JP4132982B2 - Dlc膜コーティングプラスチック容器の製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は内壁面をダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜でコーティングされたプラスチック容器の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチック容器の内壁面に炭素膜をコーティングする炭素膜コーティングプラスチック容器の製造装置が特開平8−53117号公報に開示されている。
図8に示すようにこの装置は、容器を収容するために形成され収容される容器120の外形とほぼ相似形の空所を有する中空状の外部電極112と、この外部電極の空所内に容器が収容された際にこの容器の口部が当接されるとともに外部電極を絶縁する絶縁部材111と、接地され外部電極の空所内に収容された容器の内側に容器の口部120Aから挿入される内部電極116と、外部電極の空所内に連通されて空所内の排気を行なう排気手段115と、外部電極の空所内に収容された容器の内側に原料ガスを供給する供給手段117と、外部電極に接続された高周波電源(RF電源)114とを備える。同装置は、外部電極と内部電極間でプラズマを発生させるプラズマCVD法により炭素膜を成膜する。
【0003】
同装置の内部電極は、接地され外部電極の空所内に収容された容器の内側に容器の口部から挿入される。原料ガスは、内部電極と兼用されるガス導入管を通して容器内の底部付近で吹き出したあと、胴部、肩部、開口部へと流れて容器外に排出されて空所外へ排気される。このように容器内部にまで挿入された内部電極と容器周囲に配置され高周波が印加される外部電極間で電位差が発生し、容器内を流れる原料ガスが励起されてプラズマが発生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
同装置では内部電極が容器内部まで挿入されるため外部電極と内部電極との距離が短く、容器内でプラズマが安定して着火する。しかし、内部電極が原料ガス系プラズマ発生領域内に完全に入ってしまい、内部電極の外表面に原料ガスの分解により発生するダストが付着する。しかも、容器内を流れる原料ガスは容器肩部において容器縦軸に対する横断面の断面積が急激に小さくなることにともなって、肩部においてガス圧が高くなりプラズマ密度も高くなる。これにより、密度の高いプラズマにさらされる容器肩部付近の内部電極の外表面には特に多くのダストが付着する。
【0005】
したがって、同装置はコーティング処理回数が少ないうちは安定してプラズマが放電するものの、コーティング処理を繰り返していくと内部電極にダスト堆積し、内部電極の機能低下をきたしてプラズマの着火及び放電が不安定となる。このような状態となるとDLC膜を成膜することができなくなる。よって、プラズマ着火不全及び不安定な放電の発生を防止するために、コーティング処理を一定回数行なった後、内部電極に付着したダストを除去する清掃工程を設けなければならない。しかし、内部電極にダストが付着する構成を有する同装置では頻繁に清掃工程を行なう必要があり、生産効率の向上が望めなかった。以上のことから、安定なプラズマ放電が得られる外部電極と内部電極とが相互に近距離である構造とダスト付着問題は切り離すことができず、これら両方を両立して解決する技術はなかった。なお、内部電極を有する従来型装置で製造したDLC膜コーティングプラスチック容器と同等の酸素バリア性を確保しなければならないことはいうまでもない。
【0006】
本発明は、電極を容器内部に配置する内部電極とするのではなく、容器側電極に対向する口側電極を容器外部に配置することにより、プラズマを安定して着火させ且つ放電を持続させるとともに同時に口側電極のダスト付着を防止することを目的とする。これらを両立することにより清掃工程の低減を図り、装置稼働率の向上を実現することが可能となる。
【0007】
また本発明は、プラズマ放電を特に安定させる口側電極構造を提案することを目的とする。同時に、容器側面の円周方向における成膜分布をより均一にすることを目的とする。なぜなら、従来装置の内部電極はその中心軸と容器の中心軸とを一致させるように配置されるが、微妙な機械加工誤差によりこれらの軸が不一致の場合、容器側面の円周方向についてプラズマ密度の分布のムラが生じて、容器側面の円周方向において微妙に膜ムラ(色ムラ)があったためである。
【0008】
さらに、本発明は、プラズマ放電を特に安定させるために口側電極或いは環状の終端或いは管状の終端の好ましい配置場所を提案するものである。
【0009】
また本発明は、プラズマの着火及び持続した放電を阻害せず且つプラズマ領域中にあっても破損しない原料ガス導入管として最適なものを提案することを目的とする。
【0010】
本発明は、原料ガス導入管を容器の胴部から底部に至る深さまで挿脱自在に配置して、原料ガス導入管の吹き出し口から排気口に至るまで淀みなく原料ガス流束を形成させて容器の内壁面全体にわたって原料ガスを行き渡らせてDLC膜を均一に成膜させることを目的とする。
【0011】
本発明は、原料ガス導入管挿脱手段を備えることで、容器内部へ原料ガスを均一に行き渡らせることを確保しつつ原料ガス導入管へのダスト付着防止を図ることを目的とする。すなわち、口側電極にはダストが付着しない構造としているため、この原料ガス導入管挿脱手段の導入により原料ガス導入管の清掃工程の不要とすることを目的とする。
【0012】
本発明は、特に飲料用容器であるDLC膜コーティングプラスチック容器の製造装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、内部電極に付着するダストによってプラズマ着火及び放電持続性が不安定となることを防止するため、容器内部に内部電極を設けるのではなく、容器外部に容器側電極に対向した口側電極を設けることで上記の課題が解決できることを見出した。すなわち、本発明に係るDLC膜コーティングプラスチック容器の製造装置は、プラスチック容器を収容する減圧室の一部を形成する容器側電極と前記プラスチック容器の開口部上方に配置する口側電極とを減圧室の一部を形成する絶縁体を介して対向させるとともに、プラズマ化して前記プラスチック容器の内壁面にダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜をコーティングするための原料ガスを供給する原料ガス供給手段が前記減圧室まで供給した該原料ガスを前記プラスチック容器の内部まで導入する絶縁材からなる原料ガス導入管を前記減圧室に設け、該減圧室内のガスを前記プラスチック容器の開口部上方から排気する排気手段を設け、且つ前記容器側電極に高周波を供給する高周波供給手段を接続したことを特徴とする。
【0014】
請求項1記載のDLC膜コーティングプラスチック容器の製造装置において、前記プラスチック容器の開口径とほぼ同一の内口径の環状部を備えた前記口側電極は、該環状部の終端の開口部が前記プラスチック容器の開口部に対して同軸上に整合し且つ前記プラスチック容器の開口部の近傍に配置するように形成することが好ましい。
【0015】
請求項1記載のDLC膜コーティングプラスチック容器の製造装置において、前記口側電極は前記減圧室の天頂部から前記プラスチック容器の開口部上方まで管状に垂下させる如く形成し、該管状内に前記原料ガス供給手段が供給した前記原料ガスを導入せしめるとともに、前記管状の終端を前記原料ガス導入管に接続することが好ましい。
【0016】
請求項1記載の口側電極、請求項2記載の環状部の終端或いは請求項3記載の管状の終端は、前記排気手段の作動により前記プラスチック容器の開口部近傍から前記減圧室の排気口までに形成されるガス流束と接触していることが好ましい。
【0017】
請求項1、2、3又は4記載のDLC膜コーティングプラスチック容器の製造装置において、前記原料ガス導入管は、絶縁性及びプラズマに耐えうる程度の耐熱性とを有するフッ素樹脂等の樹脂材料により形成するか或いは絶縁性のアルミナ等のセラミック材料により形成することが好ましい。
【0018】
請求項1、2、3、4又は5記載のDLC膜コーティングプラスチック容器の製造装置において、前記原料ガス導入管は、前記プラスチック容器の開口部を通して胴部から底部に至る深さまで挿脱自在に配置することが好ましい。
【0019】
請求項1、2、3、4、5又は6記載のDLC膜コーティングプラスチック容器の製造装置において、前記原料ガスを導入する時には前記プラスチック容器内に前記原料ガス導入管を該プラスチック容器に挿入状態とし、プラズマを着火する時には前記原料ガス導入管を前記プラスチック容器から離脱状態とする原料ガス導入管挿脱手段を備えることが好ましい。
【0020】
請求項1、2、3、4、5、6又は7記載のDLC膜コーティングプラスチック容器の製造装置において、前記プラスチック容器は、飲料用容器であることが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について実施形態を示しながら詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。
【0022】
まず、図1〜7を参照しながら本発明に係るDLC膜コーティングプラスチック容器の製造装置の構成を説明する。なお、図において同一部材は同一の符号を附した。図1は本製造装置の概略構成図である。図1〜7において減圧室については断面概略図である。図1に示すように本製造装置は、プラスチック容器7を収容する減圧室6の一部を形成する容器側電極3と、プラスチック容器7の開口部10の上方に配置する口側電極5とを、減圧室6の一部を形成する絶縁体4を介して対向させるとともに、プラズマ化してプラスチック容器7の内壁面にDLC膜をコーティングするための原料ガスを供給する原料ガス供給手段18が減圧室6まで供給した原料ガスをプラスチック容器7の内部まで導入する絶縁材からなる原料ガス導入管9を減圧室6に設け、減圧室6内のガスをプラスチック容器7の開口部10の上方から排気する排気手段21を設け、且つ容器側電極3に高周波を供給する高周波供給手段14を接続する。
【0023】
容器側電極3は、上部電極1と、上部電極1に対して着脱可能とされた下部電極2により構成される。上部電極1と下部電極2との間にはOリング8が配置されており、気密性が確保されている。また、上部電極1と下部電極2は容器側電極として一体となるように導通状態としている。容器側電極3を上部電極1と下部電極2に分割して構成したのは、プラスチック容器7を容器側電極3内に収容するために収容口を設けるためである。図1では上下に2分割したが、容器を収容するために上中下の3分割に分割しても良いし、縦割にしても良い。図1に示した容器側電極3は、容器の口部を除いて容器を収容する形状をとる。この理由は口部の内壁面にDLC膜の成膜を低減するためである。したがって、口部の内壁面にDLC膜を成膜する場合には、容器全体を収容する形状としてもよい。また、成膜部位を調整するために、容器の口部及び首部の一部を除いて容器を収容する形状をとっても良い。また、容器側電極3が容器を収容する空所の内壁は、図1では容器の外壁と空所の内壁とがほぼ接するように相似形としたが、容器側電極に高周波を供給したときに容器内壁の各箇所に適切な自己バイアス電圧をかけることができれば、図2若しくは図4に示すように必ずしも相似形とする必要はない。図2及び図4は容器首部外壁と容器側電極との内壁に隙間を設けている。
【0024】
口側電極5は容器側電極3と対向する電極である。したがって、口側電極5と容器側電極3とは絶縁状態とする必要があるので、絶縁体4がこれらの電極の間に設けられる。口側電極5は、容器の開口部10の上方に位置するように配置される。このとき、口側電極5の全体若しくは一部は、容器の開口部10の近傍(直上)に配置することが好ましい。容器側電極3との距離を近づけるためである。そして、口側電極5の形状は自由にとることが可能であるが、図1に示すように口側電極は、プラスチック容器7の開口径とほぼ同一の内口径の環状部11を備えることが好ましい。この口側電極は、環状部11の終端の開口部がプラスチック容器7の開口部10に対して同軸上に整合し且つプラスチック容器7の開口部10の近傍に配置するように形成することが好ましい。環状としたのは、口側電極により排気抵抗が増加することを防止できるからである。なお、口側電極5は接地することが好ましい。
【0025】
本発明においては、図3に示すように、口側電極5は減圧室の天頂部からプラスチック容器7の開口部10上方まで管状5aに垂下させる如く形成し、管状5a内に原料ガス供給手段18が供給した原料ガスを導入せしめるとともに、管状5aの終端5bを原料ガス導入管9に接続してもよい。このとき、管状5aの終端5bは、プラスチック容器7の開口部10の近傍(直上)に配置されることが好ましい。図3の場合、終端5bは管状と原料ガス導入管と接合する継ぎ手となる。このような構造とすることで開口部10の近傍に口側電極を近づけつつ、管状5aを原料ガス導入管の一部として機能させることができる。なお、環状部11の配置で説明したことと同様に、管状5aの軸心は容器軸心と一致させることが好ましい。容器内に発生するプラズマの偏心を防止し、容器円周方向のプラズマ強度を均一化するためである。
【0026】
図1の口側電極又は環状部11の終端或いは図3の管状の終端は、排気手段21の作動によりプラスチック容器7の開口部10近傍から減圧室6の排気口23までに形成されるガス流束と接触していることが好ましい。このガス流束は図5において矢印で示すように容器内部及び空間40内で形成されると考えられる。このガス流束と口側電極或いは管状の終端とを接触させることにより、プラズマの着火を容易とし放電を安定させることができる。このようにプラズマの着火及び放電が安定化するのは、本発明者らはこのプラズマ化したガス流束が導電体となるからと考える。ここで空間40はガス流束が形成されない、所謂淀みを発生させない形状とすることが好ましく、淀みのない形状とすることにより口側電極或いは管状の終端の配置可能領域を広げることが可能となる。
【0027】
図8のような従来の容器内部まで内部電極を挿入していた装置と比較して、本装置では容器の開口部上方に口側電極を容器側電極の対向電極として配置する。本発明は、容器内部に配置する内部電極ではなく、容器の開口部上方に配置する口側電極とすることでもプラズマの着火及び放電持続を可能とした。口側電極と容器側電極との距離が長くてもプラズマ化するガスが減圧下で連続体として存在すればプラズマ着火する。そこで容器開口部から排出されたばかりの依然としてガス圧が高くプラズマ密度も高い原料ガス系プラズマが存在する開口部上方に口側電極を配置することにより、プラズマの放電を持続させ、しかも特に首部の放電均一性を高めることを可能とした。口側電極がプラズマ領域内に完全に包含されないのでダストの付着が少なく、従来の装置が約1000回で放電が不安定になったのに対して、本発明の装置では約20000回放電を行なってもプラズマの着火及び放電の持続性は依然として安定していた。したがって、電極の清掃工程を行なう間隔を伸ばすことができ、装置の稼働率を向上させることができた。
【0028】
また、口側電極を図1の環状部11或いは図3の管状とすることで、容器側面の円周方向において、装置の機械的誤差を緩和してプラスチック容器内のプラズマ放電の分布ムラを少なくすることができ、特に首部の膜分布のムラ(膜厚、色度のムラ)を低減することが可能である。
【0029】
なお、容器側電極及び口側電極の材質は、ステンレス(SUS)又はアルミが好ましい。
【0030】
絶縁体4の役割は口側電極5と容器側電極3とは絶縁状態とすることであるが、減圧室6の一部を形成する役割もある。絶縁体は例えばフッ素樹脂で形成する。減圧室6は、容器側電極3、絶縁体4及び口側電極5を互いに気密的に組みたてることにより形成する。すなわち、容器側電極3と絶縁体4との間にはOリングが配置して気密性を確保している。また、絶縁体4と口側電極5との間にもOリング(不図示)を配置して気密性を確保している。図1の装置では、絶縁体4の上部に口側電極5を設置した構造としているが、口側電極5は容器側電極3に対応する対向電極となればその大きさは自由とすることができるため、図1に示す絶縁体4と口側電極5とからなる部材の大きさは一定としつつ、絶縁体を大きく形成してその大きくした分だけ口側電極を小さくしても良い。あるいは絶縁体をほぼ絶縁のみの役割を担わせる程度に小さく形成してその小さくした分だけ口側電極を大きくしても良い。絶縁体4と口側電極5とからなる部材の内部には、空間40が形成されており、この空間40はプラスチック容器7の内部空間とともに減圧空間を形成する。減圧室6はこの減圧空間を形成する。
【0031】
原料ガス導入管9は絶縁材で中空形状(筒状)に形成する。原料ガス導入管9は容器の開口部10を通して挿脱自在にプラスチック容器7の内部に配置するように減圧室6内に設置する。このとき、原料ガス導入管9は減圧室6に支持されている。支持の仕方としては、例えば図1に示すように原料ガス導入管9を口側電極5に支持させるか、或いは、図3に示すように継ぎ手を介して管状5aに支持させることが例示できる。環状また原料ガス導入管9の下端には、原料ガス導入管9の内外を連通させる1つの吹き出し孔(9a)が形成されている。なお、吹き出し孔を下端に設ける代わりに、原料ガス導入管9の内外を放射方向に貫通する複数の吹き出し孔(不図示)を形成してもよい。原料ガス導入管9には原料ガス導入管9の内部と連通される原料ガス供給手段18の管路の末端に接続されている。そして管路を介して原料ガス導入管9内に送り込まれた原料ガスが、吹き出し孔9aを介してプラスチック容器7内に放出できるよう構成されている。原料ガス導入管9を絶縁材で形成するのは、原料ガス導入管9の外表面に付着する原料ガス系ダストの付着を減らすためである。従来、図8のような原料ガス導入管を内部電極として兼用していたため、プラズマ化した原料ガスイオンはその大半が容器内壁面に衝突していたが、内部電極近傍の原料ガスイオンの一部は内部電極と接触し、これが原料ガス系ダストとなって内部電極に付着した。このダストは絶縁物質であり、内部電極が絶縁化してプラズマ放電を不安定なものとしていた。本発明では、原料ガス導入管9は絶縁材で形成しているので、原料ガス系ダストの付着を減少させるとともにたとえダストが付着してもプラズマの放電を不安定にさせることはない。
【0032】
原料ガス導入管9は、絶縁性及びプラズマに耐えうる程度の耐熱性とを有する樹脂材料により形成することが好ましい。ここで、樹脂材料としては、フッ素樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトンを例示することができる。或いは絶縁性のセラミック材料により形成することが好ましい。セラミック材料としては、アルミナ、ジルコニア、チタニア、シリカ、石英ガラスを例示することができる。
【0033】
原料ガス導入管9の先端部は、図6又は図7に示すようにプラスチック容器の開口部を通して口部付近まで挿入する場合でも、プラスチック容器の内部全体に原料ガスを供給することが可能となる。この方法の長所は、フッ素樹脂などのガス導入管が、プラズマ濃度が最も濃い、すなわち膜状のダストが最も付き易い部分に存在しないことから、ダストがほとんど付着しないという点にある。表1の実施例3よりもダストの付着量は圧倒的に少ない。ただし、同一成膜条件では酸素バリア性を考慮すると、図1〜4に示すように原料ガス導入管の先端は、プラスチック容器の開口部を通して胴部から底部に至る深さまで挿脱自在に配置することがより好ましい。図5に示すように容器底部から開口部に至るまで乱れのない原料ガス流束を形成することが可能となり、容器内壁面により均一にDLC膜を成膜することが可能となるからである。
【0034】
さらに本発明の装置では、原料ガスを導入する時にはプラスチック容器内に原料ガス導入管をプラスチック容器に挿入状態とし、プラズマを着火する時には原料ガス導入管をプラスチック容器から離脱状態とする原料ガス導入管挿脱手段(不図示)を備えても良い。原料ガス導入管挿脱手段により、プラスチック容器の内部全体に渡って、原料ガスを分布させてDLC膜を成膜することができ、かつ成膜時に原料ガス導入管をプラズマ領域から離すことができるのでダスト付着が生じない。さらに原料ガス導入管挿脱手段を設けてプラズマを着火するときに原料ガス導入管をプラスチック容器から離脱状態とする場合に、開口部10の近傍を塞ぐ目的で開閉自在の蓋(不図示)を設けても良い。
【0035】
なお、本装置にセラミックス材料系の原料ガス導入管9に付着したダストを燃焼除去するために、ダスト燃焼除去手段(不図示)を設置しても良い。2組以上の原料ガス導入管を交互に配置可能にしておき、成膜を所定回数行なった後、原料ガス導入管の配置を交換して、待機中の原料ガス導入管に付着したダストをダスト燃焼除去手段の作動により燃焼させる。
【0036】
原料ガス供給手段18は、プラスチック容器7の内部に原料ガス発生源17から供給される原料ガスを導入する。すなわち、口側電極5若しくは絶縁体4には、配管16の一方側が接続されており、この配管16の他方側は真空バルブ(不図示)を介してマスフローコントローラー(不図示)の一方側に接続されている。マスフローコントローラーの他方側は配管を介して原料ガス発生源17に接続されている。この原料ガス発生源17はアセチレンなどの炭化水素ガス等を発生させるものである。
【0037】
原料ガスとしては、常温で気体又は液体の脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、含酸素炭化水素類、含窒素炭化水素類などが使用される。特に炭素数が6以上のベンゼン,トルエン,o-キシレン,m-キシレン,p-キシレン,シクロヘキサン等が望ましい。脂肪族炭化水素類としては、エチレン系炭化水素又はアセチレン系炭化水素が例示される。これらの原料は、単独で用いても良いが、2種以上の混合ガスとして使用するようにしても良い。さらにこれらのガスをアルゴンやヘリウムの様な希ガスで希釈して用いる様にしても良い。また、ケイ素含有DLC膜を成膜する場合には、Si含有炭化水素系ガスを使用する。
【0038】
本発明におけるDLC膜とは、i−カーボン膜または水素化アモルファスカーボン膜(a−CH)ともよばれる炭素膜のことでSP3結合を含んでいるアモルファスな炭素膜のことをいう。DLC膜は、硬質から軟質(ポリマーライク)までの膜質があり水素含有量は、0atom%から70atm%くらいまでの範囲がある。
【0039】
排気手段21は、真空バルブ19と排気ポンプ20並びにこれらを接続する配管により形成される。絶縁体4と口側電極5とからなる部材の内部に形成された空間40は、排気用配管の一方側とつながっている。例えば図1では口側電極5の左上方に設けられた排気口23に排気用配管が接続されている。排気用配管の他方側は真空バルブ19を介して排気ポンプ20に接続されている。この排気ポンプ20は排気ダクト(不図示)に接続されている。排気手段21を作動させることにより、減圧室6内の空間40と容器の内部空間からなる減圧空間が減圧される。
【0040】
高周波供給手段14は、容器側電極3に接続したマッチングボックス12とマッチングボックス12に高周波を供給する高周波電源13とからなる。高周波電源13の出力側にマッチングボックス12が接続される。図1では、下部電極2に高周波供給手段14を接続しているが、上部電極1に接続しても良い。なお、高周波電源13は接地されている。高周波電源13は、グランド電位との間に高周波電圧を発生させ、これにより容器側電極3と口側電極5との間に高周波電圧が印加される。これにより、プラスチック容器7内で原料ガスをプラズマ化させる。高周波電源の周波数は、100kHz〜1000MHzであるが、例えば、工業用周波数である13.56MHzのものを使用する。
【0041】
本発明に係る容器とは、蓋若しくは栓若しくはシールして使用する容器、またはそれらを使用せず開口状態で使用する容器を含む。開口部の大きさは内容物に応じて決める。プラスチック容器は、剛性を適度に有する所定の肉厚を有するプラスチック容器と剛性を有さないシート材により形成されたプラスチック容器を含む。本発明に係るプラスチック容器の充填物は、炭酸飲料若しくは果汁飲料若しくは清涼飲料等の飲料、並びに医薬品、農薬品、又は吸湿を嫌う乾燥食品等を挙げることができる。また、リターナブル容器或いはワンウェイ容器のどちらであっても良い。
【0042】
また本発明では、飲料容器或いはこれと類似形状の容器について、図11のように各部位を呼ぶこととする。
【0043】
本発明のプラスチック容器7を成形する際に使用する樹脂は、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂(PP)、シクロオレフィンコポリマー樹脂(COC、環状オレフィン共重合)、アイオノマ樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリスチレン樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、アクリロニトリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、又は、4弗化エチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂を例示することができる。この中で、PETが特に好ましい。
【0044】
次に、図1を参照しながら本装置を用いてプラスチック容器7の内壁面にDLC膜を形成する場合の手順について説明する。
【0045】
まず、ベント(不図示)を開いて減圧室6内を大気開放する。これにより、空気が空間40及びプラスチック容器7の内部空間に入り、減圧室6内が大気圧にされる。次に、容器側電極3の下部電極2を上部電極1から取り外して、プラスチック容器7はその底部が下部電極2の上面に接触するようにセットされる。プラスチック容器7として例えばPETボトルを使用する。そして下部電極2が上昇することにより、プラスチック容器7は減圧室6に収容される。このとき減圧室6に設けられた原料ガス導入管9が、プラスチック容器7の開口部10を通してプラスチック容器7の内部に挿入され、容器の開口部上方に口側電極5が配置される。また、容器側電極3はOリング8によって密閉される。
【0046】
下部電極2が所定の位置まで上昇して減圧室6が密閉されたとき、プラスチック容器7の外周は下部電極2及び上部電極1の内壁に接触した状態となる。次いでベントを閉じたのち、排気手段21を作動させて減圧室6内の空気が排気口23を通して排気される。そして減圧室6内が必要な真空度、例えば4Pa以下に到達するまで減圧される。これは、4Paを超える真空度で良いとすると容器内に不純物が多くなり過ぎるためである。その後、原料ガス供給手段18から流量制御されて送られた原料ガス(例えば、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類等の炭素源ガス)が、原料ガス導入管9の吹き出し孔9aからプラスチック容器7の内部に導入される。この原料ガスの供給量は、20〜50ml/minが好ましい。
【0047】
原料ガスの濃度が一定となり、制御されたガス流量と排気能力のバランスによって所定の成膜圧力、例えば7〜22Paで安定した後、高周波電源13を動作させることによりマッチングユニット12を介して口側電極5と容器側電極3との間に高周波電圧が印加され、プラスチック容器7内に原料ガス系プラズマが発生する。このとき、マッチングユニット12は、容器側電極3と口側電極5のインピーダンスに、インダクタンスL、キャパシタンスCによって合わせている。これによって、プラスチック容器7の内壁面にDLC膜が形成される。なお、高周波電源13の出力(例えば13.56MHz)は、おおよそ200〜500Wである。
【0048】
すなわち、このプラスチック容器7の内壁面におけるDLC膜の形成は、プラズマCVD法によって行われる。容器側電極3と口側電極5との間で印加した高周波により容器の内壁面に電子が蓄積して、所定の電位降下が生じる。これによって、プラズマが発生しプラズマ中に存在する原料ガスである炭化水素の炭素及び水素がそれぞれプラスにイオン化される。そして、プラスチック容器7の内壁面にそのイオンがランダムに衝突する。そのとき、近接する炭素原子同士や炭素原子と水素原子との結合、さらに一旦は結合していた水素原子の離脱(スパッタリング効果)がおこる。以上の過程を経てプラスチック容器7の内壁面に極めて緻密なDLC膜が形成される。適度な高周波出力の印加により、容器側電極3と口側電極5との間で、プラズマ放電が持続する。成膜時間は数秒と短いものとなる。
【0049】
なお、原料ガスの濃度が一定となり、制御されたガス流量と排気能力のバランスによって所定の成膜圧力で安定した後、原料ガス導入管挿脱手段を作動させることでプラズマを着火する前に原料ガス導入管をプラスチック容器から離脱させたのち、高周波電源13を動作させることによりマッチングユニット12を介して口側電極5と容器側電極3との間に高周波電圧を印加して、プラスチック容器7内に原料ガス系プラズマを発生させても良い。このとき、プラズマ放電時には原料ガス導入管がプラスチック容器内にないので、ダストの付着をさらに抑制することができる。
【0050】
次に、高周波電源13からのRF出力を停止し、さらに原料ガスの供給を停止する。この後、減圧室6内の炭化水素ガスを排気ポンプ20によって少なくとも2Pa以下になるまで排気する。その後、真空バルブ19を閉じ、排気ポンプ20を停止する。この後、ベント(不図示)を開いて減圧室6内を大気開放し、前述した成膜方法を繰り返すことにより、次のプラスチック容器内にDLC膜が成膜される。
【0051】
本実施の形態では、内部に薄膜を成膜する容器として飲料用のPETボトルを用いているが、他の用途に使用される容器を用いることも可能である。
【0052】
本実施の形態では、容器の口部が上を向くタイプの装置を示したが、減圧室を天地逆となるように設置しても良い。
【0053】
また、本実施の形態では、製造装置で成膜する薄膜としてDLC膜を挙げているがSi含有DLC膜や他の薄膜を成膜する際に上記成膜装置を用いることも可能である。
【0054】
DLC膜の膜厚は10〜80nmとなるように形成する。
【0055】
【実施例】
以下に実施例を示す。本実施例で使用したプラスチック容器は、容量500ml、容器の高さ200mm、容器胴部径71.5mm、口部開口部内径21.74mm、口部開口部外径24.94mm、容器胴部肉厚0.3mm、ポリエチレンテレフタレート樹脂(日本ユニペット(株)製PET樹脂、タイプRT553)のPET容器である。この容器の酸素透過度は、MODERN CONTROL社製OX−TRAN2/20を使用して、酸素の透過量を23℃で測定した。DLCの膜厚は、予め容器の内面にSiウエハを貼り付け、テープでマスキングを行って、DLCを被覆した後、マスキングを除去し、Veeco社製、表面形状測定器DEKTAK3によって膜厚を測定した。原料ガス導入管に付着したフレーク状のダスト付着量は、原料ガス導入管からダストを剥ぎ取り、電子天秤(Mettler社製、UMT2)にて重量を測定し求めた。膜状ダスト付着量については繰り返し成膜前後のガス導入管全体の重量差を計算して求めた(Sartorius社製、R300Sを使用)。色度は日立分光光度計U−3500によって測定した。
【0056】
[酸素バリア性の検討]
(実施例1)
図2の製造装置を用いてDLC膜の成膜を行なった。口側電極は、容器開口部の直上25mmに環状部を有する口側電極を設置した。成膜方法は実施形態で説明した製法に倣った。原料ガス導入管は、フッ素樹脂製のチューブを使用した。ただし、成膜条件としては、次の通りである。開放系から減圧室内を4Pa以下に到達するまで減圧する。その後、導入する原料ガス流量は、40ml/minとした。原料ガスの濃度が一定となり、制御されたガス流量と排気能力のバランスによって8〜10Paで安定化させた。そして、高周波 (13.56MHz)を400W、2秒の条件で印加した。これによりDLC膜が内壁面にコーティングされたDLC膜コーティングプラスチック容器を製造した。これを実施例1とした。なお、DLC膜の平均膜厚(首部)は63nmであった。
【0057】
(実施例2)
口側電極は、容器開口部の直上に環状部を有する口側電極を設置した以外は実施例1と同様にDLC膜の成膜を行い、これを実施例2とした。なお、DLC膜の平均膜厚(首部)は59nmであった。
【0058】
(比較例1)
図8に示す従来の内部電極型と同型装置を用いて、口側電極の代わりに内部電極とした以外は実施例1と同様にDLC膜を成膜して、これを比較例1とした。なお、DLC膜の平均膜厚(首部)は64nmであった。
【0059】
実施例1及び2並びに比較例1の酸素透過度を表1に示した。表1により、内部電極を有する装置により製造したDLC膜コーティングプラスチック容器と本発明に係る装置である口側電極を有する装置により製造したDLC膜コーティングプラスチック容器とは、ほぼ同等の酸素バリア性を有することが明らかとなった。なお、実施例1において、図2の装置の代わりに図1の装置を用いても、酸素バリア性は同程度であった。また、実施例2においても、図1の装置のように容器の外形と容器側電極3の内壁が相似形状である装置を用いても、酸素バリア性は同程度であった。
【表1】
【0060】
[ダスト付着量の検討]
(実施例3)
図4の製造装置を用いてDLC膜の成膜を行なった。口側電極は、容器開口部の直上25mmに管状に配置した。なお、管状の終端には原料ガス導入管を支持するためのSUS製継ぎ手が備わっている。この継ぎ手が管状の終端となる。成膜方法は実施形態で説明した製法に倣った。成膜条件は、実施例1と同様とし、これを実施例3とした。なお、DLC膜の平均膜厚(首部)は64nmであった。
【0061】
(比較例2)
図8に示す従来の内部電極型と同型装置を用いて、口側電極の代わりに内部電極とした以外は実施例1と同様にDLC膜を成膜して、これを比較例2とした。なお、DLC膜の平均膜厚(首部)は64nmであった。
【0062】
実施例3の口側電極に付着したダスト付着量及び比較例2の内部電極に付着したダスト付着量を表2に示した。表2により、実施例3は比較例2よりもダスト付着量が約10分の1に低減されたことが明らかになった。また、実施例3に付着したダストは膜状ダストであり、ダスト脱落が生じず、容器内部への混入問題が解決された。また、実施例3の条件で放電回数を1万回繰り返しても、プラズマの放電不安定は生じなかった。比較例2の条件で放電回数を862回繰り返すと、プラズマの放電不安定が生じた。したがって、内部電極型装置に対して本発明に係る装置のダストに関する優位性が明らかになった。
【表2】
表;ガス導入管上へのDLC成膜時によるダスト付着量の比較
【0063】
実施例1における口側電極の成膜後のダスト付着量は比較例1における内部電極の成膜後のダスト付着量に比べて少ない。図9に実施例3における口側電極の成膜前後の比較によりダスト付着状態を示す。「成膜後」とは成膜を15回繰り返した場合である。いずれも成膜後のダスト付着量は少ない。
【0064】
また、図10に実施例1の条件で同じ容器に15回繰り返して成膜した場合のDLC膜コーティングプラスチック容器と比較例1の条件で同じ容器に15回繰り返して成膜した場合のDLC膜コーティングプラスチック容器との比較を示す画像を示した。図中の片側とは容器の一半面をいい、反対側とは一半面の裏側の部分をいう。この二つの画像を参照することで容器側面を一周観察することができる。図10によると、比較例1の条件で15回、成膜した容器(従来技術と表記)は、首部においてDLC膜のムラ(着色具合)が大きいのに対して、実施例1の条件で15回成膜した容器(本発明)は、首部においてDLC膜のムラ(着色具合)が小さい。この結果を定量化するために、実施例1及び比較例1の各容器について、装置正面を0°として向かって右回りに360°まで、すなわち容器側面円周方向に沿って1周の首部の色度(b*値)を測定した。これにより色ムラを判定することができる。b*値は、JISK 7105−1981の色差であり、三刺激値X,Y,Zから式1で求まる。
【式1】
日立製U-3500形自記分光光度計に同社製60Φ積分球付属装置(赤外可視近赤外用)を取り付けたものを用いた。検知器としては、超高感度光電子増倍管(R928:紫外可視用)と冷却型PbS(近赤外域用)を用いている。測定波長は、240nmから840nmの範囲で透過率を測定した。PET容器の透過率を測定することにより、DLC膜のみの透過率測定を算出することができるが、本実施例のb*値は、PET容器の吸収率も含めた形で算出したものをそのまま示している。この結果を図12に示した。図12から、実施例1は容器首部360°全面にわたって、b*値は2.5〜3.0であり、色ムラを改善できた。一方、比較例1は、B*値は3.5〜4.5と幅広い値をとることから明らかなように、容器側面円周方向の色むらが大きい。したがって、本発明の装置は容器側面円周方向についてDLC膜の分布ムラの少ないDLC膜コーティングプラスチック容器を製造することが可能である。
【0065】
なお、実施例3において、図4の装置の代わりに図3の装置を用いても、同様の結果を得た。
【0066】
実施例により、本発明に係る装置は従来と同等の酸素バリア性を確保する程にプラズマ放電を安定して行なうことが可能であり、口側電極へのダスト付着を防止できることが明らかとなった。したがって、本発明に係る装置は、ガスバリア性に優れたプラスチック容器を生産性良く高稼働率で運転することができる。さらに、容器側面円周方向のDLC膜の分布ムラも少ない。
【0067】
【発明の効果】
請求項1記載の発明により、安定にプラズマ放電させ且つ電極にダストを極めて付着させにくい製造装置を提供することができた。これらの相反することの両立により清掃工程の低減を図り、装置稼働率の向上を実現した。もちろん、内部電極を有する従来型装置で製造したDLC膜コーティングプラスチック容器と同等の酸素バリア性を確保している。請求項2又は3記載の発明により、プラズマ放電を特に安定させる装置を提供することができ、同時に容器側面円周方向における成膜分布をより均一にすることができた。特に首部における容器側面円周方向における色ムラを改善できた。請求項4記載の発明により、プラズマの着火及び放電持続をさらに安定して発生させることができる装置を提供することができた。さらに請求項5記載の発明により、原料ガス導入管は、プラズマの着火及び持続した放電を阻害せず且つプラズマ領域中にあっても破損しない。請求項6記載の発明により、容器の内壁面全体にわたって原料ガスを行き渡らせてDLC膜を均一に成膜させることができた。請求項7記載の発明により、容器内部へ原料ガスを均一に行き渡らせることを確保しつつ原料ガス導入管へのダスト付着防止を図ることができ、原料ガス導入管の清掃工程の不要とさせることができた。本発明は、内部電極に付着したダスト混入がないので、特に飲料用容器に適切なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本製造装置の一形態を示す概略構成図である。
【図2】図1の装置において、容器外壁と容器側電極内壁との間に隙間を設けた場合の概略図である。
【図3】本製造装置の別形態を示す概略構成図である。
【図4】図3の装置において、容器外壁と容器側電極内壁との間に隙間を設けた場合の概略図である。
【図5】図3の装置において、容器開口部から排気口までのガスの流れを示す概念図である。
【図6】図1の装置において、原料ガス導入管の別形態を示す概略構成図である。
【図7】図3の装置において、原料ガス導入管の別形態を示す概略構成図である。
【図8】従来のDLC膜コーティングプラスチック製造装置の概念図を示す図である。
【図9】口側電極の管状(SUS継ぎ手)へのダスト付着具合を示す画像である。
【図10】実施例1の条件で同じ容器に15回繰り返して成膜した場合のDLC膜コーティングプラスチック容器と比較例1の条件で同じ容器に15回繰り返して成膜した場合のDLC膜コーティングプラスチック容器との比較を示す画像である。
【図11】飲料容器の各部位の称呼を示す図である。
【図12】実施例1と比較例1の容器首部における円周方向の色ムラをb*値により示した図である。
【符号の説明】
1,上部電極
2,下部電極
3,容器側電極
4,絶縁体
5,口側電極
5a,管状体
5b,管状体終端
6,減圧室
7,プラスチック容器
8,Oリング
9,原料ガス導入管
9a,吹き出し口
10,容器開口部
11,口側電極の環状部
12,マッチングボックス
13,高周波電源
14,高周波供給手段
16,配管
17,原料ガス発生源
18,原料ガス供給手段
19,真空バルブ
20,排気ポンプ
21,排気手段
23,排気口
Claims (8)
- プラスチック容器を収容する減圧室の一部を形成する容器側電極と前記プラスチック容器の開口部上方に配置する口側電極とを減圧室の一部を形成する絶縁体を介して対向させるとともに、プラズマ化して前記プラスチック容器の内壁面にダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜をコーティングするための原料ガスを供給する原料ガス供給手段が前記減圧室まで供給した該原料ガスを前記プラスチック容器の内部まで導入する絶縁材からなる原料ガス導入管を前記減圧室に設け、該減圧室内のガスを前記プラスチック容器の開口部上方から排気する排気手段を設け、且つ前記容器側電極に高周波を供給する高周波供給手段を接続したことを特徴とするDLC膜コーティングプラスチック容器の製造装置。
- 前記プラスチック容器の開口径とほぼ同一の内口径の環状部を備えた前記口側電極は、該環状部の終端の開口部が前記プラスチック容器の開口部に対して同軸上に整合し且つ前記プラスチック容器の開口部の近傍に配置するように形成したことを特徴とする請求項1記載のDLC膜コーティングプラスチック容器の製造装置。
- 前記口側電極は前記減圧室の天頂部から前記プラスチック容器の開口部上方まで管状に垂下させる如く形成し、該管状内に前記原料ガス供給手段が供給した前記原料ガスを導入せしめるとともに、前記管状の終端を前記原料ガス導入管に接続したことを特徴とする請求項1記載のDLC膜コーティングプラスチック容器の製造装置。
- 請求項1記載の口側電極、請求項2記載の環状部の終端或いは請求項3記載の管状の終端は、前記排気手段の作動により前記プラスチック容器の開口部近傍から前記減圧室の排気口までに形成されるガス流束と接触していることを特徴とする請求項1、2又は3記載のDLC膜コーティングプラスチック容器の製造装置。
- 前記原料ガス導入管は、絶縁性及びプラズマに耐えうる程度の耐熱性とを有するフッ素樹脂等の樹脂材料により形成するか或いは絶縁性のアルミナ等のセラミック材料により形成したことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のDLC膜コーティングプラスチック容器の製造装置。
- 前記原料ガス導入管は、前記プラスチック容器の開口部を通して胴部から底部に至る深さまで挿脱自在に配置したことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載のDLC膜コーティングプラスチック容器の製造装置。
- 前記原料ガスを導入する時には前記プラスチック容器内に前記原料ガス導入管を該プラスチック容器に挿入状態とし、プラズマを着火する時には前記原料ガス導入管を前記プラスチック容器から離脱状態とする原料ガス導入管挿脱手段を備えることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載のDLC膜コーティングプラスチック容器の製造装置。
- 前記プラスチック容器は、飲料用容器であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載のDLC膜コーティングプラスチック容器の製造装置。
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