JP4130980B2 - ニッケル含有水溶液からのニッケル回収方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ニッケル含有水溶液からニッケルを効率よく抽出し、回収する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子部品、精密機械部品などの表面処理に用いられる無電解ニッケルめっき液は、硫酸ニッケル(ニッケル供給源)、次亜リン酸ナトリウム(還元剤)及び乳酸やクエン酸などの錯化剤から構成されている。このめっき液をめっきに使用すると、次亜リン酸ナトリウムは酸化されて亜リン酸ナトリウムとなり、還元力が低下すると共にニッケルが消費されるため、随時硫酸ニッケル、次亜リン酸ナトリウム及びpH調節剤として水酸化ナトリウムをめっき液に補充しながら使用している。しかしながら、めっき液を繰り返し使用するうちに、硫酸イオン、ナトリウムイオン、亜リン酸イオン、被めっき物の表面から溶出する亜鉛や鉄などがめっき液中に蓄積し、めっき皮膜の品質を維持することが難しくなるので、ある程度まで使用しためっき液は廃液として処分されている。ところが、近年の環境保全及び資源保護の観点から、使用済みめっき液の再利用法の開発が期待されている。
【0003】
そこで、使用済み無電解ニッケルめっき液を再利用する方法として、例えば、2−ヒドロキシ−5−ノニルアセトフェノンオキシムなどのニッケル抽出剤を用いて、無電解ニッケルめっき廃液から無電解ニッケル補充液を調製する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−192846号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の方法を工業規模の連続抽出装置や多段抽出装置などに適用した場合、ニッケルの抽出速度が低いために、ニッケルを効率よく回収することができなかった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、ニッケル含有水溶液からニッケルを効率よく抽出し、回収する方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、β−ヒドロキシオキシム系抽出剤及び酸性有機リン化合物を含有する有機溶媒を、ニッケル含有水溶液と接触させ、ニッケルを有機溶媒相中に抽出することを特徴とするニッケル含有水溶液からのニッケルの抽出方法である。
【0007】
また、本発明は、抽出されたニッケルを含有する有機溶媒相を、鉱酸を含有する水溶液と接触させ、ニッケルを水相中に逆抽出することを特徴とするニッケル含有水溶液からのニッケル回収方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について更に詳細に説明する。
本発明の処理対象となるニッケル含有水溶液は、例えば、使用済みの電解ニッケルめっき液、使用済みの無電解ニッケルめっき液、廃Ni−Cd電池を浸出して得られる溶液、含ニッケル鉱を浸出して得られる溶液などが挙げられ、これらの水溶液は、約1g/L〜約100g/LのNi2+を含有するものである。本発明のニッケル回収方法は、使用済み無電解ニッケルめっき液に適用した場合に効果が大きい。
【0009】
使用済み無電解ニッケルめっきの組成は、めっき条件などによって異なるが、通常、Ni2+濃度が2〜6g/L、Na+濃度が20〜100g/L、SO4 2−濃度が5〜70g/L、H2PO2 −濃度が10〜20g/L、HPO3 2−濃度が15〜110g/L、錯化剤濃度が30〜50g/Lの範囲にあり、pHは、通常、4.0〜7.0の範囲にある水溶液である。
【0010】
本発明によるニッケルの回収は、β−ヒドロキシオキシム系抽出剤及び酸性有機リン化合物を含有する有機溶媒を、ニッケル含有水溶液と接触させ、ニッケル含有水溶液から有機溶媒相中にニッケルを抽出することによって行うことができる。その接触方法は特に限定されないが、大量のニッケル含有水溶液を連続的に接触させる装置、例えば、多段ミキサーセトラーや上下動式カラムなどの連続抽出装置を用いることが好ましい。ニッケルを抽出するときのニッケル含有水溶液のpHは、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウムのようなpH調整剤を添加して、好ましくはpH3.5〜pH7.0に調整することが好ましい。この範囲内であれば、ニッケルの抽出率をより向上させることができる。また、抽出温度は特に限定されず、室温で十分であるが、好ましくは20℃〜35℃である。
【0011】
また、本発明によるニッケルの回収方法は、抽出されたニッケルを含有する有機溶媒相を、鉱酸を含有する水溶液と接触させ、そしてニッケルを水相中に逆抽出することによっておこなうことができる。ニッケルの逆抽出に用いる鉱酸の濃度は、好ましくは0.1mol/L以上、より好ましくは0.2mol/L以上である。
【0012】
(β−ヒドロキシオキシム系抽出剤)
本発明に使用するβ−ヒドロキシオキシム系抽出剤としては、例えば、下記一般式(4)を有する化合物が挙げられる。
【0013】
【化4】
(式中、Rは、炭素数5〜12のアルキル基を表わし、Xは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を表わす)
【0014】
一般式(4)で表わされるβ−ヒドロキシオキシム系抽出剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−5−ノニルアセトフェノンオキシム、5−ドデシルサリチルアルドキシム及び5−ノニルサリチルアルドキシムが挙げられ、これらを単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0015】
有機溶媒中に含まれるβ−ヒドロキシオキシム系抽出剤の量は、有機溶媒に対して、5体積%〜40体積%が好ましく、10体積%〜30体積%がより好ましい。この範囲内であれば、ニッケル含有水溶液から有機溶媒相中へニッケルを効率よく抽出することができる。
【0016】
(酸性有機リン化合物)
本発明に使用する酸性有機リン化合物としては、有機溶媒に可溶なものであって、下記一般式(1)で表わされるアルキルリン酸、下記一般式(2)で表わされるアルキルホスホン酸、下記一般式(3)で表わされるアルキルホスフィン酸が挙げられ、これらを単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0017】
【化5】
(式中、Rは、炭素数4〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい)
【0018】
【化6】
(式中、Rは、炭素数4〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい)
【0019】
【化7】
(式中、Rは、炭素数4〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい)
【0020】
一般式(1)で表わされるアルキルリン酸の具体例としては、例えば、ビス(2−エチルヘキシル)リン酸が挙げられ、一般式(2)で表わされるアルキルホスホン酸の具体例としては、例えば、2−エチルヘキシルリン酸モノ−2−エチルヘキシルエステルが挙げられ、一般式(3)で表わされるアルキルホスフィン酸の具体例としては、例えば、ビス(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィン酸が挙げられる。
【0021】
有機溶媒中に含まれる酸性有機リン化合物の量は、β−ヒドロキシオキシム系抽出剤に対して、10体積%〜50体積%であり、10体積%〜30体積%であることが好ましい。酸性有機リン化合物量が少なすぎる場合には、ニッケルの抽出効率が十分とならず、多すぎる場合には添加したほどには抽出効率が向上せずコスト的に無駄が多くなって好ましくない。
【0022】
(有機溶媒)
本発明に使用する有機溶媒としては、特に限定されず、β−ヒドロキシオキシム系抽出剤及び酸性有機リン化合物を溶解することができ、水と混和しないものであればよく、例えば、ケロシン、キシレン、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサンなどの芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、ノルマルパラフィンなどの脂肪族炭化水素、1−ナフテン酸、2−ナフテン酸などのナフテン系炭化水素が挙げられ、これらを単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0023】
(鉱酸)
本発明で使用する鉱酸としては、ニッケル塩を形成しやすいものであればよく、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸などが挙げられ、これらを単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。特に、処理対象が使用済みの無電解ニッケルめっき液である場合、鉱酸として次亜リン酸を用いることにより、回収したニッケルを無電解ニッケル液に再利用しても被膜の品質を維持することができる。
【0024】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
β−ヒドロキシオキシム系抽出剤である2−ヒドロキシ−5−ノニルアセトフェノンオキシム(コグニス社製LIX84I、以下ではLIX84Iと略す)20体積%、酸性有機リン化合物であるビス(2−エチルヘキシル)リン酸(大八化学社製DP8R、以下ではDP8Rと略す)2体積%及び有機溶媒であるシェルゾールD70(シェル化学社製、パラフィン55質量%、ナフテン45質量%、以下ではD70と略す)78体積%を混合して、β−ヒドロキシオキシム系抽出剤及び酸性有機リン化合物を含有する有機溶媒相を調製した。
この有機溶媒相10mlと、表1に示す組成の無電解ニッケルめっきモデル液8mlに2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液2mlを添加した水溶液とを容量50mlのスキーブ型分液ロートに入れ、25℃、振とう幅45mm、振とう速度240rpmの条件で、振とう時間を変えてニッケルの抽出を行った。表2に、各振とう時間におけるニッケルの抽出率を示した。
【0025】
【表1】
【0026】
(ニッケル抽出率)
抽出後、水相と有機溶媒相とを分相し、水相中のニッケル濃度をICP発光分光分析装置(セイコー電子製SPS4000)によって測定し、以下の式によりニッケルの抽出率を計算した。
【0027】
【数1】
【0028】
(実施例2)
DP8Rの代わりに、2−エチルヘキシルリン酸モノ−2−エチルヘキシルエステル(大八化学社製PC88A)を用いた以外は実施例1と同様にしてニッケルの抽出を行った。表2に、各振とう時間におけるニッケルの抽出率を示した。
【0029】
(実施例3)
DP8Rの代わりに、ビス(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィン酸(サイテック社製Cyanex272)を用いた以外は実施例1と同様にしてニッケルの抽出を行った。表2に、各振とう時間におけるニッケルの抽出率を示した。
【0030】
(比較例1)
酸性有機リン化合物を添加せずに、LIX84I 20体積%及びD70 80体積%の割合で混合して、β−ヒドロキシオキシム系抽出剤のみを含有する有機溶媒相を調製した以外は実施例1と同様にしてニッケルの抽出を行った。表2に、各振とう時間におけるニッケルの抽出率を示した。
【0031】
(比較例2)
酸性有機リン化合物の代わりに、下記一般式(5)で表わされる3級カルボン酸(シェル化学社製VA10)を用いた以外は実施例1と同様にしてニッケルの抽出を行った。表2に、各振とう時間におけるニッケルの抽出率を示した。
【0032】
【化8】
(式中、R1、R2及びR3はアルキル基を表わし、R1〜R3の炭素数の合計は8である)
【0033】
(比較例3)
酸性有機リン化合物の代わりに、5,8−ジエチル−7−ヒドロキシ−6−ドデカンオキシム(コグニス社製LIX63)を用いた以外は実施例1と同様にしてニッケルの抽出を行った。表2に、各振とう時間におけるニッケルの抽出率を示した。
【0034】
表2から明らかなように、β−ヒドロキシオキシム系抽出剤及び酸性有機リン化合物を含有する有機溶媒相を用いることにより、ニッケルの抽出速度を大幅に向上させることができる。特に、酸性有機リン化合物としてビス(2−エチルヘキシル)リン酸を用いた場合には、振とう開始後5分で約92%抽出することができるので、工業的に極めて有効である。
【0035】
【表2】
【0036】
(実施例4)
表3に示すような割合で、LIX84I、DP8R及びD70を混合してβ−ヒドロキシオキシム系抽出剤及び酸性有機リン化合物を含有する有機溶媒相をそれぞれ調製した。
これらの有機溶媒相10mlと、表1に示す組成の無電解ニッケルめっき液8mlに2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液2mlを添加した水溶液とを容量50mlのスキーブ型分液ロートにそれぞれ入れ、25℃、振とう幅45mm、振とう速度240rpm、振とう時間2分の条件でニッケルの抽出を行い、実施例1と同様にニッケルの抽出率を計算した。表3にニッケルの抽出率を示した。
【0037】
(比較例4)
振とう時間を2分とした以外は比較例1と同様にしてニッケルの抽出を行った。表3にニッケルの抽出率を示した。
【0038】
【表3】
【0039】
表3から明らかなように、β−ヒドロキシオキシム系抽出剤に対する酸性有機リン化合物の割合を変えることよって、抽出速度を調節することができる。
【0040】
(実施例5)
実施例1で用いた有機溶媒相にニッケルを抽出させ、Ni2+濃度を8.6g/Lとした有機溶媒相10mlと、1mol/Lの硫酸水溶液10mlとを容量50mlのスキーブ型分液ロートに入れ、25℃、振とう幅45mm、振とう速度240rpmの条件で、振とう時間を変えてニッケルの逆抽出を行った。表4に、各振とう時間におけるニッケルの逆抽出率を示した。
【0041】
(実施例6)
実施例2で用いた有機溶媒相にニッケルを抽出させ、Ni2+濃度を8.3g/Lとした有機溶媒相10mlと、1mol/Lの硫酸水溶液10mlとを容量50mlのスキーブ型分液ロートに入れ、25℃、振とう幅45mm、振とう速度240rpmの条件で、振とう時間を変えてニッケルの逆抽出を行った。表4に、各振とう時間におけるニッケルの逆抽出率を示した。
【0042】
(実施例7)
実施例3で用いた有機溶媒相にニッケルを抽出させ、Ni2+濃度を8.6g/Lとした有機溶媒相10mlと、1mol/Lの硫酸水溶液10mlとを容量50mlのスキーブ型分液ロートに入れ、25℃、振とう幅45mm、振とう速度240rpmの条件で、振とう時間を変えてニッケルの逆抽出を行った。表4に、各振とう時間におけるニッケルの逆抽出率を示した。
【0043】
(比較例5)
比較例1で用いた有機溶媒相にニッケルを抽出させ、Ni2+濃度を8.3g/Lとした有機溶媒相10mlと、1mol/Lの硫酸水溶液10mlとを容量50mlのスキーブ型分液ロートに入れ、25℃、振とう幅45mm、振とう速度240rpmの条件で、振とう時間を変えてニッケルの逆抽出を行った。表4に、各振とう時間におけるニッケルの逆抽出率を示した。
【0044】
【表4】
【0045】
表4から明らかなように、β−ヒドロキシオキシム系抽出剤のみを含有する有機溶媒相を用いる場合、逆抽出率が100%に達するまでに70分必要であるのに対して、β−ヒドロキシオキシム系抽出剤及び酸性有機リン化合物を含有する有機溶媒相を用いる場合、逆抽出率が100%に達する時間を40分以下に短縮することができる。
【0046】
(実施例8)
実施例4で用いた有機溶媒相にニッケルを抽出させ、Ni2+濃度を8.7〜9.5g/Lとした有機溶媒相10mlと、1mol/Lの硫酸水溶液10mlとを容量50mlのスキーブ型分液ロートにそれぞれ入れ、25℃、振とう幅45mm、振とう速度240rpm、振とう時間2分の条件でニッケルの逆抽出を行った。表5にニッケルの逆抽出率を示した。
【0047】
(比較例6)
比較例1で用いた有機溶媒相にニッケルを抽出させ、Ni2+濃度を8.5g/Lとした有機溶媒相10mlと、1mol/Lの硫酸水溶液10mlとを容量50mlのスキーブ型分液ロートに入れ、25℃、振とう幅45mm、振とう速度240rpm、振とう時間2分の条件でニッケルの逆抽出を行った。表5にニッケルの逆抽出率を示した。
【0048】
【表5】
【0049】
表5から明らかなように、β−ヒドロキシオキシム系抽出剤に対する酸性有機リン化合物の割合を変えることよって、逆抽出速度を調節することができる。
【0050】
(実施例9)
表6に示すような割合で、LIX84I、DP8R及びD70を混合してβ−ヒドロキシオキシム系抽出剤及び酸性有機リン化合物を含有する有機溶媒相をそれぞれ調製した。
これらの有機溶媒相10mlと、表1に示す組成の無電解ニッケルめっき8mlにpH調節剤2mlを添加してpHを調節した水溶液10mlとを容量50mlのスキーブ型分液ロートにそれぞれ入れ、25℃、振とう幅45mm、振とう速度240rpmの条件で一晩振とうをおこない、平衡化させ、平衡抽出率を計算した。表6に、水溶液の各平衡pHにおけるニッケルの平衡抽出率を示した。
【0051】
(比較例7)
酸性有機リン化合物を添加せずに、β−ヒドロキシオキシム系抽出剤である2−ヒドロキシ−5−ノニルアセトフェノンオキシム(コグニス社製LIX84I)20体積%及び有機溶媒であるシェルゾールD70(シェル化学社製、パラフィン55質量%、ナフテン45質量%)80体積%を混合して、β−ヒドロキシオキシム系抽出剤を含有する有機溶媒相を調製した。
この有機溶媒相10mlと、表1に示す組成の無電解ニッケルめっき8mlにpH調節剤2mlを添加してpHを調節した水溶液10mlとを容量50mlのスキーブ型分液ロートにそれぞれ入れ、25℃、振とう幅45mm、振とう速度240rpmの条件で一晩振とうをおこない、平衡化させ、平衡抽出率を計算した。表6に、水溶液の各平衡pHにおけるニッケルの平衡抽出率を示した。
【0052】
【表6】
【0053】
表6から明らかなように、pHが1.4〜5.8の範囲において、β−ヒドロキシオキシム系抽出剤及び酸性有機リン化合物を含む有機溶媒相を用いることにより、平衡抽出率を向上させることができる。
【0054】
(比較例8)
表7に示すような割合で、DP8R及びD70を混合して、酸性有機リン化合物を含有する有機溶媒相をそれぞれ調製した。
これらの有機溶媒相10mlと、表1に示す組成の無電解ニッケルめっきモデル液8mlにpH調節剤2mlを添加してpHを調節した水溶液10mlとを容量50mlのスキーブ型分液ロートにそれぞれ入れ、25℃、振とう幅45mm、振とう速度240rpmの条件で一晩振とうをおこない、平衡化させ、平衡抽出率を計算した。表7に、水溶液の各平衡pHにおけるニッケルの平衡抽出率を示した。
【0055】
【表7】
【0056】
表7から明らかなように、酸性有機リン化合物のみを含む有機溶媒相を用いても、ニッケルの平衡抽出率を向上させることはできないことが分かる。
【0057】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、高効率、且つ低コストでニッケル含有水溶液からニッケルを回収することができるため、本方法は、工業化適性の非常に高いものである。
Claims (2)
- β−ヒドロキシオキシム系抽出剤及び酸性有機リン化合物を含有する有機溶媒を、ニッケル含有水溶液と接触させ、ニッケルを有機溶媒相中に抽出するニッケル含有水溶液からのニッケルの回収方法であって、
酸性有機リン化合物の含有量が、β−ヒドロキシオキシム系抽出剤に対して、10体積%〜50体積%であり、且つ酸性有機リン化合物が、下記一般式(1)
(式中、Rは、炭素数4〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい)で表わされるアルキルリン酸、
下記一般式(2)
(式中、Rは、炭素数4〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい)で表わされるアルキルホスホン酸、
下記一般式(3)
(式中、Rは、炭素数4〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表わし、同一でも異なっていてもよい)で表わされるアルキルホスフィン酸及びこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とするニッケル含有水溶液からのニッケル回収方法。 - 抽出されたニッケルを含有する有機溶媒相を、鉱酸を含有する水溶液と接触させ、ニッケルを水相中に逆抽出することを特徴とする請求項1に記載のニッケル含有水溶液からのニッケル回収方法。
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