JP4139518B2 - 蓋体開閉機構および電気導通機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として小型機器用である耐久性が高い蓋体開閉機構に関し、さらにカラー液晶ディスプレイなどを有する蓋体から電磁波が多量に放射されることを防ぐ電気導通機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
ノート型パソコン、PDAなどの小型電子機器は、蓋体が表示ディスプレイを兼ね、この蓋体が機器本体側に折り畳める構成になっている。蓋体である表示ディスプレイは一般に液晶製であり、これを機器本体に対して任意の回転位置で静止させるため、蓋体の開閉機構として、従来では回転軸に緊嵌装し且つ両端部をケーシングに固定したコイルバネを設置している。この開閉機構は、常に強いコイルバネ弾力で蓋体回転軸の回転を抑制するため、蓋体の開閉作動を適切に調整することができないうえに、強いバネ弾力で回転軸の接触部が磨耗し、磨耗渣が生じて摩擦抵抗が上昇してしまう。
【0003】
本発明者は、蓋体の開閉機構を改良するために、既に特公平7−59427号および特許第2650149号を提案することにより、蓋体の開閉作動を適切に調整可能とし、さらに開閉機構の小型化を達成している。特公平7−59427号などに開示の蓋体開閉機構は、十分な開閉抑制機能を有する反面、部品数が比較的多いので所定の寸法を必要とするうえに製造コストが高くなりやすく、パソコンメーカのようなユーザーによる小型化およびコストダウンの要求に対応できない場合もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
蓋体開閉機構の小型化およびコストダウンのために、本発明者らは特許第2770297号も提案している。特許第2770297号の装置は、少数の部品で十分な小型化を達成でき、しかも5〜10kg重のトルクで2万回以上の開閉試験に合格している。特許第2770297号の装置は、より部品数が少なくて十分な小型化とコストダウンを同時に達成することにより、ユーザーにきわめて好評で販売量が急増している。しかしながら、ノート型パソコンやPDAなどの電子機器の進歩は止まることを知らず、現在では重さ1kg前後のノート型パソコンも普通になっている。これらの電子機器のように極限まで減量してスリム化させるため、取付部品の小型軽量化とコストダウンに対する要求は非常に厳しく、特許第2770297号の装置でも大きすぎ、機器内部に取り付けできない事態が発生している。
【0005】
この点をさらに改善するため、本発明者は特開平10−75073号や特開平11−62631号を提案している。これらの装置は、通常のノート型パソコンよりも小さいPDAやサブノートパソコンに用いる際に、より小さいトルクで2万回以上の開閉試験に合格している。これらの装置は、従来品よりも部品数が少なくいっそう小型化を達成でき、製造コストもいっそう安価で相当なコストダウンになる。
【0006】
ノート型パソコンは、最近では単なる小型化の傾向だけでなく、他方では液晶ディスプレイの大型化によってディスクトップ型パソコンと同等またはそれ以上の高機能を具備する機種も販売されている。大型ディスプレイを有するノート型パソコンの蓋体用の開閉機構として、特開平10−75073号や特開平11−62631号の装置は、小型化の点では十分であっても、回転に要するトルクが小さすぎ、大型液晶ディスプレイの蓋体であると、所望の位置に蓋体を静止しにくいという難点がある。
【0007】
本発明は、主として大型ディスプレイを有するノート型パソコンの蓋体用の開閉機構に関して検討を重ねた結果、小型化を維持するとともに、回転に要するトルクが大きくしかも小型化が可能である電子機器用の蓋体開閉機構を提案することを目的とするものである。本発明の他の目的は、例えばカラー液晶ディスプレイなどを有する蓋体において、液晶板の後ろの光源から電磁波が発生しないように、蓋体内の金属フレームから機器本体内へ電気を導通させる機構を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る蓋体開閉機構は、蓋体または機器本体に取り付けた第1ブラケットに固着する回転軸と、該回転軸に嵌装する耐磨耗性エンジニアリングプラスチック製の筒形制動部材と、該制動部材に嵌装する金属パイプとからなる。この金属パイプがつば付きであるならば、該パイプのつば部において第2ブラケットに固着し、これを機器本体または蓋体に取り付けると好ましい。また、制動部材は一般に筒形であり、該制動部材に関して、その一部に環状の大径部を形成するならば、この大径部における一方の周側面は第1ブラケットの側面と、且つ他方の周側面は金属パイプの周端面と接触する。
【0009】
本発明の蓋体開閉機構において、制動部材の内径が回転軸の外径よりもわずかに小さいかまたはその外径が金属パイプの内径よりもわずかに大きい。通常では、筒形の制動部材の内径が回転軸の外径よりもわずかに小さく且つその外径が金属パイプの内径よりもわずかに大きいけれども、制動部材の内外径のいずれか一方を回転軸の外径または金属パイプの内径とほぼ同一にすることも可能である。また、金属パイプは、耐磨耗性エンジニアリングプラスチック製の制動部材が外方へ膨張することを阻止している。
【0010】
本発明に係る電気導通機構は、液晶ディスプレイなどの蓋体を有する電子機器に設置する蓋体開閉機構において、蓋体に取り付けた第1ブラケットに固着する回転軸と、該回転軸に嵌装する制動部材と、該制動部材に嵌装する金属パイプとからなり、前記回転軸の前端面に突起を形成し、該突起と接触する導通板の基部を第2ブラケットに固着する。この構成により、蓋体内で発生した電磁波を該蓋体の金属フレームから第1ブラケット、回転軸、導通板および第2ブラケットを経て機器本体内へバイパスする。
【0011】
この電気導通機構は、小ボールを保持するリテイナを金属パイプの周端面と回転軸の固定部材との間に介在させ、小ボールの直径をリテイナの厚みよりも大きくする。この構成により、蓋体内で発生する電磁波を金属フレームから第1ブラケット、回転軸、小ボール、金属パイプおよび第2ブラケットを経て機器本体内へ流すことができる。前記のリテイナは、第2ブラケットの側面と回転軸の大径部端面との間に介在させてもよい。この構成により、蓋体内で発生した電磁波を該蓋体の金属フレームから第1ブラケット、回転軸、小ボールおよび第2ブラケットを経て機器本体内へバイパスすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に係る蓋体開閉機構1は、図1から図3に例示し、ノート型パソコン2(図4)のような電子機器に設置する場合、液晶ディスプレイ3などを有する蓋体5と機器本体7とのヒンジ個所に取り付ける。開閉機構1を取付ける電子機器としては、比較的小型であっても蓋体5の開閉に相当に大きいトルクを要する大型液晶ディスプレイのノート型パソコンが好適であり、さらに通常のノート型パソコン、サブノート型パソコン、電子手帳などのPDA、蓋体を取り付けた携帯用情報ツール、開閉片のある携帯電話などの各種の小型機器にも設置できる。この蓋体開閉機構は、多少変形することによって、電子機器以外の事務機器、家具、建具、玩具、プラモデル、楽器などにも適用可能である。
【0013】
蓋体開閉機構1は、基本的に、蓋体5に取り付けた第1ブラケット8に固着する回転軸10と、該回転軸に嵌装するプラスチック製の制動部材12と、該制動部材に嵌装する金属パイプ14とで構成する。一般に、第1ブラケット8は、蓋体5のフレーム(図示しない)に固着するけれども、該ブラケットを機器本体7のフレームに固着する態様も実施可能である。また、開閉機構1は、蓋体5にねじれが発生しないように該蓋体の両側に設置するのが普通である(図5参照)。
【0014】
回転軸10は、図5に例示するように、蓋体5の両側壁下方で水平に配置する。回転軸10は、第1ブラケット8に対して垂直に固着し、機器本体7に取り付ける第2ブラケット16に固着する金属パイプ14内で旋回し、回転軸10とパイプ14との間に制動部材12を介在させる。制動部材12の外周面とパイプ14の内周面とが摩擦面にするならば、回転軸10を制動部材12とスプライン状に嵌装し、該制動部材が回転軸10とともにパイプ14の内周面を旋回するように構成してもよい。
【0015】
制動部材12は、通常、厚みが0.3〜1mmで熱膨張係数の小さい耐磨耗性エンジニアリングプラスチック製であり、少なくともその内周面または外周面が部分的に円形断面であることを要し、図示のようなパイプ状のほかに半割型2個などから構成してもよい。制動部材12の内外径は、回転軸10の外径またはパイプ14の内径よりもわずかに大きい。一般的には、制動部材12の内外径は、回転軸10の外径よりも小さく且つパイプ14の内径よりも大きくなるように定める。
【0016】
制動部材12には、その一部に環状の大径部18を形成すると好ましく、該大径部は滑り部材且つワッシャとしての機能を有する。したがって、大径部18における一方の周側面は第1ブラケット8の側面と、且つ他方の周側面はパイプ14の周端面と接触する。制動部材12は、通常、回転軸10およびパイプ14のいずれにも固着していないので、該制動部材の内周面または外周面が摩擦面となる。
【0017】
金属パイプ14は、その基端部につば部20を有すると好ましく、該つば部において第2ブラケット16に固着し、第2ブラケット16を通常機器本体7のフレーム(図示しない)に固着する。つば部20は、例えば、金属パイプのつば出し加工によって形成しても、つば片をパイプ側端にスポット溶接して固着してもよい。回転軸10の周面と制動部材12の内周面とを摩擦面にするならば、パイプ14を制動部材12とスプライン状に嵌装し、該制動部材がパイプ14とともに回転軸10の外周面を旋回するように構成してもよい。
【0018】
パイプ14は、使用時に塑性変形しないステンレス鋼、真鍮、鉄などの金属製であり、該パイプによって制動部材12が外方へ膨張することを阻止する。パイプ14が制動部材12の膨張を防ぐことにより、制動部材12による緊密な締め付け力が経時的に低下していく応力緩和を防ぐことができ、開閉機構1を2万回以上開閉しても回転に要するトルクが6〜7kg重から殆ど低下せず、高温環境における使用も十分可能になる。
【0019】
本発明の電気導通機構は、蓋体5内で発生した電磁波を該蓋体の金属フレームから第1ブラケット8および第2ブラケット16を経て機器本体7内へバイパスし、該機器本体内に封鎖することによって多量の電磁波が外部へ放射することを防いでいる。この電気導通機構として、例えば、回転軸10の前端面に突起22を形成し、該突起と接触する導通板24の基部を第2ブラケット16に固着すればよい。導通板24は、例えば、導電性の良好なリン青銅製であると好ましい。
【0020】
導通板24は、バネ弾力によって突起22と常に点接触し、接触面積が非常に小さいことにより、回転軸10を多数回旋回しても導通板24や突起22が磨耗することは少ない。これに対し、金属ワッシャなどを介して面接触させると、回転軸の多数回旋回によってワッシャなどが磨耗し、多量の金属粉が生じてショートを起こす可能性があり、さらにトルクのばらつきや焼け付きなどの問題が発生しやすく、一方、潤滑油を注入すれば制動部材12の樹脂を劣化させるという問題がある。
【0021】
この電気導通機構として、図7に示すように、小ボール26を保持するリテイナ28(図6)を金属パイプの周端面と回転軸の固定部材との間に介在させてもよい。小ボール26は、その直径がリテイナ28の厚みよりも大きく、通常、円周方向に等間隔に3個以上配列する。また、リテイナ28は、図8に示すように、第2ブラケットの側面と回転軸の大径部端面との間に介在させてもよい。
【0022】
第1ブラケット8および第2ブラケット16は、図1から図3または図7では細長いプレート状であり、これらを蓋体5や機器本体7の金属フレームにボルト止めやリベット止めするけれども、その形状は蓋体開閉機構1に応じて種々変更することができる。このようなブラケットは、金属フレームの延長部であってもよく、該フレームを穿孔して代用することも可能である。
【0023】
【実施例】
本発明を図面に基づいて説明すると、図1から図3において蓋体開閉機構1を示す。図4および図5に例示するように、開閉機構1は、ノート型パソコン2における大型液晶ディスプレイ3を有する蓋体5と機器本体7とのヒンジ個所に設置する。図5から明らかなように、各開閉機構1の回転軸10,10は、一般に蓋体5の両側壁下方部において同軸状に対称に配置する。
【0024】
蓋体開閉機構1において、金属製の回転軸10は細長い円柱形であり、前端部にストッパ30の係止部31と当接可能な扇部32を、後端部に第1ブラケット8の貫通孔33に密に嵌入可能な異形部34を形成する。第1ブラケット8は、先端部に異形貫通孔33(図2)を設けた細長いプレートであり、蓋体5の金属フレーム(図示しない)にボルト止めする。例えば、回転軸10の直径は3mmである。
【0025】
図3から明らかなように、回転軸10の扇部32の一端面は、蓋体5つまり第1ブラケット8を180度回転した際にストッパ30の係止部31の左側面と接触し、一方、扇部32の他端面は、蓋体5を完全に閉じた際に係止部31の右側面と接触する。このため、扇部32の開先角度は180度未満である。回転軸10は、金属パイプ14および制動部材12と嵌合した後に、後端の異形部34を第1ブラケット8の貫通孔33を嵌入してカシメ止めすることにより、第1ブラケット8に対して垂直に固着できる。
【0026】
制動部材12は、炭素含有のポリアセタール樹脂のような耐磨耗性エンジニアリングプラスチックの射出成形品である。図3に明らかなように、制動部材12は、回転軸10に密に嵌装でき且つ金属パイプ14に密に嵌入できる円筒形であり、その右端部に環状の大径部18を形成する。制動部材12は回転軸10よりもかなり短く、その大径部18の外径はパイプ14の内径よりも大きい。
【0027】
金属パイプ14はステンレス鋼製であり、その側端部において直径方向の外向きにつば部20を形成し、該つば部は矩形平面に近い形状である。つば部20には貫通孔36,36を設け、両貫通孔にリベット37(図1)を通して第2ブラケット16に対して垂直に固着できる。例えば、パイプ14は外径5mmである。パイプ14の長さは、制動部材12の長さから大径部18の幅を引いた長さにほぼ等しい。
【0028】
第2ブラケット16は、先端部に円形貫通孔38を設けた細長いプレートであり、機器本体7の金属フレーム(図示しない)にボルト止めする。貫通孔38の直径は、通常、パイプ14の内径とほぼ等しく、開閉機構1を組み立てた際に回転軸10が通過する。第2ブラケット16には、さらにパイプ14用のリベット孔39と、導通板24およびストッパ30用のリベット孔40を設ける。
【0029】
導通板24はリン青銅製であり、その上方部42が回転軸10の前端面の軸中心に設けた突起22と当接できるように中央部が湾曲し、その基部43は直線状側面を有する。導通板24の基部43には貫通孔44,44を設け、両貫通孔にリベット45(図1)を通し、ストッパ30を挟んで第2ブラケット16に固着する。ストッパ30には、導通板24と同様のリベット孔46,46を設けるとともに、その上端の係止部31が回転軸10の扇部32と同じ垂直面に位置するように中央部が湾曲している。
【0030】
開閉機構1を組み立てる際に、金属パイプ14をつば部20において第2ブラケット16に対して垂直にリベット止めしてから、制動部材12をパイプ14内へ圧入する。回転軸10は、第2ブラケット16の反対側から、樹脂製ワッシャ48を介して制動部材12内へ圧入し、さらにその異形部34を第1ブラケット8の貫通孔33に嵌入してカシメ止めする。ついで、導通板24は、ストッパ30とともに第2ブラケット16にリベット止めする。
【0031】
大型液晶画面のノート型パソコン2の蓋体5を開閉すると、該蓋体とともに軸10が回転する。開閉機構1において、制動部材12の内径は回転軸10の外径よりもわずかに小さいことにより、該制動部材の内周面と回転軸10の周面とが摩擦面となる。この結果、制動部材12は、蓋体5のいずれの開口角度においても軸10の回転を抑制し、蓋体5を図3の一点鎖線で示すように任意の開閉位置で静止できる。蓋体5を完全開口つまり180度回転すると、回転軸10の扇部32がストッパ30の係止部31の左側面と接触し、蓋体5がそれ以上開くことを防ぐ。金属パイプ14は、その内径が制動部材12の外径よりもわずかに小さく、制動部材12が外方へ膨張することを阻止することにより、該制動部材の内周面が安定した摩擦面となる。
【0032】
金属パイプ14の存在により、真夏の直射日光で自動車内が80℃近い高温になっても制動部材12が外方へ熱膨張することを確実に阻止する。また、プラスチックの特性である応力緩和も、金属パイプ14によって効果的に防ぐことができる。図5において、制動部材12,12が蓋体5を開閉する際に発生する荷重をその全幅で均等に受けることにより、大型液晶ディスプレイ3で比較的重い蓋体5であっても、2万回以上の開閉試験に容易に耐えることができる。
【0033】
一方、蓋体5内で発生した電磁波は、該蓋体の金属フレーム(図示しない)から第1ブラケット8、回転軸10、該回転軸の突起22、導通板24および第2ブラケット16を経て機器本体7内へバイパスし、該機器本体内に封鎖することによって多量の電磁波が外部へ放射することを防ぐ。導通板24は、バネ弾力によって突起22と常に点接触することにより、回転軸10を多数回旋回しても導通板24や突起22が磨耗することは少なく、金属の摩滅によって金属粉が発生するという問題を回避できる。
【0034】
図7は本発明の変形例を示し、蓋体開閉機構50では図6に示す円盤状のリテイナ28を用いる。リテイナ28は、組立時に回転軸52が通過する中心孔53を有し、該リテイナの外径は金属パイプ54のそれとほぼ等しい。リテイナ28には、円周方向に等間隔に3個の貫通孔55を設け、各貫通孔内に入れた小ボール26を保持する。各小ボール26は、その直径がリテイナ28の厚みよりも僅かに大きい。
【0035】
開閉機構50において、つば付きの金属パイプ54を第2ブラケット56に対して垂直にリベット止めし、該パイプ内にプラスチック製で円筒形の制動部材58を圧入する。一方、回転軸52は小径部59と大径部60を有し、大径部60の後端部を第1ブラケット62に対して垂直にカシメ止めするとともに、小径部59を樹脂製ワッシャ63を介して制動部材58内へ圧入する。回転軸52の小径部59は金属パイプ54を通過し、その先端部が金属ワッシャ64およびリテイナ28を通過し、さらに固定部材のプッシュナット65を係止してリテイナ28を保持する。
【0036】
開閉機構50では、蓋体つまり第1ブラケット62を旋回すると、該蓋体とともに軸52が回転する。開閉機構50において、制動部材58の内径は回転軸52の小径部59の外径よりもわずかに小さいことにより、該制動部材の内周面と回転軸52の小径部59の周面とが摩擦面となる。この結果、制動部材58は、第1ブラケット62のいずれの旋回角度においても軸52の回転を抑制する。金属パイプ14は、その内径が制動部材58の外径よりもわずかに小さく、制動部材58が外方へ膨張することを阻止することにより、該制動部材の内周面が安定した摩擦面となる。
【0037】
蓋体内で発生した電磁波は、図7において、蓋体の金属フレームから第1ブラケット62、回転軸52、プッシュナット65、リテイナ28の小ボール26、金属ワッシャ64、金属パイプ54および第2ブラケット56を経て機器本体内へバイパスする。プッシュナット65と金属ワッシャ64は、リテイナ28における3個の小ボール26を介して接続し、回転軸52の開閉時に小ボール26が回転することにより、金属の摩滅によって金属粉が発生するという問題を回避できる。
【0038】
図8は別の変形例を示し、蓋体開閉機構66では前記と同様に円盤状のリテイナ28を用いる。つば付きの金属パイプ67は、第2ブラケット68に対して垂直にリベット止めし、該パイプ内にプラスチック製の制動部材69を圧入する。一方、回転軸70は小径部71と大径部72を有し、大径部72の後端部を第1ブラケット73に対して垂直にカシメ止めする。
【0039】
回転軸70の小径部71は、金属ワッシャ74とリテイナ28を介して制動部材69内へ圧入することにより、該リテイナを第2ブラケット68の側面と大径部72の端面との間に位置させる。小径部71は金属パイプ67を通過し、その先端部が樹脂製ワッシャ75を通過し、さらに固定部材のプッシュナット77を係止する。蓋体内で発生した電磁波は、蓋体の金属フレームから第1ブラケット73、回転軸70の大径部72、金属ワッシャ74、リテイナ28の小ボール26および第2ブラケット68を経て機器本体内へバイパスする。
【0040】
【発明の効果】
本発明に係る蓋体開閉機構は、大型液晶ディスプレイのノート型パソコンに適用できるように蓋体の回転に要するトルクが大きく、しかも小型化と高機能化が同時に進行する電子機器に対応できるように小型化することが可能である。本発明の開閉機構は、重さが1kg前後のノート型パソコンなどの電子機器のように、極限まで減量してスリム化させるために小型軽量化とコストダウンに対する要求が非常に厳しくても十分に適応可能であり、小型化と高機能化によっていっそう携帯性を高め、電子手帳などのPDAやサブノート型パソコンにおける蓋体の開閉にも適用できる。本発明の開閉機構では、金属パイプがプラスチック製の制動部材の膨張を阻止することによって耐久性が十分に高く、夏季の高温による制動部材の熱膨張や応力緩和を確実に防ぐことができる。
【0041】
本発明の開閉機構において、金属パイプがつば付きであると、第2ブラケットへの金属パイプの固着が容易となり、開閉機構の構造単純化および蓋体の確実な静止を達成できる。また、プラスチック製の制動部材の一部に環状の大径部を形成すると、該制動部材が樹脂製のワッシャを兼ねることになり、金属パイプと第1ブラケットとを確実に分離できる。
【0042】
本発明の電気導通機構は、蓋体内で発生した電磁波を該蓋体の金属フレームから第1ブラケットおよび第2ブラケットを経て機器本体内へバイパスし、該機器本体内に封鎖することによって多量の電磁波が外部へ放射することを防いでいる。この電気導通機構により、ノート型パソコンを使用した際に電磁波が外部へ多量に漏出することを未然に防止し、電波障害などの発生低減化によってノート型パソコンの使用可能領域を拡張することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る蓋体開閉機構の一例を示す正面図である。
【図2】 図1の蓋体開閉機構の分解斜視図である。
【図3】 図1の蓋体開閉機構を導電板を除いて示す左側側面図である。
【図4】 蓋体開閉機構をノート型パソコンに設置した例を示す斜視図である。
【図5】 図1の蓋体開閉機構を図4のパソコンに設置した態様を拡大して示す概略説明図である。
【図6】 小ボールを保持するリテイナを示す拡大正面図である。
【図7】 電気導通機構の変形例を示す拡大正面図である。
【図8】 電気導通機構の別の変形例を示す拡大正面図である。
【符号の説明】
1 蓋体開閉機構
5 蓋体
7 機器本体
8 第1ブラケット
10 回転軸
12 制動部材
14 金属パイプ
16 第2ブラケット
18 大径部
20 つば部
22 突起
24 導通板
28 リテイナ
Claims (5)
- 蓋体または機器本体に取り付けた第1ブラケットに固着する回転軸と、該回転軸に嵌装する耐磨耗性エンジニアリングプラスチック製の制動部材と、該制動部材に嵌装し且つ基端部につば部を有する金属パイプとからなり、該パイプをつば部において固着した第2ブラケットを機器本体または蓋体に取り付け、前記制動部材に関して、その内径が回転軸の外径よりもわずかに小さいかまたはその外径が金属パイプの内径よりもわずかに大きく、金属パイプによって制動部材の外方への膨張を阻止する蓋体開閉機構。
- 蓋体または機器本体に取り付けた第1ブラケットに固着する回転軸と、該回転軸に嵌装する耐磨耗性エンジニアリングプラスチック製の制動部材と、該制動部材に嵌装する金属パイプとからなり、前記制動部材に関して、その一部に環状の大径部を形成し、この大径部における一方の周側面は第1ブラケットの側面と、且つ他方の周側面は金属パイプの周端面と接触し、この制動部材の内径が回転軸の外径よりもわずかに小さいかまたはその外径が金属パイプの内径よりもわずかに大きく、金属パイプによって制動部材の外方への膨張を阻止する蓋体開閉機構。
- 液晶ディスプレイなどの蓋体を有する電子機器に設置する蓋体開閉機構において、蓋体に取り付けた第1ブラケットに固着する回転軸と、該回転軸に嵌装する耐磨耗性エンジニアリングプラスチック製の制動部材と、該制動部材に嵌装する金属パイプとからなり、前記回転軸の前端面に突起を形成し、該突起と接触する導通板の基部を第2ブラケットに固着することにより、蓋体内で発生した電磁波を該蓋体の金属フレームから第1ブラケット、回転軸、導通板および第2ブラケットを経て機器本体内へバイパスする電気導通機構。
- 液晶ディスプレイなどの蓋体を有する電子機器に設置する蓋体開閉機構において、蓋体に取り付けた第1ブラケットに固着する回転軸と、該回転軸に嵌装する耐磨耗性エンジニアリングプラスチック製の制動部材と、該制動部材に嵌装する金属パイプとからなり、小ボールを保持するリテイナを金属パイプの周端面と回転軸の固定部材との間に介在させ、小ボールの直径がリテイナの厚みよりも大きいことにより、蓋体内で発生した電磁波を該蓋体の金属フレームから第1ブラケット、回転軸、小ボール、金属パイプおよび第2ブラケットを経て機器本体内へバイパスする電気導通機構。
- 小ボールを保持するリテイナを第2ブラケットの側面と回転軸の大径部端面との間に介在させることにより、蓋体内で発生する電磁波を金属フレームから第1ブラケット、回転軸、小ボールおよび第2ブラケットを経て機器本体内へ流す請求項4記載の機構。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP14269499A JP4139518B2 (ja) | 1999-05-24 | 1999-05-24 | 蓋体開閉機構および電気導通機構 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14269499A JP4139518B2 (ja) | 1999-05-24 | 1999-05-24 | 蓋体開閉機構および電気導通機構 |
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| JP2000328832A JP2000328832A (ja) | 2000-11-28 |
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Family
ID=15321375
Family Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP14269499A Expired - Lifetime JP4139518B2 (ja) | 1999-05-24 | 1999-05-24 | 蓋体開閉機構および電気導通機構 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
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Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| JP5965647B2 (ja) * | 2012-01-12 | 2016-08-10 | シロキ工業株式会社 | 相対回動部材の枢着方法 |
-
1999
- 1999-05-24 JP JP14269499A patent/JP4139518B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
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| JP2000328832A (ja) | 2000-11-28 |
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