〔実施の形態1〕
本発明の実施の形態について説明すれば、以下の通りである。
図1は、本発明の画像処理装置(カラー画像処理装置)の構成を示すブロック図である。本実施の形態においては、画像形成装置として、デジタルカラー複写機を例に挙げて説明する。
図1に示すように、カラー画像処理装置1は、A/D(アナログ/デジタル)変換部2、シェーディング補正部3、入力階調補正部4、色補正部7、黒生成下色除去部8、空間フィルタ処理部9、出力階調補正部10、階調再現処理部11、および操作パネル12から構成されている。カラー画像処理装置1に、カラー画像入力装置13とカラー画像出力装置14とが接続されており、全体としてデジタルカラー複写機を構成している。
さらに、上記カラー画像処理装置1には、入力階調補正部4と色補正部7との間に、解像度変換部51、領域分離処理部5、制御部52、メモリ53が設けられている。
上記カラー画像入力装置13(画像読取手段)は、例えばCCD(Charge Coupled Device)を備えたスキャナ部より構成され、原稿からの反射光像を、RGB(R:赤、G:緑、B:青)のアナログ信号としてCCDにて読み取り、RGBのアナログ信号をカラー画像処理装置1に出力するものである。
上記カラー画像入力装置13にて読み取られたアナログ信号は、カラー画像処理装置1内を、A/D変換部2、シェーディング補正部3、入力階調補正部4、色補正部7、黒生成下色除去部8、空間フィルタ処理部9、出力階調補正部10、階調再現処理部11の順に送られ、C(シアン)・M(マゼンタ)・Y(イエロー)・K(黒)のデジタルカラー信号としてカラー画像出力装置14へ出力される。
上記の入力階調補正部4からの出力された信号は、色補正部7の他に解像度変換部51に出力されるようになっている。この解像度変換部51では、入力された画像データの解像度を変換して後段の領域分離処理部5に出力するようになっている。この解像度変換についての詳細は後述する。
上記A/D変換部2は、RGBのアナログ信号をデジタル信号に変換するものであり、シェーディング補正部3は、A/D変換部2より送られてきたデジタルのRGB信号に対して、カラー画像入力装置13の照明系、結像系、撮像系で生じる各種の歪みを取り除く処理を施すものである。
入力階調補正部4は、シェーディング補正部3にて各種の歪みが取り除かれたRGB信号(RGBの反射率信号)を濃度信号等、カラー画像処理装置1に採用されている画像処理システムの扱いやすい信号に変換する。また、カラーバランスを整えると同時に下地濃度の除去やコントラストなどの画質調整処理等を行う。
上記解像度変換部51は、網点を検出する際に動作し、上記入力階調補正部4からのRGB信号の解像度を変換するものである。ここで、解像度変換に使用されるデータとして、カラー画像入力装置13によってプレスキャンにより読み込まれた画像データを使用するのが好ましいが、通常の条件でスキャン(本スキャン)し、A/D変換・シェーディング補正された画像データを一旦ハードディスク等の画像メモリに格納し、画像メモリから読み出された画像データに対して、解像度変換(低解像度化)を施すようにしてもよい。
また、上記解像度変換部51において施される解像度変換の方法としては、ニアレストネイバー方式・バイリニア方式・バイキュービック方式等を用いることができる。
上記ニアレストネイバー方式は、補間点から最も近くにある画像構成点の色をそのまま補間点の色とする方式であり、上記3種類の方式のうち最も単純な拡大・縮小(解像度変換)アルゴリズムである。つまり、ニアレストネイバー方式では、原画像の1点1点が、正方形のタイルとなって敷き詰められたように画像が拡大される。
この方式の利点は、高速な処理が可能であることと、画像のコントラストが失われないことが挙げられる。
上記バイリニア方式は、補間点の周囲にある4画像構成点の色の加重平均値を補間点の色とする方式であり、上記ニアレストネイバー方式よりも高品位な滑らかな拡大画像が得られる。
上記バイキュービック方式は、補間点の周囲にある4x4=16画像構成点をキュービックスプライン法により補間した結果を、補間点の色とする方式であり、上記の2種類の方式に比べてかなり滑らかな拡大画像を得ることができる。
本実施の形態においては、解像度変換部51で施される解像度変換の方式として、処理の軽さや精度のバランスを鑑みてニアレストネイバー方式を採用している。
なお、上記解像度変換部51は、網点以外を検出する際は、動作しない(スルー処理)ようにするのが消費電力等の観点からよいが、網点以外を検出する際に動作してもよい。
上記解像度変換部51の動作の制御は、該解像度変換部51に接続されている制御部52(例えば、CPU)で行われる。尚、プレスキャンのデータを用いる場合、副走査方向の解像度は通常高速化のため本スキャン時の解像度にくらべて低く設定されていることを前提とし、主走査方向の画像データに対して解像度変換を行う。あるいは、解像度変換部51を、領域分離処理部5に備えられる網点判定部(後述)の前段に設けるようにしても良い。
上記領域分離処理部5は、解像度変換部51を介して入力されたRGB信号に基づき、入力画像中の各画素を文字領域、網点領域、写真(印画紙写真)領域の何れかに分離するものである。領域分離処理部5は、分離結果に基づき、画素がどの領域に属しているかを示す領域識別信号を、黒生成下色除去部8、空間フィルタ処理部9、および階調再現処理部11へと出力するようになっている。ここで、領域分離処理部5には、解像度変換が施された画像データに対して、該領域分離処理部5によって得られた網点判定結果を保持しておくメモリ53が接続されている。このメモリ53は、プレスキャンにより読み込まれた画像データ、あるいは、ハードディスク等の画像メモリから読み出された画像データを用いて、一旦求めた網点判定結果を保持する際に機能するものであり、文字検出を行うと共に、解像度変換された画像データに対して網点検出を行うリアルタイム処理では必要ない。
上記色補正部7は、色再現の忠実化実現のために、不要吸収成分を含むCMY色材の分光特性に基づいた色濁りを取り除く処理を行うものである。
上記黒生成下色除去部8は、色補正後のCMYの3色信号からK信号を生成する黒生成、元のCMY信号から黒生成で得たK信号を差し引いて新たなCMY信号を生成する処理を行うものである。すなわち、黒生成下色除去部8は、CMYの3色信号をCMYKの4色信号に変更するものである。
上記空間フィルタ処理部9は、上記黒生成下色除去部8より入力したCMYK信号の画像データに対して、領域識別信号を基にデジタルフィルタによる空間フィルタ処理を行い、空間周波数特性を補正することによって出力画像のぼやけや粒状性劣化を防ぐように処理するものである。
上記出力階調補正部10は、濃度信号などの信号をカラー画像出力装置14の特性値である網点面積率に変換する出力階調補正処理を行うものである。
上記階調再現処理部11は、CMYK信号の画像データに対して、領域識別信号を基に、最終的に画像を画素に分離してそれぞれの階調を再現できるように処理する階調再現処理(中間調生成)を施すものである。
上記操作パネル12は、例えば液晶ディスプレイなどの表示部とデジタルカラー複写機全体の動作等を制御する設定ボタン(例えば、コピーを行う原稿種別を表す画像モード(文字モード・文字写真モード・写真モード等)を設定)等から構成される。
なお、上述した各処理が施された画像データは、図示しない記憶手段に一旦記憶され、所定のタイミングで読み出されてカラー画像出力装置14に入力されるようになっており、以上の各処理は、図示しないCPU(Central Processing Unit)により制御されている。
ここで、上記構成を有するデジタルカラー複写機による画像処理方法について説明する。
まず、プレスキャンが実行される。すなわち、カラー画像入力装置13が原稿の画像データをRGBのアナログ信号として読み取り、カラー画像処理装置1へ出力する。
カラー画像処理装置1は、入力したアナログ信号をA/D変換部2にてRGBのデジタル信号に変換し、シェーディング補正部3へ出力する。シェーディング補正部3は、入力したRGBのデジタル信号に対して、カラー画像入力装置13の照明系、結像系、撮像系で生じた各種の歪みを取り除いた後に、RGB信号は入力階調補正部4に入力される。入力階調補正部4は、入力したRGB信号のカラーバランスを整えると同時に下地濃度の除去やコントラストなどの画質調節処理を施した後に、後段の色補正部7と解像度変換部51へ出力する。なお、このプレスキャン時には、上記色補正部7は作動せず、上記解像度変換部51が作動するものとする。
解像度変換部51は、上記入力階調補正部4によって入力階調補正処理が施された画像データに対して解像度変換を施す。
そして、領域分離処理部5は、上記解像度変換部51によって解像度変換された画像データより網点領域を抽出し、その結果をメモリ53に格納する。
次に、本スキャンにより、再度、画像データを読み込んで、A/D変換・シェーディング補正および入力階調補正処理がなされる。あるいは、ハードディスク等に格納されている画像データを読み出して入力階調補正処理がなされる。この時、入力階調補正部4によって入力階調補正処理が施された画像データは、プレスキャン時と同様に、後段の色補正部7と解像度変換部51に出力されるが、解像度変換部51では、解像度変換処理は施されない。
そして、領域分離処理部5は、入力したRGB信号より、入力画像中の各画素を文字領域、写真領域(あるいはその他領域)のいずれかに分離すると共にメモリから網点判定結果を読み出して、領域識別信号を黒生成下色除去部8、空間フィルタ処理部9および階調再現処理部11へと出力する。
上記色補正部7では、入力階調補正部4からのRGB信号を、不要吸収成分を含むCMY色材の分光特性に基づいた色濁りを取り除く処理を行った後、色補正後のCMY信号を黒生成下色除去部8へ出力する。
上記黒生成下色除去部8は、入力したCMY信号からK信号を生成する黒生成と、入力したCMY信号からK信号を差し引いて新たなCMY信号を生成する処理とを行う。CMYの3色信号は、CMYKの4色信号に変換された後に空間フィルタ処理部9へ出力される。ここでは、領域分離処理部5からの領域識別信号に基づいて、各領域に適したCMYK信号を生成する。
黒生成処理の一例としては、UCR(下色除去処理)による黒生成を行う方法(一般的方法)がある。この方法では、黒生成カーブの入出力特性をy=f(x)、入力されるデータをC,M,Y、出力されるデータをC',M',Y',K'、UCR(Under Color Removal)率をα(0<α<1)とすると、黒生成下色除去処理は以下の式(1)〜式(4)で表される。
上記空間フィルタ処理部9は、入力したCMYK信号の画像データに対して、領域識別信号に基づいてデジタルフィルタによる空間フィルタ処理を行い、空間周波数特性を補正することによって出力画像のぼやけや粒状性劣化を防ぐように処理する。また、階調再現処理部11は、空間フィルタ処理部9と同様に、CMYK信号の画像データに対して、領域識別信号に基づいて所定の処理を施す。
例えば、領域分離処理部5にて文字に分離された領域は、特に黒文字或いは色文字の再現性を高めるために、空間フィルタ処理部9による空間フィルタにおいて鮮鋭強調処理が行われ高周波数の強調量が大きくされる。同時に、階調再現処理部11においては、高域周波数の再現に適した高解像度のスクリーンでの二値化または多値化が選択される。
また、領域分離処理部5にて網点領域に分離された領域に関しては、空間フィルタ処理部9において、入力網点成分を除去するためのローパス・フィルタ処理が施される。そして、出力階調補正部10では、濃度信号などの信号をカラー画像出力装置14の特性値である網点面積率に変換する出力階調補正処理を行った後、階調再現処理部11で、最終的に画像を画素に分離してそれぞれの階調を再現できるように処理する階調再現処理(中間調生成)が施される。
なお、領域分離処理部5にて写真に分離された領域に関しては、階調再現性を重視したスクリーンでの二値化または多値化処理が行われる。
上述のカラー画像処理装置1によって、カラー画像入力装置13から入力された画像データに対して一連の画像処理が施されて得られたCMYK信号は、カラー画像出力装置14に出力される。
上記カラー画像出力装置14は、入力されたCMYK信号に基づいて用紙に出力する。
ここで、領域分離処理部5において、文字領域、網点領域、写真領域(あるいはその他領域)のいずれかに分離する方法について図2及び図3を参照しながら以下に説明をする。
図2は、領域分離処理部5の概略構成を示すブロック図であり、図3は、領域分離処理の流れを概念的に示した概念図である。
上記領域分離処理部5において、入力画像データを文字・網点・写真領域などに分離する方法としては、例えば非特許文献2(「画像電子学会研究会予稿90-06-04」)に記載されている方法を用いることができる。以下に詳細を説明する。注目画素を中心としたM ×N(M 、N は自然数) 画素のブロック内で以下のような判定を行い、それを注目画素の領域識別信号とする。
さらに、ブロック内の画素に対して信号レベルの平均値 (Dave)を求め、その平均値を用いてブロック内の各画素を2 値化する。また、最大画素信号レベル (Dmax)、最小画素信号レベル (Dmin)も同時に求める。
上記の領域分離処理を実現するために、上記領域分離処理部5は、図2に示すように、文字領域を検出する文字検出部20と、網点領域を検出する網点検出部21と、これら検出部の検出結果に基づいて、文字領域あるいは網点領域の何れかを判定する判定部22とを備えた構成となっている。
文字領域では、最大信号レベルと最小信号レベルの差が大きく、濃度も高いと考えられることから、上記文字検出部20は、文字領域の識別を以下のように行う。最大、最小信号レベルとそれらの差分 (Dsub)を閾値PA ,PB ,PC と比較し、どれか一つが上回ったならば文字領域とする。
すなわち、文字検出部20では、信号レベルが、
Dmax >PA 、または、Dmin >PB、または、Dsub >PC
の何れかの関係を満たしていれば、文字領域としている。
一方、網点領域では、小領域における画像信号の変動が大きいことや、背景に比べて濃度が高いことを利用し、上記網点検出部21は、網点領域を以下のように行う。2値化されたデータに対して主走査、副走査方向でそれぞれ0から1への変化点数、1から0への変化点数を求めて、それぞれKH , KVとし、閾値TH,TVと比較して両者が共に閾値を上回ったら網点領域とする。また、背景との誤判定を防ぐために、先に求めたDmax , Dmin , Dave を閾値B1,B2と比較する。
そして、以下の関係式を満たした時に、上記網点検出部21は、網点領域であると判断する。
Dmax −Dave >B1,
かつ,Dave −Dmin >B2,
かつ,KH>TH,
かつ,KV>TV
上記判定部22は、上記文字検出部20および網点検出部21の検出結果に基づいて領域識別信号を出力する。ここで、判定部22は、以下に示す表1に従って領域識別信号を出力する。
この表1において、文字検出部で文字、網点検出部で網点と判定された時を「1」、そうでない時を「0」で表している。網点領域でも文字領域でもない領域の画素はその他(写真)領域とする。以上によって、文字領域・網点領域・その他(写真領域)に分離することができる。
なお、判定部22における領域識別信号の作成には、上記の表1に示す結果を用いることに限定されるものではなく、他の方法であってもよい。例えば、文字検出部20の文字検出方法や、網点検出部21の網点検出方法が上述したものと異なれば、判定部22における判定の動作も上記とは異なる。
本実施の形態では、上記領域分離処理部5には、上述した解像度変換部51を介して、領域分離処理部5内の文字検出部20と網点検出部21とで解像度を異ならせて入力されるようになっている。ここでは、文字検出部20に対しては解像度変換しない状態のRGB信号が出力される一方、網点検出部21に対しては解像度変換(低解像度変換)したRGB信号が出力されるようになっている。これにより、解像度変換部51に入力された同じRGB信号であっても、網点検出部21へ入力されるRGB信号の解像度は、文字検出部20へ入力されるRGB信号の解像度よりも低くなっている。
なお、網点検出部21へ入力されるRGB信号の解像度は、文字検出部20へ入力されるRGB信号の解像度よりも低ければよいので、入力されるRGB信号の解像度は、網点検出部21のみならず、文字検出部20においても変換するようにしてもよい。
本実施の形態では、図3に示すように、網点検出にのみ解像度変換された信号が入力されるものとする。なお、領域分離処理部5における網点検出及び文字検出は、同時に実行されるものであり、全ての画素に対して行われる。
上記のように、網点検出部21に入力される信号の解像度を下げることで、該網点検出部21における網点領域の検出精度を向上させることができる。
以下に、網点検出における解像度変換による効果について説明する。
本発明は、領域分離処理の性能を高めるために領域分離処理部5における文字検出部20と網点検出部21への入力解像度を異ならせることを特徴としている。
特に、網点検出においては、入力画像データの解像度を低下させることにより、より多くの情報を得ることで網点領域の検出精度を高めている。例えば、図4に示すように、入力画像データの解像度が600dpiであり、線数が133の網点の場合、解像度変換を行わないで網点を検出する場合、網点の検出に必要な情報を○で示すと、その数は8個であるのに対して、解像度変換を行って300dpiに低下させて網点を検出する場合、解像度変換を行わないで網点を検出する場合と同じサイズのマスク内の網点の検出に必要な情報としての○の数は、25個になる。
このことから、入力画像データの解像度を低下させることにより、網点検出に必要な○の数、すなわち情報量を多くすることができるので、網点の検出精度を向上させることが可能となる。
このように、解像度を低下させることは、網点の検出のためのエリアを擬似的に拡げることになるので、網点のように広いエリアに存在する場合に非常に有利になる。
解像度変換の有無における網点領域の検出精度の違いについて、図5(a)〜(f)および図6(a)〜(f)を参照しながら以下に説明する。
図5(a)〜(f)および図6(a)〜(f)において、縦軸及び横軸の数値は座標を表している。また、図5(a)〜(c)及び図6(a)〜(c)aは、文字領域に相当する入力画像に対する網点検出の結果を示し、図5(d)〜(f)及び図6(d)〜(f)は、網点領域に相当する入力画像に対する網点検出の結果を示している。
図5(a)(d)及び図6(a)(d)は、共にカラー画像入力装置13で読み取った画像を、A/D変換・シェーディング補正および入力階調補正処理を施した後の画像である。なお、図5(a)(d)は、600dpi(dot per inch)の入力画像であり、図6(a)(d)は、600dpiの入力画像をニアレストネイバーによって解像度変換を行った300dpiの入力画像である。
図5(b)(e)及び図6(b)(e)は、上記網点検出方法で算出されるKH、KVの小さい方の値を濃度で示している。従って、この値が大きい(濃度が高い)ほど網点の可能性が高くなることを示している。図5(c)(f)及び図6(c)(f)は、上記図5(b)(e)及び図6(b)(e)の値にしきい値処理を施して2値化した結果である。白い部分は網点として検出された領域、黒い部分は網点として検出されなかった領域を示している。
上記網点検出方法を用いてそれぞれの入力解像度において条件を合わせて比較を行うために、先ず、基準となる同一の文字画像の600dpi画像(図5(a))と300dpi画像(図6(a))を用意し、この基準文字画像に対して網点検出が誤検知しないしきい値を設定した。つまり、このしきい値を用いて、2値化処理を施せば、図5(c)及び図6(c)に示すように、網点検出率が0%、すなわち共に網点として誤検出されている領域が存在していない。
次に、上記のようにして設定したしきい値を用いて、同一の網点画像、すなわち図5(d)に示す画像(600dpiの画像)と、図6(d)に示す画像((600dpi入力を、ニアレストネイバー)を用いて300dpiに解像度変換を行った画像)とに対してそれぞれ網点検出処理を行った結果、図5(f)に示すように、600dpi入力画像では網点検出率48.7%であったものが、図6(f)に示すように、300dpi入力画像の網点検出率は同一網点検出アルゴリズムにおいて74.8%であった。
従って、網点検出では上記網点検出用のマスクが注目画素を中心としたM×N(M,Nは自然数)画素の固定ブロックである場合には、低解像度の方が有利になることが確認できる。一方、文字検出は文字の詳細部分を検出するために解像度を高める必要があるため、文字検出部と網点検出部に対して異なる入力解像度を供給することは領域分離の検出精度を高める上で非常に有効である。つまり、領域認識の精度を上げるには、文字検出の解像度を高く、網点検出の解像度を低くする必要がある。
以下の実施の形態2においては、網点検出の精度をさらに高めるために、網点画像の線数を認識した情報を利用する点について説明する。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態では、前記実施の形態1と同様の機能を奏する部材については、同一符号付記し、その説明は省略する。
本実施の形態にかかるデジタルカラー複写機は、図7に示すように、前記実施の形態で説明した図1に示すデジタルカラー複写機に対して、網点線数算出部71が設けられたカラー画像処理装置61を有している点で異なる。
上記網点線数算出部71は、図8に示すように、解像度変換部51の前段に設けられており、入力階調補正部4(図7)からのRGB信号から網点線数を算出するようになっている。
上記網点線数算出部71と解像度変換部51との関係は、例えば図9に示すようになる。すなわち、入力階調補正処理が施された入力画像データに対して、線数認識部(網点線数算出部71)において認識した結果と、この認識結果に基づいて適切な解像度となるように解像度変換部(解像度変換部51)によって解像度変換され、この解像度変換が施された入力画像データを用いて網点検出を行うことで、網点検出精度の向上を図るようにしている。
つまり、網点画像の線数に応じた最適な解像度変換を行うことで、網点検出の精度を向上させている。
ここで、入力画像の線数に対する解像度と判定結果の差異について、図10(a)(b)を参照しながら以下に行う。
判定方法は上記網点検出アルゴリズムを使用し各解像度変換は600dpiの入力画像を基準文字原稿の画像として、それぞれニアレストネイバー方式によって変換を行った。
すなわち、図10(a)に示す基準文字原稿を用いて、文字を誤検知しない程度にしきい値を設定し、この設定したしきい値を用いて網点検出を行った結果の網点検出率を、図10(b)に示す。
図10(b)に示す結果によると、入力原稿の線数が粗く(線数が小さく)なるにつれて、解像度が低い方の検出率が上がることがわかる。従って、入力原稿(入力画像)を予め後述する線数認識によって線数を判別し、その線数にあった解像度に変換した画像を網点検出部に供給することは非常に効果があることが分かる。
ここで、上記構成のデジタルカラー複写機における領域分離処理の動作の流れについて、図7及び図11を参照しながら以下に説明する。
まず、網点線数算出部71は、入力画像データに対して、網点線数算出処理を施す(ステップS1)。ここで、入力画像データの解像度は、600dpiとする。
次に、解像度変換部51は、入力画像データに対して、ステップS1で算出した網点線数に応じた解像度に変換する(ステップS2)。ここで、ステップS1で算出した網点線数が低線数(65〜85線)であればステップS3に移行して、解像度を600dpiから150dpiに変換する。また、ステップS1で算出した網点線数が中間線数(120〜133線)であればステップS4に移行して、解像度を600dpiから300dpiに変換する。さらに、ステップS1で算出した網点線数が高線数(150線以上)であればステップS5に移行して、解像度を600dpiから400dpiに変換する。
続いて、領域分離処理部5の網点検出部21は、解像度変換された入力画像データから網点領域判定処理を施す(ステップS6)。
次いで、解像度変換処理が施されていない入力画像データが領域分離処理部5の文字検出部20に読み出される(ステップS7)。
次に、上記文字検出部20は、入力画像データから文字領域判定処理を施す(ステップS8)。
上記の一連の処理(ステップS1からステップS8)を画像全域について行う。上記したように、S1からS6の網点領域判定処理とS8の文字領域判定処理は並列に処理を行っても構わない。
ここで、ステップS1で施される網点線数算出処理について説明する。この網点線数の算出方法としては、一例として以下のような方法が可能である。入力画像データの任意の画素を中心としてm×n画素のマスクを切り出す。但し、この切り出されたマスクに対して周波数解析処理として FFT(高速フーリエ変換)を利用するために通常はm,n:2k
として設定することが好ましい。本実施の形態では一例として、m=16,n=16、即ちk=4を使用するが、これに限定されるものではない。
このようにして注目画素を中心として切り出されたm×n=16×16画素のマスクは下記式(5)で表わされ、例えば、図12(a) に示すようになる。
次に、切り出されたマスクに対してFFT 処理が行なわれ、実空間領域から周波数領域への変換が行なわれて、図12(b)に示すような2次元スペクトル配置とされる。この際の変換式は下記式(6)にて一般的に与えられる。
このフーリエ変換の振幅スペクトル強度を用いることによって上記マスクごとに周波数特性を得ることができる。複数の代表的な線数におけるFFTの結果(振幅スペクトル強度|F(u,v)| )を示すと、図13〜図15のようになる。
図13〜図15において、それぞれ左上の図は、オリジナルの原稿、右上・左下・右下の各図は、色成分毎、すなわち、R(赤)プレーン・G(緑)プレーン・B(青)プレーンの周波数特性(振幅スペクトル強度)を示している。
各色成分の周波数特性において、横軸はu・縦軸はvであり、振幅スペクトル強度を色の違いにより示している(各図の右端を参照)。各図は、入力ブロックに対する周波数特性を示しており、左上のu=v=0 は、DC成分を示しており、その他のu,v=1,…,8における係数(power)は、AC成分を示しており、左上から右下に向かうにつれて低周波から高周波を表し、係数の値によって対応する周波数成分が含まれている度合いを示している。
各線数における振幅スペクトル強度の集中している場所は、それぞれ低い線数に対しては左上に近いところで、高い線数では右下に近いところで係数が集中する。これは、線数の低い網点は低周波成分を多く含む網点によって構成されており、線数の高い網点は高周波成分を多く含む網点によって構成されていることによる。従って、網点として検出された領域の周波数特性を求め、網点に含まれる周波数成分を算出ことによって線数を識別することが可能となる。
続いて、上記のステップS2における線数判別の方法について、以下に説明する。この線数判別は、周波数域での周波数特性の分布状況によって行う。具体的には、振幅スペクトル強度を、図12(c)に示すエリア毎で総和を算出し、そのエリアに含まれる画素数で除算することによって正規化された値を用いて判定を行う。このとき、ピークの位置の場所については、図12(c)で用いる場所によって、A0にピークがある場合は低線数、A1にピークがある場合は中間線数、 A2にピークがある場合は高線数と判定する。
上記の線数判別方法では、図12(c)に示すように、周波数特性を示す係数を区分し、それぞれ低周波数成分を含む量を示すパラメータ(Para0)、中間周波数成分を含む量を示すパラメータ(Para1)、高周波成分を含む量を示すパラメータ(Para2)を算出する。各パラメータを算出するために用いる周波数空間での場所をそれぞれA0・A1・A2とすると、算出するパラメータは以下の式のように設定する。
具体的な判定の方法は、以下の式7に示すように、求めたパラメータの内最大のパラメータ値を算出し、どの場所のパラメータが最大になるかによって線数を判定する。
max_para=max(para0,para1,para2)・・・(7)
上記の式7において、最大の値がPara0の場合低周波の線数、最大の値がPara1の場合中間の線数、最大の値がpara2の場合高周波の線数であると判定する。
ここで、低周波の線数(低線数)とは65線から85線、中間の線数(中間線数)とは120線〜133線、高周波の線数(高線数)とは150線以上であると設定する。但し、この設定はこれに限定するものではなく、例えば他の例としては低周波の線数とは65線から100線、中間の線数とは120線〜130線、高周波の線数とは135線以上であると判定してもかまわない。いずれにしても、パラメータの算出のための周波数空間での場所の違いによって変えることができる。
また、段階の切り分けに関しても、ここでは3段階(低周波、中間、高周波)に分割したが、周波数に変換する際のマスクサイズによって段階を増やすことが可能である。周波数変換を行うマスクサイズを大きくすれば、周波数変換精度を高めることができるが、それによる計算量が多くなってしまうためここでは上記サイズで変換を行っている。
いま上記線数判定のためのパラメータを用いて判定された結果は以下の式8に示すようになる。
Jude(x,y)={低線数、中間線数、高線数}・・・・(8)
この判定された結果を用いて、解像度変換部51では、ステップS3〜S5において、
低線数(65〜85線) →解像度150dpi(ステップS3)へ、
中線数(120〜133線)→解像度300dpi(ステップS4)へ、
高線数(150線以上) →解像度400dpi(ステップS5)
への変換を行うものとする。
上記解像度変換された画像は、ステップS6における網点判定方法によって網点検出を行う。なお、ステップS8における文字領域判定処理においては、解像度変換を施していない入力画像データ(入力信号)を用いて判別を行う。
以上のように、解像度変換を、網点画像の種類、すなわち網点線数の種類に応じて適切に行うことにより、網点領域の検出の精度をさらに高めることが可能となる。
また、本発明にかかる領域分離方法をソフトウェア(アプリケーションプログラム)として実現してもかまわない。この場合、領域分離処理の結果(領域識別信号)に基づく処理を実現するソフトウェアを組み込んだプリンタ・ドライバをコンピュータやプリンタに設けることができる。
上記の例として、図16を用いて領域分離の判別結果に基づく処理を以下に説明する。図16に示すように、コンピュータ101は、プリンタ・ドライバ102、通信ポートドライバ107、通信ポート108が組み込まれている。上記プリンタ・ドライバ102は、色補正部103、空間フィルタ処理部104、階調再現処理部105、プリンタ言語翻訳部106を有している。
また、上記コンピュータ101は、プリンタ(画像出力装置)109と接続されており、プリンタ109は、コンピュータ101から出力された画像データに応じて画像出力するようになっている。
上記の色補正部103は、図1あるいは図7に示す色補正部7と黒生成下色除去部8とを含めた構成となっており、その機能は色補正部7と黒生成下色除去部8と同じである。
上記空間フィルタ処理部104及び階調再現処理部105は、図1あるいは図7に示す空間フィルタ処理部9及び階調再現処理部11にそれぞれ対応しており、各機能は空間フィルタ処理部9と階調再現処理部11と同じである。
上記コンピュータ101において各種のアプリケーションプログラムを実行することにより生成された画像データは、色補正部103、空間フィルタ処理部104、階調再現処理部105で上述の処理がなされる。なお、この場合、色補正部103には、上述のように、黒生成下色除去処理機能も含まれている。
空間フィルタ処理部104及び階調再現処理部105には、領域分離信号が入力されるようになっており、この領域分離信号に基づいて各種の処理が施されるようになっている。
上記処理がなされた画像データは、プリンタ言語翻訳部106にてプリンタ言語に変換され、通信ポートドライバ107、通信ポート(例えばRS232C・LAN等)108を介してプリンタ109に入力される。なお、プリンタ109は、プリンタ機能の他に、コピー機能およびファックス機能を有するデジタル複合機であってもよい。
また、本発明はコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に、解像度変換、網点線数認識および解像度変換を行った画像データに対して領域分離処理を行う画像処理方法を記録することもできる。
この結果、解像度変換を行って、あるいは、網点線数を算出し、その結果に基づいて解像度変換を行い網点検出処理への入力解像度を切り替えて領域分離処理を施す画像処理方法を行うプログラムを記録した記録媒体を持ち運び自在に提供することができる。
記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理が行われるために図示しないメモリ、例えばROMのようなプログラムメディアであってもよく、図示しない外部記憶装置としてのプログラム読取装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであってもよい。
いずれの場合においても、格納されているプログラムはマイクロプロセッサがアクセスして実行させる構成であってもよいし、プログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータの図示されていないプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であってもよい。この場合、ダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
ここで、上記プログラムメディアは、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスク等の磁気ディスク並びにCD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
また、この場合、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であることから、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する媒体であってもよい。なお、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別の記録媒体からインストールされるものであってもよい。
上記記録媒体は、デジタルカラー画像形成装置やコンピュータシステムに備えられるプログラム読み取り装置により読み取られることで上述した画像処理方法が実行される。
なお、上記コンピュータシステムは、フラットベッドスキャナ・フィルムスキャナ・デジタルカメラなどの画像入力装置、所定のプログラムがロードされることにより上記画像処理方法など様々な処理が行われるコンピュータ、コンピュータの処理結果を表示するCRTディスクプレイ・液晶ディスプレイなどの画像表示装置およびコンピュータの処理結果を紙に出力するプリンタより構成される。さらには、ネットワークを介してサーバーなどに接続するための通信手段としてのネットワークカードやモデムなどが備えられる。
本実施の形態においては、本発明の画像処理装置をデジタルカラー複写機に適用した例について説明したが、スキャナに適用してもよい。この場合、図1に示すカラー画像処理装置1のうち、A/D変換部2、シェーディング補正部3、入力階調補正部4、解像度変換部51、領域分離処理部5までを備えればよく、また、図7に示すカラー画像処理装置61のうち、A/D変換部2、シェーディング補正部3、入力階調補正部4、網点線数算出部71、解像度変換部51、領域分離処理部5までを備えればよい。
上記領域分離処理部5から出力される領域分離信号は、コンピュータ等に送られて後段の画像処理に利用される。
また、本発明の画像処理装置は、以下の構成であってもよい。
すなわち、本発明の画像処理装置は、入力画像データに対して、文字領域・網点領域などの複数の領域に識別する領域分離処理部を備える画像処理装置において、入力画像データの解像度を変換する解像度変換部を備え、上記領域分離処理部が識別する対象の領域に応じて入力画像データの解像度を変える制御部が備えられた構成である。
領域分離処理では局所ブロックの濃度情報を用いて、性質の異なる複数の種別に分類を行う処理である。分類された分類情報を用いて後段の処理を切り替えて出力画質の最適化を行うために利用される。
領域を分類するためには、所定の局所ブロックとして入力された信号を基に分離を行うが、検出をおこなう種別によって検出に適した解像度が異なっているため、それぞれ検出を行う種別に応じて入力解像度を異ならせることは検出精度向上に効果がある。
また、前記領域分離処理部は少なくとも文字を検出する文字検出手段(文字判定部)と、網点領域を検出する網点検出手段(網点判定部)を備えており、制御部は、文字検出手段と網点検出手段で入力画像データの解像度を異ならせていてもよい。
領域分離処理を行う場合、通常文字を検出する手段と、網点を検出する手段を別の手段として備えている。しかし、それぞれの判別手段ごとに適した入力の解像度が異なっているため、文字検出手段と網点検出手段で入力解像度を異ならせれば最適な入力信号を用いて検出を行うことが可能となり検出精度を高めることが可能となる。
上記制御部は、文字検出手段に入力される入力画像データの解像度を高解像度に、網点検出手段に入力される入力画像データの解像度を低解像度としてもよい。
文字領域を検出する場合、後段の処理として強調処理や2値化処理等が考えられるため、文字領域としての検出位置精度が実際の入力画像の文字位置と一致していないとならない。また、文字領域の細かい線の検出を行うためには高解像度の入力が適している。一方、網点領域の検出はできるだけ広範囲の信号の波を局所マスク内に入れて検出を行った方が、検出精度が高くなるので低解像度の方が適している。
さらに網点の線数を認識する網点線数算出部を備え、制御部は、網点線数算出部によって認識された線数に応じて前記網点検出手段に入力する解像度を切り替えるようにしてもよい。
網点の線数に応じて適宜網点検出手段への入力解像度を切り替えることが可能となり、最適な入力解像度を用いてさらに精度良く網点検出を実施することができる。
本発明の画像処理方法は、入力画像データに対して、文字領域・網点領域などの複数の領域に識別する領域分離処理工程を備える画像処理方法において、入力画像データの解像度を変換する解像度変換工程を備え、上記領域分離処理工程において、識別する対象の領域に応じて入力画像データの解像度を変える解像度変換工程が備えられていることを特徴としている。
前記領域分離処理部工程は少なくとも文字を検出する文字検出工程と、網点領域を検出する網点検出工程を備えており、解像度変換工程は、文字検出工程と網点検出工程とで入力画像データの解像度を異ならせてもよい。
さらに網点の線数を認識する網点線数算出工程を備え、解像度変換工程は、網点線数算出工程によって認識された線数に応じて解像度を設定し、識別する領域によって切り替えてもよい。
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。