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JP4154751B2 - インク容器及びそれを用いたインクジェット記録装置 - Google Patents
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JP4154751B2 - インク容器及びそれを用いたインクジェット記録装置 - Google Patents

インク容器及びそれを用いたインクジェット記録装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録ヘッドに供給されるインクが負圧状態で収納されているインク容器及びそれを用いたインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクジェット記録装置において、記録ヘッドの性能維持や記録ヘッドのノズルに正圧が作用してインクが漏れるのを防止するため、記録ヘッドのノズルよりもインクカートリッジのインク液面を低い位置に配置することにより、記録ヘッドに作用するインク供給圧力を所定の負圧に維持するものがある。
【0003】
このような装置では、記録ヘッドに対するインクタンクの配置位置の制約がある等の理由から、例えば特開平6−183023号公報に記載されるように、内部にインクを収容する可撓性の袋を有し、該可撓性の袋の内部に剛性のある一対の板状部材と該一対の板状部材の間にバネ部材を挟み込むことにより、可撓性の袋の内部に負圧を発生させるインクカートリッジが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなインクカートリッジでは、可撓性の袋の内部に一対の板状部材やバネ部材を設ける構造であるので、全体構造が複雑となる。よって、量産性に適さず、また、高価である。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、簡単かつ安価な構造でもって、記録ヘッドに供給されるインクを負圧状態で収納することができるインク容器及びそれを用いたインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、記録ヘッドに供給されるインクが負圧状態で収納されているインク容器であって、対向する2つの側面部を有し、内部にインクが収納され変形可能な柔軟性を有するインクパックと、該インクパックに、前記側面部に沿って埋設状態で一体化され前記両側面部を互いに離れる方向に付勢する板状のバネ部材とを備えるものである。ここで、「バネ部材がインクパックに、前記側面部に沿って埋設状態で一体化されるということは、バネ部材がインクパックに一体的に設けられているということで、インクパックそのものにバネ部材の一部又は全部が、インクパックから離れないように埋め込まれていればよいことを意味する。
【0007】
請求項1の発明によれば、バネ部材によって、インクパックの両側面部が互いに離れる方向に付勢され、パック内部のインクが負圧状態とされる。よって、インク容器が記録ヘッドより上方に配置されても、記録ヘッドのノズルからインクが漏れ出ることはない。また、バネ部材の一部又は全部がインクパックに、前記側面部に沿って埋設状態で一体化され、それと一体化されているので、インクパックにバネ部材を取り付けるという取付作業を必要としない。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1のインク容器において、前記インクパックが、内側及び外側のパックからなりそれらの間に閉空間を有する二重パック構造であり、前記閉空間内に前記バネ部材埋設されるものである。
【0009】
請求項2の発明によれば、インクパックが、内側及び外側のパックからなる二重パック構造であるから、それらの間の閉空間にバネ部材を簡単に埋設することが可能となる。
【0010】
請求項3の発明は、請求項2のインク容器において、前記閉空間が、減圧密封状態とされている。
【0011】
請求項3の発明によれば、閉空間が減圧密封状態とされているので、内側及び外側のパックがバネ部材に密着してそれらが一体となり、バネ部材の付勢力が、外側及び内側のパックに効率よく作用する。
【0012】
請求項4の発明は、請求項2又は3のインク容器において、前記バネ部材が、内側パックの両側面部付近に位置する2つの取付部と、該両取付部を内側のパックの端部を越えて連結するU字形の連結部とを有する。
【0013】
請求項4の発明によれば、バネ部材が、インクパックの両側面部付近に位置する2つの取付部を、内側のパックの端部を越えるU字形の連結部にて連結することで構成され、バネ部材そのものも簡単な構造となり、内側のパック内におけるインクの貯留を確保して、内側及び外側のパックの間の閉空間内にバネ部材を簡単に位置させることが可能となる。
【0014】
請求項5の発明は、請求項4のインク容器において、前記バネ部材の取付部が、中央に位置する連結部との連結部分から複数回屈曲又は湾曲して外側に延びている板バネ状である。
【0015】
請求項5の発明によれば、バネ部材の被係止部が、板バネ状で、中央に位置する連結部との連結部分から複数回屈曲又は湾曲して外側に延びる構造で、被係止部の付勢力が連結部より離れるに従って徐々に小さくなるようにされ、インクパックの各部位における付勢力が調整される。
【0016】
請求項6の発明は、請求項5のインク容器において、前記バネ部材の取付部が、左右対称に形成され、左右の各部分が、一端部が連結部に連結されたコの字形状の第1の部分と、該第1の部分に並設され一端部が第1の部分の他端部に連結されているコの字形状の第2の部分とを有するものである。
【0017】
請求項6の発明によれば、コの字形状の第1及び第2の部分を利用するという簡単な構成でもって、インクパックの両側面部において外側表面の略全体に亘ってバネ部材の取付部を設けることが可能とされ、外側表面の全体に亘ってバネ部材の付勢力が作用せしめられる。それと共に、第2の部分による付勢力が第1の部分による付勢力より小さくなっており、連結部より離れるに従って付勢力が徐々に小さくなるように調整される。
【0018】
請求項7の発明は、請求項5又は6のインク容器において、前記インクパックが、シート状材料を折り曲げてその周辺をコの字状に溶着して、袋状に形成されたものであり、前記連結部が越える内側のパックの端部は、前記折り曲げ部分とは反対側の溶着部分である。
【0019】
請求項7の発明によれば、シート状材料を折り曲げかつ溶着して構成したインクパックが、バネ部材の付勢により該折り曲げ部分を緊張させて三次元形状の袋状とされる。
【0020】
請求項8の発明は、記録ヘッドに供給されるインクが負圧状態で収納されているインク容器であって、対向する2つの側面部を有し、内部にインクが収納され変形可能な柔軟性を有する袋状のインクパックと、該インクパックに、前記側面部に沿って埋設状態で一体化され前記一方の側面部を中央部分よりも周辺部分を小さい力で他方の側面部に対し離れる方向に付勢する板状のバネ部材とを備える。この構成において、バネ部材の一部又は全部が、インクパックそのものに、前記側面部に沿って埋設状態で一体化されていればよく、また、インクパックの一方の側面部が固定され、他方の側面部のみが変形可能である場合であってもよい。
【0021】
請求項8の発明によれば、インクパックに、前記側面部に沿って埋設状態で一体化されているバネ部材によって、インクパックの両側面部のうち一方の側面部が、中央部分よりも周辺部分が小さい力で他方の側面部に対し離れる方向に付勢され、インクパック内のインクが負圧状態とされる。
【0022】
請求項9の発明は、請求項8のインク容器において、前記バネ部材が、前記一方の側面部の中央部分を他方の側面部に対し離れる方向に付勢する第1の部分と、その第1の部分から前記一方の側面部に沿って延びる第2の部分とを備えるものである。
【0023】
請求項9の発明によれば、バネ部材の第1の部分によって、一方の側面部の中央部分が他方の側面部に対し離れる方向に付勢され、その第1の部分から前記一方の側面部に沿って延びる第2の部分が設けられていることで、簡単な構造で、一方の側面部が、中央部分よりも周辺部分が小さい力で他方の側面部に対し離れる方向に付勢されることになる。
【0024】
請求項10の発明は、請求項9のインク容器において、前記第2の部分が、第1の部分から複数回屈曲又は湾曲して側面部の周辺部分に向けて延びているものである。
【0025】
請求項10の発明によれば、第1の部分から複数回屈曲又は湾曲して側面部の周辺部分に向けて延びるようにして第2の部分を形成することで、簡単な構造でもって、一方の側面部は、中央部分よりも周辺部分が小さい力で他方の側面部に対し離れる方向に付勢されることになる。
【0026】
請求項11の発明は、記録媒体にインクを吐出して記録を行う記録ヘッドと、インクを貯留するインク容器と、該インク容器が着脱可能に装着されるインク容器装着部と、該インク容器装着部に設けられ前記インク容器がインク容器装着部に装着される際に、前記インク容器に結合され前記インク容器内のインクを記録ヘッドに導く中空針状の接続部材とを備えるインクジェット記録装置において、前記インク容器が、対向する2つの側面部を有し内部にインクが収納されている変形可能な柔軟性を有する袋状のインクパックと、該インクパックに、前記側面部に沿って埋設状態で一体化され前記インクパックの両側面部の少なくとも一方の側面部を他方の側面部に対し離れる方向に付勢する板状のバネ部材とを有し、前記バネ部材の付勢力は、結合された接続部材の先端部より離れた部位の方が、近い部位よりも小さくなるように設定されている。
【0027】
請求項11の発明によれば、結合された接続部材の先端部より離れた部位の方が近い部位よりも小さくなるように、バネ部材の付勢力が設定されていることから、インクが消費されると、結合された接続部材の先端部より離れた部位の方から側面部間の間隔が狭くなるように形状が変化する。よって、インクパック内のインクの残量が少なくなっても、そのインクが接続部材の先端部付近に集められ、インクパック内のインクを有効に消費することが可能とされる。
【0028】
請求項12の発明は、請求項11のインクジェット記録装置において、前記バネ部材が、前記一方の側面部において前記接続部材の先端部が位置する部分を、他方の側面部に対し離れる方向に付勢する第1の部分と、その第1の部分から前記一方の側面部に沿って延びる第2の部分とを備えるものである。
【0029】
請求項12の発明によれば、一方の側面部において接続部材の先端部が位置する部分が、バネ部材の第1の部分によって、他方の側面部に対し離れる方向に積極的に付勢され、その第1の部分から第2の部分が前記一方の側面部に沿って延びることから、バネ部材の付勢力は、結合された接続部材の先端部より離れた部位の方が、近い部位よりも小さくなる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に沿って説明する。
【0031】
本発明に係るインクジェット記録装置の概略構成を示す図1において、インクジェット記録装置51は、記録媒体(図示せず)にインクを吐出して記録を行う記録ヘッド52を備え、該記録ヘッド52には、インクを貯留するインク容器24からインクが供給されるようになっている。前記記録ヘッド52は、記録媒体の幅方向に往復移動可能に設けられたキャリッジ53上に搭載され、該キャリッジ53上に前記インク容器24が着脱可能に装着されるインク容器装着部55が設けられている。
【0032】
前記インク容器装着部55は合成樹脂材料により成形され、内部にインク貯留室56を有する縦壁部57を備える。縦壁部57は、前壁部分57aと後壁部分57bとを有する2重壁構造に形成され、前記前壁部分57aと後壁部分57bとの間の空間部分が、噴射される前のインクが一旦貯留されるインク貯留室56となっている。
【0033】
前記縦壁部57の下端より後方に延びる下壁部58と、前記縦壁部57の両側縁より後方に延び下端縁が下壁部58に連設される側壁部(一方の側壁部59のみ図示)とを備え、それら壁部によって、インク容器24が着脱可能に装着される装着凹部61が形成されている。
【0034】
さらに、前記インク容器装着部55の縦壁部57には、インク容器24が着脱可能にインク容器装着部55の装着凹部61に装着される際に、前記インク容器24に突き刺さることにより結合され前記インク容器24内のインクを、インク貯留室56を通じて記録ヘッド52に導く中空針状の接続部材62が筒状部材63を介して設けられている。なお、前記縦壁部57の前壁部分57aの下側にインク供給孔64が設けられ、該インク供給孔64に、アダプタ65,66を介して、記録ヘッド52が接続されている。記録ヘッド52の上下は、それぞれ上カバー67及び下カバー68にて覆われている。
【0035】
前記インク容器24は、対向する2つの側面部31a,31bを有し内部にインクが収納されている変形可能な柔軟性を有する袋状のインクパック31と、該インクパック31内に埋設され前記両側面部31a,31bを互いに離れる方向に付勢する付勢手段としての板状のバネ部材32とを備えている。バネ部材32の付勢力により、インクパック31の両側面部は互いに離れる方向に付勢され、記録ヘッド2に供給されるインクがインクパック31内に負圧状態で収納されるようになっている。よって、接続部材62が、インクパック31に挿通された際に、インクパック31との接続部分や記録ヘッド52のノズルよりインクが漏れ出るおそれがない。
【0036】
また、前記インクパック31は、内側及び外側のパック41,42からなりそれらの間に閉空間43を有する二重パック構造であり、前記閉空間43内にバネ部材32が位置するようになっている。前記閉空間43は、減圧密封空間とされ、内側及び外側のパック41,42がバネ部材32に密着して一体となり、バネ部材32の付勢力が確実に外側及び内側のパック41,42に伝達されるようになっている。
【0037】
ここで、前記閉空間43を減圧密封空間とするのは、内外両パック41,42間にバネ部材32が簡単に埋設状態で一体化され、バネ部材32の付勢力が各側面部31a,31bに効率よく伝達される点で有利であり望ましいからである。しかし、必ずしもバネ部材32に内外両パック41,42を密着させる必要はなく、内外両パック41,42の寸法差の設定次第で、少しぐらいの隙間を生じてもバネ部材32の付勢力は各側面部31a,31bに伝達されるので、実用上は大きな問題はない。
【0038】
前記インクパック31の内側及び外側のパック41,42は、シート状材料を用いて形成されている。各パック41,42は、共に、一端部31cで折り返して重ね、一端部31cを除くコの字状の周辺部を溶着して袋状に形成されており、その周辺部(溶着部分)においては強度が高くなり、他の部分より変形しにくくなっている。具体的には、一端部に連続する周辺部31d,31fにおいて、内側及び外側のパック41,42が一緒に溶着され、前記一端部31cと反対側の端部は、内側及び外側のパック41,42が別々に溶着され、内側のパックの周辺部41a(溶着部分)が外側のパック42内に位置し、外側に位置するのは、外側のパック42の周辺部42a(溶着部分)のみとなっている。そして、内側のパック41の周辺部41aと外側のパック42の周辺部42aとの間に、バネ部材32の後述する連結部34が位置するようになっている。そして、バネ部材32の作用でインクパック31の両側面部31a,31bが互いに離れる方向に付勢されることによって、前記一端部31cは、両側面部31a,31bとほぼ直角に緊張状態に保持され、接続部材62を突き刺しやすくなっている。
【0039】
尚、上記インクパック31においては、接続部材62が突き刺される一端部31cも内側及び外側のパック41,42の二重構造となっているが、すべての部分において二重構造とする必要はなく、要するに二重構造を利用してインクパック31にバネ部材32を埋設してそれらを一体化できればよいのであって、例えば接続部材62が突き刺しやすくなるように、一端部31cの部分のみをシート状材料を二重としない1枚の構造とすることも可能である。また、内側及び外側のパック41,42を構成するシート状材料は、同材質であっても異材質であってもよく、また、シート厚さも、例えば内側のパック41を厚くするなど、両材料において変えることも可能である。さらに、両シート状材料の接合手段としては、熱融着、超音波接合のほか、接着剤による接着を利用することも可能であり、バネ部材32を埋設して一体化できる二重構造とすることができる接合手段であれば、どのような接合手段も用いることができるのはいうまでもない。
【0040】
一方、前記バネ部材32は、内側のパック41の両側面部31a,31b付近に位置する2つの取付部33,33と、該両取付部33,33を内側のパック41の他端部である周辺部41aを越えて連結するU字形の連結部34とを有する。前記バネ部材32の取付部33,33は、中央に位置する連結部34との連結部分から複数回屈曲又は湾曲して外側に延びている板バネ状とされていることから、中央部分よりも周辺部分が小さい力で、取付部33,33(側面部31a,31b)間の間隔が離れる方向に付勢されるようになっている。
【0041】
そして、各取付部33は、左右対称に形成された左右の部分33A,33Aを有し、左右の各部分33Aが、一端部が連結部34に連結されたコの字形状の第1の部分33aと、該第1の部分33aに並設され一端部が第1の部分33aの他端部に連結されているコの字形状の第2の部分33bとを有する。
【0042】
より具体的に説明すると、第1の部分33aは、連結部34に一端部が連結され他端部がインクパック31の一端部31c付近まで直線的に延びる第1の縦線状部33a1と、該縦線状部33a1の他端部に一端部が連結されそれと直交する方向でかつ外方に延びる第1の横線状部33a2と、該第1の横線状部33a2の他端部に一端部が連結され第1の縦線状部33a1と平行に内側のパック41の周辺部41a付近まで延びる第2の縦線状部33a3とを有する。また、第2の部分33bは、第1の部分33aにおける第2の縦線状部33a3の他端部に連接部35を介して一端部が連結され他端部が第2の縦線状部33a3と平行にインクパック31の一端部31c付近まで延びる第1の縦線状部33b1と、該縦線状部33b1の他端部に一端部が連結されそれと直交する方向でかつ外方に延びる第1の横線状部33b2と、該第1の横線状部33b2の他端部に一端部が連結され第1の縦線状部33b1と平行に内側のパック41の周辺部41a付近まで延びる第2の縦線状部33b3とを有する。
【0043】
このように、バネ部材32の付勢力が、接続部材62の先端部が位置する中央部分より離れた周辺部分の方が、近い部位即ち中央部分よりも小さくなるように設定されている。即ち、第2の部分33bは第1の部分33aより付勢力が小さく、第1の縦線状部33a1、第1の横線状部33a2、第2の縦線状部33a3、連接部35、第1の縦線状部33b1、第1の横線状部33b2、及び第2の縦線状部33b3の順で付勢力が徐々に小さくなっている。
【0044】
よって、上記のように構成すれば、インクパック31は、内側及び外側のパック41,42からなる二重パック構造で、それらの間の閉空間43(減圧密封空間)内にバネ部材32が位置するようにしているので、内側及び外側のパック41,42がバネ部材32の取付部33,33の表裏面において密着して一体となって、インクパック31の両側面部31a,31bを構成し、バネ部材32の付勢力が確実に外側及び内側のパック41,42に伝達され、インク容器24は、インクパック31内のインクを負圧状態で貯留するようになっている。
【0045】
そして、このようなインク容器24によれば、インクが消費される前であってインクパック31内にインクが一杯充填されている場合には、バネ部材32の外方への付勢力とも相俟って、図3(a)に示すように、インクパック31全体すなわち内側及び外側のパック41,42が膨張した状態にあるが、インクが消費されると、バネ部材32の付勢力が、周辺部分の方が近い中央部分よりも小さくなるように設定されていることから、図3(b)に示すように、周辺部分の方から側面部31a,31b間の間隔が狭くなるように形状が変化し、残りのインクが中央部分即ち接続部材62の先端部付近に集められる。なお、このような側面部31a,31b間の間隔が狭くなるような形状の変化は、インクパック31の周辺部31d,31f及び周辺部41a,42aが溶着により強度が高くなっていることからも助長される。
【0046】
このように、インクパック31内のインクの残量が少なくなっても、そのインクが接続部材62の先端部付近に集められるので、インクパック31内のインクを、残量の多少にかかわらず、最後まで使用することができる。
【0047】
次いで、接続部材62が、インク容器24を突き刺すときの状態を説明する。
【0048】
接続部材62の先端部でもって、インク容器24においてバネ部材32の両自由端部の中間位置、即ち一端部31cの平坦な部分の中央を、両側面部31a,31bに沿う方向(つまりほぼ平行な方向)に押すと、図4(b)に示すように一端部31cが凹み、それによりバネ部材32の両自由端部が互いに接近する方向に引っ張られるとともに、U字形状のバネ部材32の両辺の中央が互いに間隔を開く方向に座屈させられる。その結果、一端部31cが凹むことによる体積変化よりも、両側面部31a,31bが外方に湾曲することによる体積変化の方が大きくなる。これは、U字形バネ部材32の当初の形状を、図4(a)に示すように、その前後方向ほぼ中央において最も間隔を開き、両端に向かい徐々に間隔を狭めるように、予め少し湾曲した形状にしておくことにより、上記のように大きく湾曲しやすくなる。
【0049】
前記一端部31cは、両端において周辺部31d,31fが接合されていることから、中央部分の幅が広く側縁部になるに従って徐々に幅が狭くなっている形状をなす。このように、両側面部31a,31bの中央部分の間隔よりも両端の周辺部31d,31f間の長さの方が十分大きいことにより、上記のように、一端部31cが凹むことによる体積変化よりも、前記側面部31a,31bが外方に膨出することによる体積変化の方が十分に大きくなることが助長される。
【0050】
また、インク供給部即ち一端部31cは、両側面部31a,31bを延長した仮想延長部分より内側に位置しているので、インク供給部である一端部31cが接続部材に突き刺される際に、図4(b)に示すように、一端部31cが側面部31a,31bに沿って受ける外力により、両側面部31a,31bの一端部31c側の部分が内側に、互いに接近する方向に無理なく偏位せしめられ、側面部31a,31bの中央部分が外方に湾曲される。
【0051】
従って、インク供給部を構成する一端部31cに対し、接続部材62が突き刺される際には、上記のように、一端部31cが凹むことによる体積変化よりも、前記側面部31a,31bの膨出による方が大きい体積変化を生じることから、内部の負圧状態が高められ、一端部31cに接続部材62が接続される際に、その接続部分や記録ヘッド2のノズルよりインクが漏れ出るおそれがない。
【0052】
さらに、一端部31cが、バネ部材32の付勢によってほぼ平坦に緊張され(図4(a)参照)、そのほぼ中央に接続部材62が突き刺されるので、無理なくかつ円滑に挿通される(図4(b)参照)。
【0053】
インク容器24から記録ヘッドへ2へのインクの導入は、公知の装置と同様に、記録ヘッド2のノズル側から吸引装置(図示せず)によりインクパック31内のインクを接続部材62を通して吸引する。または、インクパック31に圧力を加えて、インクを押し出すことにより行われる。記録ヘッド2のノズルまでインクが充填された状態において、インクパック31内の負圧状態がノズルまで作用しているから、記録動作時に、ノズルからインクが漏れ出ることもない。
【0054】
以上の説明において、本発明の実施の形態の一例について説明しているが、本発明は、それに限定されるものではなく、以下に説明するように種々の変更が可能である。
【0055】
(1)前記実施の形態においては、内外両パック41,42間の閉空間43を減圧するとともにバネ部材32全体が位置するようにしているが、内外両パック41,42間を減圧することなくその両者間にバネ部材32を挟むように埋設する構成にしたり、またバネ部材32の取付部33,33のみをインクパック内に埋設する構成、接続部材62が突き刺しやすくなるように、一端部31cのみ一重とする構成とする等、インクパック内にバネ部材の一部又は全部が埋め込まれて一体化されていればよい。
【0056】
(2)前記実施の形態においては、インクパックの両側面部とも板状のバネ部材によって変形するようになっているが、本発明はそれに限定されるものではなく、例えば、両側面部のうち少なくとも一方の側面部略全体に亘ってバネ部材を設け、他方の側面部に対し離れる方向に付勢するようにすることもできる。
【0057】
(3)バネ部材の形状は、前記実施の形態のもののほか、中央部分33a1から直角に複数のバネ部分が周辺31d,31fに向け突出する等、種々の形状が可能である。
【0058】
(4)前記実施の形態においては、インク容器はそのまま装着されるようになっているが、インク供給孔を有するカートリッジケース内に収納して、インクカートリッジとして用いることもできる。すなわち、例えばカートリッジケースのインク供給孔が例えばゴム材料からなる密閉部材にて密閉シールされ、該密閉部材に対し、前記中空針状の接続部材62を突き刺さすことで、貫通可能となるようにすることが可能である。
【0059】
(5)図1においては、記録ヘッド及びインク容器を水平方向に向けているが、記録ヘッドが下方にインクを噴射し、かつインク容器を上下方向に着脱するものにおいても実施することができる。
【0060】
【発明の効果】
本発明は、以上に説明したような形態で実施され、以下に述べるような効果を奏する。
【0061】
請求項1の発明は、対向する2つの側面部を有し内部にインクが収納されている変形可能な柔軟性を有する袋状のインクパックの両側面部を互いに離れる方向に板状のバネ部材にて付勢するようにしているので、インクパック内のインクを負圧状態として、インク供給系を構成することができ、それによって記録ヘッドより上方に配置されても、記録ヘッドのノズルからインクが漏れ出るのをなくすことができる。特に、バネ部材をインクパックそのものに、前記側面部に沿って埋設状態で一体化するようにしているので、特別な取付作業も不要であり、簡単かつ安価な構造とすることができ、自動化させやすく、量産性においても優れる。
【0062】
請求項2の発明は、インクパックを、内側及び外側のパックからなる二重パック構造としているので、両パックの間の閉空間にバネ部材を位置させることで、バネ部材を簡単に、インクパックに、前記側面部に沿って埋設状態で一体化することが可能である。
【0063】
請求項3の発明は、インクパックの閉空間を、減圧密封状態としているので、外側及び内側のパックとバネ部材とを一体化させて、バネ部材の付勢力をインクパック(外側及び内側のパック)に効率よく作用させることができる。
【0064】
請求項4の発明は、バネ部材を、内側パックの両側面部付近に位置する2つの取付部と、該両取付部を内側のパックの端部を越えて連結するU字形の連結部とを有する板状のバネ部材としているので、簡単な構造で、インクパックの両側面部を互いに離れる方向に付勢するバネ部材を構成することができる。
【0065】
請求項5の発明は、バネ部材の取付部を、中央に位置する連結部との連結部分から複数回屈曲又は湾曲して外側に延びている板バネ状としているので、インクパックの各部位において付勢力を変化させて調整し、インクが効率よく消費されるようにすることができる。
【0066】
請求項6の発明は、バネ部材の取付部を、左右対称に形成し、左右の各部分が、一端部が連結部に連結されたコの字形状の第1の部分と、該第1の部分に並設され一端部が第1の部分の他端部に連結されているコの字形状の第2の部分とを有するようにしているので、コの字形状の第1及び第2の部分を有効に利用して、インクパックの両側面部の外側表面の略全体に亘ってバネ部材の取付部を設け、外側表面の全体に亘ってバネ部材の付勢力を作用させることが簡単に可能となる。それと共に、連結部より離れるに従って付勢力が小さくなることから、第2の部分による付勢力が第1の部分による付勢力より小さくなり、それによってインクパックのインクが有効に消費されるように容易に設定できる。
【0067】
請求項7の発明は、インクパックを、シート状材料を折り曲げてその周辺を溶着して袋状に形成し、バネ部材の付勢により該折り曲げ部分を緊張させて三次元形状の袋状とすることができる。
【0068】
請求項8の発明は、インクパックの両側面部のうち一方の側面部を中央部分よりも周辺部分を小さい力で他方の側面部に対し離れる方向に付勢するバネ部材、前記側面部に沿って埋設状態で一体化しているので、前記一方の側面部を中央部分よりも周辺部分を小さい力で他方の側面部に対し離れる方向に付勢することができ、インク残量が少なくなると、インクパック内のインクを中央部に集め、インクを効率よく消費することができる。
【0069】
請求項9の発明は、バネ部材が、前記一方の側面部の中央部分を他方の側面部に対し離れる方向に付勢する第1の部分と、その第1の部分から前記一方の側面部に沿って延びる第2の部分とを備えるようにしているので、バネ部材の構造を複雑にすることなく、一方の側面部において、中央部分よりも周辺部分が小さい力で他方の側面部に対し離れる方向に付勢し、上記のようにインクを効率よく消費することができる。
【0070】
請求項10の発明は、前記第2の部分が、第1の部分から複数回屈曲又は湾曲して側面部の周辺部分に向けて延びるようにしているので、上記のように中央部分よりも周辺部分を小さい力で付勢することを簡単な構成で実現でき、インクを効率よく消費することができる。
【0071】
請求項11の発明は、バネ部材の付勢力が、インク容器に結合された接続部材の先端部より離れた部位の方を、近い部位よりも小さくなるように設定しているので、インクの残量が少なくなると、インクは、前記バネ部材の付勢力によって、接続部材の先端部付近に集められることとなり、インクパック内のインクを効率よく消費することができる。
【0072】
請求項12の発明は、一方の側面部において、接続部材の先端部が位置する部分を、バネ部材の第1の部分によって、他方の側面部に対し離れる方向に積極的に付勢し、その第1の部分から第2の部分が前記一方の側面部に沿って延びるようにしているので、簡単な構造で、バネ部材の付勢力を、接続部材の先端部より離れた部位の方が、近い部位よりも小さくなるようにすることを簡単な構成で実現でき、インクを効率よく消費することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るインクジェット記録装置の概略構成を示す図である。
【図2】 本発明に係るバネ部材の斜視図である。
【図3】 本発明に係るインク容器の幅方向の横断面を示し、(a)はインク使用の最初の状態を示す図、(b)はインク使用の最後の状態を示す図である。
【図4】 本発明に係るインク容器の長手方向の縦断面を示し、(a)は接続部材を突き刺す前の状態を示す図、(b)は接続部材を突き刺す瞬間の状態を示す図である。
【符号の説明】
24 インク容器
31 インクパック
31a 側面部
31b 側面部
31d 周辺部
31e 周辺部
31f 周辺部
32 バネ部材
33 取付部
33a 第1の部分
33b 第2の部分
34 連結部
51 インクジェット記録装置
52 記録ヘッド
62 接続部材

Claims (12)

  1. 記録ヘッドに供給されるインクが負圧状態で収納されているインク容器であって、
    対向する2つの側面部を有し、内部にインクが収納され変形可能な柔軟性を有するインクパックと、
    該インクパックに、前記側面部に沿って埋設状態で一体化され前記両側面部を互いに離れる方向に付勢する板状のバネ部材とを備えることを特徴とするインク容器。
  2. 前記インクパックは、内側及び外側のパックからなりそれらの間に閉空間を有する二重パック構造であり、前記閉空間内に前記バネ部材埋設されるところの請求項1記載のインク容器。
  3. 前記閉空間は、減圧密封状態とされているところの請求項2記載のインク容器。
  4. 前記バネ部材は、内側パックの両側面部付近に位置する2つの取付部と、該両取付部を内側のパックの端部を越えて連結するU字形の連結部とを有するところの請求項2又は3記載のインク容器。
  5. 前記バネ部材の取付部は、中央に位置する連結部との連結部分から複数回屈曲又は湾曲して外側に延びている板バネ状であるところの請求項4記載のインク容器。
  6. 前記バネ部材の取付部は、左右対称に形成され、左右の各部分が、一端部が連結部に連結されたコの字形状の第1の部分と、該第1の部分に並設され一端部が第1の部分の他端部に連結されているコの字形状の第2の部分とを有するものであるところの請求項5記載のインク容器。
  7. 前記インクパックは、シート状材料を折り曲げてその周辺をコの字状に溶着して、袋状に形成されたものであり、
    前記連結部が越える内側のパックの端部は、前記折り曲げ部分とは反対側の溶着部分であるところの請求項5又は6記載のインク容器。
  8. 記録ヘッドに供給されるインクが負圧状態で収納されているインク容器であって、
    対向する2つの側面部を有し、内部にインクが収納され変形可能な柔軟性を有する袋状のインクパックと、
    該インクパックに、前記側面部に沿って埋設状態で一体化され前記一方の側面部を中央部分よりも周辺部分を小さい力で他方の側面部に対し離れる方向に付勢する板状のバネ部材とを備えることを特徴とするインク容器。
  9. 前記バネ部材は、
    前記一方の側面部の中央部分を他方の側面部に対し離れる方向に付勢する第1の部分と、その第1の部分から前記一方の側面部に沿って延びる第2の部分とを備えるものであるところの請求項8記載のインク容器。
  10. 前記第2の部分は、第1の部分から複数回屈曲又は湾曲して側面部の周辺部分に向けて延びているものであるところの請求項9記載のインク容器。
  11. 記録媒体にインクを吐出して記録を行う記録ヘッドと、インクを貯留するインク容器と、該インク容器が着脱可能に装着されるインク容器装着部と、該インク容器装着部に設けられ前記インク容器がインク容器装着部に装着される際に、前記インク容器に結合され前記インク容器内のインクを記録ヘッドに導く中空針状の接続部材とを備えるインクジェット記録装置において、
    前記インク容器が、対向する2つの側面部を有し内部にインクが収納されている変形可能な柔軟性を有する袋状のインクパックと、該インクパックに、前記側面部に沿って埋設状態で一体化され前記インクパックの両側面部の少なくとも一方の側面部を他方の側面部に対し離れる方向に付勢する板状のバネ部材とを有し、
    前記バネ部材の付勢力は、結合された接続部材の先端部より離れた部位の方が、近い部位よりも小さくなるように設定されていることを特徴とするインクジェット記録装置。
  12. 前記バネ部材は、
    前記一方の側面部において前記接続部材の先端部が位置する部分を、他方の側面部に対し離れる方向に付勢する第1の部分と、その第1の部分から前記一方の側面部に沿って延びる第2の部分とを備えるものであるところの請求項11記載のインクジェット記録装置。
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