JP4131243B2 - 電気光学装置の製造方法、電気光学装置、及び電子機器 - Google Patents
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Description
このような課題を解決するために、表示装置の基板にガラスや金属の蓋を取り付けて水分等を封止する方法が採られてきた。そして、近年では、表示装置の大型化及び軽薄化に対応するために、発光素子上に透明でガスバリア性に優れた珪素窒化物、珪素酸化物、金属酸化物、セラミックス等の陰極保護層やガスバリア層を高密度プラズマ成膜法(例えば、イオンプレーティング、ECRプラズマスパッタ、ECRプラズマCVD、表面波プラズマCVD、ICP−CVD等)により成膜させる薄膜封止と呼ばれる技術が用いられている。
特に、陰極側から発光光を取り出すトップエミッション構造を用いる場合、金属からなる陰極材料だけでは透明性が不足するため極力薄くしなければならず、陰極抵抗が上昇してしまう。そこで、ITO(インジウム錫酸化物)などの金属酸化物からなる透明かつ導電性を付与できる陰極保護層を陰極の上に形成することで、陰極の抵抗を下げることができる。これらの材料は、有機発光層に影響を与えないよう低温下で低抵抗かつガスバリア性に優れた緻密な層を形成する必要があり、高密度プラズマ成膜法により成膜する必要がある。
また、本発明に係る電気光学装置の製造方法は、上記に記載の電気光学装置の製造方法であって、前記接着層は、シランカップリング剤またはアルコキシシランが添付されている樹脂材料を含むことを特徴とする。
また、本発明に係る電気光学装置の製造方法は、上記に記載の電気光学装置の製造方法であって、前記接着層は、微粒子を含むことを特徴とする。
また、本発明に係る電気光学装置の製造方法は、上記に記載の電気光学装置の製造方法であって、前記表面保護層は、所定の機能を有する機能層が形成されているプラスチックフィルムであることを特徴とする。
また、本発明に係る電気光学装置の製造方法は、上記に記載の電気光学装置の製造方法であって、前記機能層は、DLC(ダイアモンドライクカーボン)層、珪素酸化物層または酸化チタン層のいずれか一層以上を有するものであることを特徴とする
また、本発明に係る電気光学装置の製造方法は、上記に記載の電気光学装置の製造方法であって、前記第2電極は、真空蒸着法により形成されることを特徴とする。
また、本発明に係るの電気光学装置は、基体上に、第1電極と、第2電極と、第1電極と第2電極との間に挟持される電気光学層を有する電気光学装置において、前記第2電極を保護するインジウム錫酸化物膜、酸化インジウム・酸化亜鉛系アモルファス透明導電膜またはアルミニウム亜鉛酸化物膜と、前記第2電極と前記電極保護層との間に配置された発光材料保護層としての金属弗化物層と、前記第2電極と前記電極保護層と前記発光材料保護層とを覆うガスバリア層と、接着層と表面保護層とを有する前記ガスバリア層を覆う保護層とを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る電気光学装置は、上記に記載の電気光学装置であって、前記接着層は、シランカップリング剤またはアルコキシシランが添付されている樹脂材料を含むことを特徴とする。
また、本発明に係る電気光学装置は、上記に記載の電気光学装置であって、前記接着層は、微粒子を含むことを特徴とする。
また、本発明に係る電気光学装置は、上記に記載の電気光学装置であって、前記表面保護層は、所定の機能を有する機能層が形成されているプラスチックフィルムであることを特徴とする。
また、本発明に係る電気光学装置は、上記に記載の電気光学装置であって、前記機能層は、DLC(ダイアモンドライクカーボン)層、珪素酸化物層または酸化チタン層のいずれか一層以上を有するものであることを特徴とする。
また、本発明に係る電気光学装置は、上記に記載の電気光学装置であって、前記金属弗化物層は、弗化リチウムであることを特徴とする。
本発明に係る電気光学装置の製造方法、電気光学装置、及び電子機器では、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
第1の発明は、基体(200)上に、第1電極(23)と、第2電極(50)と、第1電極と第2電極との間に挟持される電気光学層(110)を有する電気光学装置(1)の製造方法において、第2電極を覆う発光材料保護層(65)を真空蒸着法により形成する工程と、発光材料保護層を覆う電極保護層(55)をプラズマ成膜法により形成する工程とを有するようにした。この発明によれば、製造プロセス中においても、電極保護層により第2電極の抵抗を下げるとともに、発光材料保護層により高密度プラズマによる電気光学層の劣化が防止されるので、鮮やかに発光する電気光学装置を得ることができる。
また、第2電極(50)と電極保護層(55)と発光材料保護層(65)とを覆うガスバリア層(30)を形成する工程を更に有するものでは、製造プロセス後に、陰極や電気光学層への酸素等の浸入を長時間に渡り防止することができる。発光材料保護層(65)を用いることにより、ガスバリア層(30)の形成時における電気光学層の劣化を防止することができる。
また、第2電極(50)は、真空蒸着法により形成されるものでは、電気光学層へのダメージが殆どなく、また第2電極と発光材料保護層とを同一の成膜装置により形成することができるので、製造工程の複雑化を防ぐとともに、製造コストを抑えることができる。
また、電気光学層(110)と第2電極(50)との間に発光材料保護層(65)が配置されると共に、第2電極上に電極保護層(55)が配置されるように形成することができる。
また、電極保護層(55)は、導電性かつ透明性を有する金属酸化物からなるものでは、所謂、トップエミッション構造のEL表示装置を得ることができる。
また、発光材料保護層(65)は、金属弗素物からなるものでは、比較的低温で昇華するので、電気光学層に悪影響を与えずに薄膜を形成することができる。そして、この膜により、製造プロセス時に電気光学層をプラズマから保護することができる。例えば、金属弗化物として、弗化リチウム、弗化亜鉛、弗化鉄、弗化バナジウム、弗化コバルトなどを用いることができる。特にイオン結合により形成されている金属弗化物はバンドギャップが3eV以上であり良好な絶縁性を有している。したがって、例えば電極保護層(55)をプラズマ成長法にて形成する場合、発光材料保護層(65)をイオン結合により形成されている金属弗化物にて形成することにより、プラズマ中の電子、あるいは、イオンによる電気光学層(110)の劣化を防止することができる。アルカリ金属、アルカリ土類金属の弗化物は、セラミックなどの絶縁材料と比較して低温により蒸発もしくは昇華することができるため、電気光学層を劣化させることなく発光材料保護層(65)を形成することができる。特にアルカリ金属、アルカリ土類金属の弗化物は、光の透過性が高いため、トップエミッション構造に最適である。
また、第2電極(50)と電極保護層(55)と発光材料保護層(65)とを覆うガスバリア層(30)を更に備えるものでは、製造プロセス後に、陰極や電気光学層への水分等の浸入を長時間に渡り防止することができる。発光材料保護層(65)を用いることにより、ガスバリア層(30)の形成時における電気光学層の劣化を防止することができる。
図1は、EL表示装置1の配線構造を示す図である。EL表示装置1は、スイッチング素子として薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下TFTと略記する)を用いたアクティブマトリクス型のEL表示装置である。
信号線102には、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン及びアナログスイッチを備えるデータ線駆動回路100が接続される。また、走査線101には、シフトレジスタ及びレベルシフタを備える走査線駆動回路80が接続される。
EL表示装置1は、図2に示すように電気絶縁性を備えた基板20と、スイッチング用TFT(図示せず)に接続された画素電極が基板20上にマトリックス状に配置されてなる画素電極域(図示せず)と、画素電極域の周囲に配置されるとともに各画素電極に接続される電源線(図示せず)と、少なくとも画素電極域上に位置する平面視ほぼ矩形の画素部3(図2中一点鎖線枠内)とを具備して構成されたアクティブマトリクス型のものである。
なお、本発明においては、基板20と後述するようにこれの上に形成されるスイッチング用TFTや各種回路、及び層間絶縁膜などを含めて、基体と称している。(図3、4中では符号200で示している。)
実表示領域4には、それぞれ画素電極を有する表示領域R、G、BがA−B方向およびC−D方向にそれぞれ離間してマトリックス状に配置される。
また、実表示領域4の図2中両側には、走査線駆動回路80、80が配置される。これら走査線駆動回路80、80は、ダミー領域5の下側に配置されたものである。
走査線駆動回路80および検査回路90は、その駆動電圧が、所定の電源部から駆動電圧導通部310(図3参照)および駆動電圧導通部340(図4参照)を介して、印加されるよう構成される。また、これら走査線駆動回路80および検査回路90への駆動制御信号および駆動電圧は、このEL表示装置1の作動制御を行う所定のメインドライバなどから駆動制御信号導通部320(図3参照)および駆動電圧導通部350(図4参照)を介して、送信および印加される。なお、この場合の駆動制御信号とは、走査線駆動回路80および検査回路90が信号を出力する際の制御に関連するメインドライバなどからの指令信号である。
更に、陰極50上には、発光材料の劣化を防止する発光材料保護層65と、陰極50の酸化を防止する陰極保護層55が形成される。そして、さらにこれらを覆ってガスバリア層30等が形成される。
電気光学層110の、主要な層としては有機発光層60(エレクトロルミネッセンス層)であるが、挟まれる2つの電極との間に正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、正孔阻止層(ホールブロック層)、電子阻止層(エレクトロンブロック層)を備えるものであってもよい。
また、いわゆるボトムエミッション型のEL表示装置の場合には、基板20側から発光光を取り出す構成であるので、基板20としては、透明あるいは半透明のものが採用される。例えば、ガラス、石英、樹脂(プラスチック板、プラスチックフィルム)等が挙げられ、特にガラス基板が好適に用いられる。なお、本実施形態では、ガスバリア層30側から発光光を取り出すトップエミッション型とする。
画素電極23は、本実施形態ではトップエミッション型であることから透明である必要がなく、したがって適宜な導電材料によって形成される。
正孔輸送層70の形成材料としては、例えばポリチオフェン誘導体、ポリピロール誘導体など、またはそれらのドーピング体などが用いられる。具体的には、3,4−ポリエチレンジオシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT/PSS)の分散液などが用いられる。
また、これらの高分子材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素などの高分子系材料や、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等の低分子材料をドープして用いることもできる。
なお、上述した高分子材料に代えて、従来公知の低分子材料を用いることもできる。
また、必要に応じて、このような有機発光層60の上にカルシウムやマグネシウム、リチウム、ナトリウム、ストロンチウム、バリウム、セシウムを主成分とした金属又は金属化合物からなる電子注入層を形成してもよい。
なお、有機バンク層221の開口部221aの各壁面の基体200表面に対する角度θが、110度以上から170度以下となっている(図5参照)。このような角度としたのは、正孔輸送層70及び有機発光層60をウエットプロセスにより形成する際に、開口部221a内に配置されやすくするためである。
陰極50を形成するための材料としては、本実施形態はトップエミッション型であることから光透過性である必要があり、したがってカルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)等の薄膜金属層(または合金層)が好適とされる。
発光材料保護層65を形成する材料としては、金属弗化物が好適とされる。具体的には、弗化リチウム、弗化マグネシウム、弗化ナトリウムが挙げられる。
このように、有機発光層60を金属弗化物により形成した発光材料保護層65で覆うことにより、有機発光層60へ高密度なプラズマエネルギーの伝達を抑え、有機発光材料の劣化を良好に防止することができる。なお、発光材料保護層65は、約1〜30nm程度の厚みに形成される。
陰極保護層55を形成する材料としては、EL表示装置1がトップエミッション型であることから光透過性である必要があり、したがって透明導電材料が用いられる。具体的には、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)が好適とされるが、これ以外にも、例えば酸化インジウム・酸化亜鉛系アモルファス透明導電膜(Indium Zinc Oxide:IZO/アイ・ゼット・オー(登録商標))、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、酸化錫等を用いることができる。なお、本実施形態ではITOを用いるものとする。これらの材料は、低温下で緻密な低抵抗の膜にする必要があるため高密度プラズマ成膜法を用いて成膜される。
このように、陰極50を金属酸化膜である陰極保護層55で覆うことにより、陰極50への酸素や水分、有機材料等の接触による腐食を良好に防止することができる。なお、陰極保護層55は、10nmから300nm程度の厚みに形成される。
ガスバリア層30は、その内側に酸素や水分が浸入するのを防止するためのもので、これにより陰極50や有機発光層60への酸素や水分の浸入を防止し、酸素や水分による陰極50や有機発光層60の劣化等を抑えるようにしたものである。
また、ガスバリア層30は、例えば無機化合物からなるもので、好ましくは珪素化合物、すなわち珪素窒化物や珪素酸窒化物、珪素酸化物などを高密度プラズマ成膜法によって形成される。ただし、珪素化合物以外でも、例えばアルミナや酸化タンタル、酸化チタン、さらには他のセラミックスなどからなっていてもよい。ガスバリア層30を陰極保護層55と同様にプラズマ成膜法により形成する場合、発光材料保護層65を用いることにより、ガスバリア層30の形成時における電気光学層の劣化を防止することができる。
また、有機発光層60と陰極50との間に、発光材料保護層65において記述した材料からなる層をさらに形成してもよい。このようにすることにより、ガスバリア層30もしくは陰極保護層55の形成時における電気光学層の劣化をさらに防止することができる。
このようなガスバリア層30の厚さとしては、10nm以上、500nm以下であるのが好ましい。10nm未満であると、膜の欠陥や膜厚のバラツキなどによって部分的に貫通孔が形成されてしまい、ガスバリア性が損なわれてしまうおそれがあるからであり、500nmを越えると、応力による割れが生じてしまうおそれがあるからである。
また、本実施形態ではトップエミッション型としていることから、ガスバリア層30は透光性を有する必要があり、したがってその材質や膜厚を適宜に調整することにより、本実施形態では可視光領域における光線透過率を例えば80%以上にしている。
また、特にガスバリア層30が珪素化合物で形成されている場合などでは、シランカップリング剤やアルコキシシランによってこのガスバリア層30との密着性を向上させることができ、したがってガスバリア層30のガスバリア性を高めることができる。
なお、この例のEL表示装置においては、トップエミッション型にする場合に表面保護層206、接着層205を共に透光性のものにする必要があるが、ボトムエミッション型とする場合にはその必要はない。
また、シリコン層241のうち、ゲート絶縁層282を挟んでゲート電極242と重なる領域がチャネル領域241aとされる。なお、このゲート電極242は、図示しない走査線101の一部である。一方、シリコン層241を覆い、ゲート電極242を形成したゲート絶縁層282の表面には、SiO2を主体とする第1層間絶縁層283が形成される。
なお、走査線駆動回路80および検査回路90に含まれるTFT(駆動回路用TFT)、すなわち、例えばこれらの駆動回路のうち、シフトレジスタに含まれるインバータを構成するNチャネル型又はPチャネル型のTFTは、画素電極23と接続されていない点を除いて駆動用TFT123と同様の構造とされる。
ここで、本実施形態のEL表示装置1は、カラー表示を行うべく、各有機発光層60が、その発光波長帯域が光の三原色にそれぞれ対応して形成される。例えば、有機発光層60として、発光波長帯域が赤色に対応した赤色用有機発光層60R、緑色に対応した緑色用有機発光層60G、青色に対応した青色用有機発光層60Bとをそれぞれに対応する表示領域R、G、Bに設け、これら表示領域R、G、Bをもってカラー表示を行う1画素が構成される。また、各色表示領域の境界には、金属クロムをスパッタリングなどにて成膜した図示略のBM(ブラックマトリクス)が、例えば有機バンク層221と親液性制御層25との間に形成される。
なお、本実施形態においては、電気光学装置としてのEL表示装置1がトップエミッション型である場合であり、また、基板20の表面に回路部11を形成させる工程については、従来技術と変わらないので説明を省略する。
なお、図3、4では、これら画素電極23、ダミーパターン26を総称して画素電極23としている。ダミーパターン26は、第2層間絶縁層284を介して下層のメタル配線へ接続しない構成とされる。すなわち、ダミーパターン26は、島状に配置され、実表示領域に形成されている画素電極23の形状とほぼ同一の形状を有する。もちろん、表示領域に形成されている画素電極23の形状と異なる構造であってもよい。なお、この場合、ダミーパターン26は少なくとも駆動電圧導通部310(340)の上方に位置するものも含むものとする。
更に、有機層をフォトリソグラフィ技術、エッチング技術を用いてパターニングし、有機質層に開口部221aを形成することにより、開口部221aに壁面を有した有機バンク層221を形成する。ここで、開口部221aを形成する壁面について、基体200表面に対する角度θを110度以上から170度以下となるように形成する。
なお、この場合、有機バンク層221は、少なくとも駆動制御信号導通部320の上方に位置するものを含むものとする。
すなわち、基材(バンクなどを含む基板20)を所定温度、例えば70〜80℃程度に加熱し、次いで親インク化工程として大気雰囲気中で酸素を反応ガスとするプラズマ処理(O2プラズマ処理)を行う。次いで、撥インク化工程として大気雰囲気中で4フッ化メタンを反応ガスとするプラズマ処理(CF4プラズマ処理)を行い、その後、プラズマ処理のために加熱された基材を室温まで冷却することで、親液性および撥液性が所定箇所に付与されることとなる。
なお、このCF4プラズマ処理においては、画素電極23の電極面23cおよび親液性制御層25についても多少の影響を受けるが、画素電極23の材料であるITOおよび親液性制御層25の構成材料であるSiO2、TiO2などはフッ素に対する親和性に乏しいため、親インク化工程で付与された水酸基がフッ素基で置換されることがなく、親液性が保たれる。
ここで、吐出ノズルから吐出された液滴は、親液性処理がなされた電極面23c上にて広がり、親液性制御層25の開口部25a内に満たされる。その一方で、撥インク処理された有機バンク層221の上面では、液滴がはじかれて付着しない。したがって、液滴が所定の吐出位置からはずれて有機バンク層221の上面に吐出されたとしても、該上面が液滴で濡れることがなく、弾かれた液滴が親液性制御層25の開口部25a内に転がり込む。
なお、この正孔輸送層形成工程以降は、正孔輸送層70および有機発光層60の酸化を防止すべく、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気などの不活性ガス雰囲気で行うのが好ましい。
なお、この発光層形成工程では、インクジェット法によって例えば青色(B)の発光層形成材料を青色の表示領域に選択的に塗布し、乾燥処理した後、同様にして緑色(G)、赤色(R)についてもそれぞれその表示領域に選択的に塗布し、乾燥処理する。
また、必要に応じて、上述したようにこのような有機発光層60の上にカルシウムやマグネシウム、リチウム、ナトリウム、ストロンチウム、バリウム、セシウムを主成分とした金属又は金属化合物からなる電子注入層を蒸着法等で形成してもよい。
抵抗加熱式真空蒸着法は薄膜作製法のひとつで、略真空中で薄膜化しようとする物質を加熱ボートまたはルツボ内で200〜1000℃程度の比較的低温で加熱蒸発させ、その蒸気を基板面上に付着させる方法である。処理温度が低い為、発光材料への影響が少なく、特にプラズマや電子線等が発生しないので、有機発光材料の劣化が抑えられる。
特にイオン結合により形成されている金属弗化物はバンドギャップが3eV以上であり良好な絶縁性を有している。アルカリ金属、アルカリ土類金属の弗化物は、酸化珪素、アルミナなどのセラミック絶縁材料と比較して低温により蒸発もしくは昇華することができるため、電気光学層を劣化させることなく発光材料保護層65を形成することができる。特にアルカリ金属、アルカリ土類金属の弗化物は、光の透過性が高いため、トップエミッション構造に最適である。アルカリ金属、アルカリ土類金属の弗化物としては、弗化リチウム、弗化マグネシウム、弗化ナトリウムなどを例示できる。
この際、既に有機発光層60の上層には、弗化リチウムの薄膜からなる発光材料保護層65が形成されているので、陰極保護層55の形成時に発生するプラズマから有機発光層60を保護し、発光材料の劣化を防止することができる。したがって鮮やかに発光する発光素子を得ることができる。
ここで、このガスバリア層30の形成方法としては、高密度プラズマ成膜法により珪素酸窒化物などの珪素化合物を形成する。この際にも、発光材料保護層65によりガスバリア層30の形成時に発生するプラズマから有機発光層60を保護し、発光材料の劣化を防止することができる。したがって鮮やかに発光する発光素子を得ることができる。
なお、ガスバリア層30の形成については、上述したように珪素化合物によって単層で形成してもよく、また2層以上の珪素化合物や珪素化合物とは異なる材料と組み合わせて複数の層に積層して形成してもよく、さらには、単層で形成するものの、その組成を膜厚方向で連続的あるいは非連続的に変化させるようにして形成してもよい。
このようにガスバリア層30上に保護層204を設ければ、表面保護層206が耐圧性や耐摩耗性、光反射防止性、ガスバリア性、紫外線遮断性などの機能を有していることにより、有機発光層60や陰極50、さらにはガスバリア層もこの表面保護層206によって保護することができ、したがって発光素子の長寿命化を図ることができる。
また、接着層205が機械的衝撃に対して緩衝機能を発揮するので、外部から機械的衝撃が加わった場合に、ガスバリア層30やこの内側の発光素子への機械的衝撃を緩和し、この機械的衝撃による発光素子の機能劣化を防止することができる。
なお、接着層205にも微粒子207を含有させてもよい。微粒子207を含有することにより、微粒子207がスペーサとなって、接着層205の膜厚を略均一化することができる。
ここで、表1は、発光材料保護層65の有無による有機発光層60の輝度比率及び発光効比率のデータを示す図である。
表1に示すように、発光材料保護層65を形成しない場合(有機発光層60/電子注入層/陰極50/陰極保護層55の順に積層)には、明らかに発光層60の輝度比率及び発光効率比率の低下が見られる。すなわち、陰極保護層55の形成時に発生するプラズマ中のイオン及び電子のエネルギーが有機発光層60を形成する有機EL材料に悪影響を与えていることが分かる。
一方、発光材料保護層65を形成した場合(有機発光層60/電子注入層/陰極50/発光材料保護層65/陰極保護層55の順に積層)、すなわち本実施形態の場合には、発光材料保護層65が陰極保護層55の成膜時に発生するプラズマを遮断し、有機発光層60の輝度比率及び発光効率比率の低下を防いでいることが分かる。しかも、発光材料保護層65を形成した場合には、陰極保護層55を形成しない場合(有機発光層60/電子注入層/陰極50の順に積層した場合)、すなわち製造プロセス中にプラズマの発生がない状態と、略同一の輝度比率及び発光効比率を得ることができる。
また、ボトムエミッション型、あるいは両側に発光光を出射するタイプのものとした場合、基体200に形成するスイッチング用TFT112や駆動用TFT123については、発光素子の直下ではなく、親液性制御層25および有機バンク層221の直下に形成するようにし、開口率を高めるのが好ましい。
図10(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図10(a)において、携帯電話(電子機器)1000は、上述したEL表示装置1を用いた表示部1001を備える。
図10(b)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図10(b)において、時計(電子機器)1100は、上述したEL表示装置1を用いた表示部1101を備える。
図10(c)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図10(c)において、情報処理装置(電子機器)1200は、キーボードなどの入力部1202、上述したEL表示装置1を用いた表示部1206、情報処理装置本体(筐体)1204を備える。
図10(d)は、薄型大画面テレビの一例を示した斜視図である。図10(d)において、薄型大画面テレビ(電子機器)1300は、薄型大画面テレビ本体(筐体)1302、スピーカーなどの音声出力部1304、上述したEL表示装置1を用いた表示部1306を備える。
図10(a)〜(c)に示すそれぞれの電子機器は、上述したEL表示装置(電気光学装置)1を有した表示部1001,1101,1206を備えているので、表示部を構成するEL表示装置の発光素子の長寿命化が図られたものとなる。
また、図10(d)に示す電子機器は、表示部1306の面積に関係なくEL表示装置1を封止することができる本発明を適用したので、従来と比較して大面積(例えば対角20インチ以上)の表示部(電気光学装置)1306を備えるものとなる。
Claims (12)
- 基体上に、第1電極と、第2電極と、第1電極と第2電極との間に挟持される電気光学層を有する電気光学装置の製造方法において、
前記第2電極を覆う発光材料保護層としての金属弗化物層を真空蒸着法により形成する工程と、
前記発光材料保護層を覆う電極導電層としてのインジウム錫酸化物層、酸化インジウム・酸化亜鉛系アモルファス透明導電層またはアルミニウム亜鉛酸化物層をプラズマ成膜法により形成する工程と、
前記第2電極と前記発光材料保護層と前記電極導電層とを覆うガスバリア層をプラズマ成膜法により形成する工程と、
接着層と表面保護層とを有する保護層を前記ガスバリア層上に形成する工程と、
を有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。 - 前記接着層は、シランカップリング剤またはアルコキシシランが添付されている樹脂材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の製造方法。
- 前記接着層は、微粒子を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気光学装置の製造方法。
- 前記表面保護層は、所定の機能を有する機能層が形成されているプラスチックフィルムであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか一項に記載の電気光学装置の製造方法。
- 前記機能層は、DLC(ダイアモンドライクカーボン)層、珪素酸化物層または酸化チタン層のいずれか一層以上を有するものであることを特徴とする請求項4に記載の電気光学装置の製造方法。
- 前記第2電極は、真空蒸着法により形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の電気光学装置の製造方法。
- 基体上に、第1電極と、第2電極と、第1電極と第2電極との間に挟持される電気光学層を有する電気光学装置において、
前記第2電極を保護するインジウム錫酸化物膜、酸化インジウム・酸化亜鉛系アモルファス透明導電膜またはアルミニウム亜鉛酸化物膜と、
前記第2電極と前記電極保護層との間に配置された発光材料保護層としての金属弗化物層と、
前記第2電極と前記電極保護層と前記発光材料保護層とを覆うガスバリア層と、
接着層と表面保護層とを有する前記ガスバリア層を覆う保護層とを備えることを特徴とする電気光学装置。 - 前記接着層は、シランカップリング剤またはアルコキシシランが添付されている樹脂材料を含むことを特徴とする請求項7に記載の電気光学装置の製造方法。
- 前記接着層は、微粒子を含むことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の電気光学装置の製造方法。
- 前記表面保護層は、所定の機能を有する機能層が形成されているプラスチックフィルムであることを特徴とする請求項7乃至請求項9のうちいずれか一項に記載の電気光学装置。
- 前記機能層は、DLC(ダイアモンドライクカーボン)層、珪素酸化物層または酸化チタン層のいずれか一層以上を有するものであることを特徴とする請求項10に記載の電気光学装置。
- 前記金属弗化物層は、弗化リチウムであることを特徴とする請求項7乃至請求項11のいずれか一項に記載の電気光学装置。
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