JP4147582B2 - 路面清掃車の塵埃等の回収装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ピックアップヘッドの略全長に亘る空気吹出しノズルからブロアからの還流空気流を吹出し、路面上の塵埃を回収する路面清掃車の塵埃等の回収装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
還流式路面清掃車のピックアップヘッドでは、従来、ブロアから圧送ダクトを介して供給された空気流をピックアップヘッドの全長に亘って路面に対する角度が一定の空気吹出しノズル(オリフィス口)から吹出して、路面上の塵埃を舞い上がらせてピックアップヘッドの一端の吸引ダクトからホッパに吸引回収している。このようなものとして特許文献1に開示のものがある。ピックアップヘッドは、長手方向の一端側に圧送ダクトが連通され、他端側に吸引ダクトが連通されており、長手方向全幅に亘って連続する吹出し口(空気吹出しノズル)から空気流を噴出するようになっている。その吹出し口は、路面に対する角度が全長に亘って一定であるが、開口幅を圧送ダクト側を狭く吸引ダクト側を広くして、ごみ量の多くなる吸引ダクト側での吸引能力を高くしている。
【0003】
また、ピックアップヘッド全長に亘って空気吹出しノズルが設けられているものではないが、空気吹出しノズルの路面に対する角度が一定でないものとして、特許文献2に開示のものがある。このものでは、空気吹出しノズルが車両幅方向に多数配列されており、それらの空気吹出しノズルは、路面に向けて鉛直のものと所定角度をつけたものとが幅方向に所定間隔をあけて交互に配置してある。そして、これらの空気吹出しノズルとほぼ前後に対向して特許文献2の図2のように車両幅幅方向に吸入ガイド(吸引ダクト)が配置されている。
【0004】
また、特許文献3では透水性舗装のための清掃装置が開示されており、透水性舗装面に向けて水を噴射するノズルの角度を車両の移動速度で変化するようにしたものが開示されている。特許文献4も透水性舗装のための清掃装置(ピックアップヘッド)であり、清掃装置は、その全長に亘るノズルが回動可能に設けられており、ノズルはほぼ長手全長に及ぶスリット状の空気噴射口が形成されている。このノズルは、清掃速度により舗装面に対する空気噴射角度が変更されるようになっている。また、ピックアップヘッドは、車両幅方向中心の両側に対称に2個づつ吹出しダクトと吸引ダクトとが設けられている。
【0005】
また、特許文献5では、ピックアップヘッドの全幅に亘る吹出し口(空気吹出しノズル)を複数の区間に分割し、吹出し口の各区間に対応して吹出し口の開度を調整する開度調整部材を設けて空気流調整機構を構成している。ピックアップヘッドは、左側に吸引ダクトを備え、吹出し口の吸引ダクト側の区間に空気流調整機構を設けて、開度調整部材(揺動板)が揺動することで前後方向の開口量を調整可能として塵埃量や道路状況に応じた清掃作業を行えるようになっており(特許文献5の図2を参照)、開度調整部材は吹出し口の絞りとして作用している。特に、路肩側に塵埃が集中する場合には、路肩側と反対側の吹出し口を閉じて路肩側の吹出し口を全開にして風量の増加した空気流を噴出させる。
【0006】
【特許文献1】
実用新案登録第2506993号公報
【特許文献2】
特開平7−247523号公報
【特許文献3】
特開平10−88540号公報
【特許文献4】
特願2002−123534号公報
【特許文献5】
特開平5−321220号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の技術に記載の還流式路面清掃車のピックアップヘッドにおいて、その全長に亘って路面に対する角度が一定の空気吹出しノズルから空気を吹出して、ピックアップヘッド一端の吸引ダクトから塵埃を吸引するものでは、吸引ダクトに近い空気吹出しノズル部分から吹出された吹出し気流の一部が路面に有効に作用する前に吸引ダクトに吸い込まれ、ピックアップヘッドの長手方向で清掃効果にムラが発生すると共に清掃効率が低下している。特許文献1のものでは、吹出し口の吸引ダクト側の開口幅を広くして吹出し気流量を多くすることで清掃効果の向上を図っている。しかしながら、ピックアップヘッドの吹出し口の路面に対する角度は全長で一定であるので、吸引ダクト側の吹出し気流の一部は上記のように吸引ダクトによって吸われるために清掃効率が低下する問題がある。
【0008】
特許文献2は、車両幅方向に配列した複数の吹出しノズルに対向して吸引ダクトを配置したものであり、吸引ダクトが車両幅方向の一方に偏った配置となっているものではない。また、特許文献3のものでは、透水性舗装面に向けて水を噴射するノズルの角度を車両の移動速度により変化するようにした清掃装置が開示されているに過ぎず、空気還流式路面清掃車のピックアップヘッドではない。特許文献4も透水性舗装のための清掃装置であり、ピックアップヘッド全長に亘る空気噴射口が形成されたノズルの空気噴射角度が、清掃速度により舗装面に対して可変としたもので全長では一定であり、また、吸引ダクトが車両幅方向一方に偏った配置となっているものではない。
【0009】
特許文献5では、吹出し口の吸引ダクト側の範囲に空気流調整機構を設け、その開度調整部材の揺動で吹出し口の開口量を清掃状況に応じて増加または絞り込むため、吹出し口の吸引ダクト側の範囲とそれ以外の範囲では、路面に対する吹出し口からの空気流の吹出す角度が異なるものであるが、吹出し口の全長に亘り均一な清掃効果を生じることを目的としているものではない。
本願の課題は、吸引ダクトに近い所定の範囲でオリフィス口からの吹出し気流の一部を吸引ダクトに吸い込まれ難くすることで清掃効率を向上し、路面に対してピックアップヘッド全幅で略均一な清掃効果を生じる路面清掃車の塵埃等の回収装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題解決のため本願発明では、車両の略全幅に亘るピックアップヘッド内を仕切り板で上側の圧空室と下側のサクション室とに仕切り、仕切り板の後端部と仕切り板の後方でピックアップヘッド内に固着された前方に向けて下がる風向板との間にピックアップヘッドの全長に亘って空気吹出しノズルを形成し、圧空室にはブロアからの空気流を供給する圧送ダクトを連通し、ブロアの吸引側に連通する吸引ダクトをピックアップヘッドの長手一端部において前記サクション室に連通して成る塵埃等の回収装置において、前記空気吹出しノズルを形成する前記風向板の路面に対する後方向の角度を、空気吹出しノズルの全長の内、前記吸引ダクトに近い所定の範囲においては角度θ1とし、それ以外の範囲では角度θ2とし、角度θ1>角度θ2としたことを特徴とする(請求項1)。これによれば、吸引ダクトに近い所定範囲の空気吹出しノズルを形成する前記風向板の路面に対する後方向の角度θ1をより垂直に近い角度とし、角度θ1としたノズル部分からの吹出空気流が路面に作用する点と吸引ダクトの吸引開口との距離が、角度θ2で吹出す場合よりも離れるので、吸引ダクトに近い所定の範囲の吹出しノズルからの空気流が吸引ダクトに吸い込まれにくくなり、空気流が路面に有効に作用するので、清掃効率が向上する。
【0011】
前記角度θ1で吹出す前記所定の範囲での路面清掃状態と、角度θ2で吹出す前記それ以外の範囲での路面清掃状態とが、略同程度となるように角度θ1、θ2、及び前記所定の範囲が設定されていることを特徴とする(請求項2)。このようにピックアップヘッドの全長で路面清掃状態を略同程度となるようにしたので、ピックアップヘッドの全長方向で清掃効果にムラが無くなる。
【0012】
前記所定の範囲は、ノズル全長の30〜40%であることを特徴とする(請求項3)。塵埃は路肩側に多く、清掃効率を上げるために一般に吸引ノズルをピックアップヘッドの路肩側から30〜40%内に設けているので、これに対応して所定の範囲を30〜40%とすれば、吸引ノズルによる空気流の吸い込みを防止するのに効果的である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本願発明の実施の形態について図1〜図7に基づいて説明する。図1において、路面清掃車1の塵埃等の回収装置であるピックアップヘッド2は、車両3の前後の車輪4,5間に配置されている。ピックアップヘッド2は、図2に示す路面Rに対して接地する接地位置と、図示しない路面Rから離間する格納位置との間で昇降可能に懸吊されている。尚、6は側ブラシ(ガッタブルーム)であり、清掃車1の中心に向けて塵埃を掃き込む。
【0014】
ピックアップヘッド2は、車両3の略全幅に亘る全長を有している。ピックアップヘッド2のフード本体7は、左右の側板8,9に、図2に示す前後を屈曲形成して前板10と後板11とした断面形状がコ字形状の天板12を溶着し、前板10の下端に左右の側板8,9間に亘る後方に向けて斜め下方に屈曲した仕切り板13を設けて構成されている。仕切り板13は、ピックアップヘッド2内を上側の圧空室14と下側のサクション室15とに仕切っている。上側の圧空室14は、仕切り板13と左右の側板8,9と天板12とに囲まれて形成されており、サクション室15は、仕切り板13と左右のダートシュー16とゴム製のフロントフラップ17とリヤフラップ18とに囲まれて形成されている。ダートシュー16は清掃時に路面Rに接触して移動するように左右の側壁8,9の車両幅方向外側に夫々取付けられ、フロントフラップ17は仕切り板13の前部下側に取付けられ、リヤフラップ18は後板11と後述の風向板取付体19の後側に夫々取り付けられており、後述の空気吹出しノズル(オリフィス口)20から吹出した空気流が前後、左右方向から漏れないようになっている。
【0015】
天板12の車両幅方向で路肩寄り(本願実施の形態では清掃車の左側)となる上面には、一端が図示しないブロアに接続され空気流を供給する圧送ダクト21の他端が溶着されて圧空室14に連通している。また、圧送ダクト21に近接して圧送ダクト21より左側(路肩寄り)には、一端が図示しないホッパを介してブロアの吸引側に連通する吸引ダクト22の他端が天板12を貫通して仕切り板13に溶着されており、サクション室15に連通している。吸引ダクト22は、図1に示すように、ピックアップヘッド2全長の左側から40%以内の位置に接続されている。
【0016】
風向板取付体19は、仕切り板13の後方で左右の側板8,9間に亘って横架されており、風向板取付体19の全長には、路面Rに対する角度が異なるように左右の風向板23,24が固着されており、図2に示すように、左右の風向板23,24と仕切り板13の後端部13aとの間でピックアップヘッド2の略全長に亘る空気吹出しノズル(オリフィス口)20を形成している。風向板取付体19は、図3に示すように、左右の側プレート25,26間に、吸引ダクト22の位置と対応して左側から30〜40%の所定の位置に中間プレート27を介装し、左右の側プレート25,26と中間プレート27間に亘って、図2、図5、図6に示すように、後板11に連なる左右の後プレート28,29と、左右の上プレート30,31と、左右上プレート30,31の先端から前方に向けて下がるように傾斜し後プレート28,29に向けて後方に屈曲形成された略鉤形状の左右の下プレート32,33を夫々設けて構成されている。この風向板取付体19の左右上プレート30,31と後板11との間には全長に亘り図示しないガスケットが嵌入されている。また、図5に示すように、風向板取付体19の左の下プレート32の傾斜面35は路面Rに対して角度θ1に設定されており、図6に示すように、右の下プレート33の傾斜面36は路面Rに対して角度θ2に設定されており、角度θ1>角度θ2となっている。
【0017】
図3〜図6に示すように、左風向板23は風向板取付体19の左の側プレート25と中間プレート27間に亘って左下プレート32の傾斜面35上に設けられており、右風向板24は右の側プレート26と中間プレート27間に亘って右下プレート33の傾斜面36上に設けられている。これにより、空気吹出しノズル20は、空気吹出しノズル20の全長の内、吸引ダクト22に近い左側から30〜40%の所定の範囲L1では角度θ1で路面Rに向けて指向し、それ以外の右側の範囲L2では角度θ2で路面Rに向けて指向することとなる。図4に示すように、左右の風向板23,24の下端位置は車両幅方向で真っ直ぐであり、従って、左右の風向板23,24と仕切り板13の後端部13aとの間で形成されている空気吹出しノズル20の開口幅は一定であるが、吸引ダクトに近づくにつれて広くしても良い。この所定の範囲及び角度θ1は、所定の範囲L1で空気吹出しノズル20から角度θ1で空気流を吹出して路面Rを清掃した状態が、それ以外の範囲L2で空気吹出しノズル20から角度θ2で空気流を吹出して、路面Rを清掃した状態と略同程度となるように設定されている。角度θ2は、従来から採用されている路面Rに対する角度である。
【0018】
次に作用について説明する。ピックアップヘッド2を接地位置として側ブラシ6を回転し、空気吹出しノズル20全長から空気流を路面Rに向けて吹出す。側ブラシ6によって掃き寄せられた路面R上の塵埃は空気流によって吹き上げられ、その塵埃が吸引ダクト22によって吸引されて回収ホッパに回収される。このとき、吸引ダクト22に近い所定の範囲L1で角度θ1で空気吹出しノズル20から吹出された空気流は、路面Rに対して大きな角度(より垂直に近い角度)で吹きつけられるので、角度θ1としたノズル部分からの吹出空気流が路面Rに作用する点と吸引ダクト22の吸引開口との距離L3が{図7の(a)}、角度θ2で吹出す場合の吸引ダクト22の吸引開口との距離L4よりも離れ{図7の(b)}、吸引ダクト22にその空気流の一部が吸込まれにくく、路面Rに作用する空気流の流量が減ることなく、空気流が路面Rに有効に作用して路面R上の塵埃を吹き上げる。また、吸引ダクト22から離れたそれ以外の範囲L2では、空気流は角度θ1よりゆるやかな角度θ2で空気吹出しノズル20から吹出されるが、その空気流は、吸引ダクト22から離れているので、吸引ダクト22の吸い込みの影響を受けることなく路面R上の塵埃を効果的に吹き上げる。所定の範囲L1において角度θ1で吹出す空気流による路面清掃状態は、それ以外の範囲L2の角度θ2で吹出す空気流による路面清掃状態と略同程度となるようにしてあるので、ピックアップヘッド2全長で清掃ムラの発生が抑制され、均一な清掃効果を生じる。出願人によれば、角度θ1=65°、角度θ2=53°で最良の結果が得られた。
【0019】
【発明の効果】
以上のように本願発明によれば、ピックアップヘッドの略全長に亘って仕切り板の後端部と仕切り板の後方でピックアップヘッド内に固着された前方に向けて下がる風向板との間に空気吹出しノズルを形成し、空気吹出しノズルを形成する前記風向板の路面に対する後方向の角度を、空気吹出しノズルの内、吸引ダクトに近い所定の範囲では角度θ1とし、それ以外の範囲では角度θ2とし、角度θ1>角度θ2としたので、路面に対してより垂直に近い角度で空気流が吹出す所定の範囲では空気吹出しノズルからの空気流が吸引ダクトの開口から吸込まれにくくなり、角度θ1で吹出される空気流が路面に効果的に作用するので清掃効率が向上する。また、角度θ1で吹出す所定の範囲での路面清掃状態と、角度θ2で吹出すそれ以外の範囲での路面清掃状態とが、略同程度となるように角度θ1、θ2、及び所定の範囲を設定したので、ピックアップヘッドの全長方向で清掃効果にムラが無くなる。前記所定の範囲をノズル全長の30〜40%に設定したものでは、所定の範囲がピックアップヘッドに接続される吸引ノズルの接続位置と対応し、この所定の範囲において、吸引ノズルによる吹出しノズルから吹出した空気流の吸込みの防止に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塵埃等の回収装置を備えた路面清掃車の概略を示す平面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図2のIII視図である。
【図4】図3のIV−IV線断面図である。
【図5】所定の範囲での吹出しノズルを示す説明図である。
【図6】それ以外の範囲での吹出しノズルを示す説明図である。
【図7】角度θ1での吹出空気流及び角度θ2での吹出空気流と吸引ダクトとの関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1 路面清掃車
2 ピックアップヘッド
3 車両
13 仕切り板
14 圧空室
15 サクション室
20 空気吹出しノズル
21 圧送ダクト
22 吸引ダクト
23,24 風向板
L1 所定の範囲
L2 それ以外の範囲
R 路面
θ1 所定の範囲での角度
θ2 それ以外の範囲での角度
Claims (3)
- 車両の略全幅に亘るピックアップヘッド内を仕切り板で上側の圧空室と下側のサクション室とに仕切り、仕切り板の後端部と仕切り板の後方でピックアップヘッド内に固着された前方に向けて下がる風向板との間にピックアップヘッドの全長に亘って空気吹出しノズルを形成し、圧空室にはブロアからの空気流を供給する圧送ダクトを連通し、ブロアの吸引側に連通する吸引ダクトをピックアップヘッドの長手一端部において前記サクション室に連通して成る塵埃等の回収装置において、前記空気吹出しノズルを形成する前記風向板の路面に対する後方向の角度を、空気吹出しノズルの全長の内、前記吸引ダクトに近い所定の範囲においては角度θ1とし、それ以外の範囲では角度θ2とし、角度θ1>角度θ2としたことを特徴とする路面清掃車の塵埃等の回収装置。
- 前記角度θ1で吹出す前記所定の範囲での路面清掃状態と、角度θ2で吹出す前記それ以外の範囲での路面清掃状態とが、略同程度となるように角度θ1、θ2、及び前記所定の範囲が設定されていることを特徴とする請求項1記載の路面清掃車の塵埃等の回収装置。
- 前記所定の範囲は、ノズル全長の30〜40%であることを特徴とする請求項1または2記載の路面清掃車の塵埃等の回収装置。
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