6実施形態の場合と相違している。すなわち、各緩衝部材44の基板46の全体に低い四角錐状の凸面60が形成されるとともに、衝撃吸収リブ45の先端45b側の全体に前記凸面60と雌雄をなす低い四角錐状の凹面61が形成されている。そして、これらの四角錐の頂点が基板46及び衝撃吸収リブ45の中央に位置している。
【0073】
従って、この第8実施形態においても、前記各実施形態における(1)〜(5)及び(9)に記載の効果と同様の効果を得ることができる。
(第9実施形態)
次に、第9実施形態においては、図28に示すように、抑制構造47としての凸面60と凹面61との形状が、前記第6実施形態の場合と相違している。すなわち、各緩衝部材44の基板46の全体に球面状の凸面60が形成されるとともに、衝撃吸収リブ45の先端45b側の全体に凸面60と雌雄をなす球面状の凹面61が形成されている。
【0074】
従って、この第9実施形態においても、前記各実施形態における(1)〜(5)及び(9)に記載の効果と同様の効果を得ることができる。
(第10実施形態)
次に、第10実施形態では、図29及び図30に示すように、前記抑制構造47として、第3実施形態の突片52と切欠凹部53との係合構成に代えて、複数の係合突起62と係合孔63との係合構成が設けられている。すなわち、各緩衝部材44における衝撃吸収リブ45の先端45b側の交差部には、複数の係合突起62が形成されている。また、衝撃吸収リブ45の基端45a側の交差部及びそれと対応する基板46には、前記係合突起62に係合可能な複数の係合孔63が形成されている。そして、複数の緩衝部材44が段積みされた状態で、複数の係合突起62が係合孔63に係合されて、緩衝部材44の段積み方向と直交する方向への位置ずれが防止されるようになっている。
【0075】
従って、この第10実施形態においても、前記各実施形態における(1)〜(6)に記載の効果とほぼ同様の効果を得ることができる。
(第11実施形態)
次に、第11実施形態においては、図31及び図32と前記図6(c)に示すように、前記抑制構造47として、段積み状態の緩衝部材44の外周に薄膜状の可撓性シートよりなる位置規制部材64が緊張状態に巻回されている。そして、位置規制部材64の端縁を重合して、その重合端縁44a間を熱溶着することにより、位置規制部材64が巻回包持状態で緩衝部材44に対してほとんど隙間なく接合固定されている。この位置規制部材64としては、例えばPE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PVC(ポリ塩化ビニル)等の合成樹脂フィルムで、厚さ5〜500μm、引張強度3N(ニュートン)/mm以上、伸び100%以上のものを使用するのが好ましい。
【0076】
この位置規制部材64の巻回配置によって、緩衝部材44の段積み方向と直交する方向への位置ずれが防止される。すなわち、位置規制部材64は全緩衝部材44を一体に包持して、各緩衝部材44の位置ずれを防止しているが、位置規制部材64は、柔軟性及び可撓性を備えているため、緩衝部材44の圧潰に追従できる。従って、図6(c)に示すように、位置規制部材64は、緩衝部材44の位置ずれを防止しつつ緩衝部材44の圧潰を許容する。よって、衝撃吸収リブ45を全体にわたって均等で安定的に圧潰することができ、衝撃吸収を有効に実施できる。なお、各緩衝部材44は段積み状態で位置規制部材64に包持されて、その状態に維持されるため、各緩衝部材44間の接着は不要である。
【0077】
従って、この第11実施形態によれば、前記各実施形態における(1)〜(5)に記載の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(10) この二輪車用衝撃吸収体41においては、前記抑制構造47が、段積み状態の複数の緩衝部材44の外周に巻回して接合配置された薄膜状の可撓性シートよりなる位置規制部材64からなっている。このため、位置規制部材64の配置により、段積み状態の複数の緩衝部材44に段積み方向と直交する方向への位置ずれが発生するおそれを確実に防止することができて、衝撃吸収リブ45を全体にわたって均等で安定的に圧潰することができる。
【0078】
なお、この第11実施形態においては、位置規制部材64の内面全体あるいは一部に対して粘着剤を塗布してもよい。このようにすれば、位置規制部材64を緩衝部材44に隙間なく密着させることができるため、前述した安定的な圧潰に対してさらに有利である。
【0079】
(第12実施形態)
次に、第12実施形態においては、図33に示すように、位置規制部材64が熱収縮フィルムにより円筒状に形成されている。そして、この位置規制部材64が段積み状態の全緩衝部材44の外周に嵌着された状態で加熱収縮されて、緩衝部材44の外周に緊張状態で接合固定されている。従って、この第2実施形態では、位置規制部材64により緩衝部材44が確実に包持される。
【0080】
従って、この第12実施形態においても、前記各実施形態における(1)〜(5)及び(10)に記載の効果と同様の効果を得ることができる。
(第13実施形態)
次に、第13実施形態では、図34及び図35に示すように、各緩衝部材44における複数の衝撃吸収リブ45が交差することなく独立した円筒状に形成され、その肉厚が基端45aから先端45bに向かって徐々に薄くなるように形成されている。また、各緩衝部材44の基板46の表面には、円筒状の各衝撃吸収リブ45に対応して、抑制構造47としての係合凹部66が形成されている。そして、複数の緩衝部材44が段積みされた状態で、各衝撃吸収リブ45の先端45bが係合凹部66に係合されて、緩衝部材44の位置ずれが防止されるようになっている。
【0081】
従って、この第13実施形態においても、前記各実施形態における(1)〜(6)に記載の効果とほぼ同様の効果を得ることができる。
(第14実施形態)
次に、第14実施形態においては、図36に示すように、各緩衝部材44の衝撃吸収リブ45が格子状に交差することなく、ハニカム状を呈するように、六角形状に交差するように形成されている。
【0082】
従って、この第14実施形態においても、前記各実施形態における効果とほぼ同様の効果を得ることができる。
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
【0083】
・ 前記各実施形態において、緩衝部材44の衝撃吸収リブ45を、格子状及び六角形状のほかに、三角形状等の異なった多角形状で交差するように形成すること。
【0084】
・ 図35及び図36に示す前記第13実施形態において、独立構成の衝撃吸収リブ45を、四角筒状等の断面多角形状に形成すること。
・ 前記各実施形態において、緩衝部材44の衝撃吸収リブ45及び基板46の形状、寸法、肉厚等を、想定される衝突時の荷重または衝撃荷重の大きさ等に応じて任意に変更すること。
【0085】
・ 前記各実施形態においては、衝撃吸収リブ45を縦横のリブ部45c,45dにより格子状に形成したが、斜交するリブにより斜め格子状に構成すること。
【0086】
・ 段積み状態の緩衝部材44の外周面にウレタン等の合成樹脂を噴霧等により塗布して、その合成樹脂により、前記第11及び第12実施形態とほぼ同様な機能の位置規制部材を構成すること。
【0087】
・ 前記第11,第12実施形態において、位置規制部材64または65を緩衝部材44に対して複数層設けること。
・ 緩衝部材44として二輪車の前方側に位置するものほど小形のものを使用し、衝撃吸収体41全体として階段状をなすように構成すること。
【0088】
・ 前記第11〜第12実施形態の位置規制部材を用いた抑制構造47と、他の実施形態の少なくともひとつの抑制構造47とを組み合わせて用いること。
・ 第6,第7実施形態において、抑制構造47を構成する凸面60及び凹面61をひとつの段積み接合面にそれぞれ複数ずつ設けること。
【0089】
【発明の効果】
以上、詳述したように、この発明においては、二輪車の前部に狭い取付面積で容易に取り付けることができるとともに、衝突時の大きな衝撃を受け止めて効率よく吸収することができる優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態の衝撃吸収体を装設した二輪車を示す正面図。
【図2】 図1の衝撃吸収体を拡大して示す概略斜視図。
【図3】 図2の衝撃吸収体の拡大断面図。
【図4】 図2の衝撃吸収体の要部分解斜視図。
【図5】 図3の一部を拡大して示す部分断面図。
【図6】 (a)(b)(c)は、それぞれ衝撃吸収体の衝撃試験の状態を示す説明図。
【図7】 (a)(b)は、それぞれ衝撃吸収体の座屈変形発生荷重と変位との関係を示すグラフ。
【図8】 第2実施形態の衝撃吸収体を示す側面図。
【図9】 第3実施形態の衝撃吸収体を示す斜視図。
【図10】 図9の衝撃吸収体の断面図。
【図11】 図9の衝撃吸収体の側面図。
【図12】 図11の緩衝部材を示す斜視図。
【図13】 図11の緩衝部材を基板の除去状態で示す斜視図。
【図14】 図11の緩衝部材の組み付け状態を示す部分拡大断面図。
【図15】 図9の衝撃吸収体に関連する衝撃試験の状態を示す説明図。
【図16】 (a)(b)(c)は、それぞれ図9の衝撃吸収体の形状を変更してして示す模式図。
【図17】 第4実施形態の衝撃吸収体の緩衝部材を示す斜視図。
【図18】 図17の緩衝部材の組み付け状態を示す部分拡大断面図。
【図19】 第5実施形態の衝撃吸収体の緩衝部材を示す斜視図。
【図20】 図19の緩衝部材の組み付け状態を示す部分拡大断面図。
【図21】 第6実施形態の衝撃吸収体を示す概略正面図。
【図22】 図21の衝撃吸収体の要部拡大断面図。
【図23】 図21の衝撃吸収体の拡大側面図。
【図24】 第7実施形態の衝撃吸収体を示す概略正面図。
【図25】 図24の衝撃吸収体の概略側面図。
【図26】 第8実施形態の衝撃吸収体を示す概略正面図。
【図27】 図26の衝撃吸収体の概略側面図。
【図28】 第9実施形態の衝撃吸収体を示す概略正面図。
【図29】 第10実施形態の衝撃吸収体の緩衝部材を示す部分斜視図。
【図30】 図28の緩衝部材の組み付け状態を示す部分拡大断面図。
【図31】 第11実施形態の衝撃吸収体を示す概略断面図。
【図32】 図31の衝撃吸収体の概略側面図。
【図33】 第12実施形態の衝撃吸収体を示す概略側面図。
【図34】 第13実施形態の衝撃吸収体を示す側面図。
【図35】 図34の衝撃吸収体の部分拡大断面図。
【図36】 第14実施形態の衝撃吸収体を示す側面図。
【符号の説明】
41…衝撃吸収体、43…二輪車、44…緩衝部材、45…衝撃吸収リブ、45a…基端、45b…先端、46…基板、47…抑制手段としての抑制構造、48…間抜き部、50…開放部分、52…突片、53…切欠凹部、54…係合部、55…係止爪、57,58…挿通孔、59…ピン、60…凸面、61…凹面、62…係合突起、63…係合孔、64,65…位置規制部材、66…係合凹部、T1…基端の肉厚、T2…先端の肉厚、P…衝撃吸収リブの配列ピッチ。

Claims (15)

  1. 複数の衝撃吸収リブを形成してなる複数の合成樹脂製の緩衝部材を備え、それらの緩衝部材を衝撃吸収リブの基端から先端に向かう方向が二輪車の車両前後方向となるように段積みして、二輪車の前部に取り付けるようにした二輪車用衝撃吸収体であって、
    衝突時の荷重または衝撃荷重を受けた際に、衝撃吸収リブが不均等に圧潰されるのを抑制するための抑制手段を設け
    前記抑制手段は、隣接する緩衝部材の段積み接合面の一方に形成され、段積み方向に突出する凸面と、他方に形成され、段積み方向に凹む凹面の嵌合構成からなることを特徴とする二輪車用衝撃吸収体。
  2. 衝撃吸収リブが格子状に形成されていることを特徴とした請求項1に記載の二輪車用衝撃吸収体。
  3. 前記衝撃吸収リブをその基端から先端に向かって肉厚が徐々に薄くなるように形成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の二輪車用衝撃吸収体。
  4. 前記各緩衝部材を基板と、その基板に一体に形成された前記衝撃吸収リブとにより構成したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の二輪車用衝撃吸収体。
  5. 前記抑制手段は、衝撃吸収リブの配置密度を緩衝部材の中央域が外周域よりも粗くなるようにした構成からなることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の二輪車用衝撃吸収体。
  6. 前記抑制手段は、衝撃吸収リブを緩衝部材の外周縁に存在しないように配置することにより、緩衝部材の外周側を開放した構成からなることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の二輪車用衝撃吸収体。
  7. 前記抑制手段は、隣接する緩衝部材の段積み接合面の一方に形成された係合部と、他方に形成された係止爪との係止構成からなることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の二輪車用衝撃吸収体。
  8. 前記抑制手段は、隣接する緩衝部材の段積み接合面の双方にそれぞれ形成され、互いに対応する挿通孔と、それらの対応する挿通孔に挿通されるピンとからなることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の二輪車用衝撃吸収体。
  9. 前記凸面及び凹面は、段積み接合面の中央部に形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の二輪車用衝撃吸収体。
  10. 前記凸面及び凹面は、段積み接合面の全体に形成されたことを特徴とした請求項1〜請求項8のいずれかに記載の二輪車用衝撃吸収体。
  11. 前記抑制手段は、段積み状態の複数の緩衝部材の外周面に配置され、緩衝部材が位置ずれしないように位置規制するようにした可撓性シートからなる位置規制部材であることを特徴とした請求項1〜10のいずれかに記載の二輪車用衝撃吸収体。
  12. 前記位置規制部材は、筒状をなすことを特徴とする請求項1に記載の二輪車用衝撃吸収体。
  13. 前記位置規制部材は、緩衝部材の外周面に対してほぼ密着することを特徴とした請求項11または12に記載の二輪車用衝撃吸収体。
  14. 前記位置規制部材は、その内面に粘着剤が塗布されていることを特徴とした請求項1または1に記載の二輪車用衝撃吸収体。
  15. 前記位置規制部材は、熱収縮フィルムよりなることを特徴とした請求項11〜請求項14のいずれか一項に記載の二輪車用衝撃吸収体
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