JP4148374B2 - 光電変換素子および光電気化学電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光電変換素子およびこれを用いた電気化学電池に関し、詳しくは色素で増感された半導体微粒子を用いた光電変換素子および電気化学電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
光電変換素子は各種の光センサー、複写機、光発電装置に用いられている。光電変換素子には金属を用いたもの、半導体を用いたもの、有機顔料や色素を用いたもの、あるいはこれらを組み合わせたものなどの様々な方式が実用化されている。
【0003】
米国特許4927721号、同4684537号、同5084365号、同5350644号、同5463057号、同5525440号の各明細書および特開平7−249790号公報には、色素によって増感された半導体微粒子を用いた光電変換素子(以後、色素増感光電変換素子と略す)、もしくはこれを作成するための材料および製造技術が開示されている。この方式の第一の利点は二酸化チタン等の安価な酸化物半導体を高純度に精製することなく用いることができるため、比較的安価な光電変換素子を提供できる点にある。第二の利点は用いられる色素の吸収がブロードなため、可視光線のほぼ全ての波長領域の光を電気に変換できることである。これらの特徴は太陽エネルギーを電気に変換することを目的とした光電変換素子(いわゆる太陽電池)に応用する際に有利であることから、この方面への応用が活発に検討されている。
【0004】
しかしながら色素増感光電変換素子には改良が求められる点が少なくとも2つ存在する。第一は増感色素として高価なルテニウム錯体色素を用いることであり、第二は光電変換できる光が可視光もしくは800nmよりも短波長の近赤外光に限られていることである。800nmよりも長波長に感度を持つ光電変換素子は、各種の分析機器に応用できる他、太陽電池の用途にも有用である。太陽光には800nmより長波長の赤外光も多く含まれており、このような低エネルギー光を電気に変換することができれば、素子の変換効率を向上させることが可能となる。
【0005】
このような理由から、安価な有機色素によって増感され、波長800nm以上の低エネルギー光も電気に変換することのできる光電変換素子の開発が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第一の目的は有機色素を用いた色素増感光電変換素子を提供することである。第二の目的は、波長800nm以上の低エネルギー光を電気に変換できる色素増感光電変換素子を提供することである。そして、第三の目的は、このような光電変換素子を用い、変換効率の向上した光電気化学電池を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
研究の結果、下記の(1)〜(7)が本発明の目的に適うことを突き止めた。(1)少なくとも導電性支持体および感光層を有する光電変換素子であって、前記感光層が、ポリメチン色素によって増感された半導体微粒子を含有することを特徴とする光電変換素子。
(2)ポリメチン色素が、下記一般式(1)で表される上記(1)に記載の光電変換素子。
【0008】
【化4】
【0009】
[一般式(1)中、R1およびR5は各々水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基または複素環残基を表し、R2、R3およびR4は各々水素原子または1価の置換基を表す。R1〜R5は互いに結合して環を形成してもよい。X11およびX12は各々窒素原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子またはテルル原子を表す。n11およびn13は各々0〜2の整数を表し、n12は1〜6の整数を表す。一般式(1)で表される化合物は分子全体の電荷に応じて対イオンを有してもよい。]
(3)ポリメチン色素が、下記一般式(2)、(3)または(4)で表される上記(2)に記載の光電変換素子。
【0010】
【化5】
【0011】
[一般式(2)中、R11、R12およびR13は各々水素原子または1価の置換基を表す。R11〜R13は互いに結合して環を形成してもよい。R14およびR15は各々アルキル基を表す。A11およびA12は各々炭素原子および窒素原子とともに3ないし9員環を形成するための原子団を表し、n1は0〜4の整数を表す。一般式(2)で表される化合物は分子全体の電荷に応じて対イオンを有してもよい。
一般式(3)中、R21、R22およびR23は各々水素原子または1価の置換基を表す。R21〜R23は互いに結合して環を形成してもよい。R24およびR25は各々アルキル基を表す。A21およびA22は各々炭素原子および窒素原子とともに5ないし9員環を形成するための原子団を表し、n2は0〜4の整数を表す。一般式(3)で表される化合物は分子全体の電荷に応じて対イオンを有してもよい。
一般式(4)中、R31、R32およびR33は各々水素原子または1価の置換基を表す。R31〜R33は互いに結合して環を形成してもよい。A31およびA32は各々炭素原子とともに3ないし9員環を形成するための原子団を表し、n3は0〜4の整数を表す。一般式(4)で表される化合物は分子全体の電荷に応じて対イオンを有してもよい。]
(4)ポリメチン色素が、下記一般式(5)で表される上記(3)に記載の光電変換素子。
【0012】
【化6】
【0013】
[一般式(5)中、R41およびR42は各々水素原子または1価の置換基を表す。R43およびR44は各々アルキル基を表す。A41およびA42は各々炭素原子および窒素原子とともに3ないし9員環を形成するための原子団を表す。一般式(5)で表される化合物は分子全体の電荷に応じて対イオンを有していてもよい。]
(5)A41で完成される複素環およびA42で完成される複素環が、各々ベンゾチアゾリン、インドレニン、ナフトチアゾリンまたはベンゾインドレニンである上記(4)に記載の光電変換素子。
(6)ポリメチン色素が少なくとも1つのカルボキシル基を有する上記(2)〜(5)のいずれかに記載の光電変換素子。
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載の光電変換素子を有し、さらに少なくとも電荷移動層および対向電極を有する光電気化学電池。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の光電変換素子は、導電性支持体上に感光層を有するものであり、感光層にはポリメチン色素によって増感された半導体微粒子が含有されている。
【0015】
このように、ポリメチン色素を用いることによって、変換効率に優れた色素増感光電変換素子を得ることができる。また、ポリメチン色素を選択することによって、太陽光に含まれる800nm以上の長波長の赤外光の利用も可能になり、低エネルギー光を電気に変換できる。このため素子の変換効率が向上する。また、コスト面で有利である。
【0016】
一般式(1)について説明すると、一般式(1)中、R1およびR5は各々水素原子、アルキル基、アリール基または複素環残基を表し、R2、R3およびR4は各々水素原子または1価の置換基を表す。R1〜R5は互いに結合して環を形成してもよい。X11およびX12は各々窒素、酸素、硫黄、セレンまたはテルルを表す。n11およびn13は0〜2の整数を表し、n12は1〜6の整数を表す。一般式(1)で表される化合物は分子全体の電荷に応じて対イオンを有してもよい。
【0017】
一般式(1)で表されるポリメチン色素について詳しく説明する。
【0018】
一般式(1)においてR1、R5は水素原子、アルキル基ないしアルケニル基(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、n−ドデシル、シクロヘキシル、ビニル、アリル、ベンジル等)、アリール基(例えばフェニル、トリル、ナフチル等)、または複素環残基(例えばピリジル基、イミダゾリル基、フリル基、チエニル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ベンズイミダゾリル基、キノリル基等)を表す。これらは置換基を有してもよい。
【0019】
置換基の例としてはアルキル基、アリール基、複素環残基がまず挙げられ、具体例は前記のものと同様であり、さらにはハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素)、アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、ベンジルオキシ等)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ等)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ、エチルチオ等)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ等)、ヒドロキシ基および酸素陰イオン、ニトロ基、シアノ基、アミド基(例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、スルホンアミド基(例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノ等)、ウレイド基(例えば、3ーフェニルウレイド等)、ウレタン基(例えばイソブトキシカルボニルアミノ、カルバモイルオキシ等)、エステル基(例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシ、メトキシカルボニル、フェノキシカルボニル等)、カルバモイル基(例えばN−メチルカルバモイル、N,N−ジフェニルカルバモイル等)、スルファモイル基(例えばN−フェニルスルファモイル等)、アシル基(例えばアセチル、ベンゾイル等)、アミノ基(アミノ、メチルアミノ、アニリノ、ジフェニルアミノ等)、スルホニル基(例えばメチルスルホニル等)、ホスホニル基およびそのエステル、ホスホニルオキシ基およびそのエステル、カルボキシル基、スルホ基等が挙げられる。置換基の炭素原子上にはさらに上記の置換基があっても良い。
【0020】
R2〜R4は水素原子または1価の置換基を表す。1価の置換基としては、R1、R5のところの置換基と同様のものが挙げられる。R2〜R4はさらに置換基を有していてもよい。R2〜R4としては水素原子、ハロゲン原子、酸素陰イオン、置換もしくは無置換のアルキル基が好ましい。
【0021】
X11およびX12は窒素、酸素、硫黄、セレン、テルルを表す。n11およびn13は0〜2の整数を表す。n12は0〜6の整数を表す。ただし化学的な制約からX11が酸素、硫黄、セレン、テルルの場合n11は0〜1の整数を表す。n13についても同様である。メチン鎖の長さは色素の吸収波長に関係し、n12の値が大きいほど長波な光を吸収するので目的に応じて適宜調節される。
【0022】
R1〜R5の中から選ばれた任意の組は互いに結合して環を形成してもよい。例えばR1とR2、あるいはR4とR5が結合して3〜9員の複素環を形成してもよいし、R2とR3、あるいはR3とR4が結合して3〜8員の芳香環、複素環、もしくは脂環式の環を形成してもよく、さらにこれによって形成される環が互いに縮合していてもよい。好ましい環としてはシクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、ベンゼン、デヒドロデカリン、ピリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、フラン、ジヒドロフラン、チオフェン、ジヒドロチオフェン、ヘキサヒドロキノリン等が挙げられる。これらすべての環はさらに3〜8員の芳香環、複素環、もしくは脂環式の環が縮合していてもよい。例えばR1とR2、あるいはR4とR5が結合して形成される環(縮合環を含む)については後述の一般式(2)〜(4)のA11、A12、A21、A22、A31、A32によって形成される環と同様のものを挙げることができる。
【0023】
一般式(1)で表される化合物が分子全体として電荷を有する場合、電荷を中和するための対イオンを有していてもよい。対イオンとしては特に制限はなく有機、無機のいずれでもよい。代表的な例としてはハロゲンイオン(フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、沃素イオン)、水酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロりん酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、メタンスルホン酸イオン、パラトルエンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン等のアニオン、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム等)、アンモニウム、アルキルアンモニウム(例えばジエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等)、ピリジニウム、アルキルピリジニウム(例えばメチルピリジニウム)、グアニジニウム、テトラアルキルホスホニウム等のカチオンが挙げられる。
【0024】
一般式(1)で表される化合物は酸性基を有する場合、半導体微粒子への吸着性に優れるため特に好ましい。酸性基としては水−テトラヒドロフラン混合溶媒(体積比50対50)中のpKaが10以下のものが好ましい。特に好ましくはカルボキシル基、スルホン酸基、スルフィン酸基、ホスホン酸基、水酸基、リン酸モノエステルおよびジエステル基等である。このうちカルボキシル基が最も好ましい。これらの基はアルカリ金属等と塩を形成したものであってもよい。また分子内塩を形成していてもよい。
【0025】
このようなポリメチン色素の具体例はM.Okawara,T.Kitao,T.Hirasima,M.Matuoka著Organic Colorants (Elsevier)等に詳しく記載されている。
【0026】
一般式(1)で表されるポリメチン色素は、さらに好ましくは一般式(2)〜(4)で表される。
【0027】
一般式(2)で表されるポリメチン色素について詳しく説明する。
一般式(2)においてR11、R12およびR13は各々水素原子または1価の置換基を表す。1価の置換基としてはアルキル基ないしアルケニル基(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、n−ドデシル、シクロヘキシル、ビニル、アリル、ベンジル等)、アリール基(例えばフェニル、トリル、ナフチル等)、複素環残基(例えばピリジル基、イミダゾリル基、フリル基、チエニル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ベンズイミダゾリル基、キノリル基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素)、アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、ベンジルオキシ等)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ等)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ、エチルチオ等)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ等)、ヒドロキシ基および酸素陰イオン、ニトロ基、シアノ基、アミド基(例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、スルホンアミド基(例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノ等)、ウレイド基(例えば、3−フェニルウレイド等)、ウレタン基(例えばイソブトキシカルボニルアミノ、カルバモイルオキシ等)、エステル基(例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシ、メトキシカルボニル、フェノキシカルボニル等)、カルバモイル基(例えばN−メチルカルバモイル、N,N−ジフェニルカルバモイル等)、スルファモイル基(例えばN−フェニルスルファモイル等)、アシル基(例えばアセチル、ベンゾイル等)、アミノ基(アミノ、メチルアミノ、アニリノ、ジフェニルアミノ等)、スルホニル基(例えばメチルスルホニル等)、ホスホニル基およびそのエステル、ホスホニルオキシ基およびそのエステル、カルボキシル基、スルホ基等が挙げられる。置換基の炭素原子上にはさらに上記の置換基があっても良い。
【0028】
R11〜R13で代表されるメチン鎖置換基は互いに結合して3〜8員の単環もしくは多環性の芳香環、複素環、もしくは脂環式の環を形成してもよい。好ましい環としてはシクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、ベンゼン、デヒドロデカリン、ピリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、フラン、ジヒドロフラン、チオフェン、ジヒドロチオフェン、ヘキサヒドロキノリン等が挙げられる。これらすべての環はさらに3〜8員の芳香環、複素環、もしくは脂環式の環が縮合していてもよい。一般式(2)においてR14およびR15は総炭素数1〜12の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。アルキル基の例、置換基の例はR11〜R13の説明で述べたことが当てはまる。
【0029】
一般式(2)においてA11およびA12は各々炭素原子、窒素原子とともに3〜9員の単環もしくは縮合環を形成するための原子団を表す。原子団の中で環を構成する原子としては炭素、窒素、酸素、硫黄、セレン、テルルである。A11、あるいはA12で完成される複素環としては、インドレニン、ベンゾインドレニン、ベンゾイミダゾリン、ベンゾオキサゾリン、ベンゾチアゾリン、キノリン、ベンゾセレナゾリン、ベンゾテルラゾリン、ナフトオキサゾリン、ナフトチアゾリン等が挙げられる。これらは前述の置換基を有していてもよい。n1は0〜4の整数を表す。メチン鎖の長さは色素の吸収波長に関係し、n1の値が大きいほど長波な光を吸収するので目的に応じて適宜調節される。
【0030】
一般式(2)で表される化合物は分子全体の電荷に応じて対イオンを有してもよい。対イオンとしては特に制限はなく有機、無機のいずれでもよい。代表的な例としてはハロゲンイオン(フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、沃素イオン)、水酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロりん酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、メタンスルホン酸イオン、パラトルエンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン等のアニオン、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム等)、アルカり土類金属(マグネシウム、カルシウム等)、アンモニウム、アルキルアンモニウム(例えばジエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等)、ピリジニウム、アルキルピリジニウム(例えばメチルピリジニウム)、グアニジニウム、テトラアルキルホスホニウム等のカチオンが挙げられる。
【0031】
一般式(2)で表される化合物は酸性基を有する場合、半導体微粒子への吸着性に優れるため特に好ましい。酸性基としては水−テトラヒドロフラン混合溶媒(体積比50対50)中のpKaが10以下のものが好ましい。特に好ましくはカルボキシル基、スルホン酸基、スルフィン酸基、ホスホン酸基、水酸基、リン酸モノエステルおよびジエステル基等である。このうちカルボキシル基が最も好ましい。これらの基はアルカリ金属等と塩を形成したものであってもよい。また分子内塩を形成していてもよい。
【0032】
次に一般式(3)ついて説明する。一般式(3)においてR21〜R23は一般式(2)におけるR11と同義である。R24およびR25は一般式(2)のR14と同義である。A21およびA22は各々炭素原子、窒素原子とともに5ないし9員の単環または縮合環を形成するための原子団を表す。原子団の中で環を構成する原子としては炭素、窒素、酸素、硫黄、セレン、テルルである。A21、あるいはA22で完成される複素環としてはジヒドロキノリン等が好ましい。これらは前述の置換基を有していてもよい。n2は0〜4の整数を表す。一般式(3)で表される化合物は分子全体の電荷に応じて前述の対イオンを有してもよい。一般式(3)で表される化合物も前述の酸性基を有するのが好ましく、酸性基としてはカルボキシル基が最も好ましい。
【0033】
次に一般式(4)ついて説明する。一般式(4)においてR31〜R33は一般式(2)におけるR11と同義である。A31およびA32は各々炭素原子とともに3ないし9員の単環または縮合環を形成するための原子団を表す。原子団の中で環を構成する原子としては炭素、窒素、酸素、硫黄、セレン、テルルである。A31、あるいはA32で完成される複素環としては複素環の環状ケトン(チオケトンも含む)が好ましく、ピリミジン、ピリジン、ピラゾール等を複素環とするものが好ましい。これらは前述の置換基を有していてもよい。n3は0〜4の整数を表す。なお、共役末端の酸性水酸基は解離していてもよい。一般式(4)で表される化合物は分子全体の電荷に応じて前述の対イオンを有してもよい。一般式(4)で表される化合物も前述の酸性基を有するのが好ましく、酸性基としてはカルボキシル基が最も好ましい。
【0034】
本発明において用いられる色素は、一般式(5)で表される色素である。一般式(5)において、R41、R42は一般式(2)のR11と同義である。R43、R44は一般式(2)のR14と同義である。A41、A42は一般式(2)のA11と同義である。A41、あるいはA42で完成される複素環としては、インドレニン、ベンゾチアゾリン、キノリン、ベンゾインドレニン、ナフトチアゾリン等が好ましく、特にベンゾチアゾリン、インドレニン、ナフトチアゾリン、ベンゾインドレニンが好ましい。これらはA11と同様の置換基を有していてもよい。一般式(5)で表される化合物は分子全体の電荷に応じて前述の対イオンを有してもよい。一般式(5)で表される化合物も前述の酸性基を有するのが好ましく、酸性基としてはカルボキシル基が最も好ましい。
【0035】
以下に一般式(2)〜(5)で表されるポリメチン色素の好ましい具体例を示す。
【0036】
【化7】
【0037】
【化8】
【0038】
【化9】
【0039】
【化10】
【0040】
【化11】
【0041】
【化12】
【0042】
【化13】
【0043】
【化14】
【0044】
【化15】
【0045】
【化16】
【0046】
【化17】
【0047】
【化18】
【0048】
一般式(2)〜(5)で表されるポリメチン色素は、エフ・エム・ハーマー(F.M.Harmer)著「ヘテロサイクリック・コンパウンズ−シアニン・ダイズ・アンド・リレイテッド・コンパウンズ(Heterocyclic Compounds-Cyanine Dyes and Related Compounds )」、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ (John Willey & Sons) 社、 ニューヨーク、ロンドン、1994年刊、ディー・エム・スターマー(D.M.Sturmer) 著「ヘテロサイクリック・コンパウンズ−スペシャル・トピックス・イン・ヘテロサイクリック・ケミストリー(Heterocyclic Compounds - Special Topics In Heterocyclic Chemistry)」、第18章、第14節482項から515項、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Willey & Sons)社、ニューヨーク、ロンドン、1977年刊、「ロッズ・ケミストリー・オブ・カーボン・コンパウンズ(Rodd's Chemistry of Carbon Compounds)」2nd Edition Vol.4, PartB、第15章369項から422項、エルセビア・サイエンス・パブリック・カンパニー・インク(Eisevier Science Publishing Company Inc.)社、ニューヨーク、1977年刊、英国特許第1077611号などに記載の方法で合成することができる。
【0049】
次に、本発明に用いられるポリメチン色素の合成法を具体例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0050】
合成例1 例示化合物(10)の合成
下記の合成ルートにて本発明の例示化合物(10)を合成した。
【0051】
【化19】
【0052】
化合物(A−1)3.9g、化合物(A−2)0.57g、トルエン10ml、ブタノール30mlを混合し、撹拌しながら4時間加熱還流した。溶媒を減圧で留去し、イソプロピルアルコールとメタノールの1対1(体積比)混合溶媒を10cc加え、5℃にて一夜放置した。析出した結晶を濾取することにより、例示化合物(10)0.3gを得た。
【0053】
次に本発明のポリメチン色素を応用した色素増感光電変換素子、および光電気化学電池について詳しく説明する。
【0054】
本発明において色素増感光電変換素子は導電性支持体、および導電性支持体上に塗設されるポリメチン色素の吸着した半導体微粒子の層(感光層)よりなる電極である。感光層は目的に応じて設計され単層構成でも多層構成でもよい。一層の感光層中の色素は一種類でも多種の混合でもよい。感光層に入射した光は色素を励起する。励起色素はエネルギーの高い電子を有しており、この電子が色素から半導体微粒子の伝導帯に渡され、さらに拡散によって導電性支持体に到達する。この時色素分子は酸化体となっているが、電極上の電子が外部回路で仕事をしながら色素酸化体に戻るのが光電気化学電池であり、色素増感光電変換素子はこの電池の負極として働く。
【0055】
以下、導電性支持体、および感光層について詳しく説明する。
【0056】
導電性支持体は金属のように支持体そのものに導電性があるものか、または表面に導電剤層を有するガラスもしくはプラスチックの支持体である。後者の場合好ましい導電剤としては金属(例えば白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウム等)、炭素、もしくは導電性の金属酸化物(インジウム−スズ複合酸化物、酸化スズにフッ素をドープしたもの等)が挙げられる。この場合の導電剤層の厚さは0.05〜10μm であることが好ましい。
【0057】
導電性支持体は表面抵抗が低いほどよい。好ましい表面抵抗の範囲としては50Ω/cm2以下であり、さらに好ましくは10Ω/cm2以下である。この下限に特に制限はないが、通常0.1Ω/cm2程度である。
【0058】
導電性支持体は実質的に透明であることが好ましい。実質的に透明であるとは光の透過率が10%以上であることを意味し、50%以上であることが好ましく、80%以上が特に好ましい。透明導電性支持体としてはガラスもしくはプラスチックに導電性の金属酸化物を塗設したものが好ましい。このときの導電性の金属酸化物の塗布量はガラスもしくはプラスチックの支持体1m2当たり0.1〜100g が好ましい。透明導電性支持体を用いる場合、光は支持体側から入射させることが好ましい。
【0059】
感光層に用いられる半導体微粒子は金属のカルコゲニド(例えば酸化物、硫化物、セレン化物等)またはペロブスカイトの微粒子である。金属のカルコゲニドとしては好ましくはチタン、スズ、亜鉛、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、もしくはタンタルの酸化物、硫化カドミウム、セレン化カドミウム等が挙げられる。ペロブスカイトとしては好ましくはチタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム等が挙げられる。これらのうち酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化タングステンが特に好ましい。
【0060】
これらの半導体微粒子の粒径は、投影面積を円に換算したときの直径を用いた平均粒径で1次粒子として0.001〜1μm 、分散物の平均粒径として0.01〜100μm であることが好ましい。
【0061】
半導体微粒子を導電性支持体上に塗設する方法としては、半導体微粒子の分散液またはコロイド溶液を導電性支持体上に塗布する方法、半導体微粒子の前駆体を導電性支持体上に塗布し空気中の水分によって加水分解して半導体微粒子膜を得る方法などが挙げられる。半導体微粒子の分散液を作成する方法としては乳鉢ですり潰す方法、ミルを使って粉砕しながら分散する方法、あるいは半導体を合成する際に溶媒中で微粒子として析出させそのまま使用する方法等が挙げられる。分散媒としては水または各種の有機溶媒(例えばメタノール、エタノール、ジクロロメタン、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル等)が挙げられる。分散の際、必要に応じてポリマー、界面活性剤、酸、もしくはキレート剤などを分散助剤として用いてもよい。
【0062】
半導体微粒子は多くの色素を吸着することができるように表面積の大きいものが好ましい。例えば半導体微粒子を支持体上に塗設した状態で、その表面積が投影面積に対して10倍以上であることが好ましく、100倍以上であることがより好ましい。この上限には特に制限はないが、通常5000倍程度である。
【0063】
一般に、半導体微粒子の層の厚みが大きいほど単位面積当たりに担持できる色素の量が増えるため光の吸収効率が高くなるが、発生した電子の拡散距離が増すため電荷再結合によるロスも大きくなる。半導体微粒子層(すなわち感光層)の好ましい厚みは素子の用途によって異なるが、典型的には0.1〜100μm である。光電気化学電池として用いる場合は1〜50μm であることが好ましく、3〜30μm であることがより好ましい。半導体微粒子は支持体に塗布した後に粒子同士を密着させるために100〜800℃の温度で10分〜10時間焼成してもよい。
【0064】
なお、半導体微粒子の支持体1m2当たりの塗布量は0.5〜500g 、さらには5〜100g が好ましい。
【0065】
本発明において、半導体微粒子はポリメチン色素の吸着により増感されているが、半導体微粒子に色素を吸着させるには色素溶液の中によく乾燥した半導体微粒子を長時間浸漬する方法が一般的である。色素溶液は必要に応じて50℃ないし100℃に加熱してもよい。色素の吸着は半導体微粒子の塗布前に行っても塗布後に行ってもよい。また、半導体微粒子と色素を同時に塗布して吸着させても良い。未吸着の色素は洗浄によって除去する。塗布膜の焼成を行う場合は色素の吸着は焼成後に行うことが好ましい。焼成後、塗布膜表面に水が吸着する前にすばやく色素を吸着させるのが特に好ましい。吸着する色素は1種類でもよいし、数種混合して用いてもよい。混合する場合、本発明のポリメチン色素同士を混合してもよいし、米国特許4927721号、同4684537号、同5084365号、同5350644号、同5463057号、同5525440号の各明細書、および特開平7−249790号公報に記載の錯体色素と本発明の色素を混合してもよい。用途が光電気化学電池である場合、光電変換の波長域をできるだけ広くするように混合する色素が選ばれる。
【0066】
色素の使用量は、全体で、支持体1m2当たり0.01〜100mモルが好ましく、より好ましくは0.1〜50mモル、特に好ましくは0.5〜10mモルである。この場合、本発明のポリメチン色素の使用量は5モル%以上とすることが好ましい。
【0067】
また、色素の半導体微粒子に対する吸着量は半導体微粒子1g に対して0.001〜1mモルが好ましく、より好ましくは0.1〜0.5mモルである。
【0068】
このような色素量とすることによって、半導体における増感効果が十分に得られる。これに対し、色素量が少ないと増感効果が不十分となり、色素量が多すぎると、半導体に付着していない色素が浮遊し増感効果を低減させる原因となる。
【0069】
また、会合など色素同士の相互作用を低減する目的で無色の化合物を共吸着させてもよい。共吸着させる疎水性化合物としてはカルボキシル基を有するステロイド化合物(例えばコール酸)等が挙げられる。
【0070】
色素を吸着した後にアミン類を用いて半導体微粒子の表面を処理してもよい。好ましいアミン類としてはピリジン、4−tert−ブチルピリジン、ポリビニルピリジン等が挙げられる。これらは液体の場合はそのまま用いてもよいし有機溶媒に溶解して用いてもよい。
【0071】
なお、本発明では、導電性支持体と感光層との界面近傍において、導電剤と半導体微粒子とが相互に拡散して混合していてもよい。
【0072】
このようにして作成された色素増感光電変換素子は各種のセンサーや光再生型の光電気化学電池に応用することができる。光電気化学電池に応用する場合、図1に示すように電荷移動層と対向電極が必要である。
【0073】
図1に示される光電気化学電池1は導電性支持体2上に感光層3を有し、さらに感光層3上に電荷移動層4と対向電極5が設けられたものである。
【0074】
以下、電荷移動層と対向電極について詳しく説明する。
【0075】
電荷移動層は色素の酸化体に電子を補充する機能を有する層である。代表的な例としては酸化還元対を有機溶媒に溶解した液体、酸化還元対を有機溶媒に溶解した液体をポリマーマトリクスに含浸したいわゆるゲル電解質、酸化還元対を含有する溶融塩などが挙げられる。
【0076】
酸化還元対としては、例えば沃素と沃化物(例えば沃化リチウム、沃化テトラブチルアンモニウム、沃化テトラプロピルアンモニウム等)の組み合わせ、アルキルビオローゲン(例えばメチルビオローゲンクロリド、ヘキシルビオローゲンブロミド、ベンジルビオローゲンテトラフルオロボレート)とその還元体の組み合わせ、ポリヒドロキシベンゼン類(例えばハイドロキノン、ナフトハイドロキノン等)とその酸化体の組み合わせ、2価と3価の鉄錯体(例えば赤血塩と黄血塩)の組み合わせ等が挙げられる。これらのうち沃素と沃化物の組み合わせが好ましい。これらを溶かす有機溶媒としては非プロトン性の極性溶媒(例えばアセトニトリル、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3−ジメチルイミダゾリノン、3−メチルオキサゾリジノン等)が好ましい。ゲル電解質のマトリクスに使用されるポリマーとしては例えばポリアクリロニトリル、ポリビニリデンフルオリド等が挙げられる。溶融塩としては例えば沃化リチウムと他の少なくとも1種類のリチウム塩(例えば酢酸リチウム、過塩素酸リチウム等)が挙げられ、これらにポリエチレンオキシド等のポリマーを混合することにより、室温での流動性を高めてもよい。この場合のポリマーの添加量は1〜50wt% である。
【0077】
酸化還元対は電子のキャリアになるのである程度の濃度が必要である。液体あるいはゲル電解質として用いる場合の溶液中の好ましい濃度としては合計で0.01モル/l以上であり、より好ましくは0.1モル/l以上であり、特に好ましくは0.3モル/l以上である。この場合の上限には特に制限はないが、通常5モル/l程度である。
【0078】
対向電極は光電気化学電池の正極として働くものである。対向電極は通常前述の導電性支持体と同義であるが、強度が十分に保たれるような構成では支持体は必ずしも必要でない。ただし、支持体を有する方が密閉性の点で有利である。
【0079】
感光層に光が到達するためには、前述の導電性支持体と対向電極の少なくとも一方は実質的に透明でなければならない。本発明の光電気化学電池においては、導電性支持体が透明であって太陽光を支持体側から入射させるのが好ましい。この場合対向電極は光を反射する性質を有することがさらに好ましい。光電気化学電池の対向電極としては金属もしくは導電性の酸化物を蒸着したガラス、またはプラスチックが好ましく、白金を蒸着したガラスが特に好ましい。
【0080】
光電気化学電池では構成物の蒸散を防止するために電池の側面をポリマーや接着剤等で密封することが好ましい。
【0081】
このようにして得られる光電気化学電池の特性は、AM1.5Gで100mW/cm2のとき、開放電圧0.01〜3V、短絡電流密度0.001〜20mA/cm2、形状因子0.1〜0.99、変換効率0.001〜25%である。
【0082】
【実施例】
以下に本発明の色素増感光電変換素子および光電気化学電池の作成方法について実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0083】
実施例1
二酸化チタン分散液の調製
内側をテフロンコーティングした内容積200mlのステンレス製ベッセルに二酸化チタン(日本アエロジル社 DegussaP−25)15g、水45g、分散剤(アルドリッチ社製、TritonX−100)1g、直径0.5mmのジルコニアビーズ(ニッカトー社製)30gを入れ、サンドグラインダーミル(アイメックス社製)を用いて1500rpmにて2時間分散した。分散物からジルコニアビーズを濾過して除いた。この場合の二酸化チタンの平均粒径は2.5μm であった。このときの粒径はMALVERN社製マスターサイザーにて測定したものである。
【0084】
光電変換素子の作成
フッ素をドープした酸化スズをコーティングした導電性ガラス(旭硝子製 TCOガラスを20mm×20mmの大きさに切断加工したもの)の導電面側にガラス棒を用いて上記の分散液を塗布した。なお、導電性ガラスの表面抵抗は約30Ω/cm2であった。
【0085】
この際導電面側の一部(端から3mm)に粘着テープを張ってスペーサーとし、粘着テープが両端に来るようにガラスを並べて一度に8枚ずつ塗布した。塗布後、室温にて1日間風乾し、粘着テープを剥した(粘着テープのついていた部分は光電変換測定の際、計測器と電気的な接触をとるために利用される)。次に、このガラスを電気炉(ヤマト科学製マッフル炉FP−32型)に入れ、450℃にて30分間焼成した。ガラスを取り出し冷却した後、表1に示す例示化合物の色素のエタノール溶液(3×10-4モル/l)に3時間浸漬した。色素の染着したガラスを4−tert−ブチルピリジンの10wt%エタノール溶液に30分間浸漬した後、エタノールで洗浄し自然乾燥させた。このようにして得られる感光層の厚さは10μm であり、半導体微粒子の塗布量は20g/m2とした。色素の塗布量は、色素の種類に応じ、適宜0.1〜10mモル/m2の範囲から選択した。
【0086】
反射スペクトルの測定
上記の光電変換素子を積分球を装着した分光光度計(日立製作所U−3500型)を用いて反射スペクトルを測定した。表1には最も長波長側の吸収ピークにおける波長と吸光度の値を示した。
【0087】
光電気化学電池の作成
図1の光電気化学電池の一態様として図2に示すような光電気化学電池を作成した。図2の光電気化学電池10は、ガラス支持体11上に導電剤層12を有する導電性支持体上に感光層13を設けた構成の上記の光電変換素子を用いたものであり、感光層13上に電荷移動層である電解液層14を有し、さらに対向電極として白金蒸着ガラス15を配置したものである。この作成において、上記の光電変換素子をこれと同じ大きさの白金蒸着ガラスと重ねあわせた(図2、光電変換素子の未塗布部分を白金蒸着ガラスに接触させないようにずらしてある)。次に、両ガラスの隙間に毛細管現象を利用して電解液(アセトニトリルとN−メチル−2−オキサゾリジノンの体積比90対10の混合物を溶媒とした沃素0.05モル/l、沃化リチウム0.5モル/lの溶液)を滲み込ませた。
【0088】
光電変換効率の測定
500Wのキセノンランプ(ウシオ製)の光をAM1.5Gフィルター(Oriel社製)およびシャープカットフィルター(KenkoL−42)を通すことにより紫外線を含まない模擬太陽光を発生させた。この光の強度は50mW/cm2であった。
【0089】
本発明の光電変換素子にこの光を照射し、発生した電気を電流電圧測定装置(ケースレー238型)にて測定した。これにより求められた光化学電池の開放電圧、短絡電流、形状因子、および変換効率を表1にまとめた。
【0090】
【表1】
【0091】
表1より明らかなように、いずれの色素でも光電変換特性が認められる。また例示化合物12は吸収極大が800nmを超えており、かつ光電変換特性が認められる。さらに詳細に見ると、カルボキシル基を有しない色素(例示化合物4、5)に比べてカルボキシル基を有する色素(例示化合物6〜10、12、13)は色素の染着生がすぐれ、その結果として光電変換効率が高いことがわかる。また、一般式(5)に属する例示化合物10を用いた本発明の光電変換素子が特に高い光電変換特性を示すことがわかる。
【0092】
【発明の効果】
本発明により有機色素を用いた色素増感光電変換素子が提供されることが明らかとなった。また、800nmよりも長波吸収の色素でも光電変換することが確認された。従って、このような光電変換素子を用いて光電気化学電池を構成することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光電気化学電池の一構成例を示す断面図である。
【図2】実施例で用いた光電気化学電池の一構成例を示す断面図である。
【符号の説明】
1、10 光電気化学電池
2 導電性支持体
3、13 感光層
4 電荷移動層
5 対向電極
11 ガラス支持体
12 導電剤層
14 電解液層
15 白金蒸着ガラス
Claims (4)
- 少なくとも導電性支持体および感光層を有する光電変換素子であって、前記感光層が、下記一般式(5)で表されるポリメチン色素によって増感された半導体微粒子を含有することを特徴とする光電変換素子。
[一般式(5)中、R 41 およびR 42 は各々水素原子または1価の置換基を表す。R 43 およびR 44 は各々アルキル基を表す。A 41 およびA 42 は各々炭素原子および窒素原子とともに3ないし9員環を形成するための原子団を表す。一般式(5)で表される化合物は分子全体の電荷に応じて対イオンを有していてもよい。] - A41で完成される複素環およびA42で完成される複素環が、各々ベンゾチアゾリン、インドレニン、ナフトチアゾリンまたはベンゾインドレニンである請求項1に記載の光電変換素子。
- ポリメチン色素が少なくとも1つのカルボキシル基を有する請求項1又は2のいずれかに記載の光電変換素子。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の光電変換素子を有し、さらに少なくとも電荷移動層および対向電極を有する光電気化学電池。
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