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JP4148907B2 - 作業車の走行変速構造 - Google Patents
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Description

本発明は、作業車の走行変速構造に関する。
作業車では、エンジンに掛かる負荷に応じて、走行用の変速装置を自動的に高速側及び低速側に操作するように構成されたものがある。例えば特許文献1では、実際のエンジンの回転数を検出して、実際のエンジンの回転数が低下して下限値に達した場合、実際のエンジンの回転数が下限値に達した状態が設定時間に亘って維持されると、走行用の変速装置が低速側に操作されるように構成して、エンジンに大きな負荷が掛かる状態を避けるようにしている。
この場合、実際のエンジンの回転数は比較的頻繁に変化することが多いので、特許文献1では、実際のエンジンの回転数が低下して下限値に達した場合、直ちに走行用の変速装置が低速側に操作されるのではなく、実際のエンジンの回転数が下限値に達した状態が設定時間に亘って維持されてから、走行用の変速装置が低速側に操作されるように構成しており、走行用の変速装置が頻繁に低速側に操作されないようにしている。
特開平10−248308号公報
作業車では、エンジンに掛かる負荷に応じて、走行用の変速装置を低速側に操作するばかりではなく、走行用の変速装置を高速側に操作する必要もある。
本発明は作業車の走行変速構造において、走行用の変速装置が適切に低速側に操作されるように構成することを目的としており、走行用の変速装置が適切に高速側に操作されるように構成することを目的としている。
[I]
(構成)
本発明の第1特徴は作業車の走行変速構造において次のように構成することにある。
走行用の変速装置と、実際のエンジンの回転数の変化速度を検出する変化速度検出手段とを備える。実際のエンジンの回転数が低下する際に、実際のエンジンの回転数の変化速度が所定変化速度よりも低下側になると、実際のエンジンの回転数の変化速度と所定変化速度との差が大きくなるほど大きく設定されるカウント数を繰り返し加算して、加算されたカウント数が減速側の設定カウント数に達すると、走行用の変速装置を低速側に操作する自動減速手段を備える。
(作用)
実際のエンジンの回転数は比較的頻繁に変化することが多いので、前述のように実際のエンジンの回転数が低下する際に変化速度が所定変化速度に達した状態で、変化速度も比較的頻繁に変化することが多い。
本発明の第1特徴によると、実際のエンジンの回転数が低下する際に変化速度が所定変化速度に達した状態において、所定変化速度と変化速度との差により、自動減速手段による走行用の変速装置の低速側への操作タイミングを早まる側及び遅れる側に変更している。
これにより、本発明の第1特徴によると、実際のエンジンの回転数が低下する際に変化速度が所定変化速度に達した場合、変化速度の変化に応じて、自動減速手段による走行用の変速装置の低速側への操作タイミングが適切に設定されるようになる。
前述のように、実際のエンジンの回転数が低下する際に変化速度が所定変化速度に達した状態において、変化速度が所定変化速度よりも低下側になり、実際のエンジンの回転数の変化速度と所定変化速度との差が大きくなるほど、実際のエンジンの回転数が大きな変化速度で低下するような状態であると認識できる(エンジンに掛かる負荷が急激に大きくなる状態であると認識できる)。
これにより、本発明の第1特徴によれば、前述のような状態になると、自動減速手段による走行用の変速装置の低速側への操作タイミングが早まる側に変更されるので、走行用の変速装置が遅れることなく低速側に操作されて、エンジンに掛かる負荷が急激に大きくなる状態が避けられる。
(発明の効果)
本発明の第1特徴によると、作業車の走行変速構造において、実際のエンジンの回転数の変化速度に基づくことにより、エンジンに掛かる負荷が急激に大きくなる状態を適切に検出することができて、走行用の変速装置が遅れることなく低速側に操作され、エンジンに掛かる負荷が急激に大きくなる状態を避けることができるようになって、作業車の走行変速性能を向上させることができた。
本発明の第1特徴によると、実際のエンジンの回転数が低下する際に変化速度が所定変化速度に達した場合、変化速度の変化に応じて、自動減速手段による走行用の変速装置の低速側への操作タイミングが適切に設定されるようになって、作業車の走行変速性能を向上させることができた。
本発明の第1特徴によると、実際のエンジンの回転数が低下する際に変化速度が所定変化速度に達した状態において、変化速度が所定変化速度よりも低下側になり、実際のエンジンの回転数の変化速度と所定変化速度との差が大きくなるほど、走行用の変速装置が遅れることなく低速側に操作され、エンジンに掛かる負荷が急激に大きくなる状態を避けることができるようになって、作業車の走行変速性能を向上させることができた。
[II]
(構成)
本発明の第2特徴は作業車の走行変速構造において次のように構成することにある。
走行用の変速装置と、実際のエンジンの回転数を検出する回転数検出手段とを備える。実際のエンジンの回転数が上昇する際に、実際のエンジンの回転数が所定回転数よりも高側になると、実際のエンジンの回転数と所定回転数との差が大きくなるほど大きく設定されるカウント数を繰り返し加算して、加算されたカウント数が増速側の設定カウント数に達すると、走行用の変速装置を高速側に操作する自動増速手段を備える。
(作用)
実際のエンジンの回転数は比較的頻繁に変化することが多いので、本発明の第2特徴によると、実際のエンジンの回転数が上昇して所定回転数に達した状態において、所定回転数と実際のエンジンの回転数との差により、自動増速手段による走行用の変速装置の高速側への操作タイミングを早まる側及び遅れる側に変更している。
これにより、本発明の第2特徴によると、実際のエンジンの回転数が上昇して所定回転数に達した場合、実際のエンジンの回転数の変化に応じて、自動増速手段による走行用の変速装置の高速側への操作タイミングが適切に設定されるようになる。
前述のように、実際のエンジンの回転数が上昇して所定回転数に達した状態において、所定回転数よりも実際のエンジンの回転数が高側になり、実際のエンジンの回転数と所定回転数との差が大きくなるほど、エンジンに掛かる負荷が充分に小さくなった状態であると認識できる。
これにより、本発明の第2特徴によれば、前述のような状態になると、自動増速手段による走行用の変速装置の高速側への操作タイミングが早まる側に変更されるので、走行用の変速装置が遅れることなく高速側に操作されて、エンジンを不必要に高速で回転させてしまう状態が避けられる。
(発明の効果)
本発明の第2特徴によると、作業車の走行変速構造において、実際のエンジンの回転数が上昇して所定回転数に達した場合、実際のエンジンの回転数の変化に応じて、自動増速手段による走行用の変速装置の高速側への操作タイミングが適切に設定されるようになって、作業車の走行変速性能を向上させることができた。
本発明の第2特徴によると、実際のエンジンの回転数が上昇して所定回転数に達した状態において、所定回転数よりも実際のエンジンの回転数が高側になり、実際のエンジンの回転数と所定回転数との差が大きくなるほど、走行用の変速装置が遅れることなく高速側に操作され、エンジンを不必要に高速で回転させてしまう状態を避けることができるようになって、作業車の騒音及び燃料消費を少なくすることができた。
[III]
(構成)
本発明の第3特徴は、本発明の第2特徴の作業車の走行変速構造において次のように構成することにある。
実際のエンジンの回転数が上昇する際に、実際のエンジンの回転数が所定回転数よりも低側になると、加算されたカウント数が減算されるように構成する。
(作用)
本発明の第3特徴によると、本発明の第2特徴と同様に前項[II]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
前項[II]に記載のように、実際のエンジンの回転数が上昇して所定回転数に達した状態において、所定回転数よりも実際のエンジンの回転数が低側になると、エンジンに掛かる負荷が充分に小さくなった状態ではないと認識できる。
これにより、本発明の第3特徴によれば、前述のような状態になると、自動増速手段による走行用の変速装置の高速側への操作タイミングが遅れる側に変更されるので、走行用の変速装置が頻繁に高速側に操作される状態が避けられる。
(発明の効果)
本発明の第3特徴によると、本発明の第2特徴と同様に前項[II]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第3特徴によると、実際のエンジンの回転数が上昇して所定回転数に達した状態において、所定回転数よりも実際のエンジンの回転数が低側になる場合、走行用の変速装置が頻繁に高速側に操作されることを避けることができるようになり、高速側の操作時のショックの回数を少なくすることができて、作業車の乗り心地を向上させることができた。
[1]
図1は作業車の一例である四輪駆動型の農用トラクタのミッションケース8を示しており、エンジン1の動力が前進クラッチ5又は後進クラッチ6、円筒軸7、第1主変速装置10(走行用の変速装置に相当)、第2主変速装置11(走行用の変速装置に相当)、副変速装置12及び後輪デフ装置13を介して後輪14に伝達される。後輪デフ装置13の直前から分岐した動力が伝動軸15、油圧クラッチ型式の前輪変速装置16、前輪伝動軸17及び前輪デフ装置18を介して、前輪19に伝達される。エンジン1の動力が伝動軸2、油圧多板式のPTOクラッチ3及びPTO変速装置9を介してPTO軸4に伝達される。
図1に示すように、前進及び後進クラッチ5,6は、摩擦板(図示せず)とピストン(図示せず)とを組み合わせた油圧多板式で、作動油を供給することにより伝動側に操作される。前進クラッチ5を伝動側に操作すると、エンジン1の動力が前進クラッチ5から円筒軸7に直接流れて機体は前進する。後進クラッチ6を伝動側に操作すると、エンジン1の動力が後進クラッチ6及び伝動軸20を介して、逆転状態で円筒軸7に伝達されて機体は後進する。
図1に示すように、第1主変速装置10は、4個の油圧多板式の1速クラッチ21、2速クラッチ22、3速クラッチ23及び4速クラッチ24を並列的に配置した油圧クラッチ型式に構成されて4段に変速可能であり、1速〜4速クラッチ21〜24のうちの一つを伝動側に操作することにより、円筒軸7の動力が4段に変速されて伝動軸25に伝達される。
図1に示すように、第2主変速装置11は、2個の油圧多板式の低速クラッチ26及び高速クラッチ27を並列的に配置した油圧クラッチ型式に構成されており、低速及び高速クラッチ26,27の一方を伝動側に操作することにより、伝動軸25の動力が2段に変速されて副変速装置12に伝達される。副変速装置12は、シフト部材53をスライド操作するシンクロメッシュ型式に構成されて2段に変速可能であり、図2に示す変速レバー28によって機械的に操作される。
[2]
次に、前進及び後進クラッチ5,6、第1及び第2主変速装置10,11に対する油圧回路について説明する。
図3に示すように、ポンプ29からの油路30に、前進及び後進クラッチ5,6に対する電磁比例弁35及びパイロット操作式の切換弁36a,37a、1速〜4速クラッチ21〜24に対するパイロット操作式の切換弁31a,32a,33a,34a、低速及び高速クラッチ26,27に対する電磁比例弁38,39が接続されている。
図3に示すように、油路30から分岐した油路40に、前輪デフ装置18におけるデフロック操作用の油圧クラッチ41に対するパイロット操作式の切換弁42a、後輪デフ装置13におけるデフロック操作用の油圧クラッチ43に対するパイロット操作式の切換弁44a、前輪変速装置16の標準クラッチ45及び増速クラッチ46に対するパイロット操作式の切換弁47a,48aが接続されている。切換弁31a〜34a,36a,37a,42a,44a,47a,48aは、バネで排油側(遮断側)に付勢されており、パイロット圧が供給されることで供給側(伝動側)に操作される。
図3に示すように、油路30から減圧弁49を介してパイロット油路50が分岐し、パイロット油路50が切換弁31a〜34a,36a,37a,42a,44a,47a,48aの操作部に接続されており、操作部に電磁操作弁31b,32b,33b,34b,36b,37b,42b,44b,47b,48bが接続されている。電磁操作弁31b〜34b,36b,37b,42b,44b,47b,48bはバネで排油側(遮断側)に付勢されており、電磁操作弁31b〜34b,36b,37b,42b,44b,47b,48bを供給側に操作すると、パイロット圧が切換弁31a〜34a,36a,37a,42a,44a,47a,48aの操作部に供給されて、切換弁31a〜34a,36a,37a,42a,44a,47a,48aが供給側(伝動側)に操作される。
[3]
次に、前進及び後進クラッチ5,6、第1及び第2主変速装置10,11の操作部の構造について説明する。
図3に示すように、切換弁36a,37aの操作部からパイロット圧を排油可能な開閉弁51が備えられ、開閉弁51がバネで閉側に付勢されており、開閉弁51を開側に操作するクラッチペダル52が備えられている。図2に示すように、前輪19の操縦ハンドル58の基部に、前進位置F、後進位置R及び中立位置Nに操作自在な前後進レバー59が備えられている。
図2に示すように、機体の操縦部の横軸芯周りに変速レバー28が揺動操作自在に支持されて、副変速装置12のシフト部材53をスライド操作するシフト軸54と変速レバー28とが、連係機構55により機械的に連係されている。変速レバー28を中立位置N、低速位置L及び高速位置Hに操作することにより、副変速装置12(シフト部材53)を中立位置、低速位置及び高速位置に操作することができるように構成されており、変速レバー28の操作位置を検出する位置センサー70が備えられている。
図2に示すように、変速レバー28の横側部に出退自在なロックピン56が備えられており、ロックピン56を出退操作する操作ボタン57が変速レバー28の上部に備えられている。ロックピン56はバネ(図示せず)により突出側(図2の紙面右方)に付勢されており(操作ボタン57も図2の紙面左方の突出側に付勢されている)、固定部のガイド板60にロックピン56を係合させることにより、変速レバー28を中立位置N、低速位置L及び高速位置Hに保持する。操作ボタン57を押し操作するとロックピン56が退入操作されて、変速レバー28を中立位置N、低速位置L及び高速位置Hに操作することができる。
図2に示すように、変速レバー28の左横側面に、シフトアップボタン61及びシフトダウンボタン62が上下に配置されており、シフトアップボタン61及びシフトダウンボタン62を押し操作すると、後述する[5]に記載のように、第1及び第2主変速装置10,11が操作される。
図2に示すように、第1及び第2主変速装置10,11の変速位置(1速〜8速)を表示する7セグメントの変速表示部64、前進及び後進クラッチ5,6のどちらが伝動側に操作されているかを表示する前進ランプ65及び後進ランプ66、変速レバー28又は前後進レバー59が中立位置Nに操作されていることを示す中立ランプ67が、操縦部に備えられている。図3に示すように、前進及び後進クラッチ5,6の作動圧を検出する圧力センサー74が備えられており、圧力センサー74の検出により前進及び後進ランプ65,66を点灯させる。
図2に示すように、人為的に操作される設定レバー68が備えられており、設定レバー68は手動モード位置D1、走行モード位置D2、負荷モード位置D3、走行設定位置D4及び負荷設定位置D5に操作自在に構成されている。設定レバー68を手動モード位置D1、走行モード位置D2及び負荷モード位置D3に操作して、設定レバー68から手を離しても、設定レバー68は手動モード位置D1、走行モード位置D2及び負荷モード位置D3に残される。設定レバー68を走行設定位置D4に操作して手を離すと、設定レバー68は走行設定位置D4から走行モード位置D2に自動的に戻るのであり、設定レバー68を負荷設定位置D5に操作して手を離すと、設定レバー68は負荷設定位置D5から負荷モード位置D3に自動的に戻る。
[4]
次に、前後進レバー59の操作について、図4に基づいて説明する。
前後進レバー59を前進位置Fに操作すると(ステップS1)、電磁操作弁36bに操作電流が供給され切換弁36aが供給側に操作されて、前進クラッチ5が伝動側に操作され(ステップS2)、前進ランプ65が点灯する(ステップS3)。前後進レバー59を後進位置Rに操作すると(ステップS1)、電磁操作弁37bに操作電流が供給され切換弁37aが供給側に操作されて、後進クラッチ6が伝動側に操作され(ステップS4)、後進ランプ66が点灯し(ステップS5)、図2に示すブザー71が間欠的に作動する(ステップS6)。
前後進レバー59を中立位置Nに操作すると(ステップS1)、電磁操作弁36b,37bへの操作電流が遮断され切換弁36a,37aが排油側に操作されて、前進及び後進クラッチ5,6が遮断側に操作され(ステップS7)、中立ランプ67が点灯する(ステップS8)。クラッチペダル52を踏み操作すると、開閉弁51が開側に操作され切換弁36a,37aが排油側に操作されて、前進及び後進クラッチ5,6が遮断側に操作され中立ランプ67が点灯する。このように前進及び後進クラッチ5,6の両方が遮断側に操作されると、前進及び後進クラッチ5,6において動力が遮断されて機体が停止する。
[5]
次に、設定レバー68を手動モード位置D1に操作した状態について、図5に基づいて説明する。
設定レバー68を手動モード位置D1に操作すると、手動モードが設定される。図1に示すように、第1主変速装置10が4段に変速可能であり、第2主変速装置11が2段に変速可能なので、第1及び第2主変速装置10,11により8段に変速可能である。低速クラッチ26が伝動側に操作されている状態で、1速〜4速クラッチ21〜24が1速〜4速の変速位置に対応し、高速クラッチ27が伝動側に操作されている状態で、1速〜4速クラッチ21〜24が5速〜8速の変速位置に対応する。
図2及び図3に示すように、1速〜4速クラッチ21〜24、低速及び高速クラッチ26,27の各々に、作動圧を検出する圧力センサー63,74が備えられており、圧力センサー63,74の検出により、現在の第1及び第2主変速装置10,11の変速位置(1速〜8速)が検出されて、検出された変速位置が変速表示部64に表示される。
以上の状態において、シフトアップボタン61又はシフトダウンボタン62を押し操作したとする(ステップS11,S12)。この場合、図6の実線A1(時点B1)に示すように、シフトアップボタン61を押し操作した場合には(ステップS11)、現在の変速位置よりも1段高速側の1〜4速クラッチ21〜24が、電磁操作弁31b〜34bにより伝動側に操作され始める(ステップS13)。シフトダウンボタン62を押し操作した場合には(ステップS12)、現在の変速位置よりも1段低速側の1〜4速クラッチ21〜24が、電磁操作弁31b〜34bにより伝動側に操作され始める(ステップS14)。
変速レバー28を低速位置L又は高速位置Hに操作していると(ステップS15)、ステップS13,S14と略同時に図6の実線A2(時点B1)に示すように、伝動側に操作されている低速又は高速クラッチ26,27の作動圧が、電磁比例弁38,39により伝動状態の作動圧P2から所定低圧P3に操作される(ステップS16)。この場合、4速の変速位置から5速の変速位置への操作時には、低速クラッチ26の作動圧が零に操作され、高速クラッチ27の作動圧が零から所定低圧P3に操作される。逆に5速の変速位置から4速の変速位置への操作時には、高速クラッチ27の作動圧が零に操作され、低速クラッチ26の作動圧が零から所定低圧P3に操作される。
図6の実線A1(時点B2から時点B3)に示すように、1段高速側又は1段低速側の1速〜4速クラッチ21〜24の作動圧が、電磁操作弁31b〜34bにより伝動状態の作動圧P1に操作され始める。これと同時に図6の一点鎖線A3(時点B2から時点B3)に示すように、シフトアップボタン61又はシフトダウンボタン62の押し操作前の1速〜4速クラッチ21〜24の作動圧が、電磁操作弁31b〜34bにより伝動状態の作動圧P1から零に操作され始める(ステップS17)。
変速レバー28を低速位置L又は高速位置Hに操作していると(ステップS18)、図6の実線A2(時点B3から時点B4)に示すように、低速又は高速クラッチ26,27の作動圧が、電磁比例弁38,39により所定低圧P3から漸次的に昇圧側に操作されていく(ステップS19)。これにより、前述の1段高速側又は1段低速側の1速〜4速クラッチ21〜24の動力が、低速又は高速クラッチ26,27を介して伝達され始める。図6の実線A2の時点B4に示すように、低速又は高速クラッチ26,27の作動圧が伝動状態の作動圧P2に達したことが、圧力センサー63によって検出されると(ステップS20)、シフトアップボタン61又はシフトダウンボタン62の押し操作による変速操作が終了したと判断されて、変速操作後の変速位置が変速表示部64に表示され(ステップS21)、ブザー71が1回だけ作動して変速操作の終了が操縦者に報知される(ステップS22)。これにより、ステップS11に移行して、シフトアップボタン61又はシフトダウンボタン62の次の押し操作による変速操作が可能になる。
変速レバー28を中立位置Nに操作していると、副変速装置12(シフト部材53)が中立位置に操作されるので、機体は停止している。変速レバー28を中立位置Nに操作した状態において、シフトアップボタン61又はシフトダウンボタン62を押し操作すると(ステップS11,S12)、前述と同様に第1及び第2主変速装置10,11(1速〜4速クラッチ21〜24、低速及び高速クラッチ26,27)が、1段高速側又は1段低速側に操作され(ステップS13,S14,S17)、変速操作後の変速位置が変速表示部64に表示されて(ステップS21)、ブザー71が1回だけ作動する(ステップS22)。
この場合、機体は停止しているのでステップS16,S19のような、低速又は高速クラッチ26,27の作動圧の所定低圧P3への操作、及び伝動状態の作動圧P2への操作は行われない。
[6]
次に、設定レバー68を走行モード位置D2に操作した状態において、第1及び第2主変速装置10,11が自動的に高速側に操作される状態について、図7に基づいて説明する。
設定レバー68を走行モード位置D2に操作すると、路上走行を想定した走行モードが設定される。図1及び図2に示すように、エンジン1のアクセル開度を人為的に任意の位置に設定可能なハンドアクセルレバー73が備えられて、ハンドアクセルレバー73の操作位置を検出するポテンショメータ型式の開度センサー75が備えられており、実際のエンジン1の回転数N2を検出する回転数センサー72(回転数検出手段に相当)が備えられている。無負荷状態(前進及び後進クラッチ5,6が遮断側に操作され、且つPTOクラッチ3が遮断側に操作されて、エンジン1に負荷が掛からない状態)でのエンジン1の回転数と、開度センサー75の検出値(ハンドアクセルレバー73の操作位置)との関係が事前に求められており、開度センサー75の検出値(ハンドアクセルレバー73の操作位置)により、無負荷状態でのエンジン1の回転数が、エンジン1の設定回転数N1として求められる。
前項[5]に記載のように、シフトアップボタン61又はシフトダウンボタン62により、第1及び第2主変速装置10,11が操作された状態において、タイマーのカウントが開始され(ステップS31)、エンジン1の設定回転数N1が検出されて(ステップS32)、実際のエンジン1の回転数N2が検出される(ステップS33)。これにより、エンジン1の設定回転数N1が第1所定回転数N4(例えば1200rpm)以上(ステップS34)、エンジン1の設定回転数N1と実際のエンジン1の回転数N2との回転数差が設定値N3(例えば100rpm)以下(ステップS37)、ハンドアクセルレバー73を操作していない状態(ステップS38)が、設定時間(例えば2秒)に亘って維持されたとする(ステップS39)(この場合、エンジン1の設定回転数N1が第4所定回転数N7(例えば2400rpm)以上(ステップS35)、実際のエンジン1の回転数N2が第5所定回転数N8(例えば2300rpm)以上(ステップS36)であると、ステップ34からステップS37を迂回してステップS38に移行する)。
前述のようにステップS34,S37,S38の状態が設定時間(例えば2秒)に亘って維持されると(ステップS39)、図5のステップS13,S16,S17,S19〜S22が行われて、第1及び第2主変速装置10,11が1段高速側に操作される(ステップS45)。ステップS32において検出されたエンジン1の設定回転数N1が、第1所定回転数N4(例えば1200rpm)以上、第2所定回転数N5(例えば1400rpm)未満であると(ステップS41)、図5のステップS13,S16,S17,S19〜S22が1回だけ行われる(ステップS42,S45)。この場合、第1及び第2主変速装置10,11が8速位置に達していると(ステップS40)、図5のステップS13,S16,S17,S19〜S22は行われない。
前述のように第1及び第2主変速装置10,11が1段高速側に操作されてから(ステップS42,S45)、さらにステップS34,S37,S38の状態が設定時間(例えば2秒)に亘って維持された場合(ステップS39)、ステップS32において検出されたエンジン1の設定回転数N1が、第2所定回転数N5(例えば1400rpm)以上、第3所定回転数N6(例えば1600rpm)未満であると(ステップS41)、図5のステップS13,S16,S17,S19〜S22が行われて、第1及び第2主変速装置10,11が1段高速側に操作される(ステップS43,S45)(前述のステップS42,S45に対して、第1及び第2主変速装置10,11が2段高速側に操作されることになる)。この場合に、第1及び第2主変速装置10,11が8速位置に達していると(ステップS40)、図5のステップS13,S16,S17,S19〜S22は行われない。
前述のように第1及び第2主変速装置10,11が1段高速側に操作されてから(ステップS41,S43,S45)、さらにステップS34,S37,S38の状態が設定時間(例えば2秒)に亘って維持された場合(ステップS39)、ステップS32において検出されたエンジン1の設定回転数N1が、第3所定回転数N6(例えば1600rpm)以上であると(ステップS41)、図5のステップS13,S16,S17,S19〜S22が行われて、第1及び第2主変速装置10,11が1段高速側に操作される(ステップS44,S45)(前述のステップS42,S45に対して、第1及び第2主変速装置10,11が3段高速側に操作されることになる)。この場合、第1及び第2主変速装置10,11が8速位置に達していると(ステップS40)、図5のステップS13,S16,S17,S19〜S22は行われない。
[7]
次に、設定レバー68を走行モード位置D2に操作した状態において、第1及び第2主変速装置10,11が自動的に低速側に操作される状態について、図8に基づいて説明する。
前項[6]に記載のように、第1及び第2主変速装置10,11が自動的に高速側に操作された状態において、タイマーのカウントが開始され(ステップS51)、エンジン1の設定回転数N1が検出されて(ステップS52)、実際のエンジン1の回転数N2が検出される(ステップS53)。これにより、エンジン1の設定回転数N1が第6所定回転数N9(例えば1000rpm)以下(ステップS54)、実際のエンジン1の回転数N2が第7所定回転数N10(例えば2300rpm)以下(ステップS55)、ハンドアクセルレバー73を操作していない状態(ステップS56)が、設定時間(例えば0.75秒)に亘って維持されたとする(ステップS57)。
前述のようにステップS54,S55,S56の状態が設定時間(例えば0.75秒)に亘って維持されると(ステップS57)、図5のステップS14,S16,S17,S19〜S22が行われて、第1及び第2主変速装置10,11が1段低速側に操作される(ステップS59)。このように、第1及び第2主変速装置10,11が1段低速側に操作されてから(ステップS59)、さらにステップS54,S55,S56の状態が設定時間(例えば0.75秒)に亘って維持されると(ステップS57)、図5のステップS14,S16,S17,S19〜S22が行われて、第1及び第2主変速装置10,11が1段低速側に操作される(ステップS59)。
この場合、前述のように第1及び第2主変速装置10,11の1段低速側への操作が繰り返されても、前項[5][6]に記載のように、シフトアップボタン61又はシフトダウンボタン62の押し操作により第1及び第2主変速装置10,11が操作されていた元の変速位置に達すると(ステップS58)、図5のステップS14,S16,S17,S19〜S22は行われない。
図9に示すように、クラッチペダル52を踏み操作して、開閉弁51が開側に操作され切換弁36a,37aが排油側に操作されて、前進及び後進クラッチ5,6が遮断側に操作された場合(ステップS71)、タイマーのカウントが開始され(ステップS72)、前進及び後進クラッチ5,6の作動圧が検出され(ステップS73)、図1及び図2に示すように、前進及び後進クラッチ5,6の下手側に備えられた回転数センサー69によって、円筒軸7の回転数が検出される(ステップS74)。
これにより、前進及び後進クラッチ5,6の作動圧が零であり(ステップS75)、円筒軸7の回転数が第8所定回転数N11(例えば1000rpm)以下の状態(ステップS76)が、設定時間(例えば0.75秒)に亘って維持されると(ステップS77)、機体が停止したか又は機体の速度が超低速になったと判断されて、第1及び第2主変速装置10,11が自動的に5速の変速位置に操作される(ステップS78)。
前項[3]及び図2に示すように、設定レバー68を走行設定位置D4に設定時間に亘って保持すると、走行設定モードに移行する。このように、走行設定モードが設定されると、前項[6]に記載の走行モード(図7)において、ステップS34の第1所定回転数N4(例えば1200rpm)、ステップS35の第4所定回転数N7(例えば2400rpm)、ステップS36の第5所定回転数N8(例えば2300rpm)、ステップS37の設定値N3(例えば100rpm)、及びステップS39の設定時間(例えば2秒)等を変更することができる。
同様に、前述の走行モード(図8)において、ステップS54の第6所定回転数N9(例えば1000rpm)、ステップS55の第7所定回転数N10(例えば2300rpm)、及びステップS57の設定時間(例えば0.75秒)等を変更することができる。同様に,前述の走行モード(図9)において、ステップS76の第8所定回転数N11(例えば1000rpm)、及びステップS77の設定時間(例えば0.75秒)等を変更することができるのであり、ステップS78の5速の変速位置を、別の低速の変速位置に変更することができる。
[8]
次に、設定レバー68を負荷モード位置D3に操作した状態において、第1及び第2主変速装置10,11が自動的に低速側に操作される状態について、図10,11,12に基づいて説明する。
設定レバー68を負荷モード位置D3に操作すると、負荷モードが設定される。変速レバー28を低速位置L又は高速位置Hに操作し(ステップS91)、前後進レバー59を前進位置Fに操作し(ステップS92)、エンジン1が作動中であって(ステップS93)、前輪19の操向角度が直進位置から右及び左の設定角度の範囲内であり(ステップS94)(機体が小回り旋回していない状態)、ハンドアクセルレバー73を操作していない状態であり(ステップS95)(例えば、エンジン1の設定回転数N1の変化速度が±50rpm/100ミリ秒の範囲内にある状態)、低速又は高速クラッチ26,27の作動圧が伝動状態の作動圧P2の状態であり(ステップS96)、前項[5]に記載のシフトアップボタン61又はシフトダウンボタン62の押し操作による変速操作や、[8]及び後述する[9]の変速操作が終了している状態であると(ステップS97)、ステップS101に移行する。
ステップS101に移行すると、後述する減速側のカウント数KD及び増速側のカウント数KUがリセットされ、エンジン1の設定回転数N1が検出されて(ステップS102)、実際のエンジン1の回転数N2が検出され(ステップS103)、実際のエンジン1の回転数N2の変化速度V1が検出される(ステップS104)(変化速度検出手段に相当)。これにより、エンジン1の設定回転数N1が第9所定回転数N12(例えば1300rpm)以上(ステップS105)、第10所定回転数N13(例えば1600rpm)よりも小さい場合(ステップS106)、ステップS107に移行する。
ステップS107に移行すると、エンジン1の設定回転数N1と実際のエンジン1の回転数N2との回転数差が設定値N14以上、変化速度V1が所定変化速度V11(例えば10rpm/200ミリ秒)以下(ステップS108)、第1及び第2主変速装置10,11の変速位置が、後述する[10]の低速側の限度位置E2でなければ(ステップS109)、ステップS110に移行する。この場合、図13の一点鎖線A4に示すように、設定値N14がエンジン1の設定回転数N1に基づいて設定される。
この場合、エンジン1の設定回転数N1と実際のエンジン1の回転数N2との回転数差が設定値N14以上になることは(ステップS107)、実際のエンジン1の回転数N2が低下する状態を示している。
変化速度V1が正の値であると実際のエンジン1の回転数N2が上昇していることを意味しており、変化速度V1が負の値であると実際のエンジン1の回転数N2が低下していることを意味している。これにより、変化速度V1が所定変化速度V11(例えば10rpm/200ミリ秒)以下になることは(ステップS108)、実際のエンジン1の回転数N2が殆ど変化しない状態(変化速度V1が正の値)、又は実際のエンジン1の回転数N2が低下する状態(変化速度V1が負の値)を示している。
前述のようにしてステップS110に移行すると、所定変化速度V11と変化速度V1との差により、カウント数K1が設定される(ステップS111,S112,S113,S114)。図14に示すように、所定変化速度V11に対して「0」「V12(負の値)」「V13(V12よりも小さな負の値)」が設定されており、所定変化速度V11以下で0以上、0未満でV12以上、V12未満でV13以上、V13未満の4つの領域が設定されて、変化速度V1がどの領域に入るかにより、カウント数K1が「0」「KK1」「KK2」「KK3」に設定される。この場合、0<KK1<KK2<KK3と言う大きさの関係となっている。
次にエンジン1の設定回転数N1と実際のエンジン1の回転数N2との回転数差が設定値N15(例えばN14の1.5倍)以上であると(ステップS115)、カウント数K2が「KK4」(KK4はKK3よりも大きい)に設定され(ステップS116)、エンジン1の設定回転数N1と実際のエンジン1の回転数N2との回転数差が設定値N15(例えばN14の1.5倍)未満であると(ステップS115)、カウント数K2が「0」に設定される(ステップS117)。この場合、図13の一点鎖線A5に示すように、設定値N15がエンジン1の設定回転数N1に基づいて設定される。
前述のようにカウント数K1,K2が設定されると、減速側のカウント数KDにカウント数K1,K2が加算される(ステップS118)。
前述のようにしてステップS102〜S118が繰り返されることにより、減速側のカウント数KDにカウント数K1,K2が加算されて、減速側のカウント数KDが大きくなっていき、減速側のカウント数KDが減速側の設定カウントKD1に達すると(ステップS119)、図5のステップS14,S16,S17,S19〜S22が行われて、第1及び第2主変速装置10,11が1段低速側に操作される(ステップS120)(以上、自動減速手段に相当)。
この場合、標準的な状態において、減速側のカウント数KDが減速側の設定カウントKD1に達するのに例えば約0.75秒程度である。ステップS112,S113,S114のように、所定変化速度V11よりも変化速度V1が小さくなるほど、カウント数K1が大きなものに設定され、ステップS115,S116のように、実際のエンジン1の回転数N2が大きく低下すると、カウント数K2が大きなものに設定されるのであり、減速側のカウント数KDが減速側の設定カウントKD1に早く達して、第1及び第2主変速装置10,11の1段低速側への操作タイミングが早くなる。
逆にステップS111のように、所定変化速度V11と変化速度V1との差が無いと、カウント数K1が「0」に設定され、ステップS115,S117のように、実際のエンジン1の回転数N2があまり低下しないと、カウント数K2が「0」に設定されるので、減速側のカウント数KDが減速側の設定カウントKD1に遅く達して、第1及び第2主変速装置10,11の1段低速側への操作タイミングが遅くなる。
ステップS108のように、変化速度V1が所定変化速度V11(例えば10rpm/200ミリ秒)よりも大きくなると、実際のエンジン1の回転数N2が上昇傾向にあると判断されて、ステップS101に移行し減速側のカウント数KDがリセットされる。
ステップS105において、エンジン1の設定回転数N1が第9所定回転数N12(例えば1300rpm)よりも小さい状態において、実際のエンジン1の回転数N2が第11所定回転数N21(例えば1500rpm)を横切って低下した場合(ステップS121)、減速側のカウント数KDに関係なく、図5のステップS14,S16,S17,S19〜S22が行われて、第1及び第2主変速装置10,11が1段低速側に操作される(ステップS122)。
[9]
次に、設定レバー68を負荷モード位置D3に操作した状態において、第1及び第2主変速装置10,11が自動的に高速側に操作される状態について、図11及び図15に基づいて説明する。
前項[8]のステップS106において、エンジン1の設定回転数N1が第10所定回転数N13(例えば1600rpm)以上の場合に、第1及び第2主変速装置10,11の変速位置が、後述する[10]の高速側の限度位置E3でなければ(ステップS131)、ステップS132に移行する。
ステップS132に移行すると、エンジン1の設定回転数N1と実際のエンジン1の回転数N2との回転数差が検出されて、エンジン1の設定回転数N1と実際のエンジン1の回転数N2との回転数差が設定値N16(例えば130rpm)以下になっていると、実際のエンジン1の回転数N2が上昇していると判断される。この場合、図13の一点鎖線A6に示すように、設定値N16がエンジン1の設定回転数N1に基づいて設定される。エンジン1の設定回転数N1と実際のエンジン1の回転数N2との回転数差が設定値N16(例えば130rpm)以下になっていると(ステップS132)、エンジン1の設定回転数N1と実際のエンジン1の回転数N2との回転数差により(ステップS133)、カウント数K3が設定される(ステップS135,S136,S137)。
図16に示すように、設定値N16に対応する回転数N18(所定回転数に相当)に対して、N17,N19,N20が設定されており、N17<N18<N19<N20と言う大きさの関係となっている。これにより、N20以上、N20未満でN19以上、N19未満でN18以上、N18未満でN17以上、N17未満の5つの領域が設定されている。これにより、実際のエンジン1の回転数N2がどの領域に入るかによって(ステップS133)、カウント数K3が「KK6」「KK7」「KK8」に設定される(ステップS135,S136,S137)。この場合、「KK6」「KK7」「KK8」は正の値であり、KK6<KK7<KK8と言う大きさの関係となっている。
エンジン1の設定回転数N1と実際のエンジン1の回転数N2との回転数差が設定値N16(例えば130rpm)よりも大きい場合(ステップS132)、実際のエンジン1の回転数N2がN18未満でN17以上の領域に入っていると(ステップS134)、カウント数K3が「−KK5」に設定される(ステップS138)。この場合、「−KK5」は負の値となっている。
このようにカウント数K3が設定されると、増速側のカウント数KUにカウント数K3が加算される(ステップS139)。この場合、増速側のカウント数KUにカウント数K3「KK6」「KK7」「KK8」が加算されると、増速側のカウント数KUは増加し、増速側のカウント数KUにカウント数K3「−KK5」が加算されると、増速側のカウント数KUは減少する。
前述のようにしてステップS102〜S139が繰り返されることにより、増速側のカウント数KUにカウント数K3が加算されて、増速側のカウント数KUが大きくなっていき、増速側のカウント数KUが増速側の設定カウントKU1に達すると(ステップS140)、図5のステップS13,S16,S17,S19〜S22が行われて、第1及び第2主変速装置10,11が1段高速側に操作される(ステップS141)(以上、自動増速手段に相当)。
この場合、標準的な状態において、増速側のカウント数KUが増速側の設定カウントKU1に達するのに、例えば約2.0秒程度である。ステップS135,S136,S137のように、設定値N16に対応する回転数N18よりも実際のエンジン1の回転数N2が大きくなるほど(エンジン1の設定回転数N1と実際のエンジン1の回転数N2との回転数差が設定値N16よりも小さくなるほど)、カウント数K3が大きなものに設定される。これにより、増速側のカウント数KUが増速側の設定カウントKU1に早く達して、第1及び第2主変速装置10,11の1段高速側への操作タイミングが早くなる。
逆にステップS138のように、設定値N16に対応する回転数N18よりも実際のエンジン1の回転数N2が小さくなると(エンジン1の設定回転数N1と実際のエンジン1の回転数N2との回転数差が設定値N16よりも大きくなると)、カウント数K3が負の値「−KK5」に設定されるので、増速側のカウント数KUが増速側の設定カウントKU1に遅く達して、第1及び第2主変速装置10,11の1段高速側への操作タイミングが遅くなる。
ステップS134のように、実際のエンジン1の回転数N2がN17(図16参照)よりも小さくなると、実際のエンジン1の回転数N2が上昇していないと判断されて、ステップS101に移行し増速側のカウント数KUがリセットされる。
[10]
次に、設定レバー68を走行設定位置D4及び負荷設定位置D5に操作した場合について説明する。
図2に示すように、設定レバー68を走行設定位置D4に操作して設定時間に亘って保持すると、走行設定モードが設定される。走行設定モードが設定された状態において、前項[6]及び図7のステップS42,S43,S44,S45の第1及び第2主変速装置10,11が1段高速側に操作される回数を、シフトアップボタン61及びシフトダウンボタン62により、任意に変更することができる。前項[7]及び図9のステップS78において、第1及び第2主変速装置10,11が自動的に操作される変速位置を、シフトアップボタン61及びシフトダウンボタン62により、任意に5速の変速位置から別の変速位置に変更することができる。
前項[8][9]に記載のように、負荷モードが設定された状態において、第1及び第2主変速装置10,11が自動的に低速側及び高速側に操作される場合、第1及び第2主変速装置10,11が低速側及び高速側の限度位置E2,E3の範囲内で操作される(ステップS109,S131)。基準変速位置が設定されており、基準変速位置の1段低速側の変速位置が低速側の限度位置E2として設定され、基準変速位置の1段高速側の変速位置が高速側の限度位置E3として設定されている。
図2に示すように、設定レバー68を負荷設定位置D5に操作して設定時間に亘って保持すると、負荷設定モードが設定される。負荷設定モードが設定された状態において、基準変速位置をシフトアップボタン61及びシフトダウンボタン62により、低速側及び高速側に任意に変更することができる。同様に基準変速位置の2段低速側の変速位置を低速側の限度位置E2として設定したり、基準変速位置の2段高速側の変速位置を高速側の限度位置E3として設定したりと言うように、低速側及び高速側の限度位置E2,E3をシフトアップボタン61及びシフトダウンボタン62により、低速側及び高速側に任意に変更することができる。
[11]
次に、変速レバー28による副変速装置12の操作について説明する。
変速レバー28を中立位置Nに操作すると、副変速装置12(シフト部材53)が中立位置に操作され、変速レバー28を低速位置Lに操作すると、副変速装置12(シフト部材53)が低速位置に操作され、変速レバー28を高速位置Hに操作すると、副変速装置12(シフト部材53)が高速位置に操作される。
例えば前後進レバー59を前進位置Fに操作し(前進クラッチ5が伝動側に操作され、後進クラッチ6が遮断側に操作されている状態)、変速レバー28を低速位置L(高速位置H)に操作している状態において(操作ボタン57及びロックピン56により変速レバー28を低速位置L(高速位置H)に保持している状態)、操作ボタン57を押し操作してロックピン56をガイド板60から退入操作すると、電磁操作弁36bにより切換弁36aが排油側に操作されて、前進クラッチ5が遮断側に操作される。
これにより、操作ボタン57を押し操作した状態で変速レバー28を低速位置L(高速位置H)から中立位置N、高速位置H(低速位置L)に操作して、操作ボタン57を戻し操作し、ロックピン56により変速レバー28を中立位置N、高速位置H(低速位置L)に保持する。
この場合、変速レバー28の中立位置Nにおいて操作ボタン57を戻し操作すると、電磁操作弁36bにより切換弁36aが供給側に操作されて、電磁比例弁35により前進クラッチ5が直ちに伝動側に操作される。変速レバー28の高速位置H(低速位置L)において操作ボタン57を戻し操作すると、電磁操作弁36bにより切換弁36aが供給側に操作されて、電磁比例弁35により前進クラッチ5が漸次的に伝動側に操作される。
前後進レバー59を後進位置Rに操作した状態において(後進クラッチ6が伝動側に操作され、前進クラッチ5が遮断側に操作されている状態)、前述のように変速レバー28の操作ボタン57を押し及び戻し操作すると、前述と同様に後進クラッチ6が遮断側及び伝動側に操作される。
[発明の実施の第1別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]の[8]において、図10のステップS91〜S97に、以下のような項目(1)(2)(3)を追加してもよい。
(1)機体の後部に備えられたリンク機構(図示せず)(作業装置(例えばロータリ耕耘装置やプラウ等)が連結されるもの)が、所定高さ以上に上昇駆動されていると、ステップS101に移行しない。
(2)リンク機構を上限位置まで一気に上昇駆動する上昇操作が行われると、ステップS101に移行しない。
(3)図1の前輪変速装置16において、増速クラッチ46が伝動側に操作されると、ステップS101に移行しない。前輪変速装置16が作動状態に設定されている場合、前輪1が直進位置を挟んだ右及び左の設定角度に操向操作されていると、標準クラッチ45が伝動側に操作されて前輪19及び後輪14が略同じ速度で駆動され、前輪1が右及び左の設定角度以上に操向操作されると、増速クラッチ46が伝動側に操作されて前輪19が後輪14よりも高速で駆動される。前輪変速装置16が停止状態に設定されている場合、前輪1の操向操作に関係なく、標準クラッチ45が伝動側に操作されて、増速クラッチ46は伝動側に操作されない。
[発明の実施の第2別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態][発明の実施の第1別形態]において、以下の(1)(2)(3)(4)のように構成してもよい。
(1)[発明を実施するための最良の形態]の[8]及び図12のステップS110において、領域を設定するのではなく、所定変化速度V11と変化速度V1との差に基づいてカウント数K1が比例的に設定されるように構成する。
(2)[発明を実施するための最良の形態]の[8]及び図12のステップS111,S112,S113,S114,S116,S117において、カウント数K1,K2を設定するのではなく、減速側の設定カウントKD1が増減されるように構成する。
(3)[発明を実施するための最良の形態]の[9]及び図15のステップS132,S133において、領域を設定するのではなく、設定値N16に対応する回転数N18と実際のエンジン1の回転数N2との回転数差が、設定値N16からどの程度離されいるかに基づいて、カウント数K3が比例的に設定されるように構成する。
(4)[発明を実施するための最良の形態]の[9]及び図15のステップS135,S136,S137,S138においてカウント数K3を設定するのではなく、増速側の設定カウントKU1が増減されるように構成する。
[発明の実施の第3別形態]
前述の[発明の実施の形態][発明の実施の第1別形態][発明の実施の第2別形態]において、図1に示す副変速装置12を第2主変速装置11と同様に、油圧多板式の低速クラッチ(図示せず)及び高速クラッチ(図示せず)を並列的に配置して構成し、副変速装置12の低速及び高速クラッチの各々に対して、電磁比例弁(図示せず)を備えるように構成してもよい。このように構成すると、第1及び第2主変速装置10,11、副変速装置12によって1速〜16速の変速位置が設定されることになり、シフトアップボタン61及びシフトダウンボタン62を押し操作することにより、第1及び第2主変速装置10,11、副変速装置12を、1速〜16速の変速位置に操作することができるように構成する。
[発明の実施の第4別形態]
前述の[発明の実施の形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第3別形態]において、図1に示す第1及び第2主変速装置10,11は油圧クラッチ型式に構成されているが、第1及び第2主変速装置10,11を副変速装置12と同様にシフト部材(図示せず)をスライド操作するギヤ変速型式に構成し、シフト部材を油圧シリンダ(図示せず)によりスライド操作して操作するように構成してもよい。
第1及び第2主変速装置10,11が10段や6段に変速可能に構成された作業車、副変速装置12が高速位置、中速位置及び低速位置の3段に変速可能に構成された作業車、第1及び第2主変速装置10,11が静油圧式やベルト式の無段変速装置に構成された作業車にも本発明は適用できる。
ミッションケースの伝動系を示す概略図 変速レバー、シフトアップボタン及びシフトダウンボタン、設定レバーと各部との連係状態を示す図 前進及び後進クラッチ、第1及び第2主変速装置等の油圧回路図 前後進レバーを操作した際の制御の流れを示す図 手動モードにおいて、シフトアップボタン及びシフトダウンボタンを押し操作した際の制御の流れを示す図 手動モードにおいて、シフトアップボタン及びシフトダウンボタンを押し操作した際の1速〜4速クラッチ、低速及び高速クラッチの状態を示す図 走行モードにおいて、第1及び第2主変速装置が自動的に高速側に操作される状態での制御の流れを示す図 走行モードにおいて、第1及び第2主変速装置が自動的に低速側に操作される状態での制御の流れを示す図 走行モードにおいて、第1及び第2主変速装置が自動的に5速の変速位置に操作される状態での制御の流れを示す図 負荷モードにおいて、第1及び第2主変速装置が自動的に低速側及び高速側に操作される状態での制御の前半の流れを示す図 負荷モードにおいて、第1及び第2主変速装置が自動的に低速側及び高速側に操作される状態での制御の後半の流れを示す図 負荷モードにおいて、第1及び第2主変速装置が自動的に低速側に操作される状態での制御の流れを示す図 エンジンの設定回転数と設定値との関係を示す図 負荷モードにおいて、所定変化速度の付近の状態を示す図 負荷モードにおいて、第1及び第2主変速装置が自動的に高速側に操作される状態での制御の流れを示す図 負荷モードにおいて、エンジンの設定回転数、設定値、設定値に対応する回転数の付近の状態を示す図
符号の説明
1 エンジン
10,11 走行用の変速装置
72 回転数検出手段
K1,K2 カウント数(自動減速手段)
KD 加算されたカウント数(自動減速手段)
KD1 設定カウント数(自動減速手段)
K3 カウント数(自動増速手段)
KU 加算されたカウント数(自動増速手段)
KU1 設定カウント数(自動増速手段)
N2 実際のエンジンの回転数
N18 所定回転数
V1 変化速度
V11 所定変化速度

Claims (3)

  1. 走行用の変速装置と、実際のエンジンの回転数の変化速度を検出する変化速度検出手段とを備え、
    実際のエンジンの回転数が低下する際に、実際のエンジンの回転数の変化速度が所定変化速度よりも低下側になると、実際のエンジンの回転数の変化速度と所定変化速度との差が大きくなるほど大きく設定されるカウント数を繰り返し加算して、前記加算されたカウント数が減速側の設定カウント数に達すると、前記走行用の変速装置を低速側に操作する自動減速手段を備えてある作業車の走行変速構造。
  2. 走行用の変速装置と、実際のエンジンの回転数を検出する回転数検出手段とを備え、
    実際のエンジンの回転数が上昇する際に、実際のエンジンの回転数が所定回転数よりも高側になると、実際のエンジンの回転数と所定回転数との差が大きくなるほど大きく設定されるカウント数を繰り返し加算して、前記加算されたカウント数が増速側の設定カウント数に達すると、前記走行用の変速装置を高速側に操作する自動増速手段を備えてある作業車の走行変速構造。
  3. 実際のエンジンの回転数が上昇する際に、実際のエンジンの回転数が所定回転数よりも低側になると、前記加算されたカウント数が減算されるように構成してある請求項2に記載の作業車の走行変速構造。
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