JP4148740B2 - 乗用田植機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗用田植機に関する。
【0002】
【従来の技術】
乗用田植機においては、機体前進走行に伴って次行程の植付け田面に走行基準線を形成する左右一対の線引きマーカが、横外側方に突出した作用姿勢と、機体側に退入した収納姿勢とに切換え出退可能に装備されており、この線引きマーカは、畦際での機体方向転換時において、機体後部に連結した苗植付け装置が上昇されると、これに連動して作用姿勢から収納姿勢に作動されるようになっている。また、機体方向転換を終えて次行程の植付け走行に移行する際には、作用姿勢にする線引きマーカを人為的に選択するようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−247902号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図8に示すように、畦際を全条で植えるために、その一行程前の植付け行程では少数条植えを行うのであるが、 例えば8条植え仕様の田植機において、前記少数条植えが4条植えとなる場合、通常植付け時の習慣で未植側の線引きマーカ17を作用姿勢にしてしまっていると、マーカ先端部が畦に接近した位置となり、畦が曲がっていたり凹凸があったりすると、そのまま走行機体3を前進するとマーカ先端部が畦にぶつかる状態になることがある。このような場合には、線引きマーカ17を収納するためだけに走行停止して苗植付け装置4を一旦上昇させ、両線引きマーカ17を収納した状態にし、その後、再び苗植付け装置4を下降させて植付け作業状態に復帰しなければならず、作業能率が低下してしまう。
【0005】
本発明は、このような点に着目してなされたものであって、畦際で苗植付け装置を上昇させる時だけでなく、苗植付け装置を上昇させることなく線引きマーカが収納するようにして、作業能率を低下することなく植付け作業を行えるようにすることを主たる目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
〔請求項1に係る発明の構成、作用、および効果〕
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
請求項1に係る発明は、機体前進走行に伴って次行程の植付け田面に走行基準線を形成する左右一対の線引きマーカを、横外側方に突出した作用姿勢と、機体側に退入した収納姿勢とに切換え出退可能に装備した乗用田植機において、
苗植付け装置に備えた複数の植付け機構のうちの一部を休止させて少数条植えを行うための複数の畦際クラッチを備えるとともに、この畦際クラッチが切り操作されて設定された条数以下の少数条植え状態に設定されていることを判別する判別手段を備えるとともに、設定された条数以下の少数条植え状態に設定されていることが判別されると、この判別結果に基づいて苗植付け装置を接地させた作業姿勢に維持したままで作用姿勢の線引きマーカを自動的に収納する線引きマーカ収納手段を備えてあることを特徴とする。
【0012】
上記構成によると、畦際を全条で植えるために、その一行程前の植付け行程では少数条植えを行う場合、設定された条数以下の少数条植え状態では作用姿勢の線引きマーカが畦にぶつかる状態になることがあるが、その少数条植えのために畦際クラッチを切り操作すると、この判別結果に基づいて苗植付け装置を接地させた作業姿勢に維持したままで作用姿勢の線引きマーカが自動的に収納される。
【0013】
従って、請求項1の発明によると、作用姿勢の線引きマーカが畦にぶつかるおそれがある作業状態にあることに気づいて、苗植付け装置を上昇させて線引きマーカを収納するような操作が不要となり、作業能率を低下することなく植付け作業を行える。
【0014】
〔請求項2に係る発明の構成、作用、および効果〕
【0015】
請求項2に係る発明は、機体前進走行に伴って次行程の植付け田面に走行基準線を形成する左右一対の線引きマーカを、横外側方に突出した作用姿勢と、機体側に退入した収納姿勢とに切換え出退可能に装備した乗用田植機において、
作用姿勢の線引きマーカに作用する前後方向からの負荷を検知する負荷検知手段を備えるとともに、設定以上に大きい前後方向負荷が作用していることが検知されると、苗植付け装置を接地させた作業姿勢に維持したままで作用姿勢の線引きマーカを自動的に収納する線引きマーカ収納手段を備えてあることを特徴とする。
【0016】
上記構成によると、走行中に作用姿勢の線引きマーカが畦や障害物などに接触して設定以上に大きい前後方向負荷が作用すると、苗植付け装置を接地させた作業姿勢に維持したままで線引きマーカは自動的に収納される。
【0017】
従って、請求項2の発明によると、変形圃場の畦近くなどを植える場合に、機体操縦に気をとられるあまりに線引きマーカ畦にぶつけて損傷するようなことを回避することができる。
【0018】
〔請求項3に係る発明の構成、作用、および効果〕
【0019】
請求項3に係る発明は、請求項1または2の発明において、作用姿勢の線引きマーカを自動的に収納するように機能している前記線引きマーカ収納手段には、入為的な操作でマーカの出退操作が可能な状態に復帰するように、線引きマーカ収納手段による自動マーカー収納状態をリセットするリセット手段を備えてあるものである。
【0020】
上記構成によると、自動的に線引きマーカが収納作動した後、リセット作動がなされることで、所定の操作によって作用姿勢に突出させることができる状態に復帰される。
【0021】
従って、請求項3の発明によると、マーカ自動収納が行われた状態から通常のマーカ出退操作を行える作業状態への復帰を速やかに行うことができ、作業能率の向上に有効となる。
【0022】
〔請求項4に係る発明の構成、作用、および効果〕
【0023】
請求項4に係る発明は、請求項3の発明において、前記リセット手段は、苗植え付け装置の上昇作動、切り操作されていた畦際クラッチの入り作動、植付けクラッチの切り作動、のいずれによってリセット作動するよう構成してあるものである。
【0024】
上記構成によると、マーカ自動収納が行われ後、苗植え付け装置の上昇作動、切り操作されていた畦際クラッチの入り作動、植付けクラッチの切り作動、のいずれかが行われると、通常のマーカ出退操作を行える作業状態に復する。
【0025】
従って、請求項4の発明によると、植付け作業中の必要作動を利用して、マーカ自動収納が行われ後のリセットを行うことができ、専用のリセット操作機構などを備える場合に比して構造簡単に実施することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1に、8条植え仕様に構成された施肥装置付きの乗用田植機の側面が、また、図2に、この田植機の後部の平面がそれぞれ示されている。この施肥装置付き田植機は、操向可能な前輪1および操向不能な後輪2を備えて4輪駆動で走行する走行機体3の後部に、8条植え仕様の苗植付け装置4が、油圧シリンダ5によって駆動される平行四連リンク構造の昇降リンク機構6を介して昇降可能に連結されるとともに、機体後部に施肥装置7が備えられた基本構造を有している。
【0027】
前記走行機体3の前部にはエンジン8が搭載され、その出力が前後進の切り換えが可能な主変速装置である静油圧式無段変速装置(HST)9に伝達され、その変速出力がミッションケース10に入力されて更に副変速装置(図示せず)でギヤ変速された後、前輪1と後輪2に伝達されるようになっており、静油圧式無段変速装置9を操作する主変速レバー11が、搭乗運転部のステアリングハンドル12の左脇に前後揺動可能に配備されるとともに、ミッションケース10内の副変速装置を操作する副変速レバー13が、搭乗運転部の運転座席14の左脇に配備されている。なお、搭乗運転部の右前足元には、踏み込みによってミッションケース10内の主クラッチを切るとともに走行系に備えたブレーキを制動作動させて機体を停止させる停止用のペダル15が配備されている。
【0028】
また、走行機体3の前部左右には、予備苗を複数段に収容する予備苗のせ台16が立設配備されるとともに、機体前進走行に伴って次行程の植付け田面に走行基準線を形成する左右一対の線引きマーカ17が備えられている。この線引きマーカ17は、図4に示すように、横外側方に突出した作用姿勢と、機体側に退入した収納姿勢とに支点a周りに切換
え揺動可能に装備されている。また、この線引きマーカ17は、バネ18によって作用姿勢に突出付勢されるとともに、電動モータ19によって引張あるいは弛緩操作されるワイヤ20に連結されている。
【0029】
前記苗植付け装置4には、苗Wを載置して一定ストロークで往復横移動する苗のせ台21と、この苗のせ台21の下端から一株分づつ苗を切り出して植付ける8組の回転式の植付け機構22と、圃場の植付け予定箇所を均平にする5個の整地フロート23が並列装備されており、前記植付け機構22は、横長の植付け部フレーム24に後向き片持ち状に並列支持した4個の植付けケース25の後部左右に2組づつ装着されている。
【0030】
また、畦際近くにおいて全条(8条)より少ない条数での植付けを行う場合のために、各植付けケース25の後部には、左右に装着された植付け機構22への動力伝達を断続する畦際クラッチ26が備えられるとともに、苗のせ台21の各条ごとに備えられたベルト式の苗縦送り装置27の苗送り作動を、植付け休止条に合わせて停止する縦送りクラッチ28が2条単位で設けられている。
【0031】
前記苗植付け装置4は、人為的に昇降できる他に自動的に昇降制御可能となっている。つまり、図7のブロック図に示すように、運転座席14の右脇には植付けレバー31が配備されてポテンショメータ32でその操作位置が検出されるとともに、中央の整地フロート23を利用したセンサフロートSFの上下揺動変位がポテンショメータ33で検出され、これらポテンショメータ32,33と油圧シリンダ5の作動を司る電磁式の制御弁34が制御装置35に接続されている。
【0032】
また、前記ミッションケース10内には苗植付け装置4への動力を断続する植付けクラッチ36が備えられるとともに、この植付けクラッチ36を入り切り操作する電動モータ37が前記制御装置35に接続されている。また、ステアリングハンドル12の右側には、中立復帰付勢された十字操作式の優先昇降用レバー38が上下および前後に揺動可能に装備されており、その上下および左右への操作を検出するスイッチ装置39が前記制御装置35に接続されている。更に、前記主変速レバー11の操作位置を検出するがポテンショメータ40が前記制御装置35に接続されている。
【0033】
前記植付けレバー31は「上昇」、「中立」、「下降」、「植付」、および、「自動」の各操作位置を選択可能であり、各操作位置で次のような作動が行われる。
【0034】
「上昇」:制御弁34が上昇位置に切換えられ、油圧シリンダ5が短縮駆動されて、苗植付け装置4は上昇する。
【0035】
「中立」:制御弁34が中立位置に切換えられ昇降が停止する。
【0036】
「下降」:苗植付け装置4がセンサフロート23sの上下変位に基づいて自動昇降される昇降制御モードであり、苗植付け装置4が圃場面より浮上している状態から「下降」位置に切り換えると、先ず、センサフロート23sのぶら下がりがポテンショメータ33で検知されて制御弁34が下降位置に切換えられ、苗植付け装置4が下降する。そして、苗植付け装置4が圃場面に到達してセンサフロート23sが所定の接地圧になると、制御弁34が中立位置に切換えられ下降が停止する。以後、センサフロートSFが接地圧の増大に基づいて上方変位すると上昇制御がなされるとともに、接地圧の減少に基づいて下方変位すると下降制御がなされ、所定の接地圧が維持されるように昇降制御が行われる。ただし、この「下降」位置では、植付けクラッチ36は切り状態に維持され、苗植付け装置4の自動昇降だけが行われる。
【0037】
「植付」:上記「下降」位置と同様に苗植付け装置4の自動昇降が行われるとともに、電動モータ37を介しての植付けクラッチ36の入り操作が行われるものであり、植付け走行時に選択利用される。
【0038】
「自動」:上記「植付」位置と同様のセンサフロートSFに基づく苗植付け装置4の自動昇降制御の機能をもたらすとともに、優先昇降レバー38による任意の昇降制御(優先昇降制御)と、主変速レバー11の後進位置への切り換えに基づく苗植付け装置4の自動上昇制御(バックアップ制御)とが以下のように実行される。
【0039】
(優先昇降制御):植付け装置4が所定の接地圧を維持するよう昇降制御される状態で植付け走行を行って畦際に到達すると、優先昇降レバー38を上げ「U」位置にワンショット操作することで、苗植付け装置4は上限まで上昇制御されるとともに植付けクラッチ36が切り制御される。畦際での機体方向転換を終えると、優先昇降レバー38を下げ「D」位置に1回ワンショット操作することで元の自動昇降制御モードに復帰して、苗植付け装置4は接地するまで下降制御される。但し、この下降においては植付けクラッチ36は切り状態に維持される。方向転換および次行程に対する条合わせがすむと、タイミングを見はからって優先昇降レバー38を再び下げ「D」位置にワンショット操作することで、植付けクラッチ36が入り制御されて植付けを再開することができる。
【0040】
(バックアップ制御):畦際などで植付け装置4が下降している状態のまま、主変速レバー11を後進に切り換えると、これが検出されて植付け装置4は上限まで自動的に上昇する。このとき、植付けクラッチ36が入っておれば上昇作動とともに切り制御され、後進によって植付け装置4の後部が畦などにぶつかることが未然に回避される。
【0041】
前記施肥装置7は、植付け運転座席14と苗植付け装置4との間において自走機体3上に搭載されており、粉粒状の肥料を貯留する肥料ホッパー41、この肥料ホッパー41内の肥料を繰り出す繰出し機構42、繰り出された肥料を供給ホース43を介して苗植付装置4の整地フロート23に備えた作溝器44に空気搬送する電動ブロワ45、などを備えている。
【0042】
図2に示すように、前記繰出し機構42は2条分ごとにユニット化されており、4組の繰出し機構42が並列されて8条分の繰り出しを行うよう構成されている。詳細な構造の説明は省略するが、各繰出し機構42は、内装した2条分の繰出しロールを一定方向に回転させて肥料ホッパー41内の肥料を設定量づつ繰り出して搬送風路に導くよう構成されている。また、図1中に示すように、繰出し機構42は、ミッションケース10から後輪駆動用の後部伝動ケース47へ動力伝達を行う走行系伝動軸48に動力取出しケース49を介して連動連結されており、走行速度と同調した速度で繰出し機構42が駆動されるようになっている。
【0043】
前記動力取出しケース49には動力の取り出しを断続する施肥クラッチ50が備えられるとともに、この施肥クラッチ50は植付けクラッチ36を入り切り制御する電動モータ37に機械的に連動連結され、植付けクラッチ36の入り切りと施肥クラッチ50の入り切りが同調するようになっている。
【0044】
また、各繰出し機構42の横一側には、苗植付け装置4の畦際クラッチ26を切って少数条の植付けを行う際に、植付け休止条に対応する施肥を休止するために、2条ごとにその繰り出し作動を停止することができる繰出しクラッチ51が備えられている。そして、この例では、少数条植えに利用する前記畦際クラッチ26、縦送りクラッチ28、および、繰出しクラッチ51をアクチュエータで入り切り操作するよう構成されており、その構造が図5,図6に示されている。
【0045】
この少数条植え用のクラッチ操作構造は、各条の畦際クラッチ26、縦送りクラッチ28、および、繰出しクラッチ51を操作する操作ワイヤ52の前端が連結された4本のカムフォロア53、このカムフォロア53を接当操作するカム部材54、カム部材54を直線往復移動させるネジ軸55、これを回転駆動するアクチュエータとしての電動モータ56、カム部材54の位置を検出するフィードバック用のポテンショメータ57、等から構成されている。
【0046】
各カムフォロア53は、互いに前後に位置ずれした横向き支点b周りで上下揺動自在に支持され、その先端ローラ58がカム部材54に形成された凹入カム59に係入されている。各カムフォロア53は、その先端ローラ58が凹入カム59に係入している時に「クラッチ入り」となり、先端ローラ58が凹入カム59から平坦カム60に乗り上がると「クラッチ切り」となるようにワイヤ連係されている。
【0047】
電動モータ56およびフィードバック用のポテンショメータ57は、畦際クラッチ操作スイッチ61と共に前記制御装置35に接続されており、畦際クラッチ操作スイッチ61の操作に基づいて前記カム部材54を指定された位置に移動させるように電動モータ56が制御される。
【0048】
畦際クラッチ操作スイッチ61は、並列配備された4個のランプ内臓型のボタンスイッチ62の選択操作によって休止条を選択するよう構成されており、ボタンスイッチ62を1回操作すると対応する条のクラッチ群が切られ、もう一度操作するとクラッチ群が入り復帰するようになっている。また、クラッチ切り状態にあると内臓ランプが点灯し、クラッチ入り状態では内臓ランプが消灯されるようになっている。
【0049】
畦際クラッチ操作スイッチ61における全部のボタンスイッチ62の内臓ランプが消灯している状態では、図6(イ)に示すように、カム部材54は中立位置にあり、全部の先端ローラ58が凹入カム59に係入して、全ての畦際クラッチ26、縦送りクラッチ28、および、繰出しクラッチ51が入れられた全条植付け状態がもたらされる。
【0050】
そして、右端のボタンスイッチ62を操作すると、図6(ロ)に示すように、カム部材54は中立位置から左側に1ピッチだけ移動し、右端の先端ローラ58だけが平坦カム60に乗り上がって、右端側2条分の畦際クラッチ26、縦送りクラッチ28、および、繰出しクラッチ51が切られ、左側6条の植付け状態となる。
【0051】
また、右側2個のボタンスイッチ62を操作すると、図6(ハ)に示すように、カム部材54は中立位置から左側に2ピッチだけ移動し、右側2個の先端ローラ58が平坦カム60に乗り上がって、右側4条分の畦際クラッチ26、縦送りクラッチ28、および、繰出しクラッチ51が切られ、左側4条の植付け状態となる。
【0052】
また、左端以外の右側3個のボタンスイッチ62を操作すると、カム部材54は中立位置から左側に3ピッチだけ移動し、左端以外の3個の先端ローラ58が平坦カム60に乗り上がって、右側から6条分の畦際クラッチ26、縦送りクラッチ28、および、繰出しクラッチ51が切られ、左端2条だけの植付け状態となる。
【0053】
逆に、ボタンスイッチ62群を左端のものから順に操作することで、図6(ホ)〜図6(ト)に示すように、カム部材54が中立位置から右方に1ピッチづつ移動されて、先端ローラ58が左端のものから順に乗り上げ操作される。これによって、右側6条の植付け状態、右側4条の植付け状態、および、右端2条の植付け状態を順次現出することができるのである。
【0054】
また、カム部材54は、苗植付け装置4の昇降作動に連動しても制御されるようになっている。つまり、いずれかのボタンスイッチ62を操作して少数条植えを行う場合、少数条植え行程が終了して枕地に到ると、機体を方向転換するために苗植付け装置4を上昇させることになるが、この場合、優先昇降用レバー38を上方操作して上昇指令を制御装置35に入力するが、この上昇指令に基づいて電動モータ56が自動的に作動され、カム部材54が中立位置に強制復帰されて、全部のカムフォロア53がクラッチ入り状態となる。従って、少数条植え行程を終えた後の次の行程は自動的に全条植え状態となるのである。
【0055】
また、全条植付け行程の次に少数条植付け行程を行う場合、全条植付け行程が終了した枕地で機体方向転換のために苗植付け装置4を上昇させた後、畦際クラッチ操作スイッチ61を選択操作する。このように、苗植付け装置4を一旦上昇させた後での畦際クラッチ操作スイッチ61の選択操作はクラッチ操作指令として認識され、選択された所定の条のクラッチ群が切り操作されて、次の少数条植付けに備えられるのである。
【0056】
次に、前記線引きマーカ17の操作構造について説明する。この線引きマーカ17は、苗植付け装置4の上昇作動に連動して作用姿勢から収納姿勢に切換え操作されるとともに、苗植付け装置4の下降状態において、優先昇降用レバー38の前後方向への操作によって選択された一方の線引きマーカ17だけが作用姿勢に切換えられるようになっている。
【0057】
つまり、植付けレバー31が上昇位置に操作されたことがポテンショメータ32からの出力によって検知されるか、優先昇降用レバー38が上げ操作されたことがスイッチ装置39からの出力によって検知されると、電動モータ19がワイヤ引張方向に駆動されて、作用姿勢にある線引きマーカ17がバネ18に抗して収納姿勢に揺動され、所定の収納位置で保持される。
【0058】
優先昇降用レバー38が前方に操作されると左側の線引きマーカ17が選択されるとともに、後方に操作されると右側の線引きマーカ17が選択され、その後に植付けレバー31あるいは優先昇降用レバー38の操作によって苗植付け装置4が下降作動する際に、選択された線引きマーカ17に対する電動モータ19がワイヤ20を緩める方向に作動して、選択された線引きマーカ17だけがバネ18の付勢力によって作用姿勢に突出作動する。なお、苗植付け装置4の下降作動中、あるいは、田面まで下降作動した後にマーカー選択を行ってもよく、この場合は、マーカー選択操作を行った時点で選択された線引きマーカ17が突出作動する。
【0059】
また、作用姿勢にある線引きマーカ17を畦際クラッチ操作に基づいて自動的に収納する線引きマーカ収納手段が制御プログラムとして備えられている。つまり、前記畦際クラッチ操作スイッチ61が操作されて、全条の半分以下の少数条植え状態(この例では4条植え状態、あるいは、2条植え状態)が設定されると、苗植付け装置4を上昇作動させなくても、作用姿勢にある線引きマーカ17が自動的に収納されるように電動モータ19を作動制御するようになっているのである。
【0060】
従って、図8に示すように、畦際を全条で植えるために、その一行程前の植付け行程で少数条植えを行うに、 例えば、図示のようにその少数条植えが4条植えとなる場合、通常植付け時の習慣で未植側の線引きマーカ17を作用姿勢にしてしまっていても、右側4条分の畦際クラッチ26の切り操作を行うと、苗植付け装置4を上昇させなくても、作用姿勢にある右側の線引きマーカ17が自動的に収納され、マーカ先端部が畦から十分離れた位置に後退されることになる。
【0061】
また、線引きマーカ17の先端部には、該マーカ17に作用する前後方向からの負荷を検知するセンサとしての圧力セン65が取り付けられており、作用姿勢の線引きマーカ17の先端部が畦やその他の障害物に接触して、前方あるいは後方から設定以上の大きい圧力(負荷)が作用したことが圧力セン65検知されると、電動モータ19が作動されて作用姿勢の線引きマーカ17が自動的に収納姿勢に揺動されるようになっている。
【0062】
また、上記した線引きマーカ収納手段によって線引きマーカ17が自動的に収納された後、苗植付け装置4が上昇操作されるか、畦際クラッチ操作スイッチ61の操作によって再び全条植え状態に戻されるか、あるいは、植付けクラッチ36が切り操作されると、線引きマーカ収納手段による自動マーカー収納がリセットされ、優先昇降用レバー38で選択した線引きマーカ17を作用姿勢に突出させることができる通常のマーカ出退操作状態に復帰する。
【0063】
〔別実施形態〕
本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
【0064】
(1)上記実施形態では、線引きマーカ17の作用姿勢への移動はバネ18で行い、収納姿勢への移動を電動モータ19で行うように構成しているが、電動モータあるいは電動シリンダなどのアクチュエータの正逆作動で作用姿勢と収納姿勢とにそれぞれ駆動移動させる形態で実施することもできる。
【0065】
(2)線引きマーカ17の基部に歪ゲージを貼り付けて、前後方向の負荷を検知する形態で実施することもできる。
【0066】
(3)線引きマーカ17が苗植付け装置4に装備された機種に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 乗用田植機の全体側面図
【図2】 機体後部の平面図
【図3】 苗植付け装置における畦際クラッチ操作部の平面図
【図4】 線引きマーカ操作構造の正面図
【図5】 畦際クラッチ操作構造の斜視図
【図6】 畦際クラッチの操作パターンを示す正面図
【図7】 制御ブロック図
【図8】 畦際近くでの植付け形態を示す概略平面図
【符号の説明】
17 線引きマーカ
22 植付け機構
26 畦際クラッチ
36 植付けクラッチ
Claims (4)
- 機体前進走行に伴って次行程の植付け田面に走行基準線を形成する左右一対の線引きマーカを、横外側方に突出した作用姿勢と、機体側に退入した収納姿勢とに切換え出退可能に装備した乗用田植機において、
苗植付け装置に備えた複数の植付け機構のうちの一部を休止させて少数条植えを行うための複数の畦際クラッチを備えるとともに、この畦際クラッチが切り操作されて設定された条数以下の少数条植え状態に設定されていることを判別する判別手段を備えるとともに、設定された条数以下の少数条植え状態に設定されていることが判別されると、この判別結果に基づいて苗植付け装置を接地させた作業姿勢に維持したままで作用姿勢の線引きマーカを自動的に収納する線引きマーカ収納手段を備えてあることを特徴とする乗用田植機。 - 作用姿勢の線引きマーカに作用する前後方向からの負荷を検知する負荷検知手段を備えるとともに、設定以上に大きい前後方向負荷が作用していることが検知されると、苗植付け装置を接地させた作業姿勢に維持したままで作用姿勢の線引きマーカを自動的に収納する線引きマーカ収納手段を備えてあることを特徴とする請求項1に記載の乗用田植機。
- 作用姿勢の線引きマーカを自動的に収納するように機能している前記線引きマーカ収納手段には、入為的な操作でマーカの出退操作が可能な状態に復帰するように、線引きマーカ収納手段による自動マーカー収納状態をリセットするリセット手段を備えてある請求項1または2に記載の乗用田植機。
- 前記リセット手段は、苗植え付け装置の上昇作動、切り操作されていた畦際クラッチの入り作動、植付けクラッチの切り作動、のいずれかによってリセット作動するよう構成してある請求項3に記載の乗用田植機。
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