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JP4134580B2 - 部材接合方法、放熱器の製造方法及び放熱器製造用冶具 - Google Patents
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JP4134580B2 - 部材接合方法、放熱器の製造方法及び放熱器製造用冶具 - Google Patents

部材接合方法、放熱器の製造方法及び放熱器製造用冶具 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、互いに間隔をあけた複数枚の板材をベース板の一方の面に立設させて接合する部材接合方法に関する。また、この方法を利用して、IC用放熱器、ペルチェ素子用放熱器、モーター用放熱器、電子制御部品用放熱器等として使用される放熱器を製造する方法に関し、さらに、該方法を用いて製造された放熱器及び該方法に用いられる放熱器製造用冶具に関する。
【0002】
【従来の技術】
互いに間隔をあけた複数枚のフィンをベース板の一方の面に立設してなる放熱器の製造方法としては、たとえば放熱器全体をアルミニウムの押出により一体成形するものがある(特開2001−38416公報参照)。また、棒状部と該棒状部の上面に立設されたフィンとで断面L字形又は断面凸字形に押出成形されたアルミニウム製の放熱器構成部材を複数個並列状に配置し、棒状部同士を互いにろう接することによってアルミニウム製の放熱器を製造するものもある(特開平6−177289号公報参照)。さらに、放熱性能を高めるために熱伝導性の高い銅を用い、銅製のベース板の一方の面に複数枚のアルミニウム製のフィンをろう接するものもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、放熱器全体をアルミニウムの押出により一体成形する場合、トング比(フィン高さ/フィン間隔)による製造限界がある。つまり、トング比の高い(ハイトング比の)放熱器ほど放熱性能が高いのであるが、アルミニウムの押出成形では、トング比20を超えるものを製造できず放熱器の放熱性能向上に限界がある。
また、ろう接による場合は、真空炉中などで所定時間にわたり加熱保持する工程が必要であり、製造コストが高いという問題がある。
【0004】
そして、このような従来技術の問題は、放熱器の製造方法だけでなく、互いに間隔をあけた複数枚の板材をベース板の一方の面に立設させて接合する場合について広く当てはまるものである。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑み、まず、板厚が薄く高さの大きな複数枚の板材を、ベース板の一方の面に短ピッチで簡単に立設させて接合することができる部材接合方法を提案するものである。さらに本発明は、ハイトング比の放熱器を低コストで製造できる放熱器の製造方法を提案し、併せて、該方法によって製造された放熱性能の高い放熱器及び該方法に用いられる放熱器製造用冶具を提案するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、互いに間隔をあけた複数枚の板材をベース板の一方の面に立設させて接合する方法であって、互いに間隔をあけて並べられた複数枚の板材と、これらの板材の間にそれぞれ挟み込まれたスペーサと、一方の面に前記各板材が立設されたベース板と、を配置する部材配置工程と、円周方向に回転する円板状の接合ツールの周面を、前記ベース板の他方の面に押し当てつつその表面に沿って移動させることにより、前記ベース板に前記各板材を接合する摩擦振動接合工程と、前記各スペーサを取り外すスペーサ離脱工程と、を含むことを特徴とする部材接合方法である。
【0007】
かかる部材接合方法では、まず部材配置工程で板材とベース板とスペーサを所定の位置にセットする。これらの部材の材質は特に限定されるものではなく、板材同士、スペーサ同士、板材とスペーサ、はそれぞれ同種材料からなるものとしてもよいし、それぞれ数種の異種材料からなるものとしてもよい。スペーサの形状も特に限定されるものではなく、スペーサ同士が相互に連結されていてもよい。
このとき、各板材相互間にそれぞれスペーサを挟み込むので、板材相互の間隔を正確に保ちつつ簡単に位置決めすることができ、しかもスペーサによって板材が補強されるので、板材の厚さをかなり薄くすることも可能である。また、スペーサの厚さを変更するだけで板材の配置間隔を任意に変更でき、さらに板材の高さを併せて変更することによって、特に板厚が薄く高さの大きな複数枚の板材を、ベース板の一方の面に短ピッチで立設接合することができる。なお、本工程でベース板の一方の面に各板材を立設配置した状態では、各スペーサはベース板の該一方の面に当接していなくてもよいが、次工程で接合ツールの押圧力によって板材に曲げ応力が作用することを考慮すれば、スペーサによる板材の補強効果を高めるため、各スペーサもベース板の該一方の面に当接させることが望ましい。また、続く摩擦振動接合工程では、ベース板の他方の面に接合ツールを押し当てつつ各板材とベース板とを摩擦振動接合する。したがって、ろう接のように真空炉中などで所定時間にわたり加熱保持する必要がなく、接合コストを削減することができる。なお、ベース板と板材との接合強度を高めるためには、各板材の基端面全面を辿るようにベース板の裏面(ベース板の他方の面)において接合ツールを移動させることによって、各板材をベース板に完全に接合することが望ましいが、接合コストの削減を重視するのであれば、各板材の基端面の一部だけを辿るように接合ツールを移動させればよい。また、ベース板と各板材とを摩擦振動接合するときにベース板と各スペーサとを接合してしまってもよいが、次工程でスペーサを取り外すことを考慮すれば、ベース板と各スペーサとが接合されないような軌跡で接合ツールを移動させることが望ましい。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の部材接合方法において、スペーサが、板材及びベース板よりも溶融点の高い材料からなる、ことを特徴とする。
【0009】
かかる部材接合方法では、スペーサの溶融点が板材及びベース板の溶融点よりも高くなっているので、接合ツールの回転数や送り速度を所定の範囲に設定することによって、スペーサが板材やベース板に接合されないようにして、ベース板と板材だけを接合することが簡単にできるようになる。
また、この場合、摩擦振動接合工程を完了した段階でスペーサが板材やベース板に接合されていないので、最後のスペーサ離脱工程では手間をかけずにスペーサを取り外すことができる。たとえば板材及びスペーサを下にしてベース板を上に持ち上げれば、スペーサを残したまま板材だけがベース板と一体に持ち上がるので、簡単にスペーサを取り外して、複数枚の板材をベース板の一方の面に立設接合した状態とすることができる。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の部材接合方法において、ベース板が、板材よりも溶融点の高い材料からなる、ことを特徴とする。
【0011】
かかる部材接合方法では、板材とベース板との境界面を両者の接合に必要な温度まで上昇させたときにベース板の変形抵抗を高く保つことができるので、接合ツールの押圧力を境界面に効率よく伝達しながら板材とベース板の間に隙間のない高強度の接合を行うことができる。
【0012】
請求項4に係る発明は、互いに間隔をあけた複数枚の金属製のフィンを金属製のベース板の一方の面に立設してなる放熱器を製造する方法であって、互いに間隔をあけて並べられた複数枚のフィンと、これらのフィンの間にそれぞれ挟み込まれたスペーサと、一方の面に前記各フィンが立設されたベース板と、を前記各スペーサの基端面を前記ベース板の一方の面に当接させた状態で配置する部材配置工程と、円周方向に回転する円板状の接合ツールの周面を、前記ベース板の他方の面に押し当てつつその表面に沿って移動させることにより、前記ベース板に前記各フィンを接合する摩擦振動接合工程と、前記各スペーサを取り外すスペーサ離脱工程と、を含むことを特徴とする放熱器の製造方法である。
【0013】
かかる放熱器の製造方法では、まず部材配置工程でフィンとベース板とスペーサを所定の位置にセットする。スペーサの材質や形状は特に限定されるものではない。このとき、各フィン相互間にそれぞれスペーサを挟み込むので、フィン相互の間隔を正確に保ちつつ簡単に位置決めすることができ、しかもスペーサによってフィンが補強されるので、フィンの厚さをかなり薄くすることも可能である。また、スペーサの厚さを変更するだけでフィンの配置間隔を任意に変更でき、さらにフィンの高さを併せて変更することによって、特にハイトング比の放熱器を簡単に製造することができる。なお、本工程でベース板の一方の面に各フィンを立設配置した状態では、次工程で接合ツールの押圧力によってフィンに曲げ応力が作用することを考慮、スペーサによるフィンの補強効果を高めるため、各スペーサもベース板の該一方の面に当接させる。また、続く摩擦振動接合工程では、ベース板の他方の面に接合ツールを押し当てつつ各フィンとベース板とを摩擦振動接合する。したがって、ろう接のように真空炉中などで所定時間にわたり加熱保持する必要がなく、製造コストを削減することができる。なお、ベース板とフィンとの接合強度を高めるためには、各フィンの基端面全面を辿るようにベース板の裏面(ベース板の他方の面)において接合ツールを移動させることによって、各フィンをベース板に完全に接合することが望ましいが、製造コストの削減を重視するのであれば、各フィンの基端面の一部だけを辿るように接合ツールを移動させればよい。また、ベース板と各フィンとを摩擦振動接合するときにベース板と各スペーサとを接合してしまってもよいが、次工程でスペーサを取り外すことを考慮すれば、ベース板と各スペーサとが接合されないような軌跡で接合ツールを移動させることが望ましい。
【0014】
請求項5に係る発明は、互いに間隔をあけた複数枚の金属製のフィンを金属製のベース板の一方の面に立設してなる放熱器を製造する方法であって、互いに間隔をあけて並べられた複数枚のフィンと、基端面がそれ自体の厚さ以内で前記各フィンの基端面よりも埋没するように該各フィンの間にそれぞれ挟み込まれたスペーサと、を配置するフィン配置工程と、ベース板を、その一方の面に前記各フィンが立設するように、前記各スペーサの基端面よりも突出する前記各フィンの基端部を折り曲げつつ配置するベース板配置工程と、円周方向に回転する円板状の接合ツールの周面を、前記ベース板の他方の面に押し当てつつその表面に沿って移動させることにより、前記ベース板に前記各フィンの基端部を接合する摩擦振動接合工程と、前記各スペーサを取り外すスペーサ離脱工程と、を含むことを特徴とする放熱器の製造方法である。
【0015】
かかる放熱器の製造方法は、請求項4に記載の放熱器の製造方法と略同様であるが、フィン(及びスペーサ)を配置する工程とベース板を配置する工程とを分け、まずフィン配置工程で、各フィンの基端面(ベース板側の端面)よりも各スペーサの基端面が埋没するように(フィンの基端面がスペーサの基端面よりも突出するように)配置しておき、続くベース板配置工程で、ベース板をフィンに押し付けることによって、フィンの基端部(スペーサよりも突出している部分)を折り曲げる。なお、スペーサの基端面からのフィンの基端部の突出長さはスペーサの厚さ以内となっているので、各フィンの基端部を折り曲げてもこれらが相互に重複することはない。このようにすれば、フィンの厚さがかなり薄い場合であっても、フィンの基端部がベース板に重ね合わされた状態で接触するので、フィンとベース板との接触面積を大きくして両者を確実に接合することができる。
【0016】
請求項6に係る発明は、請求項4又は請求項5に記載の放熱器の製造方法において、スペーサが、フィン及びベース板よりも溶融点の高い材料からなる、ことを特徴とする。
【0017】
かかる放熱器の製造方法では、スペーサの溶融点がフィン及びベース板の溶融点よりも高くなっているので、接合ツールの回転数や送り速度を所定の範囲に設定することによって、スペーサがフィンやベース板に接合されないようにして、ベース板とフィンだけを接合することが簡単にできるようになる。
また、この場合、摩擦振動接合工程を完了した段階でスペーサがフィンやベース板に接合されていないので、最後のスペーサ離脱工程では手間をかけずにスペーサを取り外すことができる。たとえばフィン及びスペーサを下にしてベース板を上に持ち上げれば、スペーサを残したままフィンだけがベース板と一体に持ち上がるので、簡単にスペーサを取り外して放熱器を完成させることができる。
【0018】
請求項7に係る発明は、請求項4乃至請求項6のいずれか一項に記載の放熱器の製造方法において、ベース板が、フィンよりも溶融点の高い材料からなる、ことを特徴とする。
【0019】
かかる放熱器の製造方法では、フィンとベース板との境界面を両者の接合に必要な温度まで上昇させたときにベース板の変形抵抗を高く保つことができるので、接合ツールの押圧力を境界面に効率よく伝達しながらフィンとベース板の間に隙間のない高強度の接合を行うことができる。
【0020】
請求項8に係る発明は、請求項7に記載の放熱器の製造方法において、フィンがアルミニウム合金からなり、ベース板が銅からなる、ことを特徴とする。
【0021】
かかる放熱器の製造方法によれば、銅の熱伝導性の高さを活かした放熱性能の高い放熱器を製造することができる。
【0022】
請求項9に係る発明は、互いに間隔をあけた複数個の金属製のフィン構成材を金属製のベース板の一方の面に立設してなる放熱器を製造する方法であって、互いに間隔をあけて並べられ、それぞれが左右一対のフィンとこれらの端部を連結する基端部とで断面凹字形に形成された複数個のフィン構成材と、前記各フィン構成材相互間に挟み込まれたスペーサと、前記各フィン構成材の左右のフィンの間に挟み込まれたスペーサと、一方の面に前記各フィン構成材の基端部が当接するように該フィン構成材が立設されたベース板と、を配置する部材配置工程と、円周方向に回転する円板状の接合ツールの周面を、前記ベース板の他方の面に押し当てつつその表面に沿って移動させることにより、前記ベース板に前記各フィン構成材の基端部を接合する摩擦振動接合工程と、前記各スペーサを取り外すスペーサ離脱工程と、を含むことを特徴とする放熱器の製造方法である。
【0023】
かかる放熱器の製造方法は、請求項4に記載の放熱器の製造方法と略同様であるが、フィンに代えて断面凹字形のフィン構成材を用いる。もちろん、フィン構成材相互間及びフィン構成材の左右のフィンの間には、同種又は別種のスペーサを挟み込む。このようにすれば、フィン構成材の左右のフィンの厚さがかなり薄い場合であっても、フィン構成材の基端部がベース板に重ね合わされた状態で接触するので、フィンをベース板に対して確実に接合することができる。なお、フィン構成材は、一枚の薄い金属板の中央部にスペーサを挟んで断面凹字形に折り曲げることによって簡単に作成することができる。
【0024】
請求項10に係る発明は、請求項9に記載の放熱器の製造方法において、スペーサが、フィン構成材及びベース板よりも溶融点の高い材料からなる、ことを特徴とする。
【0025】
かかる放熱器の製造方法では、スペーサの溶融点がフィン構成材及びベース板の溶融点よりも高くなっているので、接合ツールの回転数や送り速度を所定の範囲に設定することによって、スペーサがフィン構成材やベース板に接合されないようにして、ベース板とフィン構成材だけを接合することが簡単にできるようになる。
また、この場合、摩擦振動接合工程を完了した段階でスペーサがフィン構成材やベース板に接合されていないので、最後のスペーサ離脱工程では手間をかけずにスペーサを取り外すことができる。たとえばフィン構成材及びスペーサを下にしてベース板を上に持ち上げれば、スペーサを残したままフィンだけがベース板と一体に持ち上がるので、簡単にスペーサを取り外して放熱器を完成させることができる。
【0026】
請求項11に係る発明は、請求項9又は請求項10に記載の放熱器の製造方法において、ベース板が、フィン構成材よりも溶融点の高い材料からなる、ことを特徴とする。
【0027】
かかる放熱器の製造方法では、フィン構成材とベース板との境界面を両者の接合に必要な温度まで上昇させたときにベース板の変形抵抗を高く保つことができるので、接合ツールの押圧力を境界面に効率よく伝達しながらフィン構成材とベース板の間に隙間のない高強度の接合を行うことができる。
【0028】
請求項12に係る発明は、請求項11に記載の放熱器の製造方法において、フィン構成材がアルミニウム合金からなり、ベース板が銅からなる、ことを特徴とする。
【0029】
かかる放熱器の製造方法によれば、銅の熱伝導性の高さを活かした放熱性能の高い放熱器を製造することができる。
【0032】
請求項13に係る発明は、フィン又はフィン構成材とスペーサとを交互に重ね合わせた状態でこれらを拘束するフィン拘束部と、ベース板の一方の面を前記フィン又はフィン構成材の基端部に当接させて拘束するベース板拘束部と、を備えることを特徴とする放熱器製造用冶具である。
【0033】
かかる放熱器製造用冶具は、これまで説明した方法の使用に特に適したものであり、摩擦振動接合時にフィン又はフィン構成材、スペーサ、ベース板を確実に拘束することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、説明において、同一要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略するものとする。
【0035】
まず、本題に入る前に、前提となる金属部材の摩擦振動接合の基本メカニズムを説明する。
金属部材の摩擦振動接合とは、接合ツールの押圧力によって金属部材の重ね合わせ部における隙間をなくしつつ、回転する接合ツールと金属部材との接触により生ずる振動によって金属部材の重ね合わせ面に存在する酸化皮膜を分断破壊するとともに、摩擦熱によって重ね合わせ部を高温化して塑性変形させることにより、金属部材同士の接触面積と拡散速度を増大させながら重ね合わせ部を接合する方法である。
そして特に、複数の金属部材を、溶融点の高い順に互いに重ね合わせて配置しておき、最も溶融点の高い金属部材側から接合ツールを押し当てつつ接合するようにすれば、金属部材同士の重ね合わせ部が接合に必要な温度まで上昇したときに、接合ツールに近い側の金属部材ほどその変形抵抗を高く保って接合ツールの押圧力を重ね合わせ面に対して効率よく伝達できるので、金属部材間に隙間のない高強度の接合が可能となるのである。
【0036】
ここで、金属部材の一例としてアルミニウム部材とこれよりも溶融点の高い銅部材とを挙げ、より具体的に説明する。図1(a),(b)は、摩擦振動接合の各手順を表す正面断面図であり、図1(c)は図1(b)の側面図である。摩擦振動接合では、まず、図1(a)に示すようにアルミニウム部材1と銅部材2とが面接触するように互いに重ね合わせて配置し、図示しない冶具で固定する。
【0037】
次に、図1(b),(c)に示すように、回転軸3bを中心として円周方向に周速度Rで高速回転する接合ツール3のツール本体3aの周面を銅部材2の表面2aに垂直に押し当てつつ、接合ツール3を銅部材2の表面2aに沿って送り速度Vで移動させることによって、アルミニウム部材1と銅部材2とを重ね合わせて接合する。接合ツール3は回転軸3bの先端部に円板状のツール本体3aを固定してなるものであり、ツール本体3aはJIS:SKD61などの工具鋼からなる。ツール本体3aは、銅部材2の表面2aを押さえ込みつつ進行方向後方に送り込むような向きで回転軸3bのまわりに回転する。
【0038】
ツール本体3aは、図2(a)に示すように、その周面が銅部材2の表面2aに一定量αだけ押し込まれた状態で円周方向に高速回転しつつ、銅部材2の表面2aに沿って移動する。そして、このようなツール本体3aの銅部材2への押し込みによってアルミニウム部材1と銅部材2の重ね合わせ面の隙間をなくしつつ、高速回転するツール本体3aと銅部材2との接触により生ずる振動によってアルミニウム部材1と銅部材2の重ね合わせ面の酸化皮膜を分断破壊するとともに、図2(b)に示すように、ツール本体3aと接触する銅部材2の所定領域及びその近傍領域と、これらの領域に隣接するアルミニウム合金1の所定領域とを、ツール本体3aと銅部材2との摩擦接触により発生した熱で高温化し、それぞれ固相状態のまま可塑化(流動化)させる。その結果、銅部材2とアルミニウム部材1は、互いの境界面においても塑性流動し、それぞれ当初の表面から塑性変形する。
【0039】
接合ツール3のツール本体3aが通過した跡は、図2(c)に示すように、ツール本体3aの押圧力によって銅部材2の表面2aに一対の浅い段部2b,2bが形成される。また、アルミニウム部材1と銅部材2の重ね合わせ面は、塑性変形したアルミニウム部材1及び銅部材2が互いに噛み合うように断面凹凸形で固化した接合面Sとなり、この接合面Sを介して銅部材2とアルミニウム部材1とが確実に接合される。
【0040】
ここで、接合ツール3をアルミニウム部材1側から押し当てることも考えられるが、アルミニウム部材1の溶融点は銅部材2の溶融点よりも低く、アルミニウム部材1と銅部材2の重ね合わせ面が接合に必要な温度(共晶温度:548℃)以上に達したときにアルミニウム部材1の変形抵抗が比較的小さくなってしまうので、接合ツール3による押圧力がアルミニウム部材1と銅部材2の重ね合わせ面に充分に伝達されず、接合不良となりやすい。一方、接合ツール3をアルミニウム部材1よりも溶融点の高い銅部材2側から押し当てるようにすれば、アルミニウム部材1と銅部材2の重ね合わせ面が接合に必要な温度(共晶温度)以上に達したときに銅部材2の変形抵抗を比較的大きく保持して、接合ツール3の押圧力をアルミニウム部材1と銅部材2の重ね合わせ面に充分に伝達できるので、両部材間の隙間をなくした高強度の接合を行うことができる。
【0041】
なお、このようにしてアルミニウム部材1と銅部材2とを重ね合わせて摩擦振動接合する場合には、接合時の接合ツール3(ツール本体3a)を、次式(A)で求められる周速度R(m/min)で回転させることが望ましい。
250≦R≦2000 … (A)
これは、接合時の接合ツール3の周速度が250m/minより小さいと、接合ツール3と銅部材2との摩擦接触によって発生する熱量が小さすぎて、銅部材2とアルミニウム部材1との重ね合わせ面の温度が低く、接合不良となってしまい、一方、接合時の接合ツール3の周速度が2000m/minより大きいと、接合ツール3と銅部材2との摩擦接触によって発生する熱量が必要以上に大きくなって、接合ツール3の駆動エネルギーロスが大きいだけでなく、接合ツール3と接触している銅部材2の温度が局所的に大きくなりすぎて当該部分が塑性変形してしまい、接合ツール3の押圧力が重ね合わせ面に充分に伝達されず、両部材間に隙間が生じてしまうおそれがあるからである。したがって、接合時の接合ツール3を周速度250〜2000m/minで回転させれば、接合ツール3と銅部材2との摩擦接触によって発生する熱量が適正な値となって、良好な接合を行うことができるのである。
【0042】
また、アルミニウム部材1と銅部材2とを重ね合わせて摩擦振動接合する場合には、接合時の接合ツール3(ツール本体3a)を、次式(B)で求められる押込量α(m)だけ銅部材2の表面2aに押し込むことが望ましい。
0.1×t≦α≦0.3×t … (B)
t:重ね合わせ部における銅部材の厚さ(m)
これは、接合時の接合ツール3の銅部材2表面への押込量αが0.1tよりも小さいと、銅部材2とアルミニウム部材1との重ね合わせ面に隙間が残って接合不良となり、一方、押込量αが0.3tよりも大きいと、銅部材2とアルミニウム部材1との重ね合わせ面に隙間は残らないが、接合ツール3の押し込み過大によって銅部材2表面に凹みが顕著に残ってしまい、部材ロスが発生するからである。したがって、接合時の接合ツール3の銅部材2表面への押込量αを0.1t以上0.3t以下とすれば、接合ツール3の押圧力が適正な値となって、銅部材2とアルミニウム部材1との重ね合わせ面に隙間を発生させずに接合することができ、銅部材2表面の凹みも小さくできるのである。
【0043】
さらに、アルミニウム部材1と銅部材2とを重ね合わせて摩擦振動接合する場合には、接合時の接合ツール3(ツール本体3a)を、次式(C)によって求められる送り速度V(m/min)で銅部材2の表面に沿って移動させることが望ましい。
0.1≦V≦R/(5.0×107×t2) … (C)
R:接合時の接合ツールの周速度(m/min)
t:重ね合わせ部における銅部材の厚さ(m)
これは、接合時の接合ツール3の周速度が大きくなれば、接合ツール3と銅部材2との摩擦接触によって発生する熱量が大きくなるので、接合ツール3の送り速度Vを大きくしても、重ね合わせ部の温度を一定以上に保つことができるが、銅部材2の厚さが厚くなると、重ね合わせ面が一定温度以上に達するまでの時間がかかるので、接合ツール3の送り速度を大きくしすぎると、重ね合わせ部が一定温度以上に達する前に接合ツール3が通過してしまい、接合不良となってしまうからである。つまり、良好な摩擦振動接合を行うには、接合ツール3の送り速度V、周速度R、銅部材の厚さtを相互に調節する必要があり、実験の結果、V≦R/(5.0×107×t2)を満足するときに良好な接合が可能であることが確認されている。一方、接合ツール3の周速度Vが小さすぎると、接合効率が低下するという観点から、0.1≦Vを満足するときに接合効率がよいことも実験によって確認されている。
【0044】
なお、金属部材の摩擦振動接合は、アルミニウム部材と銅部材との重ね合わせ接合に限定されるわけではなく、金属部材同士の重ね合わせ接合に広く適用することができる。そして、そのような金属部材の形状は、互いに重ね合わせて接合ツールを押し当てることができるものであればよい。さらに、金属部材の重ね合わせ数も二つに限定されるわけではなく、三つ以上としてもよい。
たとえば、図3では、三つの金属部材(5000系アルミニウム部材1、1000系アルミニウム部材1’、銅部材2)を互いに重ね合わせて配置し、三つの金属部材のうち最も溶融点の高い銅部材2側から接合ツール3のツール本体3aを押し当てて摩擦振動接合するものである。ここで、接合時に金属部材同士の重ね合わせ部が所定温度以上になることと、そのときの各金属部材の変形抵抗が金属部材同士の重ね合わせ面への接合ツールによる押圧力の伝達効率に影響することを考慮すると、三つの金属部材を溶融点の高い順(ここでは銅部材2、1000系アルミニウム部材1’、5000系アルミニウム部材1の順)に重ね合わせて配置し、最も溶融点の高い金属部材(ここでは銅部材2)の表面から接合ツール3を押し当てて摩擦振動接合することが望ましい。この他、三つの金属部材を銅、アルミニウム、マグネシウムとした場合には、銅部材、アルミニウム部材、マグネシウム部材の順に重ね合わせ、銅部材側から接合ツールを押し当てて摩擦振動接合すればよい。
【0045】
以上、金属部材の摩擦振動接合の基本メカニズムについて説明したが、続いて、これを応用した本発明に係る放熱器の製造方法について説明する。
図4及び図5は、本発明に係る放熱器の製造方法の第一実施形態を説明するための図であって、図4(a),(b)は部材配置工程を表す正面断面図、図5(a)は摩擦振動接合工程を表す正面断面図、図5(b)はスペーサ離脱工程を表す正面断面図である。また、図6は、本発明に係る放熱器製造用冶具の一実施形態を表す分解斜視図である。
【0046】
本実施形態ではまず、図4(a)に示すように、アルミニウム製の板状部材であるフィン4,4,…と、鉄製の板状部材であるスペーサ5,5,…とを交互に並べながら、これらを放熱器製造用冶具10の部材セット部12に立設配置する。
放熱器製造用冶具10は、図6に示すように、上面が開放した箱形の冶具本体11と、この冶具本体11の内部に形成された凹部である部材セット部12においてスライド可能に配置された押圧板13と、この押圧板13と直交する向きで冶具本体11の壁体を貫通しつつ、先端部が押圧板13の背面に固着され頭部が冶具本体11の壁体の外側に位置する締付ボルト14と、押圧板13に平行な向きで冶具本体11の壁体上部に架け渡されるベース固定板15と、このベース固定板15の両端を冶具本体11の壁体上部に螺着するための締付ボルト16と、で構成されている。
そして、ここでは、フィン4,4,…とスペーサ5,5,…とを、これらが交互に立設するように部材セット部12に並べた上で、締付ボルト14をねじ込んで押圧板13をこれらに押し付けることによってこれらを互いに密着した状態で拘束する。このとき、フィン4とスペーサ5は全て高さが等しいので、立設されたフィン4,4,…の上面(基端面)とスペーサ5,5,…の上面(基端面)とで水平面が形成されるようになっている。
【0047】
続いて、図4(b)に示すように、部材セット部12に立設配置されたフィン4,4,…及びスペーサ5,5,…の上面に、銅製の板状部材であるベース板6、さらにその上にベース固定板15を載せ、ベース固定板15の下面に形成されている切欠15aにフィン4,4,…及びスペーサ5,5,…の上部(基端部)を嵌め込むことによって、フィン4,4,…及びスペーサ5,5,…を長さ方向(紙面直交方向)に移動しないように拘束する。さらに、この状態でベース固定板15の両端のボルト孔15bから冶具本体11の壁体上面のボルト孔11aに締付ボルト16をねじ込むことによって、ベース板6をフィン4及びスペーサ5の上部に固定する。また図示していないが、必要に応じて、ベース板6が幅方向(紙面左右方向)に移動しないように拘束する。これで、フィン4及びスペーサ5の基端面がベース板6の下面(一方の面)に当接するように、フィン及びスペーサ5をベース板6に立設配置する工程が完了する。
なお、図4(a),(b)に示した部材配置工程は、必ずしもこのとおりでなくても、フィン4,4,…とスペーサ5,5,…とベース板6とが最終的に図4(b)のように所定の位置に配置されるのであれば、手順を問わない。したがって、たとえば、互いに間隔をあけてフィン4,4,…(又はスペーサ5,5,…)を配置しておき、それらの基端面にベース板6を固定した後、最後にフィン4,4,…(又はスペーサ5,5,…)の間にそれぞれスペーサ5,5,…(又はフィン4,4,…)を挿入するようにしてもよい。
【0048】
次に、図5(a)に示すように、回転軸3bを中心として円周方向に高速回転する接合ツール3のツール本体3aの周面をベース板6の他方の面の表面6aに垂直に押し当てつつ、接合ツール3をベース板6の表面6aに沿って移動させることによって、ベース板6にフィン4,4,…を接合する。
このとき、ベース板6を構成する銅の溶融点がフィン4を構成するアルミニウムの溶融点よりも高いので、フィン4とベース板6との境界面を両者の接合に必要な温度(共晶温度:548℃)まで上昇させたときにベース板6の変形抵抗を高く保つことができ、接合ツール3の押圧力を境界面に効率よく伝達しながらフィン4とベース板6の間に隙間のない高強度の接合を行うことができる。
また、スペーサ5を構成する鉄の溶融点がフィン4を構成するアルミニウム及びベース板6を構成する銅の溶融点よりも高いので、接合ツール3の周速度や送り速度を所定の範囲に設定することによって、スペーサ5がフィン4やベース板6に接合されないように、ベース板6とフィン4だけを容易に接合することができる。
【0049】
最後に、放熱器製造用冶具10の締付ボルト16を緩めてベース固定板15を冶具本体11から取り外すとともに、締付ボルト14を緩めて押圧板13によるフィン4及びスペーサ5の拘束を解除した上で、図5(b)に示すように、ベース板6を上に持ち上げる。すると、ベース板6に接合されたフィン4,4,…だけが一緒に持ち上がり、スペーサ5,5,…は放熱器製造用冶具10の部材セット部12に取り残される。このようにしてスペーサ離脱工程において簡単にスペーサ5,5,…を取り外すことによって、図7に示すような、複数枚のアルミニウム製のフィン4,4,…が互いに間隔をあけて銅製のベース板6の一方の面に立設接合された放熱器Hを製造することができる。
【0050】
以上のような放熱器の製造方法によれば、フィン4,4,…の間にそれぞれスペーサ5,5,…を挟み込むので、フィン4相互の間隔を正確に保ちつつ、互いに所定間隔をあけた状態でフィン4,4,…を並べて位置決めすることができる。また、スペーサ5によってフィン4が補強されるので、摩擦振動接合工程においてフィン4に曲げ応力が作用するにもかかわらず、フィン4の厚さをかなり薄くすることが可能である。また、スペーサ5の厚さを変更するだけでフィン4の配置間隔を任意に変更でき、さらにフィン4の高さを併せて変更することによって、特に板厚が薄く高さの大きなフィン4,4,…を、ベース板6の一方の面に短ピッチで立設接合して、ハイトング比の(たとえばトング比20を超える)放熱器Hを製造することができる。もちろん、スペーサ5は金属製に限定されるわけではなく、強度や加工性等を考慮してセラミックその他の任意の材質とすることができ、またスペーサ5の形状も適宜定めればよい。なお、部材配置工程でベース板6の一方の面にフィン4,4,…を立設配置したときに、スペーサ5,5,…の基端面はベース板6の該一方の面に当接していなくてもよいが、摩擦振動接合工程で接合ツール3の押圧力によってフィン4に曲げ応力が作用することを考慮すれば、スペーサ5によるフィン4の補強効果を高めるため、上記実施形態のようにスペーサ5,5,…をフィン4,4,…と同じ高さに揃えることによって、スペーサ5,5,…の基端面をベース板6の該一方の面に当接させることが望ましい。
【0051】
また、以上のような放熱器の製造方法によれば、ろう接のように真空炉中などで所定時間にわたり加熱保持することなく、フィン4,4,…とベース板6とを接合できるので、製造コストを削減することができる。なお、ベース板6とフィン4,4,…との接合強度を高めるとともに、放熱器Hの放熱性能を高めるためには、図8(a)に示すように、各フィン4の基端面全面を辿るようにベース板6の裏面(ベース板6の他方の面)において接合ツール3を移動させることによって、フィン4,4,…をベース板6に完全に接合することが望ましい(図8において斜線を付した領域は、接合ツール3の移動跡を示している。)。一方、接合コストの削減を重視するのであれば、たとえば図8(b)に示すように、各フィン4の基端面の全面ではなく一部だけを辿るように接合ツール3を移動させればよい。また、ベース板6とフィン4,4,…とを摩擦振動接合するときに同時にベース板6とスペーサ5,5,…とを接合しておき、スペーサ離脱工程では何らかの方法によってベース板6やフィン4からスペーサ5,5,…を取り外すようにしてもよいが、接合ツール3のツール本体3aの幅をフィン4の厚さ以下としておき、図8(c)に示すようにベース板6とスペーサ5,5,…とが接合されないような軌跡で(図示の場合、フィン4,4,…の直上領域だけで)接合ツール3を移動させるか、又は、ベース板6にフィン4,4,…のみを当接させ、ベース板6とスペーサ5,5,…が当接しないように配置して接合するか、あるいは、上記実施形態のようにスペーサ5の溶融点をフィン4及びベース板6の溶融点よりも高くすることによって、接合ツール3の移動軌跡にかかわらずスペーサ5,5,…がベース板6やフィン4に接合されないようにしておけば、摩擦振動接合後もスペーサ5,5,…がベース板6やフィン4に接合されないので、スペーサ離脱工程での手間を省いて製造コストを削減することができる。また、接合ツール3の押込力によってベース板6の他方の面の表面6aに残った凹みが大きい場合には、ベース板6の表面6aを一定厚さで切削することによって、外観美麗な放熱部材Hとすることができる。
【0052】
また、摩擦振動接合工程を簡素化するために、接合ツール3に代えて、図9に示すように、回転軸3bのまわりに所定間隔でツール本体3a,3a,…が固定された接合ツール3’を用いて摩擦振動接合するようにしてもよい。この場合、一度に多数箇所を摩擦振動接合できるので、接合に要する時間を短縮でき、さらに接合効率が向上する。
【0053】
なお、このようにして製造された放熱器Hのフィン4,4,…の先端面にさらに別のベース板6’を接合することにより、図10に示すような、互いに間隔をあけたフィン4,4,…の両端面にそれぞれベース板6,6’を摩擦振動接合した放熱器H’を製造するようにしてもよい。
【0054】
同図に示した放熱器H’の製造手順の第一パターンは、図11(a)に示すように、互いに間隔をあけたフィン4,4,…の間にそれぞれスペーサ5,5,…を挟み込み、フィン4,4,…の両端(図示上下端)にそれぞれベース板6,6’を配置した上で、ベース板6の背面(図示上面)及びベース板6’の背面(図示下面)から接合ツール3,3を押し当てて同時に摩擦振動接合する。そして最後に、スペーサ5,5,…を側方から(紙面直交方向に)抜き取る。
放熱器H’の製造手順の第二パターンは、図11(b)に示すように、互いに間隔をあけたフィン4,4,…の間にそれぞれスペーサ5,5,…を挟み込み、フィン4,4,…の両端(図示上下端)にそれぞれベース板6,6’を配置した上で、一方のベース板6の背面(図示上面)から接合ツール3を下向きに押し当てて摩擦振動接合する。その後、各部材の配置関係を保持したままフィン4、スペーサ5、ベース板6,6’を上下反転した上で、図11(c)に示すように、他方のベース板6’の背面(図示上面)から接合ツール3を下向きに押し当てて摩擦振動接合する。そして最後に、スペーサ5,5,…を側方から(紙面直交方向に)抜き取る。
【0055】
放熱器H’の製造手順の第三パターンは、図12(a)に示すように、互いに間隔をあけたフィン4,4,…の間にそれぞれスペーサ5,5,…を挟み込み、フィン4,4,…の一端(図示上端)だけにベース板6を配置した上で、ベース板6の背面(図示上面)から接合ツール3を下向きに押し当てて摩擦振動接合する。その後、各部材の配置関係を保持したままフィン4、スペーサ5、ベース板6を上下反転した上で、図12(b)に示すように、フィン4,4,…の他端(図示上端)にベース板6’を配置し、さらに図12(c)に示すように、ベース板6’の背面(図示上面)から接合ツール3を下向きに押し当てて摩擦振動接合する。そして最後に、スペーサ5,5,…を側方から(紙面直交方向に)抜き取る。
放熱器H’の製造手順の第四パターンは、図12(d)に示すように、互いに間隔をあけたフィン4,4,…の間にそれぞれスペーサ5,5,…を挟み込み、フィン4,4,…の一端(図示上端)だけにベース板6を配置した上で、ベース板6の背面(図示上面)から接合ツール3を下向きに押し当てて摩擦振動接合する。次に、図12(e)に示すように、ベース板6及びフィン4を上に持ち上げる等してスペーサ5を取り外し、一旦放熱器Hを完成させる。その後、放熱器Hを上下反転した上で、図12(f)に示すように、フィン4,4,…の間にそれぞれスペーサ5,5,…を挟み込み、フィン4,4,…の他端(図示上端)にベース板6’を配置する。さらに、図12(g)に示すように、ベース板6’の背面(図示上面)から接合ツール3を下向きに押し当てて摩擦振動接合する。そして最後に、スペーサ5,5,…を側方から(紙面直交方向に)抜き取る。
【0056】
次に、本発明に係る放熱器の製造方法の第二実施形態について説明する。本実施形態は、上記第一実施形態と略同様であるが、放熱器製造用冶具10を使用せず、これに代えてスペーサ冶具20を使用する点において異なる。
スペーサ冶具20は、図13(a)に示すように、スペーサ5,5,…の先端部(図示下端部)が相互に連結された断面櫛形状の冶具である。そして、部材配置工程では、このスペーサ冶具20のスペーサ5,5,…を上に向けて固定した後で、図13(b)に示すように、スペーサ5,5,…の間にそれぞれフィン4,4,…を挿入し、さらに図13(c)に示すように、フィン4,4,…の上面(基端面)にベース板6の下面(一方の面)が当接するように、ベース板6を固定する。なお、図13(b),(c)の手順を逆にすること、つまりスペーサ冶具20の上面にベース板6を固定した後で、側方(紙面直交方向)からスペーサ5,5,…を挿入することも可能である。
続く摩擦振動接合工程では、図13(d)に示すように、ベース板6の上面(他方の面)から接合ツール3を押し当てつつ、ベース板6にフィン4,4,…を摩擦振動接合する。
最後のスペーサ離脱工程では、図13(e)に示すように、ベース板6及びこれに接合されたフィン4,4,…を持ち上げることにより、スペーサ冶具20を取り外す。
本実施形態のようにスペーサ冶具20を用いれば、放熱器製造用冶具10が不要となり、しかもスペーサ5,5,…の配置の手間も省けるという利点がある。
【0057】
次に、本発明に係る放熱器の製造方法の第三実施形態について説明する。本実施形態は、上記第一実施形態と略同様であるが、部材配置工程がフィン配置工程とその後のベース板配置工程とに分かれている。
そして、最初のフィン配置工程では、図14(a)に示すように、フィン4,4,…とスペーサ5,5,…とを交互に並べながら、これらを放熱器製造用冶具10の部材セット部12に立設配置する。このとき、スペーサ5,5,…の高さはスペーサ5の厚さの範囲内でフィン4,4,…の高さよりも小さくなっており、スペーサ5,5,…の基端面(図示上端面)がフィン4,4,…の基端面(図示上端面)よりもスペーサ5の厚さ以内で埋没している。換言すれば、フィン4,4,…の高さはスペーサ5の厚さの範囲内でスペーサ5,5,…の高さよりも大きくなっており、フィン4,4,…の基端面がスペーサ5,5,…の基端面よりもスペーサ5の厚さ以内で突出している。
【0058】
続くベース板配置工程では、図14(b)に示すように、部材セット部12に立設配置されたフィン4,4,…の基端面(上面)にベース板6を載せる。そして、図14(c),(d)に示すように、フィン4に向かう下向きの押圧力をベース板6に作用させることによって、フィン4,4,…の基端部(スペーサ5,5,…よりも突出している部分)4aを折り曲げ、フィン4,4,…を断面L字形に形成した状態で固定する。このとき、フィン4の基端部4aの高さはスペーサ5の厚さ以内であるので、折り曲げられたフィン4の基端部4aは相互に重複せず、ベース板6の一方の面(図示下面)に沿う面を形成する。
【0059】
次に、図15(a)に示すように、回転軸3bを中心として円周方向に高速回転する接合ツール3のツール本体3aの周面をベース板6の他方の面の表面6aに垂直に押し当てつつ、接合ツール3をベース板6の表面6aに沿って移動させることによって、ベース板6にフィン4,4,…の基端部4aを接合する。
このとき、直角に折り曲げられたフィン4の基端部4aがベース板6の一方の面に沿う面を形成しているので、第一実施形態に比べてベース板6とフィン4との接触面積が大きくなっており、両者を確実に接合することができる。つまり、本実施形態によれば、フィン4の厚さがかなり薄い場合であっても、ベース板6にフィン4,4,…が確実に立設接合された放熱器Hを製造することができる。
【0060】
最後に、図15(b)に示すように、ベース板6を上に持ち上げれば、ベース板6に接合されたフィン4,4,…だけが一緒に持ち上がり、スペーサ5,5,…は放熱器製造用冶具10の部材セット部12に取り残されるので、複数枚のフィン4,4,…がそれぞれの折り曲げられた基端部4aを介してベース板6の一方の面に立設接合された放熱器Hを製造することができる。
【0061】
次に、本発明に係る放熱器の製造方法の第四実施形態について説明する。本実施形態も、上記第一実施形態と略同様であるが、フィン4に代えて断面凹字形のフィン構成材30を用いる。
つまり、最初の部材配置工程では、まず図16(a)に示すように、全体が逆T字形になるように、一枚の薄いアルミニウム合金製の板材31の中央部にスペーサ5を直交配置し、図16(b)に示すように、断面凹字形のフィン構成材作成冶具40の中央部の溝内に、板材31を折り曲げつつその中央部を押し込みながらスペーサ5を挿入していくことによって、図16(c)に示すような、中央部の溝にスペーサ5が挟み込まれた断面凹字形のフィン構成材30を作成する。フィン構成材30は、左右一対のフィン4,4とこれらの端部を連結する基端部4aとで断面凹字形に形成されている。
【0062】
そして、このように左右一対のフィン4,4の間にスペーサ5が挟み込まれたフィン構成材30を複数個用意し、これらのフィン構成材30,30,…とスペーサ5’,5’,…とを交互に並べながら、図16(d)に示すように、これらを放熱器製造用冶具10の部材セット部12に立設配置する。このときフィン構成材30は、左右一対のフィン4,4の間にスペーサ5を挟み込んだ状態で、かつ、基端部4aを上に向けた状態とする。また、フィン構成材30,30,…相互間に挟み込まれるように配置されたスペーサ5’,5’,…の高さを、フィン構成材30の左右一対のフィン4,4の間に挟み込まれたスペーサ5の高さよりも、フィン構成材30の基端部4aの厚さ分だけ大きくすることによって、フィン構成材30の基端部4aとスペーサ5’の基端部とで水平な上面を形成することが望ましい。
【0063】
その後、図16(e)に示すように、部材セット部12に立設配置されたフィン構成材30,30,…及びスペーサ5’,5’,…の上面にベース板6を載せて固定する。これで、ベース板6の一方の面(図示下面)にフィン構成材30の基端部4a及びスペーサ5’の基端面が当接した状態となって、部材配置工程が完了する。
なお、図16(a)〜(e)に示した部材配置工程は、必ずしもこのとおりでなくても、フィン構成材30,30,…とスペーサ5,5,…とスペーサ5’,5’,…とが最終的に図16(e)のように所定の位置に配置されるのであれば、手順を問わない。したがって、たとえば、予め断面凹字形に形成したフィン構成材30,30,…を互いに間隔をあけて並べておき、各フィン構成材30の左右一対のフィン4,4の間にそれぞれスペーサ5,5,…を挿入するとともに、フィン構成材30,30,…相互間にスペーサ5’,5’,…を挿入し、最後にベース板6を配置するようにしてもよいし、あるいは、予め断面凹字形に形成したフィン構成材30,30,…を互いに間隔をあけて並べておき、次にベース板6を配置し、最後に、各フィン構成材30の左右一対のフィン4,4の間にそれぞれスペーサ5,5,…を挿入するとともに、フィン構成材30,30,…相互間にスペーサ5’,5’,…を挿入するようにしてもよい。
【0064】
続く摩擦振動接合工程では、図17(a)に示すように、回転軸3bを中心として円周方向に高速回転する接合ツール3のツール本体3aの周面をベース板6の他方の面の表面6aに垂直に押し当てつつ、接合ツール3をベース板6の表面6aに沿って移動させることによって、ベース板6にフィン構成材30,30,…の基端部4aを接合する。
このとき、フィン構成材30の基端部4aがベース板6の一方の面に沿う面を形成しているので、第一実施形態に比べてベース板6とフィン4との接触面積が大きくなっており、両者を確実に接合することができる。つまり、本実施形態によれば、フィン4の厚さがかなり薄い場合であっても、ベース板6にフィン4,4,…が確実に立設接合された放熱器Hを製造することができる。
【0065】
最後に、図17(b)に示すように、ベース板6を上に持ち上げれば、ベース板6に接合されたフィン構成材30,30,…だけが一緒に持ち上がり、スペーサ5’,5’,…及びスペーサ5,5,…は放熱器製造用冶具10の部材セット部12に取り残されるので、複数枚のフィン4,4,…がフィン構成材30の基端部4aを介してベース板6の一方の面に立設接合された放熱器Hを製造することができる。
【0066】
これまで、放熱器の製造方法、該方法によって製造された放熱器、該方法に用いられる放熱器製造用冶具の実施形態を説明してきたが、本発明はこれらに限定されるものではなく、発明の趣旨に応じた適宜の変更が可能であることは言うまでもない。
たとえば放熱器に関していえば、図18(a)に示すように、長さ方向中央部の高さが小さくなった複数枚のフィン4’,4’,…を、そうでない複数枚のフィン4,4,…と一緒に互いに間隔をあけてベース板6に立設接合させた放熱器H1としてもよいし、図18(b)に示すように、高さが長さ方向に凸凹をもって形成された複数枚の櫛形状のフィン4”,4”,…を互いに間隔をあけてベース板6に立設接合した放熱器H2としてもよい。なお、特にこの放熱器H2は、図7に示した放熱器Hに比べてフィンの表面積が格段に大きくなっているので、より放熱性能の高いものとなる。
また、放熱器のフィンは平板状に限定されるものではなく、たとえば図19(a)に示すように、径の異なる複数個の薄肉円筒形状のフィン4A,4A,…を互いに間隔をあけて同心円状に並べ、円板状のベース板6Aの一方の面に立設接合した放熱器H3としてもよいし、図19(b)に示すように、複数枚の平面視波形のフィン4B,4B,…を互いに間隔をあけて並べ、これらをベース板6の一方の面に立設接合した放熱器H4としてもよい。
さらにまた、放熱器のベース板も平板状に限定されるわけではなく、図19(c)に示すように、縦断面円弧状の半割円筒からなるベース板6Bの外周面に、互いに間隔をあけてフィン4,4,…を立設接合した放熱器H5としてもよい。もちろん、これらの放熱器H1〜H5はいずれも、これまでに説明した放熱器の製造方法によって製造されるものである。
【0067】
なお、以上に説明してきた放熱器の製造方法は、金属部材の摩擦振動接合を応用したものであるが、接合対象物を金属部材に限定しない部材接合方法とすることも可能である。つまり、たとえば放熱器のフィン4又はベース板6のうちの一方又は双方について、一部又は全部を金属製以外のセラミック製部材等とすれば、本発明は、互いに間隔をあけた複数枚の板材をベース板の一方の面に立設させて接合する部材接合方法となる。
【0068】
【実施例】
図14、図15に示した放熱器の製造方法を実際に使用して、フィン4とベース板6との接合部の組織を観察した。
ここで、フィン4として板厚1mm(=1.0×10-3m)、高さ26mm(=2.6×10-2m)、長さ60mm(=6.0×10-2m)のA1050アルミニウム合金を、スペーサ5として板厚1mm(=1.0×10-3m)、高さ25mm(=2.5×10-2m)、長さ57mm(=5.7×10-2m)の軟鋼を、ベース板6として板厚2mm(=2.0×10-3m)、幅57mm(=5.7×10-2m)、長さ60mm(=6.0×10-2m)の無酸素銅を、それぞれ使用した。このときのトング比は26である。また、摩擦振動接合時の接合ツール3のツール本体3aの直径を80mm(=8.0×10-2m)、幅を5mm(=5.0×10-3m)、回転数を3000rpm、送り速度Vを4000mm/min(=4.0m/min)、ベース板6の表面6aへの押込量αを0.3mm(=3.0×10-4m)に設定した。摩擦振動接合後にスペーサ5を取り外し、フィン4とベース板6との接合部の組織を観察した。図20(a)に示すように、ベース板6に若干の変形はあるものの、フィン4には折れや曲がり等の変形は見られなかった。フィン4とベース板6とはCuAl2からなる反応層7を介して接合されているが、図20(a)を更に拡大した図20(b)に示すように、反応層7の大部分は摩擦振動接合時の接合ツールの押圧力によってフィン4の外側に掃出されており、フィン4の基端部領域の反応層7の厚さは30μm(=3.0×10-5m)以下で、亀裂や隙間等も見られなかった。なお、反応層7はベース板6からフィン4への熱伝導の妨げになるので、反応層7が極薄であることによって、放熱性能の高い放熱器となっている。
【0069】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る部材接合方法によれば、部材の材質を問わず、ベース板の一方の面に、互いに間隔をあけた複数枚の板材を容易に立設接合することができ、特に厚さが薄く高さが大きい板材を、ベース板に短ピッチで強固に立設接合することができる。
【0070】
また、本発明に係る放熱部材の製造方法によれば、互いに間隔をあけた複数枚のフィンをベース板の一方の面に対して立設接合した放熱器を、低コストで容易に製造することができ、特にハイトング比で放熱性能の高い放熱器を低コストで容易に製造することができる。このとき本発明に係る放熱部材製造用冶具を用いれば、摩擦振動接合時にフィン又はフィン構成材、スペーサ、ベース板を確実に拘束することができる。
【0071】
さらに、本発明に係る放熱部材は、放熱性能が高く、製造コストが安い。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b)は摩擦振動接合の各手順を表す正面断面図であり、(c)は(b)の側面図である。
【図2】図1におけるアルミニウム部材と銅部材との重ね合わせ面の塑性変形の様子を時系列的に表す断面図である。
【図3】金属部材の摩擦振動接合の別の例を表す正面断面図である。
【図4】本発明に係る放熱器の製造方法の第一実施形態を説明するための図であって、(a),(b)は部材配置工程を表す正面断面図である。
【図5】図4に続く工程を説明するための図であって、(a)は摩擦振動接合工程を表す正面断面図、(b)はスペーサ離脱工程を表す正面断面図である。
【図6】本発明に係る放熱器製造用冶具の一実施形態を表す分解斜視図である。
【図7】本発明に係る放熱器の一実施形態を表す斜視図である。
【図8】図5(a)に示した摩擦振動接合工程における接合ツールの移動軌跡の各例を表す斜視図である。
【図9】図5(a)に示した摩擦振動接合工程の他の例を表す正面断面図である。
【図10】本発明に係る放熱器の他の実施形態を表す正面断面図である。
【図11】図10に示した放熱器を製造する手順を説明するための正面断面図であって、(a)が第一のパターン、(b),(c)が第二のパターンを表す。
【図12】図10に示した放熱器を製造する手順を説明するための正面断面図であって、(a)〜(c)が第三のパターン、(d)〜(g)が第四のパターンを表す。
【図13】本発明に係る放熱器の製造方法の第二実施形態を説明するための図であって、(a)〜(c)は部材配置工程を表す正面断面図、(d)は摩擦振動接合工程を表す正面断面図、(e)はスペーサ離脱工程を表す正面断面図である。
【図14】本発明に係る放熱器の製造方法の第三実施形態を説明するための図であって、(a)はフィン配置工程を表す正面断面図、(b),(c)はベース板配置工程を表す正面断面図、(d)は(d)の部分拡大図である。
【図15】図14に続く工程を説明するための図であって、(a)は摩擦振動接合工程を表す正面断面図、(b)はスペーサ離脱工程を表す正面断面図である。
【図16】本発明に係る放熱器の製造方法の第四実施形態を説明するための図であって、(a)〜(e)は部材配置工程を表す正面断面図である。
【図17】図16に続く工程を説明するための図であって、(a)は摩擦振動接合工程を表す正面断面図、(b)はスペーサ離脱工程を表す正面断面図である。
【図18】本発明に係る放熱器の他の実施形態を表す斜視図である。
【図19】本発明に係る放熱器の他の実施形態を表す斜視図である。
【図20】(a)は実際に製造された放熱器のフィンとベース板との接合部を表す部分拡大断面図であり、(b)は(a)の部分拡大図である。
【符号の説明】
1 … アルミニウム部材
2 … 銅部材
2a … 表面
2b … 段部
3 … 接合ツール
3a … ツール本体
3b … 回転軸
4 … フィン
4a … 基端部
5 … スペーサ
6 … ベース板
6a … 表面
7 … 反応層
10 … 放熱器製造用冶具
11 … 冶具本体
11a … ボルト孔
12 … 部材セット部
13 … 押圧板
14 … 締付ボルト
15 … ベース固定板
15a … 切欠
15b … ボルト孔
16 … 締付ボルト
20 … スペーサ冶具
30 … フィン構成材
31 … 板材
40 … フィン構成材作成冶具
H … 放熱器

Claims (13)

  1. 互いに間隔をあけた複数枚の板材をベース板の一方の面に立設させて接合する方法であって、
    互いに間隔をあけて並べられた複数枚の板材と、これらの板材の間にそれぞれ挟み込まれたスペーサと、一方の面に前記各板材が立設されたベース板と、を配置する部材配置工程と、
    円周方向に回転する円板状の接合ツールの周面を、前記ベース板の他方の面に押し当てつつその表面に沿って移動させることにより、前記ベース板に前記各板材を接合する摩擦振動接合工程と、
    前記各スペーサを取り外すスペーサ離脱工程と、
    を含むことを特徴とする部材接合方法。
  2. 前記スペーサが、前記板材及びベース板よりも溶融点の高い材料からなる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の部材接合方法。
  3. 前記ベース板が、前記板材よりも溶融点の高い材料からなる、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の部材接合方法。
  4. 互いに間隔をあけた複数枚の金属製のフィンを金属製のベース板の一方の面に立設してなる放熱器を製造する方法であって、
    互いに間隔をあけて並べられた複数枚のフィンと、これらのフィンの間にそれぞれ挟み込まれたスペーサと、一方の面に前記各フィンが立設されたベース板と、を前記各スペーサの基端面を前記ベース板の一方の面に当接させた状態で配置する部材配置工程と、
    円周方向に回転する円板状の接合ツールの周面を、前記ベース板の他方の面に押し当てつつその表面に沿って移動させることにより、前記ベース板に前記各フィンを接合する摩擦振動接合工程と、
    前記各スペーサを取り外すスペーサ離脱工程と、
    を含むことを特徴とする放熱器の製造方法。
  5. 互いに間隔をあけた複数枚の金属製のフィンを金属製のベース板の一方の面に立設してなる放熱器を製造する方法であって、
    互いに間隔をあけて並べられた複数枚のフィンと、基端面がそれ自体の厚さ以内で前記各フィンの基端面よりも埋没するように該各フィンの間にそれぞれ挟み込まれたスペーサと、を配置するフィン配置工程と、
    ベース板を、その一方の面に前記各フィンが立設するように、前記各スペーサの基端面よりも突出する前記各フィンの基端部を折り曲げつつ配置するベース板配置工程と、
    円周方向に回転する円板状の接合ツールの周面を、前記ベース板の他方の面に押し当てつつその表面に沿って移動させることにより、前記ベース板に前記各フィンの基端部を接合する摩擦振動接合工程と、
    前記各スペーサを取り外すスペーサ離脱工程と、
    を含むことを特徴とする放熱器の製造方法。
  6. 前記スペーサが、前記フィン及びベース板よりも溶融点の高い材料からなる、
    ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の放熱器の製造方法。
  7. 前記ベース板が、前記フィンよりも溶融点の高い材料からなる、
    ことを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか一項に記載の放熱器の製造方法。
  8. 前記フィンがアルミニウム合金からなり、前記ベース板が銅からなる、
    ことを特徴とする請求項7に記載の放熱器の製造方法。
  9. 互いに間隔をあけた複数個の金属製のフィン構成材を金属製のベース板の一方の面に立設してなる放熱器を製造する方法であって、
    互いに間隔をあけて並べられ、それぞれが左右一対のフィンとこれらの端部を連結する基端部とで断面凹字形に形成された複数個のフィン構成材と、前記各フィン構成材相互間に挟み込まれたスペーサと、前記各フィン構成材の左右のフィンの間に挟み込まれたスペーサと、一方の面に前記各フィン構成材の基端部が当接するように該フィン構成材が立設されたベース板と、を配置する部材配置工程と、
    円周方向に回転する円板状の接合ツールの周面を、前記ベース板の他方の面に押し当てつつその表面に沿って移動させることにより、前記ベース板に前記各フィン構成材の基端部を接合する摩擦振動接合工程と、
    前記各スペーサを取り外すスペーサ離脱工程と、
    を含むことを特徴とする放熱器の製造方法。
  10. 前記スペーサが、前記フィン構成材及びベース板よりも溶融点の高い材料からなる、
    ことを特徴とする請求項9に記載の放熱器の製造方法。
  11. 前記ベース板が、前記フィン構成材よりも溶融点の高い材料からなる、
    ことを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の放熱器の製造方法。
  12. 前記フィン構成材がアルミニウム合金からなり、前記ベース板が銅からなる、ことを特徴とする請求項11に記載の放熱器の製造方法。
  13. フィン又はフィン構成材とスペーサとを交互に重ね合わせた状態でこれらを拘束するフィン拘束部と、
    ベース板の一方の面を前記フィン又はフィン構成材の基端部に当接させて拘束するベース板拘束部と、
    を備えることを特徴とする放熱器製造用冶具。
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