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JP4136089B2 - 超音波診断装置 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は超音波診断装置、更に詳しくは超音波内視鏡の先端位置を検出するための磁場検出データの処理部分に特徴のある超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、超音波振動子を有する超音波内視鏡を体腔内に挿入して、上記超音波振動子から超音波を送受波し、そのエコー信号から体内の状態を描画することによって診断を行なう超音波画像診断装置が一般的に使用されている。
【0003】
このような超音波画像診断装置における超音波内視鏡は、通常、フレキシブルシャフトの先端に超音波振動子を設け、その外周を円筒状のシースで覆うように構成されている。
【0004】
そして、フレキシブルシャフトを介して超音波振動子を回転させることによって、放射方向に超音波を照射するようにしたラジアルスキャン方式のものや、フレキシブルシャフト及び超音波振動子を挿入軸方向に移動させることで、フレキシブルシャフトの軸方向と直交する方向に超音波を照射するようにしたリニアスキャン方式のもの、上述のラジアルスキャン方式のものとリニアスキャン方式のものを組み合わせたスパイラルスキャン方式(三次元方式)のもの等が種々提案されている。
【0005】
上記スパイラルスキャン方式のものは、ラジアルスキャンを行ないながら同時にリニアスキャンを行なうようにしたものであるので、連続した複数の超音波断層像を得ることができるようになっている。そして、これによって得られるエコーデータ(画像データ)に対して何らかの処理を施して三次元画像データを得るようにしている。
【0006】
この種の超音波画像診断装置は、通常、被検部位のエコーデータを連続した複数の二次元画像の超音波断層像として取り込み、この取り込まれたエコーデータから被検部位の三次元画像を構築し表示するようにしている。
【0007】
ところが、三次元画像を構築する上記超音波画像診断装置においては、一般に、リニアスキャンは、術者の手による超音波内視鏡の挿抜によって行われるため、リニアスキャンにおける先端部の位置が不正確となり、また湾曲した体腔内ではラジアルスキャンの向きが分からないため、正確な三次元画像を構築することができないといった問題がある。
【0008】
そこで、例えば特開平6−261900号公報においては、先端部にコイルからなる磁気ソースを設け、この磁気ソースからの磁場を外部に設けた磁気センサにて検出し、リニアスキャンおける超音波振動子の軸方向の位置及びラジアルスキャンおけるスキャン面の向きを算出することで、正確な三次元画像を構築することのできる超音波画像診断装置が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平6−261900号公報においては、磁気ソースを挿入部先端に設けているが、一般に挿入部先端には金属部材よりなる硬性部が設けられており、この金属部材よりなる硬性部の近傍に磁気ソースを設けると、金属部材よりなる硬性部の影響で、磁気ソースから発せられる磁界が歪み、正確な位置及び配向が算出できないという問題がある。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、超音波内視鏡を構成する金属部品による磁界の歪みの影響を排除し、超音波内視鏡の先端の正確な位置及び配向が算出できる超音波診断装置を提供することを目的としている。
【0011】
本発明の超音波診断装置は、磁場を発生する送信コイルと、前記送信コイルが発生する磁場を検出する受信コイルとを具備し、前記送信コイル及び前記受信コイルのうちいずれか一方が超音波内視鏡の先端に配置され、前記受信コイルが検出した検出信号により前記超音波内視鏡の先端の位置情報を算出する位置情報算出手段を備えた超音波診断装置において、
前記超音波内視鏡の先端を空間上の仮想点の所定位置に配置したときの、前記受信コイルが検出した検出信号に基づき、検出信号補正情報を生成する検出補正情報生成手段と、
前記検出信号補正情報を用いて、前記受信コイルが出力する前記検出信号を補正する検出信号補正手段と
を備えて構成される。
【0012】
本発明の超音波診断装置では、前記補正手段が前記超音波内視鏡を構成する金属部品によって生じる磁場に歪みによる前記受信コイルの検出信号の変化を補正することで、超音波内視鏡を構成する金属部品による磁界の歪みの影響を排除し、超音波内視鏡の先端の正確な位置及び配向の算出を可能とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について述べる。
【0014】
図1ないし図5は本発明の一実施の形態に係わり、図1は超音波内視鏡の先端の構成を示す断面図、図2は図1の超音波内視鏡を備えた超音波診断装置の構成を示す構成図、図3は図2の位置検出装置の構成を示す構成図、図4は図3の補正回路に予め記憶されている重み付け係数を説明する第1の説明図、図5は図3の補正回路に予め記憶されている重み付け係数を説明する第2の説明図である。
【0015】
(構成)
超音波内視鏡1は、図1に示すように、挿入部2の先端に金属部材よりなる硬性な硬性部3を有し、この硬性部3の先端には一体的に連設されたシース4が設けられている。そして、このシース4には超音波振動子5が挿入部2及び硬性部3を挿通しているフレキシブルシャフト6に回転自在に連結され状態で配置され、シース4の内部には超音波伝達媒体7が充填されている。また、硬性部3には例えば直交する2つの軸方向に磁場を発生する磁気ソース8が内蔵されている。
【0016】
本実施の形態の超音波診断装置11は、図2に示すように、上記超音波内視鏡1と、この超音波内視鏡1の超音波振動子5及びフレキシブルシャフト6を駆動すると共に超音波振動子5からのエコーデータにより3次元の超音波画像を形成しモニタ12に3次元超音波画像を表示させる超音波画像形成装置13と、超音波内視鏡1の挿入部2が体腔内に挿入される患者14が横になるベッド15に設けられた超音波内視鏡1の硬性部3の磁気ソース8が発生した磁場を検出する複数例えば16個のコイルからなる磁気センサ16と、磁気ソース8に電流を供給し磁場を発生させると共に磁気センサ16からの磁場検出信号を入力し磁気ソース8の位置と向きを算出する位置検出装置19と、各装置を制御し位置検出装置19により得られた磁気ソース8の位置と配向に基づいた3次元超音波画像を超音波画像形成装置13に形成させるパーソナルコンピュータ(以下、パソコンと記す)20とを備えて構成される。
【0017】
図3に示すように、磁気ソース8が発生した磁場は、金属部材よりなる硬性部3により歪む。そこで、位置検出装置19は、この歪んだ磁場による磁気センサ16からの磁場検出信号を予め記憶している重み付け係数により補正する補正回路21と、補正回路21により補正された磁場検出信号に基づき磁気ソース8の位置と配向を算出する位置算出回路22と、磁気ソース8に電流を供給する電流発生器23とを備えて構成される。
【0018】
次に、補正回路21に予め記憶されている重み付け係数について説明する。超音波診断装置11は、例えば工場出荷前に、図4に示すような非磁性材料で作成されたアーム31と、このアーム31の基端側を固定しアーム31を3次元的に移動させるXYZステージ32とからなるテスト治具33を用いてテストされ、重み付け係数が決定され、補正回路21に重み付け係数データが格納される。
【0019】
詳細には、図5に示すように、ステップS1で、まず、アーム31の先端に磁気ソース8と同様に構成されたテストソース8aを配置する。なお、このテストソース8aは、金属部材よりなる硬性部3に組み込まれることなく単体で配置される。そして、このテストソース8a及び磁気センサ16を位置検出装置19に接続し、テストソース8aに電流発生器23より電流を供給することで磁場を発生させる。このとき、アーム31の先端に取り付けられたテストソース8aは、XYZステージ32により被検体検査対象領域の3次元空間上(ベッド15上)の仮想的な複数の所定の格子点に順次移動される。なお、この仮想格子点の位置は予め計算されており、XYZステージ32により正確にテストソース8aを仮想格子点に位置させることができるようになっている。
【0020】
そして、ステップS2で各仮想格子点でテストソース8aから発生した磁場を磁気センサ16の各コイルで各電圧信号Vi(i=1〜16)として検出され位置検出装置19に入力され、ステップS3で補正回路21を介して位置算出回路22でテストソース8aの位置と配向が推定され、各仮想格子点における推定された位置データ及び配向データ全てを各仮想格子点に対応させて基準データとして、全ての仮想格子点毎にパソコン20が内部メモリに格納する。なお、補正回路21では重み付け係数値として初期値である「1」を電圧信号Viに乗算しているために、このときは電圧信号Viがそのまま位置算出回路22に出力される。
【0021】
次に、ステップS4でテストソース8aをアーム31より取り外し、超音波内視鏡1の挿入部2をアーム31内に挿通し、テストソース8aが配置されていた位置に超音波内視鏡1の先端部(すなわち、硬性部3)を位置させる。そして、テストソース8aに変えて硬性部3に配置させている磁気ソース8を位置検出装置19に接続し、磁気ソース8に電流発生器23より電流を供給することで磁場を発生させる。このときも磁気ソース8は、アーム31及びXYZステージ32により空間上(ベッド15上)の複数の仮想格子点に順次移動される。
【0022】
そして、ステップS5で各仮想格子点で磁気ソース8から発生した磁場を磁気センサ16の各コイルで各電圧信号Vi(i=1〜16)として検出され位置検出装置19に入力され、ステップS6で補正回路21において各仮想格子点での電圧信号Viが記憶され、重み付け係数ωiを電圧信号Viに乗算し、ステップS7で位置算出回路22でωi×Viにより磁気ソース8の位置と配向が推定される。なお、このときは補正回路21では重み付け係数ωiとして初期値である「1」を電圧信号Viに乗算しているために、電圧信号Viがそのまま位置算出回路22に出力される。
【0023】
続いて、ステップS8で、パソコン20で各仮想格子点における推定された位置データ及び配向データを測定データとし、この測定データと内部メモリに格納してある各仮想格子点に対応した基準データとを比較し、各仮想格子点におけるすべての測定データと基準データとの差が所定の誤差δ未満かどうか判断し、誤差δ以上ならば、ステップS9で可変させた重み付け係数ωiを補正回路21に出力し、ステップS6に戻る。
【0024】
そして、再びステップS6において、補正回路21でこの可変させた重み付け係数ωiを電圧信号Viに乗算し位置算出回路22に出力し、ステップS7で位置算出回路22で再度ωi×Viにより磁気ソース8の位置と配向が推定される。そして、ステップS8で再び補正された測定データと内部メモリに格納してある各仮想格子点に対応した基準データとを比較し、各仮想格子点における差が所定の誤差δ未満かどうか判断する。このようにステップS6〜S9を繰り返すことで重み付け係数ωiを可変して、ステップS10で磁気ソース8での磁場の検出信号である電圧信号Viにより基準データ(誤差δを含む)を算出するための、磁気センサ16の各電圧信号Viに対する各重み付け係数ωiが決定される。電圧信号Viに対応させてパソコン20が内部メモリに各重み付け係数ωiを格納する。
【0025】
このように決定された重み付け係数ωiが、磁気ソース8での磁場での磁気センサ16のテーブルデータとして補正回路21に記憶されている。
【0026】
(作用)
このように構成された本実施の形態の作用について説明する。ベッド15に横になっている患者14の体腔内に超音波内視鏡1の挿入部2を挿入し、パソコン10の制御の基に、超音波画像形成装置13により超音波内視鏡1の先端に設けられた超音波振動子5及びフレキシブルシャフト6を駆動しラジアルスキャンすると共に超音波内視鏡1の挿入部2を挿抜しリニアスキャンすることでスパイラルスキャンにより3次元超音波画像を形成する。
【0027】
このとき、位置検出装置19は、電流発生器23より超音波内視鏡1の金属部材よりなる硬性部3に設けられた磁気ソース8に電流を供給し磁気ソース8により磁場を発生させる。そして、この磁場をベッド15の所定の位置に配置されている磁気センサ16の16個のコイルにより電圧信号Vi(i=1〜16)として位置検出装置19の補正回路21に入力される。
【0028】
補正回路21では、金属部材よりなる硬性部3の磁場への影響を補正するため、検出された電圧信号Vi(i=1〜16)に対して、予め格納されている重み付け係数ωiを乗算しωi×Viを位置算出回路22に出力し、位置算出回路22はこのωi×Viにより超音波内視鏡1の先端の位置データ及び配向データを算出する。
【0029】
そして、パソコン20は、この算出された超音波内視鏡1の先端の位置データ及び配向データに基づいた3次元超音波画像を形成するように超音波画像形成装置13を制御しこれにより、超音波画像形成装置13は、正確な3次元超音波画像をモニタ12に表示する。
【0030】
(効果)
このように本実施の形態では、金属部材よりなる硬性部3に配置された磁気ソース8から発せられた磁場を、磁気センサ16の各コイルで電圧信号Vi(i=1〜16)として検出し、この電圧信号Vi(i=1〜16)に補正回路21で予め算出されている重み付け係数ωiを乗算し補正し、位置算出回路22でこの補正された電圧信号ωi×Viにより、超音波内視鏡1の先端の位置データ及び配向データを算出するので、被検体検査対象領域の3次元空間内において、磁気ソース8から発せられる磁場を歪ませる、磁気ソース8が配置された金属部材よりなる硬性部3の影響を除去することができ、これにより超音波画像形成装置13は正確な3次元超音波画像をモニタ12に表示することができる。
【0031】
なお、上記実施の形態では超音波内視鏡1の先端に磁場を発生する磁気ソースを設け、それを磁気センサで検出するとしたが、超音波内視鏡1の先端に磁気センサを設け、外部から磁場を発生させる場合においても本実施の形態が適用できることはいうまでもない。
【0032】
[付記1]
(付記項1−1)磁場を発生する送信コイルと、前記送信コイルが発生する磁場を検出する受信コイルとを具備し、前記送信コイル及び前記受信コイルのうちいずれか一方が超音波内視鏡の先端に配置され、前記受信コイルが検出した検出信号により前記超音波内視鏡の先端の位置を算出する位置算出手段を備えた超音波診断装置において、
前記超音波内視鏡を構成する金属部品によって生じる磁場に歪みによる前記受信コイルの検出信号の変化を補正する補正手段を備えた
ことを特徴とする超音波診断装置。
【0033】
(付記項1−2) 前記補正手段は、前記受信コイルの検出信号に重み係数を乗算することにより補正する
ことを特徴とする付記項1−1に記載の超音波診断装置。
【0034】
ところで、例えば特開平6−261900号公報やWO96/05768では、超音波内視鏡等の先端に直交する3軸に沿った3つのコイルにより磁気ソースを形成し、この磁気ソースからの磁場を検出することで、超音波内視鏡の先端の位置を算出し3次元超音波画像を得ているが、この磁気ソースの各コイルを直交する軸に正確に位置させることは難しく、各コイルに軸ずれがあると、超音波内視鏡の先端の位置を正確に算出することができず、3次元画像が歪むという問題がある。
【0035】
そこで、次に各コイルに軸ずれがあっても正確に超音波内視鏡の先端の位置を算出することのできる超音波診断装置について説明する。
【0036】
図6ないし図8は各コイルに軸ずれがあっても正確に超音波内視鏡の先端の位置を算出することのできる第1の実施の形態に係わり、図6は超音波内視鏡の先端の構成を示す断面図、図7は図6の超音波内視鏡を備えた超音波診断装置の構成を示す構成図、図8は図7の磁気センサの構成を示す構成図、図9は図7のROMの格納されている補正データを説明する説明図である。
【0037】
(構成)
超音波内視鏡101は、図6に示すように、挿入部102の先端に硬性な硬性部103を有し、この硬性部103の先端には一体的に連設されたシース104が設けられている。そして、このシース104には超音波振動子105が挿入部102及び硬性部103を挿通しているフレキシブルシャフト106に回転自在に連結され状態で配置され、シース104の内部には超音波伝達媒体710が充填されている。また、硬性部103には直交する2つの軸に沿って配置された磁場を発生する2つの送信コイル108a、108bからなる磁気ソース108が内蔵されている。
【0038】
本実施の形態の超音波診断装置111は、図7に示すように、上記超音波内視鏡101と、この超音波内視鏡101の超音波振動子5及びフレキシブルシャフト6を駆動すると共に超音波振動子5からのエコーデータにより3次元の超音波画像を形成しモニタ112に3次元超音波画像を表示させる超音波画像処理装置113と、超音波内視鏡101の磁気ソース108が発生した磁場を検出する複数例えば直交する3軸に沿って設けられた3つの受信コイル114a、114b,114cからなる磁気センサ115(図8参照)と、超音波画像処理装置113の制御により磁気ソース108に電流を供給し磁場を発生させる電流発生器116と、磁気センサ115からの磁場検出信号を入力し磁気ソース108の位置を算出する位置検出装置117と、位置検出装置117が算出した位置データをROM118に予め格納されている補正データにより補正し超音波画像処理装置113に出力する補正装置119とを備えて構成され、超音波画像処理装置113は、補正装置119からの補正された位置データに基づき超音波振動子5からのエコーデータにより3次元の超音波画像を形成しモニタ112に3次元超音波画像を表示させる。
【0039】
次に、ROM118の格納されている補正データについて説明する。図9は実際の空間上に設けらた仮想的な1003の格子点を有する立方体である。例えば、ここで格子間隔は1mmとする。工場出荷時に磁気センサ115を所定の位置に固定し、磁気ソース108の中心を順次、この格子点の各々の位置に配置する。このとき、磁気ソース108の中心をなるべく正確に格子点に配置する必要があるが、例えばレーザ測距計を用いたり、磁場を乱さない材質からなるステージ等の測定器を用いることで、磁気ソース108の中心を正確に格子点に配置している。
【0040】
そして、磁気ソース108の中心が格子点i(i=1〜1003)に位置され、この格子点の座標データRi(Xi、Yi、Zi)を上記の測定器により正確に測定すると共に、電流発生器116より磁気ソース108に電流を供給し磁場を発生させ、この磁場を磁気センサ115が検出し、この検出信号により位置検出装置117が位置データri(xi、yi、zi)を算出する。
【0041】
このようにして、測定器により正確に測定された座標データRi(Xi、Yi、Zi)に対応した位置検出装置117が算出した位置データri(xi、yi、zi)が得られ、ROM118には全ての格子点での座標データRi(Xi、Yi、Zi)と位置データri(xi、yi、zi)との対応が、表1に示すようなテーブル形式の補正データが格納される。
【0042】
【表1】
Figure 0004136089
(作用)
次に、このように構成された本実施の形態の作用について説明する。
【0043】
体腔内に超音波内視鏡101の挿入部102を挿入し、超音波画像処理装置113により超音波内視鏡101の先端に設けられた超音波振動10子5及びフレキシブルシャフト106を駆動しラジアルスキャンすると共に超音波内視鏡101の挿入部102を挿抜しリニアスキャンすることでスパイラルスキャンにより3次元超音波画像を形成する。
【0044】
このとき、電流発生器116より超音波内視鏡101の磁気ソース108に電流を供給し磁気ソース108により磁場を発生させる。そして、この磁場を所定の位置に配置されている磁気センサ115により磁場の強度を検出し、位置検出装置117において検出した磁場の強度から、磁気ソース108及び磁気センサ115の各コイルが軸ずれすることなく正確に直交しているものとして、理論的な位置データr(x、y、z)を算出し補正装置119にこの位置データr(x、y、z)を出力する。
【0045】
補正装置119では、ROM118に格納されているテーブル形式の補正データ(表1参照)を読み込み、位置検出装置117から順次出力される位置データr(x、y、z)が、テーブル形式の補正データ中のどの位置データri(xi、yi、zi)に最も近いか判断し、最も近い位置データri(xi、yi、zi)に対応する座標データRi(Xi、Yi、Zi)を、順次出力される位置データr(x、y、z)を補正した位置データr’(r’=Ri)として超音波画像処理装置113に出力し、超音波画像形成装置113は、正確な3次元超音波画像をモニタ112に表示する。
【0046】
このとき、位置データr(x、y、z)がテーブル形式の補正データ中のどの位置データri(xi、yi、zi)に最も近いかの判断は、以下の式(1)により行う。
【0047】
【数1】
Figure 0004136089
(効果)
このように本実施の形態では、磁気ソース108から発せられた磁場を磁気センサ115で検出し、位置検出装置117が算出した位置データr(x、y、z)を補正装置119で補正データにより座標データRi(Xi、Yi、Zi)に変換して、補正した正確な位置データr’(r’=Ri)として超音波画像処理装置113に出力するので、たとえ磁気ソース108あるいは磁気センサ115の各コイルが軸ずれしていても、正確な正確な位置データr’(r’=Ri)が超音波画像処理装置113に出力されるので、正確な3次元超音波画像をモニタ112に表示することができる。
【0048】
なお、上記実施の形態では超音波内視鏡101の先端に磁場を発生する磁気ソースを設け、それを磁気センサで検出するとしたが、超音波内視鏡101の先端に磁気センサを設け、外部から磁場を発生させる場合においても本実施の形態が適用できることはいうまでもない。
【0049】
図10及び図11は各コイルに軸ずれがあっても正確に超音波内視鏡の先端の位置を算出することのできる第2の実施の形態に係わり、図10は補正装置における線形内挿による推定式を説明する第1の説明図、図11は図10により説明した推定式の第2の説明図である。
【0050】
(構成)
本実施の形態は、図6ないし図9で説明した各コイルに軸ずれがあっても正確に超音波内視鏡の先端の位置を算出することのできる第1の実施の形態の構成と同じであり、補正装置119における補正動作が異なるのみであるので、異なる点のみ説明する。
【0051】
(作用)
図6ないし図9で説明した実施の形態では、位置検出装置117が算出した位置データr(x、y、z)を補正装置119で補正データにより座標データRi(Xi、Yi、Zi)に変換して、補正した正確な位置データr’(r’=Ri)としていたが、本実施の形態では、複数の格子点での位置データri(xi、yi、zi)を基に、位置検出装置117から順次出力される位置データr(x、y、z)の正確な座標データR’(X’、Y’、Z’)を推定し、この座標データR’(X’、Y’、Z’)を超音波画像処理装置113に出力するものである。
【0052】
詳細には、まず、位置検出装置117から順次出力される位置データr(x、y、z)に対して、ROM118に格納されているテーブル形式の補正データ(表1参照)の中の位置データri(xi、yi、zi)のうち最も近い順から4つの格子点の位置データri(xi、yi、zi)を抽出する。なお、近いか否かの判断は、式(1)により行う。
【0053】
次に、抽出した4つの格子点の番号を位置データr(x、y、z)に近い順から、i=0、1、2、3と付け直す。
【0054】
そして、位置検出装置117から順次出力される位置データr(x、y、z)と、抽出された4つの格子点の位置データri(xi、yi、zi)(i=0、1、2、3)及びこの4つの正確な座標データ座標データri(xi、yi、zi)(i=0、1、2、3)とから、位置データr(x、y、z)の正確な座標データR’(X’、Y’、Z’)を推定する。
【0055】
具体的には、この座標データR’(X’、Y’、Z’)を以下の式(2)ないし式(5)による線形内挿により推定する。
【0056】
【数2】
Figure 0004136089
【数3】
Figure 0004136089
【数4】
Figure 0004136089
【数5】
Figure 0004136089
なお、式(5)でのベクトルr、r0、r1、r2、r3は、3行1列の列ベクトルとして扱う。従って、[r1−r02−r03−r0]は3行3列の行列である。
【0057】
そして、得られた座標データR’(X’、Y’、Z’)を、位置検出装置117から順次出力される位置データr(x、y、z)に対応する補正された正確な位置データとして超音波画像処理装置113に出力する。
【0058】
一般に、n次元空間Vで定義された連続関数f上の値f(r)を、f上の複数の既知データf(r0)、f(r1)、f(r2)、f(r3)、……から線形内挿して推定する際には、n+1個のデータf(ri)(i=0〜n)があれば推定することができる。このとき、推定値をf’(r)として、以下の式(6)及び式(7)のように書くことができ、本実施の形態での式(2)ないし(5)はこの式(6)及び式(7)を応用したものである。
【0059】
【数6】
Figure 0004136089
【数7】
Figure 0004136089
式(6)及び式(7)の導出方法の詳細は省略するが、概略は以下の通りである。簡単のためn=2の場合で説明する。
【0060】
図10に2次元空間(従って平面)V上で定義された連続関数fを示す。これは式(6)でのn=2の場合に相当する。ここで、fを示す軸を含めた3(n+1)次元空間を考える。V上の3点r0、r1、r2は、対応する関数値f(r0)、f(r1)、f(r2)を含め、この3次元空間上では図9に示す点P0、P1、P2と表現することができる。ここで、f(r)を線形内挿により推定するということは、V上の点rに対応する点Pが平面P012上に存在すると仮定して、その推定値f’(r)を求めることである。これを定式化すると、以下の式(8)及び式(9)のようになる。
【0061】
rが平面V上に存在する:
【数8】
Figure 0004136089
Pが平面P012上に存在する:
【数9】
Figure 0004136089
1−r0、r2−r0が1次独立(n=2の場合、r0、r1、r2が1直線上に存在しない)であるようなデータであることを仮定すると、Ci=Ci’が導かれる。結局、式(8)、式(9)を解いて成分の1つであるf’(r)を求めることで、式(6)、式(7)が導かれ、f(r)の推定が可能となる。
【0062】
次に、式(6)、式(7)を確かめるため、図11に示すような連続関数が1次元空間(x軸上)で定義されているような場合を考える。n=1とおけばよいわけであるから、この場合は、以下のように書くことができる。
【0063】
【数10】
f’(x)=f(x0)+C(f(x1)−f(x0)) …(10)
そして、n=1のときの式(7)を式(10)に代入してCを消去すると、
【数11】
Figure 0004136089
となり、これは一般の連続関数の線形内挿の式となる。
【0064】
(効果)
このように本実施の形態では、図6ないし図9で説明した各コイルに軸ずれがあっても正確に超音波内視鏡の先端の位置を算出することのできる第1の実施の形態では、格子間隔以下の刻みの補正された位置データを得ることはできなかったが、線形内挿して座標データを推定するようにしたので、格子間隔以下の細かいデータを取得することができる。
【0065】
また、格子間隔以下の細かいデータを取得することができるため、格子間隔を広げ格子点を少なくすることで、工場出荷時の補正データ作成のための工数を削減できる。あるいは格子全体を大きくし、補正が可能な領域を広げることも容易である。
【0066】
図12は各コイルに軸ずれがあっても正確に超音波内視鏡の先端の位置を算出することのできる第3の実施の形態に係る補正装置における格子点抽出方法を説明する説明図である。
【0067】
(構成)
本実施の形態は、図6ないし図9で説明した各コイルに軸ずれがあっても正確に超音波内視鏡の先端の位置を算出することのできる第1の実施の形態の構成と同じであり、ROM118に格納されているテーブル形式の補正データと補正装置119における補正動作が異なるのみであるので、異なる点のみ説明する。
【0068】
(作用)
各コイルに軸ずれがあっても正確に超音波内視鏡の先端の位置を算出することのできる第1及び第2の実施の形態では、正確な座標データRi(Xi、Yi、Zi)を一定の刻みにした表1に示したテーブル形式の補正データをROM118に格納したが、本実施の形態では、この補正データを、さらに位置検出装置117が算出した位置データri(xi、yi、zi)を一定の刻みとした表2に示されるテーブル形式の第2の補正データを作成し、この第2の補正データをROM118に格納する。この第2の補正データは、一定の刻みをもった位置データri(xi、yi、zi)に対する正確な座標データRi(Xi、Yi、Zi)を、各コイルに軸ずれがあっても正確に超音波内視鏡の先端の位置を算出することのできる第2の実施の形態で説明した方法で推定して得ることができる。この演算、作業は工場出荷時等に行う。
【0069】
【表2】
Figure 0004136089
このようにすることで、図12に示すように、位置検出装置117から順次出力される位置データr(x、y、z)を囲むような位置データを持つ位置データr(x、y、z)近傍の8個の格子点(位置データri(xi、yi、zi))を、位置データr(x、y、z)の値から瞬時に抽出することができる。このため、上記第2の実施に形態における位置データr(x、y、z)に最も近い順から4点を抽出する動作は、結局この8点から抽出すればよく、動作を簡略化することができる。その他の作用は上記第2の実施に形態と同じである。
【0070】
(効果)
このように本実施の形態では、位置検出装置117から順次出力される位置データr(x、y、z)を囲むような位置データを持つ位置データr(x、y、z)近傍の8個の格子点(位置データri(xi、yi、zi))を、位置データr(x、y、z)の値から瞬時に抽出することができるので、全ての格子点について位置データ間の距離|r−ri|を計算することなく、簡単に位置データr(x、y、z)に最も近い順から4点を抽出することができる。このため、位置検出装置117から順次出力される位置データr(x、y、z)に対応した正確な座標データRを推定する演算速度を飛躍的に向上させることができる。
【0071】
[付記2]
(付記項2−1) 磁場を発生する送信コイルと、前記送信コイルが発生する磁場を検出する受信コイルとを具備し、前記送信コイル及び前記受信コイルのうちいずれか一方が超音波内視鏡の先端に配置され、前記受信コイルが検出した検出信号により前記超音波内視鏡の先端の位置を算出する位置算出手段を備え、前記送信コイルもしくは前記受信コイルのうち少なくとも一方が軸が直交する複数のコイルからなるコイル群である超音波診断装置において、
前記コイル群の軸ずれに起因する位置ずれを補正する補正手段を備えた
ことを特徴とする超音波診断装置。
【0072】
(付記項2−2) 前記位置ずれを補正する補正データを記録した記録手段を備え、
前記補正手段は、前記補正データに基づいて前記位置ずれを補正する
ことを特徴とする付記項2−1に記載の超音波診断装置。
【0073】
(付記項2−3) 前記補正データが、前記位置算出手段が算出した位置データと、前記位置データとは別に測定された実測値との対応を示すデータである
ことを特徴とする付記項2−2に記載の超音波診断装置。
【0074】
(付記項2−4) 前記補正手段は、前記位置算出手段が算出した位置データを線形内挿して得られた値を用いて補正する
ことを特徴とする付記項2−2または2−3に記載の超音波診断装置。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の超音波診断装置によれば補正手段が超音波内視鏡を構成する金属部品によって生じる磁場に歪みによる受信コイルの検出信号の変化を補正するので、超音波内視鏡を構成する金属部品による磁界の歪みの影響を排除し、超音波内視鏡の先端の正確な位置及び配向の算出ができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る超音波内視鏡の先端の構成を示す断面図
【図2】図1の超音波内視鏡を備えた超音波診断装置の構成を示す構成図
【図3】図2の位置検出装置の構成を示す構成図
【図4】図3の補正回路に予め記憶されている重み付け係数を説明する第1の説明図
【図5】図3の補正回路に予め記憶されている重み付け係数を説明する第2の説明図
【図6】各コイルに軸ずれがあっても正確に超音波内視鏡の先端の位置を算出することのできる第1の実施の形態に係る超音波内視鏡の先端の構成を示す断面図
【図7】図6の超音波内視鏡を備えた超音波診断装置の構成を示す構成図
【図8】図7の磁気センサの構成を示す構成図
【図9】図7のROMの格納されている補正データを説明する説明図
【図10】各コイルに軸ずれがあっても正確に超音波内視鏡の先端の位置を算出することのできる第2の実施の形態に係る補正装置における線形内挿による推定式を説明する第1の説明図
【図11】図10により説明した推定式の第2の説明図
【図12】各コイルに軸ずれがあっても正確に超音波内視鏡の先端の位置を算出することのできる第3の実施の形態に係る補正装置における格子点抽出方法を説明する説明図
【符号の説明】
1…超音波内視鏡
2…挿入部
3…硬性部
4…シース
5…超音波振動子
6…フレキシブルシャフト
7…超音波伝達媒体
8…磁気ソース
11…超音波診断装置
12…モニタ
13…超音波画像形成装置
16…磁気センサ
19…位置検出装置
20…パソコン
21…補正回路
22…位置算出回路
23…電流発生器

Claims (8)

  1. 磁場を発生する送信コイルと、
    前記送信コイルが発生する磁場を検出する受信コイルと
    を具備し、
    前記送信コイル及び前記受信コイルのうちいずれか一方が超音波内視鏡の先端に配置され、前記受信コイルが検出した検出信号により前記超音波内視鏡の先端の位置情報を算出する位置情報算出手段
    を備えた超音波診断装置において、
    前記超音波内視鏡の先端を空間上の仮想点の所定位置に配置したときの、前記受信コイルが検出した検出信号に基づき、前記検出信号を補正するための検出信号補正情報を生成する検出補正情報生成手段と、
    前記検出信号補正情報を用いて、前記受信コイルが出力する前記検出信号を補正する検出信号補正手段と、
    を備えたことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記超音波内視鏡の先端を前記仮想点の所定位置に配置したときの前記位置算出手段が算出した前記位置情報である仮想点位置情報と、あるいは前記仮想点位置情報を補間し推定した推定位置情報である仮想点推定位置情報とのうち、少なくとも一方を格納する記憶手段と、
    前記記憶手段が格納している前記仮想点位置情報あるいは前記仮想点推定位置情報を用いて、前記位置算出手段が算出する前記位置情報を補正する位置情報補正手段と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記超音波内視鏡の先端を前記仮想点の所定位置に配置したときの前記位置算出手段が算出した前記位置情報である仮想点位置情報と、前記仮想点位置情報を得たときの前記仮想点の既知の位置を補間し推定した推定位置情報である仮想点推定位置情報とを、関連付けて格納する記憶手段と、
    前記記憶手段が格納している、関連付けられた前記仮想点位置情報及び前記仮想点推定位置情報を用いて、前記位置算出手段が算出する前記位置情報を補正する位置情報補正手段と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  4. 前記位置情報補正手段による前記位置算出手段が算出する前記既知の位置の補間は、線形内挿による補間である
    ことを特徴とする請求項3に記載の超音波診断装置。
  5. 前記空間上の仮想点は、前記空間上に仮想的に配置した格子の複数の格子点である
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の超音波診断装置。
  6. 前記複数の格子点の間隔は、一定間隔である
    ことを特徴とする請求項5に記載の超音波診断装置。
  7. 前記仮想点推定位置情報は、前記超音波内視鏡の先端を複数の既知の位置に配置したときに前記位置算出手段が算出した前記位置情報を用いて、前記仮想点位置情報を得たときの前記仮想点の前記既知の位置を補間して推定した推定情報である
    ことを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1つに超音波診断装置。
  8. 前記検出信号補正手段は、前記受信コイルの検出信号に、前記検出信号補正情報に基づく重み係数を乗算することにより前記補正を行う
    ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の超音波診断装置。
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