JP4134424B2 - 車両用衝突判別装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両と歩行者あるいはその他の障害物との衝突において、衝突対象との衝突を電気回路網の接続関係の変化に伴う電気信号の変化として検出する衝突検出手段と、該衝突検出手段によって検出した検出情報に基づき衝突対象を推定する衝突対象推定手段とから成る車両用衝突判別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用乗員保護装置の衝突検出スイッチは、図26に示されるようにサイドモールSの凹部に固定された第1電極Fに突設されたロケートピンRに環状の絶縁部材Zを落とし込み、さらに複数の孔が形成された導電ゴムDおよび第2電極Tを落とし込み、車両のドア等のアウターパネルに予め穿設された取付孔に挿入して固定部材によって固定されるものであった。
【0003】
衝突検出スイッチは、衝突対象が車両の側方から衝突し、所定値以上の外力が加わり、前記導電ゴムDが変形すると、前記第1電極Fおよび前記第2電極Tの間の抵抗が変化して、衝突を検出するものであった。
【0004】
また従来破壊感知用車両衝突センサは、図27に示されるように導電性チューブCの中に同軸的に導電性のロッドRDが配置され、このロッドRDを前記チューブCから絶縁するために少なくとも2個の環状の絶縁手段RZが介挿されるものであった。
【0005】
車両の衝突時にこの導電性チューブCに、所定の大きさ以上の力によって変形し、車両の破壊に応じて前記チューブCが前記ロッドRDに接触して、衝突を検出するものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
また上記従来装置は、衝突を検出するセンサが衝突時も正常に作動することが前提となって構築されている。しかし、実際には衝突によってセンサの一部が破損し正常に動作しない場合があり得るという問題があった。
【0007】
そこで本発明者は、発想を転換し、車両と衝突対象との衝突によって積極的に壊れる部分を予め作っておき、その壊れ方(量・形)から衝突対象を推定するということに着目し、衝突対象の該車両への衝突によって前記衝突対象のサイズおよび形に応じて変形した衝突部分の変形量に対応する車両の一部に配設された電気回路網の接続関係の変化を電気信号の変化として検出し、検出された衝突部分の変形量に対応する電気信号の変化量に基づき、車両に衝突した前記衝突対象のサイズおよび形を推定することにより前記衝突対象を推定するという本発明の技術的思想に着眼し、更に研究開発を重ねた結果、衝突対象の推定、すなわち歩行者との衝突および車両その他の障害物との衝突との区別を可能にするという目的を達成する本発明に到達した。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明(請求項1に記載の第1発明)の車両用衝突判別装置は、
車両の一部に少なくとも2つ以上の抵抗と該抵抗を接続するとともに衝突部分の変形衝撃により切断する配線とから成り、該配線を介して前記抵抗の端部に電圧が印加される電気回路網が配設され、衝突対象の該車両への衝突によって前記衝突対象のサイズおよび形に応じた変形衝撃による前記配線の切断により衝突部分の変形量に対応した前記電気回路網の接続関係の変化を、該電気回路網の抵抗変化に対応する電圧信号の変化として検出する衝突検出手段と、
検出された衝突部分の変形量に対応する電圧信号の変化量に基づき、車両に衝突した前記衝突対象のサイズおよび形を推定することにより前記衝突対象を推定する衝突対象推定手段とから成る
ものである。
【0009】
本発明(請求項2に記載の第2発明)の車両用衝突判別装置は、
前記第1発明において、
前記電気回路網が、前記配線により複数の抵抗が直列および並列に接続されている複数の検出領域より成り、
前記各検出領域における前記複数の抵抗の抵抗値が、前記検出領域ごとに抵抗値が異なるように設定されている
ものである。
【0010】
【発明の作用および効果】
上記構成より成る第1発明の車両用衝突判別装置は、車両の一部に配設され少なくとも2つ以上の抵抗と該抵抗を接続するとともに衝突部分の変形衝撃により切断する配線とから成り、該配線を介して前記抵抗の端部に電圧が印加される電気回路網を備える前記衝突検出手段が、衝突対象の該車両への衝突によって前記衝突対象のサイズおよび形に応じた変形衝撃による前記配線の切断により衝突部分の変形量に対応した前記電気回路網の接続関係の変化を、該電気回路網の抵抗変化に対応する電圧信号の変化として検出し、前記衝突対象推定手段が、検出された衝突部分の変形量に対応する電圧信号の変化量に基づき、車両に衝突した前記衝突対象のサイズおよび形を推定することにより前記衝突対象を推定するので、衝突対象の推定、すなわち歩行者との衝突および車両その他の障害物との衝突との区別を可能にするという効果を奏する。
【0011】
上記構成より成る第2発明の車両用衝突判別装置は、前記第1発明において、 前記電気回路網を構成する前記配線により複数の抵抗が直列および並列に接続されている複数の検出領域の各検出領域における前記複数の抵抗の抵抗値が、前記検出領域ごとに抵抗値が異なるように設定されているので、簡単なセンサーによって前記衝突対象推定手段が、検出された衝突部分の変形量に対応する電圧信号の変化量に基づき、前記衝突対象のサイズおよび形を確実に推定することにより、前記衝突対象を推定して、歩行者および車両その他の障害物との衝突を確実に推定するという効果を奏する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態につき、さらに説明する。
【0013】
(実施形態)
本実施形態の車両用衝突判別装置は、車両と歩行者あるいは他の障害物との衝突において、電気回路網の破壊状態から衝突状態を検出する衝突検出手段と、衝突検出手段で検出した検出情報である破壊状態に基づき衝突対象を推定する衝突対象推定手段とから成るものである。
【0014】
前記衝突検出手段は、車両に装着した電気回路網を形成する複数の絶縁被覆導電線と、各絶縁被覆導電線に電圧を印加する電圧印加回路と、各絶縁被覆導電線の印加電圧を検出する電圧検出回路からなる。
【0015】
前記衝突対象推定手段は、前記衝突検出手段の電圧検出回路で検出した各絶縁被覆導電線の電圧(絶縁被覆導電線の断線状態)を基に衝突対象の判別を行う衝突対象判別回路からなる。
【0016】
前記衝突対象判別回路は、各絶縁被覆導電線の電圧を加算出力する加算回路と加算回路の出力と予め設定した基準電圧を比較し、比較結果を出力する比較回路からなる。
【0017】
前記衝突検出手段の複数の絶縁被覆導電線は、車両外周部近傍に配置されており、各絶縁被覆導電線の両端には電圧印加回路により電圧が印加されている。前記電圧は、電圧検出回路により検出され加算回路で加算される。
【0018】
通常、前記絶縁被覆導電線による電気回路網は接続状態となっており、加算結果は回路抵抗網に対応した値となっている。衝突時においては衝突の衝撃により電気回路網が破損するため、破損の程度により加算結果が小さくなる。
【0019】
すなわち前記電気回路網の破損の程度は、衝突対象が歩行者の場合は小さく、車両の場合は大きくなる。したがって、衝突時の電圧の加算結果の変化は、歩行者の場合が小さく、車両の場合が大きくなる。この電圧変化を比較回路において規定値と比較することにより、歩行者と車両の判別が可能となり、判別結果を基に歩行者保護装置あるいは乗員保護装置を作動させることが可能となる。
【0020】
【実施例】
以下本発明の実施例につき、図面を用いて説明する。
【0021】
(第1実施例)
本第1実施例の車両用衝突判別装置は、図1ないし図4に示されるように車両100の外周部であるバンパ101に配置された複数の検出領域11、12、13より成る電気回路網10からなる衝突検出手段1と、各検出領域に電圧を印加する電圧印加回路14と、衝突後の各検出領域における電圧値を検出する電圧検出回路15と、検出された衝突後の各検出領域における電圧値を加算する加算回路21と加算結果である衝突後の各検出領域に電圧値を規定値と比較して衝突の有無および作動すべき保護装置を選択する比較回路22とから成る衝突対象推定手段2と、衝突した歩行者を保護する歩行者保護装置3と、乗員を保護する乗員保護装置4とから成る。
【0022】
前記電気回路網10は、図1および図5に示されるようにシールド線111ないしl33と抵抗110ないし130からなり、衝突時に衝突の衝撃により破断(剪断)される。該破断(剪断)により前記電気回路網10の導通経路が変化して前記電圧検出回路15で検出する電圧値が変化する。前記シールド線および前記抵抗の抵抗値は、検出領域ごとにその大きさが異なるように設定してあり、導通経路に応じて、電圧検出回路15で検出される電圧値が異なるように構成してある。
【0023】
すなわち図5に示される前記電気回路網10において、前記第1の検出領域の抵抗110=10KΩ、シールド線111=10KΩ、シールド線112=15KΩ、シールド線113=20KΩであり、前記第2の検出領域の抵抗120=10KΩ、シールド線121=30KΩ、シールド線122=35KΩ、シールド線123=40KΩであり、前記第3の検出領域の抵抗130=10KΩ、シールド線131=70KΩ、シールド線132=75KΩ、シールド線133=80KΩである。
【0024】
前記衝突検出手段1は、図2に示されるようにバンパ101内において車両幅方向に複数列設された略T字状の縦断面の切断部材16と、該切断部材16の突出部161が介挿されるガイド17と、前記切断部材の突出部を車両進行方向前方に付勢するバネ18と、前記切断部材が衝突対象に衝突した時に前記切断部材が車両進行方向後方に押し込まれると前記切断部材の突出部161の後端によって切断される位置の前記ガイド17に配設された前記電気回路網10を構成するシールド線111ないし133とから成り、衝突時に前記切断部材16が衝突対象によって押され前記ガイド17内を前記切断部材16の前記突出部161が移動することにより前記シールド線を切断することにより導通経路を遮断するものである。
【0025】
前記切断部材16の突出部161が介挿される前記ガイド17の形状としては、例えば図3または図4に示されるように円筒形あるいは矩形などとすることができ、適宜選択される。
【0026】
前記衝突対象推定手段2は、前記電圧検出回路15によって検出された電圧値を加算する前記加算回路21の加算結果を前記比較回路22によって前記規定値と比較することにより、衝突により導通経路がどのように変化したかが分かり、前記電気回路網10の破壊の程度すなわち衝突状態および衝突対象を推定するものである。この推定結果に基づき、乗員保護装置4を作動させるか、歩行者保護装置3を作動させるかを決める。
【0027】
前記衝突対象推定手段2における判断および衝突対象の推定のための処理の手順について、図6のチャート図を用いて説明する。図6はバンパ101に本発明を適用した、前突事故時における処理フローチャート例である。
【0028】
図6は、前記電気回路網10の所定部の電圧を前記加算回路21で加算し、加算値をサンプルして一定値以下なら処理を行う。予め設定した遅延時間後に加算値を調べ、さらに車速を調べることにより、乗員保護装置を作動すべきか、歩行者保護装置を作動すべきかを決めるものである。
【0029】
ステップ101において、前記比較回路22によって検出された前記加算回路21の加算出力が、図6に示される判別開始レベル以下かどうかが判断され、判別開始レベル以下の場合はステップ102において、車速に応じて変化する遅延時間を経過したかどうかを判断する。
【0030】
遅延時間を経過した場合は、ステップ103において、車両が停止中かどうか判断し、停止中の場合は、前突、右側突、左側突に応じて対応する乗員保護装置を作動させる。
【0031】
ステップ104において、前記加算回路21の加算出力のレベルが、歩行者判別レベル以下かどうかを判断し、歩行者判別レベルの場合は歩行者保護装置3を作動させ、歩行者判別レベル以下の場合(前記電気回路網10の破壊が大きい場合)は、乗員保護装置4を作動させる。
【0032】
上記構成より成る本第1実施例の車両用衝突判別装置は、衝突により前記シールド線111ないし133を前記切断部材16によって切断することにより、前記バンパ101内に配設した前記電気回路網10の導通経路が遮断され、前記電気回路網10の抵抗が変化するのを利用して、衝突体のバンパへの衝突位置、衝突体の大きさおよび衝突力などを推定する。
【0033】
上記推定は、加算回路の出力の変化状況に応じて行う。具体的には、図7に示されるように遅延時間と判別レベルを車両の運転情報(車速、ブレーキ力等)に応じて変更して行う。
【0034】
推定した衝突体に関する情報に基づいて使用すべき安全保護装置である衝突した歩行者を保護する歩行者保護装置3と、乗員を保護する乗員保護装置4とを選択作動させる。
【0035】
上記作用を奏する本第1実施例の車両用衝突判別装置は、前記衝突対象との衝突に伴う前記電気回路網10の破壊による導通経路の変化により、衝突状態を推定することから、衝突検出の精度および信頼性が高まり、乗員保護あるいは歩行者保護を確実に選択することが可能となり、安全性を向上させることができるという効果を奏する。
【0036】
また本第1実施例の車両用衝突判別装置は、前記電気回路網10がシールド線と抵抗から構成されることから、小型化および低コスト化が容易であるという効果を奏する。
【0037】
さらに本第1実施例の車両用衝突判別装置は、前記切断部材16が、前記バネ(弾性体)18の付勢力による抗力を受けながら移動することから、前記バネ(弾性体)18の付勢力、バネ定数、弾性体の材質その他の変更によって、シールド線を切断する衝突力を変更できる。
【0038】
また前記衝突検出手段1を構成するセンサを前記バンパ101の車両の幅方向に複数配置することにより、衝突対象の幅方向の大きさおよびバンバとの衝突位置から、衝突体のバンパへの衝突位置、衝突体の大きさを推定することにより、衝突対象が歩行者か、車両その他の障害物を特定することが出来る。
【0039】
すなわち電源電圧を12Vとした場合の前記加算回路の出力例を示す図8において、□印は、第1の検出領域11に衝突対象が衝突した場合の加算回路の出力例であり、シールド線111の導通路が切断された場合の出力は15.39Vになり、シールド線111および112が切断された場合は12.93V,シールド線111、112、113が切断された場合は8.96Vとなる。
【0040】
一方△印は第2の検出領域12に衝突対象が衝突した場合の加算回路の出力例であり、シールド線121の導通路が切断された場合の出力は15.75Vになり、シールド線121および122が切断された場合は13.97V、シールド線121、122、123が切断された場合は11.59Vとなる。
【0041】
○印は、検出領域13に衝突対象が衝突した場合の加算回路の出力例であり、シールド線131の導通路が切断された場合の出力は16.17Vになり、シールド線131および132が切断された場合は15.05V、シールド線131、132、133が切断された場合は13.73Vとなる。
【0042】
以上のように加算回路の出力値から衝突領域を容易に特定することができる。なお、加算回路の出力値は、抵抗110、120および130と各シールド線111、121、131、112、122、132、113、123、133の組み合わせで任意に設定することができる。また、領域ごとに別途抵抗を付加して出力値を変更することも可能である。
【0043】
また、上述した例において衝突領域が2領域以上になる場合においても、加算回路の出力値は切断された導通路の組み合わせにより異なることから、衝突領域を判別することが可能である。
【0044】
衝突によりバンパ101内に配設した電気回路網10の導通経路が遮断され、回路網抵抗が変化するのを利用して、衝突体のバンパ101への衝突位置、衝突体の大きさおよび衝突力などを推定する。
【0045】
(第2実施例)
本第2実施例の車両用衝突判別装置は、図9および図10に示されるように電気回路網10を構成する複数のシールド線191、192がガイド17内において車両の進行方向において一定距離隔てて前後に配置されている点が、前記第1実施例との相違点である。
【0046】
前記シールド線191、192は、前記ガイド17内の内周壁に近い位置で固定されており、A間の長さは一定である。A間の長さが一定であることから、シールド線が切断部材に押された際の伸びが小さくなり切断が容易となる。なお、シールド線は確実に切断可能とするため、脆性が高い材質のものを用いる。
【0047】
衝突対象との衝突により切断部材16が押されると、切断部材16および突出部161は、弾性体18の抗力を受けながら移動する。前記切断部材16が移動すると、まず抵抗RNに接続された前側のシールド線191が切断され、次に抵抗RMに接続された後側のシールド線192が切断される。これにより衝突体の衝突力に応じてシールド線を遮断できる。
【0048】
また、前記弾性部材18の特性を、例えば図11に示されるように非線形にすることにより衝突力に応じた切断特性を与えることができる。すなわち、衝突力が小さい間に急激に変位が増えるような特性とすることにより、歩行者などの衝突力が比較的小さな衝突体の判別を容易にする。
【0049】
衝突対象が歩行者である場合は、衝突力が車両の場合に比べ小さいため、車両外周部に近い前側のシールド線191が遮断される。一方、衝突対象が車両の場合は、車両外周部に近い前側のシールド線191とさらにそれよりも内部に配置された後側のシールド線192の2本とも遮断される。
【0050】
これにより、衝突の有無と衝突対象が歩行者であるか車両であるかの判別が行える。
【0051】
上記構成および作用の第2実施例の車両用衝突判別装置は、前記シールド線191、192を車両長手方向に複数配置することにより、衝突力すなわち衝突対象の大きさ(慣性質量)に応じたシールド線を選択切断により、前記衝突対象を正確に判別することを可能にするとともに、歩行者との衝突の判別を容易にするという効果を奏する。
【0052】
(第3実施例)
本第3実施例の車両用衝突判別装置は、図12ないし図14に示されるように電気回路網10をボンネット102にも配設し、衝突対象のバンパ101への衝突検出に加えて前記ボンネット102への衝突を検出出来るようにする点が、上述した実施例との相違点である。
【0053】
前記ボンネット102の内側に前記ボンネット102に沿ってボンネット取り付け部材5が取り付けられており、該ボンネット取り付け部材5の外周部に導体51が被覆されている。ボンネット取り付け部材5には、所定の間隔で切欠52が設けられている。
【0054】
衝突時に前記ボンネット102および前記ボンネット取り付け部材5が変形すると、前記ボンネット取り付け部材5は前記切欠52で折れ曲がるように変形する。これにより前記ボンネット取り付け部材5に被覆されていた前記導体51が延び切断される。
【0055】
上記構成および作用の第3実施例の車両用衝突判別装置は、衝突対象である歩行者が前記ボンネット102に衝突して前記ボンネット102が変形すると、前記ボンネット102に沿って配設された前記ボンネット取り付け部材5が前記切欠52で折れ曲がり変形することにより、前記ボンネット取り付け部材5に被覆されていた前記導体51が切断するので、前記歩行者の前記ボンネット102への衝突を検出することが出来るという効果を奏する。
【0056】
(第4実施例)
本第4実施例の車両用衝突判別装置は、図15および図16に示されるように本発明を車両の前面衝突すなわち前突だけでなく車両の側突事故検出に適用する点が上述した前突事故のみを対象とした実施例との相違点であり、以下に相違点を中心に説明する。
【0057】
本第4実施例は、本発明の車両用衝突判別装置を図15に示されるようにドア外板103の内部に取り付けたもので、シールド線193がドア取り付け部材194とシールド線拘束部材195でドア外板103の内部に取り付けられる。
【0058】
各シールド線拘束部材195は、衝突時の衝突対象との衝突によって前記ドア外板103の変形により前記ドア取り付け部材194間の間隔が変化し、前記シールド線193が切断されやすくするために、前記シールド線193を固定して拘束するように構成されている。
【0059】
本第4実施例の衝突対象推定手段における判断および衝突対象の推定のための処理の手順について、図17のチャート図を用いて説明する。図17は、バンパ101および側面ドアに本発明を適用した、前突および側突事故時における処理フローチャート例である。
【0060】
ステップ101において、前記比較回路22によって検出された前記加算回路21の加算出力が、図17に示される判別開始レベル以下かどうかが判断され、判別開始レベル以下の場合はステップ105において、衝突部位が車両の前部領域かどうかを判断する。
【0061】
衝突部位が車両の前部領域ではないすなわち車両の側面領域の場合は、ステップ106において、車速に応じて変化する遅延時間を経過したかどうかを判断する。
【0062】
遅延時間を経過した場合は、右側突、左側突に応じて対応する乗員保護装置を作動させる。
【0063】
ステップ105において、衝突部位が車両の前部領域であると判断された場合は、上述した第1実施例と同様にステップ106において、車速に応じて変化する遅延時間を経過したかどうかを判断する。
【0064】
遅延時間を経過した場合は、ステップ103において、車両が停止中かどうか判断し、停止中の場合はステップ104において、前記加算回路21の加算出力のレベルが、歩行者判別レベル以下かどうかを判断し、歩行者判別レベルの場合は歩行者保護装置3を作動させ、歩行者判別レベル以下の場合(前記電気回路網10の破壊が大きい場合)は、乗員保護装置4を作動させる。
【0065】
上記構成より成る第4実施例の車両用衝突判別装置は、前記ドア外板103に衝突検出手段1を構成するセンサを取り付けることにより、車両前面だけでなく車両側面への衝突対象の衝突の検出を可能にするとともに、衝突の発生後、加速度検出など従来の衝突検出方法に比べ衝突発生早期に保護装置を作動させることができるという効果を奏する。
【0066】
(第5実施例)
本第5実施例の車両用衝突判別装置は、図18に示されるように前記第1実施例に対して別の電気回路網10Bをボンネット102に追設する点が、上述した第1実施例との相違点である。
【0067】
本第5実施例は、本発明の車両用衝突判別装置を図18に示されるようにボンネット102の内部に適用して取り付けたもので、シールド線196がボンネット取り付け部材197でボンネット102の内部に取り付けられる。
【0068】
各ボンネット取り付け部材197は、衝突時の衝突対象との衝突によって前記ボンネット102の変形によりシールド線が遮断されやすくするために、シールド線196をそれぞれ固定して拘束するように構成されている。
【0069】
上記構成より成る第5実施例の車両用衝突判別装置は、衝突対象のバンパ101に加えて前記ボンネット102への衝突も検出することが出来るとともに、前記ボンネット102の衝突領域の特定および歩行者衝突の検出精度を高めるという効果を奏する。
【0070】
(第6実施例)
本第6実施例の車両用衝突判別装置は、図19に示されるようにバンパ101の長手方向に延在する電気回路網10が配設された車両の進行方向の前後に移動する稼動体60を配設する点が、上述した実施例との相違点である。
【0071】
稼動体60は、電気回路網10を構成する配線が施された上下の端子固定板60U、60Dの間に介挿され端子Tを介して緩衝部材60Kを挟んで一定間隔で配設された導電性矩形部材によって構成され、前面に半円形の押圧部材60Pが配設されている。
【0072】
衝突検出手段を構成するセンサは、導電性稼動体60、端子T、電気回路網10を構成する配線10および上下の端子固定板60U、60Dからなり、配線10−端子T−導電性稼動体60−端子T−配線10といった回路が形成されている。
【0073】
上記構成より成る本第6実施例の車両用衝突判別装置は、衝突時に緩衝材60Kは衝突力により変形し、前記導電性稼動体60は車両長手方向(前後方向)に移動して、該導電性稼動体60の移動により、前記導電性稼動体60と前記端子Tとの接触がなくなり、前記電気回路網10が遮断されるので、歩行者のバンパ101への衝突の検出を可能にするという効果を奏する。
【0074】
隣り合う前記導電性稼動体60の間に介挿される前記緩衝材60Kの緩衝特性を変更することにより、衝突力に応じて回路を遮断することができる。
【0075】
(第7実施例)
本第7実施例の車両用衝突判別装置は、図20に示されるようにバンパ101の長手方向に延在する電気回路網が配設された複数の稼動体61、62を車両の進行方向の前後に並設する点が、上述した実施例との相違点である。
【0076】
各稼動体61、62は、電気回路網10C、10Dを構成する配線が施された上下の端子固定板63、64の間に介挿され緩衝部材67を挟んで配設された導電性矩形部材によって構成され、前面に半円形の押圧部材65、66が配設されている。
【0077】
衝突対象の衝突力が小さい場合は、バンパ101の表面部に近い稼動体62を構成する前記導電性矩形部材が前記押圧部材66によって押し込まれ電気回路網回路10Dが遮断され、衝突力が大きくなるとバンパ奥部の稼動体61を構成する前記導電性矩形部材が前記押圧部材65によって押し込まれ電気回路網回路10Cも遮断される。
【0078】
上記構成より成る本第7実施例の車両用衝突判別装置は、バンパ長手方向に延在する複数の前記稼動体61、62を車両の進行方向の前後に並設することにより、衝突の発生を確実に検出できるとともに、衝突力の判別精度を向上させるという効果を奏する。
【0079】
(第8実施例)
本第8実施例の車両用衝突判別装置は、図21および図22に示されるようにバンパ101の長手方向に延在する電気回路網が配設された車両の進行方向の前後に移動する稼動体60を構成する台形状の薄板より成る前後2部材60A、60Bを上下逆に配設して傾斜した係合面60Tに沿って上下動を可能にする点が、上述した第6実施例との相違点である。
【0080】
前記台形状の前後2部材60A、60Bの上端面には金属箔60Hが貼着されており、非衝突状態においては図22の拡大図の右方に示すように前部材60Aの上端面と後部材60Bの上端面とが一致しており、前記金属箔60Hが連続しており電気回路網10を構成する2本の平行配線10Hが導通しているが、衝突対象が衝突して前部材60Aが車両の進行方向後方に移動すると前記後部材60Bの傾斜した係合面60Tに沿って下方に移動するため、前部材60Aの上端面と後部材60Bの上端面とが不一致となり、前記金属箔60Hが破断して不連続となり電気回路網10を構成する2本の平行配線10Hが非導通となり、衝突と判断される。
【0081】
上記構成および作用の第8実施例の車両用衝突判別装置は、衝突対象が衝突すると前部材60Aが前記後部材60Bの傾斜した係合面60Tに沿って下方に移動するため、前部材60Aの上端面と後部材60Bの上端面とが不一致となり、前記金属箔60Hが破断して不連続となり電気回路網10を構成する2本の平行配線10Hが非導通となり、衝突対象のバンパ101への衝突判断を可能にするとともに、前記稼動体60を台形状の薄板により構成するので、衝突検出手段を構成するセンサの大きさを小さく出来るという効果を奏する。
【0082】
(第9実施例)
本第9実施例の車両用衝突判別装置は、前記第8実施例におけるバンパ101の長手方向に延在する電気回路網が配設された車両の進行方向の前後に移動する稼動体60を構成する台形状の薄板より成る前後2部材60A、60Bの上端面には貼着された金属箔60Hを、図23ないし図25に示されるように薄板からなる稼動体60A、60B内に配線したシールド線60Sに変更する点が、上述した第8実施例との相違点である。
【0083】
前記前後2部材60A、60Bが上下逆に配設され、上下動を可能にする傾斜した係合面60Tに矩形の凹凸係合部60Vが形成され、前記前後2部材60A、60Bを貫通する横孔60Lを形成して、該横孔60L内に電気回路網10を構成するシールド線60Sが介挿されている。
【0084】
衝突時に衝突対象がバンパ101に衝突すると、前記前部材60Aが車両の進行方向後方に移動すると前記後部材60Bの傾斜した係合面60Tおよび凹凸係合部60Vに沿って下方に移動するため、前記前後2部材60A、60Bを貫通する横孔60Lに介挿された電気回路網10を構成する前記シールド線60Sを切断するので、衝突と判断される。
【0085】
上記構成および作用の第9実施例の車両用衝突判別装置は、衝突対象が衝突すると前部材60Aが前記後部材60Bの傾斜した係合面60Tに沿って下方に移動するので、前部材60Aの上端面と後部材60Bの上下方向の位置が変化するため、前記前後2部材60A、60Bを貫通する横孔60Lに介挿された電気回路網10を構成する前記シールド線60Sを切断するので、衝突対象のバンパ101への衝突判断を可能にするとともに、2枚の薄板60A、60Bの接触面に凹凸面60Vを形成することにより前記薄板の上下方向の移動が確実に行われるようにするという効果を奏する。
【0086】
上述の実施形態および実施例は、説明のために例示したもので、本発明としてはそれらに限定されるものでは無く、特許請求の範囲、発明の詳細な説明および図面の記載から当業者が認識することができる本発明の技術的思想に反しない限り、変更および付加が可能である。
【0087】
上記第4実施例において、一例として車両側面のドアに本発明の衝突検出手段を適用した例について説明したが、本発明としてはそれらに限定されるものでは無く、車両側面の前後ドアのみならずドア以外のフロントおよびリヤフェンダー等の側面にも取り付けることにより、側突部位および衝突の大きさを推定することが可能となり、これらの情報を基に側突事故後における車両の挙動を予測することができ、例えばスピンなどによる2次衝突を防止することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の車両用衝突判別装置の全体を示すブロック図である。
【図2】本第1実施例における車両前部側面図および衝突検出手段のバンパへの取付け状態を示す拡大断面図である。
【図3】本第1実施例における切断部材およびガイドを円筒状部材によって構成する例を示す斜視図である。
【図4】本第1実施例における切断部材およびガイドを矩形状部材によって構成する例を示す斜視図である。
【図5】本第1実施例における電気回路網の詳細を示す回路図である。
【図6】本第1実施例における衝突対象推定の処理手順を示すチャート図である。
【図7】本第1実施例における衝突対象毎の加算回路出力を示す線図である。
【図8】本第1実施例におけるシールド線の切断状態の加算回路出力との関係を示す線図である。
【図9】本発明の第2実施例の車両用衝突判別装置における衝突検出手段の内部構造を示す拡大断面図である。
【図10】本第2実施例における衝突検出手段を示す平面図である。
【図11】本第2実施例における衝突検出手段き弾性部材の非線形特性を示す線図である。
【図12】本発明の第3実施例の車両用衝突判別装置における衝突検出手段のバンパおよびボンネットへの適用形態を示す部分断面図である。
【図13】本第3実施例におけるボンネットに並設されるボンネット取付け部材を示す部分拡大断面図である。
【図14】本第3実施例におけるボンネット取付け部材の衝突に伴う切欠の切断を説明するための部分拡大断面図である。
【図15】本発明の第4実施例の車両用衝突判別装置における衝突検出手段のドア内面への適用形態を示す部分断面図である。
【図16】本第4実施例におけるドア取りけ部材とシールド拘束部材とシールド線き関係を示す部分拡大斜視図である。
【図17】本第4実施例における前面衝突および側面衝突の衝突対象推定の処理手順を示すチャート図である。
【図18】本発明の第5実施例の車両用衝突判別装置における衝突検出手段のバンパ内への配設形態を示す斜視図、稼動体の配設形態を示す部分拡大斜視図および部分平面図である。
【図19】本発明の第6実施例の車両用衝突判別装置における衝突検出手段のバンパ内への配設形態を示す斜視図、稼動体の配設形態を示す部分拡大斜視図および部分平面図である。
【図20】本発明の第7実施例の車両用衝突判別装置における衝突検出手段のバンパ内への配設形態を示す斜視図、稼動体の配設形態を示す部分拡大斜視図である。
【図21】本発明の第8実施例の車両用衝突判別装置における衝突検出手段のバンパ内への配設形態を示す斜視図である。
【図22】本第8実施例における稼動体の配設形態を示す部分拡大斜視図である。
【図23】本発明の第9実施例の車両用衝突判別装置における衝突検出手段の稼動体の衝突前の配設形態を示す部分拡大斜視図および。
【図24】本第9実施例における稼動体の衝突後の配設形態を示す部分拡大斜視図および。
【図25】本第9実施例における稼動体を構成する2個の台形薄板部材の係合関係を示す断面図である。
【図26】従来の車両用乗員保護装置の衝突検出スイッチを示す展開断面図である。
【図27】従来の破壊感知用車両衝突センサを示す部分斜視図である。
【符号の説明】
1 衝突検出手段
2 衝突対象推定手段
3 歩行者保護装置
4 乗員保護装置
10 電気回路網
11、12、13 検出領域
14 電圧印加回路
15 電圧検出回路
21 加算回路
22 比較回路
100 車両
101 バンパ
Claims (2)
- 車両の一部に少なくとも2つ以上の抵抗と該抵抗を接続するとともに衝突部分の変形衝撃により切断する配線とから成り、該配線を介して前記抵抗の端部に電圧が印加される電気回路網が配設され、衝突対象の該車両への衝突によって前記衝突対象のサイズおよび形に応じた変形衝撃による前記配線の切断により衝突部分の変形量に対応した前記電気回路網の接続関係の変化を、該電気回路網の抵抗変化に対応する電圧信号の変化として検出する衝突検出手段と、
検出された衝突部分の変形量に対応する電圧信号の変化量に基づき、車両に衝突した前記衝突対象のサイズおよび形を推定することにより前記衝突対象を推定する衝突対象推定手段とから成る
ことを特徴とする車両用衝突判別装置。 - 請求項1において、
前記電気回路網が、前記配線により複数の抵抗が直列および並列に接続されている複数の検出領域より成り、
前記各検出領域における前記複数の抵抗の抵抗値が、前記検出領域ごとに抵抗値が異なるように設定されている
ことを特徴とする車両用衝突判別装置。
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