JP4156446B2 - 光受信器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、光通信装置に使用される光受信器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光通信装置に使用される光受信器は、光信号を受信して電気信号に変換し、その電気信号が固定の識別位相の位置にあるとき、その電気信号と閾値を比較して、その電気信号を2値化する。
しかし、閾値の最適値は、例えば、9000Kmを越える光伝送路や装置自体の経時変化などの影響により変動する。閾値の最適値が変動すると、伝送信号の品質が劣化するため、光伝送路の変動に応じて閾値を変更する必要がある。
【0003】
閾値の変更方法として、受信信号の誤り発生の大小に応じて閾値を変更する技術が以下の特許文献1に開示されており、光伝送路の伝送特性を評価し、その評価結果にしたがって閾値を変更する技術が以下の特許文献2に開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平2−288640号公報(第4頁から第6頁、図1)
【特許文献2】
特開2000−341344号公報(段落番号[0013]から[0015]、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の光受信器は以上のように構成されているので、光伝送路の変動に応じて閾値の最適化を図ることができる。しかし、光信号の波形に歪みが発生すると、識別位相の最適値も変動するため、単に閾値を変更しても、伝送信号の品質劣化を抑制することができないなどの課題があった。
【0006】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、光信号の波形に歪みが発生しても、伝送信号の品質劣化を抑制することができる光受信器を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る光受信器は、検出手段により検出された符号誤り率が小さくなる方向に閾値を変更する閾値変更手段と、その検出手段により検出された符号誤り率が小さくなる方向に識別位相を変更する位相変更手段とを設けたものである。
また、検出手段により検出された符号誤り率が収束するまで、閾値変更手段及び位相変更手段が別々に閾値と識別位相の変更処理を繰り返し実施し、その符号誤り率が収束した後に、閾値と識別位相を同時に変更すると、その符号誤り率が小さくなる場合、閾値変更手段及び位相変更手段が閾値と識別位相の変更処理を同時に実施するようにしたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による光受信器を示す構成図であり、図において、フォトディテクタ2は伝送路1から光信号を受信して、その光信号を電気信号に変換する変換手段を構成している。識別器3はフォトディテクタ2から出力された電気信号が設定されている受信識別位相Xの位置にあるとき、その電気信号と受信閾値Yを比較して、その電気信号を2値化する2値化手段を構成している。
符号誤り検出部4は識別器3から出力された2値信号の符号誤り率を検出する検出手段を構成している。閾値制御部5は符号誤り検出部4により検出された符号誤り率が小さくなる方向に受信閾値Yを変更する閾値変更手段を構成している。位相制御部6は符号誤り検出部4により検出された符号誤り率が小さくなる方向に受信識別位相Xを変更する位相変更手段を構成している。
【0009】
次に動作について説明する。
フォトディテクタ2は、伝送路1から光信号を受信すると、その光信号を電気信号に変換する。
識別器3は、フォトディテクタ2から出力された電気信号が設定されている識別位相Xの位置にあるとき、その電気信号と受信閾値Yを比較して、その電気信号を2値化し、その2値信号を出力する。即ち、電気信号が受信閾値Yより大きければ、値が“1”の信号を出力し、電気信号が受信閾値Yより大きくなければ、値が“0”の信号を出力する。
【0010】
ここで、フォトディテクタ2が受信する光信号の波形が、図2に示すような時間軸と強度の関係を有している場合、その受信信号の符号誤り率の分布は、図3に示すような等高線で表される。
図3の等高線では真ん中に近づくほど、符号誤り率が低くなる状態を表している。したがって、図3の場合の最適な受信閾値Yと受信識別位相Xは、A0のポイントになる。
ただし、光信号の波形に歪みが発生して、例えば、図4のような波形になると、受信信号の符号誤り率の分布は、図5に示すような等高線で表される。
【0011】
以下、光信号の波形に歪みが発生している場合の受信閾値Yと受信識別位相Xの最適化について説明する。
符号誤り検出部4は、識別器3から2値信号を受けると、その2値信号の符号誤り率を検出する。例えば、光信号にはリードソロモン符号が付加されているので、そのリードソロモン符号を検出することにより符号誤り率を検出する。
ここでは、説明の便宜上、受信識別位相Xは図6のA0点にあるものとする。
【0012】
位相制御部6は、符号誤り検出部4が符号誤り率を検出すると、現在の受信識別位相Xに所定のステップ値ΔXを加算して、その受信識別位相をA1点に変更する。ここで、ステップ値ΔXは、受信識別位相Xを変更することに伴う符号誤り率の変動を最小化するため、ハードウエアが許容可能な最小のステップ値を採用する。
位相制御部6は、その後、符号誤り検出部4がA1点における符号誤り率を検出すると、A0点における符号誤り率とA1点における符号誤り率を比較し、符号誤り率が低い方の受信識別位相を採用する。
図6の例では、A0点よりA1点における符号誤り率の方が低いので、現在の受信識別位相として(X+ΔX)を採用する。
【0013】
ただし、図6の例では、A0点よりA1点における符号誤り率の方が低いが、仮にA1点よりA0点における符号誤り率の方が低い場合には、受信識別位相Xから所定のステップ値ΔXを減算して、その受信識別位相をF1点に変更する。
位相制御部6は、その後、符号誤り検出部4がF1点における符号誤り率を検出すると、A0点における符号誤り率とF1点における符号誤り率を比較し、符号誤り率が低い方の受信識別位相を採用する。
【0014】
次に、位相制御部6は、現在の受信識別位相(X+ΔX)に所定のステップ値ΔXを加算して、その受信識別位相をA2点に変更する。
位相制御部6は、その後、符号誤り検出部4がA2点における符号誤り率を検出すると、A1点における符号誤り率とA2点における符号誤り率を比較し、符号誤り率が低い方の受信識別位相を採用する。
図6の例では、A1点よりA2点における符号誤り率の方が低いので、現在の受信識別位相として(X+2ΔX)を採用する。
【0015】
次に、位相制御部6は、現在の受信識別位相(X+2ΔX)に所定のステップ値ΔXを加算して、その受信識別位相をF2点に変更する。
位相制御部6は、その後、符号誤り検出部4がF2点における符号誤り率を検出すると、A2点における符号誤り率とF2点における符号誤り率を比較し、符号誤り率が低い方の受信識別位相を採用する。
図6の例では、F2点よりA2点における符号誤り率の方が低いので、現在の受信識別位相(X+3ΔX)から所定のステップ値ΔXを減算する。これにより、受信識別位相が一旦収束する。
【0016】
閾値制御部5は、上記のようにして、受信識別位相が一旦収束すると、現在の受信閾値Yに所定のステップ値ΔYを加算して、その受信閾値をB0点に変更する。ここで、ステップ値ΔYは、受信閾値Yを変更することに伴う符号誤り率の変動を最小化するため、ハードウエアが許容可能な最小のステップ値を採用する。
閾値制御部5は、その後、符号誤り検出部4がB0点における符号誤り率を検出すると、A2点における符号誤り率とB0点における符号誤り率を比較し、符号誤り率が低い方の受信閾値を採用する。
図6の例では、A2点よりB0点における符号誤り率の方が低いので、現在の受信閾値として(Y+ΔY)を採用する。
【0017】
次に、閾値制御部5は、現在の受信閾値(Y+ΔY)に所定のステップ値ΔYを加算して、その受信閾値をF3点に変更する。
閾値制御部5は、その後、符号誤り検出部4がF3点における符号誤り率を検出すると、B0点における符号誤り率とF3点における符号誤り率を比較し、符号誤り率が低い方の受信閾値を採用する。
図6の例では、F3点よりB0点における符号誤り率の方が低いので、現在の受信閾値(Y+2ΔY)から所定のステップ値ΔYを減算する。これにより、受信閾値が収束する。
【0018】
位相制御部6は、上記のようにして、受信閾値が収束すると、現在の受信識別位相(X+2ΔX)に所定のステップ値ΔXを加算して、その受信識別位相をF4点に変更する。
位相制御部6は、その後、符号誤り検出部4がF4点における符号誤り率を検出すると、B0点における符号誤り率とF4点における符号誤り率を比較し、符号誤り率が低い方の受信識別位相を採用する。
図6の例では、F4点よりB0点における符号誤り率の方が低いので、現在の受信識別位相(X+3ΔX)から所定のステップ値ΔXを減算する。これにより、受信識別位相が収束する。
【0019】
上記の変更処理を繰り返し実施することにより、図6の例ではB0点における符号誤り率が最も小さいことが判明するので、B0点の受信識別位相(X+2ΔX)と受信閾値(Y+ΔY)が最終的に採用される。
なお、A0点から受信閾値Yを変更するだけでは、図6の上下方向に移動するだけで、等高線の真ん中に余り近づかないが、A0点から受信識別位相も変更することにより、より等高線の真ん中に近づくことが分かる。
【0020】
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、符号誤り検出部4により検出された符号誤り率が小さくなる方向に受信閾値Yを変更する閾値制御部5と、符号誤り検出部4により検出された符号誤り率が小さくなる方向に受信識別位相Xを変更する位相制御部6とを設けるように構成したので、光信号の波形に歪みが発生しても、伝送信号の品質劣化を抑制することができる効果を奏する。
また、この実施の形態1によれば、閾値制御部5と位相制御部6が、符号誤り率が収束するまで繰り返し変更処理を実施するように構成したので、受信閾値Yと受信識別位相Xの最適化を図ることができる効果を奏する。
【0021】
実施の形態2.
図7はこの発明の実施の形態2による光受信器を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
同時制御部7は符号誤り率が収束した後に受信閾値Yと受信識別位相Xを同時に変更すると、その符号誤り率が小さくなる場合、閾値制御部5と位相制御部6が同時に変更処理を実施するように閾値制御部5と位相制御部6を制御する。なお、同時制御部7は閾値変更手段及び位相変更手段を構成している。
図9及び図10はこの発明の実施の形態2による光受信器の処理内容を示すフローチャートである。
【0022】
次に動作について説明する。
まず、上記実施の形態1と同様にして、閾値制御部5と位相制御部6が別々に受信閾値Yと受信識別位相Xの変更処理を繰り返し実行する(ステップST1〜ST4)。
これにより、上記実施の形態1と同様に、B0点の受信識別位相(X+2ΔX)と受信閾値(Y+ΔY)が一旦採用される(図8を参照)。
【0023】
同時制御部7は、受信閾値Yと受信識別位相Xの別々の変更処理が完了すると、B0点の受信識別位相を基準にして、その受信識別位相に+ΔX又は−ΔXを加算するとともに、B0点の受信閾値を基準にして、その受信閾値に+ΔY又は−ΔYを加算し、下記の8パターンの組合せ時の符号誤り率を確認する(ステップST5,ST6)。
受信識別位相 受信閾値
▲1▼ X+ΔX ⇔ Y
▲2▼ X+2ΔX ⇔ Y
▲3▼ X+3ΔX ⇔ Y
▲4▼ X+ΔX ⇔ Y+ΔY
▲5▼ X+3ΔX ⇔ Y+ΔY
▲6▼ X+ΔX ⇔ Y+2ΔY
▲7▼ X+2ΔX ⇔ Y+2ΔY
▲8▼ X+3ΔX ⇔ Y+2ΔY
【0024】
次に、同時制御部7は、8パターンの組合せ時の符号誤り率を相互に比較し、最も符号誤り率が小さいパターンを選択する。図8の例では、▲8▼のパターンの符号誤り率(D0点における符号誤り率)が最も小さいとする。
同時制御部7は、更に、D0点における符号誤り率とB0点における符号誤り率を比較する。図8の例では、B0点よりD0点における符号誤り率の方が低いので、D0点の受信識別位相(X+3ΔX)と受信閾値(Y+Δ2Y)を採用し(ステップST7)、ステップST5の処理に戻る。
ただし、D0点よりB0点における符号誤り率の方が低い場合には、B0点の受信識別位相(X+2ΔX)と受信閾値(Y+ΔY)を維持し、一連の処理を終了する(ステップST8)。
【0025】
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、閾値制御部5と位相制御部6が同時に変更処理を実施するように構成したので、閾値制御部5と位相制御部6が別々に変更処理を実施する場合よりも、更に、符号誤り率が小さくなるように受信識別位相と受信閾値を変更することができる効果を奏する。
また、この実施の形態2によれば、符号誤り率が収束した後に受信閾値Yと受信識別位相Xを同時に変更すると、その符号誤り率が小さくなる場合、閾値制御部5と位相制御部6が同時に変更処理を実施するように閾値制御部5と位相制御部6を制御する同時制御部7を設けたので、初めから閾値制御部5と位相制御部6が同時に変更処理を実施する場合よりも、短時間で受信識別位相と受信閾値の最適化を図ることができる効果を奏する。
【0026】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、検出手段により検出された符号誤り率が小さくなる方向に閾値を変更する閾値変更手段と、その検出手段により検出された符号誤り率が小さくなる方向に識別位相を変更する位相変更手段とを設けるように構成したので、光信号の波形に歪みが発生しても、伝送信号の品質劣化を抑制することができる効果がある。
また、検出手段により検出された符号誤り率が収束するまで、閾値変更手段及び位相変更手段が別々に閾値と識別位相の変更処理を繰り返し実施し、その符号誤り率が収束した後に、閾値と識別位相を同時に変更すると、その符号誤り率が小さくなる場合、閾値変更手段及び位相変更手段が閾値と識別位相の変更処理を同時に実施するように構成したので、初めから同時に変更処理を実施する場合よりも、短時間で閾値と識別位相の最適化を図ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による光受信器を示す構成図である。
【図2】 光信号の波形を示す説明図である。
【図3】 図2の光信号を受信したときの符号誤り率の分布を示す説明図である。
【図4】 歪みが発生している光信号の波形を示す説明図である。
【図5】 図4の光信号を受信したときの符号誤り率の分布を示す説明図である。
【図6】 受信閾値と受信識別位相の変更処理を説明する説明図である。
【図7】 この発明の実施の形態2による光受信器を示す構成図である。
【図8】 受信閾値と受信識別位相の変更処理を説明する説明図である。
【図9】 この発明の実施の形態2による光受信器の処理内容を示すフローチャートである。
【図10】 この発明の実施の形態2による光受信器の処理内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 伝送路、2 フォトディテクタ(変換手段)、3 識別器(2値化手段)、4 符号誤り検出部(検出手段)、5 閾値制御部(閾値変更手段)、6 位相制御部(位相変更手段)、7 同時制御部(閾値変更手段、位相変更手段)。
Claims (1)
- 光信号を受信して、その光信号を電気信号に変換する変換手段と、上記変換手段により変換された電気信号が設定されている識別位相の位置にあるとき、その電気信号と閾値を比較して、その電気信号を2値化する2値化手段と、上記2値化手段から出力された2値信号の符号誤り率を検出する検出手段と、上記検出手段により検出された符号誤り率が小さくなる方向に上記閾値を変更する閾値変更手段と、上記検出手段により検出された符号誤り率が小さくなる方向に上記識別位相を変更する位相変更手段とを備えた光受信器において、上記検出手段により検出された符号誤り率が収束するまで、上記閾値変更手段及び上記位相変更手段が別々に上記閾値と上記識別位相の変更処理を繰り返し実施し、上記符号誤り率が収束した後に、上記閾値と上記識別位相を同時に変更すると、その符号誤り率が小さくなる場合、上記閾値変更手段及び上記位相変更手段が上記閾値と上記識別位相の変更処理を同時に実施することを特徴とする光受信器。
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