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JP4148066B2 - 重合トナーの製造方法 - Google Patents
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JP4148066B2 - 重合トナーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、重合トナーの製造方法に関し、さらに詳しくは、重合工程または重合工程と引き続く凝集工程により、水系媒体中で重合性単量体を重合してなる重合体を結着樹脂とし、その中に少なくとも着色剤が分散した着色重合体粒子を生成させる重合トナーの製造方法に関する。本発明の製造方法により得られた重合トナーは、帯電特性及び画像特性に優れており、低温・低湿環境下ではもとより、高温・高湿環境下でのトナー特性に優れている。
本発明において、着色重合体粒子を「重合トナー」と呼び、着色重合体粒子に外添剤などを添加したものを「現像剤」と呼ぶ。この現像剤は、「電子写真用トナー」または単に「トナー」と呼ぶことがある。
電子写真方式や静電記録方式の複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置において、感光体上に形成された静電潜像を可視像化するために現像剤が用いられている。現像剤は、着色剤や帯電制御剤、離型剤などが結着樹脂中に分散した着色粒子を主成分としている。
着色粒子は、粉砕法により得られる粉砕トナーと、重合法により得られる重合トナーとに大別される。粉砕法では、結着樹脂と着色剤とその他の添加剤成分とを溶融混練し、次いで、混練物を粉砕し分級することにより、着色樹脂粉末として粉砕トナーを得ている。結着樹脂は、予め重合性単量体を重合することにより合成している。
これに対して、重合法では、例えば、重合性単量体と着色剤とその他の添加剤成分とを含有する重合性単量体組成物を水系媒体中で重合することにより、着色重合体粒子として重合トナーを得ている。このような重合法としては、懸濁重合法が主流であるが、この他に分散重合法や乳化重合法も知られている。乳化重合法では、例えば、重合性単量体を水系媒体中で乳化重合して樹脂微粒子を生成させ、次いで、着色剤を乳化剤で分散させたものを樹脂微粒子と化学的に凝集させてトナー粒径を有する粒子とし、さらに熱を加えて球形の着色重合体粒子とする方法が採用されている。乳化重合法は、凝集工程が必要なため、乳化重合凝集法とも呼ばれている。
いずれの手法でも、重合工程で重合性単量体を完全に重合することは困難であり、未反応の重合性単量体が着色粒子ひいては現像剤中に残留することが避けられない。着色粒子中に残留する未反応の重合性単量体は、微量であっても、(i)定着時の加熱等により揮散して作業環境を悪化させたり、悪臭を発生する、(ii)保存中のトナーをブロッキングさせる、(iii)トナーの流動性を悪化させて画質を低下させる、(iv)オフセットを発生しやすくする、(v)画像形成装置の部材上にトナーのフィルミングを発生し易くするなどの諸問題を引き起こす。
残留重合性単量体の問題は、粉砕トナーよりも重合トナーの方が深刻である。粉砕トナーの場合は、結着樹脂の製造段階で、加熱処理や乾燥処理等により残留重合性単量体を低減することが容易である。これに対して、重合トナーの場合には、着色剤、帯電制御剤、離型剤等の添加剤成分を含有する着色重合体粒子から残留重合性単量体を除去しなければならない。ところが、残留重合性単量体は、これらの添加剤成分に吸収され易いため、結着樹脂単独の場合に比べて、残留重合性単量体の低減が困難である。しかも、重合トナーは、凝集し易いため、加熱処理による残留重合性単量体の低減には制限がある。近年、印字の高速化、フルカラー化などに対応して、低温での定着が可能な重合トナーに対する要求が高まっているが、このような低温定着トナーにおいて、凝集を防止しつつ残留重合性単量体量を低減することは極めて困難である。
従来、重合トナーから残留重合性単量体を除去するために、様々な方法が提案されている。例えば、懸濁重合後、重合トナー粒子(着色重合体粒子)を含有する懸濁液中に、懸濁液媒体の飽和蒸気を吹き込みつつ該懸濁液媒体を留去する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この方法では、懸濁液の気−液界面で発泡が生じ易く、安定した操作が困難であることに加えて、発泡による残留重合性単量体の除去効率の低下や重合トナー粒子の凝集による品質の低下などがしばしば問題となる。
重合工程後、重合トナー粒子を含有する懸濁液にシリコーン消泡剤を添加し、発泡を抑制しながら懸濁液から水系媒体を留去する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この方法によれば、気−液界面での発泡を抑制しつつ、重合トナー粒子から残留重合性単量体を除去することができる。しかし、シリコーン消泡剤の存在下にストリッピング処理を行うと、得られた重合トナーの特性が低下し易くなる。具体的には、この方法で得られた重合トナーは、帯電量が低下し、カブリが発生し易く、印字濃度が薄く、しかも印字濃度にバラツキが生じ易い。
特開平5−100485号公報 特許第2923820号公報
本発明の課題は、重合性単量体などの揮発性有機化合物の残留量が顕著に低減され、かつトナー特性に優れた重合トナーの製造方法を提供することにある。より具体的に、本発明の課題は、重合工程または重合工程と引き続く凝集工程で得られた着色重合体粒子を含有する水分散液を非イオン界面活性剤の存在下にストリッピング処理することにより、残留重合性単量体などの揮発性有機化合物(「揮発性有機物質」または「揮発性物質」と呼ぶことがある)の含有量を顕著に低減するとともに、さらに、非イオン界面活性剤の残留量をも顕著に低減して、トナー特性に優れた重合トナーを製造する方法を提供することにある。
本発明者は、前記課題を達成するために鋭意研究した結果、重合工程または重合工程と引き続く凝集工程の後、着色重合体粒子を含有する水分散液に曇点を有する非イオン界面活性剤を添加してストリッピング処理を行なうことにより、気−液界面での発泡を効果的に抑制しつつ安定的かつ効率的にストリッピング処理を行うことができ、それによって、着色重合体粒子中の未反応重合性単量体などの揮発性有機化合物の残留量を顕著に低減できることを見出した。該方法によれば、帯電量が大きく、カブリが少なく、画像濃度が高い重合トナーを得ることができる。
しかし、ストリッピング処理工程で非イオン界面活性剤を存在させると、重合トナーの帯電量にバラツキが生じたり、高温・高湿環境下でカブリが発生することがある。そこで、本発明者らは、さらに研究を続けた結果、この技術分野で一般に採用されている洗浄条件下では、非イオン界面活性剤が着色重合体粒子中にかなりの高濃度で残留することが判明した。
従来、着色重合体粒子を含有する水分散液を脱水・洗浄する際に、洗浄効率を高めるため、比較的高温に加熱した洗浄液が用いられている。洗浄液としては、イオン交換水などの洗浄水が単独で用いられることが多いが、洗浄効率を高めるために、水と有機溶媒との混合液が用いられることもある。従来の洗浄方法によれば、分散安定剤などの不純物を効率良く除去することができるものの、非イオン界面活性剤を十分に除去することができず、その残留量が比較的多くなることが判明した。そこで、洗浄液の温度を非イオン界面活性剤の曇点未満の温度に下げて洗浄を行ったところ、着色重合体粒子中に残留する非イオン界面活性剤量を顕著に低減できることを見出した。
洗浄液の温度と非イオン界面活性剤の残留量との関連性については、現時点では必ずしも明瞭ではないが、界面活性剤の中でもポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤の如き非イオン界面活性剤は、水溶液中で集合体(ミセル)を形成し易く、温度が上昇するに従ってミセルの3次元構造が生成し易くなる。特に消泡剤として好適な非イオン界面活性剤は、HLB値及び曇点が比較的小さいものが多く、曇点以上の温度では水に難溶性となる傾向をもっている。そのため、高温の洗浄水を用いて洗浄すると、曇点を有する非イオン界面活性剤は、ミセルやミセルの三次元構造を形成して溶解し難くなるのに対して、曇点未満の温度の洗浄液を使用すると、単分散等の溶解し易い形態になり、洗浄による除去効率が高まるためと推定される。
本発明の製造方法によれば、帯電量が大きく、帯電量の環境依存性が小さく、画像濃度が高く、さらに、常温・常湿環境下ではもとより、高温・高湿環境下でのカブリが著しく抑制された重合トナーを得ることができる。本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
かくして、本発明によれば、重合工程または重合工程と引き続く凝集工程により、水系媒体中で重合性単量体を重合してなる重合体を結着樹脂とし、その中に少なくとも着色剤が分散した着色重合体粒子を生成させる重合トナーの製造方法において、下記工程I〜IV:
(1)重合工程または重合工程と引き続く凝集工程により着色重合体粒子を含有する水分散液を得る工程(I)、
(2)工程(I)で得られた着色重合体粒子を含有する水分散液を、8〜50℃の曇点を有する非イオン界面活性剤の存在下でストリッピング処理して、着色重合体粒子中に含まれる揮発性有機化合物を除去する工程(II)、
(3)ストリッピング処理後、着色重合体粒子を含有する水分散液を脱水・洗浄し、その際、非イオン界面活性剤の曇点未満の温度に制御した洗浄液を用いて洗浄する工程(III)、及び
(4)洗浄後、濾過して得られた湿潤状態の着色重合体粒子を乾燥して、着色重合体粒子を回収する工程(IV)
を含むことを特徴とする重合トナーの製造方法が提供される。
本発明によれば、未反応の重合性単量体などの揮発性有機化合物の残留量が顕著に低減され、かつトナー特性に優れた重合トナーの製造方法が提供される。本発明によれば、重合工程で得られた着色重合体粒子を含有する水分散液を8〜50℃の曇点を有する非イオン界面活性剤の存在下にストリッピング処理することにより、重合性単量体などの揮発性有機化合物の残留量を顕著に低減するとともに、さらに、消泡剤として作用する非イオン界面活性剤の残留量をも顕著に低減して、優れたトナー特性を発揮する重合トナーを製造する方法を提供することができる。
1.着色重合体粒子水分散液の調製工程(I)
本発明の重合トナーの製造方法は、重合工程または重合工程と引き続く凝集工程により着色重合体粒子を含有する水分散液を得る工程(I)を含んでいる。この工程(I)では、懸濁重合法、分散重合法、乳化重合法などの重合法が採用されるが、これらの中でも懸濁重合法及び乳化重合法が好ましく、懸濁重合法がより好ましい。
懸濁重合法は、少なくとも着色剤と重合性単量体とを含有する重合性単量体組成物を水系媒体中で重合する工程を含んでいる。水系媒体としては、一般に、分散安定剤を含有する水系媒体が用いられる。懸濁重合法では、先ず、分散安定剤を含有する水系媒体中に重合性単量体組成物を懸濁して微細な液滴を形成し、次いで、懸濁重合を行なって着色重合体粒子を生成させる。必要に応じて、該着色重合体粒子の存在下にシェル用重合性単量体を更に重合させる工程を付加して、コア−シェル構造を有する着色重合体粒子を生成させてもよい。
したがって、本発明の製造方法は、工程(I)において、少なくとも着色剤と重合性単量体とを含有する重合性単量体組成物を水系分散媒体中で重合して着色重合体粒子を生成させ、所望により、該着色重合体粒子の存在下にシェル用重合性単量体を更に重合してコア−シェル型重合体粒子を生成させて、着色重合体粒子またはコア−シェル構造の着色重合体粒子を含有する水分散液を製造する工程を含んでいる。
乳化重合法では、先ず、乳化剤を含有する水系媒体中で、重合性単量体と着色剤とを含有する重合性単量体組成物を乳化重合し、次いで、得られた着色樹脂微粒子を凝集させてトナー粒径にまで肥大化させる方法を採用することができる。好ましい乳化重合法としては、先ず、乳化剤を含有する水系媒体中で重合性単量体を乳化重合して樹脂微粒子を生成させ、次いで、着色剤を乳化剤で分散させたものを樹脂微粒子と化学的に凝集させてトナー粒径を有する着色重合体粒子を形成し、それに熱を加えて球形の着色重合体粒子とする方法が挙げられる。離型剤などの着色剤以外のトナー用添加剤についても、乳化剤により分散して凝集工程で加えることができる。
水系媒体としては、一般に、イオン交換水などの水を用いるが、所望により、水にアルコールなどの親水性溶媒を加えたものを用いてもよい。重合法では、一般に、水系媒体中に分散安定剤を含有させて、水系媒体中に分散した重合性単量体組成物の液滴の安定性を増大させる。重合性単量体組成物には、必要に応じて、帯電制御剤、離型剤、架橋性単量体、マクロモノマー、分子量調整剤、滑剤、分散助剤などの各種添加剤を含有させることができる。重合性単量体組成物は、重合開始剤の存在下に重合させる。
懸濁重合法では、難水溶性の金属水酸化物コロイドなどの分散安定剤を使用するが、界面活性剤を併用することもできる。乳化重合法では、重合性単量体または重合性単量体組成物の分散安定化のために、水系媒体中に各種乳化剤を添加する。これらの重合法の中でも、所望の粒径を有する球形の着色重合体粒子が得られ易く、また、コア−シェル構造の着色重合体粒子を形成し易い点で懸濁重合法が好ましい。そこで、以下、懸濁重合法を中心に説明する。
(1)重合性単量体:
本発明では、重合性単量体の主成分としてモノビニル単量体を使用する。モノビニル単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル単量体;(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボニル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル酸の誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン等のモノオレフィン単量体;等が挙げられる。
モノビニル単量体は、単独で用いても、複数の単量体を組み合わせて用いてもよい。これらモノビニル単量体のうち、芳香族ビニル単量体単独、芳香族ビニル単量体と(メタ)アクリル酸の誘導体との組み合わせなどが好適に用いられる。
モノビニル単量体と共に、架橋性単量体を用いると、ホットオフセット特性を改善することができる。架橋性単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができ、その使用量は、モノビニル単量体100重量部に対して、通常10重量部以下、好ましくは0.01〜7重量部、より好ましくは0.05〜5重量部、特に好ましくは0.1〜3重量部である。
モノビニル単量体と共にマクロモノマーを用いると、高温での保存性と低温での定着性とのバランスが良好になるので好ましい。マクロモノマーは、分子鎖の末端に重合可能な炭素−炭素不飽和二重結合を有する巨大分子であり、数平均分子量が通常1,000〜30,000のオリゴマーまたはポリマーである。数平均分子量が上記範囲内にあると、マクロモノマーの溶融性を損なうことなく、重合トナーの定着性及び保存性が維持できるので好ましい。
マクロモノマーの分子鎖末端にある重合可能な炭素−炭素不飽和二重結合としては、アクリロイル基、メタクリロイル基などを挙げることができるが、共重合のしやすさの観点からはメタクリロイル基が好ましい。マクロモノマーは、モノビニル単量体を重合して得られる重合体のガラス転移温度よりも高いガラス転移温度を有する重合体を与えるものが好ましい。
マクロモノマーの具体例としては、スチレン、スチレン誘導体、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等を単独でまたは2種以上を重合して得られる重合体;ポリシロキサン骨格を有するマクロモノマー;などを挙げることができるが、これらの中でも、親水性のものが好ましく、特にメタクリル酸エステルまたはアクリル酸エステルを単独で、あるいはこれらを組み合わせて重合して得られる重合体が好ましい。
マクロモノマーを使用する場合、その使用量は、モノビニル単量体100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.03〜5重量部、より好ましくは0.05〜1重量部である。マクロモノマーの使用量が上記範囲内にあると、重合トナーの保存性を維持して、定着性が向上するので好ましい。
(2)着色剤:
着色剤としては、カーボンブラックやチタンホワイトなどのトナーの分野で用いられている各種顔料及び染料を使用することができる。黒色着色剤としては、カーボンブラック、ニグロシンベースの染顔料類;コバルト、ニッケル、四三酸化鉄、酸化鉄マンガン、酸化鉄亜鉛、酸化鉄ニッケル等の磁性粒子;等を挙げることができる。カーボンブラックを用いる場合、一次粒径が20〜40nmであるものを用いると良好な画質が得られ、トナーの環境への安全性も高まるので好ましい。カラートナー用着色剤としては、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、シアン着色剤などを使用することができる。
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物などが用いられる。具体的には、例えば、C.I.ピグメントイエロー3、12、13、14、15、17、62、65、73、74、83、90、93、95、96、97、109、110、111、120、128、129、138、147、155、168、180、181などがある。この他、ネフトールイエローS、ハンザイエローG、C.I.バットイエロー等が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物などがある。具体的には、例えば、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48、48:2、48:3、48:4、57、57:1、58、60、63、64、68、81、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、144、146、149、163、166、169、170、177、184、185、187、202、206、207、209、220、251、254などが挙げられる。この他、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物などが挙げられる。具体的には、例えば、C.I.ピグメントブルー1、2、3、6、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、16、17、60、62、66などがある。この他、フタロシアニンブルー、C.I.バットブルー、C.I.アシッドブルーなどが挙げられる。
これらの着色剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。着色剤は、重合性単量体100重量部に対して、通常0.1〜50重量部、好ましくは1〜20重量部の割合で用いられる。
(3)帯電制御剤:
重合トナーの帯電性を向上させるために、各種の正帯電性または負帯電性の帯電制御剤を重合性単量体組成物中に含有させることが好ましい。帯電制御剤としては、例えば、カルボキシル基または含窒素基を有する有機化合物の金属錯体、含金属染料、ニグロシン、帯電制御樹脂などが挙げられる。
具体的には、ボントロンN−01(オリエント化学工業社製)、ニグロシンベースEX(オリエント化学工業社製)、スピロンブラックTRH(保土ケ谷化学工業社製)、T−77(保土ケ谷化学工業社製)、ボントロンS−34(オリエント化学工業社製)、ボントロンE−81(オリエント化学工業社製)、ボントロンE−84(オリエント化学工業社製)、ボントロンE−89(オリエント化学工業社製)、ボントロンF−21(オリエント化学工業社製)、COPY CHARGE NX VP434(クラリアント社製)、COPY CHARGE NEG VP2036(クラリアント社製)、TNS−4−1(保土ケ谷化学工業社製)、TNS−4−2(保土ケ谷化学工業社製)、LR−147(日本カーリット社製)、コピーブルーPR(クラリアント社製)などの帯電制御剤;4級アンモニウム(塩)基含有共重合体、スルホン酸(塩)基含有共重合体等の帯電制御樹脂;等を挙げることができる。帯電制御剤は、重合性単量体100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜10重量部の割合で用いられる。
(4)離型剤:
オフセット防止または熱ロール定着時の離型性の向上などの目的で、離型剤を重合性単量体組成物中に含有させることができる。離型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリブチレンなどのポリオレフィンワックス類;キャンデリラ、カルナウバ、ライス、木ロウ、ホホバなどの植物系天然ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラクタムなどの石油系ワックスおよびその変性ワックス;フィッシャートロプシュワックスなどの合成ワックス;ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ジペンタエリスリトールヘキサミリステートなどの多官能エステル化合物;などが挙げられる。これらの離型剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの離型剤のなかでも、合成ワックス、末端変性ポリオレフィンワックス類、石油系ワックス、多官能エステル化合物が好ましい。離型剤の使用割合は、重合性単量体100重量部に対して、通常0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜20重量部、より好ましくは1〜10重量部である。
(5)滑剤・分散助剤:
着色剤の均一分散等を目的として、オレイン酸、ステアリン酸等の脂肪酸、脂肪酸とNa、K、Ca、Mg、Zn等の金属とからなる脂肪酸金属塩などの滑剤;シラン系またはチタン系カップリング剤等の分散助剤;などを重合性単量体に含有させることができる。このような滑剤や分散剤は、着色剤の重量を基準として、通常1/1000〜1/1程度の割合で使用される。
(6)重合開始剤:
重合性単量体の重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2′−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド〕、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ジ−t−ブチルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、1,1′,3,3′−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等の過酸化物類;などを挙げることができる。これら重合開始剤と還元剤とを組み合わせたレドックス開始剤を使用することもできる。
これらの開始剤のなかでも、重合性単量体に可溶な油溶性の重合開始剤を選択することが好ましく、必要に応じて、水溶性の重合開始剤を併用することもできる。重合開始剤は、重合性単量体100重量部に対して、通常0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜15重量部、より好ましくは0.5〜10重量部の割合で用いられる。
重合開始剤は、重合性単量体組成物中に予め添加することができるが、早期重合を抑制するために、重合性単量体組成物の液滴形成工程の終了後または重合反応の途中の懸濁液に直接添加することもできる。
(7)分子量調整剤:
重合に際して、分子量調整剤を使用することが好ましい。分子量調整剤としては、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン−4−チオール等のメルカプタン類;四塩化炭素、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素類;などを挙げることができる。分子量調整剤は、通常、重合開始前の重合性単量体組成物に含有させるが、重合途中に添加することもできる。分子量調整剤は、重合性単量体100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部の割合で用いられる。
(8)分散安定剤:
本発明に用いる分散安定剤は、難水溶性金属化合物のコロイドが好適である。難水溶性金属化合物としては、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、などの硫酸塩;炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩;りん酸カルシウムなどのりん酸塩;酸化アルミニウム、酸化チタンなどの金属酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化第二鉄の金属水酸化物;等を挙げることができる。これらのうち、難水溶性金属水酸化物のコロイドは、重合体粒子の粒径分布を狭くすることができ、画像の鮮明性が向上するので好適である。
難水溶性金属化合物のコロイドは、その製法による制限はないが、水溶性多価金属化合物の水溶液のpHを7以上に調整することによって得られる難水溶性金属水酸化物のコロイド、特に水溶性多価金属化合物と水酸化アルカリ金属塩との水相中の反応により生成する難水溶性金属水酸化物のコロイドを用いることが好ましい。難水溶性金属化合物のコロイドは、個数粒径分布D50(個数粒径分布の50%累積値)が0.5μm以下で、D90(個数粒径分布の90%累積値)が1μm以下であることが好ましい。
分散安定剤は、重合性単量体100重量部に対して、通常0.1〜20重量部の割合で使用する。この割合が少なすぎると、充分な重合安定性を得ることが困難であり、重合凝集物が生成し易くなる。逆に、この割合が多すぎると、水溶液粘度が大きくなって重合安定性が低くなる。
本発明においては、必要に応じて、水溶性高分子を分散安定剤として用いることができる。水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ゼラチン等を例示することができる。本発明においては、界面活性剤を使用する必要はないが、帯電特性の環境依存性が大きくならない範囲で、懸濁重合を安定に行うために使用することができる。
(9)重合工程:
重合トナーは、重合性単量体の重合により生成した重合体が結着樹脂となり、その中に着色剤や離型剤などの添加剤成分が分散した着色重合体粒子である。この着色重合体粒子をコアとし、その上に重合体層からなるシェルを形成して、コア−シェル構造の着色重合体粒子とすることができる。
懸濁重合法を例に取ると、重合トナーは、例えば、以下の工程により得ることができる。重合性単量体、着色剤、及びその他の添加剤などを混合機を用いて混合し、必要に応じて、メディヤ型湿式粉砕機(例えば、ビーズミル)などを用いて湿式粉砕し、重合性単量体組成物を調製する。次に、重合性単量体組成物を、分散安定剤を含有する水系媒体中に分散し、撹拌して、重合性単量体組成物の均一な液滴、一般に、体積平均粒径が50〜1000μm程度の一次液滴を形成する。重合開始剤は、早期重合を避けるため、水系媒体中での液滴の大きさが均一になってから水系媒体に添加することが好ましい。
水系媒体中に重合性単量体組成物の液滴が分散した懸濁液に重合開始剤を添加混合し、さらに、高速回転剪断型撹拌機を用いて、液滴の粒径が目的とする重合トナー粒子に近い小粒径になるまで撹拌する。このようにして形成された微小粒径の液滴、一般に、体積平均粒径が1〜12μm程度の二次液滴を含有する懸濁液を重合反応器に仕込み、通常5〜120℃、好ましくは35〜95℃の温度で懸濁重合を行う。重合温度が低すぎると、触媒活性が高い重合開始剤を用いなければならないので、重合反応の管理が困難になる。重合温度が高すぎると、低温で溶融する添加剤を含む場合、これが重合トナー表面にブリードし、重合トナーの保存性が悪くなることがある。
重合性単量体組成物の微小な液滴の体積平均粒径及び粒径分布は、重合トナーの体積平均粒径や粒径分布に影響する。液滴の粒径が大きすぎると、生成する重合トナー粒子(着色重合体粒子)の粒径が大きくなりすぎて、画像の解像度が低下するようになる。液滴の粒径分布が広いと、定着温度のばらつきが生じ、カブリ、トナーフィルミングの発生などの不具合が生じるようになる。したがって、重合性単量体組成物の液滴は、生成する重合トナー粒子とほぼ同じ大きさになるように形成することが望ましい。
重合性単量体組成物の液滴の体積平均粒径は、通常1〜12μm、好ましくは2〜10μm、より好ましくは3〜8μmである。高精細な画像を得るため、特に小粒径の重合トナーとする場合には、液滴の体積平均粒径を好ましくは2〜9μm、より好ましくは3〜8μm、さらには、3〜7μm程度にすることが望ましい。重合性単量体組成物の液滴の粒径分布(体積平均粒径/数平均粒径)は、通常1〜3、好ましくは1〜2.5、より好ましくは1〜2である。特に微細な液滴を形成する場合には、高速回転する回転子と、それを取り囲み、かつ小孔または櫛歯を有する固定子との間隙に、単量体組成物を含有する水系分散媒体を流通させる方法が好適である。
重合性単量体として前述のモノビニル単量体の中から1種以上を選択するが、トナーの定着温度を下げるには、ガラス転移温度Tgが通常80℃以下、好ましくは40〜80℃、より好ましくは50〜70℃程度の重合体を形成し得る重合性単量体または重合性単量体の組み合わせを選択することが好ましい。本発明において、結着樹脂を構成する重合体のTgは、使用する重合性単量体の種類と使用割合に応じて算出される計算値、すなわち「計算Tg」である。
懸濁重合により、重合性単量体の重合体中に着色剤などの添加剤成分が分散した着色重合体粒子が生成する。本発明では、この着色重合体粒子を重合トナーとして使用する。重合トナーの保存性(すなわち、耐ブロッキング性)、低温定着性、定着時の溶融性などを改善する目的で、懸濁重合によって得られた着色重合体粒子の上に、さらに重合体層を形成して、コア−シェル構造を有する着色重合体粒子とすることができる。
コア−シェル構造の形成方法としては、例えば、前記の着色重合体粒子をコア粒子とし、該コア粒子の存在下にシェル用重合性単量体を更に重合して、コア粒子の表面に重合体層(シェル)を形成する方法が採用することができる。シェル用重合性単量体として、コア粒子を構成する重合体成分のTgよりも高いTgを有する重合体を形成するものを使用すると、重合トナーの保存性を改善することができる。他方、コア粒子を構成する重合体成分のTgを低く設定することにより、重合トナーの定着温度を下げたり、溶融特性を改善したりすることができる。したがって、重合工程でコア−シェル構造の着色重合体粒子を形成することにより、印字の高速化、フルカラー化、オーバーヘッドプロジェクター(OHP)透過性などに対応できる重合トナーが得られる。
コア及びシェルを形成するための重合性単量体としては、前述のモノビニル系単量体の中から好ましいものを適宜選択することができる。コア用重合性単量体とシェル用重合性単量体との重量比は、通常40/60〜99.9/0.1、好ましくは60/40〜99.7/0.3、より好ましくは80/20〜99.5/0.5である。シェル用重合性単量体の割合が過小であると、重合トナーの保存性の改善効果が小さく、過大であると、定着温度の低減効果が小さくなる。
シェル用重合性単量体により形成される重合体のTgは、通常、50℃超過120℃以下、好ましくは60℃超過110℃以下、より好ましくは80℃超過105℃以下である。コア用重合性単量体から形成される重合体とシェル用重合性単量体から形成される重合体との間のTgの差は、好ましくは10℃以上、より好ましくは20℃以上、特に好ましくは30℃以上である。多くの場合、定着温度と保存性のバランスの観点から、コア用重合性単量体として、Tgが通常60℃以下、好ましくは、40〜60℃の重合体を形成しうるものを選択するのが好ましい。他方、シェル用重合性単量体としては、スチレンやメチルメタクリレートなどのTgが80℃を越える重合体を形成する単量体を、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することが好ましい。
シェル用重合性単量体は、コア粒子の平均粒径よりも小さな液滴として重合反応系に添加することが好ましい。シェル用重合性単量体の液滴の粒径が大きすぎると、コア粒子の周囲に重合体層が均一に形成され難くなる。シェル用重合性単量体を小さな液滴とするには、シェル用重合性単量体と水系分散媒体との混合物を、例えば、超音波乳化機などを用いて、微分散処理を行い、得られた分散液を重合反応系に添加すればよい。
シェル用重合性単量体が、20℃の水に対する溶解度が0.1重量%以上の比較的水溶性の単量体(例えば、メチルメタクリレート)である場合には、コア粒子の表面に比較的速やかに移行しやすいので、微分散処理を行う必要はないが、均一なシェルを形成する上で、微分散処理を行うことが好ましい。シェル用重合性単量体が、20℃の水に対する溶解度が0.1重量%未満の単量体(例えば、スチレン)の場合には、微分散処理を行うか、あるいは20℃の水に対する溶解度が5重量%以上の有機溶媒(例えば、アルコール類)を反応系に加えることにより、コア粒子の表面に移行しやすくすることが好ましい。
シェル用重合性単量体には、帯電制御剤を加えることができる。帯電制御剤としては、前述したコア粒子製造に使用するのと同様のものが好ましく、使用する場合には、シェル用重合性単量体100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部の割合で用いられる。
コア−シェル構造の重合トナーを製造するには、コア粒子を含有する懸濁液中に、シェル用重合性単量体またはその水系分散液を一括して、あるいは連続的若しくは断続的に添加する。シェル用重合性単量体を添加する際に、水溶性のラジカル開始剤を添加することがシェルを効率良く形成する上で好ましい。シェル用重合性単量体の添加時に水溶性重合開始剤を添加すると、シェル用重合性単量体が移行したコア粒子の外表面近傍に水溶性重合開始剤が進入し、コア粒子表面に重合体層が形成されやすくなると考えられる。
水溶性重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;2,2′−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド〕、2,2′−アゾビス−[2−メチル−N−〔1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル〕プロピオンアミド]等のアゾ系開始剤などを挙げることができる。水溶性重合開始剤の使用量は、シェル用重合性単量体100重量部当り、通常0.1〜50重量%、好ましくは1〜20重量%である。
シェルの平均厚みは、通常0.001〜1.0μm、好ましくは0.003〜0.5μm、より好ましくは0.005〜0.2μmである。シェル厚みが大きすぎると、重合トナーの定着性が低下し、小さすぎると、重合トナーの保存性が低下する。重合トナーのコア粒子径、及びシェルの厚みは、電子顕微鏡により観察できる場合は、その観察写真から無作意に選択した粒子の大きさ及びシェル厚みを直接測ることにより得ることができ、電子顕微鏡でコアとシェルとを観察することが困難な場合は、コア粒子の粒径と、シェルを形成する重合性単量体の使用量から算定することができる。
2.ストリッピング処理工程(II)
前記の工程(I)により、着色重合体粒子(コア−シェル構造の着色重合体粒子を含む)を含有する水分散液を調製する。次いで、この水分散液をストリッピング処理して、着色重合体粒子中に含まれる揮発性有機化合物を除去する。揮発性有機化合物としては、未反応の重合性単量体の他、原料中に含まれる低沸点の有機化合物、重合時に副生する低沸点の有機化合物などが挙げられる。
本発明では、着色重合体粒子を含有する水分散液を、8〜50℃の曇点を有する非イオン界面活性剤の存在下にストリッピング処理を行なう。重合工程または重合工程と引き続く凝集工程において、分散安定剤または乳化剤として曇点を有する非イオン界面活性剤を単独使用もしくは併用した場合には、該水分散液には該非イオン界面活性剤が含まれている。懸濁重合法を採用する場合には、通常、重合工程で得られた着色重合体粒子を含有する水分散液に、消泡剤として曇点を有する非イオン界面活性剤を添加して、ストリッピング処理を行なう。消泡剤として添加する非イオン界面活性剤は、その全量を着色重合体粒子を含有する水分散液に添加してからストリッピング処理を行なっても、あるいはストリッピング処理工程中に間欠的もしくは連続的に水分散液中に添加しながらストリッピング処理を行ってもよい。
曇点を有する非イオン界面活性剤としては、一般に消泡剤の技術分野で用いられている非イオン界面活性剤を好適に用いることができるが、それらの中でもポリエーテル型非界面活性剤、特にポリアルキレングリコール型(「ポリオキシアルキレングリコール型」ともいう)の非イオン界面活性剤が好ましい。ポリアルキレングリコール型非イオン界面活性剤には、ポリエチレングリコール型、ポリプロピレングリコール型、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール混合型などがある。曇点を有する非イオン界面活性剤としては、ポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤が好ましいが、曇点を有するものであれば、ポリプロピレングリコール型、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール混合型なども使用することができる。油脂とポリアルキレングリコール型非イオン界面活性剤とを含む乳化物、鉱油とポリアルキレングリコール型非イオン界面活性剤とを含む乳化物など、曇点を有する非イオン界面活性剤を含有する非シリコーン系消泡剤も好適に使用することができる。
ポリエチレングリコール型などのポリアルキレングリコール型の非イオン界面活性剤の中には、曇点(曇り点;cloud point)を生じるものがある。非イオン界面活性剤中のポリエチレングリコール鎖(親水基)が水に溶けるのは、エーテル酸素(−O−)に水分子が弱く結合(水素結合)し、水和するためである。水溶液の温度が上昇すると、水和度が減少し、親水基と疎水基のバランスが疎水性に傾くか、あるいは一定の温度に達するとミセル溶解が困難となり、非イオン界面活性剤が分離してくる。この温度を曇点という。
イオン界面活性剤の曇点は、好ましくは5〜80℃、より好ましくは8〜50℃、特に好ましくは10〜40℃である。本発明で使用する非イオン界面活性剤の曇点は、8〜50℃である。曇点が高い非イオン界面活性剤を用いると、洗浄水の温度を高くすることができる。他方、曇点が低い非イオン界面活性剤を用いると、消泡作用に優れているため、ストリッピング処理工程で発泡を抑制しつつ、効率的に残留モノマー量を低減することができる。
本発明で使用する非イオン界面活性剤のHLB値は、好ましくは1〜13、より好ましくは1〜12、特に好ましくは1〜8である。HLB値とは、この技術分野で周知のように、親水性と疎水性とのバランスであって、Daveisの理論に基づいて算出することができる。
曇点を有する非イオン界面活性剤としては、市販されている各種消泡剤(defoaming agents)または抑泡剤(anti-foaming agents)の中から選択することができる。曇点を有する非イオン界面活性剤としては、通常、ポリアルキレングリコール型非イオン界面活性剤の中から選ばれるが、具体的には、ポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック共重合体型非イオン界面活性剤などであり、市販品としては、例えば、サンノプコ社製の商品名「SNデフォーマー180」、「SNデフォーマー265」、「SNデフォーマー444」などの「SNデフォーマーシリーズ」(ポリアルキレングリコール型非イオン界面活性剤)が挙げられる。
ストリッピング処理に供給する着色重合体粒子を含有する水分散液の固形分濃度は、好ましくは5〜45重量%、より好ましくは10〜40重量%、特に好ましくは15〜35重量%の範囲内である。水分散液の製造工程(I)で比較的高濃度の水分散液が得られた場合には、ストリッピング処理に際して、イオン交換水などの水を加えて、所望の固形分濃度の分散液に調整することができる。
ストリッピング処理工程では、曇点を有する非イオン界面活性剤を消泡剤として添加することが多いが、非イオン界面活性剤の使用量は、重合性単量体組成物または着色重合体粒子100重量部当り、好ましくは0.01〜1重量部、より好ましくは0.05〜0.5重量部である。非イオン界面活性剤の使用量が少なすぎると十分な消泡効果を得ることが困難となり、多すぎると消泡効果が飽和することに加えて、トナー特性に悪影響を及ぼすおそれが生じる。
水分散液のストリッピング処理法としては、不活性ガス(例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム)、水蒸気、乾燥空気、二酸化炭素などの気体を吹き込むバブリング法、減圧下に加熱する減圧ストリッピング法、及びフラッシング法が挙げられる。これらの中でも、バブリング法及び減圧ストリッピング法が好ましい。水分散液に気体を吹き込みながら減圧ストリッピングを行ってもよい。吹き込む気体は、着色重合体粒子の凝集防止の観点から、100℃未満の適度の温度に加熱することができる。気体としては、窒素ガスなどの不活性ガスが好ましい。
ストリッピング処理に際して、水分散液を加熱することにより、消泡効果を高めつつ、残留重合性単量体等の揮発性有機化合物の揮発を助け、回収効率を高くすることができる。ストリッピング処理時の水分散液の温度は、好ましくは重合体粒子を構成する重合体成分のガラス転移温度Tg以上100℃未満であり、より好ましくはTg以上95℃以下であり、さらに好ましくはTg+5℃以上90℃以下である。Tgは、示差走査熱量計(DSC)により測定される値である。重合体成分のTgが2つ以上ある場合には、最も低いTgを基準とする。ストリッピング処理時には、水分散液の温度が上記範囲内の所望の温度で、ほぼ一定に維持されるように、加熱条件等を制御することが望ましい。
水分散液の加熱は、熱媒循環用ジャケットを設けた蒸発器(蒸発タンク)、熱交換器を内部に設けた蒸発器、外部熱交換器に接続した蒸発器などを用いて行うことが好ましい。加熱した気体を吹き込むことによって、水分散液を加熱してもよい。水分散液の温度が低すぎると、ストリッピング処理による水分散液の水系媒体の蒸発が不十分となる上、着色重合体粒子中での残留重合性単量体の移動が遅くなり、残留重合性単量体の除去速度が低下する。水分散液の温度が高すぎると、着色重合体粒子の分散安定性が低下して、処理中に凝集物が生じたり、蒸発器の壁面や攪拌機へのスケールの付着が増大する。
蒸発器内の圧力は、ストリッピング処理の具体的な方法によって適宜定めることができるが、通常5〜105kPaの範囲内から選択される。ストリッピング処理法として気体吹き込み法を採用する場合には、蒸発器内の圧力を通常70〜105kPaの範囲内とすることができる。減圧ストリッピング法や気体を吹き込みながら減圧ストリッピングする方法などを採用する場合には、蒸発器内の圧力を通常5〜70kPa、好ましくは10〜60kPa、より好ましくは20〜50kPaの範囲内に制御することが望ましい。
ストリッピング処理時間は、処理装置の規模、処理量、具体的な処理法、所望の残留重合性単量体量の水準などによって変動するが、通常0.5〜50時間、好ましくは1〜30時間、より好ましくは3〜20時間の範囲内から適宜選択される。
蒸発器内には、攪拌機を配置して、分散液を撹拌しながらストリッピング処理を行うことが好ましい。攪拌機としては、特に限定されないが、幅広パドル翼、幅広傾斜翼、ブルマージン翼及びその変形翼、フルゾーン翼、ウォールウエッター翼等の撹拌翼を備えたものが好ましい。また、特開2001−117272号公報に開示されているように、撹拌翼の一部を液面に突出させてもよい。
ストリッピング処理により、水分散液の水系媒体の一部、水分散液に含まれる残留モノマー、重合体粒子中の残留モノマー、その他の揮発性物質などが除去される。このように、ストリッピング処理により、蒸発器内の分散液が濃縮されるが、所望により、蒸発した水系分散媒体を補充するために、新たに水系分散媒体を添加してもよい。ただし、本発明の方法によれば、水系分散媒体の追加なしに効率良くストリッピング処理を行うことができる。また、残留重合性単量体や水系分散媒体などは、回収して再使用することができる。
図1に、本発明の方法で採用することができるストリッピング処理システムの一例を示す。蒸発器1には、撹拌翼2を備えた撹拌装置が配置されている。蒸発器1の外周壁には、熱媒循環用ジャケット(図示せず)が設けられており、蒸発器内の温度を所望の温度に調節できるようにしてある。気体源(図示せず)からブロワー4により窒素ガスなどの気体が気体吹き込み管3を通して蒸発器1内に吹き込まれる。
撹拌しながら蒸発器1内の温度を所定の温度に昇温した後、ブロワー4から気体を吹き込み管3の開口から蒸発器1内に吹き込む。水分散液の水系媒体の一部、残留重合性単量体、その他の揮発性物質がガスライン5を通って、凝縮器6に導かれ、次いで、凝縮タンク7に導かれる。凝縮タンク7内で凝縮されて液化した水等の液体成分は、そこで回収される(回収ラインを図示せず)。気体成分は、ガスライン8を通って揮発性物質除去装置9に導かれる。揮発性物質除去装置9は、例えば、活性炭を充填した吸着塔、冷水を溜めたバブリング装置であり、そこで、重合性単量体やその他の揮発性有機化合物が除去される。その後、窒素ガスなどの気体成分は、ガス循環ライン10からブロワー4を経て循環して再使用することができる。
窒素ガスなどの気体の流量は、発泡を抑制する観点から、好ましくは0.05〜2m/(hr・kg)、より好ましくは0.1〜1m/(hr・kg)程度の範囲内となるように制御することが望ましい。気体を吹き込むことなく、単に減圧ストリッピングを行う場合には、ブロワー4を使用しないで、系内の減圧度を高めて、加熱した分散液を蒸発させる。
本発明の方法によれば、水分散液の液面での発泡が効果的に抑制されるため、安定してストリッピング処理を行うことができる。 本発明の方法によれば、残留重合性単量体量が通常100ppm未満、好ましくは50ppm未満、より好ましくは30ppm未満、特に好ましくは20ppm未満の乾燥した着色重合体粒子(重合トナー)を得ることができる。ストリッピング処理により、未反応の重合性単量体以外の低沸点の揮発性有機化合物も除去されるが、臭気やトナー特性に影響を及ぼす重合性単量体の残留量をストリッピング処理効率の指標とすることがトナー特性の観点から見て適当である。
また、本発明の方法によれば、8〜50℃の曇点を有する非イオン界面活性剤の存在下にストリッピング処理を行なっているため、重合トナーの帯電性に悪影響を及ぼすことがなく、高い帯電量の重合トナーを得ることができる。本発明の方法により得られた重合トナーは、カブリが顕著に抑制され、画像濃度も高く、画像濃度のバラツキもない。
3.洗浄工程(III)
ストリッピング処理工程(II)の後、水分散液から着色重合体粒子を回収するが、回収前に洗浄工程を配置する。すなわち、着色重合体粒子の回収は、常法に従って、脱水、洗浄、濾過、乾燥処理により行われ、乾燥した着色重合体粒子が回収される。脱水に先立って、一般に、使用した分散安定剤を可溶化して除去するために、分散安定剤の種類に応じて、例えば、酸洗浄やアルカリ洗浄などの処理が行われる。
例えば、分散安定剤として水酸化マグネシウムコロイドなどの難水溶性金属水酸化物のコロイドを用いた場合には、水分散液に硫酸などの酸を加えて分散安定剤を水に可溶化させる(これを「酸洗浄」という)。酸洗浄により、水分散液のpHを好ましくは5以下に調整する。
酸洗浄またはアルカリ洗浄後、水分散液を濾過して脱水する。脱水後、洗浄水を用いて着色重合体粒子の洗浄を行うが、洗浄水の供給と脱水とを繰り返し行なうか、連続的に行なうことが洗浄効率を高める上で好ましい。そのため、洗浄脱水機を用いて水による洗浄を行なうことが好ましい。
脱水洗浄機としては、連続式ベルトフィルターやサイホンピーラー型セントリフュージなどが挙げられる。連続式ベルトフィルターは、周回して走行可能な無端状濾布を備え、該濾布が水平方向に走行する濾過処理操作部を有し、かつ、濾過処理操作部では濾布の下方に真空トレイを配置したベルトフィルタを用いて濾過(脱水)及び洗浄(水洗)を行う。ベルトフィルタ本体は、一般に無端状の濾布により形成され、該濾布は、複数のロールに緊張状態で架けられている。濾過処理部において、濾布の下方に、一体式または複数の区画に分割された真空トレイが配置されている。濾布の材質としては、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレンなどの合成樹脂が挙げられる。濾布は、適度の通気度を有する不織布によって構成されるものが好ましい。真空トレイは、通常、ポリプロピレンなどの合成樹脂製である。
サイホンピーラー型セントリフュージは、サイホン機構を備えた遠心濾過機であり、遠心濾過と真空濾過の機能が組み合わされた構造を有している。サイホンピーラー型セントリフュージは、濾液をサイホン管により吸引して濾布下に真空を発生させ、遠心濾過圧力に加えて、真空濾過圧力を同時に利用する点に特徴を有している。これらの脱水洗浄機以外に、脱水と水洗を行なうことができる洗浄機であれば、本発明で好適に使用することができる。
本発明では、ストリッピング処理工程で水分散液中に存在させた非イオン界面活性剤の曇点未満の温度に制御した洗浄液を用いて洗浄を行なう。洗浄液としては、通常、イオン交換水などの水を用いるが、洗浄効率を高めるために、水とアルコール等の有機溶媒との混合液を用いることもできる。洗浄液の温度が非イオン界面活性剤の曇点以上の温度であると、着色重合体粒子(重合トナー)中に残留する非イオン界面活性剤の量が多くなり、重合トナーの帯電特性、画像特性が低下傾向を示す。
従来、洗浄水の温度は、分散安定剤などの除去効率の観点から、比較的高温に設定されていた。ところが、曇点を有する非イオン界面活性剤は、曇点以上の温度では水に対する溶解性が著しく悪いため、洗浄後の重合トナー中の残留非イオン界面活性剤量が比較的多くなる。本発明者らの研究結果によれば、重合トナー中の残留非イオン界面活性剤量が多くなると、帯電量を十分に大きくすることができず、しかも高温・高湿環境下での帯電量が低下することが判明した。また、重合トナー中の残留非イオン界面活性剤量が多くなると、高温・高湿環境下でカブリが著しく大きくなる。
これに対して、洗浄液の温度を非イオン界面活性剤の曇点未満の温度に制御して洗浄を行なうと、非イオン界面活性剤の残留量を著しく低減することができることが判明した。その結果、帯電量が高く、高温・高湿環境下での帯電量の低下やカブリの発生が顕著に抑制されることが分かった。
非イオン界面活性剤の曇点A(℃)と洗浄液の温度B(℃)との差A−Bが好ましくは3℃以上、より好ましくは5℃以上、特に好ましくは10℃以上となるように、洗浄液の温度を制御することが望ましい。洗浄液の温度が低くなるほど、非イオン界面活性剤の除去効率が高まるが、分散安定剤などの除去効率が低下するので、洗浄液の温度の下限は、通常0℃、好ましくは5℃、より好ましくは8℃程度である。
洗浄水の如き洗浄液の使用量は、着色重合体粒子100重量部当たり、200〜1500重量部の割合とすることが好ましい。連続式ベルトフィルターを用いて脱水洗浄を行なう場合、例えば、20〜50kg/時間の割合で温度制御したイオン交換水を、周回する無端ベルト上のウエットケーキ上方から散布し、かつ下方では脱水しながら洗浄することが好ましい。無端ベルトの濾過ゾーンでは、洗浄水の散布を行なわずに、真空濾過のみを行なう。
洗浄後、濾過・脱水したウエットケーキは、水分含有率が通常10〜60重量%、多くの場合20〜50重量%の範囲内となる。このウエットケーキを次工程で乾燥させる。
4.回収工程(IV)
洗浄工程の後、水分散液を濾過して湿潤状態の着色重合体粒子を得、これを乾燥する。乾燥は、高温に保持した乾燥機や真空乾燥機を用いて行なうことができる。
本発明の重合トナー(コア−シェル構造を有するカプセルトナーを含む)の体積平均粒径は、通常1〜12μm、好ましくは2〜11μm、より好ましくは3〜10μmである。解像度を高めて高精細な画像を得る場合には、重合トナーの体積平均粒径を好ましくは2〜9μm、より好ましくは3〜8μmにまで小さくすることが特に望ましい。
本発明の重合トナーの体積平均粒径Dvと個数平均粒径Dpとの比Dv/Dpで表される粒径分布は、通常1.7以下、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.3以下である。重合トナーの体積平均粒径が大きすぎると、解像度が低下しやすくなる。重合トナーの粒径分布が大きいと、大粒径のトナーの割合が多くなり、解像度が低下しやすくなる。
本発明の重合トナーは、長径dlと短径dsとの比dl/dsで表される球形度が、好ましくは1〜1.3、より好ましくは1〜1.2の実質的に球形であることが好ましい。実質的に球形の重合トナーを非磁性一成分現像剤として用いると、感光体上のトナー像の転写材への転写効率が向上する。
本発明の重合トナーの残留重合性単量体量は、前記したとおり、通常100ppm未満、好ましくは50ppm未満、より好ましくは30ppm未満、特に好ましくは20ppm未満である。残留重合性単量体量が多くなりすぎると、重合トナーの帯電性、画像特性などが低下する。
本発明の重合トナーの残留非イオン界面活性剤量は、好ましくは100ppm未満、より好ましくは50ppm未満、特に好ましくは30ppm未満である。残留非イオン界面活性剤量が多すぎると、帯電特性や画像特性を十分に改善することが困難になることに加えて、これらの特性の環境依存性が高まり、高温・高湿環境下での帯電量が低下したり、カブリが著しくなり易くなる。
本発明の重合トナーは、各種現像剤のトナー成分として使用することができるが、非磁性一成分現像剤として使用することが好ましい。本発明の重合トナーを非磁性一成分現像剤とする場合には、必要に応じて、外添剤を混合することができる。外添剤としては、流動化剤や研磨剤などとして作用する無機粒子や有機樹脂粒子が挙げられる。
無機粒子としては、例えば、二酸化ケイ素(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムなどが挙げられる。有機樹脂粒子としては、メタクリル酸エステル重合体粒子、アクリル酸エステル重合体粒子、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体粒子、スチレン−アクリル酸エステル共重合体粒子、コアがスチレン重合体でシェルがメタクリル酸エステル共重合体で形成されたコア−シェル型粒子などが挙げられる。
これらの中でも、無機酸化物粒子が好ましく、二酸化ケイ素が特に好ましい。無機微粒子表面を疎水化処理することができ、疎水化処理された二酸化ケイ素粒子が特に好適である。外添剤は、2種以上を組み合わせて用いてもよく、外添剤を組み合わせて用いる場合には、平均粒子径の異なる無機粒子同士または無機粒子と有機樹脂粒子とを組み合わせる方法が好適である。外添剤の量は、特に限定されないが、重合トナー100重量部に対して、通常0.1〜6重量部である。外添剤を重合トナーに付着させるには、通常、重合トナーと外添剤とをヘンシェルミキサーなどの混合機に入れて攪拌する。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。部及び%は、特に断りのない限り、いずれも重量規準である。本発明で実施したトナー特性等の測定方法及び評価方法は、以下の通りである。
1.残留重合性単量体量の測定方法
(1)ストリッピング処理前:
ストリッピング処理前の着色重合体粒子3gを1mg単位まで精秤する。着色重合体粒子3gにN,N−ジメチルホルムアミド27gを加えて15分間撹拌した後、メタノール13gを加えて更にl0分間撹拌する。このようにして得られた溶液を静置して、不溶分を沈殿させる。この溶液の上澄み液を測定用試料とし採取し、そして、その2μlをガスクロマトグラフに注入して重合性単量体量を定量する。
ガスクロマトグラフによる測定条件は、カラム=TC−WAX(0.25mm×30m)、カラム温度=80℃、インジェクション温度=200℃、FID検出側温度=200℃である。定量用標準試料として、各重合性単量体のN,N−ジメチルホルムアミド/メタノール溶液を用いる。
ストリッピング処理前の着色重合体粒子は、湿潤状態にあるので、該着色重合体粒子中の残留重合性単量体量は、湿潤状態の着色重合体粒子中の純固形分に対する比率として算出する。即ち、算出した純固形分割合を、湿潤状態で測定した着色重合体粒子中の重合性単量体量に乗じて残留重合性単量体量を算出する。湿潤状態の着色重合体粒子中の純固形分は、以下の手順で求める。
(i)ストリッピング処理前の着色重合体粒子の水分散液を分取する。(ii)分取した水分散液を濾過して、湿潤状態の着色重合体粒子を得る。(iii)湿潤状態の着色重合体粒子の重量を1mg単位まで精秤する。(iv)湿潤した着色重合体粒子を105℃で1時間乾燥し、乾燥して得られた固形分の重量を精秤する。(v)乾燥前と乾燥後の重量差から湿潤状態の着色重合体粒子中の純固形分割合を算出する。
(2)ストリッピング処理後:
ストリッピング処理後、洗浄し乾燥した着色重合体粒子3gを1mg単位まで精秤する。この重合体粒子を用いたこと以外は、前記と同様にして重合性単量体量を測定する。洗浄・乾燥後の着色重合体粒子中の残留重合性単量体量は、該着色重合体粒子の重量に対する比率として算出する。なお、各実施例及び比較例において、ストリッピング処理・乾燥後の残留重合性単量体の種類は、実質的にスチレンのみであった。
2.残留非イオン界面活性剤量の測定方法
乾燥したトナー10gをソックスレーでメタノール抽出し、抽出分を濃縮乾燥する。その抽出分に蒸留水/アセトニトリル=50/50vol%水溶液2mlを添加し、超音波をかけた後、孔径0.45μmのメンブランフィルターで濾過し、通過液をLC−MSで測定した。LC−MSのカラムとしてZORBAX SB−C18(2.1mm×150mm)を用いて、下記の条件で測定した。
カラム温度:40℃、
流速:0.2ml/分、
注入量:10マイクロリットル、
定量用標準試料:各消泡剤の水/アセトニトリル=50/50vol%溶液。
3.トナー特性の評価
(1)粒径:
着色重合体粒子(重合トナー粒子)の体積平均粒径Dv、及び体積平均粒径Dvと個数平均粒径Dpとの比Dv/Dpで表される粒径分布は、マルチサイザー(ベックマン・コールター社製)により測定する。マルチサイザーによる測定は、アパーチャー径=100μm、媒体=イソトンII、濃度=10%、測定粒子数=100,000個の条件で行う。
(2)帯電量:
市販の非磁性一成分現像方式プリンター(印字速度=24枚/分)にコピー用紙をセットし、その現像装置に評価する現像剤(トナー)を入れる。温度23℃、湿度50%の環境(N/N環境)下で一昼夜放置後、印字を行い、印字開始から10枚目に現像ロール上の現像剤を吸引式帯電量測定装置に吸引し、帯電量と吸引量から単位重量当りの帯電量〔Q/M(μC/g)〕を測定する。
同様に、温度30℃、湿度80%の環境(H/H環境)下で、一昼夜放置後、印字を行い、印字開始から10枚目に現像ロール上の現像剤を吸引式帯電量測定装置に吸引し、帯電量と吸引量から単位重量当りの帯電量〔Q/M(μC/g)〕を測定する。
4.画像評価
(1)印字濃度:
市販の非磁性一成分現像方式プリンター(印字速度=24枚/分)を用いて、温度23℃と湿度50%の環境(N/N環境)下で一昼夜放置後、5%濃度で連続印字を行い、100枚目印字時にベタ印字を行う。McBeth透過式画像濃度測定機を用いて、ベタ先端部印字濃度とベタ後端部印字濃度を測定した。
(2)カブリ:
市販の非磁性一成分現像方式プリンター(印字速度=24枚/分)の現像装置に評価する現像剤を入れ、温度23℃と湿度50%の環境(N/N環境)下、及び温度30℃と湿度80%の環境(H/H環境)下にそれぞれ一昼夜放置する。その後、印字用紙に5%印字濃度で連続印字を行い、100枚目に白ベタ印字を行い、印字を途中で停止させ、現像後の感光体上のトナーを粘着テープ(住友スリーエム社製、商品名「スコッチメンディングテープ810−3−18」)で剥ぎ取り、それを新しい印字用紙に貼り付ける。次いで、その粘着テープを貼り付けた印字用紙の白色度(b)を、白色度計(日本電色社製)で測定し、同様にして、粘着テープだけを貼り付けた印字用紙の白色度(a)を測定する。その白色度(a)と白色度(b)との差(a−b)を算出し、カブリ値とする。
[実施例1]
1.工程(I)(着色重合体粒子の水分散液の調製工程):
(i)工程(I)−1(コア用重合性単量体組成物の調製工程)
スチレン80.5部及びn−ブチルアクリレート19.5部からなる重合性単量体(これらの単量体の共重合体の計算Tg=55℃)、顔料(C.I. Pigment Blue 15:3、大日本インキ化学工業株式会社製、商品名「FASTGEN BLUE CT−BX121」)5部、帯電制御剤(スチレン/アクリル樹脂、藤倉化成株式会社製、商品名「FCA−626N」)4部、ポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東亜合成化学工業株式会社製、商品名「AA6」)0.25部を、高速乳化・分散機(特殊機化工業製、商品名「T.K.ホモミクサー MARK II型」)を用いて10000回転×10分間分散を行い、均一混合液を得た。その後、混合液にジペンタエリスリトールヘキサミリステート10部を加えて、スリーワンモーターにて攪拌し溶解させた。
(ii)工程(I)−2(水系媒体の調製工程)
イオン交換水250部に塩化マグネシウム(水溶性多価金属塩)9.8部を溶解した水溶液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム(アルカリ金属水酸化物)6.9部を溶解した水溶液を攪拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイド(難水溶性の金属水酸化物コロイド)分散液を調製した。
(iii)工程(I)−3(シェル用重合性単量体の調製工程)
メチルメタクリレート(単独重合体のTg=105℃)2部と水65部を混合して、シェル用重合性単量体の水分散液を得た。
(iv)工程(I)−4(液滴の形成工程)
工程(I)−2で調製した水酸化マグネシウムコロイドを含有する水系媒体に、工程(I)−1で調製したコア用重合性単量体混合物を投入し、撹拌した後、分子量調整剤(t−ドデシルメルカプタン)1.75部、架橋性モノマー(ジビニルベンゼン)0.25部、重合開始剤(t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、日本油脂社製、商品名「パーブチルO」)6部を投入し、インライン型乳化・分散機(株式会社荏原製作所製、商品名「マイルダー」)を用いて15000rpmの回転数で8分間高剪断攪拌して、コア用重合性単量体混合物の液滴を形成した。
(v)工程(I)−5(重合工程)
コア用重合性単量体組成物の液滴が分散した水分散液を、撹拌翼を装着した反応器に入れ、85℃に昇温して重合反応を開始させた。重合反応は、重合転化率がほぼ100%に達するまで行った。その時点で、反応器内に、工程(I)−3で調製したシェル用重合性単量体の水分散液に水溶性開始剤[和光純薬社製、商品名「VA−086」;2,2′−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ハイドロキシエチル)−プロピオンアミド〕]0.3部を溶解した水分散液を加えた。4時間重合を継続した後、冷却して反応を停止し、生成したコア−シェル構造の着色重合体粒子を含有する水分散液を得た。着色重合体粒子の水分散液の固形分濃度は、27%であった。この時点で、ストリッピング処理前の着色重合体粒子中の残留モノマー量を測定した。
2.工程(II)(ストリッピング処理工程)
得られた着色重合体粒子の水分散液をストリッピング処理するため、図1に示す処理システムを用いた。着色重合体粒子の水分散液をイオン交換水で固形分濃度25%に希釈した後、蒸発器1内に供給した。次に、曇点36℃の消泡剤(サンノプコ社製、商品名「SNデフォーマー 180」0.1部を蒸発器1内の水分散液に加えた。蒸発器1内に窒素ガスを流して、その気相部を窒素ガスで置換した。該水分散液を撹拌翼2で撹拌しながら80℃になるまで加熱した後、ブロワー4を起動して、窒素ガスの流量が0.6m/(hr・kg)となるように調節しながら、ガス吹き込み口が直管形伏のガス吹き込み管3から窒素ガスを吹き込んで、該水分散液から残留モノマーをストリッピングした。
ストリッピング後の窒素ガスは、ライン5を通って、凝縮器6及び凝縮タンク7に順次導かれた。凝縮後の窒素ガスは、ライン8を通って揮発性物質除去装置(活性炭を充填した吸着塔)9に導かれ、そこで窒素ガス中に含まれる重合性単量体等の揮発性物質が除去された。揮発性物質が除去された窒素ガスは、循環ライン10を通って、ブロワー4からガス吹き込み管3を通して、蒸発器1内に再び吹き込まれた。
ストリッピング処埋は、着色重合体粒子の水分散液の温度約80℃、蒸発器1内の圧力101kPa、窒素ガス流量0.6m/(hr・kg)の条件下で6時間行った。ストリッピング処理後、着色重合体粒子中の残留重合性単量体量を測定したところ、50ppm以下であった。ストリッピング処理後、水分散液を25℃まで冷却した。
3.工程(III)(洗浄工程)
ストリッピング処理工程の後、着色重合体粒子の水分散液を撹拌しながら硫酸を加えて酸洗浄(25℃、10分間)を行い、水分散液のpHを4.5以下に調整した。次に、水分散液を連続式ベルトフィルター(住友重機械工業社製、商品名「イーグルフィルター」)を用いて脱水及び水洗(洗浄水の温度25℃)を行い、次いで、湿潤状態の固形分を分離した。洗浄水としては、25℃に制御したイオン交換水を用い、36kg/時間の割合でベルト上のウエットケーキ上方から散布した(洗浄水の合計=着色重合体粒子の3倍量)。
4.工程(IV)(回収工程)
洗浄工程で得られた湿潤状態の固形分(含水率=約25%)を乾燥機にて45℃で10時間乾燥し、体積平均粒径Dvが7.5μmで、粒径分布Dv/Dpが1.19の着色重合体粒子(コア−シェル構造着色重合体粒子)を回収した。乾燥後の重合体粒子中の残留重合性単量体量を測定した。
回収した着色重合体粒子100部に、疎水化処理した平均粒子径14nmのシリカ(日本アエロジル社製、商品名「RX200」)0.8部を添加し、へンシェルミキサーを用いて混合して、静電荷像現像用非磁性一成分現像剤(電子写真用トナー)を調製した。得られたトナーについて、画像評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例2]
ストリッピング処理工程(II)で使用する非イオン性界面活性剤の種類と水洗浄に用いる洗浄水の温度を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして着色重合体粒子を得、非磁性一成分現像剤(トナー)を調製した。結果を表1に示す。
[実施例3]
ストリッピング処理工程(II)で使用する非イオン性界面活性剤の種類と水洗浄に用いる洗浄水の温度を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして着色重合体粒子を得、非磁性一成分現像剤(トナー)を調製した。結果を表1に示す。
[比較例1]
ストリッピング処理工程(II)で使用する非イオン性界面活性剤の種類と水洗浄に用いる洗浄水の温度を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして着色重合体粒子を得、非磁性一成分現像剤(トナー)を調製した。結果を表1に示す。
Figure 0004148066
[比較例2]
実施例1のストリッピング処理工程(II)において、非イオン界面活性剤を加えなかったこと以外は、実施例1と同様にして、重合、及びストリッピング処理を行ったが、液面の発泡が激しいため、処理を中止した。
[比較例3]
実施例1のストリッピング処理工程(II)において、非イオン界面活性剤デフォーマー180をシリコーン系消泡剤(東レ・ダウコーニング社製、商品名「SM5515」;シリコーンオイル)に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、重合、及びストリッピング処理を行い、常法に従って35℃の洗浄水で洗浄し、その後の回収処理及び電子写真用トナーの調製を行った。N/N環境下でのトナーの帯電量は、19.1μC/gと低く、N/N環境下でのカブリが5.6と大きく、しかも画像濃度にバラツキが見られた。洗浄水の温度を25℃に低下させても、同様の結果しか得られなかった。
本発明の製造方法により得られた重合トナーは、電子写真方式や静電記録方式の複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置において、感光体上に形成された静電潜像を可視像化するための現像剤のトナー成分として用いられる。
本発明の製造方法のストリッピング処理工程で採用されるストリッピング処理システムの一例を示す略図である。
符号の説明
1:蒸発器、2:撹拌翼、3:気体吹き込み管、
4:ブロワー、5:ガスライン、6:凝縮器、7:凝縮タンク、
8:ガスライン、9:揮発性物質除去装置、10:ガス循環ライン。

Claims (3)

  1. 重合工程または重合工程と引き続く凝集工程により、水系媒体中で重合性単量体を重合してなる重合体を結着樹脂とし、その中に少なくとも着色剤が分散した着色重合体粒子を生成させる重合トナーの製造方法において、下記工程I〜IV:
    (1)重合工程または重合工程と引き続く凝集工程により着色重合体粒子を含有する水分散液を得る工程(I)、
    (2)工程(I)で得られた着色重合体粒子を含有する水分散液を、8〜50℃の曇点を有する非イオン界面活性剤の存在下でストリッピング処理して、着色重合体粒子中に含まれる揮発性有機化合物を除去する工程(II)、
    (3)ストリッピング処理後、着色重合体粒子を含有する水分散液を脱水・洗浄し、その際、非イオン界面活性剤の曇点未満の温度に制御した洗浄液を用いて洗浄する工程(III)、及び
    (4)洗浄後、濾過して得られた湿潤状態の着色重合体粒子を乾燥して、着色重合体粒子を回収する工程(IV)
    を含むことを特徴とする重合トナーの製造方法。
  2. 工程(II)において、工程(I)で得られた着色重合体粒子を含有する水分散液に非イオン界面活性剤を添加して、ストリッピング処理を行なう請求項1記載の製造方法。
  3. 工程(III)において、非イオン界面活性剤の曇点Aと洗浄液の温度Bとの差A−Bが10℃以上となるように温度制御した洗浄液を用いて洗浄する請求項1または2記載の製造方法。
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