JP4131094B2 - 配線基板の製造方法 - Google Patents
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- Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は配線基板、殊に立体的に成形された基板上に回路パターンを形成した配線基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
基板上に金属薄膜を形成しておき、レーザによって該金属薄膜の不要部分(非回路部分の少なくとも輪郭部)を除去した後、金属薄膜の回路部分に電気めっきを施して回路パターンを形成する配線基板の製造方法がある。図12はこの製造方法の一例を示しており、基材10上に薄膜の金属層(銅薄膜)14をたとえばスパッタリング法で形成し、次いでレーザを用いて非回路部分の輪郭部を除去した後、回路部分となるところに給電して電気銅めっきを行って銅層の厚みを増大させて回路パターン12を形成し、ついでソフトエッチングによって非回路部分の薄膜金属層14を除去し、さらに回路部分に電気ニッケルめっき16や、金めっき17を施すことで回路パターンC1とする。この製造方法では基材10が平面でなくとも回路パターンC1を得ることができるために、成形品としての基材上に三次元的回路パターンを形成した立体成形配線基板(MID基板)において多用されている。
【0003】
ところで、上記製造方法によれば、電気めっきの際の給電の都合上、全回路パターンが給電用電極につながっていなくてはならない。すなわち、図13(a)に示すように、回路的につながって給電が可能な回路パターンC1のほかに、回路的につながっていない回路パターン(いわゆる浮島パターン)C2が目的の回路として存在している場合、電気めっきの際に浮島パターンには給電されないために、浮島パターンの部分の金属薄膜上にはめっきされず、従ってその後のソフトエッチング処理による非回路部分の金属薄膜の除去の際に浮島パターン部分の金属薄膜も除去されてしまい、結果的に図13(b)に示すような浮島パターンが消失したものとなってしまう。
【0004】
外周の給電パターンC3は外形加工の時の機械的切断で可能であり、また平板状の配線基板であれば、回路パターンC1と浮島パターンC2とをつないでいる接続パターンを形成しておいて、最終的に接続パターンをパンチング等による打ち抜きや孔明けで除去することが可能であるが、立体成形回路基板であるとこのような方法を取ることが困難であったり無理であったりする。また、接続パターンを設けておくとともに最終的に研削作業で除去することもなされているが、接続パターンが回路パターンと同一平面に存在することから、接続パターンのみを研削して除去することが困難であるとともに、除去作業が不完全となって浮島パターンC2と回路パターンC1との絶縁不良を招くこともある。従って、浮島パターンC2も外周の給電パターンC3に接続されたパターンとし、給電パターンC3の除去で浮島パターンC2を他の回路パターンC1から切り離すことがなされている。
【0005】
また、特開平7−066533号公報には、レーザによる金属薄膜の部分の除去に際して、回路パターンC1と浮島パターンC2とを電気的につなぐ接続パターンを残しておき、この接続パターン上にレジストを塗布した後に電気めっきを行うことで、回路パターンC1及び浮島パターンC2上にめっき層を形成し、次いで上記レジストを剥離して接続パターンを露出させた後、ソフトエッチング処理による金属薄膜の不要部分の除去に際して上記接続パターンも除去してしまう製造方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前者においては、給電パターンと浮島パターンとの接続を行う接続パターンの確保が回路の高密度化の妨げとなるとともに回路の設計自由度を著しく低下させてしまう。
【0007】
また、後者においては、回路の高密度化や回路の設計自由度の確保の点で前者より優れているものの、接続パターンへのレジストの塗布、特に三次元の立体配線基板への塗布は煩雑な工程となる。また、接続パターンの除去が不完全となって絶縁不良を招く虞を多分に有している。
【0008】
本発明はこのような点に鑑みなされたものであって、その目的とするところは接続パターンを除去して回路パターンを切断することを的確に且つ容易に行うことができる配線基板の製造方法を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
しかして本発明は、基材表面に凹部を設けて該凹部を被覆材で被覆するとともに、基材上に回路パターンを形成するにあたり、回路パターンにおける最終的に切断すべき部分を上記被覆材上を通過させて形成し、その後、回路パターンの上記被覆材上の通過部を被覆材の少なくとも一部と共に除去することで回路パターンの切り離しを行うことに特徴を有している。回路パターンの切り離しのための上記通過部の除去を被覆材ごと行うことができるようにしたものである。
【0010】
上記被覆材は、凹所への樹脂の充填などのほかに、絶縁フィルムで形成したり、樹脂のディスペンスまたはインクジェット式装着で形成したりしてもよく、また、凹所を備えた基材に対する二次成形で被覆材を形成するようにしてもよい。
【0011】
また、被覆材は凹所全体を埋めるものとして形成するのではなく、凹所内に非充填部分を残して充填したものとしたり、凹所内の底部を空間として残して形成するのも好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下本発明を実施の形態の一例に基づいて詳述すると、図1において、配線基板用の基材10には予め凹所11を設けておく。この点からは、基材10は射出成形で形成されるとともに凹所11がその成形時に同時に形成されるものが好ましいが、基材10に対する後加工で凹所11を形成してもよい。そして、上記基材10の表面に薄膜の金属層14を形成するに先立ち、上記凹所11に被覆材2を充填して被覆材2の表面が基材10の表面と面一になるようにしておく。
【0015】
この後、常法によって薄膜の金属層14を形成し、次いで非回路部分の輪郭部をたとえばレーザによって除去した後、回路部分となるところに給電して電気銅めっきを行って銅層の厚みを増大させて回路パターン12を形成するのであるが、この時、上記被覆材2の表面上を回路パターン12が通過するように形成する。ただし、被覆材2の表面上を通る部分は、たとえば浮島パターンへの給電用接続パターン等の最終的に切断してしまう回路部とする。
【0016】
そして、上記回路パターン12への給電で電気めっきによって薄膜金属層14に例えば銅層を形成して厚みのある回路パターン12としたならば、この後、もしくはソフトエッチングによって非回路部分の薄膜金属層14を除去した後、回路パターン12における被覆材2の上を通っている部分を被覆材2(の少なくとも一部)と共に除去して、最終目的とする回路パターン12を備えた配線基板1とする。
【0017】
図1では凹所11全体に被覆材2を充填しているが、図2に示すように、回路パターン12の左右両側において非充填部分が残るように被覆材2を充填してもよく、さらには図4に示すように、凹所11の表面開口部を跨ぐように絶縁フィルムからなる被覆材2を基材10に取り付けてもよい。いずれの場合も被覆材2が凹所11を完全に埋めている場合に比して、被覆材2の除去作業が簡単となる上に被覆材2の除去に際して基材10にダメージを与える虞を無くすことができる。
【0018】
また、基材10及び被覆材2の上に形成する回路パターン12は、図3に示すように被覆材2と共に除去してしまう部分の両端において幅を狭くした縊れ部16を設けておくと、除去端部位置を定めることができる上に、バリの発生が少なくて、きれいな仕上がりを得ることができるものとなる。
【0019】
凹所11に埋め込んでしまう被覆材2は、別部品として形成した被覆材2を凹所11に嵌め込むことで行ってもよいが、凹所11を備えた基材10に対する二次成形で被覆材2を形成すれば、基材10に多くの凹所11を設けている場合にも全凹所11への被覆材2の充填を一度に行うことができる。
【0020】
凹所11に設けた被覆材2の除去であるが、これは別途ツールを用いて凹所11から掻き出すことで行えばよく、この他、図6に示すように衝撃あるいは振動Vを加えることで被覆材2を脱落させたり、水や空気などの流体Jを高速高圧で吹き付けることで被覆材2を剥がしたり、加熱Wと冷却Cを交互に行って、基材10と被覆材2との熱膨張率の差を利用して被覆材2が剥がれ落ちるようにしてもよい。また、これらを組み合わせれば、被覆材2をより剥がしやすくすることができる。いずれにしても、被覆材2そのものを基材10から脱落させてしまう場合には、凹所11に被覆材2を埋め込むにあたり、図7に示すように、凹所11の内面に被覆材2の剥離を容易とする材料、たとえばポリエチレンまたはシリコーン樹脂などの層17を設けた上で被覆材2を充填するとよい。
【0021】
また、被覆材2を掻き出して取り外す場合は、図8に示すように、被覆材2に突起20を設けておき、ツール7で該突起20を引っ掛けるようにすると、凹所11の全域に被覆材2を埋め込んでいる場合にも、被覆材2の除去が容易となる。
【0022】
図5は被覆材2を基材10の凹部11の部分にディスペンスやインクジェット等によって被覆用樹脂を載せることで形成したものを示しており、この例でも明らかなように、被覆材2の表面が基材10の表面より突出していてもよい。また、ここでは基材10上に載っている被覆材2を剥がすことで、回路パターン12の切断を行っている。凹所11内に入り込んでいる被覆材2を剥がす場合に比して、より簡便に被覆材2を剥がすことができる。
【0023】
このほか、一つの被覆材2上を複数本の回路パターン12が通るようにしておいてもよく、この場合、基材10に設けるべき凹所11及び被覆材2の数を少なくすることができて、基材10の表面の回路パターン12を形成するスペースを広くすることができるとともに、一つの被覆材2の除去で複数本の回路パターン12の切断を行うことができる。
【0024】
なお、回路パターン12を被覆材2で覆った凹所11の部分での切断は、回路パターン12の一部が通過している被覆材2を全て除去することで行うのではなく、図9及び図10に示すように、被覆材2ごと回路パターン12の一部をドリリングや切削(研削)によって切除することで行ってもよい。
【0025】
また、被覆材2が凹所11の表面開口部にのみ存在して凹所11内を埋めていない場合、図11に示すように打ち抜き用のパンチ80を備えているプレス8で行ってもよい。この場合、複数のパンチ80を凹所11の位置に合わせてプレス8に設けておくことで、多数箇所での回路パターン12の切断を行うことができる。もちろん、単一のパンチ80を備えたプレス8でNC制御によって切断すべき複数箇所を順次打ち抜いて切断を行ってもよい。
【0026】
いずれにしろ、回路パターン12の形成に際して凹所11を被覆している被覆材2上に回路パターン12を通しているために、浮島パターンを有していても電気めっきの際の給電を行うことができるものであり、従って回路の高密度化が可能であるとともに回路の設計自由度も高いものである。そして、回路パターン12における最終的に切断する部分は基材10に設けた凹所11を被覆している被覆材2上にあって、その切断は被覆材2ごと除去することで行うことができるものであり、このために除去しきれずに絶縁の点で問題を残してしまう虞を少なくすることができると同時に、残しておくべき回路パターン12まで切除してしまう虞を少なくすることができる。
【0027】
また、凹所11は図9に示すように穴として形成することになるが、凹所11に埋め込んだ被覆材2を全て除去して回路パターン12の切断を行う場合は、凹所11を全て被覆材2で埋めてしまうのではなく、図2で示したように、被覆材2の両側に凹所11の空間が残るように被覆材2を設けると、被覆材2の取り出しが容易となる。また、凹所11に隣接させて基材10表面に溝を形成して、凹所11の一側面がこの溝に連通するようにしておくのも凹所11に埋め込んだ被覆材2の取り出しが容易となる点で好ましい。
【0028】
【発明の効果】
以上のように本発明においては、基材表面に凹部を設けて該凹部を被覆材で被覆するとともに、基材上に回路パターンを形成するにあたり、回路パターンにおける最終的に切断すべき部分を上記被覆材上を通過させて形成し、その後、回路パターンの上記被覆材上の通過部を被覆材の少なくとも一部と共に除去することで回路パターンの切り離しを行うことから、回路パターンの切り離しのための上記通過部の除去を被覆材ごと行うことができるものであり、このために回路パターンの目的とする箇所での切断を的確に且つ容易に行うことができ、そして、このように接続パターンの除去を的確に行うことができるということは、浮島パターンが存在しても全く問題がないことになり、回路形成の自由度も高くなるものである。
【0029】
上記被覆材は、凹所への樹脂の充填などのほかに、絶縁フィルムで形成すると、簡単に且つ安価に凹所の被覆を行うことができる。
【0030】
樹脂のディスペンスまたはインクジェット式装着で被覆材を形成しても、簡単に且つ安価に凹所の被覆を行うことができる。また、凹所を備えた基材に対する二次成形で被覆材を形成すれば、複数の凹所への被覆材の配置を一度に行うことができる。
【0031】
また、被覆材は凹所全体を埋めるものとして形成するのではなく、凹所内に非充填部分を残して充填したり、凹所内の底部を空間として残して絶縁フィルムで形成すると、基板にダメージを与えることなく回路パターンの切断を行うことが容易となる。
【0032】
このほか、回路パターンの被覆材上の通過部の両端の幅を細くしておくと、回路パターンの切断時に端部にバリが発生しにくくなって仕上がりがきれいになる。
【0033】
回路パターンの被覆材上の通過部の除去は、凹所から被覆材を剥離させることで行うと、簡単でしかも切除粉が発生することもなくて好ましいが、この場合、基材における凹所の内面には被覆材の剥離性を高める材料を設けておくと、剥離が容易となる。被覆材に凹所開口面より突出する突起を設けておき、該突起を利用して被覆材を剥離させても、剥離が容易となる。また、基材に機械的衝撃乃至振動を与えて被覆材を剥離させるならば、複数の被覆材を一括して剥離させることができて、生産性が向上する。また、基材に高圧流体を吹き付けて被覆材を剥離させてもよく、この場合、基材を傷つけてしまう虞がない。基材と被覆材とに対して加熱と冷却とを行って被覆材を剥離させるようにすれば、基材を傷つけることなく、複数の被覆材を一括して剥離させることができる。
【0034】
また、被覆材上の通過部を打ち抜いて回路パターンの切り離しを行うようにしてもよい。被覆材が通過部の下に存在する上に該被覆材は基材から外れてしまっても問題がない部材であることから、通過部の除去を高精度に行わなくても基材にダメージを与えてしまうことがないものである。なお、打ち抜くといっても、被覆材を貫通する必要はなく、通過部を貫通すればよいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)(b)は本発明の実施の形態の一例の説明図である。
【図2】同上の他例を示す説明図である。
【図3】さらに他例を示す説明図である。
【図4】 (a)(b)は別の例の説明図である。
【図5】 (a)は更に別の例の断面図、(b)は説明図である。
【図6】 (a)(b)(c)は夫々被覆材の取り外しの例を示す斜視図である。
【図7】他の例の断面図である。
【図8】更に他の例の断面図である。
【図9】 (a)は異なる例の説明図、(b)は断面図である。
【図10】さらに異なる例の説明図である。
【図11】別の例の断面図である。
【図12】回路パターンの製造方法の説明図である。
【図13】同上の浮島パターンについての問題点を示す説明図である。
【符号の説明】
2 被覆材
10 基材
11 凹部
12 回路パターン
Claims (6)
- 基材表面に凹部を設けて該凹部を被覆材で被覆するとともに、基材上に回路パターンを形成するにあたり、回路パターンにおける最終的に切断すべき部分を上記被覆材上を通過させて形成し、その後、回路パターンの上記被覆材上の通過部を被覆材の少なくとも一部と共に除去することで回路パターンの切り離しを行うことを特徴とする配線基板の製造方法。
- 被覆材を絶縁フィルムで形成していることを特徴とする請求項1記載の配線基板の製造方法。
- 被覆材を樹脂のディスペンスまたはインクジェット式装着で形成することを特徴とする請求項1記載の配線基板の製造方法。
- 凹所を備えた基材に対する二次成形で被覆材を形成することを特徴とする請求項1記載の配線基板の製造方法。
- 被覆材は凹所内に非充填部分を残して充填されたものであることを特徴とする請求項1または4記載の配線基板の製造方法。
- 被覆材は凹所内の底部を空間として残して基材に設けていることを特徴とする請求項2記載の配線基板の製造方法。
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