JP4147138B2 - 貯蔵庫 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は貯蔵庫に関し、特に扉の装着部分の構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、冷蔵庫の扉装置の一例として、特許文献1に記載されたものが知られている。このものは、冷蔵庫本体の前面に開口された出入口における一側縁の上下両側に、それぞれ下向きまたは上向きのヒンジピンが立てられたヒンジプレートが取り付けられるとともに、扉の対応する側縁の上下両端面に、ヒンジピンが嵌合可能な軸受孔が形成され、上下のヒンジピンが対応する軸受孔に嵌合されることで扉が回動可能に支持され、出入口を開閉するようになっている。
ここで扉を取り付ける際、傾き等取付位置の調整を行う必要があるが、扉の姿勢は閉じている場合の方が見やすいことから、扉が閉じた状態でヒンジプレートの取り付けまたは取り外しができる構造となっていた。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−305944号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一方、この種の冷蔵庫では、扉が不必要に開放できないにように施錠機構を設けたものがある。しかるに上記のように扉が閉じた状態でヒンジプレートが着脱できるようになっていると、施錠機構の構造によっては、施錠されているにも拘わらずヒンジプレートを取り外すことで扉が開けられてしまうおそれがあり、さらなる改良が切望されていた。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、扉が不必要に開放されることを確実に防止するところにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、貯蔵庫本体に形成された出入口の口縁における一方の縦縁の上下両端部にはヒンジ部材が取り付けられ、このヒンジ部材と扉とのいずれか一方に立てられたヒンジピンが、他方に設けられたヒンジ受けに嵌合されることで、前記扉が前記出入口に対して縦軸回りの開閉可能に装着された貯蔵庫において、前記ヒンジ部材には、このヒンジ部材を前記出入口の口縁に取付具で固定するための固定部位が、複数個それぞれ正面を向いた形態でかつ横方向に並んで設けられ、これらの複数個の固定部位のうちの一部の固定部位が、前記扉が閉じた状態においてこの扉の裏面の裏側に隠される位置に設定されるとともに、残りの固定部位が、前記扉が閉じた状態において外部からの着脱操作可能に露出した位置に設定されており、下側の前記ヒンジ部材は各固定部位が取付具で予め固定されて前記扉の下端部を支持可能である一方、上側の前記ヒンジ部材は、閉じた状態の前記扉で隠される固定部位が取付具により仮止めされてそこを中心に正規姿勢から側方に回動して逃がされ、前記扉の下端部が下側の前記ヒンジ部材に支持された状態で前記正規姿勢に向けて戻されることにより同扉の上端部が支持されたのち、前記扉が閉じられた状態で露出した側の固定部位が取付具で固定され、最後に扉が開けられた状態で前記仮止めされた固定部位が本止めされることによって取り付けられるようになっているところに特徴を有する。
【0006】
【発明の作用及び効果】
<請求項1の発明>
ヒンジ部材における取付具で固定される部位が複数個あって、そのうちの一部の固定部位が、閉扉状態では扉で隠されることから、閉扉状態ではヒンジ部材を外すことができない。そのため、施錠機構が施されていれば、その構造の如何に拘わらず、扉が不必要に開放されることを確実に防止できる。
また扉の取り付けは、以下のようにして行われる。下側のヒンジ部材は各固定部位が取付具で予め固定される。上側のヒンジ部材は、閉じた状態の扉で隠される固定部位が取付具により仮止めされて、そこを中心に正規姿勢から側方に回動して逃がされる。次に、扉の下端部が下側のヒンジ部材に対してヒンジピンとヒンジ受けとの嵌合により支持され、続いて上側のヒンジ部材が正規位置に向けて回動されて同じくヒンジピンとヒンジ受けとの嵌合により、扉の上端部が上側のヒンジ部材に対して支持される。次に扉が閉じた状態とされて、必要に応じて上側のヒンジ部材を移動させつつ扉の姿勢を調整する。調整が完了したら、露出している固定部位が取付具で固定され、最後に扉が開けられて先に仮止めされていた固定部位が本止めされ、これにより扉の取り付けが完了する。
このように、扉は実質的に閉じた状態で取り付けることができるから、位置調整等を簡単にかつ正確に行うことができる。
また扉をヒンジ部材に支持するに当たり、特に上側について、扉の下端部が下側のヒンジ部材に支持された状態から、逃がされていた上側のヒンジ部材を戻してヒンジピンとヒンジ受けとを嵌合すれば良く、すなわち上側においてヒンジピンとヒンジ受けとを嵌合するのに、いちいち扉を上げ下げしてヒンジピンをヒンジ受けに抜き差しする必要がなく、扉の取り付けさらには取り外し作業を簡単に行うことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
本実施形態では、例えば農産物等を保存することに用いるプレハブ式の保存庫を例示している。
図1及び図2において、符号10は保存庫本体であって、複数枚の断熱パネルを組み立てることで前面を開口した縦長の箱形に形成され、底面に設けられた脚11で支持されている。本体10の内部は保存室12とされるとともに、前面開口が出入口13となっており、この出入口13には、詳しくは後記するように、断熱パネルからなる扉15が、正面から見た右側縁側で揺動開閉可能に支持されている。扉15の表面の左側縁には開閉操作用のハンドル16が設けられている。
本体10の天井壁の上には、冷凍装置等を収容した機械室18が設けられ、冷却器で生成された冷気が保存室12内に循環供給されることで、所定の冷却温度に維持されるようになっている。
【0009】
また、扉15が不必要に開放されないための施錠機構20が備えられている。図7に示すように、本体10の出入口13の左側縁における端面には、先端に頭部を設けた被掛止棒21が突設されている。一方、扉15における自由端側の裏面にはロック部材23が取り付けられ、キー操作部24が表面側に臨んでいる。ロック部材23は、キー25の操作によって掛止片26の位置が横向きと下向きとに変えられるものであり、開位置では、図8(A)及び図9の鎖線に示すように掛止片26が下を向いて被掛止棒21から外れ、キー25を閉位置に向けて時計方向に90度回すと、図8(B)及び図9に示すように、掛止片26が横向きの姿勢を取って被掛止棒21に掛止し、扉15の開放が阻止されるようになっている。
【0010】
続いて、扉15の支持構造を説明する。
扉15は、正面から見た右側縁の上下両端部がヒンジ機構30によって支持されている。そのため、図3に示すように、上下一対のヒンジプレート31が備えられている。ヒンジプレート31は金属製であって上下対称形状に形成され、全体としては横長のアングル状をなし、水平方向を向いた板面が支持板32で、鉛直方向を向いた板面が取付板33となっている。
【0011】
支持板32は、外側(図3の右手前側)に向けて次第に幅が広くなるように形成され、この支持板32における手前側の端縁に沿った位置の外側の端部よりも少し入った位置に、金属製のヒンジピン35が圧入またはねじ止め等によって取り付けられている。ヒンジピン35は、上側のヒンジプレート31では下向きに、下側のヒンジプレート31では上向きにそれぞれ取り付けられている。
下側のヒンジピン35の基端側の外周には、合成樹脂製のヒンジカラー36が回転可能に嵌装されるようになっている。
一方、扉15の右側縁の上下両端面には、上下のヒンジピン35がそれぞれ嵌合可能な嵌合孔37が形成されている。嵌合孔37の内面には、摩擦抵抗の小さい合成樹脂製のカラー等が嵌着されていることが望ましい。
【0012】
ヒンジプレート31における取付板33には、横長の長孔状をなす3個のねじ40の挿通孔41A,41B,41Cが横一列に並んで形成されている。これらの第1、第2及び第3の挿通孔41A,41B,41Cは、それぞれ取付板33の左端位置、中央から少し左に寄った位置及び右端位置に形成されている。
一方、本体10の出入口13の口縁における右上隅と右下隅には、3個の第1、第2及び第3のねじ孔42A,42B,42Cが、上記したヒンジプレート31のねじ40の挿通孔41A,41B,41Cに対応したピッチで形成されている。より詳細には、3個のねじ孔42A,42B,42Cは、本体10の前面の上縁(または下縁)に沿うように横方向に並んで形成され、第1と第2のねじ孔42A,42Bが出入口13の右側縁よりも左側の位置に、第3のねじ孔42Cが本体10の前面の右側縁に寄った位置にそれぞれ形成されている(図4参照)。
なお、第1ないし第3の挿通孔41A,41B,41Cと、第1ないし第3のねじ孔42A,42B,42Cの組を、それぞれ第1ないし第3のねじ止め部43A,43B,43Cと言う。
【0013】
ヒンジプレート31が、各挿通孔41A,41B,41Cをねじ孔42A,42B,42Cに合わせて出入口13の口縁に当てられると、図6に代表して示すように、上側のヒンジプレート31では支持板32が本体10の前面の上縁から上方に突出し、下側のヒンジプレート31では支持板32が本体10の前面の下縁から下方に突出した状態となる。
また最終的には、各ねじ止め部43A,43B,43Cにおいて、挿通孔41A,41B,41Cに通したねじ40をねじ孔42A,42B,42Cに螺合して締め付けることで固定されるが、特筆すべきは、扉15が閉鎖した状態では、図5に示すように、右端の第3ねじ止め部43Cのみが前面からの操作可能に露出し、左側の第1と第2のねじ止め部43A,43Bは、扉15で隠された状態となる。この第1と第2のねじ止め部43A,43Bは、図6に示すように、扉15が開放されて初めて前面からの操作可能に露出した状態となる。
【0014】
なお扉15の裏面の周縁にはマグネットパッキン45が装着され、扉15が閉じられた場合に、出入口13の口縁に吸着されて密閉するようになっている。
本実施形態は上記のような構造であって、扉15は以下のように組み付けられる。
まず、下側のヒンジプレート31が、本体10の前面の出入口13の右下隅に当てられ、図2に示すように、各ねじ止め部43A,43B,43Cにおいてねじ40が締め込まれて固定される。上を向いたヒンジピン35の基端側にはヒンジカラー36が嵌装される。一方、上側のヒンジプレート31は、第1ねじ止め部43Aのみが仮止めされ、図4に示すように、ヒンジピン35が上方に退避した起立姿勢に仮保持される。
【0015】
この状態から、扉15の下側の嵌合孔37が、下側のヒンジプレート31から立てられたヒンジピン35に嵌められる。扉15は、下側のヒンジピン35を中心として閉じた姿勢に揺動され、続いて上側のヒンジプレート31が第1ねじ止め部43Aを中心として図4の矢線方向に回動されて、上側のヒンジプレート31の下向きのヒンジピン35が、扉15の上側の嵌合孔37に嵌められる(図5参照)。
そして、扉15の上縁が本体10の上面と平行となっているか等を見つつ、扉15の傾き等を正規に調整し、調整が完了したら、図5に示すように、前面に露出している第3ねじ止め部43Cにねじ40を締め込んで固定する。
最後に、図6に示すように扉15を開放し、第2ねじ止め部43Bにねじ40を締め込んで固定するとともに、仮止めされていた第1ねじ止め部43Aを本止めする。
【0016】
以上により扉15の組み付けが完了し、扉15は上下のヒンジピン35を中心として揺動しつつ出入口13を開閉する。また、閉扉状態から必要に応じて施錠機構20のキー25を閉位置に操作すると、図8(B)に示すように扉15が閉鎖状態にロックされる。
ここで仮に、上下のヒンジプレート31のすべてのねじ止め部43A,43B,43Cが閉扉状態において前面からの操作可能に露出しており、言い換えるとヒンジプレート31を外すことが可能であると、施錠機構20が上記のような構造の場合には、折角施錠されていてもヒンジプレート31を外せば扉15が開けられてしまうおそれがある。
その点この実施形態では、ヒンジプレート31の3箇所のねじ止め部43A,43B,43Cのうちの内側の2箇所のねじ止め部43A,43Bは、閉扉状態において扉15で隠されるようになっているから、ヒンジプレート31は外すことができず、施錠されている限り扉15を開けることはできない。
【0017】
保存庫の設置使用後に、扉15の位置ずれを調整する場合も、扉15を開けて第1と第2のねじ止め部43A,43Bを緩めて仮止め状態とするとともに、扉15を閉めて第3ねじ止め部43Cを緩めて仮止め状態とし、長孔状の挿通孔41A,41B,41Cを利用して扉15の傾き等を調整したのち、第3ねじ止め部43Cを本止めし、続いて開扉して第1と第2のねじ止め部43A,43Bを本止めするといった手順を踏むことで、簡単に対応することができる。
【0018】
以上説明したように本実施形態によれば、ヒンジプレート31を取り付けるに当たって設けられた3箇所のねじ止め部43A,43B,43Cのうちの、内側の2箇所のねじ止め部43A,43Bが、閉扉状態では扉15で隠される構造であるから、閉扉状態でヒンジプレート31を外すことができない。そのため、施錠機構20が施されていれば、その構造の如何に拘わらず、扉15が不必要に開放されることを確実に防止でき、盗難防止等に万全を期することができる。
【0019】
3箇所のねじ止め部43A,43B,43Cのうちの1箇所のねじ止め部43Cは、閉扉状態で前面からの操作可能に露出する設定としたから、例えば、閉扉状態において扉15で隠れる側のねじ止め部43A,43Bについては、少なくとも1箇所を開扉状態で仮止めし、扉15を閉じたのち露出した側のねじ止め部43Cを固定し、再度開扉状態として隠れる側のねじ止め部43A,43Bを本止めするといった取り付けの方法を採ることができる。したがって、実質的に扉15を閉じた状態で取り付けることができ、位置調整等を簡単にかつ正確に行うことができる。
【0020】
さらに、上側のヒンジプレート31について、隠れる側のねじ止め部43A,43Bの1箇所を仮止めしてそこを中心にヒンジプレート31を正規姿勢から上方に回動させて逃がし、扉15を下側のヒンジプレート31で支持したのち、上側のヒンジプレート31を正規姿勢に向けて回動して、ヒンジピン35を嵌合孔37に嵌めるといった取付手順を踏むことができる。扉15を上げ下げしつつ上側の嵌合孔37をヒンジピン35に抜き差しする必要がなく、扉15の取り付け取り外し作業をより簡単に行うことが可能となる。
【0021】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)ヒンジ機構は、扉側にヒンジピンが、ヒンジプレート側に嵌合孔が設けられた構造であってもよい。
(2)閉扉状態で隠れる側のねじ止め部の数は、1または3以上であってもよく、また、露出する側のねじ止め部の数は、2以上であってもよい。
【0022】
(3)本発明は、上記実施形態に例示したプレハブ式の保存庫以外にも、冷蔵庫、冷凍冷蔵庫、温蔵庫等の要はヒンジ機構により扉を開閉可能に支持した貯蔵庫全般に広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る保存庫の斜視図
【図2】 その分解斜視図
【図3】 扉の支持部分の部分分解斜視図
【図4】 ヒンジプレートを仮止めして退避させた状態の正面図
【図5】 閉扉して第3ねじ止め部を固定した状態の正面図
【図6】 全ねじ止め部を固定した状態の一部切欠正面図
【図7】 施錠機構を示す斜視図
【図8】 施錠機構の開閉動作を示す一部切欠正面図
【図9】 その平断面図
【符号の説明】
10…保存庫本体(貯蔵庫本体) 13…出入口 15…扉 31…ヒンジプレート(ヒンジ部材) 33…取付板 35…ヒンジピン 37…嵌合孔(ヒンジ受け) 40…ねじ(取付具) 41A,41B,41C…(ねじ40の)挿通孔 42A,42B,42C…ねじ孔 43A,43B,43C…ねじ止め部(固定部位)
Claims (1)
- 貯蔵庫本体に形成された出入口の口縁における一方の縦縁の上下両端部にはヒンジ部材が取り付けられ、このヒンジ部材と扉とのいずれか一方に立てられたヒンジピンが、他方に設けられたヒンジ受けに嵌合されることで、前記扉が前記出入口に対して縦軸回りの開閉可能に装着された貯蔵庫において、
前記ヒンジ部材には、このヒンジ部材を前記出入口の口縁に取付具で固定するための固定部位が、複数個それぞれ正面を向いた形態でかつ横方向に並んで設けられ、
これらの複数個の固定部位のうちの一部の固定部位が、前記扉が閉じた状態においてこの扉の裏面の裏側に隠される位置に設定されるとともに、残りの固定部位が、前記扉が閉じた状態において外部からの着脱操作可能に露出した位置に設定されており、
下側の前記ヒンジ部材は各固定部位が取付具で予め固定されて前記扉の下端部を支持可能である一方、
上側の前記ヒンジ部材は、閉じた状態の前記扉で隠される固定部位が取付具により仮止めされてそこを中心に正規姿勢から側方に回動して逃がされ、前記扉の下端部が下側の前記ヒンジ部材に支持された状態で前記正規姿勢に向けて戻されることにより同扉の上端部が支持されたのち、前記扉が閉じられた状態で露出した側の固定部位が取付具で固定され、最後に扉が開けられた状態で前記仮止めされた固定部位が本止めされることによって取り付けられるようになっていることを特徴とする貯蔵庫。
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