JP4148667B2 - 流体移送用ホース - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、海上で石油などの流体を移送する流体移送用ホースに関わり、更に詳しくは、作業員がホースの内部破損を容易に発見することができるようにした流体移送用ホースに関する。
【0002】
【従来の技術】
石油などの流体を海上移送するのに用いられる流体移送用ホースは、ホースが破損して移送中の流体が海中に流出すると、大きな環境汚染に発展する恐れがある。そのため、ホースの破損をいち早く発見できる構造であることが必要不可欠である。
【0003】
一般に、上記のような流体移送用ホースは、ホース内周側から、内面ゴム層、主補強層群、流出流体吸収層、補助補強層群、及び外面ゴム層を順次積層した構造になっている。主補強層群及び補助補強層群は、それぞれホース長手方向に対して傾斜した補強コードをゴム被覆してなる複数の補強層を、隣接する補強層が補強コードを交差させるようにして積層した構造になっており、主補強層群は内面ゴム層の内側を通過する流体に対する耐圧力層として作用するのに対して、補助補強層群は、主補強層群の破損により流出流体吸収層に流出した流体が外部に漏出するのを防ぐようにしている。
【0004】
従来、上述した流体移送用ホースにおいて、主補強層群の破損により流体が流出流体吸収層に流出すると、補助補強層群がその流出流体の圧力を受けて、ホースの長手方向や径方向に伸長変形したり、或いは周方向に捩じれ変形するようにした構造のホースが提案されている。これらのホースでは、外面ゴム層の表面に複数のライン(ストライプ)が設けられている。それらのラインが補助補強層群の伸長変形や捩じれ変形により変形する。そのラインの変形を目視により作業員が発見することにより、移送中の流体が海中に流出する前に主補強層群の破損を知ることができるようになっている。
【0005】
しかしながら、流体移送用ホースは、数百mにわたって接続されるため、補助補強層群を上記のように変形する構成にしても、遠方からの目視では作業員がラインの変形を見落とすことがある。しかも、夜間の作業ではそれを確認することが極めて難しい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、遠方からあるいは夜間であっても作業員が容易かつ確実に主補強層群の破損を見つけることが可能な流体移送用ホースを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明の流体移送用ホースは、ホース本体に、主補強層群の破損または該主補強層群の破損により流出流体吸収層に流出した流体の圧力により切断する導電体と、該導電体に接続されかつ導電体の切断により警報を発する警報手段とを設け、この警報手段が、導電体の切断により点灯するライト、導電体の切断により消灯するライト、導電体の切断により点灯するライトと消灯するライト、前記導電体の切断により点灯するライトと消灯するライト、前記導電体の切断により音波を発信する発信器、または、前記導電体の切断により電磁波の信号を発信する発信器およびこの発信器の発信信号を受信する受信機のいずれかであることを要旨とするものである。
また、本発明の別の流体移送用ホースは、ホース本体に、主補強層群の破損または該主補強層群の破損により流出流体吸収層に流出した流体の圧力により抵抗値が変化する導電体と、該導電体に接続されかつ導電体の抵抗値の変化により警報を発する警報手段とを設け、この警報手段が、導電体の抵抗値の増加により点灯するライト、導電体の抵抗値の増加により消灯するライト、導電体の抵抗値の増加により点灯するライトと消灯するライト、前記導電体の抵抗値の増加により音波を発信する発信器、または、前記導電体の抵抗値の増加により電磁波の信号を発信する発信器およびこの発信器の発信信号を受信する受信機のいずれかであることを要旨とするものである。
また、本発明の別の流体移送用ホースは、ホース本体に、主補強層群の破損または該主補強層群の破損により流出流体吸収層に流出した流体の圧力により抵抗値が変化する導電体と、該導電体に接続されかつ導電体の抵抗値の変化により警報を発する警報手段とを設け、導電体を導電性ゴムから構成し、警報手段を、導電体の抵抗値の減少により点灯するライト、導電体の抵抗値の減少により消灯するライト、導電体の抵抗値の減少により点灯するライトと消灯するライト、前記導電体の抵抗値の減少により音波を発信する発信器、または、前記導電体の抵抗値の減少により電磁波の信号を発信する発信器およびこの発信器の発信信号を受信する受信機のいずれかにし、補助補強層群の補強層を、隣接する補強層がホース長手方向に対する傾斜方向を逆向きにして補強コードを交差させるようにして積層し、さらに、補助補強層群を主補強層群の破損により流出流体吸収層に流出した流体の圧力によりホース長手方向に伸長変形する構造にして、導電体を流出流体吸収層よりホース径方向外側にホース周方向に延在するように固定し、或いは、補助補強層群を主補強層群の破損により流出流体吸収層に流出した流体の圧力によりホース径方向に伸長変形する構造にして、導電体を流出流体吸収層よりホース径方向外側にホース長手方向に延在するように固定し、或いは、補助補強層群を主補強層群の破損により流出流体吸収層に流出した流体の圧力によりホース長手方向に対して捩じれ変形する構造にして、導電体を流出流体吸収層よりホース径方向外側にホース周方向に延在するように固定したことを要旨とするものである。
【0008】
上記構成によれば、主補強層群の破損に起因して導電体が切断または抵抗値が変化した際に、警報手段が警報を発するため、遠方からであっても作業員が主補強層群の破損を見落とすことがない。また、夜間であっても、作業員が容易かつ確実に主補強層群の破損を発見することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
図1〜3において、本発明の液体移送用ホースH1は、ホース本体1とその両端に取り付けられた取付フランジ2とを備えている。
【0011】
ホース本体1は、円管状の内面ゴム層3の外周側に主補強層群4が円管状に積層されている。主補強層群4の外周側に円管状の流出流体吸収層5を介して補助補強層群6が円管状に配設され、その外周側に円管状の外面ゴム層7が設けられている。
【0012】
主補強層群4は、ホース長手方向に対して傾斜配列した有機繊維コードからなる補強コードをゴム被覆してなる複数の補強層を積層した構成になっている。隣接する補強層は、その補強コードがホース長手方向に対する傾斜方向を逆向きにして交差しており、主補強層群4は、内面ゴム層3の内側を移送される流体に対して耐圧力層及び耐張力層として作用している。主補強層群4の補強層の数としては、例えば、14〜20層にすることができる。
【0013】
流出流体吸収層5は、スポンジゴムや発泡ポリウレタンなどから構成され、主補強層群4の破損により流出した流体を吸収する吸収層と、液体移送用ホースH1を浮遊させるフロート層としての両機能を備えている。
【0014】
補助補強層群6は、ホース長手方向に対して傾斜配列した有機繊維コードからなる補強コードをゴム被覆してなる複数の補強層を積層した構成になっている。隣接する補強層は、その補強コードがホース長手方向に対する傾斜方向を逆向きにして交差しており、補助補強層群6は、主補強層群4の破損により流出流体吸収層5に流出した流体が外部に流出するのを防止する保護層の機能を有している。
【0015】
補助補強層群6の補強層の補強コードは、ホース長手方向に対して一方側に傾斜する補強コードと他方側に傾斜する補強コードのホース長手方向に対する傾斜角度が略同一で、約55°(静止角度)にしてあり、主補強層群4の破損による流出流体の圧力を補助補強層群6が受けても変形しない構造になっている。この補助補強層群6の補強層の数としては、例えば、20層前後にすることができる。
【0016】
主補強層群4の外周面4aには、主補強層群4の破損により主補強層群4が後述するように伸長変形した際に切断可能な導電体9がホース長手方向に沿って延設され、その両端9a,9bが外周面4aに固定されている。導電体9は、銅線などの金属線から構成されており、その長手方向において、少なくとも2箇所、好ましくは上述したように少なくとも両端9a,9bを主補強層群4の外周面4aに固定するのがよい。
【0017】
導電体9には、発光ダイオードからなるライト(警報手段)10が並列に接続され、この導電体9とライト10からなる接続体に抵抗11と直流電源12が直列に接続してある。ライト10、抵抗11、及び直流電源12は、ホース本体1の端部1Aに設けられた収容部13に収容されている。図1では、ホースの異常状態の発見をより容易にするため、収容部13をホース本体1の両方の端部1Aに設け、各収容部13にそれぞれライト10、抵抗11、及び直流電源12を収容する例を示している。図3では、一方の収容部13を省略している。
【0018】
上述した流体移送用ホースHによれば、主補強層群4が内面ゴム層3内を移送される流体により破損すると、その箇所における主補強層群4の補強コードが切断される。その切断により張力バランスを失った補強コードがその傾斜角度を小さくしながらホース長手方向に伸びる。それにより、主補強層群4がホース長手方向に伸長するため、導電体9が引っ張られて切断する。その結果、ライト10に電流が流れて、ライト10が点灯する。従って、遠方からあるいは夜間に作業員がそのライト10の点灯により主補強層群4の破損を容易かつ確実に知ることができる。
【0019】
図4は、本発明の流体移送用ホースの他の例を示す。この流体移送用ホースH2は、上述した図3の流体移送用ホースH1において、導電体9、ライト10、電源12を直列接続したものである。この流体移送用ホースH2では、点灯しているライト10が導電体9の切断により消灯する。それを作業員が見つけて主補強層群4の破損を知ることができる。
【0020】
図5は、本発明の流体移送用ホースの更に他の例を示し、この流体移送用ホースH3は、上述した図3の流体移送用ホースHにおいて、上記導電体9と同様の切断可能な第2導電体14と、発光ダイオードからなる第2ライト15を更に加えたものである。直列に接続された第2導電体14と第2ライト15がライト10と抵抗11に並列接続されている。ホース長手方向に沿って延設された第2導電体14の両端部14a,14bが主補強層群4の外周面4aに固定されている。第2ライト15は、収容部13に設置される。ライト10,15は異なる色で発光するようになっている。
【0021】
この流体移送用ホースH3は、導電体9,14が切断されると、点灯していたライト15が消灯し、ライト10が点灯する。それを作業員が見つけて主補強層群4の破損を知ることができる。ライト10,15の発光色としては、例えば、ライト10の発光色を赤、ライト15の発光色を青にすることができる。
【0022】
図3〜5の実施形態において、導電体9,14は主補強層群4の外周面4aに設けたが、それに代えて、主補強層群4の内周面や内面ゴム層3の外周面に固定してもよく、また内面ゴム層3の内周面に配置することも可能であり、流出流体吸収層5よりホース径方向内側に取り付けることができる。好ましくは、上述したように主補強層群4の外周面4aに固定するのがよく、これによりホース製造時における導電体9の取付けを容易に行うことができる。
【0023】
導電体9,14全体、あるいは大部分をホース本体1に固定する場合には、導電体9,14はホース長手方向に延在するように設ければよく、例えば、螺旋状にして固定することもできる。導電体9,14は、主補強層群4が伸長した際に切断可能であれば、いずれの配置構造を採用してもよい。
【0024】
また、補助補強層群6は、主補強層群から流出した流体の圧力を受けてホースの長手方向や径方向に伸長変形したり、或いはホース周方向に捩じれ変形する、後述する構造であってもよい。
【0025】
図6は、本発明の流体移送用ホースの更に他の例を示す。この流体移送用ホースH4は、図3に示す流体移送用ホースH1において、導電体9を補助補強層群6の内周面6aに固定したものである。また、補助補強層群6の補強層の補強コードが、ホース長手方向に対する傾斜角度を大きく(約56〜86°)してあり、主補強層群4の破損による流出流体の圧力を補助補強層群6が受けると、補強コードが傾斜角度を小さくしながらホース長手方向に伸びることにより、補助補強層群6がホース長手方向に伸長変形するようになっている。この補助補強層群6の伸長により、導電体9が切断されるようにしている。
【0026】
図4,5に示す流体移送用ホースH2,H3においても、図6同様に補助補強層群6をホース長手方向に伸長変形する構造にし、その補助補強層群6の内周面6aに導電体9あるいは導電体9,15を固定することができる。
【0027】
このようにホース長手方向に伸長する構造にした補助補強層群6に導電体9あるいは導電体9,15を設置することよっても、ライト10が点灯または消灯、あるいは点灯していたライト15が消灯し、ライト10が点灯するので、作業員が主補強層群4の破損を容易かつ確実に見つけることができる。
【0028】
図7〜9は、本発明の流体移送用ホースの更に他の例を示す。これらの流体移送用ホースH5,H6,H7では、図6の流体移送用ホースH4において、補助補強層群6を上述したホース長手方向に伸長する構造に代えて、ホース径方向に伸長する構造にしたものである。
【0029】
この補助補強層群6は、補強層の補強コードが、ホース長手方向に対する傾斜角度を上記より小さく(約0〜54°)してあり、主補強層群4の破損による流出流体の圧力を補助補強層群6が受けると、補強コードがホース長手方向に伸び切った後、補強層がホース径方向に伸長することにより、補助補強層群6がホース径方向に伸びるようになっている。
【0030】
図7の流体移送用ホースH5は、図3と同じ回路構成であり、導電体9がホース径方向に伸びる構造の補助補強層群6の内周面6aに沿って螺旋状に巻回され、その両端9a,9bを含めた複数箇所が内周面6aに固定されている。補助補強層群6のホース径方向への伸長変形により導電体9が切断されると、ライト10が点灯する。
【0031】
図8の流体移送用ホースH6は、図4と同じ回路構成であり、導電体9がホース径方向に伸びる構造の補助補強層群6の内周面6aに沿って螺旋状に巻回され、その両端9a,9bを含めた複数箇所が内周面6aに固定してある。補助補強層群6のホース径方向への伸長により導電体9が切断されると、ライト10が消灯する。
【0032】
図9の流体移送用ホースH7は、図5と同じ回路構成であり、導電体9,14がホース径方向に伸びる構造の補助補強層群6の内周面6aに沿って螺旋状に巻回され、その両端9a,9bと14a,14bを含めた複数箇所が内周面6aに固定されている。補助補強層群6のホース径方向への伸長変形により導電体9,14が切断されると、点灯していたライト15が消灯し、ライト10が点灯する。
【0033】
図7〜9の流体移送用ホースでは、上記実施形態において、導電体9,14を螺旋状に巻回したが、単に周方向に延在するように巻き付けてもよい。
【0034】
図10〜12は、本発明の流体移送用ホースの更に他の例を示す。これらの流体移送用ホースH8,H9,H10は、図6に示した流体移送用ホースH4において、補助補強層群6をホース長手方向に伸長する構造に代えて、ホース長手方向に対して捩じれる構造にしたものである。
【0035】
この補助補強層群6は、ホース長手方向に対して一方側に傾斜する補強層の補強コードと他方側に傾斜する補強層の補強コードのホース長手方向に対する傾斜角度が異なっており(例えば、一方側を55°、他方側を60°)、主補強層群4の破損による流出流体の圧力を補助補強層群6が受けると、ホース長手方向に伸びる一方側に傾斜した補強コードと他方側に傾斜した補強コードの伸び率の違いにより、補助補強層群6がホース長手方向に対して捩じれ変形するようになっている。
【0036】
図10の流体移送用ホースH8は、図3と同じ回路構成であり、導電体9がホース長手方向に対して捩じれる構造の補助補強層群6の内周面6aに沿って、補助補強層群6の捩じれ方向と逆方向に螺旋状に巻回され、その両端9a,9bを含めた複数箇所が内周面6aに固定してある。補助補強層群6の捩じれ変形により導電体9が切断されると、ライト10が点灯する。
【0037】
図11の流体移送用ホースH9は、図4と同じ回路構成であり、導電体9がホース長手方向に対して捩じれる構造の補助補強層群6の内周面6aに沿って、補助補強層群6の捩じれ方向と逆方向に螺旋状に巻回され、その両端9a,9bを含めた複数箇所が内周面6aに固定されている。補助補強層群6の捩じれ変形により導電体9が切断されると、ライト10が消灯する。
【0038】
図12の流体移送用ホースH10は、図5と同じ回路構成であり、導電体9,14がホース長手方向に対して捩じれる構造の補助補強層群6の内周面6aに沿って、補助補強層群6の捩じれ方向と逆方向に螺旋状に巻回され、その両端9a,9bと14a,14bを含めた複数箇所が内周面6aに固定してある。補助補強層群6の捩じれ変形により導電体9,14が切断されると、点灯していたライト15が消灯し、ライト10が点灯する。
【0039】
図7〜12の実施形態において、導電体9,14を補助補強層群6の内周面6aに設けたが、それに代えて、補助補強層群6の外周面や外面ゴム層7の内周面に固定してもよく、また外面ゴム層7の外周面に配置することも可能であり、補助補強層群6を伸長または捩じれ変形可能にした流体移送用ホースでは、導電体9,14を流出流体吸収層5よりホース径方向外側に取り付けることができる。好ましくは、上述したように補助補強層群6の内周面6aに固定するのが、ホース製造時における導電体9,14の取付けを容易にする上でよい。
【0040】
本発明では、上述した実施形態において、導電体9,14に金属線を用いた例を示したが、それに代えて、導電性ゴムを使用してもよい。その場合、導電体9,14は切断されずに伸長して断面積が減少するため、抵抗値が増加する。それにより導電体9,14を流れる電流が制限されるため、図3,7,10の流体移送用ホースH1,H5,H8ではライト10が点灯し、図4,8,11の流体移送用ホースH2,H6,H9ではライト10が消灯または明るさが暗くなり、また図5,9,12の流体移送用ホースH3,H7,H10では、点灯していたライト15が消灯または明るさが暗くなる一方、ライト10が点灯する。
【0041】
図13,14は、本発明の流体移送用ホースの更に他の例を示す。図13の流体移送用ホースH11は、補助補強層群6がホース長手方向に伸長変形する構造にしてある。導電体9は、抵抗値が高い導電性ゴムから構成され、ホース周方向に沿って延在するようにして、補助補強層群6の内周面6aに接着により固定されている。この流体移送用ホースH11では、補助補強層群6がホース長手方向に伸長変形すると、導電性ゴムがホース長手方向に引っ張られてその断面積が大きくなる。その結果、導電性ゴムの抵抗値が減少し、流れる電流の量が増大するため、ライト10が点灯する。
【0042】
図14の流体移送用ホースH12は、補助補強層群6がホース径方向に伸長変形する構造になっている。上記と同様に抵抗値が高い導電性ゴムから構成された導電体9が、ホース長手方向に沿って延設され、かつ補助補強層群6の内周面6aに固定されている。この流体移送用ホースH12では、補助補強層群6がホース径方向に伸長変形すると、導電性ゴムがホース周方向に引っ張られてその断面積を大きくする。そのため、導電性ゴムの抵抗値が減少し、ライト10が点灯する。
【0043】
図13の実施形態では、補助補強層群6をホース長手方向に伸長変形する構造にしたが、それに代えてホース長手方向に対して捩じれ変形する構造にしてもよい。これにより、ホースが捩じれ変形すると、導電性ゴムがホース捩じれ方向に張られてその断面積が大きくなり、ライト10が点灯する。
【0044】
図13,14の実施形態では、図4に示す回路構成を有する流体移送用ホースを例示したが、図3,5のような回路構成を有する流体移送用ホースであってもよい。即ち、導電性ゴムの抵抗値の減少によりライト10を消灯させたり(図3に示す回路構成を有するもの)、あるいは導電性ゴムの抵抗値の減少によりライト10を点灯させ、ライト15を消灯させる(図5に示す回路構成を有するもの)ようにしてもよい。
【0045】
図15は、上述した導電体9,14の他の例を示す。この導電体Xは、金属線または導電性ゴム部材X1間に、主補強層群4の伸長変形、あるいは補助補強層群6の伸長または捩じれ変形により切断あるいは離間可能なコネクターX2を接続したものである。このような構成の導電体Xも、本発明では好ましく用いることができる。
【0046】
図16に、収容部13の取付構造の一例を示す。収容空間を有する透明樹脂カバー17が、ホース本体1の表面1aにシール部材16を介してボルトとナットからなる固定手段18により固定され、透明樹脂カバー17内に海水が入らないように密封構造になっている。その透明樹脂カバー17内にライト10,15、抵抗11、直流電源12が収容されている。透明樹脂カバー17の両側に透明樹脂カバー17より若干外周側に突出する保護カバー19が固設され、衝突の際に透明樹脂カバー17を保護するようになっている。
【0047】
本発明において、上述した直流電源12としては、太陽電池を好ましく用いることができる。主補強層群4の補強層に用いる補強コードは、上記実施形態では有機繊維コードを使用したが、それに代えてスチールコードを用いてもよい。主補強層群4及び補助補強層群6の補強層は、それぞれ補強コードが交差する2層の補強層を1組とし、偶数層となるように設けるのがよい。
【0048】
上述した図3,5,7,9,10,12,13,14の流体移送用ホースでは、警報手段として、ライト10に代えて、音波または電磁波の信号を発信する発信器を用いるようにしてもよい。電磁波の信号を発信する発信器を用いる場合には、それを受信する受信機を作業員が確認し易い場所に設けるものとする。
【0049】
本発明は、当然のことながら、補助補強層群6を伸長または捩じれ変形可能な構造にした上述の流体移送用ホースにおいて、その外面ゴム層7の外周面に、補助補強層群6の伸長または捩じれ変形が発生した際に共に伸長または捩じれ変形して主補強層群4の破損を知らせるための複数のライン(ストライプ)を設けたものであってもよい。このように主補強層群4の破損を知らせる外面ゴム層7外周面のストライプと、本発明の導電体の切断または抵抗値の変化により警報を発する警報手段とを組み合わせることにより、主補強層群4の破損の発見を一層確実にすることができる。
【0050】
【発明の効果】
上述したように本発明は、主補強層群の破損に起因して導電体が切断または抵抗値が変化した際に警報手段が警報を発するので、遠方からあるいは夜間であっても作業員が容易かつ確実に主補強層群の破損を見つけることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流体移送用ホースの一例を示す斜視図である。
【図2】図1の流体移送用ホースの拡大断面図である。
【図3】図1の流体移送用ホースの回路図を含む説明図である。
【図4】本発明の流体移送用ホースの他の例における回路図を含む説明図である。
【図5】本発明の流体移送用ホースの更に他の例における回路図を含む説明図である。
【図6】本発明の流体移送用ホースの更に他の例を示す断面図である。
【図7】本発明の流体移送用ホースの更に他の例における回路図を含む説明図である。
【図8】本発明の流体移送用ホースの更に他の例における回路図を含む説明図である。
【図9】本発明の流体移送用ホースの更に他の例における回路図を含む説明図である。
【図10】本発明の流体移送用ホースの更に他の例における回路図を含む説明図である。
【図11】本発明の流体移送用ホースの更に他の例における回路図を含む説明図である。
【図12】本発明の流体移送用ホースの更に他の例における回路図を含む説明図である。
【図13】本発明の流体移送用ホースの更に他の例における回路図を含む説明図である。
【図14】本発明の流体移送用ホースの更に他の例における回路図を含む説明図である。
【図15】本発明の流体移送用ホースに用いられる導電体の他の例を示す説明図である。
【図16】本発明の流体移送用ホースに用いられるライトや電池などを収容する収容部の取付構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ホース本体 2 取付フランジ
3 内面ゴム層 4 主補強層群
4a 外周面 5 流出流体吸収層
6 補助補強層群 6a 内周面
7 外面ゴム層 9,14,X 導電体
10,15 ライト(警報手段) 12 電源
H1〜12 流体移送用ホース X1 金属線または導電性ゴム部材
X2 コネクター
Claims (12)
- ホース内周側から、内面ゴム層、主補強層群、流出流体吸収層、補助補強層群、及び外面ゴム層を順次積層したホース本体を有し、前記主補強層群を、ホース長手方向に対して傾斜した補強コードをゴム被覆してなる複数の補強層を、隣接する補強層が前記補強コードを交差させるようにして積層した構成にし、前記補助補強層群を、補強コードをゴム被覆してなる複数の補強層を積層した構成にする流体移送用ホースにおいて、前記ホース本体に、前記主補強層群の破損または該主補強層群の破損により前記流出流体吸収層に流出した流体の圧力により切断する導電体と、該導電体に接続されかつ前記導電体の切断により警報を発する警報手段とを設け、この警報手段が、前記導電体の切断により点灯するライト、前記導電体の切断により消灯するライト、前記導電体の切断により点灯するライトと消灯するライト、前記導電体の切断により音波を発信する発信器、または、前記導電体の切断により電磁波の信号を発信する発信器およびこの発信器の発信信号を受信する受信機のいずれかである流体移送用ホース。
- 前記切断する導電体が、金属線からなる請求項1に記載の流体移送用ホース。
- 前記切断する導電体が、金属線または/及び導電性ゴム部材に、前記主補強層群の破損または該主補強層群の破損により前記流出流体吸収層に流出した流体の圧力により接続を断にするコネクターを接続してなる請求項1に記載の流体移送用ホース。
- ホース内周側から、内面ゴム層、主補強層群、流出流体吸収層、補助補強層群、及び外面ゴム層を順次積層したホース本体を有し、前記主補強層群を、ホース長手方向に対して傾斜した補強コードをゴム被覆してなる複数の補強層を、隣接する補強層が前記補強コードを交差させるようにして積層した構成にし、前記補助補強層群を、補強コードをゴム被覆してなる複数の補強層を積層した構成にする流体移送用ホースにおいて、前記ホース本体に、前記主補強層群の破損または該主補強層群の破損により前記流出流体吸収層に流出した流体の圧力により抵抗値が変化する導電体と、該導電体に接続されかつ前記導電体の抵抗値の変化により警報を発する警報手段とを設け、この警報手段が、前記導電体の抵抗値の増加により点灯するライト、前記導電体の抵抗値の増加により消灯するライト、前記導電体の抵抗値の増加により点灯するライトと消灯するライト、前記導電体の抵抗値の増加により音波を発信する発信器、または、前記導電体の抵抗値の増加により電磁波の信号を発信する発信器およびこの発信器の発信信号を受信する受信機のいずれかである流体移送用ホース。
- 前記抵抗値が変化する導電体が導電性ゴムからなる請求項4に記載の流体移送用ホース。
- 前記導電体を前記流出流体吸収層よりホース径方向内側にホース長手方向に延在するように固定する請求項1〜5のいずれかに記載の流体移送用ホース。
- 前記補助補強層群の補強層を、隣接する補強層がホース長手方向に対する傾斜方向を逆向きにして前記補強コードを交差させるようにして積層すると共に、前記補助補強層群を前記主補強層群の破損により前記流出流体吸収層に流出した流体の圧力によりホース長手方向に伸長変形する構造にし、前記導電体を前記流出流体吸収層よりホース径方向外側にホース長手方向に延在するように固定する請求項1〜5のいずれかに記載の流体移送用ホース。
- 前記補助補強層群の補強層を、隣接する補強層がホース長手方向に対する傾斜方向を逆向きにして前記補強コードを交差させるようにして積層すると共に、前記補助補強層群を前記主補強層群の破損により前記流出流体吸収層に流出した流体の圧力によりホース径方向に伸長変形する構造にし、前記導電体を前記流出流体吸収層よりホース径方向外側にホース周方向に延在するように固定する請求項1〜5のいずれかに記載の流体移送用ホース。
- 前記補助補強層群の補強層を、隣接する補強層がホース長手方向に対する傾斜方向を逆向きにして前記補強コードを交差させるようにして積層すると共に、前記補助補強層群を前記主補強層群の破損により前記流出流体吸収層に流出した流体の圧力によりホース長手方向に対して捩じれ変形する構造にし、前記導電体を前記流出流体吸収層よりホース径方向外側に前記補助補強層群の捩じれ方向と逆向きに螺旋状に固定する請求項1〜5のいずれかに記載の流体移送用ホース。
- ホース内周側から、内面ゴム層、主補強層群、流出流体吸収層、補助補強層群、及び外面ゴム層を順次積層したホース本体を有し、前記主補強層群を、ホース長手方向に対して傾斜した補強コードをゴム被覆してなる複数の補強層を、隣接する補強層が前記補強コードを交差させるようにして積層した構成にし、前記補助補強層群を、補強コードをゴム被覆してなる複数の補強層を積層した構成にする流体移送用ホースにおいて、前記ホース本体に、前記主補強層群の破損または該主補強層群の破損により前記流出流体吸収層に流出した流体の圧力により抵抗値が変化する導電体と、該導電体に接続されかつ前記導電体の抵抗値の変化により警報を発する警報手段とを設け、前記補助補強層群の補強層を、隣接する補強層がホース長手方向に対する傾斜方向を逆向きにして前記補強コードを交差させるようにして積層すると共に、前記補助補強層群を前記主補強層群の破損により前記流出流体吸収層に流出した流体の圧力によりホース長手方向に伸長変形する構造にし、前記抵抗値が変化する導電体を導電性ゴムから構成し、該導電体を前記流出流体吸収層よりホース径方向外側にホース周方向に延在するように固定し、前記警報手段が、前記導電体の抵抗値の減少により点灯するライト、前記導電体の抵抗値の減少により消灯するライト、前記導電体の抵抗値の減少により点灯するライトと消灯するライト、前記導電体の抵抗値の減少により音波を発信する発信器、または、前記導電体の抵抗値の減少により電磁波の信号を発信する発信器およびこの発信器の発信信号を受信する受信機のいずれかである流体移送用ホース。
- ホース内周側から、内面ゴム層、主補強層群、流出流体吸収層、補助補強層群、及び外面ゴム層を順次積層したホース本体を有し、前記主補強層群を、ホース長手方向に対して傾斜した補強コードをゴム被覆してなる複数の補強層を、隣接する補強層が前記補強コードを交差させるようにして積層した構成にし、前記補助補強層群を、補強コードをゴム被覆してなる複数の補強層を積層した構成にする流体移送用ホースにおいて、前記ホース本体に、前記主補強層群の破損または該主補強層群の破損により前記流出流体吸収層に流出した流体の圧力により抵抗値が変化する導電体と、該導電体に接続されかつ前記導電体の抵抗値の変化により警報を発する警報手段とを設け、前記補助補強層群の補強層を、隣接する補強層がホース長手方向に対する傾斜方向を逆向きにして前記補強コードを交差させるようにして積層すると共に、前記補助補強層群を前記主補強層群の破損により前記流出流体吸収層に流出した流体の圧力によりホース径方向に伸長変形する構造にし、前記抵抗値が変化する導電体を導電性ゴムから構成し、該導電体を前記流出流体吸収層よりホース径方向外側にホース長手方向に延在するように固定し、前記警報手段が、前記導電体の抵抗値の減少により点灯するライト、前記導電体の抵抗値の減少により消灯するライト、前記導電体の抵抗値の減少により点灯するライトと消灯するライト、前記導電体の抵抗値の減少により音波を発信する発信器、または、前記導電体の抵抗値の減少により電磁波の信号を発信する発信器およびこの発信器の発信信号を受信する受信機のいずれかである流体移送用ホース。
- ホース内周側から、内面ゴム層、主補強層群、流出流体吸収層、補助補強層群、及び外面ゴム層を順次積層したホース本体を有し、前記主補強層群を、ホース長手方向に対して傾斜した補強コードをゴム被覆してなる複数の補強層を、隣接する補強層が前記補強コードを交差させるようにして積層した構成にし、前記補助補強層群を、補強コードをゴム被覆してなる複数の補強層を積層した構成にする流体移送用ホースにおいて、前記ホース本体に、前記主補強層群の破損または該主補強層群の破損により前記流出流体吸収層に流出した流体の圧力により抵抗値が変化する導電体と、該導電体に接続されかつ前記導電体の抵抗値の変化により警報を発する警報手段とを設け、前記補助補強層群の補強層を、隣接する補強層がホース長手方向に対する傾斜方向を逆向きにして前記補強コードを交差させるようにして積層すると共に、前記補助補強層群を前記主補強層群の破損により前記流出流体吸収層に流出した流体の圧力によりホース長手方向に対して捩じれ変形する構造にし、前記抵抗値が変化する導電体を導電性ゴムから構成し、該導電体を前記流出流体吸収層よりホース径方向外側にホース周方向に延在するように固定し、前記警報手段が、前記導電体の抵抗値の減少により点灯するライト、前記導電体の抵抗値の減少により消灯するライト、前記導電体の抵抗値の減少により点灯するライトと消灯するライト、前記導電体の抵抗値の減少により音波を発信する発信器、または、前記導電体の抵抗値の減少により電磁波の信号を発信する発信器およびこの発信器の発信信号を受信する受信機のいずれかである流体移送用ホース。
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