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JP4133622B2 - 筆穂 - Google Patents
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JP4133622B2 - 筆穂 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネイルアートなどの化粧液や漆器蒔絵用などの細い線を描く面相筆といった、特に、高粘度塗布液の吐布具に用いられる筆穂に関し、高粘度塗布液の保持性と筆記時の筆記感(筆穂を塗布面に押し付けた際のソフト感と筆穂の復元性)を良好となした筆穂に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、面相筆などの筆穂は、馬や鹿、豚、鼬、狸、栗鼠、貂、羊などの獣毛を使用しており、使用目的、使用者の好みなどによって筆穂の硬さ、太さなどを調整するために、上記獣毛の種類や組み合わせ方を変えて製品としている。一般的には、筆毛のテーパー形状が長くその表面状態が繊細でかつ肌当たりが柔らかい獣毛のみで作った筆穂の品質が良いとされている。特に、鼬毛、羊毛、貂毛がその代表である。しかし、獣毛は天然物であるため、品質が一定なものが得難いとか、任意の寸法形状のものとすることが困難であるとか、耐摩耗性が低いとかいった問題があり、更には、鼬、狸、貂の収穫量の減少による高価格化といった問題もある。
【0003】
そこで、筆穂を形成する獣毛の代わりに合成樹脂製筆毛を用いることが行われている。合成樹脂製繊維の先端をテーパー化し、獣毛のような合成樹脂製筆毛となすためには、合成樹脂製繊維を溶解または分解する処理液に接触させる方法などが提案されている。(特許文献1参照、特許文献2参照)。
【0004】
ところで、先端をテーパー化した合成樹脂製筆毛を用いた筆穂は、塗布液の保持力が低いといった問題や塗布した際、筆記感がハードで使用感が悪いといった問題を有している。これを解決するために、獣毛と先端をテーパー化した合成樹脂製筆毛とを混毛してなる筆穂(特許文献3参照)や波状に皺曲(クリンプ)して、その波長が各々相違する多数の合成樹脂製筆毛よりなる筆穂(特許文献4参照)や、ポリエステル繊維を加水分解による加工法により得た4種のテーパー繊維を、テーパーの長い繊維を命毛に用い、その次にテーパーの長い繊維を喉に用い、テーパーの長さの中位の繊維を腹に用い、テーパーの短い繊維を腰に用いてにる筆穂(特許文献5参照)などが提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特公昭49−6159号公報(特許請求の範囲)。
【特許文献2】
特公昭60−30556号公報(第3欄第24行目〜第4欄15行目)。
【特許文献3】
特開昭63−102998号公報(特許請求の範囲)。
【特許文献4】
(実開昭62−114781号公報(実用新案登録請求の範囲)。
【特許文献5】
実開昭56−83073号公報(実用新案登録請求の範囲)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記獣毛と先端をテーパー化した合成樹脂製筆毛とを混毛したものの場合、獣毛ゆえの欠点を合わせ持たざるを得ず、又、クリンプの波長が各々相違する多数の合成樹脂製筆毛よりなるものの場合、空間率が大きくなり易く、穂先が広がりすぎて、穂先のまとまりが劣る(バラケる)といった問題を有していた。また、4種のテーパー長さの違うポリエステル繊維よりなる筆穂は、全てストレートであって先端をテーパー化した繊維を用いるため穂先のまとまりは良いが、筆毛が密集過ぎて、塗布液の保持性が悪いといった問題が残されていた。
因みに、本発明における高粘度塗布液は、その粘度が25℃において1000〜10000mPa・sの範囲であるものを示す。
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、高粘度塗布液などを塗布する筆穂であって、塗布液の吐出性が良好で、また、筆記時の筆記感がソフトで筆記後の戻りが良い筆穂を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ストレートな筆毛とクリンプを有する筆毛を混毛してなる筆穂であって、前記ストレートな筆毛を20〜50重量%とすると共に、クリンプを有する筆毛を50〜80%とし、また、前記筆穂の直径を0.8mmとすると共に、筆穂の長さを15mm〜26mmとしたことを要旨とするものである。
【0008】
以下、本発明について説明する。図1において、参照符号1は面相用筆穂であり、この筆穂1は、固定管4に挿入固定され、この固定管4は、後軸5の前端に挿入固定され筆を形成している。また、筆穂1は、先端をテーパー加工したストレートな筆毛2と、先端をテーパー加工したクリンプを有する筆毛3とを用いて長手方向に集束し、後端を熱溶着や接着剤による接着などの方法により固着して形成したものである。
【0009】
筆毛2、3に使用している合成樹脂製の繊維材質としては、ポリアミド(6、6−ナイロン、6−ナイロン、12−ナイロン、6,10−ナイロン、6,12−ナイロンなど)ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど)、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−スチレン共重合物、アクリロニトリル−ブタジエン共重合物などを用いることができるが、各筆毛の材質は同一であっても異なっていても良い。
【0010】
前記合成樹脂製繊維の先端をテーパー化し筆毛となすには、前記したように、処理液による方法が好ましく、具体的一例としては、ポリアミドに対してメタクレゾールと塩化カルシウム−メタノール溶液との混和液、ポリエステルに対して水酸化ナトリウム水溶液などの組み合わせが挙げられる。但し、必ずしもこの方法に限定されるものではなく、例えば、合成樹脂製繊維に熱延伸を与えてテーパー状に引き伸ばしたり、グラインダー研磨など機械的にテーパー化するなどの他の方法を採用しても良い。
【0011】
筆穂1に用いる筆毛の径(直径D)は、製造用途又は大きさ(太さ及び長さ)によっても異なるが、本発明に係る面相筆の筆穂1における筆毛2は、0.10〜0.16mmのものを用いることが好ましく、又、筆毛3は、0.05〜0.07mmのものを用いることが好ましい。尚、ここでいう筆毛の径とは、テーパー加工されていない部分の径をいうものである。
【0012】
ここで、前記ストレートな筆毛2を使用する目的は、塗布後の筆穂の戻りと筆穂のまとまりを良くする目的で使用するものである。その直径Dとしては、0.10mm〜0.16mm程度が好ましい。その理由としては、直径Dが0.10mmに満たないと、塗布後の穂穂の戻りが悪くなったり、直径Dが0.16mmを超えると塗布時の筆記感がハードになり使用感が悪くなるからである。
又、筆穂1に占める使用割合としては、ストレートな筆毛2は、20〜50重量%が好ましい。その理由は、ストレートな筆毛2が20重量%に満たないと筆穂の復元性が悪くなったり、腰砕け、即ち、筆穂に屈折が発生してしまい、又、ストレートな筆毛2が50重量%を超えると塗布液の保持性が悪くなったり、塗布時の筆記感がハードになり使用感が悪くなるからである。
尚、筆毛は、直径Dが0.10〜0.16mmの範囲であれば、何種類使用しても良い。
【0013】
クリンプを有する筆毛3は、塗布時の塗布液の保持性及び塗布時の筆記感を柔らかくする(即ち、ソフトにする)目的のために使用するものであって、そのクリンプ状態としては種々のものが採用できる。その直径Dとしては、0.05mm〜0.07mm程度が好ましい。その理由は、直径Dが0.05mmに満たないとテーパー加工上テーパーが形成されていない粗い毛が混入することがあり、直径Dが0.07mmを超えると塗布時の筆記感がハードになり使用感が悪くなったり、塗布液の保持性が悪くなるからである。
又、筆穂1に占める割合としては、クリンプを有する筆毛3は、50〜80重量%が好ましい。その理由は、50重量%に満たないと塗布時において、塗布液の保持性が悪いと共に、塗布時の筆記感がハードになり使用感が低下することがあり、80重量%を超えると塗布時に筆穂がバラケたり、塗布後の筆穂の戻りが悪くなることがあるからである。
尚、筆毛3のクリンプのピッチPは、1.5mm〜3.5mmのものを、クリンプ高さHは、0.04mm〜0.13mmのものを用いることが好ましい。又、尚、筆毛の直径DDが0.05〜0.07mmの範囲であれば、何種類使用しても良い。
又、筆穂の長さとしては、15mm〜26mm程度が好ましく、これは、筆穂を塗布面に押し付けた際のソフト感と筆穂の復元性が良好になるからである。ちなみに、15mm未満であると、筆記感がハードになってしまうばかりでなく、視認性が悪くなり細かな作業が困難となり、26mmを超えると筆穂の復元性が悪くなってしまう。
【0014】
本発明の面相筆筆穂を製造するに当たっては、上記2種類の筆毛を少なくとも混毛し、後端を溶着、接着又は、後部を糸などで縛って筆毛の脱落を防止して筆穂となす訳であるが、混毛された筆穂は、ストレートな筆毛2とクリンプを有する筆毛3とがお互いに均一に配列されていることが好ましい。
【0015】
【実施例】
以下、実施例を説明する。
図1は、本発明の面相筆筆穂の使用例である筆を示すものである。参照符号1は、面相筆筆穂であり、後述する筆毛2,3を混毛し、その後部を溶着したものである。面相筆筆穂1は、固定管4に挿入固定され、この固定管4は、後軸5の前端に挿入固定され筆を形成している。
筆毛は、先端をテーパー加工したストレートな筆毛2と、先端をテーパー加工したクリンプを有する筆毛3とを用いるが、他の条件を表1に示す。
【0016】
【表1】
Figure 0004133622
【0017】
実施例1〜11
表2に実施例1〜11の筆穂の筆毛の配合を示す。
【0018】
【表2】
Figure 0004133622
【0019】
比較例1〜9
表3に比較例1〜9の筆穂の筆毛の配合を示す。
【0020】
【表3】
Figure 0004133622
【0021】
上記実施例1〜11及び比較例1〜9の面相用筆穂を用いて図1のように筆を形成し、漆使用時の塗布試験をおこなった。
【0022】
塗布試験(アンケート調査)
方法:任意に抽出した漆器蒔絵師に実際に面相筆を使用してもらい、使用性についてアンケート調査を実施した。
【0023】
【表4】
Figure 0004133622
【0024】
【発明の効果】
本発明に係る筆穂は、ストレートな筆毛とクリンプを有する筆毛を混毛してなる筆穂であって、前記ストレートな筆毛を20〜50重量%とすると共に、クリンプを有する筆毛を50〜80%とし、また、前記筆穂の直径を0.8mmとすると共に、筆穂の長さを15mm〜26mmとしたので、筆穂の復元性が良く、また、使用感も柔らかく、しかも、塗布液の保持性が良いものが得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例の穂先を装着した筆の正面図である。
【図2】筆毛の拡大模式図である(ストレートな筆毛)。
【図3】筆毛の拡大模式図である(クリンプを有する筆毛)。
【符号の説明】
1 筆穂
2 先端をテーパー加工したストレートな小径の筆毛
3 先端をテーパー加工したクリンプ有する小径の筆毛
4 前軸
5 後軸

Claims (2)

  1. ストレートな筆毛とクリンプを有する筆毛を混毛してなる筆穂であって、前記ストレートな筆毛を20〜50重量%とすると共に、クリンプを有する筆毛を50〜80%とし、また、前記筆穂の直径を0.8mmとすると共に、筆穂の長さを15mm〜26mmとしたことを特徴とする筆穂。
  2. 前記クリンプを有する筆毛は、クリンプ間のピッチが1.5mm〜3.5mmであり、また、クリンプ高さが0.04mm〜0.10mmであることを特徴とする請求項1記載の筆穂。
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