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JP4140833B2 - 高周波スイッチ、単極双投スイッチ、多極多投スイッチ - Google Patents
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JP4140833B2 - 高周波スイッチ、単極双投スイッチ、多極多投スイッチ - Google Patents

高周波スイッチ、単極双投スイッチ、多極多投スイッチ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、高周波回路に用いられる高周波スイッチおよびそれらを組み合わせた単極双投スイッチと多極多投スイッチとに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の高周波スイッチは、絶縁層を被覆したシリコン基板上に設けられたコプレーナ線路と、コプレーナ線路の平行した2本のグランド層上に設けられたアンカーと、アンカーに両端を支持した金属膜と、コプレーナ線路の信号線上に設けられた誘電体膜とを有している。金属膜と信号線との間の静電引力により、金属膜は誘電体膜に引き寄せられる。信号線と金属膜との間の静電容量は、20〜50fFから3〜4pFに変化し、高周波信号はコプレーナ線路を通過しなくなる(例えば、非特許文献1参照。)。
【0003】
【非特許文献1】
アイトリイ マイクロウエーブ アンド ガイデッド ウエーブ レターズ(IEEE MICROWAVE AND GUIDED WAVE LETTERS)、8巻、 8号、1998年8月、269頁
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の高周波スイッチは、絶縁膜上から突起したアンカーと金属膜とを有しているので、高周波スイッチに近接して他の素子を配置したとき、高周波スイッチと他の素子との間で電磁干渉を生じるという問題があった。
さらに、金属膜とアンカーとによりブリッジを形成するので、厚さが厚くなるという問題があった。
【0005】
この発明の目的は、近接して配置した高周波スイッチまたは他の素子との間の電磁干渉が少なく、低背高のマイクロ波帯またはミリ波帯用の高周波スイッチを得ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明の高周波スイッチは、基板に形成されたキャビティの内面に間隔をあけて設けた1対の信号線と、上記1対の信号線と間隔をあけ、上記キャビティの底面、内側面および縁部を覆って両側の上記基板の表面に向かってそれぞれ延びる1対の第1の電極と、上記キャビティの両縁に渡されて上記基板上の上記一対の第1の電極に両側が支持され、上記キャビティ内において撓むことにより上記1対の信号線に近接する近接位置と上記1対の信号線から離間した離間位置との間で撓み可能な弾性を有し、PZT、SBNまたはBSTのいずれかからなる可撓誘電体部材と、上記可撓誘電体部材の裏側に固定され、上記可撓誘電体部材が上記近接位置にあるとき上記1対の信号線間を導通させる導電部材と、上記可撓誘電体部材のおもて側に固定され、上記1対の第1の電極と上記可撓誘電体部材を介してそれぞれ静電結合し、上記可撓誘電体部材を撓ませる吸引力を発生する第2の電極と、を有する。
【0007】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1の高周波スイッチの斜視図である。図2は、図1の平面図である。図3は、図2のA−A'断面図である。図4は、オフ状態の図2の高周波スイッチのB−B'断面図である。図5は、オン状態の図2の高周波スイッチのB−B’断面図である。なお、図1は、図2の信号線5a、5bに沿った方向に眺めた斜視図であり、図2の信号線5a、5bと地導体6a、6bの図2における左右の部分は省略してある。
【0008】
この説明では基板としてシリコンを例示しているが、ガリウムヒ素(GaAs)などのバルク材、サファイヤ上のシリコン、ガリウムヒ素、アルミナ、ガラス、絶縁体上のシリコンなどを使用することができる。
【0009】
高周波スイッチは、シリコン基板1の1面をエッチング処理により基板1の厚み方向に彫り込んで底面2aの面積が開口2bの面積より小さい4角錐台の形状をしたキャビティ2と、キャビティ2の底面2および内側面2cとシリコン基板1の縁部1a、1bとを被覆する絶縁膜3と、キャビティ2の底面2aの絶縁膜3上に信号線間隙4を介して離間した1対の信号線5a、5bと、キャビティ2の底面2aおよび内側面2cと縁部1a、1bとに1対の信号線5a、5bと所望の間隔Wを有して形成した地導体6a、6bとを有している。1対の信号線5a、5bと地導体6a、6bとで高周波通信伝送線路としてのコプレーナ線路を構成している。キャビティ2の深さは、2μmである。信号線5a、5bの厚みは0.4μmで、幅は120μmである。信号線5aと信号線5bは、信号線間隔4として50μm離れている。信号線5a、5bと地導体6a、6bとの間隔は80μmである。これらの値は、例示したものであり、これに限ることではない。
【0010】
高周波スイッチは、さらに4角錐台のキャビティ2の1対の信号線5a、5bの延びる方向に直角に相対する辺2d、2eに連なる縁部1a、1bで両端を支持し、キャビティ2の開口2bを渡る可撓誘電体部材7と、可撓誘電体部材7のキャビティ2に面した裏面7a上に信号線間隙4を跨ることのできる長さの導電部材8と、導電部材8を設けた裏面7aと反対なおもて面7b上に地導体6a、6bと一部重畳した駆動電極9a、9bとを有している。図1では、可撓誘電体部材7は縁部1a、1bとの関係が分かるように離して図示しているが、実際は接している。可撓誘電体部材7のおもて面7bと裏面7aは、外部から見て見える面をおもてとした。可撓誘電体部材7は、弾性を有しているので、後述する静電引力により、キャビティ2の底面2aの方向に撓んで1対の信号線5a、5bに近接する近接位置Cと静電引力が働いていないときの1対の信号線5a、5bと空隙Hを介して離間位置Sとの間を移動することができる。可撓誘電体部材7は、離間位置Sにおいて裏面は基板の表面と同一な面に停止している。しかし、可撓誘電体部材7の裏面は基板表面から凹んでいてもよい。可撓誘電体部材7は、誘電材で作った厚み0.5μmの膜である。例えば、石英、二酸化シリコン、窒化シリコン、種々の有機ポリマー、PZT、SBN、BSTなどを用いることができる。
【0011】
地導体6a、6bは第1の電極を、駆動電極9a、9bは第2の電極をそれぞれ構成している。地導体6a、6bと、駆動電極9a、9bとは可撓誘電体部材7によって直流として絶縁している。
【0012】
次に、この高周波スイッチの動作について説明する。
駆動電極9a、9bに電圧を印加されていないとき、離間位置Sにある可撓誘電体部材7に取り付けられた導電部材8は、縁部1a、1bとほぼ同じ平面内に支持されている。導電部材8と1対の信号線5a、5bとは、空隙Hだけ離れているので、高周波信号に対して、信号線5aと信号線5bとの間は、直流としても交流としてもほぼオープンになっている。この場合、高周波信号は、信号線5aから信号線5bへと伝播しないので、高周波スイッチはオフ状態になっている。
【0013】
第1の電極と第2の電極とは可撓誘電体部材7を挟んでコンデンサを構成している。そこで、駆動電極9a、9bに正の電圧を印加したとき、可撓誘電体部材7は分極されるので、駆動電極9a、9bの可撓誘電体部材7と接した表面に正電荷が誘起される。同時に、可撓誘電体部材7を介して静電誘導により地導体6a、6bの可撓誘電体部材7に面した面に負電荷が誘起される。これら駆動電極9a、9bの正電荷と地導体6a、6bの負電荷との間に働く静電引力により、可撓誘電体部材7は地導体6a、6bに引き寄せられて近接位置Cに移動する。そのとき、図5に示すように可撓誘電体部材7に取り付けられた導電部材8も同時に地導体6a、6b側に引き寄せられ、導電部材8は信号線5a、5bに接触する。そして、信号線5aと信号線5bとは導電部材8を介して電気的に導通し、信号線5aに入力された高周波信号は、信号線5bへと伝播するので、高周波スイッチはオン状態になっている。
【0014】
このように高周波スイッチは、駆動電極9a、9bの電位を電圧印加により制御することにより、信号線5a、5bと導電部材8との接離を切り換えて信号線5aから信号線5bへの信号伝送のオンオフを制御する高周波スイッチを提供することができる。
【0015】
このような高周波スイッチは、キャビティの周縁を地導体で覆い、そのキャビティ内に信号線を形成しているので、近接して配置した他の高周波スイッチまたは他の素子からの輻射する電波のキャビティ内への回り込みは少なくなり、電磁干渉を抑制することができる。
【0016】
さらに、基板の表面より外側に可撓誘電体部材と駆動電極とだけが飛び出ているが、その飛び出した厚みは1μm以下であるので、高周波スイッチの厚みは基板の厚みとほぼ同じにすることができる。
さらに、4μmの厚みの金属膜でアンカーを形成することがないので、通常のプロセスを用いて製造することができ、量産性に優れている。
【0017】
なお、上述の高周波スイッチにおいて、高周波伝送線路はコプレーナ線路として説明したが、同様な機能を有する構造であれば、高周波伝送線路は、マイクロストリップ線路等を含んだどのような構造でも良い。
【0018】
さらに、可撓誘電体部材を信号線の延伸方向に対して垂直方向にキャビティの両縁に渡されているが、延伸方向に平行方向に渡しても同様に高周波スイッチを提供することができる。
さらに、1対の信号線は、この実施の形態では直線上に配置したが、接続部を平行して配置しても同様に高周波スイッチを提供することができる。
【0019】
また、上述の高周波スイッチは、駆動電極に電圧を印加しているが、地導体に電圧を印加して可撓誘電体部材を動作しても良い。
【0020】
実施の形態2.
上述の実施の形態1の高周波スイッチは、信号線間隙を有する1対の信号線の間を導電部材で接離してオンオフ状態を切り換えているが、この発明の実施の形態2の高周波スイッチは、信号線間隙を有する1対の信号線の間をコンデンサで容量結合してオンオフ状態を切り換える。
【0021】
図6は、この発明の実施の形態2の高周波スイッチを示す斜視図である。図7は、図6の平面図である。図8は、図7のA−A’断面図である。図9は、オフ状態の図7の高周波スイッチのB−B’断面図である。図10は、オン状態の図7の高周波スイッチのB−B’断面図である。図6の高周波スイッチは、図1の導電部材を可撓誘電体部材の反対の面に設けたことが異なっていて、その他は同様であるので、同一の符号を付して重複する説明を省略する。なお、図6は、図7の信号線5a、5bに沿った方向に眺めた斜視図であり、図7の信号線5a、5bと地導体6a、6bの図7における左右の部分は省略してある。
【0022】
可撓誘電体部材7は、実施の形態1と同様に第1の電極と第2の電極との間の静電引力により1対の信号線5a、5bと当接する当接位置Tと1対の信号線5a、5bと空隙Gを介して離間した離間位置Sとの間を移動する。可撓誘電体部材7の当接位置Tでは、可撓誘電体部材7は直接1対の信号線5a、5bと接する。導電部材10は、可撓誘電体部材7の信号線5a、5bと当接する面と反対の面に設けられている。
【0023】
次に、図6の高周波スイッチの動作について説明する。
図6において、動作については図1に示した構成とほぼ同一になるが、1対の信号線5a、5bと導電部材10との間に可撓誘電体部材7が介在している。
図10に示すように、信号線5a、5bと導電部材10とは、可撓誘電体部材7の当接位置Tにおいて、これらを両極とするコンデンサを構成する。そして、高周波信号は、このコンデンサを通過して信号線5aから信号線5bに伝送されるので、高周波スイッチはオン状態になる。一方、図9に示すように、可撓誘電体部材7の離間位置Sにおいて、信号線5a、5bと導電部材10との間は空隙Gだけ大きく離れているので、信号線5aと信号線5bとの間の静電容量は非常に小さく、高周波におけるインピーダンスは非常に大きい。そこで高周波信号は信号線5aから信号線5bに伝わらないので、高周波スイッチはオフ状態になる。このようにしてオンオフ状態を取りうる高周波スイッチを提供できる。
【0024】
このような高周波スイッチは、信号線と可撓誘電体部材とを当接しているので、信号線と可撓誘電体部材のそれぞれの接触部の耐久性を向上させることができる。
【0025】
実施の形態3.
上述の実施の形態1、2では、離間した1対の信号線の間を直接導電部材で直流として導通する、またはコンデンサを形成して交流的に導通することにより、高周波スイッチを構成しているが、次に、連続した信号線を用いた高周波スイッチを説明する。
図11は、この発明の実施の形態3の高周波スイッチの斜視図である。図12は、図11の平面図である。図11の高周波スイッチにおいて、図1の高周波スイッチの1対の信号線の代わりに連続した1本の信号線を有し、導電部材11は地導体6a、6bと接続する。その他は図1と同様であるので、同一の符号を付して重複する説明を省略する。なお、図11は、図12の信号線5に沿った方向に眺めた斜視図であり、図12の信号線5と地導体6a、6bの図12における左右の部分は省略してある。
【0026】
次に、図11の高周波スイッチの動作について説明する。
駆動電極9a、9bに電圧を印加されていないとき、離間位置Sにある可撓誘電体部材7に取り付けられた導電部材11は、縁部1a、1bと同じ平面内に支持されている。導電部材11と信号線5とは、空隙Hだけ離れているので、高周波信号に対して、信号線5と地導体6a、6bとの間は、直流としても交流としてもほぼオープンになっている。この場合、高周波信号は、信号線5を伝播して高周波スイッチの外部に出力される。この時、高周波スイッチはオン状態になっている。
【0027】
地導体6a、6bと駆動電極9a、9bとは可撓誘電体部材7を挟んでコンデンサを構成している。そこで、駆動電極9a、9bに正の電圧を印加したとき、駆動電極9a、9bの可撓誘電体部材7と接した表面に正電荷が誘起される。同時に、可撓誘電体部材7を介して静電誘導により地導体6a、6bの可撓誘電体部材7に面した面に負電荷が誘起される。これら駆動電極9a、9bの正電荷と地導体6a、6bの負電荷との間に働く静電引力により、可撓誘電体部材7は地導体6a、6bに引き寄せられて近接位置Cに移動する。そのとき、可撓誘電体部材7に取り付けられた導電部材11も同時に地導体6a、6b側に引き寄せられ、導電部材11は信号線5に接触する。そして、導電部材11は信号線5と地導体6a、6bとの間を電気的に導通するので、信号線5に入力された高周波信号は、地導体6a、6bへと接地される。このように、信号線5に入力した高周波信号は、高周波スイッチの外部には出力されない。この時、高周波スイッチはオフ状態になる。
【0028】
このように高周波スイッチは、駆動電極9a、9bの電位を電圧印加により制御することにより、信号線5と地導体6a、6bとの接離を切り換えて信号線5の入力出力の間の信号伝送のオンオフを制御することができる。
【0029】
このような高周波スイッチは、信号線に間隙を設けていないので、伝送損失を低減することができる。
【0030】
実施の形態4.
上述の実施の形態3の高周波スイッチは、信号線と地導体との間を導電部材で接離してオンオフ状態を切り換えているが、この発明の実施の形態4の高周波スイッチは、信号線と地導体との間を容量結合してオフ状態に切り換える。
図13は、この発明の実施の形態4の高周波スイッチの斜視図である。図14は、図13の平面図である。図13の高周波スイッチは、図11の導電部材を可撓誘電体部材の反対の面に設けたことが異なっていて、その他は同様であるので、同一の符号を付して重複する説明を省略する。なお、図13は、図14の信号線5に沿った方向に眺めた斜視図であり、図14の信号線5と地導体6a、6bの図14における左右の部分は省略してある。
【0031】
可撓誘電体部材7は、実施の形態3と同様に地導体6a、6bと駆動電極9a、9bとの間の静電引力により、信号線と当接する当接位置Tと信号線と空隙Gを介して離間した離間位置Sとの間を移動する。導電部材12は、可撓誘電体部材7の信号線5と当接する面と反対の面に設けられている。
【0032】
次に、図13の高周波スイッチの動作について説明する。
信号線5と導電部材12とは、可撓誘電体部材7の当接位置Tにおいて、これらを両極とするコンデンサを構成する。そして、高周波信号は、このコンデンサを通過して信号線5から地導体6a、6bに接地されるので、高周波スイッチはオフ状態になる。一方、可撓誘電体部材7の離間位置Sにおいて、信号線5と導電部材12との間は空隙Gだけ大きく離れているので、信号線5と地導体6a、6bとの間の静電容量は非常に小さいので高周波に対して非常に大きなインピーダンスを示す。そして高周波信号は信号線5をそのまま伝送されるので、高周波スイッチはオン状態となる。このようにしてオンオフ状態を取りうる高周波スイッチを提供することができる。
【0033】
このような高周波スイッチは、挿入損失が少ないとともに、信号線と可撓誘電体部材とが接触する構造としたので、信号線と可撓誘電体部材のそれぞれの接触部の耐久性を向上させることができる。
【0034】
実施の形態5.
図15は、この発明の実施の形態5の高周波スイッチの図4と同様なB−B’断面図である。図15の高周波スイッチは、図1の導電部材と異なっており、その他は同様であるので、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
導電部材8は、信号線5a、5bに対向する面に突起部13を有している。
【0035】
導電部材8は、凸型の突起部13を有しているので、可撓誘電体部材7の近接位置Cにおいて、導電部材8と信号線5a、5bとの接触を均一にすることができる。なお、この実施の形態5では、実施の形態1に示した高周波スイッチに適用した例について説明したが、実施の形態3に示した構成に適用してもよく、同様な効果を得ることができる。
【0036】
このような高周波スイッチは、実施の形態1の高周波スイッチがオン状態でも、実施の形態3の高周波スイッチがオフ状態でも、導電部材と信号線との接触を均一にすることができる。
【0037】
実施の形態6.
図16は、この発明の実施の形態6の高周波スイッチの斜視図である。図17は、図16のB−B’断面図である。図16の高周波スイッチは、図1の信号線の間隙に地導体6a、6bをつなぐ連絡部14を有していて、その他は同様であるので、同一の符号を付して重複する説明を省略する。なお、図16ではキャビティの手前と奥の側面からそれぞれ手前側と奥側の高周波スイッチの図示は省略している。
図16において、地導体の連絡部14は地導体6a、6bと同一の導電性材料から成り、信号線5a、5bの間隙部を通って地導体6aと6bとを導通している。
【0038】
信号線5aと信号線5bとの間に、地導体6a、6bと同電位の連絡部14を設けることにより、スイッチがオフ状態におけるアイソレーションを向上させることができる。すなわち、導電部材8と地導体の連絡部14との間はコンデンサと見なすことができ、スイッチがオフ状態の時に信号線5aに入力された高周波信号はコンデンサを介してグランドに流れる。
【0039】
このような高周波スイッチは、スイッチがオフ状態におけるアイソレーションを向上させることができる。
【0040】
なお。この実施の形態6では、実施の形態1に示した高周波スイッチに適用した例について説明したが、実施の形態2、5に示した高周波スイッチに適用してもよく、同様な効果を奏することができる。
【0041】
実施の形態7.
図18は、この発明の実施の形態7の高周波スイッチの可撓誘電体部材の平面図である。(a)は可撓誘電体部材の平面図であり、(b)は、可撓誘電体部材のA−A’断面図である。図18の可撓誘電体部材は、図1の可撓誘電体部材7の一部にヒンジ部15を設けたことが異なっていて、図1と同一または相当する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0042】
次に、図18の可撓誘電体部材を用いた高周波スイッチの動作について説明する。
可撓誘電体部材7の一部の形状を細くすることにより、可撓誘電体部材7のばね定数を小さくしている。駆動電極9a、9bを地導体6a、6a側に引き寄せるために必要な電圧の大きさは、一般にばね定数の平方根に比例するので、駆動電圧を低減することができる。
【0043】
なお、この実施の形態7では、実施の形態1に示した構成に適用した例について説明したが、実施の形態2から実施の形態6に示した構成に適用してもよく、同様な効果を奏することができる。
なお、可撓誘電体部材の幅を一部狭くしたヒンジ部について説明したが、厚みを薄くしても良いし、駆動電極の幅を一部狭くしても同様な効果が得られる。
【0044】
このような高周波スイッチは、可撓誘電体部材を地導体4側に引き寄せるために要する電圧の大きさを低減できる。
【0045】
実施の形態8.
図19は、この発明の実施の形態8による高周波スイッチの斜視図である。図20は、図19のB−B’断面図である。図19の高周波スイッチは、信号線5aと信号線5bとの間隙にトレンチ16を有している。トレンチ16は、基板1および絶縁膜3を掘り込むように形成している。その他は図1と同一であり、同一な構成は、同一の符号を付して重複する説明を省略する。なお、図19ではキャビティの手前と奥の側面からそれぞれ手前側と奥側の高周波スイッチの図示は省略している。
【0046】
次に、図19の高周波スイッチの動作について説明する。
信号線5a、5bの間隙に、基板1および絶縁膜3を掘り込むようにトレンチ16を形成することによって、ダンピング効果を低減することができる。すなわち、空気の抜け道を設けることにより、可撓誘電体部材7が変位するスピードを速めることができる。
また、スイッチがオフ状態の時のアイソレーションを向上させることができる。すなわち、信号線5aに入力された高周波信号は、基板1を介して信号線5bに伝播するのを抑制することができる。
なお、この実施の形態8では、実施の形態1に示した構成に適用した例について説明したが、実施の形態3、5、6に示した構成に適用してもよく、同様な効果を奏することができる。
【0047】
このような高周波スイッチは、可撓誘電体部材が変位するスピードを速めることができると共に、スイッチがオフ状態の時のアイソレーションを向上させることができる。
【0048】
実施の形態9.
図21は、この発明の実施の形態9の高周波スイッチを備えた単極双投スイッチを示す回路図である。単極双投スイッチは、高周波信号入力端子17と、高周波信号出力端子18a、18bと、高周波信号伝送線路19a、19bと、図1の高周波スイッチ20a、20bとである。高周波信号伝送線路19a、19bの線路長は、所要中心周波数にて1/4波長とする。
【0049】
次に、この単極双投スイッチの動作について説明する。
高周波スイッチ20aがオン状態かつ高周波スイッチ20bがオフ状態の場合、高周波信号伝送線路19aを介して、高周波信号入力端子17から高周波信号伝送線路19a側はオープン状態となる。したがって、高周波信号入力端子17から入力された高周波信号は、高周波信号出力端子18aに出力される。
【0050】
一方、高周波スイッチ20bがオン状態かつ高周波スイッチ20aがオフ状態の場合、高周波信号伝送線路19bを介して、高周波信号入力端子17から高周波信号伝送線路19b側はオープン状態となる。したがって、高周波信号入力端子17から入力された高周波信号は、高周波信号出力端子18bに出力される。
【0051】
以上のように、実施の形態1から実施の形態8で示す高周波スイッチを組み合わせることによって、単極双投スイッチを構成することができる。
【0052】
なお、図21においては、単極双投スイッチに限って説明したが、上記実施の形態1から実施の形態8で示す高周波スイッチを組み合わせることによって、図22に示すような2極双投スイッチを構成しても良い。同様にして、それぞれの高周波信号入力端子17a、17bにそれぞれ高周波伝送線路とスイッチを追加することにより、2極多投スイッチを得ることができる。さらに、高周波信号を増加することにより、多極多投スイッチを得ることができる。
【0053】
【発明の効果】
この発明の高周波スイッチの効果は、基板に形成されたキャビティの内面に間隔をあけて設けた1対の信号線と、上記1対の信号線と間隔をあけ、上記キャビティの底面、内側面および縁部を覆って両側の上記基板の表面に向かってそれぞれ延びる1対の第1の電極と、上記キャビティの両縁に渡されて上記基板上の上記一対の第1の電極に両側が支持され、上記キャビティ内において撓むことにより上記1対の信号線に近接する近接位置と上記1対の信号線から離間した離間位置との間で撓み可能な弾性を有し、PZT、SBNまたはBSTのいずれかからなる可撓誘電体部材と、上記可撓誘電体部材の裏側に固定され、上記可撓誘電体部材が上記近接位置にあるとき上記1対の信号線間を導通させる導電部材と、上記可撓誘電体部材のおもて側に固定され、上記1対の第1の電極と上記可撓誘電体部材を介してそれぞれ静電結合し、上記可撓誘電体部材を撓ませる吸引力を発生する第2の電極と、を有するので、基板の上面から突起する部材がな、近接して配置した他の高周波スイッチまたは他の素子との間の電磁干渉は小さい。また、突起する部材が存在しないので、厚みの薄い高周波スイッチが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1の高周波スイッチの斜視図である。
【図2】 図1の平面図である。
【図3】 図2のA−A'断面図である。
【図4】 オフ状態の図2の高周波スイッチのB−B'断面図である。
【図5】 オン状態の図2の高周波スイッチのB−B’断面図である。
【図6】 この発明の実施の形態2の高周波スイッチを示す斜視図である。
【図7】 図6の平面図である。
【図8】 図7のA−A’断面図である。
【図9】 オフ状態の図7の高周波スイッチのB−B’断面図である。
【図10】 オン状態の図7の高周波スイッチのB−B’断面図である。
【図11】 この発明の実施の形態3の高周波スイッチの斜視図である。
【図12】 図11の平面図である。
【図13】 この発明の実施の形態4の高周波スイッチの斜視図である。
【図14】 図13の平面図である。
【図15】 この発明の実施の形態5の高周波スイッチの図4と同様なB−B’断面図である。
【図16】 この発明の実施の形態6の高周波スイッチの斜視図である。
【図17】 図16のB−B’断面図である。
【図18】 この発明の実施の形態7の高周波スイッチの可撓誘電体部材の平面図である。
【図19】 この発明の実施の形態8の高周波スイッチを示す斜視図である。
【図20】 図19のB−B’断面図である。
【図21】 この発明の実施の形態9の単極双投スイッチを示す回路図である。
【図22】 この発明の実施の形態9の多極多投スイッチを示す回路図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板、1a、1b (シリコン基板のキャビティの)縁部、2 キャビティ、2a (キャビティの底面)、2b (キャビティの)開口、2c(キャビティの)内側面、2d、2e (キャビティの)辺、3 絶縁膜、4信号線間隙、5、5a、5b 信号線、6a、6a 地導体、7 可撓誘電体部材、8、10、11、12 導電部材、9a、9b 駆動電極、13 (導電部材の)突起部、14 連絡部、15 ヒンジ部、16 トレンチ、17、17a、17b 高周波信号入力端子、18a、18b 高周波信号出力端子、19a、19b、19c、19d 高周波信号伝送線路、20a、20b、20c、20d 高周波スイッチ。

Claims (10)

  1. 基板に形成されたキャビティの内面に間隔をあけて設けた1対の信号線と、
    上記1対の信号線と間隔をあけ、上記キャビティの底面、内側面および縁部を覆って両側の上記基板の表面に向かってそれぞれ延びる1対の第1の電極と、
    上記キャビティの両縁に渡されて上記基板上の上記一対の第1の電極に両側が支持され、上記キャビティ内において撓むことにより上記1対の信号線に近接する近接位置と上記1対の信号線から離間した離間位置との間で撓み可能な弾性を有し、PZT、SBNまたはBSTのいずれかからなる可撓誘電体部材と、
    上記可撓誘電体部材の裏側に固定され、上記可撓誘電体部材が上記近接位置にあるとき上記1対の信号線間を導通させる導電部材と、
    上記可撓誘電体部材のおもて側に固定され、上記1対の第1の電極と上記可撓誘電体部材を介してそれぞれ静電結合し、上記可撓誘電体部材を撓ませる吸引力を発生する第2の電極と、
    を有することを特徴とする高周波スイッチ。
  2. 基板に形成されたキャビティの内面に間隔をあけて設けた1対の信号線と、
    上記1対の信号線と間隔をあけ、上記キャビティの底面、内側面および縁部を覆って両側の上記基板の表面に向かってそれぞれ延びる1対の第1の電極と、
    上記キャビティの両縁に渡されて上記基板上の上記一対の第1の電極に両側が支持され、上記キャビティ内において撓むことにより上記1対の信号線に当接する当接位置と上記1対の信号線から離間した離間位置との間で撓み可能な弾性を有し、PZT、SBNまたはBSTのいずれかからなる可撓誘電体部材と、
    上記可撓誘電体部材のおもて側に固定され、上記可撓誘電体部材が上記当接位置にあるとき上記1対の信号線間を誘電結合する導電部材と、
    上記可撓誘電体部材のおもて側に固定され、上記1対の第1の電極と上記可撓誘電体部材を介してそれぞれ静電結合し、上記可撓誘電体部材を撓ませる吸引力を発生する第2の電極と、
    を有することを特徴とする高周波スイッチ。
  3. 基板に形成されたキャビティの内面に設けた信号線と、
    上記1対の信号線と間隔をあけ、上記キャビティの底面、内側面および縁部を覆って両側の上記基板の表面に向かってそれぞれ延びる1対の第1の電極と、
    上記キャビティの両縁に渡されて上記基板上の上記一対の第1の電極に両側が支持され、上記キャビティ内において撓むことにより上記信号線に近接する近接位置と上記信号線から離間した離間位置との間で撓み可能な弾性を有し、PZT、SBNまたはBSTのいずれかからなる可撓誘電体部材と、
    上記可撓誘電体部材の裏側に固定され、上記可撓誘電体部材が上記近接位置にあるとき上記信号線と上記第1の電極との間を導通させる導電部材と、
    上記可撓誘電体部材のおもて側に固定され、上記1対の第1の電極と上記可撓誘電体部材を介してそれぞれ静電結合し、上記可撓誘電体部材を撓ませる吸引力を発生する第2の電極と、
    を有することを特徴とする高周波スイッチ。
  4. 基板に形成されたキャビティの内面に設けた信号線と、
    上記1対の信号線と間隔をあけ、上記キャビティの底面、内側面および縁部を覆って両側の上記基板の表面に向かってそれぞれ延びる1対の第1の電極と、
    上記キャビティの両縁に渡されて上記基板上の上記一対の第1の電極に両側が支持され、上記キャビティ内において撓むことにより上記信号線に当接する当接位置と上記信号線から離間した離間位置との間で撓み可能な弾性を有し、PZT、SBNまたはBSTのいずれかからなる可撓誘電体部材と、
    上記可撓誘電体部材のおもて側に固定され、上記可撓誘電体部材が上記当接位置にあるとき上記信号線と上記第1の電極との間を誘電結合する導電部材と、
    上記可撓誘電体部材のおもて側に固定され、上記1対の第1の電極と上記可撓誘電体部材を介してそれぞれ静電結合し、上記可撓誘電体部材を撓ませる吸引力を発生する第2の電極と、
    を有することを特徴とする高周波スイッチ。
  5. 上記導電部材は、突起を有することを特徴とする請求項1または3に記載の高周波スイッチ。
  6. 上記1対の信号線の間に、上記1対の第1の電極を接続する連絡部を有したことを特徴とする請求項1または2に記載の高周波スイッチ。
  7. 上記1対の信号線の間に、基板を彫り込んだトレンチを介在したことを特徴とする請求項1または2に記載の高周波スイッチ。
  8. 上記可撓誘電体部材は、ヒンジ部を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の高周波スイッチ。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の高周波スイッチを組み合わせて構成したことを特徴とする単極双投スイッチ。
  10. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の高周波スイッチを組み合わせて構成したことを特徴とする多極多投スイッチ。
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