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JP4148422B2 - 化粧建築板及びその製造方法 - Google Patents
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本発明は、建築板の意匠面に化粧印刷を施した化粧建築板及びその製造方法に関し、特に凹凸意匠面に立体感に富んだ印刷画像を連続形成することができ、違和感を感じさせない自然な外壁外観を得ることができる化粧建築板及びその製造方法に関する。
一般に、印刷では版を使って多数枚の被印刷物に対して印刷を行うので、被印刷物が同一形態(材質)の場合には、同一印刷画像が各被印刷面上に発現形成される。建築板に対するグラビアオフセット印刷法などは、その典型的な印刷法であり、同一印刷画像が発現された多くの化粧建築板が生産される。
また、従来より、化粧建築板の製造方法としてインクジェット印刷法が使用されている。この方法によれば、予め作成したインク噴射ノズル個々の開閉制御データに従いインク滴を被塗装板の表面に滴下させて着色印刷画像が発現形成される。具体的には、ノズルの孔径は同じであり、その噴射されるインク滴の大きさによってインクドットの大きさが決まり、さらに、被塗装板の走行速度とノズルの開閉周波数によってインク滴の着弾位置が決定される。このような印刷条件を決めることで同一印刷画像が形成可能である。
建築板が外壁板として使用される場合、立体感を表出するために、多くの建築板の意匠面は、凹凸形状に形成されている。かかる凹凸意匠面を被印刷面として、インクジェットラインプリンタによる印刷を行う場合、板の等速走行に伴ってノズルと被印刷面(インク滴の着弾予定点)との距離が変化することとなるので、印刷画像が正確に形成されない。
図7は、インク滴の着弾予定点を説明する図である。図7において、実線で示すLは被印刷ライン、一部破線で示すHLは印刷基準面内にある水平ライン、板の進行方向はYで示される。いま、被印刷ラインLのように、右側平坦凸部から、右平坦斜面→平坦底面→左平坦斜面と続く凹部を経て左側平坦凸部へと印刷を行う場合、インク滴の噴射速度に従うインク滴の飛行速度を板の走行速度よりも十分に速い速度とした場合には、インク滴の飛行距離差(時間差)による着弾点の若干の位置ずれを無視するものとすれば、インク滴噴射周波数f1を変えずに印刷を実行したとき、左右平坦両斜面部に発現される印刷画像を形成するドットピッチが広がることから、形成される印刷画像は膨れ、その解像度は大きく低下してしまう。その低下する度合いは、斜面の傾斜角度に応じて変化する。被印刷ラインLの水平ラインHL上に示した噴射タイミングは、図7のドットピッチaに相当する。また、黒丸●は印刷ドットを示し、白丸○は仮想印刷ドットを示すものとする。黒丸と白丸によって形成される制御ライン画像(インクの噴射タイミングによって規定される印刷基準面に形成される仮想画像であって、印刷制御データに相当する)に従って、被印刷面上に印刷画像が形成されるので、制御ライン画像として、平坦凸部表面を基準として画像設計した場合には、左右両平坦斜面部に発現される印刷画像は、制御ライン画像の斜面への投影図形が形成されることになる。
図8は、インク滴の着弾予定点を説明する図である。図8に示すように、インク滴噴射周波数f1で印刷を実行した場合、平坦斜面に形成される印刷画像の大きさと画像解像度を平坦凸部表面における印刷画像と同じになるようにするために、両平坦斜面部に対するインク滴噴射周波数をf2に変化させて印刷を実行するものとすれば、被印刷面全体に同じ大きさ及び同じ画像解像度の印刷画像を形成することが可能となる(例えば、特許文献1参照)。
この場合の印刷制御データとしては、被印刷ラインLの水平ラインHL上における凹部開口部の位置にある仮想被印刷ライン上に並ぶ白丸位置を仮想画像発現点とする開口部用制御ライン画像を作成すればよい。具体的には、左平坦凸部表面に描かれる印刷画像の延長画像を左平坦斜面に仮想展開し、右平坦凸部表面に描かれる印刷画像の延長画像を右平坦斜面に展開し、それら斜面に展開された仮想延長画像を水平ライン上に逆投影した制御ライン画像を、開口部用の印刷制御データとして凸部平坦用の制御画像データと合成した制御ライン画像を予め形成しておけばよい。なお、平坦底面部にいては、平坦凸部表面に対するインク滴噴射周波数f1と同じ周波数で印刷を実行すればよい。
特開2004−114500号公報
しかしながら、例えば、ピエゾ方式によるインクジェットプリント方式の場合、印刷画像を形成するためには、1サイクルのインク滴噴射動作に要する時間については基本設計上、急に変えられないので、〜f1→f2→f1→f2→f1〜なる周波数変化は滑らかに実行されなければならない。しかし、凹部内面の凹凸形状が複雑に変化するような場合には、精度の高いPLL(Phase Locked Loop)を使用したとしても限界があり、所望の画像形成には追随できなくなること必至である。
本発明は、上記問題点に鑑み、基本的な印刷画像解像度を凹部の印刷においても変えることなく、凹凸意匠面からなる被印刷面全面に立体感に富んだ印刷画像を発現させることができる化粧建築板及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の化粧建築板は、平坦凸部と凹部とからなる凹凸意匠面に複数のインクドットからなる画素によって形成される印刷画像がインクジェット印刷されている化粧建築板であって、前記凹部に印刷されている印刷画像一点透視法に従い前記平坦凸部の表面からの深さに応じて大きさが小さくなっていることを特徴とする。
前記凹部における画素は前記平坦凸部の表面からの深さに応じて大きさが小さくなっていることで、さらに立体感に富む印刷画像を発現することができる。
本発明の化粧建築板の製造方法は、平坦凸部と凹部とからなる凹凸意匠面に複数のインクドットからなる画素によって形成される印刷画像をインクジェット印刷する化粧建築板の製造方法であって、前記凹部に印刷される印刷画像一点透視法に従い前記平坦凸部の表面からの深さに応じて大きさが小さくなっていることを特徴とする。
本発明によれば、一点透視法に従い凹部に対するインクジェット印刷画像の大きさを小さくすることで、凹凸意匠面全体に対して立体感に富んだ印刷画像を発現することができる。その結果、基本的な印刷画像解像度を凹部の印刷においても変えることなく、すなわち噴射周波数を変化させることなく凹凸意匠面からなる被印刷面全面に立体感に富んだ印刷画像を発現させることができる化粧建築板及びその製造方法を実現することができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態による化粧建築板の印刷画像形成の原理を説明する図である。
本発明では、3Dモデリングで一般的に使用される透視作図法である一点透視法の考え方を適用する。一点透視法とは、例えば立方体をその一面の方向から見た場合に、その一面は、そのまま見えて、画面に直交する線や面は全て水平線上の視心にある消失点に向かって収束して見える作図法である。
図1(a)に示す一点透視法は、あくまでも2次元平面上に立体物を作図展開する方法であるので、これを図1(b)に示すように3次元空間に展開する。さらに、図1(a)に示す平面A(立方体の手前の面)は、距離zだけ離れた位置においては大きさが小さくなり、平面B(立方体の奥の面)となって見えると考え、これを図1(b)に示すように紙面に垂直なZ軸方向(物体面を観察する方向)に展開して表示する。なお、図1(a)に示す消失点は、平面Aの面積と距離zの対比関係によって適宜設定する。
図1(b)では、凹凸意匠面を有する外壁板を前方より観察したことを想定したときに、凹部表面開口部が平面A(型板設計での既知形状であり、既知の面積値SAを有する)に相当し、この凹部開口部の該当平面Aが距離zだけ遠のいた場合に、平面Bとなって見えることを表している。すなわち、図1(b)に表示された平面Aと平面Bとは互いに相似図形となっている。
そして、この平面Bの位置を、仮に、凹部における平坦底面位置に設定した場合には、平面Aと平面Bの空間前後距離はz0となり、既知数(型板設計値)となる。この既知数(型板設計値)は、底面までの深さであるが、平面Bは、平坦底面のことではない。
ここで、画面に表示された平面Aと平面Bの画像情報から、これら2つの平面の面積比[SA/SB]が取得されるが、この面積比は、画像の大きさの比に相当しており、画像情報としてみると画像圧縮率に対応し、距離z0に対応する値となっている。同様に、z=0〜z0までの各zの値に対応して、[SA/SB]の面積比の値が規定される。すなわち、面積比の値[SA/SB]は、距離zの関数となっている。
この結果、平面Aに展開された画像は、B面においては、面積比である[SA/SB]に応じて圧縮されて展開されると考えられ、画像の大きさが圧縮されるので対応する画素も小さくなり、B面においては、逆数比の値[SB/SA]に応じて画素が小さくなる。
このように、ある距離だけ離れた位置における画像は、遠くに離れる程全体が小さな画像となり、その画素も小さくなっていく。外壁板の意匠面における平坦凸部表面を観察する基準面とすれば、その位置より距離zだけ遠くに離れた位置にある所定の視覚範囲内における画像は、離隔距離zに応じて、その視覚範囲を縮小すると共に、そこでの画素を小さくした状態で認識されることになる。
次に、外壁板の凹凸意匠面における凹部に対する印刷制御データの作成方法について説明する。ここでは左右両平坦斜面と平坦底面からなる簡単形状の凹部に対する印刷を行う場合を例に採る。
凹部内面における各部は、印刷基準面である平坦凸部表面と同レベルの開口部表面位置からの離隔距離(すなわち、深さ)zに差を持っている。そこで、本実施の形態では、凹部内面各部が属する仮想水平面内に、各部画像が展開されるように、各部展開画像の大きさと、その画素の大きさを個々の離隔距離zによって決定する。
図2は、印刷制御データ作成による制御ライン画像を示す図である。
図2に示すように、左平坦斜面の内面におけるD点(離隔距離z1)が含まれる仮想水平面D1〜D2内に展開される画像は、上述したように離隔距離z1によって印刷基準面となる開口部表面に作成する現画像に対して、展開画像の大きさと画素の大きさが一義的に決定される。E点についても同様に決定される。ところが、ここでの凹部形状においては、仮想水平面内に各部画像が展開できるのはE1〜E2内の平坦底面部分のみであり、左右の平坦斜面部分については各部画像の水平面内での画像展開ができない。そこで、本実施の形態では、図2に示すように、平坦凸部表面と同レベルにある開口部表面位置である仮想水平面C1〜C2を、レイヤー1の画像を展開する画像展開領域とし、凹部内面の深さzに応じて画像分割点(ここではD点)を適宜の位置に決め、各画像分割点を含む仮想水平面を、上から順にレイヤー2の画像展開領域、レイヤー3の画像展開領域、…、として各画像展開領域に対して、個々に設計した画像を展開するものとする。これにより、各画像展開領域に展開される画像の大きさと画素の大きさは、属するレイヤー番号に応じて決定されることになる。
図3は、図2の制御ライン画像に対応し、各レイヤーに展開される制御ライン画像を示す図である。また、図4は、図3の各レイヤーに展開される画像を合成した合成画像を示す図である。
図3(a)に示すように、レイヤー1に展開される開口部表面レベルにおける展開画像は、基準となる平坦凸部表面と同一レベル(離隔距離z=0)であるので、その展開画像の大きさと画素の大きさは、平坦凸部表面に展開される画像と同じであり、例えば、平坦凸部表面の延長印刷画像として設計される。いまここに展開される画像を構成する画素を画素1とする。本実施の形態では、画素の大きさを画像の大きさに比例させるものとしており、画素1は凹部周辺の平坦凸部表面に形成される印刷画像の構成画素と同じ大きさであり、画素ピッチも同じである。
また、図3(b)に示すように、レイヤー2に展開される画像は、前記レイヤー1に展開された画像よりも、その離隔距離z1に応じて画像の大きさと画素の大きさが小さくなるように形成され、画素2によって構成されるが、さらに、その展開画像から前記画像分割点位置(D点)における開口部水平面部分D3〜D4を切り出した画像とする。
さらに、図3(c)に示すように、レイヤー3に展開される画像は、前記レイヤー2に展開された画像よりも、その離隔距離z2に応じて画像の大きさと画素の大きさが小さくなるように形成され、画素3によって構成されるが、さらに、その展開画像から底面領域に相当する水平面画像を切り出した画像とする。
そして、各レイヤー1,2,3における各切り出し画像を、それぞれのXY平面位置を合わせて順に重ねることにより、図4に示す合成画像が形成される。図4に示す合成画像は、図3(a)〜(c)の制御ライン画像の集合である。図3(a)の画像と図4の合成画像とを対比すれば明らかなように、図2に示す凹面の内面の全てに対して合成画像が展開されている。各切り出し画像を構成する画素1,2,3の大きさは、形成される画像の大きさに比例している。
このようにして得られた合成画像に従って、凹部に対する印刷を実行すれば、凹部の深さに応じて、その内面各部分に展開される画像及び画素の大きさが変化する。具体的には、平坦凸部表面に近い浅い部分には、平坦凸部表面と略同じ大きさの印刷画像及び画素が発現され、深い部分については、画像及び画素の大きさが小さく形成される。これにより、極めて立体感に富んだ凹部印刷画像が発現される。図8に示す等ドットピッチにより印刷する場合よりも良好な立体感を得ることができる。
図5は、大きさの異なる画素1,2,3を連続形成するインクドットと、そのノズルアレイの関係位置を示す図である。図5に示すように、ノズルピッチ及びインク滴噴射周波数が固定されていたとしても、インクジェットラインプリンタによって異なる大きさの画像形成が可能である。
以上のように、凹部の内面印刷において、各部の深さに応じて見える遠近画像効果が、ノズルアレイを固定したインクジェットラインプリンタによって、発現可能となるため外壁板の醸し出す良好な立体効果を演出できるようになる。
なお、画像の大きさと画素の大きさに加えて、色彩効果を加味することにより、例えば複数のレイヤーに応じてグラデーションをかけていくなどの濃度変化を同時に加えれば、より立体感を顕著に演出することができる。
また、各レイヤー間に画像の移行領域を設けるために、さらに補助レイヤーを設け、この補助レイヤーにより画像移行用の大きさの画素による補助画像を展開することで、より滑らかな連続模様の展開画像が形成され、複数レイヤー画像の重畳された合成画像を得ることが可能になる。
上述した実施の形態は一例であり、レイヤーの数、ノズルピッチなどは任意に設定できる。
図6は、本実施の形態の化粧建築板の製造方法で使用するライン型のインクジェット印刷装置の構成を示す図である。印刷ヘッド301(Y)、302(M)、303(C)、304(K)は、複数のノズルが直線状に配列されたノズルアレイNAを有し、被印刷板400の搬送方向に対し直行する方向に配置してある。印刷ヘッド301〜304が、1ドットライン分の印刷を行うと、搬送コンベア310が被印刷板400を1ドットライン搬送する。これを繰り返して印刷を行う。
本実施の形態に係る化粧建築板の製造工程のうち、インクジェット印刷工程は以下のものである。
ロールコータ塗装層(上塗り層)が形成された被印刷板に対し、所定範囲又は全面にインクジェット印刷を施してインクジェット印刷層を形成する。インクジェット方式による印刷は、コンピュータ制御によって、被印刷面の任意の場所に対してインクを着床(印刷)することができる。
このように、凹部に対して印刷画像を構成する画素の大きさを変化させることで、凹凸意匠面全体に対して立体感に富んだ印刷画像を発現することができ、基本的な印刷画像解像度を凹部の印刷においても変えることなく、すなわち噴射周波数を変化させることなく凹凸意匠面からなる被印刷面全面に立体感に富んだ印刷画像を発現させることができる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではない。
深さと印刷画像の大きさとは直線的な比例関係にある必要はなく、凹部の印刷画像の大きさが平坦凸部よりも小さければ、それなりに立体感を表出することができる。
また、印刷画像の大きさを凹部における深さに応じて小さくすることで立体感を表出することができるので、画素の大きさをその深さに応じたものにしなくても構わない。
本発明の一実施の形態による化粧建築板の印刷画像形成の原理を説明する図である。 本実施の形態における印刷制御データ作成による制御ライン画像を示す図である。 本実施の形態における制御ライン画像に対応し、各レイヤーに展開される制御ライン画像を示す図である。 本実施の形態における各レイヤーに展開される画像を合成した合成画像を示す図である。 本実施の形態における大きさの異なる画素1,2,3を連続形成するインクドットと、そのノズルアレイの関係位置を示す図である。 本実施の形態による化粧建築板の製造方法で使用するライン型のインクジェット印刷装置の構成例を示す図である。 従来のインク滴の着弾予定点を説明する図である。 従来のインク滴の着弾予定点を説明する図である。
符号の説明
1,2,3 画素
301〜304 印刷ヘッド
310 搬送コンベア
400 被印刷板

Claims (3)

  1. 平坦凸部と凹部とからなる凹凸意匠面に複数のインクドットからなる画素によって形成される印刷画像がインクジェット印刷されている化粧建築板であって、
    前記凹部に印刷されている印刷画像一点透視法に従い前記平坦凸部の表面からの深さに応じて大きさが小さくなっていることを特徴とする化粧建築板。
  2. 前記凹部における画素は前記平坦凸部の表面からの深さに応じて大きさが小さくなっていることを特徴とする請求項1記載の化粧建築板。
  3. 平坦凸部と凹部とからなる凹凸意匠面に複数のインクドットからなる画素によって形成される印刷画像をインクジェット印刷する化粧建築板の製造方法であって、
    前記凹部に印刷される印刷画像一点透視法に従い前記平坦凸部の表面からの深さに応じて大きさが小さくなっていることを特徴とする化粧建築板の製造方法。
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