JP4134732B2 - ゴム組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、変性基含有ゴム(a)、非変性ゴム(b)及び新規な高シスー高ビニルポリブタジエンからなるゴム組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリブタジエンは、いわゆるミクロ構造として、1,4−位での重合で生成した結合部分(1,4−構造)と1,2−位での重合で生成した結合部分(1,2−構造)とが分子鎖中に共存する。1,4−構造は、更にシス構造とトランス構造の二種に分けられる。一方、1,2−構造は、ビニル基を側鎖とする構造をとる。
【0003】
重合触媒によって、上記のミクロ構造が異なったポリブタジエンが製造されることが知られており、それらの特性によって種々の用途に使用されている。
【0004】
特開平9−291108号公報(特許文献1)などで開示されているように、バナジウム金属化合物のメタロセン型錯体及び非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物及び/又はアルミノキサンからなる重合触媒により、ハイシス構造に適度に1,2−構造を含みトランス構造が少ないミクロ構造を有し且つ分子のリニアリティ(線状性)の高いポリブタジエンが製造されることが、本出願人により見出されている。このポリブタジエンは優れた特性を有することから、耐衝撃性ポリスチレン樹脂やタイヤなどへの応用が検討されている。
【0005】
特開平11−49924号公報(特許文献2)には、特定の高シス−高ビニルポリブタジエンからなる組成物のタイヤへの応用が記載され、トレッド用途に有用で、高反発弾性率とスキッド抵抗性を併せ持つことが記載されている。
【0006】
また、本出願人によって、メタロセン触媒により製造された高シス−高ビニルポリブタジエン20〜80重量%、他のジエン系ゴム、及び無機充填剤、カーボンブラック、シリカ、補強材などからなるタイヤの各種部材への応用が開示されている。(例えば、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8など参照)
【0007】
一方、ポリブタジエンなどのジエン系ゴムを各種変性剤で変性した変性ゴムからなるゴム組成物とそのタイヤへの応用も開示されている。例えば、特開2002−114872号公報(特許文献9)には、ジエン系ゴムをアミン化合物と反応させて得られる主鎖変性ジエン系重合体が開示されている。特開2001−40001号公報(特許文献10)には、オルガノアルコキシシランあるいはオルガノアロキシシランを用いて変性した変性ポリブタジエンが開示されている。
【0008】
特開2001−247720号公報(特許文献11)には、アミノ基を2個有する脂肪族化合物を反応させて得られた変性ブタジエンゴムが開示されている。特開2001−302703号公報(特許文献12)には、ポリブタジエンを少なくともエポキシ基とアルコキシ基とを有する有機珪素化合物により変性することが開示されている。特開2000−1573号公報(特許文献13)には、スチレン−ブタジエン共重合体および/またはスチレン−イソプレンーブタジエン共重合体を、チッ素原子含有基を有し、かつクロロスルフェニル基またはクロロスルフォニル基を有する化合物と反応させて得られる変性ジエン系ゴムが開示されている。特開2000−178314号公報(特許文献14)には、ポリブタジエンをジアミン化合物により変性することを特徴とする変性ポリブタジエンが開示されている。
【0009】
近年、タイヤへの各種特性への要求は、一層高まっており、ゴム組成物の改良がさらに求められている。
【0010】
【特許文献1】
特開平9−291108号公報
【特許文献2】
特開平11−49924号公報
【特許文献3】
特開2002−265677号公報
【特許文献4】
特開2002−265678号公報
【特許文献5】
特開2002−265680号公報
【特許文献6】
特開2002−265685号公報
【特許文献7】
特開2002−338740号公報
【特許文献8】
特開2002−338742号公報
【特許文献9】
特開2002−114872号公報
【特許文献10】
特開2001−40001号公報
【特許文献11】
特開2001−302703号公報
【特許文献12】
特開2001−302703号公報
【特許文献13】
特開2000−1573号公報
【特許文献14】
特開2000−178314号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
高シス−高ビニルポリブタジエンが有する特異なミクロ構造組成によるゴム成分と変性基含有ゴムと非変性ゴムからなる組成物であって、高シス−高ビニルポリブタジエンゴムによる変性基含有ゴムと非変性ゴム間のマクロな界面相溶性を改良し、ゴム間の界面相溶性の改良によるロール加工性、耐摩耗性、発熱性、引張・引裂き・破壊等の力学的特性の向上を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、アミノ基、アルコキシ基などを有する有機ケイ素化合物、ジアミン化合物などのアミノ基を有する脂肪族化合物、チッ素原子含有基を有しかつクロロスルフェニル基またはクロロスルフォニル基を有する化合物あるいは2,3−ジクロロ−1,4−ナフトキノンあるいはテトラメチルチウラムスルフィドによる変性剤で変性されたゴム(a)、未変性ゴム(b)及びメタロセン触媒により製造される高シス−高ビニルポリブタジエンゴム(c)からなり、該未変性ゴム(b)がポリブタジエン及び/または天然ゴムであり、該(c)が1,2−構造ユニット含有率4〜 30モル%、シス−1,4−構造ユニット含有率65〜95モル%、及びトランス−1,4−構造ユニット含有率5モル%以下のポリブタジエンであることを特徴とするゴム組成物に関する。
【0013】
また、本発明は、該変性剤で変性されたゴム(a)がポリブタジエンであることを特徴とする前記のゴム組成物に関する。
【0014】
該(a)に用いられるアミノ基、アルコキシ基などを有する有機ケイ素化合物、ジアミン化合物などのアミノ基を有する脂肪族化合物、チッ素原子含有基を有しかつクロロスルフェニル基またはクロロスルフォニル基を有する変性剤としては、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシランであることを特徴とする前記のゴム組成物に関する。
【0016】
また、本発明は、該変性基含有ゴム(a)10〜90重量%及び該未変性ゴム(b)90〜10重量%からなるゴム混合物100重量部と、該メタロセン触媒により製造される高シス−高ビニルポリブタジエンゴム(c)0.1〜10重量部とからなることが好ましい。
【0017】
また、本発明は、上記のゴム組成物からなることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物に関する。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の(a)変性基含有ゴムは、各種原料ゴムを変性基を導入して変性したものである。原料ゴムとしては、天然ゴム、高シス−ポリブタジエン、低シス−ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイソプレン、イソプレン−イソブチレン共重合体等イソプレンゴム、ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等を挙げることができる。これらの中でも、高シス−ポリブタジエンなどが好ましい。
【0019】
高シス−ポリブタジエンは、重合触媒として遷移金属化合物触媒系を用いた重合で製造できる。遷移金属化合物触媒系として、例えば、コバルト系触媒組成物、ニッケル系触媒組成物などのチグラー・ナッタ触媒、メタロセン系触媒、希土類元素触媒などが挙げられる。
【0020】
コバルト系触媒組成物としては、コバルト化合物、ハロゲン含有有機アルミニウム化合物、及び水からなる触媒系、ニッケル系触媒組成物としては、ニッケル化合物、有機アルミニウム化合物、及びフッ素化合物からなるニッケル系触媒組成物、メタロセン系触媒としては、周期律表第5族遷移金属化合物のメタロセン型錯体、非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物、有機アルミニウム化合物、及び水からなる触媒系が挙げられる。また、希土類元素触媒としては、ネオジム化合物などの希土類金属化合物と有機アルミニウム化合物などの第I〜III族の有機金属化合物からなる複合触媒系が挙げられる。中でも、コバルト系触媒組成物が好ましい。
【0021】
本発明の変性基含有ゴムにおける変性基を導入する変性剤としては、例えば、オルガノアルコキシシラン、中でもアミノ基、アルコキシ基などを有する有機ケイ素化合物、ジアミン化合物などのアミノ基などを有する脂肪族化合物、チッ素原子含有基を有しかつクロロスルフェニル基またはクロロスルフォニル基を有する化合物、
【0022】
オルガノアルコキシシランもしくはオルガノアロキシシランの具体的な化合物の例としては、エチルトリメトキシシラン、トリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラフェノキシシランなどを挙げることができる。
【0023】
アルコキシ基などを含有する有機ケイ素としては、とくに制限はなく、ジエン系ゴム中の二重結合に付加反応の可能なものであればよい。たとえば、分子中にアミノ基とアルコキシ基をもつもの、一般にシランカップリング剤として用いられているもの、またはシラン(アルコキシシラン)があげられる。
【0024】
具体的には、分子中にアミノ基とアルコキシ基を含有する有機ケイ素化合物としては、3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルエチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルブトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジブトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)ジメトキシメチルシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)ジメトキシエチルシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリエトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリブトキシシランなどがあげられる。これらの化合物の中では、とくに変性効果の点から、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシランが好適に使用される。
【0025】
アミノ基を有する脂肪族炭化水素としては、たとえば、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,2−ジアミノメタン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ジアミノブタン、2,7−ジアミノヘプタン、1,6−ジアミノヘキサンなどがあげられる。
【0026】
クロロスルフェニル基を含有する化合物としては、たとえば2,4−ジニトロベンゼンスルフェニルクロライド、などがあげられる。
【0027】
また、クロロスルフォニル基を含有する化合物としては、たとえば4−ニトロベンゼンスルフォニルクロライドなどがあげられる。
【0028】
また、不飽和カルボン酸あるいはその誘導体、例えば、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタクリル酸及びそれらの誘導体を用いてもよい。具体的には、無水マレイン酸、無水フタル酸のような酸無水物、メチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートのようなアルキルエステル、メトキシアクリレート、エトキシエチルアクリレート、メトキシエトキシエチルアクリレートのようなアルコキシアルキルエステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、等が挙げられる。
【0029】
カルボン酸エステルまたは炭酸エステルを用いてもよい。例えば、カルボン酸とアルコールまたはフェノールとのエステル化合物、炭酸とアルコールまたはフェノールとのエステル化合物などが挙げられる。その具体例としては、酢酸エチル、ステアリン酸ブチル、アジピン酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、安息香酸メチル、アクリル酸エチル、メタアクリル酸メチル、フタール酸ジエチル、イソフタール酸ジエチル、テレフタール酸ジエチル、あるいは、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロピル、炭酸ジヘキシル、炭酸ジシクロヘキシル、炭酸ジフェニル等の炭酸エステルを挙げることができる。
【0030】
また、2,3−ジクロロ−1,4−ナフトキノンなどの化合物を用いてもよい。
【0031】
また、テトラメチルチウラムスルフィドなどの化合物を用いてもよい。
【0032】
ゴムをエポキシ変性したものや、或いはマレイン化したものを用いてもよい。
【0033】
変性方法としては、当該ジエン系ゴム製造後直ちに変性反応を行なってもよいし、変性剤とジエン系ゴムを有機溶媒中で接触・変性反応させることによって行なってもよい。その他の方法としては押し出し混練り機などにより直接混練り変性することも可能である。変性は、主鎖変性であっても、末端変性であってもよい。
【0034】
本発明の未変性ゴム(b)としては、天然ゴム、高シス−ポリブタジエン、低シス−ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイソプレン、イソプレン−イソブチレン共重合体等イソプレンゴム、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等を挙げることができる。これらの中でも、天然ゴムなどが好ましい。
【0035】
本発明のメタロセン触媒により製造される高シス−高ビニルポリブタジエンゴム(HCHV)(c)としては、ミクロ構造中のシス−1,4−構造ユニット含有率が65〜95モル%、好ましくは70〜90モル%、及び1,2−構造ユニット含有率が4〜30モル%であり、好ましくは5〜25モル%、より好ましくは7〜15モル%である。また、トランス−1,4−構造ユニット含有率が5モル%以下が好ましく、0.5〜4.0モル%が特に好ましい。
【0036】
また、HCHVの25℃における5%トルエン溶液粘度(T−cp)とムーニー粘度(ML1+4)の関係式が下式(I)を満足する範囲にあることが好ましい。
1≦T−cp/ML1+4≦6...(I)
特に好ましくは、2≦T−cp/ML1+4≦6を満足する。
【0037】
また、HCHVのトルエン溶液粘度(Tcp)は、20〜500が好ましく、30〜300が特に好ましい。
【0038】
本発明のHCHVのム−ニ−粘度(ML1+4)は、10〜200が好ましく、25〜100が特に好ましい。
【0039】
HCHVの分子量は、トルエン中30℃で測定した固有粘度[η]として、0.1〜10が好ましく、0.1〜3が特に好ましい。
【0040】
また、HCHVの分子量は、ポリスチレン換算の分子量として下記の範囲のものが好ましい。
数平均分子量(Mn):0.2×105〜10×105、より好ましくは0.5×105〜5×105
重量平均分子量(Mw):0.5×105〜20×105、より好ましくは1×105〜10×105
【0041】
また、本発明のHCHVの分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは1.5〜3.5、より好ましくは1.6〜3である。
【0042】
上記のHCHVは、例えば、
(A)遷移金属化合物のメタロセン型錯体、及び(B)非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物及び/又はアルミノキサンから得られる触媒を用いて、ブタジエンを重合させて製造できる。
【0043】
あるいは、(A)遷移金属化合物のメタロセン型錯体、
(B)非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物、
(C)周期律表第1〜3族元素の有機金属化合物、及び、
(D)水
から得られる触媒を用いたブタジエンを重合させて製造できる。
【0044】
(A)成分の遷移金属化合物のメタロセン型錯体としては、周期律表第4〜8族遷移金属化合物のメタロセン型錯体が挙げられる。
【0045】
例えば、チタン、ジルコニウムなどの周期律表第4族遷移金属のメタロセン型錯体(例えば、CpTiCl3など)、バナジウム、ニオブ、タンタルなどの周期律表第5族遷移金属のメタロセン型錯体、クロムなどの第6族遷移金属メタロセン型錯体、コバルト、ニッケルなどの第8族遷移金属のメタロセン型錯体が挙げられる。
【0046】
中でも、周期律表第5族遷移金属のメタロセン型錯体が好適に用いられる。
【0047】
上記の周期律表第5族遷移金属化合物のメタロセン型錯体としては、
(1) RM・La、すなわち、シクロアルカジエニル基の配位子を有する酸化数+1の周期律表第5族遷移金属化合物
(2) Rn MX2-n ・La、すなわち、少なくとも1個のシクロアルカジエニル基の配位子を有する酸化数+2の周期律表第5族遷移金属化合物
(3) Rn MX3-n ・La
(4) RMX3 ・La
(5) RM(O)X2 ・La
(6) Rn MX3-n (NR' )
などの一般式で表される化合物が挙げられる(式中、nは1又は2、aは0,1又は2である)。
【0048】
中でも、RM・La、Rn MX2-n ・La、R2 M・La、RMX3 ・La 、RM(O)X2 ・La などが好ましく挙げられる。
【0049】
Mは、周期律表第5族遷移金属化合物が好ましい。
【0050】
(A)周期律表第5族遷移金属化合物のメタロセン型錯体としては、中でも、Mがバナジウムであるバナジウム化合物が好ましい。例えば、RV・La、RVX・La、R2 M・La、RMX2 ・La 、RMX3 ・La 、RM(O)X2 ・La などが好ましく挙げられる。特に、RV・La、RMX3 ・Laが好ましい。
【0051】
RMX3 ・Laで示される具体的な化合物としては、以下のものが挙げられる
シクロペンタジエニルバナジウムトリクロライドが挙げられる。
【0052】
RM(O)X2 で表される具体的な化合物としては、シクロペンタジエニルオキソバナジウムジクロライド、メチルシクロペンタジエニルオキソバナジウムジクロライド、ベンジルシクロペンタジエニルオキソバナジウムジクロライド、(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)オキソバナジウムジクロライドなどが挙げられる。
【0053】
(B)成分として、非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物を構成する非配位性アニオンとしては、例えば、テトラ(フェニル)ボレ−ト、テトラ(フルオロフェニル)ボレ−トなどが挙げられる。
【0054】
一方、カチオンとしては、トリフェニルカルボニウムカチオンなどの三置換カルボニウムカチオンを挙げることができる。
【0055】
また、(B)成分として、アルモキサンを用いてもよい。アルモキサンとしては、有機アルミニウム化合物と縮合剤とを接触させることによって得られるものであって、一般式(−Al(R')O−) n で示される鎖状アルミノキサン、あるいは環状アルミノキサンが挙げられる。(R' は炭素数1〜10の炭化水素基であり、一部ハロゲン原子及び/ 又はアルコキシ基で置換されたものも含む。nは重合度であり、5以上、好ましくは10以上である)。R' として、はメチル、エチル、プロピル、イソブチル基が挙げられるが、メチル基が好ましい。
【0056】
(A)成分及び(B)成分に、さらに(C)成分として周期律表第1〜3族元素の有機金属化合物を組合せて共役ジエンの重合を行ってもよい。(C)成分の添加により重合活性が増大する効果がある。周期律表第1〜3族元素の有機金属化合物としては、有機アルミニウム化合物、有機リチウム化合物、有機マグネシウム化合物、有機亜鉛化合物、有機ホウ素化合物などが挙げられる。
【0057】
上記の触媒各成分の組合せとして、(A)成分としてシクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド(CpVCl3)などのRMX3、あるいは、シクロペンタジエニルオキソバナジウムジクロライド(CpV(O)Cl2)などのRM(O)X2、(B)成分としてトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ−ト、(C)成分としてトリエチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウムの組合せが好ましく用いられる。
【0058】
また、(B)成分としてイオン性化合物を用いる場合は、(C)成分として上記のアルモキサンを組み合わせて使用してもよい。
触媒成分の添加順序は、特に、制限はない。
【0059】
また、本発明においては、触媒系として 更に、(D)成分として水を添加することが好ましい。(C)成分の有機アルミニウム化合物と(D)成分の水とのモル比(C)/(D)は、好ましくは0.66〜5であり、より好ましくは0.7〜1.5である。
【0060】
また重合時に、必要に応じて水素を共存させることができる。
【0061】
ここで重合すべきブタジエンモノマ−とは、全量であっても一部であってもよい。モノマ−の一部の場合は、上記の接触混合物を残部のモノマ−あるいは残部のモノマ−溶液と混合することができる。
【0062】
重合方法は、特に制限はなく、溶液重合、又は、1,3−ブタジエンそのものを重合溶媒として用いる塊状重合などを適用できる。トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族系炭化水素、n−ヘキサン、ブタン、ヘプタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、1−ブテン、2−ブテン等のオレフィン系炭化水素、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、ケロシン等の炭化水素系溶媒や、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられる。
【0063】
また、低分子量HCHV成分と高分子量HCHV成分との混合物を用いてもよい。
【0064】
本発明においての分子量を調節する方法としては、上記の触媒を用いて、水素などの連鎖移動剤の存在下に共役ジエン化合物を重合させることが挙げられる。
【0065】
ゴム補強剤として、各種のカーボンブラック以外に、ホワイトカーボン、活性化炭酸カルシウム、超微粒子珪酸マグネシウム等の無機補強剤やシンジオタクチック1.2ポリブタジエン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ハイスチレン樹脂、フェノール樹脂、リグニン、変性メラミン樹脂、クマロンインデン樹脂及び石油樹脂等の有機補強剤を添加してもよい。特に好ましくは、粒子径が90nm以下、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が70ml/100g以上のカーボンブラックで、例えば、FEF,FF,GPF,SAF,ISAF,SRF,HAF等が挙げられる。
【0066】
本発明において、変性基含有ゴム(a)、未変性ゴム(b)及びHCHV(c)からなるゴム組成物の割合は、変性基含有ゴム(a)10〜90重量%及び該未変性ゴム(b)90〜10重量%からなるゴム混合物100重量部と、該メタロセン触媒により製造される高シス−高ビニルポリブタジエンゴム(c)0.1〜10重量部からなることが好ましい。
【0067】
本発明のゴム組成物は、前記各成分を通常行われているバンバリー、オープンロール、ニーダー、二軸混練り機などを用いて混練りすることで得られる。
【0068】
本発明のゴム組成物には、必要に応じて、加硫剤、加硫助剤、老化防止剤、充填剤、プロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸など、通常ゴム業界で用いられる配合剤を混練してもよい。
【0069】
加硫剤としては、公知の加硫剤、例えば硫黄、有機過酸化物、樹脂加硫剤、酸化マグネシウムなどの金属酸化物などが用いられる。
【0070】
加硫助剤としては、公知の加硫助剤、例えばアルデヒド類、アンモニア類、アミン類、グアニジン類、チオウレア類、チアゾール類、チウラム類、ジチオカーバメイト類、キサンテート類などが用いられる。
【0071】
充填剤としては、炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、クレー、リサージュ、珪藻土等の無機充填剤、再生ゴム、粉末ゴム等の有機充填剤が挙げられる
。
【0072】
老化防止剤としては、アミン・ケトン系、イミダゾール系、アミン系、フェノール系、硫黄系及び燐系などが挙げられる。
【0073】
プロセスオイルは、アロマティック系、ナフテン系、パラフィン系のいずれを用いてもよい。
【0074】
本発明のゴム組成物は、耐摩耗性の向上、発熱性の低下などの諸物性が向上し、より高度にバランスの取れたタイヤのトレッド・サイドウォールなどの用途に好適なゴム組成物として用いられる。
【0075】
【実施例】
(参考例1)(高シス−高ビニルポリブタジエンの製造)
窒素置換した攪拌機付5Lのオートクレーブに30wt%の1.3−ブタジエンを含有するトルエン溶液(1.3−ブタジエン:814g)3.5Lを仕込んで攪拌する。次いで、水素ガスを導入して0.092kgG/cm2圧力だけ高くした。30℃で3分かけてトリエチルアルミニウム2.25mmolを、次いでトリチルテトラ(パーフルオロフェニル)ボレート0.039mmol、シクロペンタジエニルバナジウムトリクロライド0.026mmolを連続して添加し、重合温度40℃で30分間重合を行った。
重合後、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを含有するエタノールとへプタンの当量混合液を注入して反応を停止させた後、溶媒を蒸発させ乾燥した。得られたポリマーの収率は32%であり、ミクロ構造・ムーニー粘度・5%トルエン溶液粘度を表1.に示した。
【0076】
高シス−ポリブタジエンとしては、Co系触媒で重合した宇部興産製UBEPOLを用いた。また、Nd系触媒で重合したものも用いた。
【0077】
(参考例2)変性基含有ゴム(a)の製造
窒素置換した1.5Lオートクレーブを用い、窒素下、シクロヘキサン670g、1,3-ブタジエン260gを仕込んだ。次に蒸留水(2.3mmol)、ジエチルアルミニウムクロライド(2.9mmol)のn―ヘキサン溶液、シクロオクタジエン(4.24mmol)を添加、昇温した。内温がおよそ58℃に到達してから、触媒であるオクテン酸コバルト(0.0087mmol)のベンゼン溶液を仕込み、60℃で30分間重合を行なった。1,3-ブタジエンの反応転化率は、およそ40%であった。
次に、この重合溶液の温度を60℃に保ち、3-(2-アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン(1.78mmol)を添加し、120分間反応させた。反応終了後、未反応ガスを系外に排出し、2,4-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール0.5gを含むメタノール溶液を添加し、重合停止後、100℃で90分間真空乾燥させることによって、重合体を得た。
【0078】
(参考例3)変性基含有ゴム(a)の製造
窒素置換した1.5Lオートクレーブを用い、窒素下、シクロヘキサン670g、1,3-ブタジエン85gを仕込んだ。次にバーサティック酸ネオジム(0.0252mmol)のシクロヘキサン溶液、メチルアルモキサン(4.032nmol)のトルエン溶液、水素化ジイソブチルアルミニウム(2.2mmol)及びジエチルアルミニウムクロライド(0.05mmol)のトルエン溶液を、ネオジムの5倍量の1,3-ブタジエン(1.146mmol)と共に50℃で30分間反応熟成させた触媒を仕込み、80℃で60分間重合を行った。1,3-ブタジエンの反応転化率は、ほぼ100%であった。
次に、この重合溶液の温度を50℃に保ち、2,3-ジクロロ-1,4-ナフトキノン(1.26mmol)を添加し、30分間反応させた。その後、2,4-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール0.5gを含むメタノール溶液を添加し、重合停止後、100℃で90分間真空乾燥させることによって、重合体を得た。
【0079】
(参考例4)変性基含有ゴム(a)の製造
2,3-ジクロロ-1,4-ナフトキノンに代えて、テトラメチルチウラムジスルフィド(1.26mmol)を添加した以外は実施例−2.と同様の方法で重合体を得た。
【0080】
(実施例1〜3)(比較例1〜4)
変性基含有高シスポリブタジエン(a)、天然ゴム(b)、高シスー高ビニルポリブタジエン(HCHV)(c)とからなるゴム組成物を用い、表1に示す配合処方に従って、以下に記載の方法で配合、加硫した。各特性を表2〜4に示した。。
【0081】
評価項目と実施条件
混練方法
下記手順に準じて混練する。
[一次配合]
混練装置:バンバリーミキサー(容量1.7L)
回転数:77rpm
スタート温度:90℃
混練手順:
0分;ゴム投入
1分;フィラー投入
3分;ラムを上げて掃除(15秒)
5分;ダンプ
ダンプ物は引き続き10インチロールにて1分間巻き付け、3回丸め通し後、シート出しした。コンパウンドは2時間以上冷却後、次の手順に準じて二次配合を行った。
【0082】
[二次配合]
前記一次配合終了後、下記手順に準じて二次配合を行った。
【0083】
【0084】
[素ゴム物性評価]
ミクロ構造は、赤外吸収スペクトル分析によって行った。シス740cm-1、トランス967cm-1、ビニル910cm-1の吸収強度比からミクロ構造を算出した。
【0085】
[η]は、トルエン溶液で30℃の温度で測定した。
ムーニー粘度(ML1+4)は、JIS K6300に準拠して測定した。
【0086】
トルエン溶液粘度(Tcp)は、ポリマー2.28gをトルエン50mlに溶解した後、標準液として粘度計校正用標準液(JIS Z8809)を用い、キャノンフェンスケ粘度計No.400を使用して、25℃で測定した。
【0087】
[配合物物性]
ダイスウェル
測定装置;モンサント社製加工性測定装置(MPT)
ダイ形状;円形
L/D;1 , 10(D=1.5mm)
測定温度;100℃
せん断速度;10,100sec−1
【0088】
ムーニー粘度は、JIS−K−6300に規定されている測定方法に従って測定した。
カーボンゲル
トルエンに配合物を室温で1日間浸漬抽出後、残存不溶解分を70℃で1時間減圧乾燥する。
カーボンゲル(%)=(残存不溶解分の乾燥物重量/配合物の重量)×100
【0089】
[加硫物物性]
硬度、反発弾性及び引張強度は、JIS−K−6301に規定されている測定法に従って測定した。
【0090】
動的粘弾性のtanδは、レオメトリックス社製RSA2を用いて、温度70℃、周波数10Hz、動歪2%の条件で測定した。
【0091】
発熱特性 グッドリッチフレクソメーターを用い、ASTM D623に従い、歪み0.175インチ、荷重55ポンド、100℃25分の条件で測定した。
【0092】
耐摩耗性指数:JIS K6264に準じてランボーン摩耗試験機を用いてスリップ率20%で測定し、比較例1を100として指数で評価した。指数が大きいほど耐摩耗性は良好である。
【0093】
上記の実施例から明らかなように、HCHVの相溶化の効果によりカーボンに物理及び化学吸着するNR/BRゴム成分が増加する(カーボンゲル量の増加)ことにより、加硫物の諸物性が向上する。(耐摩耗・発熱性の低下等)
【0094】
【表1】
【0095】
【表2】
【0096】
【表3】
【0097】
【表4】
【0098】
【発明の効果】
本発明により、高シス−高ビニルポリブタジエンゴムによる変性基含有ゴムと非変性ゴム間のマクロな界面相溶性の改良、あるいは、ゴム間の界面相溶性の改良によるロール加工性、耐摩耗性、発熱性、引張・引裂き・破壊等の力学的特性の向上が図られる。
Claims (5)
- アミノ基、アルコキシ基などを有する有機ケイ素化合物、ジアミン化合物などのアミノ基を有する脂肪族化合物、チッ素原子含有基を有しかつクロロスルフェニル基またはクロロスルフォニル基を有する化合物あるいは2,3−ジクロロ−1,4−ナフトキノンあるいはテトラメチルチウラムスルフィドによる変性剤で変性されたゴム(a)、未変性ゴム(b)及びメタロセン触媒により製造される高シス−高ビニルポリブタジエンゴム(c)からなり、該未変性ゴム(b)がポリブタジエン及び/または天然ゴムであり、該(c)が1,2−構造ユニット含有率4〜 30モル%、シス−1,4−構造ユニット含有率65〜95モル%、及びトランス−1,4−構造ユニット含有率5モル%以下のポリブタジエンであることを特徴とするゴム組成物。
- 該変性剤で変性されたゴム(a)がポリブタジエンであることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
- 該(a)に用いられるアミノ基、アルコキシ基などを有する有機ケイ素化合物、ジアミン化合物などのアミノ基を有する脂肪族化合物、チッ素原子含有基を有しかつクロロスルフェニル基またはクロロスルフォニル基を有する変性剤としては、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシランであることを特徴とする請求項1または2に記載のゴム組成物。
- 該変性基含有ゴム(a)10〜90重量%及び該未変性ゴム(b)90〜10重量%からなるゴム混合物100重量部と、該メタロセン触媒により製造される高シス−高ビニルポリブタジエンゴム(c)0.1〜10重量部とからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物からなることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
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