JP4132025B2 - 工作機械のチャック駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばねじ送り機構のような駆動力を増力するための駆動力増力機構を適用した工作機械のチャック駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
駆動装置の駆動力を増力させる従来の駆動力増力機構としては、例えばねじ送り機構や各種リンク機構がある。
ねじ送り機構は、ねじの螺入力を利用して回転力を進退動作に変換して駆動力を増力する機構であるし、リンク機構はカムを利用したもの或いはテコの原理を利用したもの等が利用されている。
また、工作機械のチャック駆動装置はエアシリンダや油圧シリンダを用いた引き形チャックの構成が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、工作機械のチャックは大きなクランプ力が求められており、上記エアシリンダによる引き形チャックの構成はシリンダ径に自ずと限界があるため、十分なクランプ力を得ることができなかった。また油圧シリンダを用いた場合には、シリンダ全体或いはシリンダ内のピストンがチャックと共に回転しなければならず、所謂回転シリンダを用いることになるが、この場合油漏れが発生したり、或いはそれを防止するためのシール構造による回転数上限に制限を受けることになっていた。
そこで、上述するような駆動力増力機構を用いてクランプ力を増大させる構成が考えられるが、上記ねじ送り機構やリンク機構等の従来の増力機構は、増力する割合を任意に設定することができなかった。また、板カム等を用いて増力することは可能であるが、その場合は非回転部から回転部へ推力を伝達する軸受等への負荷が大きくなるため、容易に利用できる構成ではなかった。
【0004】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、増力の比率を任意に変更可能な駆動力増力機構を用いてシリンダの進退動作によるチャック引張り力を効果的に増力するチャック駆動装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明は、工作機械の主軸に装着されるチャックを開閉駆動するチャック駆動装置であって、前記主軸に第1溝カムを設けた筒体を覆設すると共に主軸の前記第1溝カムに相対する位置に第1溝カムとは異なる形状の第2溝カムを設け、前記主軸内に配置されてチャックを引張り操作するためのドローバーにカラーを外嵌すると共に該カラーに前記第1溝カム及び第2溝カムの双方に係合して力を伝達するカムフォロアを設け、更に前記第1溝カムと第2溝カムとを主軸軸線方向に相対移動させるための駆動手段を有し、該駆動手段が発生する一定の駆動力を第1溝カム及び第2溝カムに加えて、双方の溝カムから受ける力を前記カムフォロアに伝達して、前記カラーに対する駆動力を増力してドローバーのチャック引張り力を増力することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る工作機械のチャック駆動装置の1例を示す説明図であり、図2はその要部拡大図である。図において、1は工作機械の主軸、2は主軸先端に設けられてワークを把持するチャック、3はチャック2を引張り操作してワークを固定操作するドローバーであり、主軸基部1aにはチャック駆動装置の要部である駆動力増力機構4が形成されている。
【0008】
主軸1は円筒状に形成され、内部空間の主軸中心軸M上にはドローバー3が挿入配置されている。また、主軸1の基部1aには同様に筒形状の筒体5が摺動可能に覆設され、この筒体5と主軸基部1aの互いに係合する位置に図3に示すような溝カムが軸線Mに対して対称位置に2ヶ所形成されている。図3において、(a)は筒体5に形成された第1溝カム7を示し、(b)は主軸基部1aに形成された第2溝カム8を示し、矢印Zは主軸1の軸線方向(中心軸Mの方向)を示している。
【0009】
第1溝カム7は、主軸軸線Mに対して略60度傾斜させた第1直線部7aと略30度傾斜させた第2直線部7bとを連結して略へ字状に形成されている。また、第2溝カム8は、主軸軸線Mに平行に形成した直線部8aの一端に軸線方向に対して略85度傾斜した方向に形成した曲げ部8bを設けて形成されている。
【0010】
また、主軸1内に配置されたドローバー3の基端部である主軸基部1aの内部には同様に円筒状の移動部材としてのカラー9が外嵌されている。このカラー9は前後端部に軸受13,13を設けてドローバー3に装着され、ドローバー3の円周方向に回転可能に装着される。そして、第1溝カム7及び第2溝カム8内に挿入係合されて双方のカムの作用で移動するカムフォロア10を有している。
カムフォロア10は、棒状の軸体10a周囲に第1溝カム7と係合して回転移動する第1のローラ10b、及び第2溝カム8と係合して回転移動する第2のローラ10cを有し、双方の溝カム内をスムーズに移動するよう形成されている。
【0011】
また、14は駆動手段としてのエアシリンダであり、エアシリンダ本体14aは軸受15aを介して主軸1に回転自在に連結されている。そして、エアシリンダ14の出力軸14bは軸受15bを介して筒体5に回転自在に連結されている。
尚、主軸1と筒体5の間には、第1溝カム7及び第2溝カム8が互いに回転しないように、且つ主軸1の中心線方向に移動可能とするためのキー11が設けられている。
【0012】
次に、上記構成のチャック駆動装置の作用を説明する。エアシリンダ14の進退作用により筒体5及び主軸1は駆動されて主軸軸線Mの方向に相対移動する。尚、実際には主軸は軸線Mの方向に移動することがなく、筒体5のみ移動することになる。
この時、第1溝カム7に係合している第1のローラ10bは第1溝カム7にガイドされて移動するし、第2のローラ10cは第2溝カム8にガイドされて移動する。但し、第1及び第2のローラ10b,10cは軸体10aで連結されているので、第1溝カム7を有する筒体5と第2溝カム8を有する主軸1が相対的に移動する。
【0013】
こうして、カラー9が主軸円周方向に加えて主軸中心線方向に駆動され、軸受13を介してドローバー3を主軸中心線方向へ駆動する。そして、ドローバー3はチャック2の開閉駆動をする。
例えば、エアシリンダ14が伸長動作した場合、筒体5は主軸後方となる図示左方向に引張られる。そのためカムフォロア10は第1溝カム7内を図示右上方に移動すると共に、第2溝カム8内を図示右方に移動し、この作用で生ずる力がドローバー3に伝達される。
【0014】
このように構成することで、チャック2の爪がワークに接触するまでの低推力で動作可能な前半の範囲では、カムフォロア10は第1溝カム7の第1直線部7a、及び第2溝カム8の直線部8aに係合して移動するため、ドローバー3は主軸中心線方向に増力されずに駆動される。そして、後半部分の動作範囲では、カムフォロア10は第1溝カム7の第2直線部7b、及び第2溝カム8の曲げ部8bに係合して移動するため、カムフォロア10が第2溝カム8により螺旋状に駆動される。即ちチャック2の爪がワークに接触して保持力としてバネなどの弾性体、又は圧縮性流体等の変形、圧縮を生じせしめる高推力が必要となる動作範囲では、増力された中心軸方向の力がドローバー3に加わりチャック2に大きな把持力を発生させることができる。
【0015】
また、エアシリンダ14は図示されない主軸台本体からの回転止め支持され、主軸1が回転しても回転することがないので、エアシリンダを回転シリンダとする必要が無くなる。そのため、エアシリンダに替えて油圧シリンダを用いても良く、油圧の漏れ等の対策が必要なくなり、カムにより効果的に増力するので、高速且つ高圧のチャック駆動が可能となる。
【0016】
尚、上記駆動力増力機構はチャック駆動装置を例に説明したが、円筒以外の平板等に溝カムを設けて増力装置として用いることもでき、シリンダー等の駆動力を増力する機構として幅広く利用することができる。その際、溝カムの形状はへ字状である必要はなく、例えば3段に折曲げ形成しても良いし、大きくアールを設けて直線部同士を連結して形成することもでき、用途に応じて最適に設計すればよい。そうすることで、駆動力の増力を任意に変更できる。
また、上記実施形態では溝カムとカムフォロアの組を2つ設けているが、更に多く設けても良く、駆動手段の駆動力を分散でき、1個あたりのカムフォロアの負担を軽減できる。
【0017】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係る工作機械のチャック駆動装置によれば、第1及び第2溝カムを所定の形状に形成することで、駆動力の増力を任意に変更することが可能となり、例えばチャックの爪がワークに接触するまでは低推力で移動させ、チャックの爪がワークに接触して高推力を必要とする動作範囲では増力された力をドローバーに加えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の1例を示す工作機械のチャック駆動装置の説明図である。
【図2】 図1の要部拡大図である。
【図3】 (a)は第1溝カムの平面図である。
(b)は第2溝カムの平面図である。
【符号の説明】
1・・主軸、1a・・主軸基部、2・・チャック、3・・ドローバー、4・・駆動力増力機構、5・・筒体、7・・第1溝カム、7a・・第1直線部、7b・・第2直線部、8・・第2溝カム、8a・・直線部、8b・・曲げ部、9・・移動部材としてのカラー、10・・カムフォロア、14・・駆動手段としてのエアシリンダ。
Claims (1)
- 工作機械の主軸に装着されるチャックを開閉駆動するチャック駆動装置であって、
前記主軸に第1溝カムを設けた筒体を覆設すると共に主軸の前記第1溝カムに相対する位置に第1溝カムとは異なる形状の第2溝カムを設け、前記主軸内に配置されてチャックを引張り操作するためのドローバーにカラーを外嵌すると共に該カラーに前記第1溝カム及び第2溝カムの双方に係合して力を伝達するカムフォロアを設け、更に前記第1溝カムと第2溝カムとを主軸軸線方向に相対移動させるための駆動手段を有し、
該駆動手段が発生する一定の駆動力を第1溝カム及び第2溝カムに加えて、双方の溝カムから受ける力を前記カムフォロアに伝達して、前記カラーに対する駆動力を増力してドローバーのチャック引張り力を増力することを特徴とする工作機械のチャック駆動装置。
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