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JP4135954B2 - 自動車用磁力支持天秤装置 - Google Patents
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Description

本発明は、超電導物質の磁束拘束の性質を利用して風洞試験模型を風洞測定部中に磁力支持する技術を車輪を用いた地上輸送機器の車輪部分に適用する技術に関する。
自動車や鉄道車両の風洞試験では、移動体と地面の相対速度を作り出すために、測定部床に移動地面板と呼ばれる装置を取り付け、風洞気流速さと同じ速さで移動させる形態がとられている。このため、移動体模型は地面板に置くことができず、図3(非特許文献1)に示されるように支柱(若しくはワイヤー)により風洞測定部内で模型を支えていた。このような支持装置で車体を支えた場合、支持構造体と風洞気流との間に干渉を誘発するため、実際の走行時の流れを正しく模擬できていないことが知られている。また、車輪は測定部の側部からシャフトにより支持しながら駆動する形態が取られるため、そのシャフトと風洞気流の間でも大きな干渉を誘発し、精度の高い測定ができなかった。このため、干渉を起こすこれらの部材を用いない航空分野で開発された磁力支持天秤装置で模型を支持する方法が提案されている。
図4(特許文献1)に示されたものは本発明者らが開発提示したもので、磁力支持天秤装置20は、風洞模型1を磁気の力で気流中に支持する装置であり、支持干渉のない風洞試験を実現することができる。風洞模型1には磁化された物質、超伝導コイルのような電流を流し続けているコイル、或いは永久磁石等から成る強力な磁石体が搭載される。風洞模型1の磁石体には、風洞の測定部の周りに配置したコイル23乃至32に通電することにより生じた外部磁場との相互磁気作用によって磁気力を受け、風洞模型1を磁気的に浮上支持させることができる。外部磁場は、磁気支持コイルとしてのコイル23〜26とコイル27〜30とから成る風洞内軸方向に所定距離間隔を持った二つの磁気回路21,22、及びその外側に配置され前記二つの磁気回路21,22と直交した同じく磁気支持コイルとしての空芯コイル31,32によって発生される。風洞内気流方向をx軸にとり重力の作用する鉛直方向をz軸、前記x軸とz軸に直交する方向にy軸をとるようにしたとき、磁気回路21はz軸方向磁場を発生させる1対のコイル23,25とy軸方向に磁場を発生させる1対のコイル24,26とから構成され、磁気回路22はZ方向磁場を発生させる1対のコイル27,29とY方向に磁場を発生させる1対のコイル28,30とから構成される。磁気回路21,22の各コイルに流れる電流を調節することにより、磁気回路21,22内のy−z面内での磁場の強さと方向及びそれらのx軸方向の変化率を連続的に変化させることができる。また、空芯コイル31,32に流れる電流を調節することによりx軸方向磁場の強さのx軸方向で見た変化率を制御でき、都合5軸の制御が可能である。即ち、磁気回路21,22のコイル23〜30は、風洞模型1に働く揚力と縦揺れモーメントとに対抗する磁気力を与える揚力用コイルとして機能し、空芯コイル31,32は風洞模型1に働く抗力に対抗する磁気力を与える抗力対抗用コイルとして機能している。この方式を大型模型の自動車用に応用しようとすると、必要となる磁力支持天秤装置は大規模となり、模型も非磁性体で外形を作る専用のものが必要となり、製作費が膨大となって実施は困難である。特に、自動車業界から要望の強い実車風洞試験においては実車が鋼鉄製のため、通常の航空機模型用の磁力支持天秤装置を適用することは困難である。
ところで、超電導物質の磁束拘束の性質を利用した車両等輸送機器の磁力支持装置は数多く提案されている。本発明者らはこの車両磁気浮上技術を自動車の実車風洞試験の磁力支持装置に応用することに想到し、研究に着手した。従来技術ではその超電導物質はどれも輸送機器本体への装着であって、これら車両の磁気浮上機構は、車体に相当する移動体に超電導物質を搭載し、軌道部分に磁束発生源の永久磁石を配置するものである。これは、極低温に維持しなければならない超電導物質の部分を極力少なくするために取られた当然の手法であった。しかし、自動車などの地上輸送機器の風洞試験においては、空力抵抗を測定するという特殊性から風洞試験模型は車輪も移動地面板と非接触、床面から離れている必要があるという特殊事情を伴う。また、小型模型のようなの場合には限られた大きさの試験体の内部スペースに極低温状態を保持する冷却装置と共に超電導物質を取り付けるのは困難という事情がある。また、磁力支持の観点からすれば、移動地面板に最も近い車輪内部に極低温超電導物質を取り付けるのが有利であるが、工作上は車体の内部に配置するより更に困難である。反面、自動車など車両の風洞試験においては自動車は風洞内部で移動するものではないため、自動車と軌道のどちらに極低温超電導物質を取り付けるかには優劣が無くなるという利点もある。
特開2005−249614号公報 「荷重軽減装置とそれに用いられる模型」 平成17年9月15日公開 英国の技術雑誌"RACETECH"2003年8,9月号 No.49 P.56 RACETECH社発行
本発明の課題は、これらの自動車などの地上輸送機器の風洞試験の特殊事情の下で、自動車や鉄道車両の風洞試験において、被試験体を支承するワイヤーや支柱といった気流に影響を及ぼす部材を測定部に配置することのない磁力支持が可能な方法およびその装置を提供すること、更には鋼鉄製車体の実車でも磁力支持が可能な、また車種や模型に依存しにくい磁気浮上装置を提案することにある。
本発明の車両の風洞実験方法は、前輪および後輪の中に永久磁石のような磁束発生源を格納し、該車輪と対峙する位置に超電導物質と冷却装置を配置し、超電導物質の磁束拘束の性質を利用し車体の磁力支持をはかるようにした。
本発明の車両用風洞磁力支持天秤装置は、風洞内測定部に、床面と所定間隔離れた位置に移動地面板を配置し、前輪および後輪の中には永久磁石のような磁束発生源を格納し、前輪位置と後輪位置に対峙する床面には超電導物質と冷却装置を配置し、該超電導物質の磁束拘束の性質を利用して車体の磁力支持を行うようにした。
また、磁束供給源は車輪の軸受けを介して保持する構成を採用し、磁束を保持する超電導物質とそれを支える床面との間に天秤を取り付け、磁束源に加わる力とモーメントを車輪の外部から計測するようにした。
更に、複数の車輪にそれぞれ対峙する超電導物質の支持台はそれぞれの位置姿勢を独立に調整できる機構を備えることにより、風洞内車両模型あるいは実車を風の状態変化に対して所定の位置姿勢に支持可能とした。
本発明の車両の風洞実験方法は、前輪および後輪の中に永久磁石のような磁束発生源を格納し、該車輪と対峙する位置に超電導物質と冷却装置を配置し、超電導物質の磁束拘束の性質を利用し車体の磁力支持をはかったものであるから、様々な実車の風洞試験が容易に且つ迅速に実施できるようになる。また、支持干渉が無くなり、風洞試験の精度が上がる。
本発明の車両用風洞磁力支持天秤装置は、風洞内測定部に、床面と所定間隔離れた位置に移動地面板を配置し、前輪および後輪の中には永久磁石のような磁束発生源を格納し、前輪位置と後輪位置に対峙する床面には超電導物質と冷却装置を配置し、該超電導物質の磁束拘束の性質を利用して車体の磁力支持を行うものであるから、車種に関わらず実車や模型での風洞試験が支持干渉の無い状態で容易に且つ迅速に実施できる設備を提供できる。
また、本発明の車両用風洞磁力支持天秤装置は、磁束発生源は車輪の軸受けを介して保持することにより、車輪を回転させても車体が移動したり、揺動することがない。
磁束を保持する超電導物質とそれを支える床面との間に天秤を取り付けた構成を採用したことにより、磁束源に加わる力とモーメントを車輪の外部から計測することができる。
複数の車輪にそれぞれ対峙する超電導物質の支持台はそれぞれの位置姿勢を独立に調整できる機構を備えることにより、風洞内車両模型あるいは実車を風の状態変化に対して所定の位置姿勢に支持することを可能とした。
図1は本発明の自動車用磁力支持天秤装置の基本構成を模式的に示したものである。1は車体であり、鉄製車体の実車を用いることができる。2は車輪であって、通常の自動車の様に車軸3に取り付けられ、車体1を支える構造が採用されるが、その内部には永久磁石等の磁束発生源4が軸受5を介して回転自在の形態で車軸3に取り付けられた本発明特有のものを用いる。磁束発生源4はなるべく遠方にまで強い磁束が到達するような磁石の配置と組合せを取ることが重要で、この実施形態では、図2に示すように所定間隔をあけた2つの棒磁石4a,4bを磁極を反対方向にして配置し、上方の両磁極は磁性体4cを用いて磁気回路で結ぶようにすると共に下側の磁極は解放とし、丁度馬蹄形磁石の形態を採るようにしている。風洞側の構成は、まず、台座6に天秤装置7が配置される。この天秤装置7は必要とされる力の成分が測定可能なもの、例えば6分力型天秤が用いられ、測定部に設置された自動車の各車輪に対峙する位置にそれぞれ配置される。該天秤装置7の上方には位置姿勢調整装置8を介して超電導物質10が取り付けられる。そして、この超電導物質10にはその超電導特性を維持するため、低温状態を維持するための冷却装置9がセットで備えられている。11は移動地面板であり、測定時には風洞気流速さと同じ速さで移動させるもので、測定部床を構成するものとなる。
本実施形態で採用した磁束発生源4の具体的構成は、2つの棒磁石4a,4bを磁極を反対方向にして並列配置し、上方の両磁極は磁性体4cを介して連結し磁気回路とし、2つの棒磁石4a,4bの間隙には非磁性材である樹脂4dを充填して固定した。棒磁石4aと磁性体4c更に棒磁石4bとで、馬蹄形の永久磁石と同じような形態となる。車軸3に軸受5を介してこの磁力発生部材4を回転自在に取り付けてあるので、車輪2の回転の影響はなく車体1を支持することができる機構となっている。
試験を行う際には、まず、被試験体の車軸3に本発明に係る車輪2を取り付ける。次に台座6に配置された天秤装置7上に載置されている超電導物質10が、被試験体の車輪2内に配置された棒磁石4a,4bの下側の磁極と対峙するように位置姿勢調整装置8によって位置姿勢を調整する。測定部に被試験体が設置された当初の状態では超電導物質10は超電導状態にはせず、棒磁石4a,4bからの磁束がこの超電導物質10の中を貫通するようにしておく。また、棒磁石4a,4bの下方磁極と超電導物質10の間には移動地面板11が存在するが、その移動地面板11と前記超電導物質10の上面間には適当な間隙が確保されるように台座6の位置を低くしておき、試験体である車体1は地面板11に載せた状態にしておく。この状態で、冷却装置9を作動させ、超電導物質10の温度を下げていき超電導状態になるようにもっていく。超電導状態になると該超電導物質10中を貫通していた磁束は拘束状態となってそのままそこに移動できなくなる。この磁束拘束状態にした後、台座6全体を上げていくと、被試験体の重量分だけ磁束はちょうどバネの様に僥み、被試験体の車輪2は移動地面板11から浮き上がりある距離を保ってバランスした状態になる。また、紙面に垂直方向の力が加わっても、バネの様に擁んだ分の復元力が働き元に戻る。他の方向の力やトルクに関しても同様な復元力が働く。このようにして、被試験体の車体1は安定に一定の距離と姿勢を保った状態で空中に磁力支持されることになる。磁性体4cを介し馬蹄形の永久磁石形態となった棒磁石4a,4bは、磁束により超電導物質10と一定の距離と姿勢で保持されることになる。被試験体の車軸3に固定されている車輪2のタイヤ部分が車軸3の回転により回転しても、軸受5を介して結合されているので、馬蹄形の永久磁石形態となった棒磁石4a,4bと超電導物質10とはその位置姿勢を変えることは無い。
このようにして、被試験体の車体1は上記の超電導物質の磁束拘束の性質を利用した磁力支持機構に載った状態でタイヤを回転させることができる。被試験体が実車である場合仮に、自動車内部に人が乗ってアクセルを吹かして、タイヤが高速に回転したとしても内蔵されている磁束発生源4は回転せず、車体1は測定部内で移動しないことになる。これは磁束拘束による磁力支持が作動中でのことであり、車輪2と移動地面板11が接触状態にあるときはそのようなことができないことは当然である。超電導物質10が受ける力は位置姿勢調整装置8を介して天秤装置7に作用する。天秤装置7には被試験体の車体1が受ける力の他、位置姿勢調整装置8や電導物質10そして、冷却装置9等様々な装置の重力が加わるが、風洞試験の前後でこれを測ってデータとして持っておけば、その分の影響はデータ処理して除去することができる。すなわち、風を付加した時の天秤装置7の出力と初期状態での値との間で差を取ることにより、気流によって作用した空気力を評価できる。
本発明の自動車用磁力支持天秤装置の基本構成を模式的に示した図である。 磁束発生源を内蔵した車輪と超電導物質間の部分構成の実施形態を詳細に示した図である。 従来の自動車を被試験体とした風洞試験の形態を説明する図である。 航空機用に開発された風洞用磁力支持天秤装置を説明する図である。
符号の説明
1 車体 2 車輪
3 車軸 4 磁束発生源
4a,4b 棒磁石 4d 磁性体
4d 充填樹脂 5 軸受
6 台座 7 天秤装置
8 位置姿勢調整装置 9 冷却装置
10 超電導物質 11 移動地面板

Claims (5)

  1. 前輪および後輪の中に永久磁石のような磁束発生源を格納し、該車輪と対峙する位置に超電導物質と冷却装置を配置し、超電導物質の磁束拘束の性質を利用し車体の磁力支持をはかったことを特徴とする車両の風洞実験方法。
  2. 風洞内測定部に、床面と所定間隔離れた位置に移動地面板を配置し、前輪および後輪の中には永久磁石のような磁束発生源を格納し、前輪位置と後輪位置に対峙する床面には超電導物質と冷却装置を配置し、該超電導物質の磁束拘束の性質を利用して車体の磁力支持を行うことを特徴とする車両用風洞磁力支持天秤装置。
  3. 磁束供給源は車輪の軸受けを介して保持することにより、車輪を回転させても車体が移動したり、揺動したりしないことを特徴とする請求項2に記載の車両用風洞磁力支持天秤装置。
  4. 磁束を保持する超電導物質とそれを支える床面との間に天秤を取り付け、磁束源に加わる力とモーメントを車輪の外部から計測することを特徴とする請求項2又は3に記載の車両用風洞磁力支持天秤装置。
  5. 複数の車輪にそれぞれ対峙する超電導物質の支持台はそれぞれの位置姿勢を独立に調整できる機構を備えることにより、風洞内車両模型あるいは実車を風の状態変化に対して所定の位置姿勢に支持可能としたことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の車両用風洞磁力支持天秤装置。
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