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JP4136995B2 - 歪みを検出する面状体及びその製造方法 - Google Patents
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Description

本発明は、光ファイバを利用して歪みを検出する面状体及びその製造方法に関するものである。
盛土の変形を検出する方法のひとつとして光ファイバを用いる方法が試みられている。
この方法は、ジオグリッド等の盛土補強材として機能する面状体を盛土に埋設する際に、光ファイバを一緒に埋設し、盛土の性情変化を埋設した光ファイバの歪み変化として測定する方法である。
前記した光ファイバと面状体を組み合わせた測定技術にあっては、次のような問題点がある。
(1)光ファイバと面状体を一体化する好適な製造技術が提案されていない。
特に、光ファイバは熱に対して弱いため、溶融した面状体材料を基に格子状の面状体を製造する過程で光ファイバを組み込むことが技術的に難しい。
(2)耐熱性に優れた特殊な光ファイバを面状体の製造時に直接埋設する発明も存在するが(特開2002−122414)、耐熱性に優れた特殊な光ファイバは一般の光ファイバと比べて非常に高額であるため、実用面で改善の余地がある。
(3)光ファイバは損傷し易いから、面状体の外部に光ファイバを後付けしても、変位した時に光ファイバがずれて面状体の変位に追従できなかったり光ファイバが棄損したりするために、後付けする方法も実用的ではない。
(4)以上の理由から、コストや検出精度の面で実用化するまでには至っていない。
本発明は以上の点に鑑みて成されたもので、その目的とするところは、つぎの何れかひとつの歪みを検出する面状体及びその製造方法を提供することにある。
(1)面状体に光ファイバを組み付けることを実用化すること。
(2)光ファイバを一体に組み付けた面状体を低廉に製造できること。
(3)面状体を介して歪みを正確に検出できること。
本発明に係る歪みを検出する面状体は、所定の位置の歪みを検出するための面状体であって、面状体材料に一体に組み込む光ファイバ挿入用の保護管と、前記保護管内に挿入する光ファイバとよりなり、保護管に光ファイバを挿入して一体化したことを特徴とするものである。
さらに本発明に係る歪みを検出する面状体は、前記した何れかの歪みを検出する面状体において、保護管の外周面と自己接着力により面状体材料が一体化していることを特徴とするものである。
さらに本発明に係る歪みを検出する面状体は、前記した何れかの歪みを検出する面状体において、保護管の周面を凹凸形状に形成し、面状体材料と前記保護管の周面とが密着して一体化していることを特徴とするものである。
さらに本発明に係る歪みを検出する面状体は、前記した何れかの歪みを検出する面状体において、保護管と光ファイバの間に接着剤による固結層を形成し、前記固結層を介して保護管と光ファイバが一体化していることを特徴とするものである。
また本発明に係る歪みを検出するための面状体の製造方法は、溶融した面状体材料を格子状にして面状体を形成するときに、溶融した面状体材料内に光ファイバ収納用の保護管を挿入して一体に固着することを特徴とするものである。
本発明に係る歪みを検出するための面状体の製造方法は、溶融した面状体材料を格子状にして面状体を形成するときに、溶融した面状体材料内に光ファイバ収納用の保護管を挿入して一体に固着し、前記面状体の保護管内に光ファイバを収容して保護管と光ファイバとを一体化することを特徴とするものである。
さらに本発明に係る歪みを検出する面状体の製造方法は、前記した何れかの面状体の製造方法において、溶融する面状体材料の自己接着力により保護管の外周面と一体化させることを特徴とするものである。
さらに本発明に係る歪みを検出する面状体の製造方法は、前記した何れかの面状体の製造方法において、周面に凹凸加工を施した保護管を使用し、溶融する面状体材料の自己接着力により前記保護管の凹凸形状を有する外周面と一体化させることを特徴とするものである。保護管の凹凸形状を付与するには、例えば表面に凹凸を加工した2個以上のローラで保護管を押しながら回転して、保護管の周面に凹凸加工を施すことにより形成することができる。
さらに本発明に係る面状体の製造方法は、前記した何れかの面状体の製造方法において、保護管と光ファイバの間を接着剤による固結層により一体化することを特徴とするものである。
上述した各面状体は、補強材、排水材、土木シート、フィルタ、又は遮水シートであることを特徴とするものである。
本発明は少なくともつぎの一つの効果を得ることができる。
(1)面状体材料に保護管を予め一体に組み込んだ後に、保護管内に光ファイバを配置する構成を採用することで、光ファイバを常温の環境下で面状体に組み付けできることとなり、これまで困難であった光ファイバを組み込んだ歪み検出機能を有する面状体の実用化が可能となる。
(2)光ファイバを高温の環境でなく常温で組み付けできるので、一般の安価な光ファイバの使用が可能となり、歪みを検出する面状体の製造コストを大幅に低減できる。
(3)面状体と保護管と光ファイバの三部材を一体化することで、面状体の変位に保護管と光ファイバが追従できるので、歪みの検出精度が大幅に向上する。
殊に凹凸加工を施した保護管を使用した場合は、凹凸を施さないものと比べて追従性が良くなるので、歪みの検出精度がさらによくなる。
以下図面を参照しながら本発明の好適なト実施の形態について説明する。
<1>歪みの検出技術の概要
図1に歪みを検出できる面状体1の斜視図を示す。
本発明は面状体本体14を製造する際に、溶融した面状体材料に保護管21を一体に組み込んだものであり、光ファイバ2を後から保護管21に挿入して一体化することで歪みを検出できる面状体1が得られる。
面状体本体14に変形や伸張等の変位を生じると、面状体本体14にかかる力がそのまま保護管21を介して保護管21内の光ファイバ2へ伝えられる結果、保護管21と光ファイバ2が面状体本体14に追従して変位する。この光ファイバ2の歪みを電気的に検出することで、面状体本体14の変位の有無とその変位量を測定又は監視するものである。
図示した歪みを検出できる面状体1について説明すると、面状体本体14は保護管21を有する。保護管21内に設置した光ファイバ2の端は、歪み検出装置23に接続する。面状体1に力が作用し、保護管21の所定個所に歪みが生じると、光ファイバ2を経由して歪み検出装置23でその所定個所の位置と歪みの量を測定することができる。光ファイバ歪み検出装置22は、例えば「BOTDR」(安藤電気株式会社製)が使用できる。
<2>面状体本体
面状体本体14は、2方向又は複数方向に物体があり、その中間に空間がある格子状のものである。
図1に盛土の補強材として一般に使用される格子状の面状体本体14を示す。面状体本体14は、例えばポリエチレン等の樹脂を主材とする縦材12と横材11とを格子状に形成するもので、縦材12又は横材11の何れか一方にはアラミド繊維、炭素繊維やガラス繊維等の補強線13を入れて、強度を増している。
保護管21は、面状体の歪みを検出する必要な位置に配置されるように取り付けられる。保護管21の設置方法については後述する。
図1の格子状の面状体では、保護管21を特定の縦材12に配置した形態を示す。
また、面状体本体14は、上記した樹脂製のネット材の他に、網、織物、編物又は不織布のように糸状材料で形成したものや、板状に形成したものも含むものであり、またその全体形状も正方形や長方形等の矩形の他に、円形や楕円形等の輪郭形状が曲線形であってもよく、特に形状の制約はない。
<3>保護管
保護管21は、面状体本体14に予め組み込んで光ファイバ2の損傷を保護する保護部材である。
本例では面状体本体14内に保護管21を完全に埋設した形態について説明するが、面状体本体14に組み込むその他の形態としては、保護管21を面状体本体14内の表面から一部を露出させて配置する形態や、保護管21を面状体本体14に絡み合わせる形態も含むものである。いずれの組み込み形態においても、面状体本体14の変形や変位などの歪みを保護管21に直接伝達できる設置構造が好ましい。
保護管21は、プラスチック製、金属製など、内部に収容した光ファイバを、熱や外力から物理的に保護できる性質と、面状体本体14の変形や変位に追従して歪みを容易に受ける性質の材質が好ましい。
実用上、保護管21にはステンレス管が望ましい。
保護管21は、少なくともその外周面に凹凸形状を設けて、面状体本体14との一体性を高めて面状体本体14の変形に対する追従性を向上できるようになっている。
凹凸形状は、溝、突起、孔などの形状であり、保護管21の外周全面に亘って設けたり、又はその一部に設けたり、或いは又は、全体的に均一に分散させて設けたりする。要は保護管21と面状体本体14との間の滑り抵抗を増すことができる形状と構造であればよい。
<4>保護管の凹凸形状
前記した凹凸形状は、保護管21の外周面にだけ設け、内周面を円滑に形成する形態と、保護管21の内外両面に形成する形態のふたつがある。
保護管21の内外両面に凹凸形状211を形成するには、例えば保護管21を外部から加圧して塑性変形させることで、保護管21の内面にも外周面の凹凸に対応した凹凸形状を形成することができる。
保護管21に凹凸形状211を形成するには、例えば図2に示すように、複数の成形用ローラ51を具備した加工装置を使用して形成することができる。
成形用ローラ51は外周面に歯型を形成した回転ローラで、二個のローラ51を一組として相対向して配置し、成形加工前の保護管21の外径より狭い間隔で配置してある。
図2は一組の成形用ローラ51を配置して保護管21を挟み押圧しながら保護管21の2方向に凹凸形状211を形成した場合を示し、図3は成形用ローラ51を二組配置して保護管21の四方に凹凸形状211を形成する場合を示す。
成形用ローラ51の設置組数や歯型形状については適宜選択するものとする。
<5>保護管の設置方法
本例では面状体本体14を製造する際に保護管21を一緒に組み込む場合について説明する。
図6は面状体本体14を製造する面状体の製造装置4のモデル図で、容器4内には溶融状態で樹脂等の面状体材料が収容してあり、容器4の真下には形成部42が位置し、形成部42の前方には巻取ドラム43が設けられている。
形成部42の後方には、形成部42内へ向けて単数又は複数の凹凸加工を施した保護管21と、図示を省略した補強線13とを連続供給できるようになっている。
そして、容器4内の溶融状態の面状体材料を形成部42に供給し、形成部42の内部で網状に成形するとき、保護管21を溶融状態の面状体本体14の内部に長手方向に向けて埋設する。保護管21を埋設した溶融状態の面状体本体14は、水冷又は空冷による強制冷却を経て巻取ドラム43に巻き取られる。
このように凹凸形状211を施した保護管21を面状体本体14の製造時に一緒に埋設させることで、面状体本体14の材料による自己接着力により保護管21の外周面と接着して一体化する。殊に図4に示すように保護管21の外周面の凹凸形状211があると、面状体本体14の母材が互い食い込んで密着度がさらに増すことになる。保護管21に凹凸形状を設けない場合と比べて相互間の抜き取り抵抗は格段に高くなり、保護管21と面状体は実質的に一体化となる。
尚、保護管21の凹凸加工は、面状体本体14を製造する課程で並行して行うか、或いは予め凹凸加工を施した保護管21を使用するかの何れでもよい。
光ファイバ2は保護管21を組み込んで製造した面状体本体14を対象に組み付ける。すなわち、保護管21内に光ファイバ2を挿入して一体に固定して、歪みを検出できる面状体1を得る。
保護管21と光ファイバ2の固定手段としては、接着、圧入等の手段を適用可能で、実用上は挿入直前に光ファイバ2に接着剤を塗布するとよい。接着剤を用いる場合、挿入途中で固結しないように接着剤に固化遅延剤を添加して固結時間を長くするとよい。
以上のように、保護管21に光ファイバ2を後から挿入して一体化するため、光ファイバ2は面状体本体14を製造する時に発生する熱(熔融熱)の影響をまったく受けずにセットすることができる。
特に、図5に示すように、内外両面に凹凸を形成した保護管21内に接着剤を介して光ファイバ2を固定すると、光ファイバ21と接着剤の固結層22の間を強固に固着できるうえに、保護管21の凹凸形状211に接着剤の固結層22が食い込んで両部材21,22間もより強固に固着することができる。
<6>使用方法の一例
歪みを検出できる面状体1の使用方法の一例を図7に示す。
歪みを検出できる面状体1を盛土補強材として盛土3内に水平に敷設し、各層の歪みを検出できる面状体1からのびる光ファイバ2を、公知の歪み検出装置23に接続する。
歪みを検出できる面状体1は、土を拘束して盛土3の滑りを抑える本来の補強機能に加えて、盛土3の変位計測機能を併有する。
すなわち、地盤沈下や土砂崩壊の予兆時には土砂移動が起きる。土砂移動を生じると、その箇所の歪みを検出できる面状体1に引張力や収縮力が働く。その結果、その所定位置にある保護管21と光ファイバ2に歪みが生じる。
この光ファイバ2の変位を歪み検出装置22で測定することにより、盛土3のどこに土のズレが生じているかを観測することができる。
また、歪みを検出できる面状体1を盛土3に層状に配置することにより、盛土全体の歪みを観測することができる。
歪みを検出できる面状体1は、図7では盛土補強材として使用した場合について示したが、その他に排水材、土木シート、フィルタ、遮水シートなどの土木用材料の面状体を使用すれば、これらの本来の機能と共に、歪み計としても使用することができる。
また歪みを検出できる面状体1は、トンネル、堤防、ダムなどの各種の土木工事において、歪みの計測だけを目的として使用してもよい。
<7>他の実施の形態
図8,9は、保護管211に凹凸形状を設けないで面状体本体14に組み込んだ場合と、この凹凸形状を設けない保護管211に光ファイバ2を収容して歪みを検出できる面状体1を形成した場合を示す。
又、以上は予め保護管21を組み付けてから光ファイバ2を後から挿入してセットする場合について説明したが、予め保護管21に光ファイバ2を挿入しておき、光ファイバ2を挿入した状態の保護管21を面状体本体14の製造時に一緒に組み込んでも良い。この場合、保護管21には光ファイバ2を熔融熱から保護できるだけの断熱性(低熱伝導性)のある素材を用いる必要がある。
格子状の歪みを検出できる面状体の説明図 保護管に凹凸形状を形成する加工装置の説明図 保護管に凹凸形状を形成する他の加工装置の説明図 保護管を埋設した面状体本体の横断断面図 保護管に光ファイバを収容した面状体本体の横断断面図 格子状の歪みを検出できる面状体の製造方法の説明図 歪みを検出できる面状体を盛土変位の計測用途に適用した説明図 凹凸形状のない保護管に光ファイバを収容した面状体本体の横断断面図 凹凸形状のない格子状の歪みを検出できる面状体の説明図
符号の説明
1・・・歪みを検知できる面状体
11・・横材
12・・縦材
13・・補強線
14・・面状体本体
2・・・光ファイバ
21・・保護管
211・凹凸形状
22・・接着薬の固結層
23・・光ファイバ歪み検出装置
3・・・盛土
4・・・面状体の製造装置
41・・容器
42・・形成部
43・・巻取ドラム
5・・・加工装置
51・・成形用ローラ

Claims (9)

  1. 所定の位置の歪みを検出するための面状体であって、
    面状体材料に一体に組み込む光ファイバ挿入用の保護管と、
    前記保護管内に挿入する光ファイバとよりなり、
    保護管に光ファイバを挿入して一体化したことを特徴とする、
    歪みを検出する面状体。
  2. 請求項1に記載した歪みを検出する面状体において、保護管の外周面と自己接着力により面状体材料が一体化していることを特徴とする、歪みを検出する面状体。
  3. 請求項1に記載した歪みを検出する面状体において、保護管の周面を凹凸形状に形成し、面状体材料と前記保護管の周面とが密着して一体化していることを特徴とする、歪みを検出する面状体。
  4. 請求項または請求項にの何れかに記載した歪みを検出する面状体において、保護管と光ファイバの間に接着剤による固結層を形成し、前記固結層を介して保護管と光ファイバが一体化していることを特徴とする、歪みを検出する面状体。
  5. 歪みを検出するための面状体の製造方法であって、
    溶融した面状体材料を格子状にして面状体を形成するときに、溶融した面状体材料内に光ファイバ収納用の保護管を挿入して一体に固着することを特徴とする、
    歪みを検出する面状体の製造方法。
  6. 歪みを検出するための面状体の製造方法であって、
    溶融した面状体材料を格子状にして面状体を形成するときに、溶融した面状体材料内に光ファイバ収納用の保護管を挿入して一体に固着し、
    前記面状体の保護管内に光ファイバを収容して保護管と光ファイバとを一体化することを特徴とする、
    歪みを検出する面状体の製造方法。
  7. 請求項または請求項に記載した歪みを検出する面状体の製造方法において、溶融する面状体材料の自己接着力により保護管の外周面と一体化させることを特徴とする、歪みを検出する面状体の製造方法。
  8. 請求項または請求項に記載した歪みを検出する面状体の製造方法において、周面に凹凸加工を施した保護管を使用し、溶融する面状体材料の自己接着力により前記保護管の凹凸形状を有する外周面と一体化させることを特徴とする、歪みを検出する面状体の製造方法。
  9. 請求項乃至請求項の何れかに記載した歪みを検出する面状体の製造方法において、保護管と光ファイバの間を接着剤による固結層により一体化することを特徴とする、歪みを検出する面状体の製造方法。
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