JP4153274B2 - ポリウレタン樹脂水性分散体の製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はポリウレタン樹脂の水性分散体に関し、更に詳しくは有機溶剤を含まない、もしくは有機溶剤含有量が少ないポリウレタン樹脂水性分散体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
有機溶剤の引火性、および人体への安全性の観点から有機溶剤の不存在下、もしくは微量の有機溶剤の存在下に製造されたポリウレタン水性分散体が提案されている。
例えば、有機溶剤の不存在下に過剰のジイソシアネート、有機ポリオール、イオン基になりうる二官能性イソシアネート反応性成分とからイソシアネート基末端プレポリマーを形成し、これをイソシアネートモノマーで希釈し、さらに中和後、水もしくはアミン水溶液と接触混合分散させる方法が提案されており、該公報明細書には高粘度のイソシアネートプレポリマーの粘度を低下させるものとしてイソシアネートモノマーの使用が好ましいことが記載されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、イソシアネート基末端プレポリマーの粘度低下剤として液状の粘着性付与樹脂の使用が好ましいことが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−52929号公報
【特許文献2】
特開2000−191740号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらイソシアネートモノマーは反応性が高い為、高濃度で乳化した後、鎖伸長する工程で粒子が粗大化し、微細粒子が得られないという問題があった。
また、液状粘着性付与樹脂をイソシアネート基末端プレポリマーと混合乳化した場合は混合物の親水性が低下し微細粒子が得られないという問題があった。
【0005】
本発明者らは、上記問題点を解決するため、鋭意検討した結果、特定の反応性希釈剤を用いることにより、有機溶剤の使用なしで、または極微量の使用のみで微細粒子のポリウレタン水性分散体を得ることが可能であることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、イオン性基および/またはイオン形成性基を含有するイソシアネート基末端プレポリマー(a)と、カルボヒドラジド基、水酸基、カルボキシル基 、グリシジル基およびシリル基からなる群から選ばれる1種以上の反応性基を有する25℃で液状のイソシアネート基を有しない反応性希釈剤(b)からなる混合物(A)を水性媒体中に乳化分散させてなる水性分散体を伸長剤と混合して(a)を鎖伸長させてポリウレタン樹脂水性分散体(B)を製造することを特徴とする製造方法であって、(b)が90℃で0.1〜10Pa・sの粘度を有することを特徴とするポリウレタン樹脂水性分散体の製造法;該製造法で得られるポリウレタン樹脂水性分散体;該水性分散体に、さらに架橋剤が添加された硬化性ポリウレタン樹脂水性分散体(C);並びに、これらの水性分散体を基材に適用し、常温または加熱化に硬化させてなるポリウレタン樹脂成形体、である。
【0006】
本発明における混合物(A)を構成するイオン性基および/またはイオン形成性基を含有するイソシアネート基末端プレポリマー(a)は、有機ポリイソシアネート(a1)、高分子ポリオール(a2)およびイオン性基および/またはイオン形成性基含有活性水素化合物(a3)から構成される。
【0007】
(a1)には、ジイソシアネートおよび3官能またはそれ以上の多官能イソシアネートが含まれ;例えば、炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)6〜20の芳香族ポリイソシアネート、炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート、炭素数6〜15の脂環式ポリイソシアネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネートおよびこれらのポリイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物など)およびこれらの2種以上の混合物が含まれる。
【0008】
上記芳香族ポリイソシアネートの具体例としては、例えば1,3−および/または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、 粗製MDI[粗製ジアミノジフェニルメタン〔ホルムアルデヒドと芳香族アミン(アニリン)またはその混合物との縮合生成物;ジアミノジフェニルメタンと少量の(例えば5〜20重量%)の3官能以上のポリアミンとの混合物〕のホスゲン化物;ポリアリールポリイソシアネート]、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−およびp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートが挙げられる。
【0009】
上記脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、例えばエチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート(2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート)、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートが挙げられる。
【0010】
上記脂環式ポリイソシアネートの具体例としては、例えばイソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−および/または2,6−ノルボルナンジイソシアネートが挙げられる。
【0011】
上記芳香脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、例えばm−および/またはp−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートが挙げられる。
【0012】
また、上記ポリイソシアネートの変性物としては、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MDI)、ウレタン変性TDI、ビューレット変性HDI、イソシアヌレート変性HDI、イソシアヌレート変性IPDIなどのポリイソシアネートの変性物およびこれらの2種以上の混合物[例えば変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート基含有プレポリマー)との併用]が含まれる。
【0013】
(a2)には、ポリエーテルポリオール(p1)、ポリエステルポリオール(p2)、ポリオレフィンポリオール(p3)、ポリマーポリオール(p4)、エポキシポリオール(p5)等が含まれる。
【0014】
(p1)には、▲1▼2個以上の活性水素原子を有する低分子化合物に重合触媒を使用してアルキレンオキサイド(以下AOと略記する)を開環付加させた構造のもの、および▲2▼活性水素原子を有する低分子化合物の非存在下に重合触媒を使用してAOを開環重合させたものが含まれる。
【0015】
上記▲1▼の開環付加に使用される付加触媒としては、アニオン付加重合触媒(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属の水酸化物)、カチオン付加重合触媒、配位アニオン付加重合触媒等が挙げられる。
これらのうち、経済性、生産性の観点から、アニオン付加重合触媒による製造が好ましい。アニオン重合による製造は、活性水素を含有する化合物と上記重合触媒を加熱しながら、上記の単量体を反応させることによってできる。反応温度としては、40〜150℃、好ましくは90〜130℃である。
上記▲2▼の開環重合に用いられる触媒としては特公昭39−19561号公報に記載の有機亜鉛化合物とポリオールまたは多価フェノールとの反応生成物が挙げられる。
【0016】
上記▲1▼において、2個以上の活性水素原子を有する化合物には、多価アルコール(p11)、多価フェノール(p12)、ポリカルボン酸(p13)、ヒドロキシカルボン酸(p14)、1級モノアミン(p15)、ポリアミン(p16)およびポリチオール(p17)が含まれ、活性水素原子1個当たりの数平均分子量(GPC測定による。以下同様であり、Mnと略記する)が300未満(好ましくは30〜250)の化合物が使用できる。
【0017】
(p11)としては、
2価アルコール、例えば[直鎖脂肪族ジオール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど)、分岐脂肪族ジオール(1,2−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,2−、1,3−もしくは2,3−ブタンジオールなど)、および環状脂肪族ジオール(米国特許第4,990,545号明細書記載のもの;シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキシレングリコール、水添ビスフェノールAなど)];
3〜10価またはそれ以上の多価アルコール、例えばアルカンポリオール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、およびそれらの分子間もしくは分子内脱水物[ジペンタエリスリトール、ポリグリセリン(重合度2〜8)、ソルビタンなど]、糖類およびその誘導体(配糖体)(蔗糖、メチルグルコシドなど);並びにこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0018】
(p12)としては、単環多価フェノール[ヒドロキノン、レゾルシン、カテコール、フロログリシンなど]、ビスフェノール類[ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、および米国特許第4,990,545号明細書記載のこれらのハロゲン化物(例えば、テトラブロモビスフェノールA)など]が挙げられる。
【0019】
(p13)としては、2〜8個またはそれ以上のカルボキシル基を有する脂肪族ポリカルボン酸、例えば飽和および不飽和脂肪族ポリカルボン酸[脂肪族ジカルボン酸、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、エチルコハク酸、アジピン酸、ピメリック酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸およびメサコン酸、並びに不飽和モノカルボン酸(例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸およびイソクロトン酸)もしくは上記の不飽和ジカルボン酸の重合度2〜8の重合体(マレイン酸の2量体、イタコン酸の2量体、アクリル酸の5量体、メタクリル酸の5量体など)];脂環式ポリカルボン酸、例えば脂環式ジカルボン酸[1,2−および1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−、1,3−、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸など]、重合脂肪酸[ダイマー酸およびトリマー酸(リノレイン酸およびリノール酸などの不飽和脂肪酸の2量体および3量体など)];芳香族ポリカルボン酸[フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸など]が挙げられる。
【0020】
(p14)としては、1個以上の水酸基と1個以上のカルボキシル基を1分子中に有する化合物、例えば、グリコール酸、乳酸、グリセリン酸、酒石酸およびリシノレイン酸などの脂肪族ヒドロキシカルボン酸、並びにサリチル酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸が挙げられる。
【0021】
(p15)としては、炭素数1〜20の脂肪族1級モノアミン[モノアルキルアミン(メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、n−ブチルアミンなど)、およびモノアルケニルアミン(オレイルアミンなど)]、脂環族1級モノアミン(シクロヘキシルアミンなど)、並びに芳香族1級モノアミン(ベンジルアミンおよびアニリンなど)が挙げられる。
【0022】
(p16)としては、脂肪族ポリアミン[アルキレンジアミン(炭素数2〜18)、ポリアルキレン(炭素数2〜6)ポリアミン(3〜25個のアミノ基を含有する)、およびこれらのアルキル(炭素数1〜8)置換誘導体;具体的には、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、N−メチルアミノエチルアミンなど]、芳香族ポリアミン(炭素数6〜20)[2,4−および2,6−トリレンジアミン、4,4’−および2,4’−ジフェニルメタンジアミン、ポリメチレンポリフェニレンポリアミン並びにトリフェニルメタントリアミンなど]が挙げられる。
【0023】
(p17)としては、多価アルコール(p11)の水酸基をチオール基にした構造のものが挙げられ、具体的にはエチレンジチオール、プロピレンジチオール、1,4−ブタンジチオールおよびドデカンジチオールなどが挙げられる。
【0024】
AOとしては、炭素数2〜18のアルキレンオキサイド、例えばエチレンオキサイド(以下EOと略す)、プロピレンオキサイド(以下POと略す)、1,2−、1,3−、1,4−および2,3−ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、炭素数5〜10または11〜18のα−オレフィンオキサイド、エピクロルヒドリンおよびこれらの2種以上の組み合わせ(ブロックおよび/またはランダム付加)が挙げられる。
【0025】
(p1)としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールおよびビスフェノールAのEOおよび/またはPO付加物のようなポリエーテルジオール、並びにグリセリンのEOおよび/またはPO付加物のような分岐ポリエーテルポリオールが挙げられる。
(p1)のうち好ましいものは、低分子ポリオール(特に脂肪族ジオール)にAO(特にPO)が付加したものであり、AOの全重量のうち30%以上がPOであることが好ましい。
【0026】
(p2)としては、例えば、ポリカルボン酸とポリオールの縮重合物(p21)、ポリラクトンポリオール(p22)およびポリカーボネートポリオール(p23)などが含まれる。
【0027】
(p21)を構成するポリカルボン酸としては、前述の(p13)、およびそれらのエステル形成性誘導体(酸無水物、酸ハロゲン化物、低級アルキルエステル)が含まれる。これらのうちで好ましくはジカルボン酸、特に脂肪族ジカルボン酸である。
(p21)を構成するポリオールとしては、前述の(p11)および(p1)が含まれ、好ましくは(p11)、特に2価アルコールである。
(p21)の具体例としては、ポリ(エチレンアジペート)ジオール、ポリ(ブチレンアジペート)ジオール、ポリ(ヘキサメチレンアジペート)ジオール、ポリ(ネオペンチルアジペート)ジオール、ポリ(エチレン/ブチレンアジペート)ジオール、ポリ(ネオペンチル/ヘキシルアジペート)ジオール、ポリ(3−メチルペンチルアジペート)ジオール、ポリ(ブチレンイソフタレート)ジオールなどが挙げられる。
【0028】
(p22)は、多価アルコールの存在下に炭素数3〜12のラクトン(例えばカプロラクトンなど)を開環重合して得られるものであり、具体的には、ポリカプロラクトンジオール、ポリ−3−メチルバレロラクトンジオール等が挙げられる。
【0029】
(p23)は、多価アルコールの存在下に炭素数2〜12のアルキレンカーボネートを開環重合して得られるものであり、具体的には、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール等が挙げられる。
【0030】
(p2)のうち、好ましいものは(p21)である。
【0031】
(p3)には、オレフィン(1,3−ブタジエン、炭素数8〜18のα−オレフィンなど)および必要により少量(例えば15〜20重量%)の他の単量体(例えばスチレン、アクリロニトリルなど)を(共)重合して得られる末端が水酸基の(共)重合体が含まれる。具体的にはポリブタジエンから誘導されるポリブタジエングリコール、炭素数8〜18のα−オレフィンから誘導されるポリオレフィングリコールなどがあげられる。
また、(p3)には、ポリブタジエングリコールの不飽和二重結合に水素を付加した水素添加ポリブタジエングリコールも含まれる。
【0032】
(p4)には、ポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオールの存在下で、(メタ)アクリロニトリルなどのニトリル基含有ビニル単量体、スチレンおよび/または(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどを重合して得られるものが含まれる。
【0033】
(p5)には、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど)とエピクロルヒドリンの付加縮合物(ビスフェノール骨格の数:3〜20)などが挙げられる。
【0034】
(a2)の水酸基の数は1分子当たり2または3個であり、2種以上の(a2)の平均は通常2.0〜2.5であり、好ましくは2.0〜2.2である。水酸基1ヶ当たりのMnは通常400〜2,000であり、好ましくは500〜1,700である。400〜2,000であればポリウレタン微粒子は良好な柔軟性を示す。
【0035】
(a3)のうちのイオン形成性基含有活性水素化合物には、アニオン形成性基(カルボキシル基、スルホン酸基、スルファミン酸基)またはカチオン形成性基(第三級アミノ基)を1個と活性水素(2〜4個の水酸基または1個の1級アミノ基)とを含有する化合物があげられ、活性水素1個当たりの当量は、好ましくは100〜500である。
アニオン形成性基を有する活性水素化合物のうち、カルボキシル基含有活性水素化合物(a31)としては、ジアルキロールアルカン酸〔(例えば2,2−ジメチロールプロピオン酸(以下DMPAと略記)、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールヘプタン酸、2,2−ジメチロールオクタン酸等〕、アミノ酸(2-アミノエタン酸等)が挙げられ、
スルホン酸基含有活性水素化合物(a32)としてはスルホン酸基含有ジオール〔 3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸(以下DHPSと略記する)等 〕、アミノスルホン酸(2−アミノエタンスルホン酸、3−アミノプロパンスルホン酸等)があげられる。
スルファミン酸基含有活性水素化合物(a33)としてはN,N−ビス(2−ヒドロキシアルキル)スルファミン酸塩のAO付加物(付加モル数1〜8モル)があげられる。第三級アミノ基含有活性水素化合物(a34)としてはトリエタノールアミン、2−メチルジエタノールアミン等があげられる。
また、(a3)のうちのイオン性基含有活性水素化合物としては、前記アニオン形成性基含有活性水素化合物(a31、a32)をイソシアネート非反応性塩基、例えば第三級アミン[アルキル基の炭素数1〜8のトリアルキルアミン:例えばトリエチルアミン、ジエチルブチルアミンなど]またはアルカリ金属[ナトリウム、カリウムなど]で中和塩としたもの、もしくは第三級アミノ基をイソシアネート非反応性酸(炭素数2〜8の脂肪族カルボン酸:例えば酢酸、プロピオン酸等)で中和塩としたものが挙げられる。
【0036】
(a)の粘度は、乳化分散温度、たとえば90℃において好ましくは10〜50Pa・s、さらに好ましくは15〜40Pa・sである。
【0037】
(a)の製造法については、特に限定はないが、例えば有機溶剤の非存在下に、
▲1▼(a1)〜(a3)を同時に反応させる方法、
▲2▼(a1)と(a2)を反応させた後に(a3)と反応させる方法、
▲3▼(a1)と(a3)を反応させた後に(a2)と反応させる方法等が挙げられるがいずれの方法でも製造できる。
反応温度は通常30〜100℃、好ましくは40〜80℃である。
また反応させるに当たり、(a1)のイソシアネート基の当量は、(a2)と(a3)合計の活性水素基の当量に対して、通常2〜1.2好ましくは1.9〜1.3である。2未満であれば遊離のイソシアネートが少なく微粒子を得やすく、1.2以上であればプレポリマーの粘度が高すぎることなく乳化させやすい。(a)中の(a3)の含有量は通常0.5〜6重量%であり、好ましくは0.8〜5重量%である。0.8重量%を超えていればプレポリマーに十分親水性を
付与できるので乳化させやすい。
また、(a)中のNCO%は通常0.5〜2%、好ましくは0.6〜1.5%である。
【0038】
本発明における混合物(A)を構成する反応性希釈剤(b)は、末端にイソシアネート基を含有せず、後述の架橋剤と反応しうる官能基を有する化合物であって、乳化分散時に(a)の粘度を低減させ、かつ水性分散体(B)を乾燥させた場合に後述の架橋剤と反応する化合物である。
【0039】
(b)は、30℃において液状であることが好ましく、乳化分散温度、たとえば90℃での粘度は好ましくは0.1〜10Pa・s、さらに好ましくは0.2〜8Pa・sである。(粘度はいずれもB型粘度計で測定)
【0040】
(b)が有する反応性基としては、90℃における、(b)中の反応性基と(a)中のイソシアネートとの反応性が、2級アミノ基とイソシアネート基との反応性よりも低く、且つ、水性分散体(B)が乾燥された時に架橋剤と反応する基であればとくに限定されない。好ましくは2級アミノ基の反応性と比較した反応性比が0.03以下、さらに好ましくは0.02未満の基である。
2級アミノ基の反応性と比較した上記の反応性比は、J.H.Saunders,K.C.Frisch,’Polyurethanes:Chemistry and Tecnology:Part1:205, Interscience Publishers,1961に記載された反応性比を用いることができる。
(b)が有する反応性基としては、例えばカルボヒドラジド基(反応性比0.018)、水酸基[1級水酸基(反応性比0.02、2級水酸基(反応性比0.006)、3級水酸基(反応性比0.00006)]、カルボキシル基(反応性比0.003)、ラジカル重合性不飽和基(反応性比0.0002未満)、グリシジル基(反応性比0.0002未満)、シリル基(反応性比0.0002未満)などが挙げられる。
【0041】
(b)としては、ポリウレタン系反応性希釈剤(b1)、ポリエーテル系反応性希釈剤(b2)、ポリエステル系希釈剤(b3)、エポキシ系希釈剤(b4)、ポリオレフィン系希釈剤(b5)、ポリアミド系希釈剤(b6)、ポリ(メタ)アクリレート系希釈剤(b7)およびこれらのうちの2種以上の併用などが挙げられる。
【0042】
(b1)としては、有機ポリイソシアネート(a1)と過剰当量の(a2)とから得られる活性水素基末端ポリマーのうち、イソシアネート基との反応性が2級アミノ基よりも低い活性水素含有基を末端に有するもの(b11)、および過剰当量の(a1)と(a2)から得られるイソシアネート基末端プレポリマーに、イソシアネート基と反応する活性水素含有基とこれとは別の反応性基(架橋剤と反応する基)を含有する化合物(c1)を反応させて得られる化合物(b12)があげられる。これらのうちで好ましくは(b12)である。
【0043】
(b11)に使用される(a2)のうち、好ましいものは30℃で液状のものがあげられ、たとえば前述の(p1)のうちでは、POを90%以上含有する水酸基1個当たりのMnが400〜2000のものが例示される。
(p2)のうちでは、直鎖脂肪族ジオール(炭素数2〜6)および/または分岐脂肪族ジオール(炭素数3〜8)並びに脂肪族二塩基酸(炭素数4〜8)から誘導される水酸基1個当たりのMnが400〜2000のものが例示される。
(p3)のうちでは、Mnが1000〜3000のものがあげられる。これらのうちで(a)との相溶性の点から、さらに好ましいものは(p1)または(p2)である。
【0044】
(b12)において使用される(c1)としては、分子中にヒドラジノ基を有する活性水素基含有化合物(c11)、分子中にカルボキシル基を有する活性水素基含有化合物(c12)、分子中に水酸基とアミノ基を含有する化合物(c13)、分子中に加水分解性シリル基を含有する活性水素基含有化合物(c14)、分子中に不飽和二重結合基を有する活性水素基含有化合物(c15)、分子中にグリシジル基を含有する活性水素基含有化合物(c16)があげられる。
【0045】
(c11)にはヒドラジン(ヒドラジンヒドラートも含む)およびヒドラジンと脂肪族二塩基酸(炭素数2〜8)縮合物(カルボジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド等)があげられ、(b12)が高純度で得られるという点で好ましいものはヒドラジンヒドラート(以下HDHと略記)である。
【0046】
(c12)には1個のカルボキシル基と1個の水酸基を有する炭素数3〜8の化合物(乳酸など)、1個のカルボキシル基と2個の水酸基を有する炭素数4〜8の化合物(ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等)があげられる。
【0047】
(c13)には1個のアミノ基と1個の水酸基を有する炭素数2〜8の化合物(モノエタノールアミン:以下MEAと略記、など)、1個のアミノ基と2個の水酸基を有する炭素数4〜10の化合物(ジエタノールアミン等)があげられる。
【0048】
(c14)にはアミノシラン系化合物、例えばγ−アミノ−プロピルトリメトキシシラン(以下APMSと略記)、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等があげられる。
【0049】
(c15)にはヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート(以下HEAと略記)、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等があげられる。
【0050】
(c16)には(ポリ)アルキレングリコールモノグリシジルエーテル、例えば(ポリ)エチレングリコール(重合度1〜20)モノグリシジルエーテル〔例えば、エチレングリコールモノグリシジルエーテル(以下EGMGと略記)〕、(ポリ)プロピレングリコール(重合度1〜20)モノグリシジルエーテルなどが挙げられる。
【0051】
(b)のMnは好ましくは900〜10,000特に1000 〜5000 である。
【0052】
(b1)の製造法については特に限定はないが、例えば有機溶剤の非存在下に、▲1▼;(a1)、(a2)、(c1)を同時に反応させる方法、
▲2▼;(a1)と(a2)の反応後に、(c1)をさらに反応させる方法、
などが挙げられるがいずれの方法でも製造できる。
反応温度は通常30〜100℃、好ましくは40〜80℃で製造できる。
また反応させるに当たり(a1)のイソシアネート基の当量は、(b11)の場合は、(a2)〜(a4)および(c1)の合計の活性水素基の当量に対して、好ましくは0.5〜0.9、好ましくは0.6〜0.9であり、0.9以下であれば遊離のイソシアネートが少なく微粒子を得やすく、0.5以上であれば生成物の粘度が高すぎることなく乳化させやすい。
また、(b12)の場合は、(a1)のイソシアネート基の当量は、(a2)の活性水素基の当量に対して、2〜1.2、好ましくは1.9〜1.3であり、プレポリマーのNCO含量は2.0〜7.0%である。また、(c1)の反応における残存NCOの当量に対する(c1)の当量は好ましくは0.8〜1.2である。
【0053】
(b2)としては、前述の(p1)および(p1)に有機過酸化物(ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなど)または無機過酸化物(過酸化水素など)を触媒として不飽和ジカルボン酸(例えば無水マレイン酸、無水イタコン酸など)やエポキシ基を有する不飽和化合物(例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテルなど)をグラフト付加したポリオール等があげられる。
【0054】
(b3)としては前述の(p2)等があげられる。
【0055】
(b4)としては前述の(p5)および(p5)の末端エポキシ基と前述の(p4)との反応物等があげられる。
【0056】
(b5)としては前述の(p3)および(p3)に有機過酸化物(ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなど)または無機過酸化物(過酸化水素など)を触媒として不飽和ジカルボン酸(例えば無水マレイン酸、無水イタコン酸など)やエポキシ基を有する不飽和化合物(例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテルなど)をグラフト付加したポリオレフィン等があげられる。
【0057】
(b6)としては植物油不飽和脂肪酸(炭素数16〜18)から誘導されるダイマー酸、脂肪酸(炭素数16〜18)およびポリアルキレンポリアミン(炭素数4〜8、アミノ基数3〜5)の縮重合物等があげられる。
【0058】
(b7)としてはポリ(n=2〜100)オキシアルキレン(アルキレン基の炭素数2〜4)グリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル[例えば、EO10モル、PO15モルのランダム重合物のモノメタクリレートなど]があげられる。
【0059】
これらのうち(a)との相溶性の点から好ましいものは(b1)〜(b3)であり、特に好ましいものは反応性基を導入し易い点から(b1)である。
【0060】
本発明における混合物(A)における(b)/(a)の重量比は、好ましくは0.01〜0.8、さらに好ましくは0.05〜0.5である。0.01以上であれば混合物の希釈効果が得られ混合物の水への分散性が良好であり、0.8以下であれば混合物の親水性を著しく低下させず微粒子の水分散体が得られる。
また、(A)の粘度は、乳化分散温度、例えば90℃において20Pa・s以下、好ましくは15Pa・s以下、さらに好ましくは10Pa・s以下である。20Pa・s以下であれば、乳化時の水への分散性の点で優れている。
なお、60〜80℃において20Pa・s以下であればさらに好ましい。(A)の粘度を低くする方法としては、▲1▼(a)、(b)の粘度を前記好ましい範囲とする、▲2▼(b)/(a)の混合比率を上記好ましい範囲とするなどの方法が挙げられる。
【0061】
(a)と(b)の混合方法は特に限定されず、通常30〜80℃で(a)と(b)とを撹拌装置のついた混合装置で混合する。
【0062】
水性媒体としては、水のみ、および水と親水性有機溶媒の混合溶媒が挙げられ、好ましくは水のみである。混合溶媒の場合の混合溶媒の重量に対する親水性有機溶媒の比率は、好ましくは0〜10%、さらに好ましくは0〜3%、特に好ましくは0〜0.3%である。
親水性有機溶媒としては、水100gへの溶解度が10g以上のものが挙げられ、例えばケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)、エステル類(酢酸エチル、エチルセロソルブアセテートなど)、エーテル類(ジオキサン、テトラハイドロフランなど)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)、N−メチルピロリドンなどの他に、アルコール類[1価アルコール(メタノール、エタノール、n−およびiso−プロパノール、n−、iso−、sec−およびtert−ブタノールなど)、およびこれらの併用が挙げられる。
【0063】
本発明の混合物(A)の水性媒体への乳化分散方法については、例えば、
▲1▼撹拌装置(たとえば撹拌軸にプロペラもしくは水平翼のついた装置)のついた容器内の水中に剪断をかけながら(A)を投入して乳化分散するバッチ式方法、▲2▼連続式混練機(回転子と固定子を有する高速回転式混練機)に(A)をポンプで送り込み、混練機流路途中で水性媒体をポンプで送り込み混合させる連続式方法等が挙げられる。
【0064】
また(A)と水性媒体との乳化分散条件については(A)の温度は通常40〜100℃、好ましくは50〜90℃である。40℃以上であれば粘度が低く分散容易であり、100℃未満であれば(a)が安定である。また、水性媒体の温度は通常10〜60℃、好ましくは20〜50℃である。10℃以上であれば乳化分散が容易であり、60℃未満であれば水伸長反応が抑制されるので好ましい。(A)の乳化分散工程で得られる水性分散体の温度は、好ましくは30〜90℃、さらに好ましくは60〜90℃であり、(A)の副反応(水伸長反応など)が乳化分散工程で起こらない限りできるだけ90℃に近い方が粘度が低くなるので好ましい。
【0065】
本発明の水性分散体(B)は、(A)と水性媒体とを接触させ乳化分散させた後、さらに鎖伸長剤(a4)、および必要により停止剤(a5)を加えて、(A)中の(a)をさらに鎖伸長および必要により反応停止させることにより得られる。
【0066】
(a4)には、分子中に1級および/または2級アミノ基を少なくとも2個含有する,
▲1▼脂肪族ポリアミン〔アルキレン(炭素数2〜8)ジアミン(例えばエチレンジアミン:以下EDAと略記、ヘキサメチレンジアミンなど)、ポリ(n=2〜10)アルキレン(炭素数2〜6)ポリ(n=3〜11)アミン(ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等)〕、
▲2▼脂環族ポリアミン〔4,4’ージアミノジシクロヘキシルメタン、1,4ージアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン(以下IPDAと略記)等〕、
▲3▼芳香環を有する脂肪族ポリアミン(キシリレンジアミン等)、
▲4▼芳香族ポリアミン(4,4’−ジアミノジフェニルメタン、トリレンジアミン等)
▲5▼ヒドラジンおよび、ヒドラジン誘導体(HDH、カルボジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド等)等があげられる。
これらのうち好ましいものは分子量制御のし易さの点から▲5▼、または▲1▼と▲5▼、もしくは▲2▼と▲5▼の混合物である。
【0067】
(a5)としては、▲1▼脂肪族(炭素数2〜6)モノアミン(エチルアミン、n−ブチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジn−ブチルアミン等)、▲2▼低級(炭素数1〜4)モノアルコール(メタノール、ブタノール等)があげられる。
【0068】
(a4)および(a5)の添加量は、(a)に対してそれぞれ(a4)の場合(a)のイソシアネート基当量に対して0.3〜0.8当量、(a5)の場合0〜0.2当量である。
【0069】
上記のようにして得られた分散物と(a4)[および必要により(a5)]の混合方法については特に制約はないが、例えば
▲1▼分散機に分散物を送り込み、分散機流路途中で(a4)[および必要により(a5)]の水性液をポンプで送り込み混合させる方法、
▲2▼分散機入口で分散物と(a4)[および必要により(a5)]の水性液を接触させ分散機中へ送り込み混合させる方法
▲3▼分散機に(a4)[および必要により(a5)]の水性液をポンプで送り込み、分散機流路途中で分散物を送り込み混合させる方法、
等が挙げられるが好ましいのは▲1▼または▲2▼である。
【0070】
本発明における水性分散体(B)の固形分濃度(試料1.5gを130℃で90分間加熱乾燥後の残査の、加熱乾燥前の重量に対する百分率)は、好ましくは35〜55%、さらに好ましくは40〜50%であり、(B)の固形分のうちのポリウレタン樹脂成分は好ましくは60〜90%、さらに好ましくは70〜90%であり、(b)は好ましくは10〜40%、さらに好ましくは10〜30%である。
また、(B)のMnは好ましくは3000〜200000、さらに好ましくは5000〜150000であり、(B)の25℃における粘度は25℃、好ましくは50〜1000Pa・s、さらに好ましくは50〜500Pa・sである。
【0071】
本発明の水性分散体(B)はそのままで基材への塗布などに適用される場合と、(B)に、さらに架橋剤および/または架橋触媒を添加して架橋剤硬化性ポリウレタン樹脂水性分散体(C)として適用される場合とがある。架橋剤としては、(b)の反応性基(カルボヒドラジド基、水酸基、カルボキシル基、ラジカル重合性不飽和基、グリシジル基およびシリル基など)と反応する水分散性架橋剤が使用でき、例えばエポキシ系化合物、カルボジイミド系化合物、アジリジン系化合物、オキサゾリン系化合物、メラミン−ホルムアルデヒド系化合物およびイソシアネート系化合物などがあげられる。
エポキシ系化合物としては、多価アルコールとエピクロルヒドリンとから得られるグリシジルエーテル類(グリセリンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルなど)があげられる。カルボジイミド系化合物としては芳香族カルボジイミド化合物、ウレア変性カルボジイミド化合物などがあげられる。アジリジン系化合物としてはエチレンイミンとポリイソシアネート、ビニルエステル、低級アルコールモノグリシジルエーテルもしくは酸塩化物等とから誘導されるウレア変性、3級アミノ基変性、アミド変性型の各アジリジン化合物があげられる。オキサゾリン系化合物としては上記アミド変性アジリジン化合物を加熱環化変性して得られる化合物があげられる。メラミン−ホルムアルデヒド系化合物としてはメラミン、ホルムアルデヒド、低級アルコールから誘導されるアルキル基型、メチロール基型、イミノ基型の各アミノ樹脂があげられる。およびイソシアネート系化合物としてはポリイソシアネートを一部モノアルコールのエチレンオキサイドポリ付加体で変性した水分散性イソシアネート、ブロックイソシアネート化合物に親水性基を導入するか、または乳化剤を使用するかして得られる水性分散体などが使用できる。
また、(b)が不飽和二重結合を含有する場合の架橋触媒としては金属ドライヤー(オクチル酸金属塩、ナフテン酸金属塩)などが使用できる。
これらの架橋剤および架橋触媒の添加量は、水性分散体中の(b)の重量に対して、好ましくは0.1〜10%である。
【0072】
本発明の水性分散体(B)および(C)は、水性塗料およびコーティング剤(金属類の防錆コーティング、金属および樹脂などの防傷コーティング、紙や皮革などの耐水性コーティング、耐溶剤性コーティングおよび防湿性コーティング、並びに床面のつや出しコーティングなどにおけるトップコート、アンダーコート、中塗り:これらの塗料またはコーティング剤における塗布量は通常5〜100g/m2、厚さは1〜200μ)、各種バインダー(自動車塗料用バインダー、外壁塗装用バインダー、塗工紙用バインダー、およびセラミック用バインダーなど)、接着剤(木工用接着剤、金属部品用接着剤、プラスティック用接着剤、電子基盤用接着剤、および布用接着剤など)、並びに繊維加工剤(顔料捺染用バインダー、不織布用バインダー、および織・編布用加工剤など)などの幅広い分野に使用することができる。また、常温乾燥、加熱乾燥(好ましくは、40〜180℃、1分〜60分間)のいずれでも使用することができる。
【0073】
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこの限りではない。
実施例中で使用する原料記号は以下の通りである。
「PES−2000」;1,4−ブタンジオールとネオペンチルグリコール/アジピン酸からなるポリエステルジオール(Mn2000、三洋化成工業製、サンエスター45620)、
「PP−2000」;ポリプロピレングリコール(Mn2000、三洋化成工業製サンニックスPP−2000)、
【0074】
製造例1:イオン基含有イソシアネート末端プレポリマー
撹拌装置付ステンレス反応装置に、DMPA134部(1モル)、「PES2000」2000部(1モル)、IPDI666部(3モル)を仕込み、60℃で8時間反応させて粘度40Pa・s/90℃、NCO含有量3.0%のプレポリマー(a-1)を製造した。
【0075】
製造例2:イオン基含有イソシアネート末端プレポリマー
製造例1と同様の反応装置に、DHPS134部(1モル)、「PP2000」2000部(1モル)、TDI522部(3モル)を仕込み、60℃で3時間反応させて粘度20Pa・s/90℃、NCO含有量3.0%のプレポリマー(a-2)を製造した。
【0076】
製造例3〜8:反応性希釈剤
製造例1と同様の反応装置に、「PP2000」2000部(1モル)、IPDI444部(2モル)を仕込み、110℃で8時間反応させて末端イソシアネート基のプレポリマーを合成し、これにさらに表1に示す種類と量の(c1)[活性水素基とこれとは別の反応性基を含有する化合物]を100℃で1時間反応させ、反応性希釈剤(b-1)〜(b-6)を得た。これらの90℃における粘度およびMnを表1に示した。
【0077】
【表1】
【0078】
製造例9〜14;混合物(A)の製造
表2のように、(a-1)または(a-2)100部に対して、(b-1)〜(b-6)のいずれかを25部それぞれ90℃で混合し、混合物(A-1)〜(A-6)を製造した。回転式粘度計(東京計器製 B型粘度計、回転数 30回転)でそれらの粘度を測定した。その結果を表2に示した。
【0079】
【表2】
【0080】
実施例1〜5及び参考例1
ステンレス製ビーカーに、水を表3の部数仕込み、50℃に温調し、TKホモミキサーで12,000rpmで撹拌しながら、90℃に温調した表3の部数の(A-1)〜(A-6)を3分間かけて投入し、さらに3分間混合分散した。その後、表3の部数の伸長剤10重量%水溶液をさらに加え1分間混合分散し、 水性分散体を製造した。得られた水性分散体の粒子径を光散乱式粒度分布測定機(「LA700 」:堀場製作所製)で測定した。
不揮発分は130℃で45分乾燥し測定した。
粘度は回転式粘度計(東京計器製 B型粘度計、回転数 60回転)で測定しその結果を表3に示した。
【0081】
【表3】
【0082】
比較例1および2;
プレポリマー(a-1)103.6部と、イソシアネート基を有する希釈剤としてIPDI30部、または反応性ではない希釈剤として液状ロジン系粘着性付与樹脂(荒川化学社製、商品名「KE−828」20部を混合し、表4に示す仕込み比率とする以外は実施例1と同様にして水性分散体を作成した。
【0083】
【表4】
【0084】
実施例7、8および比較例3、4;
(乾燥皮膜の温水浸積外観変化、及び60℃剪断弾性率測定結果)
実施例1、2及び比較実施例1、2の水性分散体100部に、水分散性イソシアネート系架橋剤(アクアネートAQ−100;日本ポリウレタン工業製)5部を混合し、ポリプロピレン製トレイ(8cm×20cm)に厚さ500nmに流し込み室温で24時間乾燥し、さらに、80℃で1時間加熱処理して皮膜を作成した。
得られた皮膜を40℃の温水に24時間浸積しその外観変化を観察した。
また、皮膜の60℃における剪断弾性率を、バイブロンスペクトロメータ(岩本製作所製)を使用し周波数10Hzで測定した。その結果を表5に示した。
【0085】
【表5】
【0086】
【発明の効果】
本発明のポリウレタン樹脂水性分散体は、従来のものに比べ下記の効果を有する。
▲1▼有機溶剤含有量がきわめて少なく、人体への安全性が高く、また環境に優しい。
▲2▼粘度が低いので、取り扱いやすい。
▲3▼微粒子の水性分散体であり、保存安定性が高い。
▲4▼耐水性および物理物性に優れた乾燥または硬化皮膜が得られる。
Claims (9)
- イオン性基および/またはイオン形成性基を含有するイソシアネート基末端プレポリマー(a)と、カルボヒドラジド基、水酸基、カルボキシル基、グリシジル基およびシリル基からなる群から選ばれる1種以上の反応性基を有する25℃で液状のイソシアネート基を有しない反応性希釈剤(b)からなる混合物(A)を水性媒体中に乳化分散させてなる水性分散体を伸長剤と混合して(a)を鎖伸長させてポリウレタン樹脂水性分散体(B)を製造することを特徴とする製造方法であって、(b)が90℃で0.1〜10Pa・sの粘度を有することを特徴とするポリウレタン樹脂水性分散体の製造法。
- 乳化分散を60〜90℃の温度で行う請求項1記載の製造法。
- (b)が500〜10,000の数平均分子量を有する請求項1または2記載の水性分散体の製造法。
- (b)が有機ポリイソシアネートと30℃で液状の高分子ポリオールから誘導されるポリウレタン系反応性希釈剤である請求項1〜3のいずれか記載の製造法。
- (b)/(a)の重量比が0.05〜0.5である請求項1〜4のいずれか記載の製造法。
- 水性媒体が水、または水と有機溶媒の混合溶媒であり、有機溶媒の量が、混合溶媒の重量に基づいて0.3%以下である請求項1〜5のいずれか記載の製造法。
- 請求項1〜6のいずれか記載の水性分散体の製造法で得られるポリウレタン樹脂水性分散体。
- 請求項7記載の水性分散体に、さらに架橋剤が添加された硬化性ポリウレタン樹脂水性分散体(C)。
- 請求項7または8記載の水性分散体を基材に適用し、常温または加熱下に乾燥または硬化させてなるポリウレタン樹脂成形体。
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