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JP4130906B2 - 変速機の制御装置,変速機、および自動車 - Google Patents
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JP4130906B2 - 変速機の制御装置,変速機、および自動車 - Google Patents

変速機の制御装置,変速機、および自動車 Download PDF

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は変速機の制御に関し、特にエンジン,モータ、および変速機を協調制御して変速ショックを低減する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の自動変速機は遊星歯車式あるいは平行軸式変速機構が用いられ、変速比の異なるギア段に個別に設けられたクラッチを選択的に締結して変速する方法が一般的である。これは摩擦クラッチの掛け替えでエンジントルクを前段ギアから次段ギアへと移行させるもので、変速時の摩擦損失を伴うと共に、クラッチはパッシブ要素であるので、ダウンシフトのときにトルク遷移が原理的に出来ないという問題があった。
【0003】
これを解決するため本出願人は、アクティブ要素であるモータを使い、アップシフト時の放出エネルギを回生すると共に、ダウンシフト時には仕事率の低い高速段から仕事率の高い低速段にトルクをポンプアップするアクティブ変速方式を出願した(特許文献1参照。)。
【0004】
上記アクティブ変速方式においては、従来の摩擦クラッチを用いた変速機の問題点を解決することはできるが、変速のために容量の大きなモータが必要である。必要なモータ容量は(伝達トルク×モータ回転数)で算出されるが、伝達トルク最大値=エンジントルク最大値であり、モータ回転数最大値は一般的な変速機では1−2変速時の段差回転数であるので、例えば1.5L エンジンを用いる場合、モータ容量として20kW以上のものが必要になる。
【0005】
できるだけ小さなモータで変速できるようにするため、本出願人はまた中間段ギアを用いてモータ容量を半減する方式を出願した(特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−204504号公報
【特許文献2】
特開2003−113934号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術では、それでも10kW以上のモータが必要になり、変速性能を向上させる目的に費やすコストとしては大き過ぎて実用的ではないという問題がある。
【0008】
本発明の目的はかかる不都合をなくし、廉価な自動車用アクティブ変速制御システムを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
車両の変速機の制御装置であって、トルクフェーズにおいて、エンジントルクを低減すると共に、モータのトルクを立ち上げ、イナーシャフェーズにおいて、前記エンジンのトルクが変速前の値を保って次段ギアに変速したと仮定した変速後の駆動力にほぼ等しくなるように変速中の駆動力を制御するトルクダウン制御、及び、慣性分トルクを含めた出力軸トルクが、前記エンジンのトルクが変速前の値を保って次段ギアに変速したと仮定した変速後の出力軸トルクとなるように、前記モータにより前記エンジンの回転数の変化率を制御するモータ制御をして、前記エンジンのトルクの伝達経路を次段ギアに移行させ、前記移行が終了したら前記エンジンのトルクを元の値に復帰させることを特徴とする制御装置である。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施形態を示す構成図である。自動車の原動機としてのエンジン1には変速機2が接続され、その出力軸3はディファレンシャルギアを介してタイヤ4を駆動する。変速機2の中には回転電機であるモータ5が内蔵されている。該モータ5にはモータ制御装置7が接続され、該モータ制御装置7の電源としてバッテリ6が搭載されている。
【0011】
エンジン1には電子制御スロットル弁10が設けられており要求信号でエンジン出力を制御することが出来る。
【0012】
変速制御装置8はモータ制御装置7を介してモータ5のトルクや回転数を制御すると共に、エンジン制御装置9および電子制御スロットル弁10を介してエンジン1の出力を制御する。また後述するシフトアクチュエータ25〜28およびクラッチアクチュエータ29,30に対して動作を指令する。
【0013】
なお、ここではエンジン制御装置,変速制御装置,モータ制御装置を別個の制御装置として示したが、これらのうち一つの制御装置が他の制御装置の機能を有しても良いし、一つの統合制御装置がこれらの制御装置の機能をすべて備えていても良い。言い換えれば、一の制御装置の機能を他の制御装置が有していれば、当該一の制御装置は無くても良い。これは本願で示すすべての実施形態に共通して当てはまる。
【0014】
図2に変速機2の構成を示す。いわゆるツインクラッチ式自動化マニュアルトランスミッション(自動MT)として知られた構成の変速機にモータを追加したものである。エンジン1の出力軸はクラッチ11およびクラッチ12に接続されている。エンジン出力を二つのクラッチに分割するためのギアを示しているが、一般的なツインクラッチ自動MTは同軸上に二つのクラッチがあるため、実際にはこれらの分割ギアはなく、原理説明上描いたものである。
【0015】
クラッチ11には第一入力軸13が接続されており、該第一入力軸13には1速ギア14,3速ギア15,5速ギア16が回転自在に取り付けられている。クラッチ12には第二入力軸17が接続されており、該第二入力軸17には2速ギア18,4速ギア19、および後退ギア20が回転自在に取り付けられている。変速ギア14,15,16には噛合いクラッチ21,22が付いており、いずれかの変速ギアを第一入力軸13に結合するようになっている。また変速ギア18,19,20には噛合いクラッチ23,24が付いており、いずれかの変速ギアをシャフト17に結合するようになっている。
【0016】
これらの変速ギア14,15,16,18,19,20に噛み合っている各段の従動ギアは、出力軸3上に配置されている。
【0017】
これらの噛合いクラッチ21,22,23,24はそれぞれシフトフォークにより目的のギアの方にスライドして噛み合い、シフトフォークはシフトアクチュエータ25,26,27,28により駆動される。
【0018】
シフトアクチュエータは各噛合いクラッチを個別に駆動しても良いし、切換リンク機構により目的のシフトフォークを選択して1個のシフトアクチュエータによりスライドさせても良い。
【0019】
またクラッチ11,12にもそれぞれクラッチアクチュエータ29,30が設けられている。
【0020】
以上の構成は一般的なツインクラッチ自動MTの構成であるが、本実施形態においてはさらに二つの入力軸に差動装置31を接続し、該差動装置31の第三軸にモータ5を接続することが特徴である。モータ5の回転数は二つの入力軸の差の回転数となり、モータ5の発生トルクは二つの入力軸を互いに逆方向に捻るように作用する。これは等価的構成図に示したように、モータ5のロータとステータをそれぞれの入力軸に接続したことに等しいので、以後はこの等価構成図を用い説明する。
【0021】
図3にモータ制御系を示す。モータ5は例えば永久磁石同期モータであり、モータ制御装置7により3相交流U,V,Wを供給される。モータ制御装置7のインバータの各相アームには高速スイッチング素子32が設けられ、バッテリ6の直流電圧を可変周波数の3相交流に変換する。インバータ制御装置33は、変速制御装置8からのトルク指令および回転数指令を受けてインバータの通流率を制御すると共に、各アームの電流センサ34の出力および回転子の角度検出用位置センサ35の出力をフィードバックして、モータ5のトルクと回転数を指令通りになるように制御する。このような制御はパワーエレクトロニクスの分野で公知の技術であるので詳しい説明は省略する。
【0022】
図4はアップシフトにおける制御システムのフローチャートである。図5は1→2パワーオンアップシフトを例に、トルク伝達経路の変化と噛合いクラッチ動作の状況、および各部のトルクと回転数のタイムチャートを、図4のStepに対応させて示したものである。図4,図5を用いて1→2アップシフト時の動作を説明する。
【0023】
Step1では、図5(a)のように1速ギア14が結合して走行中に、モータ回転数を制御して第二入力軸17の回転数を変化させる。
【0024】
Step2で第二入力軸17の回転数が2速ギア18の回転数N2と同期状態になったことを判定する。
【0025】
Step3で噛合いクラッチ23を図5(a)の左方向に移動させて2速ギア18を結合すると、モータ5は(N1−N2)の回転数で回される。
【0026】
すなわち
N1=G1×No …(式1)
N2=G2×No …(式2)
であるからN1>N2であり、(N1−N2)は正の値である。ここでG1は1速ギア14のギア比、G2は2速ギア18のギア比、Noは出力軸3の回転数である。
【0027】
Step4で負の方向(出力軸に対しては駆動力となりエンジンに対しては負荷となる方向)にモータトルクを増加すると、図5のタイムチャートに示すように2速ギアの入力トルクが増加し、1速ギアの入力トルクが減少する。これはトルクフェーズと呼ばれるトルク遷移1の過程である。
【0028】
Step5で変速制御装置8はトルク遷移1の終了判定を行う。1速ギア14の入力トルクが0になったことを判定するものであるが、ギアの入力トルクを直接検出することが出来ない場合が多いので、モータの実トルクがエンジントルクの絶対値と等しくなったときにギアの入力トルク=0と看做すことができる。このためにはエンジントルクTeを検出あるいは計算によって求めておく必要があるが、その具体的方法は例えば本出願人による特開平5−240073号公報,特開平6−317242号公報等に示したのでここでは省略する。
【0029】
Step6では図5(b)に示すように、変速制御装置8がシフトアクチュエータ25を動作させて1速ギア14を解放する。トルク0の状態であるから容易に解放でき、変速機の動作には何の変化も生じない。1速ギアが解放されるとエンジン回転数は変化できるようになる。
【0030】
Step7で変速制御装置8がモータ回転数変化指令を発生すると、エンジン回転数が2速ギアの入力回転数に向かって変化する。これはイナーシャフェーズと呼ばれる回転数遷移過程である。
【0031】
1→2アップシフトの場合、図5タイムチャートの回転数遷移に示すようにモータトルクを一定に保ったままモータ回転数を0まで低減すると、第一入力軸
13の回転数が下がる。
【0032】
このときエンジンの慣性モーメントにより慣性分トルクが発生し、図5のタイムチャートに網目で示すように出力軸トルクが増大する。慣性分トルクは回転数遷移の回転数変化率に比例するので、出力軸トルクの値が変速前の出力軸トルクとほぼ等しくなるように回転数変化率を制御すれば、あたかも回転数遷移が終了した時点でトルクが遷移したかのように見え、変速ショックが少なくなる。トルク遷移1において一時的にトルクが低下するが、短時間であるので搭乗者にはほとんど感じられない。
【0033】
さらに回転数遷移の間エンジントルクを低減すれば、その分慣性分トルクを大きく出来るので回転数変化率が大きく設定でき変速時間を短縮できる。これらの制御は油圧制御の従来自動変速機でも「イナーシャフェーズにおけるエンジントルク低減制御」として知られている技術と同じである。
【0034】
Step8で変速制御装置8は回転数遷移終了判定を行うが、第一入力軸13の回転数すなわちエンジン回転数が2速ギア18の入力回転数に同期したことにより判定する。
【0035】
Step9で変速制御装置8がクラッチアクチュエータ30を動作させてクラッチ12を締結する。同期状態であるから容易に締結でき、変速機の動作には何の変化も生じない。
【0036】
Step10で図5(c)に示すように、変速制御装置8がモータトルク低減指令を発生して、図5タイムチャートのトルク遷移2に示すようにモータトルクを0にすると、クラッチ11からモータ5を通して2速ギア18に伝達していたエンジントルクがクラッチ12に移動する。
【0037】
Step11で変速制御装置8はモータトルクが0になったことによりトルク遷移2の終了を判定する。
【0038】
Step12で変速制御装置8がクラッチアクチュエータ29を動作させ、クラッチ11を解放して変速を終了する。モータトルクが0の状態であるから容易に解放でき、変速機の動作には何の変化も生じない。
【0039】
図6にモータのトルクと回転数の関係を示す。モータ御装置7によりいわゆる4象限制御される。
【0040】
以下の説明においてモータトルクの向きは、図2のモータの上向きトルクすなわちエンジントルクを助ける方向を正とする。
【0041】
エンジントルクで加速しながらアップシフトするいわゆるパワーオンアップシフトの場合、トルクフェーズでモータトルクを発生させると、動作点はA点からB点に移動し、さらにイナーシャフェーズでC点に、変速終了時には原点0に移動する。
【0042】
なお、パワーオンダウンシフトの場合は、動作点はD点からスタートして、トルクフェーズでG点に、イナーシャフェーズでC点に移動し、原点0で変速を終了する。また、足戻しアップシフトの場合はエンジンブレーキになるのでトルクの向きが逆であり、トルクフェーズで動作点はA点からH点に移動し、さらにイナーシャフェーズでF点に、変速終了時には原点0に移動する。コーストダウンの場合には、動作点はD点からスタートしてトルクフェーズでE点に、さらにイナーシャフェーズでF点に移動し、原点0で変速を終了する。
【0043】
なお、このような4象限制御を行うことができるものであれば、モータの種類は永久磁石同期モータに限られたものではなく誘導モータや直流モータであってもよいことは言うまでもない。
【0044】
以上図1から図6は、本発明を説明する準備としてアクティブ変速方式の動作を示したものであり、図7〜図9に本発明の核心を説明する。
【0045】
図7は5速自動MTを搭載した車において、スロットル開度全開のときの駆動力特性例を示したものである。各変速段におけるエンジン回転数も同時に示している。
【0046】
例えば1速から2速へアップシフトする場合、エンジントルクが最大の時に変速させると、駆動力は図のP点(6.2kN)からQ点(3.6kN)に変化する。このときエンジン回転数は図のA点からB点に変化する。エンジンの最大トルクがTe=135Nm(at4400r/min)、1速ギア比が3.333、2速ギア比が1.955であるとすれば、A点のエンジン回転数は4400r/min、B点のエンジン回転数は2570r/minであるから、1速と2速の回転数差すなわちモータ回転数は1830r/minであり、変速に必要なモータ容量Pmは
Pm=2πTe(N1−N2)=2π*135*1830/60=26(kW)…(式3)
となって、非常に大きなモータが必要である。
【0047】
そこで制御を工夫してモータ容量の低減を図ることにした。基本的な考え方として駆動力を低下させず、変速中のエンジントルクを電子制御スロットル弁で制御して、容量の小さなモータでも変速できるようにする。スロットルが全開のときに1速から2速にアップシフトすると駆動力はP点からQ点に変化するが、変速前に1速の駆動力がP2点(Q点と同じ値)になるようにエンジントルクを下げると、あたかも1速の駆動力特性が図7に破線で示す特性になったかのように見える。P2点の駆動力はエンジントルクを
Te=(3.6kN/6.2kN)*135Nm=79.2Nm …(式4)
とすれば得られる。
【0048】
変速終了と共にエンジントルクを元の全開トルクに戻すと、2速駆動力はQ点になる。すなわち変速直前にP点からP2点に変化し、変速によりP2点からQ点に移動するので、大局的に見た駆動力の変化はP点からQ点に移動し、従来の変速とほとんど同じになる。
【0049】
図8は本制御のフローチャートである。図4のフローチャートに対してStep
3′とStep9′が追加されている。Step3で次段ギアを締結後、エンジントルクを低減してからトルク遷移1を実行すると、モータトルクは小さくてもエンジントルクを次段ギアに移行できる。
【0050】
(式5)では26kWのモータを要したが、エンジントルクを79.2Nm まで低減すると、変速に必要なモータ容量Pmは
Figure 0004130906
となって、約58%のモータ容量で前段ギアを解放可能であることが分かる。
【0051】
Step7,8のイナーシャフェーズの間もエンジントルクが低減されたままであるが、元々変速時間を短くするためにエンジントルク低減を行うことはよく知られた方法であり、エンジンの慣性分トルクを抑えながら変速時間を短くするのに役立つので、エンジントルクを低減されたままにしたものである。エンジントルクの復帰は、Step9で次段クラッチが締結された後行う。
【0052】
図9は1→2パワーオンアップシフトの場合の、各部のトルクと回転数のタイムチャートを示したものである。Step3′でエンジントルクを低減すると、出力軸トルクは2速トルクと同等になる。この実施形態においては、エンジントルクをステップ的に、すなわち一気に低減する。
【0053】
Step4でトルク遷移1に進むと、一時的に出力軸トルクは低下するが、
Step7の回転数遷移に入ると慣性分トルクが現れるので、出力軸トルクは再び増大する、この慣性分トルクを含めた出力軸トルクが、エンジントルクを低減しなかった場合の2速トルクになるように、モータ制御によりエンジン回転数の変化率を制御する。この方式によるとStep4のトルク遷移1においてトルクのスリットが生じるが、短時間であるので変速ショックはほとんど感じられない。
【0054】
このように本実施形態の方法によれば、小さな容量のモータでツインクラッチ式のアクティブシフト変速機を実現できると言う効果がある。
【0055】
図10は本発明の第二の実施形態を示すフローチャートである。図4のフローチャートに対してStep3′とStep9′が追加されている。図8と異なるのはStep3で次段ギアを締結後エンジントルクを一気に低減せず、トルク遷移1に移ってからエンジントルクを徐々に低減しながらモータトルクを次第に増加してやることであり、トルク遷移1の終了時点におけるエンジントルクとモータトルクの関係は図8の場合と同じであるので、第一の実施形態と同様モータトルクは小さくてもトルクを次段ギアに移行できる。この場合もやはり、エンジントルクを79.2Nmまで低減すると、駆動力は3.6kNとなってP2点の動作状態になるので、変速に必要なモータ容量Pmは15.2kWであり、図4の方式に比べて約58%のモータ容量でトルク遷移可能である。
【0056】
Step7,8のイナーシャフェーズの間もエンジントルクを低減したままであるのは図8と同様である。エンジントルクの復帰は、Step9で次段クラッチが締結された後行う。
【0057】
図11は1→2パワーオンアップシフトの場合の、各部のトルクと回転数のタイムチャートを示したものである。図9と異なるのはStep4のトルク遷移1における出力軸トルク波形であり、スリットの幅が小さくなっているのが判る。すなわちトルク遷移1の終了時点の出力軸トルクは同じであるが、エンジントルクをなだらかに低減するので、出力軸トルクの変化もなだらかになってスリットが細くなる。
【0058】
このように本実施形態の方法によれば、小さな容量のモータでツインクラッチ式のアクティブシフト変速機をより一層滑らかに変速できると言う効果がある。
【0059】
図12は本発明の第3の実施形態を示す構成図である。エンジン1の出力軸は第一入力軸13に接続されている。第一入力軸13には1速ギア14,2速ギア18,3速ギア15,4速ギア19,5速ギア16が回転自在に取り付けられている。これらの変速ギアには噛合いクラッチ21,22,23が付いており、いずれかの変速ギアを第一入力軸13に結合するようになっている。これらの変速ギアに噛み合っている従動ギアは、出力軸3上に配置されている。
【0060】
本実施形態においてはさらに第二入力軸17を設けている。該第二入力軸17には0.5速ギア14′,1.5速ギア18′,2.5速ギア15′,3.5速ギア19′,4.5速ギア16′および後退ギア20が回転自在に取り付けられている。これらの中間段ギア14′,18′,15′,19′,16′および後退ギア20には噛合いクラッチ21′,22′,23′が付いており、中間段ギアおよび後退ギアを第二入力軸17に結合するようになっている。これらの中間段ギアおよび後退ギアに噛み合っている従動ギアは、出力軸3上に配置されている。
【0061】
これらの噛合いクラッチ21,22,23,21′,22′,23′はそれぞれシフトフォークにより目的のギアの方にスライドして噛み合い、シフトフォークはシフトアクチュエータ25,26,27,25′,26′,27′により駆動される。
【0062】
シフトアクチュエータは各噛合いクラッチを個別に駆動しても良いし、切換リンク機構により目的のシフトフォークを選択して1個のシフトアクチュエータによりスライドさせても良い。
【0063】
本実施形態においてはさらに第一入力軸13と第二入力軸17の間に差動装置31を接続し、該差動装置31の第三軸にモータ5を接続することが特徴である。モータ5の回転数は二つの入力軸の差の回転数となり、モータ5の発生トルクは二つの入力軸を互いに逆方向に捻るように作用する。これは等価的構成図に示したように、モータ5のロータとステータをそれぞれの入力軸に接続したことに等しいので、以後はこの等価構成図を用い説明する。
【0064】
図13はアップシフトにおける制御システムのフローチャートである。図14は1→2パワーオンアップシフトを例に、トルク伝達経路の変化と噛合いクラッチ動作の状況、および各部のトルクと回転数のタイムチャートを図13のStepに対応させて示したものである。図13,図14を用いて1→2アップシフト時の動作を説明する。
【0065】
Step1では、図14(a)のように1速ギア14が結合して走行中に、モータ回転数を制御して第二入力軸17の回転数を変化させる。
【0066】
Step2で第二入力軸17の回転数が1.5速ギア18′の回転数N1.5と同期状態になったことを判定する。
【0067】
Step3で噛合いクラッチ21′を図14(a)の左方向に移動させて1.5速ギア18′を結合すると、モータ5は(N1−N1.5)の回転数で空回りする。すなわち
N1=G1×No …(式6)
N1.5=G1.5×No …(式7)
であるからN1>N1.5であり、(N1−N1.5)は正の値である。ここで
G1は1速ギア14のギア比、G1.5は1.5速ギア18′のギア比、Noは出力軸3の回転数である。
【0068】
Step4で負の方向(出力軸に対しては駆動力となりエンジンに対しては負荷となる方向)にモータトルクを増加すると、図14のタイムチャートに示すように1.5速ギアの入力トルクが増加し、1速ギアの入力トルクが減少する。これはトルクフェーズと呼ばれるトルク遷移1の過程である。
【0069】
Step5で変速制御装置8はトルク遷移1の終了判定を行う。1速ギア14の入力トルクが0になったことを判定するものであるが、ギアの入力トルクを直接検出することが出来ない場合が多いので、モータの実トルクがエンジントルクの絶対値と等しくなったときにギアの入力トルク=0と看做すことができる。このためにはエンジントルクTeを検出あるいは計算によって求めておく必要があるが、その具体的方法は例えば本出願人による特開平5−240073号公報,特開平6−317242号公報等に示したのでここでは省略する。
【0070】
Step6では図14(b)に示すように、変速制御装置8がシフトアクチュエータ25を動作させて1速ギア14を解放する。トルク0の状態であるから容易に解放でき、変速機の動作には何の変化も生じない。1速ギアが解放されるとエンジン回転数は変化できるようになる。
【0071】
Step7で変速制御装置8がモータ回転数変化指令を発生すると、エンジン回転数が1.5 速ギアの入力回転数に向かって変化する。これはイナーシャフェーズと呼ばれる回転数遷移過程である。
【0072】
1→2アップシフトの場合、図14タイムチャートの回転数遷移に示すようにモータトルクを一定に保ったままモータ回転数を(N2−N1.5)まで低減すると、第一入力軸13の回転数がN2まで下がる。
【0073】
すなわち(式3),(式4)から求めた(N1−N1.5)は正の値であったが、(N2−N1.5)は負の値であり、モータは途中で回転方向を反転させて
(N2−N1.5)まで変化するのである。
【0074】
Step8で変速制御装置8は回転数遷移終了判定を行うが、第一入力軸13の回転数すなわちエンジン回転数が2速ギア18の入力回転数に同期したことにより判定する。
【0075】
Step9で変速制御装置8がシフトアクチュエータ21を動作させて2速ギア18の噛み合いクラッチを締結する。同期状態であるから容易に締結でき、変速機の動作には何の変化も生じない。
【0076】
Step10で図14(c)に示すように、変速制御装置8がモータトルク低減指令を発生して、図14タイムチャートのトルク遷移2に示すようにモータトルクを0にすると、モータ5を介して1.5速ギア18′に伝達していたエンジントルクが、2速ギア18に移動する。
【0077】
Step11で変速制御装置8はモータトルクが0になったことによりトルク遷移2の終了を判定する。
【0078】
Step12で変速制御装置8がシフトアクチュエータ35を動作させ、1.5速ギア27を解放して変速を終了する。モータトルクが0の状態であるから容易に解放でき、変速機の動作には何の変化も生じない。
【0079】
図15にモータのトルクと回転数の関係を示す。モータ制御装置7によりいわゆる4象限制御される。
【0080】
以下の説明においてモータトルクの向きは、図12のモータの上向きトルクすなわちエンジントルクを助ける方向を正とする。
【0081】
エンジントルクで加速しながらアップシフトするいわゆるパワーオンアップシフトの場合、トルクフェーズでモータトルクを発生させると、動作点はA点からB点に移動し、さらにイナーシャフェーズでC点に、変速終了時にはD点に移動する。B点のモータトルクはエンジントルクに等しいが、回転数は1速と1.5速の差であるので、図6の場合の半分となり、したがってB点のパワーは図6の場合の半分である。すなわちこの中間段方式は前述したツインクラッチ方式の半分のモータ容量で変速が可能である。
【0082】
パワーオンダウンシフトの場合の動作点は、図15のD点からスタートして、トルクフェーズでC点に、イナーシャフェーズでB点に移動し、A点で変速を終了する。
【0083】
足戻しアップシフトとコーストダウンの場合には、動作点は図15の第一象限と第二象限を移動することになる。
【0084】
以上図12から図15は、本発明の第3の実施形態を説明する準備として中間段方式アクティブ変速機の動作を示したものであり、図16,図17に本発明の核心を説明する。本実施形態においても図7で説明したように変速直前にエンジントルクを低減することで、変速に必要なモータ容量を小さくすることが出来る。
【0085】
5速自動MTを搭載した車におけるスロットル全開時の駆動力特性を図16に示す。1速から2速へアップシフトする場合の、エンジントルク最大時の駆動力はP点(6.2kN)からQ点(3.6kN)に変化する。エンジンの最大トルクがTe=135Nm(at4400r/min)、1速ギア比が3.333、2速ギア比が1.955、1.5 速ギア比は丁度中間の2.644であるとすれば、A点のエンジン回転数は4400r/min、B点のエンジン回転数は2570r/minであるから、エンジン回転数の変化は1830r/minであるが、モータは1.5速ギアを中心に回転数が正負に変化するので、モータ回転数の最大値はエンジン回転数変化の半分になる。したがって変速に必要なモータ容量Pmは
Figure 0004130906
となって、モータ容量は図2のツインクラッチ方式の半分である。このことは特開2003−113934号公報に述べた。しかしさらにモータ容量を低減できるならば、大きなコスト効果が得られる。
【0086】
そこで図12の中間段方式においても、制御を工夫してモータ容量の低減を図ることにする。スロットル全開で1速から2速にアップシフトする直前に1速の駆動力を、図16のP点からいったんP2点になるようにエンジントルクを下げる。これにより1.5 速ギアによる駆動トルクは、エンジントルクを低減前はR点にあるべきところ、R2点に下がり2速に変速後のトルクと等しくなる。P点をP2点にあるいはR点をR2点に下げるにはエンジントルクを
Figure 0004130906
とすれば得られる。変速により動作点をR2点からQ点に移動させて、大局的に見た駆動力の変化は従来の変速とほとんど同じになる。
【0087】
図17は本制御のフローチャートである。図13のフローチャートに対して
Step3′とStep9′が追加されている。Step3で次段ギアを締結後、エンジントルクを低減してからトルク遷移1を実行すると、モータトルクは小さくもエンジントルクを次段ギアに移行できる。(式8)では13kWのモータを要したが、エンジントルクを99.8Nmまで低減すると、変速に必要なモータ容量Pmは
Figure 0004130906
となって、約74%のモータ容量で前段ギアを解放可能であることが分かる。
Step7,8のイナーシャフェーズの間も、前述のようにエンジンの慣性分トルクを抑えながら変速時間を短くするために、エンジントルクを低減されたままにしておく。エンジントルクの復帰は、Step9で次段クラッチが締結された後行う。
【0088】
図18は1→2パワーオンアップシフトの場合の、各部のトルクと回転数のタイムチャートを示したものである。Step3′でエンジントルクを低減すると、出力軸トルクは2速トルクと同等になる。この実施形態においては、エンジントルクをステップ的に、すなわち一気に低減する。
【0089】
Step4でトルク遷移1に進むと、一時的に出力軸トルクは低下するが、Step7の回転数遷移に入ると慣性分トルクが現れるので、出力軸トルクは再び増大する、この慣性分トルクを含めた出力軸トルクが、エンジントルクを低減しなかった場合の2速トルクになるように、モータ制御によりエンジン回転数の変化率を制御する。この方式によるとStep4のトルク遷移1においてトルクのスリットが生じるが、短時間であるので変速ショックはほとんど感じられない。
【0090】
このように本実施形態の方法によれば、小さな容量のモータで中間段方式のアクティブシフト変速機を実現できると言う効果がある。
【0091】
図19は本発明の第四の実施形態を示すフローチャートである。図13のフローチャートに対してStep3′とStep9′が追加されている。図17と異なるのはStep3で次段ギアを締結後エンジントルクを一気に低減せず、トルク遷移1に移ってからエンジントルクを徐々に低減しながらモータトルクを次第に増加してやることであり、トルク遷移1の終了時点におけるエンジントルクとモータトルクの関係は図17の場合と同じであるので、第三の実施形態と同様モータトルクは小さくてもトルクを次段ギアに移行できる。この場合もやはり、エンジントルクを99.8Nm まで低減すると駆動力は3.2kNとなってP2点の動作状態になるので、変速に必要なモータ容量Pmは9.6kW であり、図13の方式に比べて約74%のモータ容量でトルク遷移可能である。
【0092】
Step7,8のイナーシャフェーズの間もエンジントルクを低減したままであるのは図17と同様である。エンジントルクの復帰は、Step9で次段クラッチが締結された後行う。
【0093】
図20は1→2パワーオンアップシフトの場合の、各部のトルクと回転数のタイムチャートを示したものである。図18と異なるのはStep4のトルク遷移1における出力軸トルク波形であり、スリットの幅が小さくなっているのが判る。すなわちトルク遷移1の終了時点の出力軸トルクは同じであるが、エンジントルクをなだらかに低減するので、出力軸トルクの変化もなだらかになってスリットが細くなる。
【0094】
このように本実施形態の方法によれば、小さな容量のモータで中間段方式のアクティブシフト変速機をより一層滑らかに変速できるという効果がある。
【0095】
【発明の効果】
本発明によれば、変速時のトルク変動を増大させることなく、変速に必要なモータの容量を格段に小さく設計することが出来るので、大きな経済的効果が得られる。また変速中のエンジントルクとモータトルクを協調させて連続的に制御することで、出力トルク波形をさらに滑らかに出来るので、運転性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態をなす変速機を搭載した自動車構成の概念図を示す。
【図2】本発明の第一の実施形態をなす変速機構成の構造図を示す。
【図3】本発明に用いるモータ制御構成のブロック図を示す。
【図4】図2の変速機におけるアップシフト時のソフト構成を示すフローチャートを示す。
【図5】図2の変速機において、パワーオンアップシフトする場合のトルク伝達経路の変化と噛合いクラッチ動作の状況説明図、およびトルクと回転数変化の示すタイムチャートを示す。
【図6】図5のモータ制御におけるモータの動作点変化のモータ特性図を示す。
【図7】本発明の一実施形態をなすモータ変速制御システムの1→2アップシフト時の動作点変化の駆動力特性図を示す。
【図8】本発明の第一の実施形態になるモータ変速制御システムのアップシフト時のソフト構成のフローチャートを示す。
【図9】図8の変速制御システムにおいて、パワーオンアップシフトする場合のトルクと回転数変化のタイムチャートを示す。
【図10】本発明の他の実施形態をなすモータ変速制御システムの、アップシフト時のソフト構成のフローチャートを示す。
【図11】図10の変速制御システムにおいて、パワーオンアップシフトする場合のトルクと回転数変化のタイムチャートを示す。
【図12】本発明の一実施形態をなす変速機構成の構造図を示す。
【図13】図12の変速機における、アップシフト時のソフト構成のフローチャートを示す。
【図14】図12の変速機において、パワーオンアップシフトする場合のトルク伝達経路の変化と噛合いクラッチ動作の状況を示す説明図、およびトルクと回転数変化のタイムチャートを示す。
【図15】図14のモータ制御におけるモータの動作点変化のモータ特性図を示す。
【図16】本発明の一実施形態をなすモータ変速制御システムの1→2アップシフト時の動作点変化の駆動力特性図を示す。
【図17】本発明の一実施形態をなすモータ変速制御システムのアップシフト時のソフト構成のフローチャートを示す。
【図18】図17の変速制御システムにおいて、パワーオンアップシフトする場合のトルクと回転数変化のタイムチャートを示す。
【図19】本発明の一実施形態をなすモータ変速制御システムのアップシフト時ソフト構成のフローチャートを示す。
【図20】図19の変速制御システムにおいて、パワーオンアップシフトする場合のトルクと回転数変化のタイムチャートを示す。
【符号の説明】
1…エンジン、2…変速機、3…出力軸、5…モータ、7…モータ制御装置、8…変速制御装置、9…エンジン制御装置、10…電子制御スロットル弁、11…クラッチ1、12…クラッチ2、13…第一入力軸、14…1速ギア、14′…0.5速ギア、15…3速ギア、15′…2.5速ギア、16…5速ギア、16′…4.5速ギア、17…第二入力軸、18…2速ギア、18′…1.5速ギア、19…4速ギア、19′…3.5速ギア、20…後退ギア。

Claims (10)

  1. エンジンに接続された第1および第2のクラッチと、前記第1のクラッチに接続された第1の入力軸と、前記第1の入力軸に設けられた第1の変速ギア列と、前記第2のクラッチに接続された第2の入力軸と、前記第2の入力軸に設けられた第2の変速ギア列と、前記第1の変速ギア列および前記第2の変速ギア列に結合する従動ギア列に共通的に接続された出力軸と、前記第1の入力軸と前記第2の入力軸との間に相対的にトルクを印加するモータと、を有する変速機の制御装置であって、
    トルクフェーズにおいて、
    エンジントルクを低減すると共に、前記モータのトルクを立ち上げ、
    イナーシャフェーズにおいて、
    前記エンジンのトルクが変速前の値を保って次段ギアに変速したと仮定した変速後の駆動力にほぼ等しくなるように変速中の駆動力を制御するトルクダウン制御、及び、慣性分トルクを含めた出力軸トルクが、前記エンジンのトルクが変速前の値を保って次段ギアに変速したと仮定した変速後の出力軸トルクとなるように、前記モータにより前記エンジンの回転数の変化率を制御するモータ制御をして、前記エンジンのトルクの伝達経路を次段ギアに移行させ、前記移行が終了したら前記エンジンのトルクを元の値に復帰させることを特徴とする変速機の制御装置。
  2. 請求項1において、
    前記第1の変速ギア列の中の第1の変速ギアにより駆動中に、前記第2の変速ギア列の中の第2の変速ギアを締結し、前記モータにより前記第2の入力軸トルクを増加することにより、前記第1の変速ギアの伝達トルクを低減し、前記第1の変速ギアの伝達トルクがほぼ0になったところで前記第1の変速ギアを解放し、
    前記モータにより前記第2の入力軸トルクを保持しながら、前記第1の入力軸回転数を前記第2の変速ギアの回転数に漸近させ、
    前記第1の入力軸と前記第2の変速ギアの回転数が同期したところで、前記第2のクラッチを締結すると共に、前記モータの発生トルクを0にして前記第1のクラッチを解放する変速機の制御装置。
  3. エンジンに接続された第1の入力軸と、前記第1の入力軸に設けられた第1の変速ギア列と、第2の入力軸と、前記第1の変速ギア列のギア比の中間段をなす、前記第2の入力軸に設けられた第2の変速ギア列と、前記第1の変速ギア列および前記第2の変速ギア列に結合する従動ギア列に共通的に接続された出力軸と、前記第1の入力軸と前記第2の入力軸との間に相対的にトルクを印加するモータと、を有する変速機の制御装置であって、
    トルクフェーズにおいて、
    エンジントルクを低減すると共に、前記モータのトルクを立ち上げ、
    イナーシャフェーズにおいて、
    前記エンジンのトルクが変速前の値を保って次段ギアに変速したと仮定した変速後の駆動力にほぼ等しくなるように変速中の駆動力を制御するトルクダウン制御、及び、慣性分トルクを含めた出力軸トルクが、前記エンジンのトルクが変速前の値を保って次段ギアに変速したと仮定した変速後の出力軸トルクとなるように、前記モータにより前記エンジンの回転数の変化率を制御するモータ制御をして、前記エンジンのトルクの伝達経路を次段ギアに移行させ、前記移行が終了したら前記エンジンのトルクを元の値に復帰させることを特徴とする変速機の制御装置。
  4. 請求項3において、
    前記第1の変速ギア列の中の第1の変速ギアにより駆動中に、前記第2の変速ギア列の中の第2の変速ギアを締結し、前記モータにより前記第2の入力軸トルクを増加することにより、前記第1の変速ギアの伝達トルクを低減し、前記第1の変速ギアの伝達トルクがほぼ0になったところで前記第1の変速ギアを解放し、前記モータにより前記第2の入力軸トルクを保持しながら、前記第1の入力軸回転数を前記第1の変速ギア列の中の第3の変速ギアの回転数に漸近させ、前記第1の入力軸と前記第3の変速ギアの回転数が同期したところで、前記第3の変速ギアを第1の入力軸に締結すると共に、前記モータの発生トルクを0にして前記第2の変速ギアを解放する変速機の制御装置。
  5. 請求項1または2のいずれかにおいて、
    前記エンジンのトルクを低減する際に、当該トルクをステップ的に低減する変速機の制御装置。
  6. 請求項1または2のいずれかにおいて、
    前記エンジンのトルクを低減する際に、当該トルクを徐々に低減する変速機の制御装置。
  7. エンジンに接続された第1および第2のクラッチと、前記第1のクラッチに接続された第1の入力軸と、前記第1の入力軸に設けられた第1の変速ギア列と、前記第2のクラッチに接続された第2の入力軸と、前記第2の入力軸に設けられた第2の変速ギア列と、前記第1の変速ギア列および前記第2の変速ギア列に結合する従動ギア列に共通的に接続された出力軸と、前記第1の入力軸と前記第2の入力軸との間に相対的にトルクを印加するモータと、を有し、
    トルクフェーズにおいて、
    前記第1及び第2のクラッチの入力トルクを低減すると共に、前記モータのトルクを立
    ち上げ、
    イナーシャフェーズにおいて、
    前記エンジンのトルクが変速前の値を保って次段ギアに変速したと仮定した変速後の駆動力にほぼ等しくなるように変速中の駆動力を制御するトルクダウン制御、及び、慣性分トルクを含めた出力軸トルクが、前記エンジンのトルクが変速前の値を保って次段ギアに変速したと仮定した変速後の出力軸トルクとなるように、前記モータにより前記エンジンの回転数の変化率を制御するモータ制御をして、前記エンジンのトルクの伝達経路を次段ギアに移行させ、前記移行が終了したら前記エンジンのトルクを元の値に復帰させることを特徴とする制御装置。
  8. エンジンに接続された第1の入力軸と、前記第1の入力軸に設けられた第1の変速ギア列と、第2の入力軸と、前記第1の変速ギア列のギア比の中間段をなす、前記第2の入力軸に設けられた第2の変速ギア列と、前記第1の変速ギア列および前記第2の変速ギア列に結合する従動ギア列に共通的に接続された出力軸と、前記第1の入力軸と前記第2の入力軸との間に相対的にトルクを印加するモータと、を有し、
    トルクフェーズにおいて、
    前記第1の入力軸のトルクを低減すると共に、前記モータのトルクを立ち上げ、
    イナーシャフェーズにおいて、
    前記エンジンのトルクが変速前の値を保って次段ギアに変速したと仮定した変速後の駆動力にほぼ等しくなるように変速中の駆動力を制御するトルクダウン制御、及び、慣性分トルクを含めた出力軸トルクが、前記エンジンのトルクが変速前の値を保って次段ギアに変速したと仮定した変速後の出力軸トルクとなるように、前記モータにより前記エンジンの回転数の変化率を制御するモータ制御をして、前記エンジンのトルクの伝達経路を次段ギアに移行させ、前記移行が終了したら前記エンジンのトルクを元の値に復帰させることを特徴とする制御装置。
  9. エンジンと、前記エンジンに設けられた電子制御スロットル弁と、前記スロットル弁を制御するエンジン制御装置と、前記エンジンに接続された第1および第2のクラッチと、前記第1のクラッチに接続された第1の入力軸と、前記第1の入力軸に設けられた第1の変速ギア列と、前記第2のクラッチに接続された第2の入力軸と、前記第2の入力軸に設けられた第2の変速ギア列と、前記第1の変速ギア列および前記第2の変速ギア列に結合する従動ギア列に共通的に接続された出力軸と、第1および第2の変速ギア列の締結/開放を制御する変速制御装置と、前記第1の入力軸と前記第2の入力軸との間に相対的にトルクを印加するモータと、前記モータを制御するモータ制御装置とを有し、
    前記エンジン制御装置は、
    トルクフェーズにおいて、
    前記電子制御スロットル弁を制御してエンジントルクを低減すると共に、前記モータのトルクを立ち上げ、
    イナーシャフェーズにおいて、
    前記エンジンのトルクが変速前の値を保って次段ギアに変速したと仮定した変速後の駆動力にほぼ等しくなるように変速中の駆動力を制御するトルクダウン制御、及び、慣性分トルクを含めた出力軸トルクが、前記エンジンのトルクが変速前の値を保って次段ギアに変速したと仮定した変速後の出力軸トルクとなるように、前記モータにより前記エンジンの回転数の変化率を制御するモータ制御をして、前記エンジンのトルクの伝達経路を次段ギアに移行させ、前記移行が終了したら前記エンジンのトルクを元の値に復帰させることを特徴とする自動車。
  10. エンジンと、前記エンジンに設けられた電子制御スロットル弁と、前記スロットル弁を制御するエンジン制御装置と、前記エンジンに接続された第1の入力軸と、前記第1の入力軸に設けられた第1の変速ギア列と、第2の入力軸と、前記第1の変速ギア列のギア比の中間段をなす、前記第2の入力軸に設けられた第2の変速ギア列と、前記第1の変速ギア列および前記第2の変速ギア列に結合する従動ギア列に共通的に接続された出力軸と、第1および第2の変速ギア列の締結/開放を制御する変速制御装置と、前記第1の入力軸と前記第2の入力軸との間に相対的にトルクを印加するモータと、前記モータを制御するモータ制御装置とを有し、
    前記エンジン制御装置は、
    トルクフェーズにおいて、
    前記電子制御スロットル弁を制御してエンジントルクを低減すると共に、前記モータのトルクを立ち上げ、
    イナーシャフェーズにおいて、
    前記エンジンのトルクが変速前の値を保って次段ギアに変速したと仮定した変速後の駆動力にほぼ等しくなるように変速中の駆動力を制御するトルクダウン制御、及び、慣性分トルクを含めた出力軸トルクが、前記エンジンのトルクが変速前の値を保って次段ギアに変速したと仮定した変速後の出力軸トルクとなるように、前記モータにより前記エンジンの回転数の変化率を制御するモータ制御をして、前記エンジンのトルクの伝達経路を次段ギアに移行させ、前記移行が終了したら前記エンジンのトルクを元の値に復帰させることを特徴とする自動車。
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