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JP4133602B2 - 荷電粒子ビーム装置における収差補正方法および荷電粒子ビーム装置 - Google Patents
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JP4133602B2 - 荷電粒子ビーム装置における収差補正方法および荷電粒子ビーム装置 - Google Patents

荷電粒子ビーム装置における収差補正方法および荷電粒子ビーム装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、走査電子顕微鏡などの電子ビーム装置やイオンマイクロプローブなどのイオンビーム装置における色収差と球面収差を補正するための荷電粒子ビーム装置における収差補正方法および荷電粒子ビーム装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
走査電子顕微鏡や透過電子顕微鏡において、高分解能の像を観察したりプローブ電流密度を上げることを目的として、電子光学系の中に収差補正装置が組み込まれている。この収差補正装置として、色収差を静電型4極子と磁場型4極子の組合せで補正し、球面収差を4段の8極子で補正する方式が提案されている。その原理については、非特許文献1〜3に詳しく紹介されている。
【0003】
ここで、上記した収差補正装置の原理の概略を、図1に基づいて説明する。図1において、対物レンズ7の前段に収差補正装置Cが配置されている。収差補正装置Cは、4段の静電型多極子1,2,3,4と、静電型多極子の2段目と3段目が作り出す電位分布と相似な磁位分布を作り出し、電界と重畳した磁界を形成する2段の磁場型4極子5,6と、4段の静電型4極子が形成する電界と重畳した電界を形成する4段の静電型8極子11,12,13,14とより構成されている。
【0004】
なお、実際の装置では、これら4極子や8極子の電界に、更に4段の2極子(軸合せ用の偏向装置として動作する)と4段の6極子(2次の開口収差補正用として働く)が重畳するように構成されているが、それらは、本発明の目的とする収差補正とは直接の関係はほとんどないので、それらの詳しい説明は省略する。
【0005】
図1の構成において、図の左側から入射した荷電粒子ビームは、4段の静電型4極子1,2,3,4と対物レンズ7によって、基準となる荷電粒子ビームの軌道が作られ、試料面20に荷電粒子ビームがフォーカスされる。この図1では、粒子線のX方向の軌道RxとY方向の軌道Ryとを同じ平面上にまとめて模式的に描いている。
【0006】
基準軌道とは、近軸軌道(収差が無いときの軌道と考えてよい)として、4極子1によってY方向の軌道Ryが4極子2の中心を通り、4極子2によってX方向の軌道Rxが4極子3の中心を通り、最後に4極子3,4と対物レンズ7によって荷電粒子ビームが試料面にフォーカスされる軌道をいう。実際には完全なフォーカスのために、これらの相互調整が必要になる。なお、このとき、前記の4段の2極子は軸合せのため用いられる。
【0007】
更に詳細に図1を説明すると、X方向の軌道Rxの荷電粒子ビームは4極子1によって拡散(凹レンズと同様な作用)され、次いで4極子2によって集束(凸レンズと同様な作用)されて4極子3の中心を通るようになされ、4極子3の中心を通過した後、4極子4によって集束されて、対物レンズ7に向かう。一方、Y方向の軌道Ryの荷電粒子ビームは4極子1によって集束されて4極子2の中心を通るようになされ、4極子2の中心を通過した後、4極子3によって集束され、最後に4極子4によって拡散された後、対物レンズ7に向かう。このようにX方向の軌道Rxに作用する4極子1の拡散作用と、Y方向の軌道Ryに作用する4極子4の拡散作用とを合成することによって、一個の凹又は凸レンズの如くに働かせることができる。
【0008】
次に、収差補正装置Cによる色収差補正について説明する。図1に示したような系で先ず色収差を補正するには、上記の基準軌道を変えないように静電型4極子2の電位φq2[V]と磁場型4極子5の励磁J2[AT](あるいは磁位)が調整され、レンズ系全体としてX方向の色収差が0に補正される。同様に基準軌道を変えないように静電型4極子3の電位φq3[V]と磁場型4極子6の励磁J3[AT]が調整され、レンズ系全体としてY方向の色収差が0に補正される。
【0009】
次に、球面収差補正(3次の開口収差補正)について説明する。球面収差を補正する場合には、X,Y方向の色収差の補正を行った後に、静電型8極子12の電位φO2[V]によってレンズ系全体としてX方向の球面収差を0に補正し、静電型8極子13の電位φO3[V]によってY方向の球面収差を0に補正する。
【0010】
次に、XYが合成された方向の球面型収差を静電型8極子11,14で0に補正する。実際は交互の繰返し調整が必要になる。なお、4極子や8極子の電位や励磁の重畳は、1個の12極子を用いて、12極の各極子に印加する電位や励磁を変化させ2極子,4極子,6極子,8極子などの合成が行われ、実用化されている。この方法については、例えば非特許文献4に紹介されている。
【0011】
すなわち、静電型の場合には図2に示すように、12個の電極Un(n=1, 2, …, 12)に対して、独立に電圧を供給できる最終段電源An(n=1, 2, …, 12)が接続され、4極子場を作る場合には、理想的な4極子場に近い場が得られるように4極子電源10からの出力電圧が各最終段電源Anに供給される。最終段電源Anの出力電圧が4極子電源10の出力電圧に比例すると仮定すれば、4極子電源10の出力電圧の比は上記の非特許文献4に示された値になる。また、この4極子場に重ねて8極子場を作る場合には、理想的な8極子場に近い場が得られるように、8極子電源18からの出力電圧が前記4極子電源10の出力電圧と加算されて各最終段電源Anに供給される。以下同様の考え方で、1個の12極子で2n極子(n=1、2、…6)の多極子場を重ねた場が得られる。
【0012】
次に磁場型の場合には図3に示すように、12個のマグネットWn(n=1, 2, …, 12)のコイルに対して、独立に励磁電流を供給できる最終段電源Bn(n=1, 2, …, 12)が接続され、磁場型4極子場を作る場合には、理想的な磁場型の4極子場に近い場が得られるように磁場型4極子電源15からの出力電圧が各電源Bnに供給される。最終段電源Bnの出力電流が磁場型4極子電源15の出力電圧に比例すると仮定すれば、この出力電圧の比は上記の非特許文献4に示されている励磁力の比になる。本発明では、磁場型の4極子場以外の多極子場の重畳は説明されていないが、最終段電源Bnの入力電圧に多極子場の電圧を加算することによって、静電型と同様に磁場型の多極子場の重畳が可能になる。なお、ここで、図3では各マグネットWnの外側を磁気的につなぐヨークは省略されている。
【0013】
次に、静電型と磁場型を重ねる場合には、マグネットWnが電極Unを兼ねることができるように導電性の磁性体を用いれば良い。この場合、マグネットのコイルは電極とは電気的に絶縁して配置される。
【0014】
以下の説明では、説明を簡単にするために、あたかも2n極子を互いに重ねたかのように記述しているが、実際には1つの12極子に対し複数の多極子場の重畳は上記のように電圧信号の加算によって行っている。
【0015】
なお、色収差補正が終わった後、球面収差補正を行う前に、4段の6極子による2次の開口収差を補正する必要が生じる場合がある。その補正法は前記の球面収差の補正法と同様の手順で行う。この2次の開口収差は収差補正装置の機械的精度に依存して発生するものであるが、通常は補正量も小さく本件収差補正装置における範囲では高次収差への影響も小さい。また、この2次の開口収差は収差補正装置内部で補正されるものであり、収差補正において重要であるところの「収差補正装置と対物レンズとによる合成倍率(後述する)」を変化させても、それによる影響を受けにくい。このような理由によって、従来技術の説明では、2次の開口収差の補正に関しては説明を省いている。
【0016】
以下の説明で、静電型の多極子で電位φ(あるいは電圧)という表現を用いた場合には、図4(a)、(b)に示すような標準配列をした多極子の+側の値を表すものとする。同様に、磁場型の励磁Jという表現を用いた場合には、+側の励磁[AT]を表すものとする。
【0017】
【非特許文献1】
H. Rose, Optik 33, Heft 1, 1-24 (1971)
【非特許文献2】
J. Zach, Optik 83, No.1, 30-40 (1989)
【非特許文献3】
J. Zach and M. Haider, Nucl. Instr. and Meth. In Phys. Res.
A 363, 316-325 (1995)
【非特許文献4】
M. Haider et al., Optik 63, No.1, 9-23 (1982)
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
前記した収差補正の理論や、実際に行われた実験に基づく結果では、色収差と球面収差がほぼ完全に補正され、前記収差補正系の優秀性が認められたが、実用化の観点からは、収差補正系の安定度や印加電圧の範囲、さらには最適条件等に関しては、十分な配慮がなされていなかった。例えば、次に示すような問題点が生じている。
【0019】
第1には、従来例に示したように、加速電圧に比例した収差補正電位を用いる場合、すなわち、各極子へ印加される収差補正電位を電子ビームの加速電圧に比例させる場合には、加速電圧が低い値に設定されると、収差補正装置で用いる電圧または電流のノイズ成分の影響が大きくなる。
【0020】
第2には、従来例のように、加速電圧に比例した収差補正電位を用いる場合には、電流のノイズ成分の影響を少なくするために、低加速電圧で大きな補正電位を用いるようにすると、高加速電圧側で収差補正装置の耐圧電圧が問題になる。
【0021】
第3には、従来例のように、加速電圧に比例した収差補正電位を用いる場合に、低加速電圧でノイズ成分の影響を受けないようにするには、電源の電圧または電流のノイズ成分の量を現実的な値まで減らす必要があり、これを実現しようとすれば、装置は高価なものになってしまう。
【0022】
第4には、色収差を補正するために、収差補正装置と対物レンズとの合成倍率MRを調節して、磁場型4極子の励磁電流を一定に保つようにすると、収差補正電位は非相対論的には収差補正電位が加速電圧の平方根に比例するようになり、前記第1〜第3の問題点は軽減される。しかしながら、加速電圧の可変範囲が広い場合、今度は低加速側で球面収差補正電位が大きくなりすぎ、結果として高価な電源を必要とする場合がある。
【0023】
第5には、各加速電圧や作動距離ごとに、球面収差を補正するための複雑なデータが必要であった。
【0024】
本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、その目的は、ノイズの影響が少なく、高加速電圧側における装置の耐圧や、低加速電圧側での補正電位の問題を解決し、安定かつ最適な収差補正を行うことができる荷電粒子ビーム装置の収差補正方法および荷電粒子ビーム装置を実現するにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明に基づく荷電粒子ビーム装置における収差補正方法は、4段の静電型4極子と、4段の静電型4極子の中央の2段の静電型4極子の電位分布と相似な磁位分布を重畳させる2段の磁場型4極子と、荷電粒子ビームを試料にフォーカスさせる対物レンズと、荷電粒子ビームの光路の一部に設けられた対物絞りと、荷電粒子ビームの加速電圧や対物レンズと試料間の距離である作動距離を変更する操作部と、操作部の操作又は設定に基づいて前記各4極子を制御する制御部を備えた荷電粒子ビーム装置における収差補正装置において、前記加速電圧や作動距離を変更したとき、4段の静電型4極子と4段の静電型4極子の後段に設けられた対物レンズとの合成倍率を調整すると共に、3次の開口収差を補正するための4種の8極子電位の内、1段目と4段目の補正電位を一定に保つようにしたことを特徴としている。
【0026】
また、本発明に基づく荷電粒子ビーム装置における収差補正方法は4段の静電型4極子と、4段の静電型4極子の中央の2段の静電型4極子の電位分布と相似な磁位分布を重畳させる2段の磁場型4極子と、荷電粒子ビームを試料にフォーカスさせる対物レンズと、荷電粒子ビームの光路の一部に設けられた対物絞りと、荷電粒子ビームの加速電圧や対物レンズと試料間の距離である作動距離を変更する操作部と、操作部の操作又は設定に基づいて前記各4極子を制御する制御部を備えた荷電粒子ビーム装置における収差補正装置において、前記加速電圧や作動距離を変更したとき、4段の静電型4極子と4段の静電型4極子の後段に設けられた対物レンズとの合成倍率を調整すると共に、3次の開口収差を補正するための4種の8極子電位を一定に保つようにしたことを特徴としている。
【0027】
また、本発明に基づく荷電粒子ビーム装置における収差補正方法は前記加速電圧や作動距離を変更したとき、収差補正装置と対物レンズとの合成倍率を調整することに加えて、収差補正装置の色収差補正電位の調整も行なうようにしたことを特徴としている。
【0028】
また、本発明に基づく荷電粒子ビーム装置は4段の静電型4極子と、4段の静電型4極子の中央の2段の静電型4極子の電位分布と相似な磁位分布を重畳させる2段の磁場型4極子と、荷電粒子ビームを試料にフォーカスさせる対物レンズと、荷電粒子ビームの光路の一部に設けられた対物絞りと、荷電粒子ビームの加速電圧や対物レンズと試料間の距離である作動距離を変更する操作部と、操作部の操作又は設定に基づいて前記各4極子を制御する制御部を備えた収差補正装置と、4段の静電型4極子の後段に配置された対物レンズとを有した荷電粒子ビーム装置において、制御部は、前記加速電圧や作動距離を変更したとき、操作部からの指示に基づき、収差補正装置と対物レンズとの合成倍率を調整すると共に、3次の開口収差を補正するための4種の8極子電位の内、1段目と4段目の補正電位を一定に保つように構成したことを特徴としている。
【0029】
また、本発明に基づく荷電粒子ビーム装置は4段の静電型4極子と、4段の静電型4極子の中央の2段の静電型4極子の電位分布と相似な磁位分布を重畳させる2段の磁場型4極子と、荷電粒子ビームを試料にフォーカスさせる対物レンズと、荷電粒子ビームの光路の一部に設けられた対物絞りと、荷電粒子ビームの加速電圧や対物レンズと試料間の距離である作動距離を変更する操作部と、操作部の操作又は設定に基づいて前記各4極子を制御する制御部を備えた収差補正装置と、4段の静電型4極子の後段に配置された対物レンズとを有した荷電粒子ビーム装置において、制御部は、前記加速電圧や作動距離を変更したとき、操作部からの指示に基づき、収差補正装置と対物レンズとの合成倍率を調整すると共に、3次の開口収差を補正するための4種の8極子電位を一定に保つように構成したことを特徴としている。
【0030】
また、本発明に基づく荷電粒子ビーム装置は、前記制御部は、前記加速電圧や作動距離を変更したとき、収差補正装置と対物レンズとの合成倍率を調整することに加えて、収差補正装置の色収差補正電位の調整も行なうように構成されたことを特徴としている。
また、本発明に基づく荷電粒子ビーム装置は、収差補正装置の静電型多極子と対物レンズとの間に少なくとも1個の追加レンズを配置し、加速電圧や作動距離を変更したとき、操作部からの指示に基づき、追加レンズと対物レンズとの合成倍率を調整すると共に、3次の開口収差を補正するための複数種の8極子電位の内、少なくとも1種の8極子電位を一定に保つように構成したことを特徴としている。
また、本発明に基づく荷電粒子ビーム装置は、 収差補正装置の静電型多極子と対物レンズとの間に少なくとも1個の追加レンズを配置し、加速電圧や作動距離を変更したとき、操作部からの指示に基づき、収差補正装置の色収差補正電位の調整と、追加レンズと対物レンズとの合成倍率を調整すると共に、3次の開口収差を補正するための複数種の8極子電位の内、少なくとも1種の8極子電位を一定に保つように構成したことを特徴としている。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図5は本発明の基本構成を示しており、荷電粒子ビームの一部をプローブとして試料に照射する装置において、色収差を補正するために、従来と同様に、収差補正装置として動作する4段の静電型多極子1、2、3、4が設けられている。4段の静電型多極子の内、中央の2段の多極子は、静電型多極子2、3の電位分布と相似な磁位分布を重畳させることが可能な磁場型の多極子としての機能を有するように構成されている。
【0032】
収差補正装置として動作する4段の静電型多極子1、2、3、4の出力側には、対物レンズ7が配置され、対物レンズ7の後段には試料面20が配置される。また、収差補正装置として動作する4段の静電型多極子1、2、3、4の入力側の光路の一部には対物絞り8が設けられている。
【0033】
上記した電子光学系の構成要素の他に、加速電圧や作動距離を変更する操作表示部9と、1段目の多極子の電極に電圧を供給する電源11,2段目の多極子の電極に電圧を供給する電源12,3段目の多極子の電極に電圧を供給する電源13,4段目の多極子の電極に電圧を供給する電源14が設けられている。また、2段目,3段目の多極子2,3の磁極のコイルに電流を供給するための励磁用電源22,23とが設けられている。
【0034】
更に、対物レンズ7の励磁電源17と、操作表示部9の操作または設定に基づいて、前記電圧電源11〜14,励磁電源22,23,17を制御する制御部19が備えられている。
【0035】
上記図5に示した装置において、電源11〜14は、4段の多極子1〜4を静電型の2極子、静電型の4極子、静電型の6極子、静電型の8極子として動作させることができるように構成されている。前記した静電型の2極子、4極子、6極子として用いる電源11〜14は、多極子1〜4を標準用と斜め用の2極子、多極子1〜4を標準用と斜め用の4極子、多極子1〜4を標準用と斜め用の6極子として用いる機能を有している。
【0036】
なお、対物レンズ7は、対物レンズ7が磁場型の場合は電源17から供給される電流を変えることによって、対物レンズ7が静電型の場合は電源17から供給される電圧を変えることによって、あるいは対物レンズ7が電場・磁場重畳型の場合は電源17から供給される電流および電圧を調節することによって、レンズの強度が調節される。更に、荷電粒子が高速のイオンの場合には、荷電粒子の質量に関係なく同じ屈折力が得られる静電型の対物レンズ7が用いられる。以下において、上記4段の多極子1,2,3,4と、これに各電源を含めたものを収差補正装置Cと呼ぶことにする。
【0037】
このような収差補正装置Cは、例えば図6に示す如くに走査電子顕微鏡などに組み込まれる。100は内部が真空雰囲気にされた鏡筒である。鏡筒100内には、電子ビームを発生し、加速電圧によって電子にエネルギーを与える電子銃101、電子銃101で発生した電子ビームを集束し、かつ電子ビーム電流を適当な値に制限するためのコンデンサレンズ102と対物絞り103、収差補正装置C、電子ビームを二次元的に偏向して走査するための偏向器104、電子ビームをフォーカスして試料106に照射する対物レンズ107、試料106を載置して所望の場所で電子ビーム照射・走査されるように試料106を任意に駆動できる試料ステージ107、電子ビームの照射・走査に伴って試料106から発生する二次電子などの信号を検出する検出器108等が備えられている。なお、電子銃101から対物レンズ107までを電子ビームの光学系と呼ぶことがある。
【0038】
上記した構成による動作の説明を次に行う。試料面20に入射する荷電粒子ビームBのX,Y方向の角度を各々αx,αyとするとき、試料面20で観測される3次の開口収差係数は、X方向ではαx 3,αxαy 2に比例する係数として各々C30とC12,またY方向では、αx 2αy,αy 3に比例する係数として各々C21とC03がある。なお、一般式として3次のX方向及びY方向の開口収差ΔX,ΔYは、次のように表される。
ΔX=C30,xαx 3+C21,xαx 2αy+C12,xαxαy 2+C03,xαy 3
ΔY=C30,yαx 3+C21,yαx 2αy+C12,yαxαy 2+C03,yαy 3
ここで、2次の開口収差が補正されており、斜め8極子成分がなければ、
21,x=C03,x=0
30,y=C12,y=0
となる。
【0039】
記述を簡単にするために、以下の説明では、基準軌道のX方向を選び、αx 3の比例係数C30を例にとって動作原理を説明するが、その他の係数についても動作原理は同様である。
【0040】
まず、収差補正装置において、3次の開口収差補正のための静電型8極子の電位(多極子1〜4が8極子として動作するための各多極子に印加する電位)φ01、φ02、φ03、φ04が全て0のとき(3次の開口収差補正が行なわれていないとき)、レンズ系全体として試料面に形成される収差係数C0 30Sは、4段目多極子4の静電型4極子成分によるX方向の倍率M4,Xと対物レンズ7によるX方向の倍率MOLの関数である。
【0041】
0 30S=f(M4,X,MOL
ここで、この係数は補正すべき対物レンズ7の球面収差係数Csや収差補正装置の前段に配置される集束レンズの球面収差係数など、レンズ系の全ての3次開口収差係数を含むものであるが、プローブ電流の変更などによる集束レンズの球面収差係数の変化や収差補正装置の3次開口収差係数の変化は、対物レンズ7の球面収差係数と比較して、通常は充分に小さい。
【0042】
次に、収差補正装置において、4段の多極子1〜4に、3次の開口収差補正のための静電型8極子の電位φ01、φ02、φ03、φ04を与えた時、3段目多極子3の中央に作られる収差補正のためのαx 3に比例する3次の開口収差係数
C 30,O
は、後段の光学系の収差の影響がなければ試料面20では、
C 30,O・(M4,XOL4
という値となる。したがって、3次の開口収差補正が行なわれるためには、試料面で、
0 30S+CC 30,O・(M4,XOL4=0 ・・・(1)
であることが必要である。標準的な考え方では、この条件を満たす一つの方法は、C0 30S、M4,X、MOLを一定に保ったままで、静電型8極子成分の電位φ01、φ02、φ03、φ04を変え、CC 30,Oを調整することである。
【0043】
しかしながら、M4,XとMOLを変えることによって、C0 30Sは変化するかもしれないが、合成倍率M4,X、MOLを調整することによっても前記の条件を達成できると考えられる。例えば、主にX方向の収差係数に影響する2段目多極子の静電8極子成分の電位φ01に対し、加速電圧や作動距離を変えた場合、
φ02=一定
という条件をた保っても、主に合成成分M4,X、MOLを調整すれば、(1)式が成り立つことが発明者等の行ったシミュレーションによって確認できた。Y方向においても、同様に考えることができる。
【0044】
また、3次の開口収差補正において、斜め多極子の成分を無視できるときには、前記の4種の8極電位の内、3次開口収差の補正に必要な電位は3種であるから、加速電圧や作動距離を変えた場合、
φ01=φ04=一定
という条件を保っても、主に4段目多極子4の静電型4極子成分によるX方向の倍率M4,Xと、対物レンズ7の倍率MOLの合成倍率M4,XOLを調整すれば、前記(1)式の成り立つことが同様に確認できた。
【0045】
Y方向についても同様に考えることができる。ただし、4段目の多極子のY方向の倍率M4,Yだけでなく、Y方向では3段目の多極子のY方向の倍率M3,Yも関係してくる。
【0046】
前記した説明では、4段目多極子4と対物レンズ7の合成倍率という表現を用いたが、実際には、例えば、対物レンズ7の焦点距離fOLを変え、基準軌道が得られるように4段の多極子1〜4のフォーカス電位(主に4段目の多極子の静電4極子成分によるフォーカス電位φqf4)を変えることに対応する。
【0047】
前記した例では、色収差補正のことは念頭に置かず、3次開口収差補正における主に4段目多極子4の静電型4極子成分による倍率と対物レンズ7の倍率との合成倍率のみに注目して説明したが、色収差補正を行う場合でも、同様な考え方を適用することができる。
【0048】
以下、色収差および球面収差を共に補正したとき、少なくとも1種の8極子電位が一定になるような第2の実施の形態について、計算値を求める手順を示す。ここで求められた計算値は、8極子電位が一定になるような初期値として利用される。
【0049】
まず初期設定について説明する。色収差補正のための2段目、3段目の多極子2,3の磁場型4極子成分の色収差補正励磁J2,J3と、この励磁を与えたときに基準軌道を一定に保つための2段目、3段目の多極子2,3の静電型4極子成分の色収差電位φqc2、φqc3が共に0で(色収差補正が行われていない状態で)あるとする。このとき、レンズ系全体で試料面に形成されるX方向の色収差係数Cxは、主に4段目多極子4のX方向の倍率M4,Xと対物レンズ7の倍率MOLの関数である。
【0050】
Cx=f(M4,X,MOL
この状態で、前記した3次の開口収差補正の方法で、3次開口収差を補正するために、4段目多極子4のX,Y方向の各々の倍率M4,X、M4,Yと、対物レンズ7の倍率MOLを求める。この場合、注目する少なくとも1つの多極子の8極子成分の電位を一定にすることが条件とされる。この注目する多極子の例としては、2段目の多極子2か、あるいは1段目と4段目の多極子1,4の組み合わせである。
【0051】
次に、初期設定されたこの合成倍率の条件下で、基準軌道を変えないように、色収差補正励磁J2,J3と、色収差補正電位と色収差電位φqc2、φqc3を印加して、色収差補正を行なう。このような条件下で、3段目多極子3の電磁界重畳型4極子の中央に作られる収差補正のためのX方向の色収差係数COXは、後段の光学系の収差の影響がなければ試料面20では、
OX・(M4,XOL2
という色収差係数になる。
【0052】
従って、X方向の色収差係数が補正されるためには、X方向の色収差係数COXが、次の式を満たすように、色収差補正励磁J2,J3と色収差補正電位と色収差電位を調整すれば良い。
【0053】
X+COX・(M4,XOL2=0
なお、上式で、左辺の第1項は初期状態の色収差係数であり、第2項は励磁および電位印加時での色収差係数である。
【0054】
次に3次開口収差補正について説明する。前記した合成倍率M4,XOLは一定でも、色収差補正を行うと、前記した3次の開口収差係数C0 30Sは変化する。従って、今度は前記の色収差補正励磁J2,J3と色収差補正電位と色収差電位φqc2、φqc3を印加した状態で、3次開口収差補正を行う。この時の3次開口収差の補正電位は、当然ながら目標としている所定の補正電位とは異なっている。そこで、第1の実施の形態に示した方法により、3次開口収差を補正する電圧が目標値になるように基準軌道を変える。すなわち、注目する少なくとも1つの多極子の8極子成分の電位を一定にするように4段目多極子4のX、Y方向の各々の倍率M4,X、M4,Yと、対物レンズ7の倍率MOLを求める。ここで、基準軌道(従って合成倍率)を変えるため、当然ながら色収差補正電圧は最適値からずれることになる。
【0055】
次に、繰り返し設定動作について説明する。ここで、与えられた合成倍率に対する前記した色収差補正と、注目する少なくとも1つの多極子の8極子成分の電位を一定にする前記した3次開口収差補正を交互に繰り返し、最終的に、加速電圧や作動距離が変化しても、次に示す3つの条件を同時に満たす各値を求めることができる。
【0056】
第1の条件は、注目する少なくとも一つの多極子の8極子成分の電位が一定であること、第2の条件は、色収差が補正されていること、第3の条件は、球面収差が補正されていることである。この3つの条件を同時に満たす各値は、次に箇条書きする。
1.対物レンズの倍率MOL(または焦点距離fOL
2.主に4段目多極子の4極子成分の倍率M4,X、M4,Y(または主に4極子成分のフォーカス電位φqF2(Y方向は3段目の4極子の倍率M3,Yも関係してくる))
3.色収差補正励磁J2,J3と色収差補正電位と色収差電位φqc2、φqc3
4.3次の開口収差補正電位φ01、φ02、φ03、φ04
上記初期設定、色収差補正、3次開口収差補正、繰り返し設定で求めた値は、加速電圧や作動距離を変えた場合の初期値としてのデータテーブルとして用いることができる。このように構成することで、条件を変更した場合でも基準となる(目安となる)補正条件が一定になるところがあるため、操作性が向上することになる。
【0057】
例えば、加速電圧を変えたとき、色収差と3次開口収差を共に補正し、それに加えて、(φ01=φ04=一定)の条件を満たすように、4段の多極子1〜4の8極子成分の電位φ01、φ02、φ03、φ04を制御した例を示す。加速電圧Va1〜Va2までは、色収差補正の電源の電位または電流が足りており、(φ01=φ04=一定)の条件を満足する。このような加速電圧Vaの変化に伴う3次開口収差補正電位との関係を図7に示す。
【0058】
一方、加速電圧がVa2以上では、これらの電圧または電流が不足するので、レンズ系の倍率(主に4段目多極子4と対物レンズ7の合成倍率)を下げた結果、8極子成分の電位も一定値を維持できなかった例である。しかしながら、収差補正のための目標電圧が一定値付近にあって見やすいため、操作性が向上する。
【0059】
図8に本発明の他の実施の形態を示す。これまでに説明した実施の形態では、加速電圧や作動距離を変更したとき、4段目多極子4の4極子成分によるレンズ倍率と対物レンズ7の合成倍率を変更することで、収差補正装置で発生させる収差補正量をあまり変えずに色収差と3次の開口収差を補正するようにした。
【0060】
したがって、4段目多極子成分を変えると基準軌道が変わるため、X方向とY方向のレンズ倍率の比が変化し、これによって3次開口収差を補正する多極子の内、一定の8極子電位に保つことができるのは、独立な3種の電位の内、特定の1種だけに限られていた。
【0061】
ここで、収差補正装置Cと対物レンズ7の間に少なくとも一つの追加レンズ27を配置することにより、追加レンズ27の倍率MAと対物レンズ7の倍率MOLによる合成倍率MAOLを調整するようにすれば、収差補正装置内の基準軌道を変えないでも、色収差や3次開口収差の補正が可能なように構成できる。
【0062】
このような構成を用いれば、X,Y方向の倍率の変化が軽減され、加速電圧や作動距離を変えたとき、独立な3種の3次開口収差の補正電位を全て一定に保つことが可能となる。したがって、4段の多極子の8極子成分の電位は全て一定に保ったまま、色収差と3次開口収差の補正が可能となる。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に基づく荷電粒子ビーム装置における収差補正方法および荷電粒子ビーム装置は、4段の静電型4極子と、4段の静電型4極子の中央の2段の静電型4極子の電位分布と相似な磁位分布を重畳させる2段の磁場型4極子と、荷電粒子ビームを試料にフォーカスさせる対物レンズと、荷電粒子ビームの光路の一部に設けられた対物絞りと、荷電粒子ビームの加速電圧や対物レンズと試料間の距離である作動距離を変更する操作部と、操作部の操作または設定に基づいて前記各4極子を制御する制御部を備えた荷電粒子ビーム装置における収差補正装置において、前記加速電圧や作動距離を変更したとき、4段の静電型4極子と4段の静電型4極子の後段に設けられた対物レンズとの合成倍率を調整して、3次の開口収差を補正するための複数種の8極子電位の内、少なくとも1種の8極子電位を一定に保つようにしたことを特徴としている。
【0064】
この結果、合成倍率を変化させなかったときのように、3次開口収差補正のための電圧が低加速電圧側で極端に減少することがなくなった。また、合成倍率を大きく変化させたときのように、3次開口収差補正のための電圧が、低加速電圧側で極端に増大することもなくなった。そして、目標となる補正電位が条件変更に対して一定値であるため、操作性を向上させることができる。
【0065】
また、本発明に基づく荷電粒子ビーム装置における収差補正方法および荷電粒子ビーム装置では、加速電圧や作動距離を変更したとき、4段の静電型4極子と対物レンズとの合成倍率を調整することに加えて、収差補正装置の色収差補正電位の調整も行なうようにしたので、色収差係数と、3次開口収差係数を共に0に補正しても、前記した効果が得られる。
【0066】
また、本発明に基づく荷電粒子ビーム装置における収差補正方法および荷電粒子ビーム装置では、荷電粒子ビームの加速電圧または作動距離を所定の範囲で変更したとき、3次の開口収差を補正するための4種の8極子電位の内、1段目と4段目の補正電位を一定に保つようにしたので、操作性の向上の効果がより顕著に得られる。
【0067】
また、本発明に基づく荷電粒子ビーム装置における収差補正方法および荷電粒子ビーム装置では、荷電粒子ビームの加速電圧または作動距離を所定の範囲で変更したとき、3次の開口収差を補正するための4種の8極子電位を一定に保つようにしたので、操作性の向上の効果がより顕著に得られる。
【0068】
また、本発明に基づく荷電粒子ビーム装置では、収差補正装置の静電型多極子と対物レンズとの間に少なくとも1個の追加レンズを配置し、加速電圧や作動距離を変更したとき、操作部からの指示に基づき、追加レンズと対物レンズとの合成倍率を調整して、収差補整装置の倍率調整に伴う、X,Y方向の倍率のズレが軽減されるように構成したので、3次の開口収差を補正するための複数種の8極子電位の全ての8極子電位を一定に保つことが可能になった。
【0069】
また、合成倍率を変化させなかったときのように、3次開口収差補正のための電圧が低加速電圧側で極端に減少することがなくなった。また、合成倍率を大きく変化させたときのように、3次開口収差補正のための電圧が、低加速電圧側で極端に増大することもなくなった。そして、目標となる補正電位が条件変更に対して一定値であるため、操作性を向上させることができる。
【0070】
また、本発明に基づく荷電粒子ビーム装置では、収差補正装置の静電型多極子と対物レンズとの間に少なくとも1個の追加レンズを配置し、加速電圧や作動距離を変更したとき、操作部からの指示に基づき、収差補正装置の色収差補正電位の調整と、追加レンズと対物レンズとの合成倍率を調整して、収差補整装置の倍率調整に伴う、X,Y方向の倍率のズレが軽減されるように構成したので、3次の開口収差を補正するための複数種の8極子電位の全ての8極子電位を一定に保つことが可能になった。
【0071】
また、色収差係数と、3次開口収差係数を共に0に補正しても、合成倍率を変化させなかったときのように、3次開口収差補正のための電圧が低加速電圧側で極端に減少することがなくなった。また、合成倍率を大きく変化させたときのように、3次開口収差補正のための電圧が、低加速電圧側で極端に増大することもなくなった。そして、目標となる補正電位が条件変更に対して一定値であるため、操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】収差補正装置の原理の概略を説明するための図である。
【図2】静電型12極子を12以下の静電型多極子として用いる方法を示す図である。
【図3】磁場型12極子を12以下の磁場型多極子として用いる方法を示す図であり、本発明の基本構成を示す図である。
【図4】静電型多極子の標準配列を示す図であり、本発明の動作原理を説明するための図である。
【図5】本発明の基本構成を示す図である。
【図6】収差補正装置Cが組み込まれた走査電子顕微鏡の例を説明する図である。
【図7】加速電圧と収差補正電圧との関係を示す図である。
【図8】本発明の他の実施の形態の基本構成を示す図である。
【符号の説明】
C 収差補正装置
1,2,3,4 静電型4極子
7 対物レンズ
8 対物絞り
9 操作表示部
11,12,13,14,17,22,23 電源
19 制御部
20 試料面
27 追加レンズ

Claims (8)

  1. 4段の静電型4極子と、4段の静電型4極子の中央の2段の静電型4極子の電位分布と相似な磁位分布を重畳させる2段の磁場型4極子と、荷電粒子ビームを試料にフォーカスさせる対物レンズと、荷電粒子ビームの光路の一部に設けられた対物絞りと、荷電粒子ビームの加速電圧や対物レンズと試料間の距離である作動距離を変更する操作部と、操作部の操作又は設定に基づいて前記各4極子を制御する制御部を備えた荷電粒子ビーム装置における収差補正装置において、前記加速電圧や作動距離を変更したとき、4段の静電型4極子と4段の静電型4極子の後段に設けられた対物レンズとの合成倍率を調整すると共に、3次の開口収差を補正するための4種の8極子電位の内、1段目と4段目の補正電位を一定に保つようにしたことを特徴とする荷電粒子ビーム装置における収差補正方法。
  2. 4段の静電型4極子と、4段の静電型4極子の中央の2段の静電型4極子の電位分布と相似な磁位分布を重畳させる2段の磁場型4極子と、荷電粒子ビームを試料にフォーカスさせる対物レンズと、荷電粒子ビームの光路の一部に設けられた対物絞りと、荷電粒子ビームの加速電圧や対物レンズと試料間の距離である作動距離を変更する操作部と、操作部の操作又は設定に基づいて前記各4極子を制御する制御部を備えた荷電粒子ビーム装置における収差補正装置において、前記加速電圧や作動距離を変更したとき、4段の静電型4極子と4段の静電型4極子の後段に設けられた対物レンズとの合成倍率を調整すると共に、3次の開口収差を補正するための4種の8極子電位を一定に保つようにしたことを特徴とする荷電粒子ビーム装置における収差補正方法。
  3. 前記加速電圧や作動距離を変更したとき、収差補正装置と対物レンズとの合成倍率を調整することに加えて、収差補正装置の色収差補正電位の調整も行なうようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の荷電粒子ビーム装置における収差補正方法。
  4. 4段の静電型4極子と、4段の静電型4極子の中央の2段の静電型4極子の電位分布と相似な磁位分布を重畳させる2段の磁場型4極子と、荷電粒子ビームを試料にフォーカスさせる対物レンズと、荷電粒子ビームの光路の一部に設けられた対物絞りと、荷電粒子ビームの加速電圧や対物レンズと試料間の距離である作動距離を変更する操作部と、操作部の操作又は設定に基づいて前記各4極子を制御する制御部を備えた収差補正装置と、4段の静電型4極子の後段に配置された対物レンズとを有した荷電粒子ビーム装置において、制御部は、前記加速電圧や作動距離を変更したとき、操作部からの指示に基づき、収差補正装置と対物レンズとの合成倍率を調整すると共に、3次の開口収差を補正するための4種の8極子電位の内、1段目と4段目の補正電位を一定に保つように構成したことを特徴とする荷電粒子ビーム装置
  5. 4段の静電型4極子と、4段の静電型4極子の中央の2段の静電型4極子の電位分布と相似な磁位分布を重畳させる2段の磁場型4極子と、荷電粒子ビームを試料にフォーカスさせる対物レンズと、荷電粒子ビームの光路の一部に設けられた対物絞りと、荷電粒子ビームの加速電圧や対物レンズと試料間の距離である作動距離を変更する操作部と、操作部の操作又は設定に基づいて前記各4極子を制御する制御部を備えた収差補正装置と、4段の静電型4極子の後段に配置された対物レンズとを有した荷電粒子ビーム装置において、制御部は、前記加速電圧や作動距離を変更したとき、操作部からの指示に基づき、収差補正装置と対物レンズとの合成倍率を調整すると共に、3次の開口収差を補正するための4種の8極子電位を一定に保つように構成したことを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
  6. 前記制御部は、前記加速電圧や作動距離を変更したとき、収差補正装置と対物レンズとの合成倍率を調整することに加えて、収差補正装置の色収差補正電位の調整も行なうように構成されたことを特徴とする請求項4又は5記載の荷電粒子ビーム装置。
  7. 収差補正装置の静電型多極子と対物レンズとの間に少なくとも1個の追加レンズを配置し、加速電圧や作動距離を変更したとき、操作部からの指示に基づき、追 加レンズと対物レンズとの合成倍率を調整すると共に、3次の開口収差を補正するための複数種の8極子電位の内、少なくとも1種の8極子電位を一定に保つように構成したことを特徴とする請求項4乃至6の何れかに記載の荷電粒子ビーム装置。
  8. 収差補正装置の静電型多極子と対物レンズとの間に少なくとも1個の追加レンズを配置し、加速電圧や作動距離を変更したとき、操作部からの指示に基づき、収差補正装置の色収差補正電位の調整と、追加レンズと対物レンズとの合成倍率を調整すると共に、3次の開口収差を補正するための複数種の8極子電位の内、少なくとも1種の8極子電位を一定に保つように構成したことを特徴とする請求項4乃至6の何れかに記載の荷電粒子ビーム装置。
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