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JP4138624B2 - 無段変速機用ベルトのエレメントの出荷管理方法 - Google Patents
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JP4138624B2 - 無段変速機用ベルトのエレメントの出荷管理方法 - Google Patents

無段変速機用ベルトのエレメントの出荷管理方法 Download PDF

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Description

本発明は、無段変速機用ベルトのエレメントを保管場所からベルト組立工程に出荷する際に実行されるエレメントの出荷管理方法に関する。
図1(a)を参照して、無段変速機用ベルトのエレメント1は、無段変速機のプーリに接触するボデー部2と、ボデー部2にネック部3を介して連設されるヘッド部4とを備える。そして、多数のエレメント1を環状に積層し、ボデー部2とヘッド部4との間に形成されるネック部3の両側の溝部5,5に夫々不図示の無端リングを嵌合して、これらエレメント1を結束することにより無段変速機用ベルトが組み立てられる。尚、エレメント1のボデー部2の片面には、図1(b)に示す如く、無段変速機のプーリにおけるエレメント1の円弧運動を許容するために、ベルト内周側に向かって板厚が減少するように傾斜部6が形成され、また、ヘッド部4には、半抜き加工で片面の突起7と反対面の凹孔8とが形成され、突起7が隣接するエレメントのヘッド部の凹孔に嵌合して、エレメント同士が整列するようにしている。
エレメント1は打抜きプレス装置を用いてコイル材から打抜き成形される(例えば、特許文献1参照。)。この場合、打抜き時の材料の引張り等に起因して、エレメント1のヘッド部4とボデー部2の板厚差や、ボデー部2の幅方向両側の板厚差を生ずることがある。そして、プレス装置に複数の打抜き部を設けて、一回のプレス動作で複数のエレメントを打抜くようにした場合、打抜き部毎にエレメント1の寸法精度、即ち、ヘッド部4とボデー部2の板厚差やボデー部2の幅方向両側の板厚差が微妙に変化する。また、同一の打抜き部で打抜かれたエレメントであっても、コイル材の交換や打抜き部のパンチ、ダイの交換等により、更には、経時的にエレメントの寸法精度が変化する。
ここで、複数の打抜き部を有するプレス装置では、打抜かれたエレメントを受ける受け箱を複数の打抜き部に対応して複数設け、各受け箱に所定個数(例えば6千個)のエレメントが溜まったところで受け箱を新たなものに交換している。この場合、個々の受け箱に収納されているエレメントは、寸法精度がほぼ同一のエレメント群として取り扱うことができる。そこで、各受け箱について抜き取り検査によりエレメントの寸法精度を測定し、その測定データを受け箱内のエレメント群の寸法精度として管理装置に記憶させている。
ところで、無段変速機用ベルトでは、エレメント間のクリアランスがベルトの性能(スリップ率等)に影響を及ぼすため、クリアランスを適正に管理する必要がある。ここで、同一の受け箱内のエレメントを必要数(例えば400個)抽出してベルトを組立てると、これらエレメントの寸法精度がほぼ同一であるため、個々のエレメントの寸法精度の公差中心からの偏差が累積して、良好なクリアランスを持つベルトが得られなくなることが多い。例えば、受け箱内のエレメント1のボデー部4の幅方向一側の板厚が他側の板厚より薄い場合、ベルトの幅方向一側のクリアランスが過大になってしまう。この場合、ボデー部4の幅方向一側の板厚が他側の板厚より厚いエレメントを混ぜてベルトを組立てれば、幅方向両側のクリアランスが均等なベルトを得られる。
従って、保管中の受け箱をベルト組立工程に出荷する際は、エレメントの平均的な寸法精度が公差範囲の中心に可及的に近づくように、各受け箱内のエレメント群の寸法精度に基づいて出荷する受け箱(エレメント群)の組合せを適切に選ぶことが望まれる。この場合、保管中の多数の受け箱に対し全検索的に組合せの探索を行ったのでは、演算量が膨大になってしまう。例えば、保管中の受け箱の数が180個、出荷する受け箱の数が16個とすると、組合せの数は、180C16≒2.92×1022になってしまい、一つの組合せの演算にかかる時間が1μsであっても、トータルの演算時間は約8.11×1012時間にもなってしまい、このような演算を行うことは到底無理である。そのため、受け箱(エレメント群)を複数の打抜き部に対応するものが均等に混ざるように所定数組合わせて出荷しているのが現状である。尚、このようなエレメントの出荷管理方法に関する公知文献は現段階で見付かっていない。
特開2001−246428号公報
本発明は、以上の点に鑑み、ベルト組立工程に出荷する所定数のエレメント群の組合せとして、エレメントの平均的な寸法精度が公差範囲の中心に可及的に近づくような組合せを短時間で簡便に選ぶことができるようにし、良好なベルトの組立を可能とした無段変速機用ベルトのエレメントの出荷管理方法を提供することをその課題としている。
本発明は、無段変速機用のベルトの構成部品である、ベルト内周側のボデー部と、ボデー部にネック部を介して連設されるベルト外周側のヘッド部とを有する板状のエレメントの出荷管理方法であって、寸法精度がほぼ同一のエレメントのまとまりを一つのエレメント群として、保管中の複数のエレメント群から所定数のエレメント群を選択してベルト組立工程に出荷する方法の改良に関し、上記課題を解決するために、複数のエレメント群を、各組のエレメントの平均的な寸法精度が所定の条件を満たすように2個毎の組に組分けする組分け工程を、先の組分け工程で組分けされたエレメント群の各1個の組を次の組分け工程に際しての各1個のエレメント群と看做して、エレメント群の組の数が所定の設定数以下に減少するまで行った後、組分け工程で組分けされたエレメント群の組からベルト組立工程に出荷する組として、1個の組に属するエレメント群の数で前記所定数を徐した数の組を、これら組のエレメントの平均的な寸法精度が公差範囲の中心に可及的に近づくような組合せで選択する選択工程を行うようにしている。
ベルト組立工程に出荷するエレメント群の組合せとして、エレメントの平均的な寸法精度が公差中心に可及的に近いものを選択するには、可能な全ての組合せについて平均的な寸法精度の演算を行う必要がある。然し、選択の対象となる母集団の構成数が多いと、組合せ方の総数が過大になる。そこで、本発明では、組分け工程を行うことにより、選択工程で選択の対象となる母集団の構成数(組の数)を組合せ方の総数が過大にならないような設定数以下に減少させている。具体的には、保管中のエレメント群の個数が例えば180個である場合、保管中のエレメント群が1回目の組分け工程で2個宛の90組に組分けされ、2回目の組分け工程で4個宛の45組に組分けされる。そして、上記設定数を「50」とした場合、2回目の組分け工程後に選択工程が実行される。2回目の組分け工程で組分けされた1個の組に属するエレメント群の数は4個であるから、ベルト組立工程に出荷するエレメント群の個数(上記所定数)が例えば16個であれば、選択工程で45個の組から4個の組の組合わせが選択される。ここで、1回目の組分け工程での組分け方は、180C2=16110通りあり、2回目の組分け工程での組分け方は、90C2=4005通りあり、選択工程での組合せ方は、45C4=148995通りある。これらの合計は169110通りになり、180個のエレメント群から直接16個のエレメント群の組合せを選択する場合に比し遥かに数が減少する。組分け工程や選択工程では、一つ一つの組分け(組合せ)についてエレメントの平均的な寸法精度を求めてこれが所要の条件を満たすか否かを判別する。そのための演算時間が一つについて例えば1μsであれば、トータルの演算時間は169msになり、短時間で出荷するエレメント群の組合せを選択できることになる。
ところで、組分け工程において、各組のエレメントの平均的な寸法精度の公差中心に対する偏差の全ての組の総和が一番小さくなるように組分けを行うことも可能であるが、これでは、寸法精度の悪いエレメント群(公差中心に対する寸法精度の偏差が大きなエレメント群)を含む組の平均的な寸法精度が必ずしも良くなるとは限らない。そのため、寸法精度の悪いエレメント群が出荷されないまま長期に亘って保管される可能性が高くなり、歩留まりを向上させる上で問題になる。
この問題を解決するには、各エレメント群のエレメントの寸法精度に基づいて、複数のエレメント群に対し寸法精度が悪いほど優先度が高くなるように順位を付け、前記組分け工程において、未だ組になっていないエレメント群の内の最も優先度の高いエレメント群を抽出する抽出工程と、抽出されたエレメント群と同一の組になるエレメント群として、エレメントの平均的な寸法精度が公差範囲の中心に最も近くなるエレメント群を未だ組になっていないエレメント群から選定する選定工程とを繰り返すようにすることが望ましい。これによれば、寸法精度の悪いエレメント群は早い段階で抽出され、より多くのエレメント群から組になるエレメント群を選択することができる。そのため、寸法精度の悪いエレメント群であっても、これを含む組の平均的な寸法精度は公差中心に近付き、選択工程でこの組が選択されて出荷される可能性が高くなる。
尚、寸法精度に関する管理項目として、エレメントのボデー部とヘッド部の板厚差と、ボデー部の幅方向両側の板厚差とを含む複数の項目がある場合は、これら各管理項目の公差中央値に対する偏差を元とするユークリッド距離を算出し、このユークリッド距離が大きくなるほど前記優先度が高くなるようにすることが望ましい。ユークリッド距離(d)は、p1〜pnを元として、d=p1+p2+…+pnになる値として定義される。ここで、ボデー部とヘッド部の板厚差の公差中央値に対する偏差とボデー部の幅方向両側の板厚差の公差中央値に対する偏差との合計値が同じであっても、両偏差がほぼ等しいエレメント群に比し一方の偏差のみが大きなエレメント群は、組になるエレメント群を見つけにくくなる。ここで、ユークリッド距離は、一方の偏差のみが大きな場合のほうが大きくなる。そのため、ユークリッド距離に応じて優先度を高くすることにより、一方の偏差のみが大きなエレメント群が早い段階で抽出されるようになり、このエレメント群が出荷される可能性が高くなる。
また、製造後、出荷されないまま長期間放置されたエレメント群は品質面で問題を生ずるおそれがある。この場合、エレメントの寸法精度の悪さに製造からの経過時間を加味して前記優先度を決定し、エレメントの寸法精度が同程度でも製造からの経過時間が長いエレメント群ほど優先度が高くなるようにすれば、製造からの経過時間が長いエレメント群を優先的に出荷できるようになり、エレメント群が出荷されないまま長期間放置されることを回避できる。
また、2回目以降の前記組分け工程では、先の組分け工程で組分けされたエレメント群の各組に属するエレメント群の内の最も高いエレメント群の優先度を当該組を代表する優先度として、前記抽出工程でのエレメント群の組の抽出を行うことが望ましい。これにより、寸法精度が悪いエレメント群や製造からの経過時間が長いエレメント群が出荷される可能性が高くなる。
また、選択工程でエレメント群の組の組合せが複数選択された場合、各組合せの組に属するエレメント群の優先度の総和が最も高い組合せの組を優先的にベルト組立工程に出荷するようにすれば、寸法精度が悪いエレメント群や製造からの経過時間が長いエレメント群が出荷される可能性が一層高くなる。
更に、エレメント群の優先度の総和が最も高い組合せの組に属するエレメント群のうち優先度がこの組合せの組に属さない他のエレメント群の優先度より低いエレメント群を、エレメントの平均的な寸法精度が公差範囲に入るという条件を満たす限り当該他のエレメント群に置き換える調整工程を行い、調整工程後にベルト組立工程に出荷するようにすれば、寸法精度が悪いエレメント群や製造からの経過時間が長いエレメント群を可及的に優先して出荷することができる。尚、調整工程でエレメント群の置換を行うと、出荷される組合せ以外の他の組合せのエレメント群の平均的な寸法精度は悪くなってしまう。そのため、調整工程後に、未出荷のエレメント群に対し前記組分け工程と前記選択工程とを再度行い、次に出荷するエレメント群を選択する。
以下、複数の打抜き部を有するプレス装置(図示せず)で打抜き成形された図1(a)に示す無段変速機用ベルトのエレメント1の出荷管理方法に本発明を適用した実施形態について説明する。
先に説明したように、複数の打抜き部を有するプレス装置では、打抜かれたエレメント1を受ける受け箱を複数の打抜き部に対応して複数設け、各受け箱に所定個数(例えば6千個)のエレメント1が溜まったところで受け箱を新たなものに交換している。この場合、個々の受け箱に収納されているエレメント1の寸法精度はほぼ同一なる。そこで、本実施形態では、一つの受け箱を、寸法精度がほぼ同一のエレメント1のまとまりである一つのエレメント群として取り扱う。尚、同一の打抜き部で打抜かれたエレメント1を収納する複数の受け箱を一つのエレメント群として取り扱うことも可能である。
プレス装置から運び出された受け箱は測定工程に搬送され、ここで抜き取り検査により受け箱内のエレメント1の寸法精度を測定する。その測定データはコンピュータから成る管理装置に受け箱と関連付けて記憶される。尚、寸法精度の測定に際しては、図1(a)に示すように、ヘッド部4の幅方向両側部a,bと、ネック部3の基端部cと、ボデー部4の幅方向両側部d,eの計5箇所の板厚を計測し、a,b2箇所の板厚の平均値とd,e2箇所の板厚の平均値との差をヘッド部4とボデー部2との板厚差Δt1として求め、d,e2箇所の板厚の差をボデー部2の幅方向両側の板厚差Δt2として求める。寸法精度の測定後、受け箱は保管場所に搬送され、保管場所に設けられた保管棚の所定箇所に移載機によって置かれる。受け箱が置かれた箇所は管理装置に記憶される。尚、受け箱に収納されているエレメント1の個数が何らかの事情で上記所定個数より少なくなることがある。そのため、測定工程では、上記した寸法精度の測定に加え、受け箱の重量を測定し、受け箱内のエレメント1の個数を間接的に計測している。
ベルト組立工程から出荷要請があると、管理装置は保管中の受け箱から所定数、例えば、16個の受け箱を選択する。そして、選択された受け箱を移載機により取り出してベルト組立工程に出荷する。ベルト組立工程では、先ず、これら受け箱内の全てのエレメントをミキサーに入れてミキシングし、ミキシングされたエレメントをパーツフィーダに投入して、ベルト組立作業を行う。尚、選択された受け箱のエレメントをミキシングした後にベルト組立工程に出荷することも勿論可能である。
出荷する受け箱の選択作業は、図2に示す如く、順位付け工程(S1)、組分け工程(S2,S3)、選択工程(S4)および調整工程(S5)順に行われる。順位付け工程では、受け箱内のエレメント1の寸法精度および製造からの経過時間に基づいて、保管中の全ての受け箱に対し寸法精度が悪いほど、また、製造からの経過時間が長いほど優先度が高くなるように順位を付ける。これを詳述するに、エレメント1の寸法精度に関する各管理項目の公差中央値に対する偏差を元とするユークリッド距離dを算出し、製造からの経過時間Tに所定の係数kを乗算した値をユークリッド距離dに加算して評価値H(=d+k・T)を求め、この評価値Hが大きくなるほど優先度が高くなるように順位を付ける。尚、エレメント1の寸法精度に関する管理項目がヘッド部4とボデー部2との板厚差Δt1と、ボデー部2の幅方向両側の板厚差Δt2である場合、夫々の公差中央値はゼロであり、そのため、ユークリッド距離dは、d=Δt1+Δt2になる。また、ネック部3のcの箇所の板厚をエレメント1の板厚の代表値としてこれも管理項目に含める場合は、その公差中央値に対する偏差も含むユークリッド距離dを算出する。
図3(a)は受け箱に付けた優先度の順位を視覚的に示した図であり、各四角が受け箱10を表し、その中の数字が優先度であって、小さな数字ほど優先度が高いことを表している。
次に、組分け工程で保管中の受け箱10を2個毎の組Gs(図3(b)参照)に組分けする。この組分け工程では、先ず、保管中の受け箱10のうちで優先度が最も高い優先度「1」の受け箱10が抽出され、抽出された受け箱10と同一の組Gsになる受け箱10として、この受け箱10内のエレメントと抽出された受け箱10内のエレメントとの平均的な寸法精度が公差範囲の中心に最も近くなる受け箱10が残りの受け箱10のうちから選定される。例えば、ボデー部2の幅方向両側の板厚差Δt2に何れの側が厚いかで正負の符号を付けるとして、優先度「1」の受け箱10内のエレメント1のボデー部2の幅方向両側の板厚差Δt2が正であるときは、板厚差Δt2の絶対値がこれに近く符号が負のエレメント1が収納されている受け箱10が選定される。図3(b)では、優先度「1」の受け箱10と同一の組Gsになる受け箱10として優先度「8」のものが選定されている。尚、組Gsを構成する2個の受け箱10,10に収納されているエレメント1の個数が異なる場合は、受け箱10に収納されているエレメント1の個数を考慮した加重平均でエレメント1の平均的な寸法精度を求める。
次は、優先度「1」の受け箱10と優先度「8」の受け箱10を除く受け箱10のうちで最も優先度が高い優先度「2」の受け箱10が抽出され、この受け箱10と組Gsになる受け箱10が上記と同様にして選定される。このように、組分け工程では、未だ組Gsになっていない受け箱10の内の最も優先度の高い受け箱10を抽出する抽出工程と、抽出された受け箱10と同一の組Gsになる受け箱10として、この受け箱10内のエレメントと抽出された受け箱10内のエレメントとの平均的な寸法精度が公差範囲の中心に最も近くなる受け箱10を未だ組Gsになっていない受け箱10から選定する選定工程とを繰り返す。図3(b)には、優先度「2」の受け箱10と同一の組Gsになる受け箱10として優先度「9」のものが選定され、優先度「3」の受け箱10と同一の組Gsになる受け箱10として優先度「5」のものが選定され、優先度「4」の受け箱10と同一の組Gsになる受け箱10として優先度「10」のものが選定され、優先度「6」の受け箱10と同一の組Gsになる受け箱10として優先度「7」のものが選定された状態が示されている。保管中の受け箱10の総数が180個である場合、これら受け箱10は上記の組分け工程で90個の組Gsに組分けされる。
この場合、組Gsの数は後記詳述する設定数より多く、このときは2回目の組分け工程が実行される。この2回目の組分け工程では、上記1回目の組分け工程で組分けされた組Gsを2個毎の組Gb(図3(c)参照)に組分けする。この組分けに際しては、先ず、1回目の組分け工程で組分けされた各組Gsに属する受け箱10の内の最も高い優先度を当該組Gsを代表する優先度として、1回目の組分け工程で組分けされた複数の組Gsに対し優先度の順位を付ける。図3に示すもので組Gsの優先度の順位は、高いほうから、優先度「1」「8」の受け箱10の組Gs(No1)、優先度「2」「9」の受け箱10の組Gs(No2)、優先度「3」「5」の受け箱10の組Gs(No3)、優先度「4」「10」の受け箱10の組Gs(No4)、優先度「6」「7」の受け箱10の組Gs(No5)…になる。
そして、最初に、組Gsの優先度が最も高い優先度「1」「8」の受け箱10の組Gsが抽出され、抽出された組Gsと同一の組Gbになる組Gsとして、この組Gsの受け箱10内のエレメント1と抽出された組Gsの受け箱10内のエレメント1との平均的な寸法精度が公差範囲の中心に最も近くなる組Gsが残りの組Gsのうちから選定される。以後、未だ組Gbになっていない組Gsの内の最も優先度の高い組Gsを抽出する抽出工程と、抽出された組Gsと同一の組Gbになる組Gsとして、この組Gsの受け箱10内のエレメント1と抽出された組Gsの受け箱10内のエレメント1との平均的な寸法精度が公差範囲の中心に最も近くなる組Gsを未だ組Gbになっていない組Gsから選定する選定工程とを繰り返して、2回目の組分けを行う。図3(c)には、優先度「1」「8」の受け箱10の組Gsと同一の組Gbになる組Gsとして優先度「2」「9」の受け箱10の組Gsが選定され、優先度「3」「5」の受け箱10の組Gsと同一の組Gbになる組Gsとして優先度「6」「7」の受け箱10の組Gsが選定された状態が示されている。そして、1回目の組分け工程で組分けされた組Gsの数が90個である場合、2回目の組分け工程で45個の組Gbに組分けされ、各組Gbに属する受け箱10の数は4個になる。
次に、2回目の組分け工程で組分けされた組Gbのうちから、ベルト組立工程に出荷する組Gbとして、1個の組Gbに属する受け箱10の数(=4)で出荷個数(=16)を徐した数、即ち、16/4=4個の組Gbを、これらの組Gbのエレメント1の平均的な寸法精度が公差範囲の中心に可及的に近づくような組合せで選択する選択工程を行う。この選択に際しては、全ての組合せについてエレメント1の平均的な寸法精度を演算して、最適な組合せを選択する。尚、選択工程での選択対象になる組Gbの数が多いと、組合せ方の総数が膨大になるため、演算に非常に時間がかかる。そこで、組合せ方の総数が過多にならないような組Gsの数を設定し、2回目の組分け工程で組分けされた組Gsの数が設定数(例えば50)以下にならないときは、3回目の組分け工程を行う。例えば、保管中の受け箱10の総数が240個であって、1回目の組分け工程で組Gsの数が120になるときは、2回目の組分け工程でも組Gbの数は60になり、組Gbを2個毎の組に組分けする3回目の組分け工程を行って、組の数を30に減らす。
選択工程で4個の組Gbの組合せ(以下、この組合せをグループGoと記す)が複数選択された場合は、各グループを構成する4個の組Gbに属する受け箱10の優先度の総和が最も高いグループGoを優先的にベルト組立工程に出荷する。図3(d)には、グループGoとして、優先度「1」「8」「2」「9」の受け箱10の組Gbを含むものと、優先度「3」「5」「6」「7」の受け箱10の組Gbを含むものとが選択された状態が示されている。この場合、受け箱10の優先度の総和が最も高いグループGoは優先度「1」「8」「2」「9」の受け箱10の組Gbを含むグループになり、このグループGoを出荷順位の第1位とする。
ここで、本実施形態では、組分け工程において、寸法精度が悪かったり製造からの経過時間が長い、いわば出来の悪いエレメントが収納されている受け箱10が早い段階で優先的に抽出されるため、より多くの受け箱10から組になる受け箱10を選択することができる。そのため、寸法精度の悪いエレメントを収納する受け箱10であっても、これを含む組の平均的な寸法精度は公差中心に近付き、選択工程でこの組が選択されて出荷される可能性が高くなる。更に、受け箱10の優先度の総和が最も高いグループGoを優先的にベルト組立工程に出荷するため、出来の悪いエレメントを収納する受け箱10が出荷される可能性が一層高くなる。その結果、歩留まりが向上する。
また、上記の如く決定された出荷順位の第1位のグループGoをそのまま出荷することも可能であるが、本実施形態では、出来の悪いエレメントを収納する受け箱10をより優先的に出荷するために、以下の調整工程を行ってから出荷するようにしている。即ち、調整工程では、選択工程で選択された、受け箱10の優先度の総和が最も高い出荷順位第1位のグループGoに属する受け箱10のうち優先度がこのグループGoに属さない他の受け箱10の優先度より低い受け箱10を、エレメント1の平均的な寸法精度が公差範囲に入るという条件を満たす限り当該他の受け箱10に置き換える。例えば、図3(d)に示すものでは、出荷順位第1位のグループGoに、このグループGoに属さない優先度「3」「5」「6」「7」の受け箱10より優先度の低い優先度「8」「9」…の受け箱10が入っており、上記条件を満たすのであればこれら優先度の低い受け箱10を優先度「3」「5」「6」「7」の受け箱10に置換する。
但し、上記の如く置換を行うと、出荷順位第2位以下のグループGoのエレメント1の平均的な寸法精度が悪化してしまう。そこで、置換後の出荷順位第1のグループGoに属する受け箱10を除く受け箱10に対し上記組分け工程と選択工程とを実行し、次に出荷するグループGoを選択する。
尚、上記実施形態では、寸法精度の管理項目の一つとしてボデー部2の幅方向両側の板厚差を採用しているが、この板厚差から一つのベルトを構成するエレメント1の個数を考慮してベルト組立状態での幅方向両側のクリアランス差を算出し、このクリアランス差をボデー部2の幅方向両側の板厚差に代えて寸法精度の管理項目にすることも可能である。
また、上記実施形態では、プレス装置の打抜き部で打抜かれたエレメント1を受ける受け箱10を打抜き部毎に設けるようにしたが、図4(a)〜(f)に示すように、エレメント1の適所、例えば、ボデー部2の下端中央部に、打抜き部のパンチにより各打抜き部毎に異なる態様で切り込みマーク1aを付け(図4(a)の如くマーク1aを付けない場合も含む)、プレス装置から複数の打抜き部で打抜かれたエレメント1をまとめて払い出した後、マーク1aの識別手段を有する分別装置で打抜き部毎にエレメント1を分別して、各打抜き部に対応する受け箱に収納するようにしても良い。
(a)無段変速機用ベルトのエレメントを示す正面図、(b)エレメントの断面図。 本発明方法の実施形態を示すフロー図。 (a)〜(d)本発明方法の各工程を視覚的に示す図。 (a)〜(f)エレメントに対するマーキングの態様を示す図。
符号の説明
1…エレメント、2…ボデー部、3…ネック部、4…ヘッド部、10…受け箱(エレメント群)。

Claims (7)

  1. 無段変速機用のベルトの構成部品である、ベルト内周側のボデー部と、ボデー部にネック部を介して連設されるベルト外周側のヘッド部とを有する板状のエレメントの出荷管理方法であって、
    寸法精度がほぼ同一のエレメントのまとまりを一つのエレメント群として、保管中の複数のエレメント群から所定数のエレメント群を選択してベルト組立工程に出荷するものにおいて、
    複数のエレメント群を、各組のエレメントの平均的な寸法精度が所定の条件を満たすように2個毎の組に組分けする組分け工程を、先の組分け工程で組分けされたエレメント群の各1個の組を次の組分け工程に際しての各1個のエレメント群と看做して、エレメント群の組の数が所定の設定数以下に減少するまで行った後、
    組分け工程で組分けされたエレメント群の組からベルト組立工程に出荷する組として、1個の組に属するエレメント群の数で前記所定数を徐した数の組を、これら組のエレメントの平均的な寸法精度が公差範囲の中心に可及的に近づくような組合せで選択する選択工程を行うことを特徴とする無段変速機用ベルトのエレメントの出荷管理方法。
  2. 各エレメント群のエレメントの寸法精度に基づいて、複数のエレメント群に対し寸法精度が悪いほど優先度が高くなるように順位を付け、前記組分け工程において、未だ組になっていないエレメント群の内の最も優先度の高いエレメント群を抽出する抽出工程と、抽出されたエレメント群と同一の組になるエレメント群として、エレメントの平均的な寸法精度が公差範囲の中心に最も近くなるエレメント群を未だ組になっていないエレメント群から選定する選定工程とを繰り返すことを特徴とする請求項1記載の無段変速機用ベルトのエレメントの出荷管理方法。
  3. 前記寸法精度に関する管理項目として、エレメントのボデー部とヘッド部の板厚差と、ボデー部の幅方向両側の板厚差とを含む複数の項目がある場合は、これら各管理項目の公差中央値に対する偏差を元とするユークリッド距離を算出し、このユークリッド距離が大きくなるほど前記優先度が高くなるようにすることを特徴とする請求項2記載の無段変速機用ベルトのエレメントの出荷管理方法。
  4. エレメントの寸法精度の悪さに製造からの経過時間を加味して前記優先度を決定し、エレメントの寸法精度が同程度でも製造からの経過時間が長いエレメント群ほど優先度が高くなるようにすることを特徴とする請求項2または3記載の無段変速機用ベルトのエレメントの出荷管理方法。
  5. 2回目以降の前記組分け工程では、先の組分け工程で組分けされたエレメント群の各組に属するエレメント群の内の最も高いエレメント群の優先度を当該組を代表する優先度として、前記抽出工程でのエレメント群の組の抽出を行うことを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の無段変速機用ベルトのエレメントの出荷管理方法。
  6. 前記選択工程でエレメント群の組の組合せが複数選択された場合、各組合せの組に属するエレメント群の優先度の総和が最も高い組合せの組を優先的にベルト組立工程に出荷することを特徴とする請求項2〜5の何れか1項に記載の無段変速機用ベルトのエレメントの出荷管理方法。
  7. 前記選択工程で選択された、エレメント群の優先度の総和が最も高い組合せの組に属するエレメント群のうち優先度がこの組合せの組に属さない他のエレメント群の優先度より低いエレメント群を、エレメントの平均的な寸法精度が公差範囲に入るという条件を満たす限り当該他のエレメント群に置き換える調整工程を行い、調整工程後にベルト組立工程に出荷すると共に、未出荷のエレメント群に対し前記組分け工程と前記選択工程とを再度行うことを特徴とする請求項6記載の無段変速機用ベルトのエレメントの出荷管理方法。
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