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JP4132943B2 - ポジ型感光膜形成方法 - Google Patents
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JP4132943B2 - ポジ型感光膜形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、近赤外波長域のレーザーに露光感応して該感応部が現像液に可溶になる近赤外波長域レーザー感応性を有するポジ型感光性組成物をグラビア印刷用の被製版ロールへ塗布して白化を生じずかつ残留溶剤を所要濃度以下としたポジ型感光膜を形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
グラビア印刷ロールの製版方法の一つとして、被製版ロールの硫酸銅メッキ面に感光膜を塗布形成しレーザーにより画像を焼き付けてから現像し食刻しレジスト剥離してクロムメッキする、いわゆるエッチング法が行なわれている。
従来のエッチング法では、被製版ロールにネガ型の感光膜を塗布し塗布膜を室温で乾固してネガ型感光膜とし、アルゴンイオンレーザーにより焼付けを行なっており、ポジ型感光膜を形成して近赤外波長域のレーザーにより焼付けすることは行なわれていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
アルゴンイオンレーザーと近赤外波長域のレーザーのビーム径が同じ大きさであるならば、レーザーの解像度は、ネガ型よりもポジ型の方が高解像度になる。
又、ポジ型感光性組成物(例えば、特開平10−26826、特開平10−90881、特開平10−161304、特開平11−231515)の感光膜を近赤外波長域のレーザーでポジ画像を焼き付ける方が、ネガ型感光性組成物の感光膜をアルゴンイオンレーザーでネガ画像を焼き付けるよりもパターンの切れが良い。
0004
そこで、グラビア印刷ロールの製版方法の一つとしてのエッチング法について、被製版ロールの硫酸銅メッキ面にポジ型感光性組成物の感光膜を塗布形成し近赤外波長域のレーザーでポジ画像を焼き付けてから現像し食刻しレジスト剥離してクロムメッキする改良をテストしたところ、近赤外波長域のレーザーでポジ画像を焼き付けることができない二つの問題点があることが分かった。
0005
一つは、ポジ型感光性組成物を塗布し塗布膜をドライヤーで乾かしてレーザー露光して現像したところ、現像ができたところとできなかったところとがあった。いろいろな温度で塗布膜を乾燥して現像を繰り返したところ、残留溶剤がおよそ4%であるときは近赤外波長域のレーザーでポジ画像を焼き付けることができず、残留溶剤がおよそ2%〜3%以下になるようにすると、近赤外波長域のレーザーでポジ画像を焼き付けられることが分かった。従って、バーニング処理を行なって残留溶剤がおよそ2%〜3%以下になるようにする必要があることが分かった。
0006
他の一つは、ポジ型感光性組成物を塗布し塗布膜をバーニング処理を十分に行なって残留溶剤がおよそ2%〜3%以下になるようにしても、うまく現像ができる場合と全く現像ができない場合とを生じた。毎日の実験の結果、晴れの日は現像がうまくいき、雨の日は現像が全くできなかった。
現像が全くできない日に形成した感光膜を調べたところ、白化現象を生じていることが判明した。
0007
白化現象は、分子の集まり方が密な部分(結晶部分)と疎の部分(非結晶部分)とからできている高分子の、非結晶部分がガラス転移点Tgよりも温度降下したときに吸湿して白色になりガラス化する現象であり、湿度が多い冷気中で起こりやすい。25℃の恒温室で被製版ロールに塗布したポジ型感光性組成物が白化現象を起こすのは、ポジ型感光性組成物に含まれる溶剤が塗布膜から潜熱を奪って蒸発し、塗布膜の非結晶部分がガラス転移点Tgよりも温度降下するとともに結露吸湿を行なうからと考えられる。
0008
そこで、製版室の湿度を40%以下に抑えることが白化現象を回避するために有効になるが、大形除湿装置の設備コスト・ランニングコストが極めて高くつき、大形除湿装置の設置スペースが必要になり既存の製版室では設置が困難である。
従って、大形除湿装置を設置しない他の解決方法が求められた。
0009
鋭意研究したところ、一つの解決法は、ポジ型感光性組成物を被製版ロールに塗布して蒸発面積を極大にしたときに溶剤の気化に伴う潜熱で塗布膜の温度をガラス転移点以下に温度降下させないようにすることが考えられた。具体的には、IPA等の蒸発速度が速く蒸発潜熱量が大きい溶剤の割合を少なくして蒸発速度が小さく蒸発潜熱量が小さい低沸点溶剤を混合することが考えられた。又、この低沸点溶剤は、水分を寄せない性質が必要であると考えられた。又、低沸点ポリマー又は低沸点可塑剤を所要割合含有させてガラス転移点を下げた改質したポジ型感光性組成物の使用が考えられた。
0010
そこで、低沸点溶剤を混合したポジ型感光性組成物を処方して感光膜の形成を行ない、現像したところ、良好な現像ができた。低沸点ポリマーを所要割合含有させてガラス転移点を下げた改質したポジ型感光性組成物の使用した場合でも良好な現像ができた。さらに、低沸点可塑剤を所要割合含有させてガラス転移点を下げた改質したポジ型感光性組成物の使用した場合でも良好な現像ができた。
0011
低沸点溶剤を混合したポジ型感光性組成物を処方して感光膜の形成を行ない、現像するテストを繰り返したところ、一日の塗布作業の開始の一本目の被製版ロールの感光膜の露光・現像は良好であったが、二本目以降は露光・現像が次第に悪くなり、数本目以降は、悪い状態に落ち着いてしまうことが分かった。
丹念に調べたところ、一日の塗布作業の開始の一本目の被製版ロールの感光膜には白化が起きていないが、二本目の被製版ロールでは塗り終わり近くで感光膜に白化が起きており、三本目以降の被製版ロールでは白化が起きている幅が次第に大きくなっていたことが分かった。
0012
いずれの被製版ロールについてもバーニング処理を必要十分に行なっているので、原因は白化現象と考えられた。
ポジ型感光性組成物を貯留するタンクの蓋を閉めて暫く時間を置いて、塗布作業を再開すると、やはり前記と同様に、一本目と二本目と三本目の被製版ロールとで前記と同様に白化現象が生ずる差異があることが分かった。
0013
このことから、ポジ型感光性組成物を貯留するタンクの蓋を開けて塗布作業を行なうと、塗布ロールに付着したポジ型感光性組成物の溶剤が塗布ロールから潜熱を奪って蒸発し、温度低下する塗布ロールとタンク内に貯留されるポジ型感光性組成物との間で熱交換が行なわれ、次第に、タンク内に貯留されるポジ型感光性組成物の温度が下がっていき、該温度降下したポジ型感光性組成物が塗布ロールの表面に付着して被製版ロールに塗布されロール表面で溶剤が蒸発するときには、塗布膜の温度がガラス転移点Tgよりも下がることが原因であると考えられた。
0014
そこで、幾つかの解決法を試みた。ロールを30℃に温めてポジ型感光性組成物を塗布したところ白化現象が生じなかった。又、タンクを保温材で覆いかつタンクをヒータで温めポジ型感光性組成物の温度を25℃に保持したところ白化現象が生じなかった。いずれの場合も、露光・現像が良好に行なわれた。
そして、冬の寒気の時期を考えて、塗布装置で良好に塗布したロールを取出してバーニング処理を行なう前に冷気に触れさせたところ、白化現象が生じたことが分かった。
0015
本願発明は、上述した点に鑑み案出したもので、近赤外波長域のレーザーに露光感応して該感応部が現像液に可溶になる近赤外波長域レーザー感応性を有するポジ型感光性組成物をグラビア印刷用の被製版ロールに塗布して該塗布膜をバーニングするもので、塗布工程、並びに塗布工程とバーニング工程との間で、ポジ型感光性組成物の溶剤の気化に伴う潜熱で塗布膜の温度をガラス転移点以下に温度降下させないようにするので、製版室に大形除湿装置を設備して湿度を大幅に下げることをしなくても白化が生じないとともに、残留溶剤を所要濃度以下になり近赤外波長域のレーザーにより露光感応し得る良好なポジ型感光膜を形成することができる、ポジ型感光膜形成方法を提供することを目的としている。
0016
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、近赤外波長域のレーザーに露光感応して該感応部が現像液に可溶になる近赤外波長域レーザー感応性を有するポジ型感光性組成物をグラビア印刷用の被製版ロールに対して回転接触する塗布ロール、又は、一定ギャップを保って回転するノンインパクト塗布ロール、又はキスコーター等の塗布手段により塗布して白化が生じないポジ型感光膜を形成する方法であって、(a)タンク内に貯留されるポジ型感光性組成物を所要温度に温めること、(b)塗布ロールを熱線で所要温度に温めること、及び(e)被製版ロールを所要温度に温めることの少なくともいずれか1つを行なうことにより、ポジ型感光性組成物を塗布膜の温度がガラス転移点以下に温度降下しないように被製版ロールに均一に塗布し、引き続いて、塗布膜の温度をガラス転移点以下に温度降下させることなく該塗布膜をバーニングして残留溶剤が近赤外波長域のレーザーがポジ型感光膜を露光感応させ得る濃度以下になるように乾固することを特徴とするポジ型感光膜形成方法を提供するものである。
0017
請求項2に記載の発明は、被製版ロールへのポジ型感光性組成物の塗布は、被製版ロールを出し入れできる開閉自在な扉を有する密閉形でありかつ可燃気体を排気し得るケーシング内に装備された塗布手段により行ない、被製版ロールに塗布した塗布膜のバーニングは、同塗布手段に取着される被製版ロールに対応して近接するように装備されたバーニング用ヒーターによりポジ型感光性組成物の塗布が完了後にかつ防爆条件を整えてから行なうことを特徴とする請求項1に記載のポジ型感光膜形成方法を提供するものである。
0018
請求項3に記載の発明は、被製版ロールへのポジ型感光性組成物の塗布は、ポジ型感光性組成物の溶剤の気化に伴う潜熱で塗布膜がガラス転移点以下に温度降下しないように被製版ロールの雰囲気を所要温度に保つか、及び/又は、被製版ロールの温度を上げた条件下で行なうことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のポジ型感光膜形成方法を提供するものである。
0019
【発明の実施の形態】
本願発明は、近赤外波長域のレーザーに露光感応して該感応部が現像液に可溶になる近赤外波長域レーザー感応性を有するポジ型感光性組成物をグラビア印刷用の被製版ロールへ塗布して白化を生じずかつ残留溶剤を所要濃度以下としたポジ型感光膜を形成する方法である。
0020
本願発明は、ポジ型感光性組成物を被製版ロールに塗布して該塗布膜をバーニングするもので、塗布工程、並びに塗布工程とバーニング工程との間で、ポジ型感光性組成物の溶剤の気化に伴う潜熱で塗布膜の温度をガラス転移点以下に温度降下させないようにするとともに、バーニングして近赤外波長域のレーザーにより露光感応し得るように残留溶剤を所要濃度以下にして乾固したポジ型感光膜を得るものである。
0021
ポジ型感光性組成物を被製版ロールに塗布する方法は、公知の方法を採用できる。
一応説明すると、被製版ロールへのポジ型感光性組成物の塗布は、塗布装置に被製版ロールを水平にして両端チャックして低速回転させると共に、被製版ロールの下側を該被製版ロールの一端に対応して上昇して所要接近してから他端へ移動しうるタンクに付設された塗布ロール(スポンジロール)をタンクに貯留するポジ型感光性組成物に一部浸漬して回転させるとともに被製版ロールに弾力的に極めて軽く接触させて被製版ロールの一端から他端へ移動させてポジ型感光性組成物の塗布を行なう。
又、塗布ロールは電歪アクチュエータ或いはボイスコイル等の駆動により被製版ロールに対して極めて小さいギャップを維持するように浮動的に近接制御して被製版ロールへの塗布を行なうようにしても良い。
0022
ポジ型感光性組成物は、例えば、特開平10−26826、特開平10−90881、特開平10−161304、特開平11−231515に開示され販売されているポジ型感光性組成物の溶剤を水分を寄せない性質を有する低沸点溶剤で置き換えて建浴することが白化防止に大きな効果がある。IPAに替わる低沸点溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテルやノルマルプロパノール等を用いると、蒸発潜熱量が小さくなり、塗布膜の温度降下が小さく結露吸湿が減少する効果がある。
又、分子量が大きく低沸点である、ポリマー例えばフェノールノボラック変性樹脂又は可塑剤例えばフタル酸エステルを所要割合含有させてガラス転移点を下げた改質したポジ型感光性組成物を使用することが白化防止に大きな効果がある。
0023
塗布と塗布膜を加熱乾固するバーニングは、被製版ロールを出し入れできる開閉自在な扉を有する密閉形であるケーシング内で行なわれ、塗布工程とバーニング工程との間では、被製版ロールを出し入れが行なわれないことが好ましい。
このため、ケーシングを構成する側面パネル又は底面パネルを密閉形のヒータで加熱し温度制御してケーシング内の雰囲気をポジ型感光性組成物中の溶剤に対して爆発の危険がない所要の温度に制御できるケーシングを構成して、ケーシング内にロールチャック回転手段と塗布装置とバーニング用ヒーターを装備し、被製版ロールへのポジ型感光性組成物の塗布に際して、ポジ型感光性組成物の溶剤の気化に伴う潜熱で塗布膜がガラス転移点以下に温度降下しないように被製版ロールの雰囲気を所要温度に保てるようにするのが良い。
なお、被製版ロールについて所要温度になるように予熱して、このましくは30℃位に予熱してケーシング内に収容することが白化現象を回避する上で好ましい。
0024
ロールチャック回転手段は、前記ケーシング内に左右配置に二基備えられ、各一基に二本の被製版ロールを水平に両端チャック自在でありかつ所要低速回転自在であることが好ましい。そして、被製版ロールは、ポジ型感光性組成物の塗布膜がガラス転移点以下に温度降下しないように所要温度、例えば、30℃になるように予熱しておいて、産業ロボットで水平に両端チャックして全面パネル上部の扉を下降し該扉開口を通してケーシング内に収容しロールチャック回転手段にチャックさせるのが好ましい。
0025
塗布装置は、ロールチャック回転手段がケーシング内に左右配置に二基備えられるときはケーシング内の左右配置に取着される二本の被製版ロールに共通の塗布装置となる。
なお、ロールチャック回転手段が一基備えられていても良い。
0026
図1は、本願発明のポジ型感光膜を形成する方法を実施するためのポジ型感光膜形成装置の正面図を示す。
0027
ケーシング1は、全面上部にロール出し入れ用開口1a,1aを有し上昇してロール出し入れ用開口1a,1aを閉じるロール出し入れ用扉2,2を有し、さらに、開扉時に駆動装置(図示しない)により上昇されて戸袋壁1b内に収容され戸袋壁1bの下側を塗布装置の通過を許し、又、閉扉時に下降されて内部空間を左右に仕切る昇降扉3を備えている。ケーシング1は、ケーシング上面の左端及び右端に連通して備える排気ダクト4,4を介してケーシング内の気体を排ガス回収装置(図示しない)に回収されるようになっている。ケーシング上面の中央部に連通するように備えられた給気ダクト5から戸袋壁1b内へ暖気の給送が行なわれるようになっており、戸袋壁1b内の暖気は二重壁構造の昇降扉3の両側の耐熱性メッシュ材3aを通流してケーシング内の左側空間と右側空間に流れ込むようになっていて、左側空間と右側空間との間を引火性ガスが通流しないようにして防爆を行なうようになっている。
0028
ケーシング1内の左側空間と右側空間にはロールチャック回転手段6が各一基備えられ、共通の塗布装置7がレール8上を走行してケーシング1内の左側空間と右側空間を往復動自在に装備されている。
0029
ロールチャック回転手段6は、モータ(図示しない)により回転駆動される駆動側チャック6aと、可動テーブル(図示しない)に設けられロール長さに対応して移動しテイルチャック6bとで100φmm×800mm〜300φmm×2000mmの大きさの被製版ロールRをチャックすることができ所要低速度で回転するようになっている。
0030
塗布装置7は、ロールチャック回転手段6にチャックされた被製版ロールRに沿ってその下側を往復走行する走行台車7aと、走行台車上に装備された昇降テーブル7bと、昇降テーブル上に装備され溢流方式でポジ型感光性組成物の液面レベルが一定になるように管理されるタンク7cと、走行台車上に装備されポジ型感光性組成物を貯留していて前記タンク7cへポンプ補給するとともに溢流液を受け入れる補助タンク7dと、タンク7cの上面の蓋を横へスライドさせると露出するようになっていてタンク7cに貯留されるポジ型感光性組成物に一部浸漬して回転自在である塗布ロール7eとからなる。タンク7cに貯留されるポジ型感光性組成物は、タンク7cが図示しない保温材で覆われかつ内部に挿入されたヒーター7fで時間を間欠して温められ、待機時及び塗布時を通じて一定温度、例えば25℃にほぼ安定するように温度制御される。
0031
塗布ロール7eは、バネで数mm持上げられていて、回転軸心が被製版ロールRの回転軸心に対して平面方向に見て直角方向に相違していて塗布時の走行台車7aの走行方向に向かってアップ回転するように塗布回転するようになっており、ロールチャック回転手段6に取着されて回転される被製版ロールRの一端下面に弾力的に極めて軽く接触されてポジ型感光性組成物の塗布を行なうようになっている。又、塗布ロール7eは、タンク7cの蓋を開けたときに放射を開始する図示しない遠赤外線等の熱線をロール上部に照射されて25℃付近に温められるようになっている。
ロールチャック回転手段6は、塗布装置7が塗布を終了しても回転を停止せずバーニングが終了するまで被製版ロールを回転し続ける。
0032
バーニング用ヒーターは、ケーシング1内に左右配置に取着される二本の被製版ロールR,Rに各別に対応してロールの上面側を筒面状に覆うように装備される。
バーニング用ヒーターは、100φmm×800mm〜300φmm×2000mmの大きさの被製版ロールに対して汎用性を持たせるために、駆動側チャック寄りのバーニング用ヒーター9aと可動側チャック寄りのバーニング用ヒーター9bとで分割構成される。駆動側チャック寄りのバーニング用ヒーター9aはロール径に合わせて接近離隔調整自在であり、可動側チャック寄りのバーニング用ヒーター9bはロール径に合わせて接近離隔調整自在であるとともにロール長さに応じてロール長さ方向に移動調整自在である。
0033
ケーシング1内は、加熱気体が給気ダクト5から昇降扉3の両側の耐熱性メッシュ材3aを通流してケーシング内の左側空間と右側空間に流れ込むとともに、排気ダクト4,4を介して排気されることで、左側空間と右側空間との間の引火性ガスの通流が皆無であり、昇降扉3に関してケーシング内の一方の側では塗布を行ない、他方の側ではバーニングを行なっても、扉が極めて安全なる防爆機能を果たすことができる。
0034
昇降扉3で左右に画されるケーシング1内の左側空間と右側空間に装備されるバーニング用ヒーター9a,9bは、共通の塗布装置7が反対側の空間に移動し、そして、昇降扉3が閉扉しかつ湿気がない加熱気体(例えば30℃)が昇降扉3のメッシュ材3aから両側の空間へ通風された後に、給電されて放熱を開始し、被製版ロールのポジ型感光性組成物の塗布膜を所要温度に加熱し乾固して残留溶剤がおよそ2%以下になるようにして近赤外波長域のレーザーでポジ画像を焼き付けることができるポジ型感光膜を形成できるようになっている。
0035
具体的には好ましいバーニング温度は130℃付近であり、130℃付近でバーニングすると残留溶剤がおよそ2%以下になることが分かり、ポジ型感光膜に830nmmの近赤外波長域のレーザーでポジ画像を焼き付けることができ、現像が良好に行なえることが分かった。
0036
図示しないが、ケーシング内に装備されるロールチャック回転手段にチャックされる被製版ロールにバーニングを完了した後に湿度が例えば20%以下に抑えた冷却風を被製版ロールに吹き付けるようになっている。
これによって、感光膜が形成された被製版ロールを直ぐに現像処理に回すことができるとともに、ロール冷却装置及びその設置スペースを別途に設けることを省略できるメリットがある。
0037
上記の実施の形態は、同一のケーシング内に被製版ロールRを左右配置にチャックして共通の塗布装置7により塗布を行ない、昇降扉3を閉扉し加熱気体が昇降扉3の耐熱性メッシュ材3aから両側の空間へ通風して防爆を図ってからバーニングを行なうもので、この場合には、塗布装置7の可動率を100%近くまで高められることになる。又、上記の実施の形態は、別途にバーニングを行なうスペースを省略できるメリットがある。
0038
これに対して、ケーシング内に一本の被製版ロールをチャックして塗布装置により塗布を行ない、バーニングを別途の装置で行なわない場合では、塗布工程とバーニング工程との間に、塗布装置の位置で室温での乾固工程を行なって塗布膜のダレを回避しなければならないから、塗布後の室温での乾固時間が塗布時間よりも多くかかり、塗布装置の可動率を50%未満となる。又、この場合には、塗布工程からバーニング工程へ移行するための搬送工程で白化が起こりうる惧れがある。
0039
本願発明は、昇降テーブル7bをフローティング制御して塗布ロール7eと被製版ロールRとの間を極めて小さい一定ギャップ、例えば60μmmとなるように近接させて被製版ロールの一端から他端へ移動させてポジ型感光性組成物の塗布を行なうようにしても良い。
0040
なお、ロールチャック回転手段6がケーシング1内に一基のみ装備されている場合には、ケーシング内の一側の待機位置に塗布装置7が移動してタンク7cの蓋が閉じて扉が閉じて塗布装置を待機位置に密閉して防爆が図れるようにする。
0041
【発明の効果】
請求項1に記載のポジ型感光膜形成方法によれば、近赤外波長域のレーザーに露光感応して該感応部が現像液に可溶になる近赤外波長域レーザー感応性を有するポジ型感光性組成物をグラビア印刷用の被製版ロールに塗布して該塗布膜をバーニングするもので、塗布工程、並びに塗布工程とバーニング工程との間で、ポジ型感光性組成物の溶剤の気化に伴う潜熱で塗布膜の温度をガラス転移点以下に温度降下させないようにするので、製版室に大形除湿装置を設備して湿度を大幅に下げることをしなくても白化が生じないとともに、残留溶剤を所要濃度以下になり近赤外波長域のレーザーにより露光感応し得る良好なポジ型感光膜を形成することができる。
0042
請求項2に記載のポジ型感光膜形成方法によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、塗布と加熱乾固を単一のケーシング内で行なうことで塗布工程とバーニング工程との間で白化現象が起こる要因が皆無であり、防爆の危険がなくポジ型感光膜を良好に形成することができる、という効果を有する。
0043
請求項3に記載のポジ型感光膜形成方法によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加えて、塗布工程において白化現象が起こる要因が皆無になり、ポジ型感光膜を良好に形成する確率が一層高まる、という効果を有する。
0044
さらに、請求項1ないし請求項3に記載のポジ型感光膜形成方法によれば、白化現象が生じていないポジ型感光膜を形成できるから、ポジ型感光性組成物用現像剤で現像したときに良好な現像が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明のポジ型感光膜を形成する方法を実施するためのポジ型感光膜形成装置の正面図を示す。
【符号の説明】
R・・・被製版ロール、1・・・ケーシング、1a・・・ロール出し入れ用開口、1b・・・戸袋壁、2・・・ロール出し入れ用扉、3・・・昇降扉、3a・・・耐熱性メッシュ材、4,5・・・排気ダクト、6・・・給気ダクト、6・・・塗布装置、6a・・・駆動側チャック、6b・・・テイルチャック、7・・・塗布装置、7a・・・走行台車、7b・・・昇降テーブル、7c・・・タンク、7d・・・補助タンク、7e・・・塗布ロール、7f・・・ヒーター、8・・・レール、9a,9b・・・バーニング用ヒーター

Claims (3)

  1. 近赤外波長域のレーザーに露光感応して該感応部が現像液に可溶になる近赤外波長域レーザー感応性を有するポジ型感光性組成物をグラビア印刷用の被製版ロールに対して回転接触する塗布ロール、又は、一定ギャップを保って回転するノンインパクト塗布ロール、又はキスコーター等の塗布手段により塗布して白化が生じないポジ型感光膜を形成する方法であって、
    (a)タンク内に貯留されるポジ型感光性組成物を所要温度に温めること、
    (b)塗布ロールを熱線で所要温度に温めること、及び
    (e)被製版ロールを所要温度に温めること
    の少なくともいずれか1つを行なうことにより、ポジ型感光性組成物を塗布膜の温度がガラス転移点以下に温度降下しないように被製版ロールに均一に塗布し、引き続いて、塗布膜の温度をガラス転移点以下に温度降下させることなく該塗布膜をバーニングして残留溶剤が近赤外波長域のレーザーがポジ型感光膜を露光感応させ得る濃度以下になるように乾固することを特徴とするポジ型感光膜形成方法。
  2. 被製版ロールへのポジ型感光性組成物の塗布は、被製版ロールを出し入れできる開閉自在な扉を有する密閉形でありかつ可燃気体を排気し得るケーシング内に装備された塗布手段により行ない、被製版ロールに塗布した塗布膜のバーニングは、同塗布手段に取着される被製版ロールに対応して近接するように装備されたバーニング用ヒーターによりポジ型感光性組成物の塗布が完了後にかつ防爆条件を整えてから行なうことを特徴とする請求項1に記載のポジ型感光膜形成方法。
  3. 被製版ロールへのポジ型感光性組成物の塗布は、ポジ型感光性組成物の溶剤の気化に伴う潜熱で塗布膜がガラス転移点以下に温度降下しないように被製版ロールの雰囲気を所要温度に保つか、及び/又は、被製版ロールの温度を上げた条件下で行なうことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のポジ型感光膜形成方法。
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