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JP4135866B2 - コード状温度ヒューズと面状温度ヒューズ - Google Patents
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JP4135866B2 - コード状温度ヒューズと面状温度ヒューズ - Google Patents

コード状温度ヒューズと面状温度ヒューズ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、異常な高温に一部分でも晒されることにより断線し、異常温度を検知することができるコード状温度ヒューズと面状温度ヒューズに係り、特に熱老化後においても良好な断線時間が得られるように工夫したものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のコード状温度ヒューズとして、例えば、特開平6−181028号公報には、弾性芯上に所定の温度で溶融する導電体を横巻きした中心材上に空間層及び絶縁被覆層を設け、両端に端子を使ってリード線を接続し、高温で導電体が溶融するとリード線間の導通が無くなることにより異常を検知するコード状の温度ヒューズが開示されている。又、特開2000−231866号公報には、芯材上に所定の温度で溶融する金属線を一定の間隔で横巻きしたコア線を、ガラス編組スリーブ上へシリコーンゴムを押出被覆した保護チューブ内へ挿通した構造のコード状温度ヒューズが開示されている。これらのコード状温度ヒューズにおいては、導電体又は金属線にフラックス加工を施すことにより、導電体又は金属線の流れ性を向上させて検知精度を向上させる手法が取られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この種のコード状の温度ヒューズにおいては、昨今の燃焼装置の高集積化により、長期使用時の熱環境が一層厳しくなっていることから、フラックスの熱老化が促進されたり、導電体の性質が熱の影響を受け、信頼性が低下することが予想される。今後、一層高信頼性の製品を求められているが、例えば、特開2000−231866号公報に開示されているコード状温度ヒューズでは、通常、機械的強度が低く、外装として補強手段を必要とするシリコーンゴム材料のみを解決手段としており、燃焼装置内の金属備品のエッジ等による裂け等によって、保護チューブが損傷を受け、水分の浸入による漏電や排気ガスの浸入によるフラックスの老化促進の懸念が一層高まっている。
【0004】
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、異常な高温に一部分でも晒されることにより断線して異常温度を確実に検知することができるとともに、特に熱老化後においても良好な断線時間を得ることが可能なコード状温度ヒューズと、同様な特徴を有する面状温度ヒューズを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するべく本発明の請求項1によるコード状温度ヒューズは、長手方向に連続した弾性芯上に所定の温度で溶融する導電体が巻装されてなるヒューズコアを備えたコード状温度ヒューズにおいて、上記弾性芯が独立気孔を有した発泡弾性体を構成要素としていることを特徴とするものである。
又、請求項2によるコード状温度ヒューズは、請求項1記載のコード状温度ヒューズにおいて、上記弾性芯は、中心の抗張力体の周上に、独立気孔を有した発泡弾性体が被覆された構造であることを特徴とするものである。
又、請求項3による面状温度ヒューズは、平面上に蛇行状態に配設された請求項1記載のコード状温度ヒューズと、上記コード状温度ヒューズの配設状態を固定する手段とからなることを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明において使用される弾性芯は、気体を包含した構成要素からなっているものであり、例えば、中心の抗張力体の周上に気体を包含した弾性体が被覆された構造などが考えられる。
【0007】
抗張力体は、本発明によって得られるコード状温度ヒューズの引っ張り強度や屈曲性などを向上させる目的で使用した方が好ましい。抗張力体としては、従来公知の繊維材料などを用いれば良い。
【0008】
気体を包含した弾性体とは、一般的なエラストマー材料などから構成された弾性体の内部に定形若しくは不定形の密閉された空間が、好ましくは少なくともその一部において形成された構造物のことであり、例えば、独立気孔を有した発泡弾性体、部分的に発泡した弾性体、長手方向に連続した穴を有する弾性体に後加工で密閉空間を形成したものなどが挙げられる。
【0009】
このような弾性体を形成する手段としては、従来公知の方法を採用することができる。例えば、弾性体を構成するエラストマー材料中に有機発泡剤や無機発泡剤を配合し、これを加熱して発泡させることにより独立気孔を有した発泡弾性体を作る方法、エラストマー材料を押出成形する際に、ガスを注入して発泡した弾性体を作る方法、エラストマー材料中に熱老化によって昇華材料粉末等を添加することによって部分的に発泡した弾性体を作る方法、エラストマー材料を異形押出して長手方向に連続した穴を有する弾性体を作製しておき、後工程において、後述する導電体を巻装する際のテンションを利用して一定ピッチ毎に長手方向に連続した穴を閉じて密閉空間を形成する方法などが考えられる。
【0010】
弾性芯の断面形状は特に制限されないが、好ましくは放射方向に複数の凸部を有する断面形状が望ましい。これには通常の多角形の他、星型のような形状も含まれる。又、星型、多角形は、一般的にはっきりした角を持つ形状であるが、角が丸くつぶれた形状であっても良い。これらは円形断面の場合に比べて導電体が弾性芯に食い込み易く、導電体が溶融した時により速やかに切れるため好ましい。断面形状を多角形とした場合には、導電体の食い込み易さから6角形以下が好ましく選ばれる。
【0011】
導電体としては、低融点合金及び半田からなる群より選ばれた金属細線を用いることができる。低融点合金及び半田としては、例えば「化学便覧基礎編、改訂三版、丸善株式会社発行」のI−509頁に例示されている中の、融点が300℃以下のものなどである。導電体の線径としては、一般的な横巻機械によって弾性芯に巻回し可能な0.04mmφ以上0.8mmφ以下程度が好ましい。
【0012】
尚、導電体として、フラックス加工を施したものを用いても良い。加工方法としては、導電体の中央部にフラックスを入れる方法や、導電体の表面にフラックスを塗布する方法などが挙げられる。フラックスは一般的に用いられているロジン樹脂系フラックスで良く、少量の活性剤を含有したものであっても良い。
【0013】
この導電体を弾性芯上に少なくとも導電体がずれない程度のテンションで巻回して、ヒューズコアとする。導電体が巻回されるピッチは、好ましくは線径の1.5倍以上、更に好ましくは2倍以上15倍以下とする。又、何本かの導電体を引き揃えるか、撚り合わせたものを巻回す集合横巻を行っても良い。
【0014】
このようにして得られたヒューズコアに絶縁被覆を施すことによって本発明のコード状温度ヒューズが完成する。絶縁被覆は、従来、各種の方法が公知となっているため、それらの中から、導電体が溶融する温度よりも低い加工温度を実現できる方法を適宜に採用すれば良い。例えば、比較的低温で加工できるエチレン系共重合体などの熱可塑性ポリマーやエチレンプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴムイソプレンゴム、ニトリルゴム等の合成ゴムなどを主体とした組成物を電子線架橋、シラン架橋などの低温でできる架橋法で架橋して形成する方法、常温付近で押出加工でき、比較的低温で架橋できるシリコーンゴムを使用して形成する方法、各種の繊維材料で編組被覆した後、常温で乾燥する絶縁ワニスを塗布して形成する方法などが考えられる。特にシリコーンゴムを用いた場合には、絶縁被覆の機械強度を高めるため、外装に編組を施しても良い。これらは連続的に絶縁被覆を施す方法の例であるが、長尺でなくても良い場合は、収縮性絶縁チューブを含む絶縁チューブを単に被せることで代用することもできる。絶縁被覆の厚さは、電気絶縁性、機械的強度等の必要特性が満たされるものであれば、薄肉の方が熱に対する感度が増して好ましい。
【0015】
尚、絶縁被覆はヒューズコアに密着させず空間層を有した状態で被覆することが好ましい。空間層を設けることにより、異常温度検知後の導電体の再結合をより効果的に防止することができるとともに、絶縁被覆を施す際の熱から導電体を保護することができる。
【0016】
空間層を形成する手段としては、例えば、ヒューズコアの周上にチュービング押出しの手法で絶縁被覆を施す方法、ヒューズコアの周上に内面に突起を備えた形状の絶縁被覆を押出被覆する方法、スペーサを設ける方法などが知られている。これらは、当該出願人の出願による特開平5−128950号、特開平6−181028号、特開平7−176251号、特開平9−129102号、特開平10−223105号などにも詳細に記載されているので、それらのいずれを採用しても良い。
【0017】
これらのコード状温度ヒューズを任意の蛇行状態に配設して、この配設状態を固定する手段を用いて面状温度ヒューズが製造できる。固定する手段としては、基板または基布に縫いつける方法や接着剤を用いて固定する方法などが挙げられるが、好ましくは特公昭62−44394号公報又は特公昭62−62032号公報に挙げられた手段を用いる。これらには、それぞれ金属箔上に両面接着紙によって固定する方法、接着剤を塗布した金属板または金属箔に熱融着する方法について記述されている。
【0018】
本発明によれば、気体を含有する構成要素から構成された弾性芯が温度上昇によって膨張して導電体の溶融断線を助けると考えられ、熱老化等によって、フラックスが本来有する機能(検知精度を向上させる機能)が低下してしまった場合においても良好な断線時間を得ることができる。更に、長期の使用によって、導電体の表面に酸化物の生成等による変質が起こり、溶融断線し難くなった場合にも有効である。又、今回の部品構造は、従来と変わりなく、複雑な構造ではないので、コストパフォーマンスの良い製品が実現できる。
【0019】
【実施例】
以下、図1及び図2を参照して本発明の実施例を説明する。尚、本実施例では、抗張力体とその周上に被覆された気体を包含した弾性体とを、弾性芯の構成要素とした。
【0020】
実施例1
まず、以下のようにして弾性芯1を製造した。外径約0.7mmのガラスコードにシリコーンワニス処理を施してなる抗張力体1aの周上に、シリコーンゴム100重量部、発泡剤(AIBN)1重量部、有機過酸化物架橋剤2重量部をオープンロール上で混練してコンパウンドとしたシリコーンゴムを内接円1.6mm、外接円1.8mmの放射状6突起断面となるように押出被覆し、同時に熱空気架硫を施してシリコーンゴムを発泡させ、独立気孔を有した発泡弾性体1bを形成した。
【0021】
次に、この弾性芯1の角に、中央部にフラックスが封入された0.6mmφの共晶半田線(融点183℃)からなる導電体2を2本引き揃えてピッチ8.5mmで横巻きした。その後、繊維径約9μmの無アルカリガラスフィラメントを撚り合わせて約70番手とした繊維束を、16打の製紐機で編組密度約17/25mmで編組して空間層4(ガラス編組)を形成した。最後に、絶縁被覆5としてエチレン系共重合体混合物を肉厚0.5mm、押出温度150℃の条件で押出被覆し、その後、電子線を照射して架橋を施した。
【0022】
ここで、このようにして製造されたコード状温度ヒューズを全長約20cmに切断し、その両端約1cm部分の絶縁被覆と空間層を除去し、公称断積0.5mmのリード線100mmを圧着端子を介して接続してコード状温度ヒューズ組立品を作製した。次に、コード状温度ヒューズ組立品を、158℃の熱風循環式恒温槽に384時間投入して促進熱老化を行い、老化後の状況を再現した。次に、熱処理したコード状温度ヒューズ組立品を、コード状温度ヒューズ部分が中央部に来るように内径5.0mm、長さ約15cmのガラス繊維編組チューブ内に挿入し、リード線の両端に100V交流電源から白熱電球を用いた外部負荷で、0.1A程度の電流を流しながら中央部分を約250℃から1分間に10℃温度を上げながら加熱して導電体が溶断した時点の温度を測定した。試験結果は表1に示した。
【0023】
実施例2
発泡剤(AIBN)の添加量を2重量部としたシリコーンゴムを用いて独立気孔を有した発泡弾性体を形成した他は実施例1と同様の材料、同様の工法でコード状温度ヒューズを製造した。実施例1と同様に試験を行い、結果を表1に併記した。
【0024】
実施例3
導電体として、フラックス加工を施していない0.6mmφの共晶半田線を用いた他は実施例1と同様の材料、同様の工法でコード状温度ヒューズを製造した。実施例1と同様に試験を行い、結果を表1に併記した。
【0026】
引き続き、実施例1と同様にコード状温度ヒューズ組立品を作製した。次に、コード状温度ヒューズ組立品を、158℃の熱風循環式恒温槽に384時間投入して促進熱老化を行い、老化後の状況を再現した。ここで、弾性芯は、ポリアセタールホモポリマー粉末が熱によって昇華して独立気孔を有した発泡弾性体1bを形成する。次に、実施例1と同様に試験を行い、結果を表1に併記した。
【0027】
実施例
絶縁被覆として、エチレン系共重合体混合物に代えてエチレンプロピレンゴム混合物を使用し、押出温度130℃の条件で押出被覆した他は、実施例1と同様の材料、同様の工法でコード状温度ヒューズを製造した。実施例1と同様に試験を行い、結果を表1に併記した。
【0028】
比較例1
発泡剤を全く添加しないシリコーンゴムを用いて弾性芯を形成するとともに、導電体としてフラックス加工を施していない0.6mmφの共晶半田線を用いた他は、実施例1と同様の材料、同様の工法でコード状温度ヒューズを製造した。実施例1と同様な試験を行い、結果を表1に併記した。
【0029】
比較例2
発泡剤を全く添加しないシリコーンゴムを用いて弾性芯を形成するとともに、導電体として中央部にフラックスを封入した0.6mmφの共晶半田線を用いた他は、実施例1と同様の材料、同様の工法でコード状温度ヒューズを製造した。実施例1と同様な試験を行い、結果を表1に併記した。
【0030】
【表1】
Figure 0004135866
【0031】
表1の試験結果によれば、抗張力体とその周上に被覆された気体を包含した弾性体とを弾性芯の構成要素とした本実施例のコード状温度ヒューズは、従来のコード状温度ヒューズ(比較例2)と比べて、溶断温度が低下していることが判る。実施例2のように独立気孔をより多くしたものは、実施例1及び実施例より、溶断温度が低下していることが判る。尚、フラックス加工を施していない導電体を用いた実施例3のコード状温度ヒューズは、フラックス加工を施した導電体を用いた実施例1、実施例2及び実施例4のコード状温度ヒューズと比較して溶断温度が上昇しているが、これは、導電体に占める導電体部分がフラックス加工を施していないものよりも多いからであると思われる。同様に比較例1と比較例2のコード状温度ヒューズと比較して溶断温度が上昇していることが判る。
【0032】
実施例
実施例1で製造したコード状温度ヒューズを蛇行状態に配設して、図3に示すような面状温度ヒューズを特公昭62−44394号公報に示された方法で製造した。図中の符号8は、片面に離形紙9を有する両面粘着紙であり、符号6は前記両面粘着紙8の上面に蛇行状態に配設されたコード状温度ヒューズである。更に、符号7は前記コード状温度ヒューズ6の全体を覆う金属箔であり、この金属箔7は前記両面粘着紙8と接着固定されている。本実施例においては、両面粘着紙としてアクリル系粘着紙を用い、金属箔としては、厚さ100μmのアルミニウム箔を用いた。本実施例では、特公昭62−44394号公報に準じて行ったので金属箔及び両面粘着紙を用いたが、この公報に準じない方法で製造しても良く、またこの公報の製造方法において、他の材料、例えば金属箔の代わりにプラスチックフィルムを使用しても良い。
【0033】
このようにして製造された面状温度ヒューズを厚さ0.5mmの鉄製のパネルに張り付け、パネルを垂直に立てた。パネルの裏側には市販の壁紙を張り付けた。この状態で、面状温度ヒューズに0.5Aの電流を流しながらバーナーの外炎が触れる程度まで近づけ、温度ヒューズの導電体が断線するまでこの状態を保った。その後、面状温度ヒューズは熱を検知し断線した。断線後にパネルの裏側の壁紙には、炭化等の変化も見られず、温度ヒューズが有効に機能したこと判った。
【0034】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、圧縮力がかからないところでも、異常高温によって確実に断線し、しかも断線後にも溶融した導電体などによって再接触を起こさず、誤動作を招かないコード状温度ヒューズと、同様な特徴を有する面状温度ヒューズを得ることができる。又、これらの温度ヒューズは、実使用状況でフラックス機能の失効による動作信頼性の防止だけではなく、導電体の熱酸化による表面酸化皮膜生成といったコード状温度ヒューズの老化後の動作信頼性も更に向上する。しかも、従来の温度ヒューズ組立品と比べて構造的に大きな変化は無いので、従来通りの価格で各種熱機器の安全装置として幅広く利用することができ、極めて有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す図でコード状温度ヒューズの一部切欠側面図である。
【図2】本発明の実施例を示す図でコード状温度ヒューズを構成する弾性芯の断面図である。
【図3】本発明の実施例を示す図で面状温度ヒューズの一部切欠斜視図である。
【符号の説明】
1 弾性芯
1a 抗張力体
1b 独立気孔を有した発泡弾性体
2 導電体
3 ヒューズコア
4 空間層(ガラス編組)
5 絶縁被覆
6 コード状温度ヒューズ
7 金属箔
8 両面粘着紙
9 離形紙

Claims (3)

  1. 長手方向に連続した弾性芯上に所定の温度で溶融する導電体が巻装されてなるヒューズコアを備えたコード状温度ヒューズにおいて、上記弾性芯が独立気孔を有した発泡弾性体を構成要素としていることを特徴とするコード状温度ヒューズ。
  2. 上記弾性芯は、中心の抗張力体の周上に、独立気孔を有した発泡弾性体が被覆された構造であることを特徴とする請求項1記載のコード状温度ヒューズ。
  3. 平面上に蛇行状態に配設された請求項1記載のコード状温度ヒューズと、上記コード状温度ヒューズの配設状態を固定する手段とからなることを特徴とする面状温度ヒューズ。
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