JP4134572B2 - 圧縮動画像の再符号化プログラム、再符号化装置および方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は圧縮動画像の再符号化技術に係り、特に入力した圧縮動画ビットストリームの符号量を低減して出力する圧縮動画像再符号化プログラム、方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディジタル放送システムやサービス等において動画像信号を伝送・蓄積する場合、多くの動画像信号は圧縮符号化され伝送・蓄積される。近年では動画像信号の圧縮符号化方式としてISO/ICE IS13818-2(MPEG-2 VIDEO)等が規格化され、ディジタル放送システムやサービス等に用いられている。
【0003】
放送局や家庭では、所定のビットレートで圧縮符号化された圧縮動画ビットストリームを異なるビットレートの圧縮動画ビットストリームに再符号化し、伝送あるいは蓄積するアプリケーションや装置が期待されている。例えばディジタル動画像信号録画装置における長時間録画機能があげられる。放送局から家庭に分配される圧縮動画ビットストリームは所定のビットレートで符号化されている。これを視聴者が長時間録画を目的とし、限られた記憶容量に録画する場合、分配時のビットレートよりも低いビットレートで圧縮動画ビットストリームを再符号化する必要がある。
【0004】
以下、このようなビットレート変換を行う従来の再符号化装置について、MPEG-2 VIDEOに従って圧縮符号化されている圧縮動画ビットストリーム(以下、MPEG-2ビットストリームという。)の場合を例にとって説明する。
【0005】
MPEG-2 VIDEOでは離散コサイン変換とフレーム間予測を組み合わせたハイブリッド符号化方式が採用されており、I、P、Bの3つのピクチャタイプが存在する。Iピクチャはフレーム内予測だけを用いて符号化されるピクチャであり、Pピクチャはフレーム内予測および前方向フレーム間予測を用いて符号化されるピクチャであり、Bピクチャはフレーム内予測および双方向フレーム間予測(前方向、逆方向予測も含む。)を用いて符号化されるピクチャである。
【0006】
IおよびPピクチャはフレーム間予測の参照画像として用いられる。また、MPEG-2 VIDEOの符号化は、複数のブロックで構成されるマクロブロックという単位ごとに行われる。1ブロックは8画素×8ラインもしくは8×8離散コサイン変換係数で構成される。
【0007】
図35に基本的な再符号化装置を示す。再符号化装置はMPEG-2ビットストリームの復号器と符号化器とを直列に接続した構成となる。復号器は、MPEG-2ビットストリームを画像信号に復号し、復号した画像信号と再利用可能な符号化情報とを符号化器へ供給する。
【0008】
可変長復号器201は、入力したMPEG-2ビットストリームから、符号化モードや動きベクトルなどのマクロブロック符号化情報およびレベル値を復号すると共に、復号したレベル値を逆量子化器202へ供給する。ここで、レベル値は低周波成分から順にスキャニングされて1次元情報に変換されているので、可変長復号器201では2次元情報への変換も行う。逆量子化器202はレベル値に対して逆量子化を行い、離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]を求め、逆離散コサイン変換器203へ供給する。以下、可変長復号器201と逆量子化器202とをまとめて変換係数復号部21という。
【0009】
ここで、DCT[R1(n)]は予測誤差信号R1(n)を離散コサイン変換して得られる係数を表し、添え字‘1’は復号器で得られた信号であることを表し、‘n’は画像信号系列内の画像信号の時間方向の番号を表す(以下、同様である)。逆離散コサイン変換器203は、離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]に逆離散コサイン変換を行うことで予測誤差信号R1(n)を求め、加算器204へ供給する。MPEG-2 VIDEOでは離散コサイン変換および逆離散コサイン変換は8×8のブロック単位で行われる。
【0010】
動き補償器205は、マクロブロックの符号化方式がフレーム間予測であれば、既に復号した画像信号I1(n−1)と可変長復号器201から供給される動きベクトルVとを用いて動き補償MCを行い、予測画像信号MC[I1(n−1),V]を求めて加算器204へ供給する。
【0011】
加算器204は、フレーム間予測であれば、予測誤差信号R1(n)と予測画像信号MC[I1(n-1), V]とを加算して画像信号I1(n)を求め、フレーム内予測であれば、予測誤差信号R1(n)を画像信号I1(n)とする。復号された画像信号I1(n)は符号化器へ供給される。また、ピクチャタイプがI、Pピクチャの場合は、画像信号I1(n)は参照画像として、メモリ206で遅延され動き補償器205へ供給される。
【0012】
符号化器は、復号器で復号した画像信号I1(n)の再符号化を行う。動き補償器208は、フレーム間予測であれば、既に復号した画像信号I2(n-1)と動きベクトルVとを用いて動き補償MCを行い、予測画像信号MC[I2(n-1), V]を求め、減算器207へ供給する。また、ピクチャタイプがPピクチャの場合は、予測画像信号MC[I2(n-1), V]を加算器214へ供給する。
【0013】
減算器207は、フレーム間予測であれば、復号した画像信号I1(n)から第2の予測画像信号MC[I2(n-1), V]を減算して予測誤差信号R2(n)を求め、離散コサイン変換器209へ供給する。また、フレーム内予測であれば、復号した画像信号I1(n)を予測誤差信号R2(n)として離散コサイン変換器209へ供給する。ここで、添え字‘2’は符号化器で得られた信号であることを表し、‘n’は画像信号系列内の画像信号の時間方向の番号を表す(以下、同様である)。
【0014】
離散コサイン変換器209は、予測誤差信号R2(n)に離散コサイン変換を行うことで離散コサイン変換係数DCT[R2(n)]を求め、再量子化器210へ供給する。再量子化器210は、離散コサイン変換係数DCT[R2(n)]に量子化を行うことでレベル値を求め、可変長符号化器211へ供給する。可変長符号化器211はレベル値およびマクロブロック符号化情報を符号化し、ビットレート変換したMPEG-2ビットストリームを生成して出力する。
【0015】
また、ピクチャタイプがI、Pピクチャの場合は、以下の処理を行うことで画像信号I2(n)を復号し参照画像を生成する。逆量子化器212は再量子化した離散コサイン変換係数に逆量子化を行うことで離散コサイン変換係数DCT[R2(n)+E2(n)]を求め、逆離散コサイン変換器213へ供給する。以下、再量子化器210、可変長符号化器211および逆量子化器212の構成をまとめて変換係数符号化部22という。
【0016】
ここで、量子化と逆量子化は可逆変換ではないため、逆量子化器で求めた離散コサイン変換係数には誤差DCT[E2(n)]が含まれる。逆離散コサイン変換器213は、離散コサイン変換係数DCT[R2(n)+E2(n)]に逆離散コサイン変換を行うことで予測誤差信号R2(n)+E2(n)を求め、加算器214へ供給する(以下、E2(n)を誤差信号という。)。
【0017】
加算器214は、フレーム間予測であれば、動き補償器208によって得られた予測画像信号MC[I2(n-1), V]と予測誤差信号R2(n)+E2(n)とを加算して画像信号I2(n)を求め、フレーム内予測であれば、予測誤差信号R2(n)+E2(n)を画像信号I2(n)とする。画像信号I2(n)はメモリ215で遅延され動き補償器208へ供給される。
【0018】
上述した基本的構成の再符号化装置を用いることで、ビットレート変換したMPEG-2ストリームを生成できるが、処理量が膨大なこと、復号した画像信号を蓄積するためのメモリが必要であるという問題がある。
【0019】
そこで、再符号化装置を簡易化した従来技術が、特開平8−51631号公報、米国特許5,623,312号、特開2001−186519号公報、および特許第3166501号などに記載されている。ここでは、特開平8−51631号公報および特開2001−186519号公報に記載された圧縮動画像再符号化装置を例として説明する。
【0020】
図36は、特開平8−51631号公報に記載された再符号化装置の一例を示す回路図である。この再符号化装置には、図35と同様に変換係数復号部21が設けられ、入力したMPEG-2ビットストリームから離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]を求め、減算器301へ供給する。動き補償器306は、フレーム間予測であれば、既に復号した誤差信号E2(n-1)と変換係数復号部21から供給される動きベクトルVを用いて動き補償MCを行い、誤差予測信号MC[E2(n-1),V]を求め、離散コサイン変換器302へ供給する。誤差信号E2(n-1)はメモリ305に蓄積されている。以下、メモリ305および動き補償器306の構成をまとめて誤差信号動き補償部31という。
【0021】
離散コサイン変換器302は、フレーム間予測であれば、誤差予測信号MC[E2(n-1),V]に離散コサイン変換を行うことで離散コサイン変換係数DCT[MC[E2(n-1),V]]を求め、減算器301へ供給する。
【0022】
減算器301は、フレーム間予測であれば、離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]から離散コサイン変換係数DCT[MC[E2(n-1),V]]を減算して離散コサイン変換係数DCT[R2(n)]を求め、変換係数符号化部22へ供給する。また、フレーム内予測であれば、離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]を離散コサイン変換係数DCT[R2(n)]として、変換係数符号化部22へ供給する。なお、変換係数符号化部22は、上述した図35の変換係数符号化部22と同様である。
【0023】
変換係数符号化部22は、離散コサイン変換係数DCT[R2(n)]から、ビットレート変換したMPEG-2ビットストリームを生成して出力する。
【0024】
また、ピクチャタイプがI、Pピクチャの場合は、以下の処理を行うことで誤差信号E2(n)を復号する。変換係数符号化部22は、離散コサイン変換係数DCT[R2(n)+E2(n)]を減算器303へ供給する。減算器303は、離散コサイン変換係数DCT[R2(n)+E2(n)]から離散コサイン変換係数DCT[R2(n)]を減算して離散コサイン変換係数DCT[E2(n)]を求め、逆離散コサイン変換器304へ供給する。逆離散コサイン変換器304は、離散コサイン変換係数DCT[E2(n)]に逆離散コサイン変換を行うことで誤差信号E2(n)を求め、誤差信号動き補償部31へ供給する。
【0025】
図37は、特開2001−186519公報に記載された従来の再符号化装置の一例を示す回路図である。この再符号化装置は、米国特許5,623,312号に記載の再符号化装置に、離散コサイン変換係数分布推定部404および差分画素分布推定部407が追加された構成となっている。
【0026】
具体的には、図37に示すように、変換係数復号部21は、入力したMPEG-2ビットストリームから離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]を求め、加算器401へ供給する。また、ピクチャタイプがI、Pピクチャの場合は、離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]を減算器403へ供給する。
【0027】
誤差信号動き補償部31は、フレーム間予測であれば、既に復号した誤差信号-E2(n-1)と動きベクトルVを用いて動き補償MCを行い、誤差予測信号MC[-E2(n-1),V]を求め、差分画素分布推定部407へ供給する。また、ピクチャタイプがI、Pピクチャの場合は、加算器406へ供給する。
【0028】
差分画素分布推定部407は、フレーム間予測であれば、誤差予測信号MC[-E2(n-1),V]の値を調べ、有意な画素が存在しない場合には、全ての誤差予測信号の値を零に設定し、離散コサイン変換402へ供給する。離散コサイン変換器402は、フレーム間予測であれば、誤差予測信号MC[-E2(n-1),V]に離散コサイン変換を行うことで、離散コサイン変換係数DCT[MC[-E2(n-1),V]]を求め、加算器401へ供給する。
【0029】
加算器401は、フレーム間予測であれば、離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]とDCT[MC[-E2(n-1),V]]とを加算して離散コサイン変換係数DCT[R2(n)]を求め、変換係数符号化部22へ供給する。また、フレーム内予測であれば、離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]を離散コサイン変換係数DCT[R2(n)]とし、変換係数符号化部22へ供給する。
【0030】
変換係数符号化部22は、ビットレート変換したMPEG-2ビットストリームを生成して出力する。また、ピクチャタイプがI、Pピクチャの場合は、以下の処理を行うことで誤差信号-E2(n)を復号する。
【0031】
変換係数符号化部22は、離散コサイン変換係数DCT[R2(n)+E2(n)]を減算器403へ供給する。減算器403は、離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]から離散コサイン変換係数DCT[R2(n)+E2(n)]を減算して、離散コサイン変換係数DCT[-E2(n)-MC[-E2(n-1),V]]を求め、離散コサイン変換係数分布推定部404に供給する。
【0032】
離散コサイン変換係数分布推定部404は、離散コサイン変換係数DCT[-E2(n)-MC[-E2(n-1),V]]の分布を調べ、有意な係数が存在しない場合には、全ての係数を零に設定し、逆離散コサイン変換405へ供給する。逆離散コサイン変換405は、離散コサイン変換係数DCT[-E2(n)-MC[-E2(n-1),V]]に逆離散コサイン変換を行うことで誤差信号-E2(n)-MC[-E2(n-1),V]を求め、加算器406に供給する。加算器406は、フレーム間予測であれば、誤差予測信号MC[-E2(n-1),V]と誤差信号-E2(n)-MC[-E2(n-1),V]とを加算して誤差信号-E2(n)を求め、誤差信号動き補償部31へ供給し、フレーム内予測であれば、誤差信号-E2(n)-MC[-E2(n-1),V]を誤差信号-E2(n)とし、誤差信号動き補償部31へ供給する。
【0033】
このように、誤差信号の動き補償を用いた再符号化装置では、処理量の増加や必要となるメモリ容量を抑えることができ、図35の再符号化装置と等価な処理を実現できる。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の再符号化装置は効率的な処理を実現できない。入力圧縮動画ビットストリームの符号化情報が出力圧縮動画ビットストリームに複製されたり復号処理に用いたりされてはいるものの、再符号化処理の高速化には用いられておらず、また、圧縮動画ビットストリームの特性を考慮していないためである。
【0035】
特開2001−186519号公報に記載された再符号化装置では、離散コサイン変換係数の分布、誤差予測信号の値を調べているが、入力圧縮動画ビットストリームの符号化情報は用いていない。また、分布推定部において有意でないと判断された場合は、全ての離散コサイン変換係数は零に設定されてしまう。その結果、本来の結果とは異なる結果が得られることになる。
【0036】
本発明の目的は、画質劣化を抑制し、高速かつ効率的にビットレート変換を実現する再符号化プログラム、再符号化装置および方法を提供することにある。
【0037】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1実施形態によれば、
動き補償および量子化を用いた所定符号化方式の圧縮動画ビットストリームを入力として、少なくとも量子化された信号を逆量子化して復号信号を計算する第1ステップと、
蓄積した過去の誤差信号を動き補償して補正信号を計算する第2ステップと、
前記復号信号から前記補正信号を減算して再符号化する信号を計算し、前記再符号化する信号を再量子化し、再度符号化変換して圧縮動画ビットストリームを出力する第3ステップと、
再量子化による誤差である現在の前記誤差信号を計算して蓄積する第4ステップと、
を有する圧縮動画ビットストリームの再符号化処理をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
前記誤差信号の計算方法として、
前記再符号化する信号と、前記再量子化した信号を逆量子化した第2復号信号と、を用いて前記誤差信号を求める第1の計算方法と、
前記復号信号と、前記第2復号信号と、前記補正信号と、を用いて前記誤差信号を求める第2の計算方法と、
が用意され、
前記第1ステップで得られる前記復号信号の信号値および分布情報と、前記第4ステップで得られる前記第2復号信号の信号値および分布情報と、の少なくとも一方を計測する第5ステップと、
前記第5ステップで計測された信号値および分布情報の少なくとも一方に基づいて前記複数の計算方法の演算量を推定する第6ステップと、
前記第6ステップの推定結果に従って最も演算量の少ない計算方法を選択し、前記誤差信号を計算する第7ステップと、
を含むことを特徴とする。
【0038】
本発明の第2実施形態によれば、上述の第1実施形態において、前記所定符号化方式は周波数領域への変換処理を組み合わせた符号化方式であり、前記復号信号は空間領域の画像信号を周波数係数で表現した周波数復号信号であり、前記補正信号は周波数係数で表現される周波数補正信号であり、前記再符号化する信号は周波数係数で表現される周波数符号化信号であり、前記第2復号信号は周波数係数で表現される周波数第2復号信号であり、前記周波数補正信号は、過去の蓄積した空間領域の第1誤差信号である空間第1誤差信号と、当該空間第1誤差信号を周波数変換した周波数第1誤差信号とのいずれかを用いて計算されることを特徴とする。
【0039】
ここで、前記信号値および分布情報は前記参照する信号の信号値および分布情報であり、周波数係数が零である位置の情報、複数の周波数係数が零である位置の情報、あるいは周波数係数の非零係数が複数個の予め設定された周波数領域に属するかの情報であってもよい。
【0040】
第1実施形態および第2実施形態によれば、信号および制御情報の少なくとも一方を参照して信号値および分布情報を計測し、その信号値および分布情報を用いて補正信号を計算する。そのため、補正信号の計算に必要な演算量を削減できる。
【0041】
本発明の第3実施形態、第6実施形態および第7実施形態によれば、上記第2実施形態において、周波数補正信号は、少なくとも、前記周波数符号化信号と前記周波数第2復号信号とを用いて現在の前記周波数第1誤差信号および前記空間第1誤差信号の一方を計算するステップを含む第1の計算方法と、前記周波数復号信号と、前記周波数第2復号信号と、蓄積した過去の前記周波数第1誤差信号および前記空間第1誤差信号の一方と、を用いて現在の前記周波数第1誤差信号および前記空間第1誤差信号の一方を計算するステップを含む第2の計算方法と、を含む複数の計算方法によって計算可能であり、
前記複数の計算方法の各演算量を推定するステップと、前記推定結果に従って最も演算量の少ない計算方法を選択し、前記周波数補正信号を計算するステップと、を含むことを特徴とする。
【0042】
複数の周波数補正信号の計算方法から最も演算量の少ない計算方法を選択するために、単一の周波数補正信号の計算よりも処理量を削減できる。
【0043】
本発明の第4実施形態によれば、再符号化処理または復号処理の単位毎に、前記復号信号が全て零であるかを計測するステップと、全て零であれば、前記再符号化する信号を零として再符号化し前記補正信号を現在の前記第1誤差信号として蓄積するステップと、を含むことを特徴とする。
【0044】
本発明の第5実施形態および第6実施形態によれば、第2実施形態において、再符号化処理または復号処理単位毎に、前記復号信号が全て零であるかを計測するステップと、全て零であれば、前記再符号化する信号を零として再符号化し、前記周波数補正信号を現在の前記周波数第1誤差信号および前記空間第1誤差信号の一方で蓄積するステップと、を含むことを特徴とする。
【0045】
また、前記周波数復号信号と、前記周波数第2復号信号と、蓄積した過去の前記周波数第1誤差信号または前記空間第1誤差信号と、を用いて、現在の前記周波数第1誤差信号または前記空間第1誤差信号を計算してもよい。
【0046】
また、前記周波数符号化信号と前記周波数第2復号信号とを用いて、現在の前記周波数第1誤差信号または前記空間第1誤差信号を計算してもよい。
【0047】
第4実施形態、第5実施形態および第6実施形態によれば、信号零判定手段を備えており、復号信号が全て零であると判定された場合、通常の再符号化よりも簡略な方式を適用する。そのため、従来の再符号化方法に比べ演算量を削減できる。
【0048】
本発明の第8実施形態によれば、第2実施形態において、前記周波数符号化信号の計算方法が2種類存在し、前記2種類の計算方法は、前記周波数復号信号と前記周波数補正信号とを用いて周波数符号化信号を計算する方法、および前記周波数復号信号を用いて周波数符号化信号を計算する方法であり、前記2種類の計算方法を、再符号化処理に依存しない処理単位ごとに選択するステップを含むことを特徴とする。
【0049】
第8実施形態は、ある定めた処理単位ごとにのみ、前記周波数復号信号と前記周波数補正信号とを用いて周波数符号化信号を計算する。そのため、前記周波数復号信号を用いて周波数符号化信号を計算する場合は、演算量を削減できる。
【0050】
本発明の第9実施形態によれば、第2実施形態において、符号化処理または復号処理単位毎に、前記再量子化を行う量子化幅が前記逆量子化を行う量子化幅以下、または、前記再量子化を行う量子化幅と前記逆量子化を行う量子化幅の差の絶対値が閾値以下かを判定するステップと、前記判定条件が成立した場合に、前記逆量子化を行う量子化幅を前記再量子化を行う量子化幅として、前記周波数復号信号を前記周波数符号化信号として再符号化し、前記周波数補正信号を現在の前記周波数第1誤差信号および前記空間第1誤差信号の一方として蓄積するステップと、を含むことを特徴とする。
【0051】
第9実施形態では、再量子化を行う量子化幅および逆量子化を行う量子化幅の判定条件の判定結果に応じて、前記周波数符号化信号を計算する。そして前記判定条件が成立した場合は、通常の再符号化よりも簡略な方式を適用する。そのため、従来の再符号化方法に比べ演算量を削減できる。
【0052】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0053】
1)第1実施形態
1−1)構成
図1を参照すると、本発明による再符号化装置の第1実施形態は、復号処理部11、符号化処理部12、信号補正部13、および信号分布測定部14を含む。
【0054】
復号処理部11は、入力した圧縮動画ビットストリームから、少なくとも量子化された信号を逆量子化して復号信号を計算し、符号化処理部12へ供給する。また、復号信号を現在の第1誤差信号の計算に用いる場合は、信号補正部13および信号分布計測部14へ供給し、復号時に得られた制御情報を信号分布計測部14へ供給する。
【0055】
符号化処理部12は、復号信号と信号補正部13から供給される補正信号とを用いて再符号化する信号を計算し、再符号化する信号を再量子化し、再度符号化して圧縮動画ビットストリームを出力する。また、再符号化する信号または再量子化した信号を逆量子化した第2復号信号を現在の第1誤差信号の計算に用いる場合は、信号補正部13および信号分布計測部14へ供給し、符号化時に得られた制御情報を信号分布計測部14へ供給する。
【0056】
信号分布計測部14は、復号時および再符号化時の少なくとも一方で得られた制御情報と、復号信号と、補正信号と、再符号化する信号と、第2復号信号と、復号信号、補正信号、再符号化する信号および第2復号信号の少なくとも1つを用いて計算した第2誤差信号と、のうち少なくとも1つの信号を参照して、信号値および分布情報の少なくとも一方を計測し、信号補正部13における補正信号の計算を制御する。ここで、信号値は、画像信号であれば画素値、周波数信号であれば周波数係数の値である。
【0057】
信号補正部13は、蓄積した過去の第1誤差信号を用いて信号分布計測部14の制御に従い補正信号を計算し、符号化処理部12へ供給する。また、補正信号を現在の第1誤差信号の計算に用いる場合は、信号補正部13および信号分布計測部14へ供給する。また、復号信号、補正信号、再符号化する信号または第2復号信号を用いて、信号分布計測部14の制御に従い、現在の第1誤差信号を計算および蓄積し前記補正信号の計算に供する。
【0058】
1−2)動作
図2は、本発明による第1実施形態の動作を示すフローチャートである。
【0059】
まずステップS101では、入力した圧縮動画ビットストリームから、少なくとも量子化された信号を逆量子化して復号信号を計算する。また、復号信号が現在の第1誤差信号の計算に用いられる場合は復号時の制御情報を作成する。
【0060】
続いて、ステップS102では、信号値または分布情報、および蓄積した過去の第1誤差信号を用いて補正信号を計算し、ステップS103へ移る。
【0061】
ステップS103では、復号信号および補正信号を用いて再符号化する信号を計算し、次に再符号化する信号を再量子化し、再度符号化して圧縮動画ビットストリームを出力する。また、第2復号信号が現在の第1誤差信号の計算に用いられる場合は符号化時の制御情報を作成する。
【0062】
続いて、ステップS104では、復号時および再符号化時の少なくとも一方で得られた制御情報と、復号信号と、補正信号と、再符号化する信号と、第2復号信号と、復号信号、補正信号、再符号化する信号および第2復号信号の少なくとも1つを用いて計算した第2誤差信号と、のうち少なくとも1つの信号を参照して、信号値および分布情報の少なくとも一方を計測する。
【0063】
ステップS105では、信号値および分布情報と、復号信号、補正信号、再符号化する信号および第2復号信号の少なくとも1つを用いて計算した現在の第1誤差信号とを蓄積し、再符号化処理を終了する。
【0064】
上述したように、本発明による第1実施形態では、信号および制御情報を参照して、信号値および分布情報の少なくとも一方を計測する手段、および、信号値および分布情報を用いて補正信号を計算する手段を備えている。そのため、補正信号の計算に必要な演算量を削減できる。
【0065】
2)第2実施形態
本発明による第2実施形態では、上記第1実施形態と、圧縮動画ビットストリームの符号化方式として周波数空間への変換処理と、を組み合わせていることを特徴としている。以下、周波数変換処理として離散コサイン変換(DCT)を用いた再符号化装置を例示するが、本発明は、これに限定されるものではなく、アダマール変換やウェーブレット変換などの周波数変換であれば適用可能であることはいうまでもない。
【0066】
2−1)第1構成例
図3を参照すると、本発明による再符号化装置の第2実施形態では、変換係数復号部51、変換係数符号化部52、誤差信号動き補償部31、減算器503、減算器506、変換係数分布計測器507、逆離散コサイン変換器508、加算器509、および離散コサイン変換器510を含む。
【0067】
変換係数復号部51は、入力した圧縮動画ビットストリームから離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]を求め、減算器503へ供給する。また、画像信号がフレーム間予測で参照される場合は、離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]を減算器506へ供給し、離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]の分布や係数値などの変換係数情報を変換係数分布計測器507へ供給する。
【0068】
なお、従来技術で説明した図35に示す変換係数復号部21と比較すると、図3に示す第2実施形態の変換係数復号部51は、可変長復号器501および逆量子化器502が離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]の変換係数情報を出力する点で異なる。ここで、変換係数情報は、可変長復号器501および逆量子化器502の一方が出力する場合もある。
【0069】
誤差信号動き補償部31は、フレーム間予測であれば、誤差予測信号MC[E2(n-1),V]を求め、離散コサイン変換器510へ供給する。また、画像信号がフレーム間予測で参照される場合は、誤差予測信号MC[E2(n-1),V]を加算器509へ供給する。
【0070】
離散コサイン変換器510は、フレーム間予測であれば、誤差予測信号MC[E2(n-1),V]に離散コサイン変換を行うことで離散コサイン変換係数DCT[MC[E2(n-1),V]]を求め、減算器503へ供給する。
【0071】
減算器503は、フレーム間予測であれば、離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]から離散コサイン変換係数DCT[MC[E2(n-1),V]]を減算して、離散コサイン変換係数DCT[R2(n)]を求め、変換係数符号化部52へ供給し、フレーム内予測であれば、離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]を離散コサイン変換係数DCT[R2(n)]として変換係数符号化部52へ供給する。
【0072】
変換係数符号化部52は、ビットレート変換した圧縮動画ビットストリームを生成して出力する。また、画像信号がフレーム間予測で参照される場合は、以下の処理を行うことで誤差信号E2(n)を復号する。
【0073】
まず、変換係数符号化部52は、離散コサイン変換係数DCT[R2(n)+E2(n)]を減算器506へ供給し、離散コサイン変換係数DCT[R2(n)+E2(n)]の変換係数情報を変換係数分布計測器507へ供給する。なお、従来技術で説明した図35に示す変換係数符号化部22と比較すると、図3に示す第2実施形態の変換係数符号化部52は、可変長符号化器504および逆量子化器505が離散コサイン変換係数DCT[R2(n)+E2(n)]の変換係数情報を出力する点で異なる。ここで、変換係数情報は、可変長符号化器504と逆量子化器505の一方が出力する場合もある。
【0074】
減算器506は、離散コサイン変換係数DCT[R2(n)+E2(n)]から離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]を減算して離散コサイン変換係数DCT[E2(n)-MC[E2(n-1),V]]を求め、変換係数分布計測器507および逆離散コサイン変換器508へ供給する。
【0075】
変換係数分布計測器507は、離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]と離散コサイン変換係数DCT[R2(n)+E2(n)]の変換係数情報、および離散コサイン変換係数DCT[E2(n)-MC[E2(n-1),V]]から当該離散コサイン変換係数の変換係数情報を作成し、逆離散コサイン変換508へ供給する。ここで、計測の処理量を削減するために、離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]と離散コサイン変換係数DCT[R2(n)+E2(n)]の変換係数情報から離散コサイン変換係数DCT[E2(n)-MC[E2(n-1),V]]の変換係数情報を作成する場合もある。
【0076】
逆離散コサイン変換器508は、変換係数情報を用いて、離散コサイン変換係数DCT[E2(n)-MC[E2(n-1),V]]に逆離散コサイン変換を行うことで誤差信号E2(n)-MC[E2(n-1),V]を求め、加算器509へ供給する。ここで逆離散コサイン変換器508は複数の処理手段を備えており、変換係数情報を用いて処理手段を切り替える。
【0077】
加算器509は、フレーム間予測であれば、誤差信号E2(n)-MC[E2(n-1),V]と誤差予測信号MC[E2(n-1),V]とを加算して誤差信号E2(n)を求め、誤差信号動き補償部31へ供給し、フレーム内予測であれば、誤差信号E2(n)-MC[E2(n-1),V]を誤差信号E2(n)として誤差信号動き補償部31へ供給する。
【0078】
以上の説明では、空間領域の誤差信号E2(n)に対して動き補償を行った。しかし、本発明は離散コサイン変換係数DCT[E2(n)]を生成するような再符号化装置であれば適用可能である。例えば、後述するように、周波数領域での動き補償を用いた図5の構成も適用可能である。
【0079】
2−2)第1動作例
図4は、図3に示した第1構成例の動作を示すフローチャートである。
【0080】
ステップS1では、再符号化対象となるブロックが参照画像か否かを判断する。参照画像となる場合はステップS2へ、参照画像とならない場合はステップS3へ移る。
【0081】
ステップS2では、入力した圧縮動画ビットストリームから、符号化モードや動きベクトルなどの符号化情報、および離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]を求め、離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]の変換係数情報を作成し、ステップS4へ移る。
【0082】
ステップS3では、入力した圧縮動画ビットストリームから、符号化モードや動きベクトルなどの符号化情報、および離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]を求め、ステップS4へ移る。
【0083】
ステップS4では、再符号化対象となるブロックがフレーム間予測を用いて符号化されたか否かを判断する。フレーム間予測を用いて符号化されている場合はステップS5へ、フレーム内予測を用いて符号化されている場合は離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]を離散コサイン変換係数DCT[R2(n)]としてステップS6へ移る。
【0084】
ステップS5では、既に復号した誤差信号E2(n-1)と動きベクトルVを用いて動き補償MCを行い、誤差予測信号MC[E2(n-1),V]を求める。続いて、誤差予測信号MC[E2(n-1),V]に離散コサイン変換を行うことで離散コサイン変換係数DCT[MC[E2(n-1),V]]を求める。次に離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]から離散コサイン変換係数DCT[MC[E2(n-1),V]]を減算して、離散コサイン変換係数DCT[R2(n)]を求め、ステップS6へ移る。
【0085】
ステップS6では、再符号化対象となるブロックが参照画像か否かを判断する。参照画像となる場合はステップS7へ、参照画像とならない場合はステップS8へ移る。
【0086】
ステップS7では、符号化情報および離散コサイン変換係数DCT[R2(n)]を符号化し、ビットレート変換した圧縮動画ビットストリームを生成する。続いて、逆量子化を行うことで離散コサイン変換係数DCT[R2(n)+E2(n)]を求める。次に、離散コサイン変換係数DCT[R2(n)+E2(n)]の変換係数情報を作成し、ステップS9へ移る。
【0087】
ステップS8では、符号化情報および離散コサイン変換係数DCT[R2(n)]を符号化し、ビットレート変換した圧縮動画ビットストリームを生成し、再符号化処理を終了する。
【0088】
ステップS9では、離散コサイン変換係数DCT[R2(n)+E2(n)]から離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]を減算して離散コサイン変換係数DCT[E2(n)-MC[E2(n-1),V]]を求め、ステップS10へ移る。
【0089】
ステップS10では、離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]と離散コサイン変換係数DCT[R2(n)+E2(n)]の変換係数情報、および離散コサイン変換係数DCT[E2(n)-MC[E2(n-1),V]]から離散コサイン変換係数DCT[E2(n)-MC[E2(n-1),V]]の変換係数情報を作成する。次に、離散コサイン変換係数DCT[E2(n)-MC[E2(n-1),V]]の変換係数情報を用いて、離散コサイン変換係数DCT[E2(n)-MC[E2(n-1),V]]に逆離散コサイン変換を行うことで誤差信号E2(n)-MC[E2(n-1),V]を求め、ステップS11へ移る。
【0090】
ステップS11では、再符号化対象となるブロックがフレーム間予測を用いて符号化されたか否かを判断する。フレーム間予測を用いて符号化されている場合はステップS12へ、フレーム内予測を用いて符号化されている場合は、誤差信号E2(n)-MC[E2(n-1), V]を誤差信号E2(n)としステップS13へ移る。
【0091】
ステップS12では、誤差信号E2(n)-MC[E2(n-1), V]と誤差予測信号MC[E2(n-1), V]とを加算して誤差信号E2(n)を求め、ステップS13へ移る。
【0092】
ステップS13では、誤差信号E2(n)をメモリに格納し、再符号化処理を終了する。
【0093】
2−3)第2構成例
上記第1構成例では、空間領域の誤差信号E2(n)に対して動き補償を行ったが、次に説明するように、周波数領域での動き補償を用いた構成も可能である。
【0094】
図5において、周波数領域動き補償器518は、フレーム間予測であれば、既に復号した離散コサイン変換係数DCT[E2(n-1)]と変換係数復号部51から供給される動きベクトルVを用いて周波数領域動き補償DCT[MC]を行い、離散コサイン変換係数DCT[MC[E2(n-1),V]]を求め、減算器503へ供給する。また、画像信号がフレーム間予測で参照される場合は、離散コサイン変換係数DCT[MC[E2(n-1),V]]を加算器519へ供給する。離散コサイン変換係数DCT[E2(n-1)]はメモリ517に蓄積されている。以下、メモリ517および周波数領域動き補償器518の構成をまとめて周波数領域誤差信号動き補償部53という。
【0095】
変換係数分布計測器507は、離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]と離散コサイン変換係数DCT[R2(n)+E2(n)]の変換係数情報、および離散コサイン変換係数DCT[E2(n)-MC[E2(n-1),V]]から離散コサイン変換係数DCT[E2(n)-MC[E2(n-1),V]]の変換係数情報を作成し、加算器519へ供給する。
【0096】
加算器519は、複数の処理手段を備えており、変換係数情報を用いて処理手段を切り替える。すなわち、変換係数情報を用いて、フレーム間予測であれば、離散コサイン変換係数DCT[E2(n)-MC[E2(n-1),V]]と離散コサイン変換係数DCT[MC[E2(n-1),V]]とを加算して離散コサイン変換係数DCT[E2(n)]を求め、周波数領域誤差信号動き補償部53へ供給する。フレーム内予測であれば、離散コサイン変換係数DCT[E2(n)-MC[E2(n-1),V]]を離散コサイン変換係数DCT[E2(n)]として周波数領域誤差信号動き補償部53へ供給する。
【0097】
2−4)第2動作例
図6は、図5に示した第2構成例の動作を示すフローチャートである。図4に示す第1実施形態のフローチャートと同様のステップには同一の参照番号を付し、異なる動作を示すステップについて詳細に説明する。
【0098】
ステップS4においてフレーム間予測であると判断された場合(S4のYES)、ステップS121において、既に復号した離散コサイン変換係数DCT[E2(n-1)]と動きベクトルVを用いて動き補償MCを行い、離散コサイン変換係数DCT[MC[E2(n-1),V]]を求める。次に、離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]から離散コサイン変換係数DCT[MC[E2(n-1),V]]を減算して、離散コサイン変換係数DCT[R2(n)]を求め、ステップS6へ移る。
【0099】
また、ステップS11においてフレーム間予測であると判断された場合(S11のYES)、ステップS122において、離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]と離散コサイン変換係数DCT[R2(n)+E2(n)]の変換係数情報、および離散コサイン変換係数DCT[E2(n)-MC[E2(n-1),V]]から離散コサイン変換係数DCT[E2(n)-MC[E2(n-1),V]]の変換係数情報を作成する。次に、離散コサイン変換係数DCT[E2(n)-MC[E2(n-1),V]]の変換係数情報を用いて、離散コサイン変換係数DCT[E2(n)-MC[E2(n-1), V]]と離散コサイン変換係数DCT[MC[E2(n-1), V]]とを加算して離散コサイン変換係数DCT[E2(n)]を求め、ステップS123へ移る。
【0100】
ステップS123では、離散コサイン変換係数DCT[E2(n)]をメモリに格納し、再符号化処理を終了する。
【0101】
これより第2実施形態は周波数領域でも適用可能であることが分かる。また、以降の実施形態でも同様に適用可能である。
【0102】
2−5)具体的動作例
次に、具体例を用いて、第2実施形態における第1構成例の動作例を詳細に説明する。ここでは、入力となる圧縮動画ビットストリームはMPEG-2 VIDEOビットストリームとするが、本発明はこれに限定されるものではなく、他方式により圧縮符号化された圧縮動画像ストリームに対しても同様な処理により再符号化を実現できる。
【0103】
2−5−1)分布情報
まず、変換係数情報の一つである分布情報に関して説明する。
【0104】
図7に画像信号の8×8離散コサイン変換係数の例を示す。分布情報としては、例えば有意(非零)係数の存在する位置情報がある。この場合、図7(a)では分布情報として、有意係数が存在する(0,0)、(0,1)、(0,2)、(1,0)、(1,2)、(1,3)、(2,0)、(2,1)、(2,2)、(3,0)、(3,2)の位置情報を保持する。ここで(0,0)は0行、0列の位置を表す。以下同様である。
【0105】
また、各有意係数の位置情報を保持するのではなく、全てが零となる行や列の位置情報を保持することなども考えられる。この場合、図7(a)では、全てが零となる4,5,6,7行目および4,5,6,7列目の位置情報を保持することになる。以上の例では零係数の位置情報に着目している。これは、零係数の位置情報を利用することで逆離散コサイン変換の処理量を削減できるからである。以下に具体例を示す。
【0106】
MPEG-2 VIDEOでは、次式に示す8×8逆離散コサイン変換が用いられる。
【0107】
【数1】
【数2】
ここで、f(x,y)は予測誤差信号、F(u,v)は離散コサイン変換係数を表す。
【0108】
図7(b)のように有意係数が(0,0)にのみ存在する変換係数を考える。この場合、零係数の位置情報を利用しなければ、数1および数2に従い逆離散コサイン変換を行うことになるが、位置情報を利用すれば、有意係数は直流成分のみに存在することが分かる。その結果、数1及び数2の8×8逆離散コサイン変換は次式で簡略化でき、逆離散コサイン変換の処理量を削減できる。
【0109】
【数3】
例として、有意係数の位置情報や零となる行列の位置情報を考えたが、分布情報としては様々なものが考えられる。本実施例では、有意係数が複数のある定めた範囲で、どの範囲に含まれているかを分布情報(以下、範囲情報という。)として保持する。
【0110】
具体的には、離散コサイン変換係数が図8に示す4つの範囲のうちどの範囲に属するかを範囲情報として保持する。図7(a)の離散コサイン変換係数の場合は、"低域4×4"および"8×8成分"の範囲に属することになるが、この場合は範囲の狭い"低域4×4成分"の範囲に属するものとする。同様に、図7(b)の場合は、"低域1×1成分"の範囲に属する。
【0111】
なお、本実施例では4種類の範囲を用いるが、範囲は任意の係数位置の組み合わせおよび任意の種類の設定が可能であることはいうまでもない。また、本実施例では分布情報を用いるが、係数値から得られる最大値、平均、分散などの統計情報を用いることも可能である。
【0112】
2−5−2)具体的動作
図9は、図3に示す第1構成例の具体的動作を示すフローチャートである。処理はマクロブロック単位で行い、ピクチャタイプや量子化マトリックスなどの符号化情報は復号されているものとする。
【0113】
ステップS21では、再符号化対象となるブロックのピクチャタイプがIピクチャまたはPピクチャか否かを判断する。IピクチャまたはPピクチャである場合はステップS22へ、Bピクチャである場合はステップS23へ移る。
【0114】
ステップS22では、入力したMPEG-2ビットストリームから、符号化モードや動きベクトルなどの符号化情報、および離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]を求める。また、本実施例では離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]が、"有意係数なし"、"低域1×1成分"、"低域4×4成分"、"8×8成分"のどの範囲に属するか判定し、範囲情報として保持する。そして、ステップS24へ移る。
【0115】
範囲判定
ステップS22における範囲判定処理について説明する。MPEG-2 VIDEOでは、ブロックの係数が全て零であることを示す情報(coded block pattern、skipped macroblock)が含まれているので、この符号化情報を用いて、ブロックが"有意係数なし"かを判定できる。
【0116】
次に、”有意係数なし”以外の範囲判定について説明する。まず、MPEG-2 VIDEOにおける離散コサイン変換係数の復号過程について説明する。
【0117】
前述したように、MPEG-2 VIDEOでは離散コサイン変換係数を量子化した結果であるレベル値は、ある定められた順にスキャニングされ、1次元情報に変換、符号化される。
【0118】
具体的な変換方法としては、図10に示すようなジグザグスキャンとオルタネートスキャンが用いられる。また、レベル値をスキャン順でみたとき非零となるレベル値の間には多くの零レベルが存在するため、MPEG-2では連続する零の個数(RUN)と、その直後のレベル値(LEVEL)をまとめて符号化が行われる。さらに、ある係数以降のレベル値が全て零になることが多いので、ブロックの終了を意味するフラグ(EOB: end of block)が用いられる。ただし、フレーム内符号化の直流成分のみは異なる符号化方式が用いられる。離散コサイン変換係数の復号は、符号化の逆変換を行うことになる。
【0119】
復号処理の具体例を図11に示す。この例では(5,2)、(6,-1)、(0,-1)、(3,-1)、EOBで構成されるフレーム間予測、ジグザグスキャンされたブロックの復号を行う。ここで(5,2)は零の個数が5個であり、その直後のレベル値が2であることを表す。
【0120】
まず、1次元情報はスキャン順に従い、2次元情報に変換される。次に、2次元情報に変換されたレベル値に対して、MPEG-2 VIDEOで規定された逆量子化処理に従い逆量子を行い、離散コサイン変換係数を求める。
【0121】
以上の説明から分かるように、RUN,LEVEL情報から有意係数の位置情報が得られるので、可変長復号時、逆量子化時、および可変長符号化時に変換係数がどの範囲に属するか判定できる。
【0122】
図9に戻って、ステップS23では、入力したMPEG-2ビットストリームから、符号化モードや動きベクトルなどの符号化情報、および離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]を求め、ステップS24へ移る。
【0123】
ステップS24では、再符号化対象となるブロックがフレーム間予測を用いて符号化されたか否かを判断する。フレーム間予測を用いて符号化されている場合はステップS25へ、フレーム内予測を用いて符号化されている場合は離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]を離散コサイン変換係数DCT[R2(n)]としてステップS26へ移る。
【0124】
ステップS25では、既に復号した誤差信号E2(n-1)と動きベクトルVを用いて動き補償MCを行い、誤差予測信号MC[E2(n-1),V]を求める。続いて、誤差予測信号MC[E2(n-1),V]に離散コサイン変換を行うことで離散コサイン変換係数DCT[MC[E2(n-1),V]]を求める。次に、離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]から離散コサイン変換係数DCT[MC[E2(n-1),V]]を減算して、離散コサイン変換係数DCT[R2(n)]を求め、ステップS26へ移る。
【0125】
ステップS26では、再符号化対象となるブロックのピクチャタイプがIピクチャまたはPピクチャか否かを判断する。IピクチャまたはPピクチャである場合はステップS27へ、Bピクチャである場合はステップS28へ移る。
【0126】
ステップS27では、符号化情報および離散コサイン変換係数DCT[R2(n)]を符号化し、ビットレート変換したMPEG-2ビットストリームを生成する。続いて、逆量子化を行うことで離散コサイン変換係数DCT[R2(n)+E2(n)]を求める。次に、離散コサイン変換係数DCT[R2(n)+E2(n)]が、"有意係数なし"、"低域1x1成分"、"低域4x4成分"、"8x8成分"のどの範囲に属するか判定し、範囲情報として保持する。そして、ステップS29へ移る。
【0127】
ステップS28では、符号化情報および離散コサイン変換係数DCT[R2(n)]を符号化し、ビットレート変換したMPEG-2ビットストリームを生成し、再符号化処理を終了する。
【0128】
ステップS29では、離散コサイン変換係数DCT[R2(n)+E2(n)]から離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]を減算して離散コサイン変換係数DCT[E2(n)-MC[E2(n-1),V]]を求め、ステップS30へ移る。
【0129】
ステップS30では、離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]と離散コサイン変換係数DCT[R2(n)+E2(n)]の範囲情報から、離散コサイン変換係数DCT[E2(n)-MC[E2(n-1),V]]の範囲情報を求める。
【0130】
本実施例では、広い方の範囲を離散コサイン変換係数DCT[E2(n)-MC[E2(n-1),V]]の範囲情報とする。より精度の高い範囲判定を行う場合には、変換係数の減算を行い、零判定を行う。次に、離散コサイン変換係数DCT[E2(n)-MC[E2(n-1),V]]の範囲情報を用いて、逆離散コサイン変換の処理手段を選択し、離散コサイン変換係数DCT[E2(n)-MC[E2(n-1),V]]に逆離散コサイン変換を行うことで誤差信号E2(n)-MC[E2(n-1),V]を求め、ステップS31へ移る。
【0131】
ステップS31では、再符号化対象となるブロックがフレーム間予測を用いて符号化されたか否かを判断する。フレーム間予測を用いて符号化されている場合はステップS32へ、フレーム内予測を用いて符号化されている場合は、誤差信号E2(n)-MC[E2(n-1), V]を誤差信号E2(n)としステップS33へ移る。
【0132】
ステップS32では、誤差信号E2(n)-MC[E2(n-1), V]と誤差予測信号MC[E2(n-1), V]とを加算して誤差信号E2(n)を求め、ステップS33へ移る。
【0133】
ステップS33では、誤差信号E2(n)をメモリに格納し、再符号化処理を終了する。
【0134】
図12は、MPEG-2ビットストリームを実際に再符号化した場合に、減算器506の出力ブロックが属する範囲の割合を示した表である。ここで、計測したブロックはPピクチャかつフレーム間予測を用いたブロックである。入力となるMPEG-2ビットストリームは6Mbpsで符号化されており、再符号化は3Mbpsで行う。また、MPEG-2ビットストリームのgroup of pictures (GOP)構成は、IPPPPPP...およびIBBPBBPBB...の2種類であり、Iピクチャの間隔は15フレームである。
【0135】
図12からも明らかなように、MPEG-2ビットストリームにおける離散コサイン変換係数の約44%〜66%は"低域4x4成分"の範囲内である。そこで、零係数の位置情報を用いて逆離散コサイン変換を行えば、通常の8x8逆離散コサイン変換に比べ処理量を削減できる。
【0136】
第2実施形態は、変換係数情報を求める手段、および変換係数情報を用いて、複数の逆離散コサイン変換処理を切り替え可能な逆離散コサイン変換手段を備えている。そのため、逆離散コサイン変換の処理量を削減できる。
【0137】
3)第3実施形態
次に、本発明の第3実施形態について図面を参照して詳細に説明する。ここでは、第2実施形態と異なる構成および動作について説明する。
【0138】
図13を参照すると、本発明による再符号化装置の第3実施形態は、第2実施形態にモード判定器511が追加され、さらに2つの選択可能な処理パスを備えている。第1の処理パスが選択されると第2実施形態と同様の構成となり、第2の処理パスが選択されると図36に示した従来の再符号化装置と同様の構成となる。以下、第1の処理パスをモード3−1、第2の処理パスをモード3−2という。
【0139】
モード判定器511は、離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]およびDCT[R2(n)]の変換係数情報および各ブロックの処理量から、各モードにおける全体の処理量を推定し、処理量の少ないモードを選択する。ここで、フレーム内予測の場合は、モード3−2が選択される。なお、図13ではモード3−2が選択されている。
【0140】
まず、モード判定器511がモード3−1を選択した場合の動作を説明する。減算器506は、離散コサイン変換係数DCT[R2(n)+E2(n)]から離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]を減算して離散コサイン変換係数DCT[E2(n)-MC[E2(n-1),V]]を求め、逆離散コサイン変換器508へ供給する。
【0141】
逆離散コサイン変換器508は、変換係数情報を用いて、離散コサイン変換係数DCT[E2(n)-MC[E2(n-1),V]]に逆離散コサイン変換を行うことで誤差信号E2(n)-MC[E2(n-1),V]を求め、加算器509へ供給する。加算器509は、誤差信号E2(n)-MC[E2(n-1),V]と誤差予測信号MC[E2(n-1),V]とを加算して誤差信号E2(n)を求め、誤差信号動き補償部31へ供給する。
【0142】
次に、モード判定器511がモード3−2を選択した場合の動作を説明する。減算器506は、離散コサイン変換係数DCT[R2(n)+E2(n)]から離散コサイン変換係数DCT[R2(n)]を減算して離散コサイン変換係数DCT[E2(n)]を求め、逆離散コサイン変換器508へ供給する。逆離散コサイン変換器508は、変換係数情報を用いて、離散コサイン変換係数DCT[E2(n)]に逆離散コサイン変換を行うことで誤差信号E2(n)を求め、誤差信号動き補償部31へ供給する。
【0143】
第3実施形態では、変換係数の分布計測処理量を削減するために変換係数分布計測器507は離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]およびDCT[R2(n)+E2(n)]のみから変換係数情報を作成し、モード判定器511へ供給する。
【0144】
より精度の高い変換係数情報を作成するには図14に示した構成をとる。図14の構成では、減算器512および減算器513が各モードにおける離散コサイン変換係数の減算を行い、変換係数分布計測器507に供給する。
【0145】
以上の説明では、第1の処理パスとして第2実施形態を用いた。しかし、第3実施形態における処理パスは、誤差信号E2(n)または周波数変換係数DCT[E2(n)]を生成するような再符号化装置であれば適用可能である。
【0146】
図15は、モード3−1の処理パスが図13と異なる例を示すブロック図である。図15ではモード3−1が選択されている。この構成においてもモード判定器511が処理量の少ないモードを選択する動作は同様である。ここでは、図13と異なる構成および動作について説明する。
【0147】
図15において、モード判定器511がモード3−1を選択した場合、逆離散コサイン変換器508は、変換係数情報を用いて、離散コサイン変換係数DCT[R2(n)+E2(n)]に逆離散コサイン変換を行うことで予測誤差信号R2(n)+E2(n)を求め、加算器509へ供給する。
【0148】
加算器509は、フレーム間予測であれば、誤差予測信号MC[E2(n-1), V]と予測誤差信号R2(n)+E2(n)とを加算して予測誤差信号R1(n)+E2(n)を求め、減算器515へ供給する。また、フレーム内予測であれば、予測誤差信号R2(n)+E2(n)を予測誤差信号R1(n)+E2(n)として減算器515へ供給する。
【0149】
逆離散コサイン変換器514は、変換係数情報を用いて、離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]に逆離散コサイン変換を行うことで予測誤差信号R1(n)を求め、減算器515へ供給する。減算器515は、予測誤差信号R1(n)+E2(n)から予測誤差信号R1(n)を減算して誤差信号E2(n)を求め、誤差信号動き補償部31へ供給する。
【0150】
図16は、第3実施形態の動作を示すフローチャートである。ここでは、図4に示す第2実施形態と同様のステップには同一の参照番号を付し、第2実施形態と異なる動作に関してのみ説明する。
【0151】
ステップS41では、離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]とDCT[R2(n)]の変換係数情報、および各ブロックの処理量から、各モード全体の処理量を推定し、処理量の少ないモードを選択する。
【0152】
続いて、ステップS42では、選択されたモードがモード3−1か否かを判断する。モード3−1であればステップS43へ、モード3−2であればステップS44へ移る。
【0153】
ステップS43では、再符号化方式2−1を用いて誤差信号E2(n)を求め、メモリに格納し再符号化処理を終了する。
【0154】
ステップS44では、再符号化方式2−2を用いて誤差信号E2(n)を求め、メモリに格納し再符号化処理を終了する。
【0155】
3−1)第3実施形態の動作例
次に、具体的な実施例を用いて第3実施形態の動作を詳細に説明する。この実施例では、入力となる圧縮動画ビットストリームは同様にMPEG-2 VIDEOビットストリームとする。
【0156】
図17は、図13に示す構成例の動作を示すフローチャートである。処理はマクロブロック単位で行い、ピクチャタイプや量子化マトリックスなどの符号化情報は復号されているものとする。なお、第2実施形態の動作を示す図9のフローチャートと同様のステップには同一参照番号を付して説明は省略する。
【0157】
図17において、ステップ27を完了すると、ステップS51において、離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]と離散コサイン変換係数DCT[R2(n)+E2(n)]の範囲からモード選択を行う。このステップでは、各モードにおける全体の処理量から、処理量の少ないモードを選択する。本実施例の場合、モード3−1とモード3−2の処理量は、逆離散コサイン変換および加減算の処理量で決まる。処理量は実装方法によって大きく異なるが、本実施例では"低域4x4成分"の離散コサイン変換および加算器509の加算の処理量は、"8x8成分"の離散コサイン変換の処理量よりも少ないとする。その結果、離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]およびDCT[R2(n)+E2(n)]の範囲情報が共に"8x8成分"の場合にモード3−2を選択し、それ以外の場合は、モード3−1を選択することとする。ただし、フレーム内予測の場合は、モード3−2を選択する。
【0158】
ここで、モード3−2における全体の処理量を求めるには、減算器506の出力である離散コサイン変換係数の範囲情報も考慮すべきであるが、減算器506の出力には量子化前の離散コサイン変換係数が含まれるため、多くの離散コサイン係数は"8×8成分”の範囲に属する。そこで、本実施例では離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]およびDCT[R2(n)+E2(n)]の範囲から、2つのモードの処理量を推定し、モード選択を行う。
【0159】
図18は、MPEG-2ビットストリームを実際に図13の方式を用いて再符号化した場合に、減算器506の出力ブロックが属する範囲の割合を示した表である。ここで、計測したブロックはPピクチャかつフレーム間予測を用いたブロックである。入力ストリームなどは図12と同様である。図18からも明らかなように、MPEG-2ビットストリームにおける離散コサイン変換係数の約83〜94%が"8x8成分"の範囲に属する。
【0160】
ステップS52では、選択されたモードがモード3−1か否かを判断する。モード3−1であればステップS29へ、モード3−2であればステップS53へ移る。
【0161】
ステップS53では、離散コサイン変換係数DCT[R2(n)+E2(n)]から離散コサイン変換係数DCT[R2(n)]を減算して離散コサイン変換係数DCT[E2(n)]を求め、ステップS54へ移る。
【0162】
ステップS54では、離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]と離散コサイン変換係数DCT[R2(n)+E2(n)]の範囲情報を用いて、離散コサイン変換係数DCT[E2(n)]に逆離散コサイン変換を行うことで誤差信号E2(n)を求め、ステップS33へ移る。
【0163】
第3実施形態は、変換係数情報および各ブロックの処理量から、各モードにおける全体の処理量を推定し、最も処理量の少ない再符号化方式を選択するモード判定手段を備える。そのため、単一のモードの再符号化方式よりも処理量を削減できる。
【0164】
4)第4実施形態
次に、本発明の第4実施形態について図面を参照して詳細に説明する。ただし、図1に示す第1実施形態と同様のブロックには同一の参照番号を付し、ここでは第1実施形態と異なる構成および動作について説明する。
【0165】
図19を参照すると、本発明の第4実施形態による再符号化装置では、第1実施形態の構成に信号零判定部15が追加されている。また第4実施形態は、2つの処理パスを備えている。第1の処理パスは通常の再符号化パスであり、第2の処理パスに関して以下説明する。なお、第1の処理パスをモード4−1、第2の処理パスをモード4−2という。
【0166】
入力した圧縮動画ビットストリームから、少なくとも一部の信号を復号し、復号信号または復号時に得られた制御情報を信号零判定部15に供給する。信号零判定部15は、復号信号または復号時に得られた制御情報から符号化処理単位または復号処理単位毎に復号信号が全て零であるかを判定する。もし、全て零の場合はモード4−2を選択し、そうでない場合はモード4−1を選択する。図19ではモード4−2が選択されている。モード4−1が選択された場合の動作は、第1実施形態の動作と同様である。したがって、ここではモード4−2が選択された場合の動作を説明する。
【0167】
モード4−2が選択された場合、符号化処理部12は符号化信号を零として再度符号化を行う。信号補正部13は、蓄積した信号を用いて補正信号を計算し、信号補正部13へ供給する。
【0168】
図20は、図19に示す第4実施形態の動作を示すフローチャートである。ここでは、図2に示す第1実施形態のフローチャートと異なる動作に関してのみ説明する。
【0169】
ステップS111では、復号信号が全て零であるか否かを判断する。全て零であればステップS112へ、そうでなければステップS103へ移る。
【0170】
ステップS112では、符号化信号を零とし再度符号化を行い、計算した補正信号を蓄積して再符号化処理を終了する。
【0171】
上述したように、第4実施形態では、信号零判定手段を備えており、復号信号が全て零であると判定された場合、通常の再符号化よりも簡略な方式を適用する。その結果、従来の再符号化装置に比べ処理量を削減できる。
【0172】
5)第5実施形態
次に、本発明の第5実施形態について図面を参照して詳細に説明する。第5実施形態は、第4実施形態に対して、圧縮動画ビットストリームの符号化方式として周波数空間への変換処理を組み合わせていることを特徴としている。ここでは、図3に示す第2実施形態と同様のブロックには同一参照番号を付し、第2実施形態と異なる構成および動作について説明する。
【0173】
図21を参照すると、本発明の第5実施形態による再符号化装置は、図3に示す第2実施形態に変換係数零判定器516が追加された構成となっている。また第5実施形態は2つの処理パスを備えている。第1の処理パスは第2実施形態と同様であり、第2の処理パスに関して以下説明する。ここでは、第1の処理パスをモード5−1、第2の処理パスをモード5−2という。
【0174】
変換係数復号部51は、入力した圧縮動画ビットストリームから離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]を求め、離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]の変換係数情報を変換係数零判定器516へ供給する。
【0175】
変換係数零判定器516は、離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]の変換係数情報から離散コサイン変換係数に有意係数が含まれるかを判定する。もし、離散コサイン変換係数に有意係数が含まれている場合はモード5−1を選択し、離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]の変換係数情報を変換係数分布計測器507へ供給する。もし、有意係数が含まれていない(全ての変換係数が零の)場合はモード5−2を選択する。図21ではモード5−2が選択されている。モード5−1が選択された場合の動作は第2実施形態の動作と同様であるから、モード5−2が選択された場合の動作を説明する。
【0176】
モード5−2が選択された場合、変換係数符号化部52は離散コサイン変換係数DCT[R2(n)]を零とし、ビットレート変換した圧縮動画ビットストリームを生成して出力する。
【0177】
誤差信号動き補償部31は、画像信号がフレーム間予測で参照される場合、フレーム間予測であれば、誤差予測信号MC[E2(n-1),V]を求め、誤差予測信号MC[E2(n-1),V]を誤差信号E2(n)とし、誤差信号動き補償部31へ供給する。フレーム内予測であれば、誤差信号E2(n)を零とし、誤差信号動き補償部31へ供給する。
【0178】
なお、図5に示す第2実施形態の実施例と同様に、周波数領域での動き補償を用いた図26の構成も適用可能である。
【0179】
図22は、図21に示した第5実施形態の動作を示すフローチャートである。ここでは、図4に示す第2実施形態のフローチャートと異なる動作に関してのみ説明する。
【0180】
図22において、フレーム間予測である場合(ステップS4のYES)、ステップS61において、既に復号した誤差信号E2(n-1)と動きベクトルVを用いて動き補償MCを行い、誤差予測信号MC[E2(n-1),V]を求め、ステップS62へ移る。
【0181】
ステップS62では、変換係数情報を用いて再符号化対象となるブロックに有意係数が含まれるか否かを判断する。有意係数が含まれる場合はステップS63へ、全ての係数が零の場合はステップS6へ移る。
【0182】
ステップS63では、誤差予測信号MC[E2(n-1),V]に離散コサイン変換を行うことで離散コサイン変換係数DCT[MC[E2(n-1),V]]を求める。次に、離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]から離散コサイン変換係数DCT[MC[E2(n-1),V]]を減算して、離散コサイン変換係数DCT[R2(n)]を求め、ステップS6へ移る。
【0183】
ステップS6において参照画像であると判定された場合には、ステップS64において、変換係数情報を用いて再符号化対象となるブロックに有意係数が含まれるか否かを判断する。有意係数が含まれる場合はステップS7へ、全ての係数が零の場合はステップS65へ移る。
【0184】
ステップS65では、離散コサイン変換係数DCT[R2(n)]を零とし、変換係数および符号化情報を符号化し、ビットレート変換した圧縮動画ビットストリームを生成する。フレーム間予測であれば、誤差予測信号MC[E2(n-1),V]を誤差信号E2(n)とし、フレーム内予測であれば、誤差信号E2(n)を零とし、ステップS13へ移る。
【0185】
次に、具体的な実施例を用いて、第5実施形態の動作を詳細に説明する。この実施例では、入力となる圧縮動画ビットストリームは同様にMPEG-2 VIDEOビットストリームとする。
【0186】
図23は、第5実施形態の第1実施例の動作を示すフローチャートである。本実施例では、ブロックごとに零判定を行うのでブロック単位の動作を示す。ここで、MPEG-2 VIDEOでは動き補償はマクロブロック単位で行われるが、フローチャートを簡略にするため、ブロック単位に行うものとしている。
【0187】
MPEG-2 VIDEOでの零判定は、前述したようにブロックの係数が全て零であることを示す情報(coded block pattern、skipped macroblock)を用いればよい。
【0188】
以下、図9に示す第2実施形態のフローチャートと異なる動作に関してのみ説明する。
【0189】
図23において、フレーム間予測である場合(ステップS24のYES)、ステップS71において、既に復号した誤差信号E2(n-1)と動きベクトルVを用いて動き補償MCを行い、誤差予測信号MC[E2(n-1),V]を求め、ステップS72へ移る。
【0190】
ステップS72では、復号時の情報を用いて再符号化対象となるブロックに有意係数が含まれるか否かを判断する。有意係数が含まれる場合はステップS73へ、全ての係数が零の場合はステップS26へ移る。
【0191】
ステップS73では、誤差予測信号MC[E2(n-1),V]に離散コサイン変換を行うことで離散コサイン変換係数DCT[MC[E2(n-1),V]]を求める。次に、離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]から離散コサイン変換係数DCT[MC[E2(n-1),V]]を減算して、離散コサイン変換係数DCT[R2(n)]を求め、ステップS26へ移る。
【0192】
IピクチャあるいはPピクチャである場合(ステップS26のYES)、ステップS74では、復号時の情報を用いて再符号化対象となるブロックに有意係数が含まれるか否かを判断する。有意係数が含まれる場合はステップS27へ、全ての係数が零の場合はステップS75へ移る。
【0193】
ステップS75では、離散コサイン変換係数DCT[R2(n)]を零とし、変換係数および符号化情報を符号化し、ビットレート変換したMPEG-2ビットストリームを生成する。また、フレーム間予測であれば、誤差予測信号MC[E2(n-1),V]を誤差信号E2(n)とし、フレーム内予測であれば、誤差信号E2(n)を零とし、ステップS33へ移る。
【0194】
図24は、MPEG-2ビットストリームを実際に再符号化した場合に、入力の変換係数に有意係数が含まれていないブロックが、出力の変換係数で有意係数をもつ割合を示した表である。入力ストリームなどは図12と同様である。
【0195】
図24からも明らかなように、入力の変換係数に有意係数が含まれない場合に、出力の変換係数に有意係数が含まれる割合は3.3%以内であり、低いことが分かる。
【0196】
図25は、入力ストリームに有意係数が含まれないブロックの割合が高く、誤差蓄積の影響の大きい(GOP構成IPPP....)シーケンス4を再符号化した場合の、輝度信号の原画像に対するpeak signal to noise ratio(PSNR)を示すグラフである。ここで、縦軸はPSNRを表し、横軸はフレーム番号を表す。
【0197】
このグラフでは、第2実施形態の実施例を用いた場合と、簡略方式を適用した第5実施形態の実施例を用いた場合とを表している。グラフから明らかなように、2つの方式の平均PSNRはどちらも24.98dBであり、簡略化による画質劣化の影響は小さい。また、誤差蓄積による画質劣化も生じていないことが分かる。
【0198】
第5実施形態は、離散コサイン変換係数零判定手段を備えており、変換係数に有意係数が含まれないと判定された場合、通常の再符号化よりも簡略な方式を適用する。簡略方式は離散コサイン変換、量子化、および逆離散コサイン変換の処理を省略するので、従来の再符号化装置に比べ処理量を削減できる。簡略方式を適用することで画質劣化が生じるが、もともと入力の変換係数に有意係数が含まれない場合に、出力の変換係数に有意係数が含まれる割合は低いので、画質劣化の影響は小さい。
【0199】
ただし、再量子化の量子化幅で、出力の変換係数に有意係数が含まれる割合は異なる。そこで、変換係数零判定器516は再量子化の量子化幅がある定めた閾値を超えた場合のみ、第2の処理パス(モード5−2)を選択するように動作させてもよい。
【0200】
6)第6実施形態
次に、本発明の第6実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0201】
第6実施形態は、第3実施形態と第5実施形態を組み合わせた構成である。ここでは、第3実施形態および第5実施形態と異なる構成および動作について説明する。
【0202】
図27を参照すると、本発明の第6実施形態による再符号化装置は、2つの処理パスを備えている。第1の処理パスは図36に示す再符号化装置の構成と同じであり、第2の処理パスは第5実施形態の第2パス(モード5−2)と同じである。以下、第1の処理パスをモード6−1、第2の処理パスをモード6−2という。
【0203】
図27に示すように、第6実施形態における変換係数零判定器516は、離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]の変換係数情報から離散コサイン変換係数に有意係数が含まれるかを判定し、処理パスを選択する。そのため、第3実施形態におけるモード判定器511は不要である。
【0204】
また、第2実施形態の場合と同様に、周波数領域での動き補償を用いた図30の構成も適用可能である。この構成の場合は、加算器519も存在しないので変換係数分布計測器507は不要である。
【0205】
図28は、図27に示した第6実施形態の動作を示すフローチャートである。以下、図22に示す第5実施形態のフローチャートと異なる動作に関してのみ説明する。
【0206】
図28において、ステップS81では、離散コサイン変換係数DCT[R2(n)+E2(n)]から離散コサイン変換係数DCT[R2(n)]を減算して離散コサイン変換係数DCT[E2(n)]を求め、ステップS82へ移る。
【0207】
ステップS82では、変換係数情報を用いて、離散コサイン変換係数DCT[E2(n)]に逆離散コサイン変換を行い、誤差信号E2(n)を求め、ステップS13へ移る。
【0208】
図29は、MPEG-2ビットストリームを復号した場合に、入力の変換係数が属する範囲の割合を示した表である。ここで、計測したブロックはPピクチャかつフレーム間予測を用いたブロックである。入力ストリームなどは図12と同様である。図29からも明らかなように、MPEG-2ビットストリームにおける入力変換係数の約25〜49%は"有意係数なし"の範囲に属する。
【0209】
第6実施形態は、第5実施形態と同様に離散コサイン変換係数零判定手段を備えており、変換係数に有意係数が含まれないと判定された場合、通常の再符号化よりも簡略な方式を適用する。その結果、図36に示した従来の再符号化装置に比べ処理量を削減できる。
【0210】
7)第7実施形態
第3実施形態では、図16及び17において説明したように、変換係数情報および各ブロックの処理量から2つのモードにおける処理量を推定し、処理量の少ないモードを選択していた。
【0211】
これに対して、第7実施形態によれば、再符号化装置はN種類の再符号化方式を備える。この場合、変換係数情報および各ブロックの処理量からN種類のモードにおける全体の処理量を推定し、処理量の少ないモードを選択する。そのため、最も処理量の少ない再符号化方式を選択するので、再符号化の処理量を削減できる。ここで、言うまでもなく、第7実施形態も、第3実施形態と同様に、誤差信号E2(n)または離散コサイン変換係数DCT[E2(n)]を生成するような再符号化方式であれば適用可能であり、さらには第5実施形態のような簡略方式も適用可能である。
【0212】
図31は、第7実施形態の動作を示すフローチャートである。以下、図16に示す第3実施形態のフローチャートと異なる動作に関してのみ説明する。
【0213】
ステップS91では、離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]およびDCT[R2(n)]の変換係数情報および各ブロックの処理量から、N種のモードにおける全体の処理量を推定し、処理量の少ないモードを選択する。
【0214】
続いて、ステップS92では、モード7−1が選択されたか否かを判断する。モード7−1が選択された場合はステップS93へ移り、モード7−2が選択された場合はモード7−2の選択へ移る。
【0215】
ステップS93では、再符号化方式7−1を用いて誤差信号E2(n)を求め、メモリに格納して再符号化処理を終了する。モード7−2の判定以降はステップS92およびステップS93と同様の処理を行う。ステップS94では、モード7−(N−1)が選択されたか否かを判断する。モード7−(N−1)が選択された場合はステップS95へ、モード7−Nが選択された場合はステップS96へ移る。
【0216】
ステップS95では、再符号化方式5−(N−1)を用いて誤差信号E2(n)を求めてメモリに格納し、再符号化処理を終了する。ステップS96では、再符号化方式5−Nを用いて誤差信号E2(n)を求めてメモリに格納し、再符号化処理を終了する。
【0217】
8)第8実施形態
図22に示す第5実施形態では、有意係数が存在した場合(ステップS62のYES)にステップS63を実行するのに対して、第8実施形態による再符号化装置は、入力する圧縮動画ビットストリームの再符号化処理に依存しない処理単位ごとにステップS63を行うことを特徴としている。
【0218】
図32は、本発明の第8実施形態の動作を示すフローチャートである。以下、図22に示す第5実施形態のフローチャートと異なる動作に関してのみ説明する。
【0219】
図32において、ステップS131では、離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]を補正する時期であるか否かを判断する。補正時であればステップS63へ、補正時でない場合にはステップS6へ移る。
【0220】
第8実施形態では、ある定めた処理単位ごとにのみ、離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]の補正を行う。そのため、補正を行わない場合は、離散コサイン変換および減算の処理量を削減できる。離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]の補正を行う処理単位としては、様々なものが考えられる。例えば、1フレームおきに、あるいは複数のブロックおきに補正を行うこと等が考えられる。
【0221】
なお、第2実施形態の場合と同様に、第8実施形態は周波数領域での動き補償を用いた構成にも適用可能である。
【0222】
9)第9実施形態
図22に示す第5実施形態では、有意係数が存在した場合(ステップS62のYES)にステップS63を実行するのに対して、第9実施形態による再符号化装置は、再量子化を行う量子化幅が逆量子化を行う量子化幅以下、あるいは再量子化を行う量子化幅と逆量子化を行う量子化幅の差の絶対値がある定めた閾値以下であるか否かを判定し、前記の条件が成立しなかった場合に、ステップS63を行うことを特徴としている。
【0223】
図33は、第9実施形態の動作を示すフローチャートである。以下、図22に示す第5実施形態のフローチャートと異なる動作に関してのみ説明する。
【0224】
ステップS141では、再量子化を行う量子化幅が逆量子化を行う量子化幅以下、あるいは再量子化を行う量子化幅と逆量子化を行う量子化幅の差の絶対値がある定めた閾値以下であるか否かを判断する。前記条件が成立する場合はステップS6へ、成立しない場合はステップS63へ移る。
【0225】
ステップS142では、再量子化を行う量子化幅が逆量子化を行う量子化幅以下、あるいは再量子化を行う量子化幅と逆量子化を行う量子化幅の差の絶対値がある定めた閾値以下であるか否かを判断する。前記条件が成立する場合は、逆量子化を行った量子化幅を再量子化を行う量子化幅に設定しステップS65へ、成立しない場合はステップS7へ移る。
【0226】
第9実施形態は、再量子化を行う量子化幅および逆量子化を行う量子化幅の判定条件の判定結果に応じて、離散コサイン変換係数DCT[R1(n)]の補正を行う。そのため、補正を行わない場合には離散コサイン変換および減算の処理量を削減できる。さらに、量子化を行う量子化幅を再量子化を行う量子化幅に設定しているため、再量子化による誤差は生じない。そのため、再量子化および逆離散コサイン変換の処理量も削減できる。
【0227】
なお、第2実施形態の場合と同様に、第9実施形態は周波数領域での動き補償を用いた構成にも適用可能である。
【0228】
10)コンピュータシステム
図34は、本発明による再符号化装置をインプリメントした情報処理システムの一例を示す概略的ブロック構成図である。本発明による再符号化装置は、以上の説明からも明らかなように、ハードウェアで構成することもできるが、コンピュータプログラムにより実現することも可能である。
【0229】
図34に示す情報処理システムは、プロセッサ601、プログラムメモリ602、記憶媒体603および604からなる。記憶媒体603および604は、別個の記憶媒体であってもよいし、同一の記憶媒体の異なる記憶領域であってもよい。記憶媒体としては、ハードディスク等の磁気記憶媒体を用いることができる。
【0230】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、信号および制御情報を参照して信号値または分布情報を計測し、その信号値または分布情報を用いて補正信号を計算する。このために、補正信号の計算に必要な演算量を削減することができ、高速なビットレート変換を実現できる。
【0231】
また、複数の周波数補正信号の計算方法から最も演算量の少ない計算方法を選択することで、単一の周波数補正信号の計算よりも処理量をさらに削減することができる。
【0232】
さらに、信号零判定手段を設けることで、復号信号が全て零であると判定された場合、通常の再符号化よりも簡略な方式を適用することができ、従来の再符号化方法に比べ演算量を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による再符号化装置の第1実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明による第1実施形態における動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明による再符号化装置の第2実施形態の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明による図3に示した第2実施形態における動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明による再符号化装置の第2実施形態の異なる構成を示すブロック図である。
【図6】本発明による図5に示した第2実施形態における動作を示すフローチャートである。
【図7】(a)は8×8離散コサイン変換係数の一例を示す図であり、(b)は8×8離散コサイン変換係数の別の例を示す図である。
【図8】本発明による第2実施形態における有意係数が存在する範囲を示す図である。
【図9】本発明による図3に示した第2実施形態の実施例における動作を示すフローチャートである。
【図10】MPEG-2 VIDEOにおけるスキャン順を示す図である。
【図11】MPEG-2 VIDEOにおける離散コサイン変換係数の復号処理を示す図である。
【図12】(a)はGOP構成がIPPP・・・のストリームを再符号化した場合の、離散コサイン変換係数の属する範囲の割合を示す図であり、(b)はGOP構成がIBBP・・・のストリームを再符号化した場合の、離散コサイン変換係数の属する範囲の割合を示す図である。
【図13】本発明による再符号化装置の第3実施形態の構成を示すブロック図である。
【図14】本発明による再符号化装置の第3実施形態の異なる構成を示すブロック図である。
【図15】本発明による再符号化装置の第3実施形態の異なる構成を示すブロック図である。
【図16】本発明による第3実施形態における動作を示すフローチャートである。
【図17】本発明による第3実施形態の実施例における動作を示すフローチャートである。
【図18】(a)はGOP構成がIPPP・・・のストリームを再符号化した場合の、離散コサイン変換係数の属する範囲の割合を示す図であり、(b)はGOP構成がIBBP・・・のストリームを再符号化した場合の、離散コサイン変換係数の属する範囲の割合を示す図である。
【図19】本発明による再符号化装置の第4実施形態の構成を示すブロック図である。
【図20】本発明による第4実施形態における動作を示すフローチャートである。
【図21】本発明による再符号化装置の第5実施形態の構成を示すブロック図である。
【図22】本発明による図21に示した第5実施形態における動作を示すフローチャートである。
【図23】本発明による図21に示した第5実施形態の実施例における動作を示すフローチャートである。
【図24】(a)はGOP構成がIPPP・・・のストリームを再符号化した場合の、入力の変換係数に有意係数が含まれない場合に出力の変換係数に有意係数が含まれる割合を示す図であり、(b)はGOP構成がIBBP・・・のストリームを再符号化した場合の、入力の変換係数に有意係数が含まれない場合に出力の変換係数に有意係数が含まれる割合を示す図である。
【図25】MPEG-2ビットストリームを実際に再符号化した場合の、輝度信号の原画像に対するpeak signal to noise ratio (PSNR)を示すグラフである。
【図26】本発明による再符号化装置の第5実施形態の異なる構成を示すブロック図である。
【図27】本発明による再符号化装置の第6実施形態の構成を示すブロック図である。
【図28】本発明による図27に示した第6実施形態における動作を示すフローチャートである。
【図29】(a)はGOP構成がIPPP・・・のストリームを再符号化した場合の、離散コサイン変換係数の属する範囲の割合を示す図であり、(b)はGOP構成がIBBP・・・のストリームを再符号化した場合の、離散コサイン変換係数の属する範囲の割合を示す図である。
【図30】本発明による再符号化装置の第6実施形態の異なる構成を示すブロック図である。
【図31】本発明による第7実施形態における動作を示すフローチャートである。
【図32】本発明による第8実施形態における動作を示すフローチャートである。
【図33】本発明による第9実施形態における動作を示すフローチャートである。
【図34】本発明による再符号化装置をインプリメントした情報処理システムの一例を示す概略的ブロック構成図である。
【図35】基本的な再符号化装置の回路構成を示すブロック図である。
【図36】従来の再符号化装置の回路構成の一例を示すブロック図である。
【図37】従来の再符号化装置の回路構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
11 復号処理部
12 符号化処理部
13 信号補正部
14 信号分布計測部
15 信号零判定部
21 変換係数復号部
22 変換係数符号化部
201 可変長復号器
202 逆量子化器
203 逆離散コサイン変換器
204 加算器
205 動き補償器
206 メモリ
207 減算器
208 動き補償器
209 離散コサイン変換器
210 再量子化器
211 可変長符号化器
212 逆量子化器
213 逆離散コサイン変換器
214 加算器
215 メモリ
31 誤差信号動き補償部
301 減算器
302 離散コサイン変換器
303 減算器
304 逆離散コサイン変換器
305 メモリ
306 動き補償器
401 加算器
402 離散コサイン変換器
403 減算器
404 離散コサイン変換係数分布推定部
405 逆離散コサイン変換器
406 加算器
407 差分画素分布推定部
51 変換係数復号部
52 変換係数符号化部
53 周波数領域誤差信号動き補償部
501 可変長復号器
502 逆量子化器
503 減算器
504 可変長符号化器
505 逆量子化器
506 減算器
507 変換係数分布計測器
508 逆離散コサイン変換器
509 加算器
510 離散コサイン変換器
511 モード判定器
512 減算器
513 減算器
514 逆離散コサイン変換器
515 減算器
516 変換係数零判定器
517 メモリ
518 周波数領域動き補償器
519 加算器
601 プロセッサ
602 プログラムメモリ
603 記憶媒体
604 記憶媒体
Claims (12)
- 動き補償および量子化を用いた所定符号化方式の圧縮動画ビットストリームを入力として、少なくとも量子化された信号を逆量子化して復号信号を計算する第1ステップと、
蓄積した過去の誤差信号を動き補償して補正信号を計算する第2ステップと、
前記復号信号から前記補正信号を減算して再符号化する信号を計算し、前記再符号化する信号を再量子化し、再度符号化変換して圧縮動画ビットストリームを出力する第3ステップと、
再量子化による誤差である現在の前記誤差信号を計算して蓄積する第4ステップと、
を有する圧縮動画ビットストリームの再符号化処理をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
前記誤差信号の計算方法として、
前記再符号化する信号と、前記再量子化した信号を逆量子化した第2復号信号と、を用いて前記誤差信号を求める第1の計算方法と、
前記復号信号と、前記第2復号信号と、前記補正信号と、を用いて前記誤差信号を求める第2の計算方法と、
が用意され、
前記第1ステップで得られる前記復号信号の信号値および分布情報と、前記第4ステップで得られる前記第2復号信号の信号値および分布情報と、の少なくとも一方を計測する第5ステップと、
前記第5ステップで計測された信号値および分布情報の少なくとも一方に基づいて前記複数の計算方法の演算量を推定する第6ステップと、
前記第6ステップの推定結果に従って最も演算量の少ない計算方法を選択し、前記誤差信号を計算する第7ステップと、
を含むことを特徴とする圧縮動画ビットストリームの再符号化コンピュータプログラム。 - 前記所定符号化方式は周波数領域への変換処理を組み合わせた符号化方式であり、前記復号信号は空間領域の画像信号を周波数係数で表現した周波数復号信号であり、前記補正信号は周波数係数で表現される周波数補正信号であり、前記再符号化する信号は周波数係数で表現される周波数符号化信号であり、前記第2復号信号は周波数係数で表現される周波数第2復号信号であり、
前記周波数補正信号は、過去の蓄積した空間領域の誤差信号である空間誤差信号と、当該空間誤差信号を周波数変換した周波数誤差信号とのいずれかを用いて計算されることを特徴とする請求項1記載の圧縮動画ビットストリームの再符号化コンピュータプログラム。 - 前記信号値および分布情報は、周波数係数が零である位置を示す情報であることを特徴とする請求項2記載の圧縮動画ビットストリームの再符号化コンピュータプログラム。
- 前記信号値および分布情報は、複数の周波数係数が零である位置を示す情報であることを特徴とする請求項2記載の圧縮動画ビットストリームの再符号化コンピュータプログラム。
- 前記信号値および分布情報は、周波数係数の非零係数が複数個の予め設定された周波数領域に属するか否かを示す範囲情報であることを特徴とする請求項2記載の圧縮動画ビットストリームの再符号化コンピュータプログラム。
- 再符号化処理または復号処理の単位毎に、
前記復号信号が全て零であるかを計測するステップと、
全て零であれば、前記再符号化する信号を零として再符号化し、前記補正信号を現在の前記誤差信号として蓄積するステップと、
を含むことを特徴とする請求項1記載の圧縮動画ビットストリームの再符号化コンピュータプログラム。 - 再符号化処理または復号処理単位毎に、
前記復号信号が全て零であるかを計測するステップと、
全て零であれば、前記再符号化する信号を零として再符号化し、前記周波数補正信号を現在の前記周波数誤差信号および前記空間誤差信号の一方で蓄積するステップと、
を含むことを特徴とする請求項2記載の圧縮動画ビットストリームの再符号化コンピュータプログラム。 - 周波数領域への変換処理および量子化を用いた所定符号化方式の圧縮動画ビットストリームを入力として、少なくとも量子化された信号を逆量子化して周波数復号信号を計算し、過去の蓄積した空間領域の誤差信号である空間誤差信号と当該空間誤差信号を周波数変換した周波数誤差信号とのいずれか一方を動き補償して周波数補正信号を計算し、前記周波数復号信号から前記周波数補正信号を減算して周波数符号化信号を計算し、前記周波数符号化信号を再量子化し、再度符号化変換して圧縮動画ビットストリームを出力し、再量子化による誤差である現在の前記周波数誤差信号および前記空間誤差信号の一方を計算して蓄積し、前記周波数補正信号の計算に供する再符号化方法において、
前記空間誤差信号および前記周波数誤差信号の一方を計算する計算方法として、
前記周波数符号化信号と、前記再量子化した信号を逆量子化した周波数第2復号信号と、を用いる第1の計算方法と、
前記周波数復号信号と、前記周波数第2復号信号と、前記周波数補正信号と、を用いる第2の計算方法と、
を用意し、
前記周波数復号信号の信号値および分布情報と、前記周波数第2復号信号の信号値および分布情報と、の少なくとも一方を計測する第1ステップと、
前記第1ステップで計測された信号値および分布情報の少なくとも一方に基づいて前記複数の計算方法の演算量を推定する第2ステップと、
前記第2ステップの推定結果に従って最も演算量の少ない計算方法を選択し、前記空間誤差信号および前記周波数誤差信号の一方を計算するステップと、
を有することを特徴とする圧縮動画ビットストリームの再符号化方法。 - 再符号化処理または復号処理単位毎に、
前記復号信号が全て零であるかを計測するステップと、
全て零であれば、前記再符号化する信号を零として再符号化し、前記周波数補正信号を現在の前記周波数誤差信号および前記空間誤差信号の一方として蓄積するステップと、
を有することを特徴とする請求項8記載の圧縮動画ビットストリームの再符号化方法。 - 周波数領域への変換処理および量子化を用いた所定符号化方式の圧縮動画ビットストリームを入力として、少なくとも量子化された信号を逆量子化して周波数復号信号を計算する手段と、過去の蓄積した空間領域の誤差信号である空間誤差信号と、当該空間誤差信号を周波数変換した周波数誤差信号とのいずれか一方を動き補償して周波数補正信号を計算する手段と、前記周波数復号信号から前記周波数補正信号を減算して周波数符号化信号を計算する手段と、前記周波数符号化信号を再量子化し、再度符号化変換して圧縮動画ビットストリームを生成する手段と、再量子化による誤差である現在の前記周波数誤差信号および前記空間誤差信号の一方を計算して蓄積し前記周波数補正信号の計算に供する手段と、を有する再符号化装置において、
前記周波数符号化信号と前記再量子化した信号を逆量子化した周波数第2復号信号とを用いる第1の計算方法と、前記周波数復号信号と前記周波数第2復号信号と前記周波数補正信号とを用いる第2の計算方法とを用意して、これらの計算方法で前記空間誤差信号および前記周波数誤差信号の一方を計算可能な計算手段と、
前記周波数復号信号の信号値および分布情報と、前記周波数第2復号信号の信号値および分布情報と、の少なくとも一方を計測する計測手段と、
前記計測手段で計測された信号値および分布情報の少なくとも一方に基づいて前記複数の計算方法の演算量を推定する推定手段と、
前記推定手段による推定結果に従って最も演算量の少ない計算方法を選択し、前記計算手段により前記空間誤差信号および前記周波数誤差信号の一方を計算させる制御手段と、
を有することを特徴とする圧縮動画ビットストリームの再符号化装置。 - 再符号化処理または復号処理単位毎に、
前記復号信号が全て零であるかを計測する手段と、
全て零であれば、前記再符号化する信号を零として再符号化し、前記周波数補正信号を現在の前記周波数誤差信号および前記空間誤差信号の一方として蓄積する手段と、
を有することを特徴とする請求項10記載の圧縮動画ビットストリームの再符号化装置。 - 前記周波数符号化信号の計算方法が2種類存在し、前記2種類の計算方法は、前記周波数復号信号と前記周波数補正信号とを用いて周波数符号化信号を計算する方法、および前記周波数復号信号を用いて周波数符号化信号を計算する方法であり、
前記2種類の計算方法を、予め定めた処理単位ごとに選択するステップを含むことを特徴とする請求項2記載の圧縮動画ビットストリームの再符号化コンピュータプログラム。
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