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JP4153401B2 - 研磨機および研磨方法 - Google Patents
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JP4153401B2 - 研磨機および研磨方法 - Google Patents

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Description

本発明は、バリ取り並びに表面仕上げ加工用の研磨機、および研磨方法に関するものである。
自動車や航空機に用いられる精密部品では、機械加工後のバリ残りが原因で、応力割れや装置の誤動作が発生してしまう場合がある。また、機械加工を施した部位を、次の工程において装置をセットする際の基準位置とする場合もある。従って、精密部品に対しては、高精度のバリ取り、および表面仕上げ加工が要求される。
このような高精度のバリ取りや表面仕上げ加工には、アルミナ長繊維などの無機長繊維を用いたブラシ状砥石が適している。この種のブラシ状砥石は、アルミナ長繊維の集合糸にバインダー樹脂を含浸、硬化させてなる多数本の線状砥材からなる砥石であり、砥粉入りナイロンブラシやワイヤーブラシに比べて研磨力が強い(例えば、特許文献1参照)。
そのため、自動車部品や航空機部品といった高精度のバリ取りや表面仕上げ加工が要求されるワークの研磨加工が可能である。また、ブラシ状のため、砥石とワークとのなじみ性が高く、微細なバリ取りや表面仕上げ加工が可能である。しかも、この種のブラシ状砥石によれば、バリ取り加工の自動化も可能である。
特開2003−136413号公報
しかしながら、無機長繊維を用いたブラシ状砥石は、砥石であるため、研磨加工に伴い磨耗してしまう。従って、高精度の研磨加工を行うには、ワークの加工数(ブラシ状砥石の磨耗量)に応じてブラシ状砥石とワークとの相対的な位置を調節して、ワークに対する切り込み量を一定に維持する必要がある。しかも、無機長繊維を用いたブラシ状砥石は、線状砥材の先端部が実質的な研磨部分になることから、砥粉入りナイロンブラシやワイヤーブラシを用いた場合と比較して、ワークに対する切り込みを浅くして研磨効率を上げる必要があるので、線状砥材の先端の約0.5mm程度の部分で研磨することが好ましい。それ故、無機長繊維を用いたブラシ状砥石を用いて高精度な研磨加工を行うには、ブラシ状砥石とワークとの相対的な位置をより高精度に制御する必要があるので、そのための制御プログラムが複雑になってしまうという問題がある。但し、前加工工程でのばらつきににより、バリの大きさにばらつきがある場合には、制御プログラムによる補正では対応できないという問題点がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、無機長繊維を用いたブラシ状砥石のワークの切り込み量を常に一定にすることにより、この種のブラシ状砥石の性能を安定的に発揮可能な研磨機、および研磨方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、無機長繊維の集合糸にバインダー樹脂を含浸、硬化させてなる多数本の線状砥材を備えるブラシ状砥石とワークとを相対移動させてワークの表面を研磨する研磨機において、前記ブラシ状砥石をワークに向かう方向およびワークから遠ざかる方向に移動可能に支持する支持機構と、当該ブラシ状砥石をワークに向けて付勢する付勢部材と、該付勢部材の付勢力を調整する付勢力調整機構とを有し、前記ブラシ状砥石は、前記支持機構に支持されるシャンクを上部に備えた円筒状のブラシケースと、前記線状砥材を保持し、前記ブラシケース内に挿入されたブラシ状砥石本体と、該ブラシ状砥石本体を前記ブラシケース内に固定するためのねじとを有し、前記ブラシケースには、該ブラシケースの内側でその軸線方向に延びた支軸と、前記ブラシケースの周壁で軸線方向に溝状に延びた案内孔とが形成され、前記ブラシ状砥石本体において、前記線状砥材の基端側を保持する円筒状のホルダには、前記支軸が嵌る軸孔と、当該ホルダの外周面から前記軸孔まで届くねじ孔とが形成され、前記ねじは、前記ブラシケースの外周側から取付けられて前記案内孔を貫通し、かつ、ねじ軸の先端部が前記支軸の外周面に突き当たる状態に前記ねじ孔に螺着されて、前記ブラシケースの下端部からの前記線状砥材の自由端の突出寸法を所定寸法とする位置に前記ホルダを前記ブラシケース内に固定していることを特徴とする。本発明では、ブラシ状砥石を用いた研磨によりバリ取りを行うが、線状砥材でバリを切削しているとも言え、本願明細書では、研磨と切削とを区別せず、全て「研磨」と表現する。
また、本発明では、無機長繊維の集合糸にバインダー樹脂を含浸、硬化させてなる多数本の線状砥材を備えるブラシ状砥石とワークとを相対移動させてワークの表面を研磨する研磨方法において、前記ブラシ状砥石に対して、ワークに向けて一定の荷重を印加した状態でワークを研磨するとともに、前記ブラシ状砥石は、前記線状砥材の基端側を保持するホルダが円筒状のブラシケース内における軸線方向の位置を調整可能に固定され、当該ホルダの前記ブラシケース内における軸線方向の位置を調整することにより前記ブラシケースの下端部からの前記線状砥材の自由端の突出寸法が調整されることを特徴とする
また、本発明は、ブラシ状砥石をワークに向けて所定の付勢力をもって付勢する付勢部材の付勢力を調整する付勢力調整機構を有しているため、ブラシ状砥石の性能や、ワークの形状や材質に合わせて、最適な付勢力、荷重を設定することができるので、高精度の研磨加工をすることができる。
本発明においては、例えば、前記ブラシ状砥石の前記シャンクが連結されるツールホルダを有する構成を採用でき、この場合、前記ツールホルダは、前記シャンクを保持するツール保持体と、該ツール保持体の基端側が内側に挿入され、かつ、前記支持機構、前記付勢部材、および前記付勢力調整機構が構成されたホルダ本体とを備え、前記ホルダ本体の側において、前記支持機構は、前記ブラシ状砥石を前記シャンクを介して保持する前記ツール保持体をワークに向かう方向およびワークから遠ざかる方向に移動可能に支持し、前記付勢部材は、前記ツール保持体を介して前記ブラシ状砥石を付勢する。
本発明において、前記付勢部材は、例えば、圧縮コイルばねであり、前記付勢力調整機構は、当該圧縮コイルばねの長さ寸法を調整することにより、当該圧縮コイルばねの付勢力を調整する。
本発明の研磨機に用いられるブラシ状砥石は、無機長繊維の集合糸にバインダー樹脂を含浸、硬化させてなる多数本の線状砥材を備えており、砥粉入りナイロンブラシやワイヤーブラシに比べて研磨力が強い。従って、自動車部品や航空機部品といった高精度のバリ取りや表面仕上げ加工が要求されるワークに対する研磨加工を行うことができる。また、ブラシ状であるため、ワークとのなじみ性が高く、微細なバリ取りや表面仕上げ加工ができる。さらに、ブラシ状砥石は、付勢部材および付勢力調整機構を備えたフローティング機構によって、所定の付勢力、荷重が印加された状態でワークを研磨するので、線状砥材が磨耗しても、ブラシ状砥石の切り込み荷重を一定に保つことができる。従って、ワークへの切り込み量を一定に維持することができるので、ワークに高精度の研磨加工を施すことができる。このため、ブラシ状砥石とワークとの相対的な位置を補正、調整するプログラムを簡素化することができる。また、ブラシ状砥石においては、線状砥材の突き出し量の調整インターバルを延長することができる。さらに、前加工工程の影響でバリの大きさにばらつきがあっても、そのようなばらつきを吸収できるので、仕上がり状態の安定化を図ることができる。
(研磨機の構成)
図1は、本発明の研磨機のブラシ状砥石の斜視図である。図2は、本発明の研磨機のツールホルダの断面図である。
図1および図2において、本発明の研磨機1は、ブラシ状砥石本体13を備えたブラシ状砥石10(研磨機用ブラシ)と、ブラシ状砥石10をマシニングセンタに連結するためのツールホルダ5と、ブラシ状砥石10の位置をプログラム制御可能なマシニングセンタ100とからなる。ワークに対する各種のバリ取りや表面仕上げなどの研磨加工は、マシニングセンタ100にツールホルダ5を介して連結したブラシ状砥石10を、軸線L周りに回転駆動して行われる。ここで、ブラシ状砥石10は、回転運動に限らず、往復動作、オシレーション動作、揺動、これらの動作を組合わせた動きを行わせることもある。さらに、ブラシ状砥石10を軸線Lの方向に上下移動させる動きを組み合わせることもある。このようなブラシ状砥石10の動作、およびブラシ状砥石10とワークとの相対的な位置の調節はマシニングセンタ100の制御プログラムによって行われる。
(ブラシ状砥石の構成)
図1に示すように、本発明のブラシ状砥石10は、上部にシャンク21を備えた円筒状の金属製のブラシケース12と、このブラシケース12内に上部が挿入されたブラシ状砥石本体13と、このブラシ状砥石本体13をブラシケース12内の所定位置に固定するためのねじ41、42とから構成されている。
ブラシケース12の上底部分の中央には丸棒状の支軸25の上端部分が固定され、この支軸25は、ブラシケース12の内側において、周壁20と同心状に軸線Lの方向に延びている。また、ブラシケース12の周壁20には、その軸線Lの方向に対して平行に溝状に延びた案内孔26、27が軸線Lを挟む点対称位置に形成されている。ブラシケース12は、周壁20がアルミニウム製であり、支軸25はステンレス製である。
ブラシ状砥石本体13は、アルミナ長繊維などといった無機長繊維の集合糸にバインダー樹脂を含浸、硬化させた多数本の線状砥材32と、これらの線状砥材32の基端側を一括して保持する円筒状の金属製のホルダ31とから構成され、ホルダ31の中央には、支軸25が挿通する軸孔30が形成されている。また、ホルダ31の周壁には、軸線Lを挟む点対称位置に一対のねじ孔36、37が形成され、これらのねじ孔36、37は、ホルダ31の周壁の外周面から軸孔30にまで届いている。
このように構成したブラシケース12とブラシ状砥石本体13とを用いてブラシ状砥石10を組み立てる際には、ホルダ31の軸孔30に支軸25が嵌るようにして、ブラシケース12の内側にブラシ状砥石本体13の上部(ホルダ31の側)を挿入した後、ブラシケース12の外周側から各案内孔26、27にねじ41、42を通して、ホルダ31のねじ孔36、37にねじ41、42をそれぞれ止める。この際、ねじ41、42の軸部の先端部が支軸25の外周面に突き当たるまでねじ41、42を締め込む。その結果、ブラシケース12の内側において、ホルダ31はねじ41、42を介してブラシケース12の支軸25上に固定される。
この際、ブラシケース12の各案内孔26、27を通してホルダ31のねじ孔36、37にねじ41、42を浅く止めおき、この状態で、ブラシケース12の内側において、ブラシ状砥石本体13を軸線Lの方向に移動させれば、ブラシケース12の内側におけるブラシ状砥石本体13の軸線Lの方向における位置を調整できる。従って、ブラシケース12の下端部29での線状砥材32の自由端33の突出寸法を調整することができるので、線状砥材32の腰の強さ、すなわち、研削性やなじみ性を最適化することができる。本形態では、線状砥材32の先端、約5mmの部分を用いてワークの研磨を行えるように、線状砥材32の突き出し量が調整されている。
(ツールホルダの構成)
再び図1および図2において、ブラシ状砥石10は、ブラシケース12の上部で突き出ているシャンク21を介してツールホルダ5に保持され、マシニングセンタ100に連結される。ツールホルダ5は、シャンク21を保持するシリンダ状のツール保持体6と、ツール保持体6の基端側が内側に挿入されたホルダ本体7と、以下に説明するフローティング機構とを備えている。
ホルダ本体7は、基端側に向かって縮径する円筒形のテーパ部分71と、長さ方向における略中央に位置する大径の円筒部分72と、ワーク側の小径の円筒部分73とからなる。ホルダ本体7の基端側の端面7aの中心には、ツールホルダ5をマニシングセンタ100に取り付けるための円形の取付け穴50が、軸線Mに沿って延びるように形成されている。取付け孔50の内周面50aには、マニシングセンタ100のツールホルダ取り付けボルト91が蝶合するねじ溝が形成されており、ツールホルダ取り付けボルト91を締め付けることにより、マニシングセンタ100のツール取付け部101にホルダ本体7のテーパ部分71が引き込まれ、嵌合する。
ホルダ本体7のワーク側の端面7bの中心には軸線Mに沿って延びる保持孔75が形成されている。保持孔75には、ツール保持体6の基端側から4/5程度の部分が挿入されている。また、保持孔75の底面75aの中心には、ツール保持体6を介してブラシ状砥石10をワークに向けて付勢する圧縮コイルばね80の基端部が当接している。また、底面75aの中心であって、圧縮コイルばね80のコイル開口に相当する位置には、コイル径よりも僅かに小さい径の孔76が形成されており、この孔76は、取付け孔50に連通している。
ホルダ本体7の円筒部分72の外周面には周方向に環状溝72aが形成されている。環状溝72aの底面72bには、保持孔75内に連通する複数のボール挿入孔72cが所定の角度位置に形成されている。これらのボール挿入孔72cには回り止めボール77が装着され、回り止めボール77は、一部が保持孔75内に突出している。また、ボール挿入孔72cの内周面にはねじ溝が形成されており、そこには、回り止めボール77を抑える押さえネジ78と、押さえネジの緩みを防止するための緩み防止ネジ79とが螺着されている。
ツール保持体6は、円筒形状の部材であり、ワーク側に位置する一方の端面6bの中心には、ブラシ状砥石10のシャンク21を受け入れるための連結孔61が軸線Mに沿って延びるように形成されている。連結孔61の周囲には半径方向から連通する複数のネジ孔62が形成されており、このネジ孔62に蝶合する固定ネジ(図示せず)によってシャンク21が周方向から固定される。
ツール保持体6の他方側の端面6aの中心には、ホルダ本体7に取り付けられた圧縮コイルばね80が挿入されるバネ孔65が軸線Mに沿って延びるように形成されている。バネ孔65の底面65aの中心には、調整ボルト取り付け孔66が軸線Mに沿って形成されており、調整ボルト取り付け孔66は、連結孔61と連通している。
調整ボルト取り付け孔66の内周面66aには、ねじ溝が形成されており、基端側からは調整ボルト85が螺着されている一方、ワーク側からはロックボルト86が螺着されている。調節ボルト85およびロックボルト86には、それぞれの頭部85a、86aの端面の中心に6角レンチ用の嵌合凹部85c、86cが形成されている。調整ボルト85は、図2に示す状態で、先端面端面85bがロックボルト86の先端面86bに当接するまで深く締められており、これにより、調節ボルト85のこれ以上の締め込みを防止している。
ここで、調節ボルト85の頭部には、圧縮コイルばね80の端部が当接している。このため、ツール保持体6は、調節ボルト85を介して圧縮コイルばね80にワークの側に向けて付勢されている。
また、ツール保持体6の外周面60には、所定の角度位置に軸線Mに沿って延びる溝状の回り止め凹部68が形成され、これらの回り止め凹部68には、ホルダ本体7のボール挿入孔72cに装着された回り止めボール77が部分的に入り込んでいる。このため、ツール保持体6は、軸線M周りの空回りが規制されている。
ここで、回り止め凹部68および周り止めボール77は、回り止め凹部68の軸線M方向の長さ寸法に相当する距離だけは、ツール保持体6およびブラシ状砥石10をワークに向かう方向およびワークから遠ざかる方向に移動可能に支持する支持機構として機能する。但し、ツール保持体6は、調節ボルト85を介して圧縮コイルばね80によってワークの側に向けて付勢されているため、回り止めボール77は、回り止め凹部68の端部と当接している。このため、ツール保持体6は、図2に示す状態から、矢印M1で示す方向への動きは許容されているが、矢印M2で示す方向への動きは規制されている。
このように構成したブラシ状砥石10を用いてワークを研磨した際、ブラシ状砥石10は、圧縮コイルばね80の付勢力に相当する一定荷重が印加された状態でワークを研磨する。このため、ブラシ状砥石10は、線状砥材33が磨耗した場合でも、ワークに対する切り込み荷重が一定であるため、一定の切り込み量でワークを高精度に研磨する。
(付勢力調整機構)
また、本形態では、圧縮コイルばね80のコイル開口80aと調節ボルト85の頭部中心に形成された6角レンチ用の嵌合凹部85cとは、軸線M方向に一致した位置にある。また、圧縮コイルばね80のコイル開口80aに相当する位置には小さな孔76が形成され、この孔76は取付け孔50と連通している。従って、取付け孔50から六角レンチを差し込んで、調節ボルト85を緩め、図3に示すように、圧縮コイルばね80の長さ寸法を短くすれば、付勢力を強めることができる。逆に、図3に示す状態で、圧縮コイルばね80の付勢力が強すぎる場合には、調節ボルト85を締めることにより、圧縮コイルばね80の長さ寸法を長くして付勢力を弱めることもできる。
(本形態の効果)
以上説明したように、本形態の研磨機1に用いられるブラシ状砥石10は、アルミナ長繊維などの無機長繊維の集合糸にバインダー樹脂を含浸、硬化させてなる多数本の線状砥材33を備えているため、自動車部品や航空機部品といった高精度のバリ取りや表面仕上げ加工が要求されるワークへの研磨加工ができる。また、ブラシ状砥石であるため、ワークとのなじみ性が高く、微細なバリ取りや表面仕上げ加工ができる。
また、本形態では、ブラシ状砥石10を保持するツール保持体6が、ホルダ本体7にワークに向かう方向およびワークから遠ざかる方向に移動可能に支持されている。また、ブラシ状砥石10を保持するツール保持体6が圧縮コイルばね80により、ワークに向けて所定の付勢力をもって付勢されている。したがって、バリ取りあるいは表面仕上げ加工に伴いブラシ状砥石10のブラシ状砥石本体13が磨耗しても、ブラシ状砥石本体13の切り込み荷重を一定に保つことができる。この結果、ワークへの切り込み量を一定に維持することができるので、ワークに高精度の研磨加工を施すことができる。また、ブラシ状砥石本体13が磨耗しても、機械的な構成により、ブラシ状砥石本体13のワークへの切り込み量を一定に保つことができるので、切り込みを浅くして研磨加工効率をあげる研磨加工方法を用いた場合でも、ブラシ状砥石本体13とワークとの相対的な位置を調整する制御プログラムを簡素化することができる。また、前加工の加工精度のバラツキによりバリの大きさにバラツキが発生しても、ワークへの切り込み量を常に一定に保つことができる。この結果、ブラシ状砥石の磨耗量が一定なので、バリ取りや表面仕上げ加工精度が不安定になることがない。
また、本形態では、ブラシ状砥石本体13を有するブラシ状砥石10をワークに向けて付勢する圧縮コイルばね80の付勢力を調整ボルト85により調整することができる。したがって、ブラシ状砥石本体13の磨耗状態、ワークの材質および研磨加工方法にあわせて適切な付勢力を設定することができ、高精度の研磨加工をすることができる。また、調節ボルト85を緩める作業および締め付ける作業は、ホルダ本体7の基端側の取付け孔50から六角レンチを差し込むことにより、容易に調節することができる。
(その他の形態)
上記形態では、ブラシ状砥石10のシャンク21をツール保持体6の連結孔61に挿入し、シャンク21を周方向からネジにより固定していたが、ツール保持体6にコレットチャックを設け、このコレットチャックにより、ブラシ状砥石10のシャンク21を保持してもよい。また、シャンク21にスリーブを被せた状態で連結孔61に挿入、固定する構成を採用すれば、多様なサイズのシャンク21に対応できるのでシャンク径の異なるブラシ状砥石に対応することができる。
上記形態では、アルミナ長繊維の集合糸にバインダー樹脂を含浸、硬化させてなる多数本の線状砥材を備えたブラシ状砥石を用いたが、無機長繊維の集合糸にバインダー樹脂を含浸、硬化させてなる多数本の線状砥材を備えたブラシ状砥石であればよく、アルミナ長繊維に限定されるものではない。
本発明の研磨機に用いられるブラシ状砥石は、無機長繊維の集合糸にバインダー樹脂を含浸、硬化させてなる多数本の線状砥材を備えているため、研磨力が強いので、自動車部品や航空機部品といった高精度のバリ取りや表面仕上げ加工が要求されるワークに対する研磨加工を行うことができる。また、ブラシ状であるため、ワークとのなじみ性が高く、微細なバリ取りや表面仕上げ加工ができる。さらに、ブラシ状砥石は、付勢部材および付勢力調整機構を備えたフローティング機構によって、所定の付勢力、荷重が印加された状態でワークを研磨するので、線状砥材が磨耗しても、ブラシ状砥石の切り込み荷重を一定に保つことができる。従って、ワークへの切り込み量を一定に維持することができるので、ワークに高精度の研磨加工を施すことができる。このため、ブラシ状砥石とワークとの相対的な位置を補正、調整するプログラムを簡素化することができる。また、ブラシ状砥石においては、線状砥材の突き出し量の調整インターバルを延長することができる。さらに、前加工工程の影響でバリの大きさにばらつきがあっても、そのようなばらつきを吸収できるので、仕上がり状態の安定化を図ることができる。
本発明の研磨機に用いるブラシ状砥石の斜視図である。 本発明の研磨機のツールホルダの断面図である。 本発明の研磨機において、ツール保持体への付勢力を強くした場合のツールホルダの断面図である。
符号の説明
1 研磨機
5 ツールホルダ
6 ツール支持体
7 ホルダ本体
10 ブラシ状砥石
13 ブラシ状砥石本体
21 シャンク
77 回り止めボール
80 圧縮コイルばね
85 調整ボルト
86 ロックボルト
100 マシニングセンタ

Claims (4)

  1. 無機長繊維の集合糸にバインダー樹脂を含浸、硬化させてなる多数本の線状砥材を備えるブラシ状砥石とワークとを相対移動させてワークの表面を研磨する研磨機において、
    前記ブラシ状砥石をワークに向かう方向およびワークから遠ざかる方向に移動可能に支持する支持機構と、当該ブラシ状砥石をワークに向けて付勢する付勢部材と、該付勢部材の付勢力を調整する付勢力調整機構とを有し、
    前記ブラシ状砥石は、前記支持機構に支持されるシャンクを上部に備えた円筒状のブラシケースと、前記線状砥材を保持し、前記ブラシケース内に挿入されたブラシ状砥石本体と、該ブラシ状砥石本体を前記ブラシケース内に固定するためのねじとを有し、
    前記ブラシケースには、該ブラシケースの内側でその軸線方向に延びた支軸と、前記ブラシケースの周壁で軸線方向に溝状に延びた案内孔とが形成され、
    前記ブラシ状砥石本体において、前記線状砥材の基端側を保持する円筒状のホルダには、前記支軸が嵌る軸孔と、当該ホルダの外周面から前記軸孔まで届くねじ孔とが形成され、
    前記ねじは、前記ブラシケースの外周側から取付けられて前記案内孔を貫通し、かつ、ねじ軸の先端部が前記支軸の外周面に突き当たる状態に前記ねじ孔に螺着されて、前記ブラシケースの下端部からの前記線状砥材の自由端の突出寸法を所定寸法とする位置に前記ホルダを前記ブラシケース内に固定していることを特徴とする研磨機。
  2. 請求項1において、前記ブラシ状砥石の前記シャンクが連結されるツールホルダを有し、
    前記ツールホルダは、前記シャンクを保持するツール保持体と、該ツール保持体の基端側が内側に挿入され、かつ、前記支持機構、前記付勢部材、および前記付勢力調整機構が構成されたホルダ本体とを備え、
    前記ホルダ本体の側において、前記支持機構は、前記ブラシ状砥石を前記シャンクを介して保持する前記ツール保持体をワークに向かう方向およびワークから遠ざかる方向に移動可能に支持し、前記付勢部材は、前記ツール保持体を介して前記ブラシ状砥石を付勢することを特徴とする研磨機。
  3. 請求項2において、前記付勢部材は、圧縮コイルばねであり、前記付勢力調整機構は、当該圧縮コイルばねの長さ寸法を調整することにより、当該圧縮コイルばねの付勢力を調整することを特徴とする研磨機。
  4. 無機長繊維の集合糸にバインダー樹脂を含浸、硬化させてなる多数本の線状砥材を備えるブラシ状砥石とワークとを相対移動させてワークの表面を研磨する研磨方法において、
    前記ブラシ状砥石に対して、ワークに向けて一定の荷重を印加した状態でワークを研磨するとともに、
    前記ブラシ状砥石では、前記線状砥材の基端側を保持するホルダが円筒状のブラシケース内における軸線方向の位置を調整可能に固定され、当該ホルダの前記ブラシケース内における軸線方向の位置を調整することにより前記ブラシケースの下端部からの前記線状砥材の自由端の突出寸法が調整されることを特徴とする研磨方法。
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