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JP4159779B2 - 半導体装置、電子機器 - Google Patents
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JP4159779B2 - 半導体装置、電子機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、薄膜トランジスタを絶縁表面を有する基板上に形成してなる半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の半導体装置、特に半導体表示部を有する電子機器の発展はめざましく、その応用例は、ゲーム機、ノートパソコン、携帯電話を始めとする携帯機器、液晶テレビ、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ等、様々である。半導体表示部は、従来のCRTと比較して軽量薄型化が可能であり、消費電力が小さいことを特徴とする。
【0003】
半導体表示部は、パッシブマトリクス型とアクティブマトリクス型に分類されるが、近年は特に、ガラス基板上にTFTを形成する技術が進歩し、アクティブマトリクス型半導体表示部の応用開発が進められている。
【0004】
特に、多結晶シリコン膜を用いたTFTは、非晶質シリコン膜を用いたTFTよりも電界効果移動度(モビリティともいう)が高く、従来、基板外の駆動回路で行っていた画素の制御を、画素と同一の基板上に形成した駆動回路で行うことが可能となっている。
【0005】
今後更に電界効果移動度の高いTFTが開発されれば、画素部の駆動回路だけではなく、従来は基板外にICチップとして実装されている演算処理回路、メモリといった様々なロジック回路を画素部を形成するガラス基板上に形成された、システムオングラスが実現して行くことが期待される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、画素部や様々なロジック回路を構成するTFTが形成された基板が組み込まれた半導体装置が広く普及するようになると、基板を識別することが重要な問題となってくる。
【0007】
なお、絶縁表面を有する基板上にTFTが形成された基板のことをTFT基板と呼ぶ。従って、上述した画素部や様々なロジック回路を構成するTFTが形成された基板もTFT基板である。
【0008】
それぞれのTFT基板に固有な数値を割り当てることができると、TFT基板に固有な数値を識別番号として、工場あるいは製造メーカはTFT基板の管理を行うことができる。また、TFT基板に対して選択的に、保証あるいはサービスといった権利の付与を行う場合にも、TFT基板に固有な数値を識別番号として用いることができる。
【0009】
本発明はこのような問題点を鑑見てなされたものである。本発明は、絶縁表面を有する基板上に画素部、画素部の駆動回路、あるいはロジック回路が形成されたTFT基板に、固有な数値を割り当てる回路を提供することを課題とする。特に、TFT基板の管理や、TFT基板対して選択的に保証あるいはサービスといった権利の付与を行う用途に適した、固有な数値を割り当てる回路を提供することを課題とする。また、そのような回路によって固有な数値が割り当てられたTFT基板を内蔵する半導体装置を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述したように、絶縁表面を有する基板上に、画素部や様々なロジック回路と共に、基板識別回路を形成することが重要な課題となっている。
【0011】
特に、TFT基板の管理や、TFT基板対して選択的に保証あるいはサービスといった権利の付与を行う用途を考えた場合には、識別番号には次のような特徴があることが重要である。
【0012】
まず、TFT基板とは別の部品で識別番号を付与することはコストや手間がかかるため好ましくない。言い替えると、識別番号は、TFT基板上に形成されていることが好ましい。特に、画素部や様々なロジック回路を形成すると同時に識別番号を付与することが好ましい。
【0013】
また、TFT基板上に画素部や様々なロジック回路と同時に形成する場合には、識別番号によらず同じマスクを用いることができることが好ましい。例えば、識別番号を数字で書き込む場合であっても、マスクROMで電気的に生成する場合であっても、識別番号によってマスクが異なる場合には、コスト的に好ましくない。
【0014】
また、識別番号は、電気信号として取り扱えることが好ましい。つまり、ガラス基板上に形成された電気回路によって識別番号を発生あるいは判定することが好ましい。TFT基板の識別番号を電気的に処理できる方式とすることで、TFT基板の識別番号を、例えばTFT基板に形成されている画素部や画素部の駆動回路、あるいはロジック回路の動作を許可するパスワードとして用いることができる。また、インターネット等の情報通信における選択的なサービスの付与に応用することも可能である。
【0015】
さらに重要なことは、基板の識別番号をパスワードとして用いる場合の安全性である。例えば、基板の識別番号がTFT基板において容易に書き換えられては、TFT基板に対して選択的に権利を付与することは困難である。従って、基板の識別番号をEEPROMのような書き換え可能な不揮発性メモリで構成することは好ましくない。このように、基板の識別番号は、TFT基板に固有であるだけでなく、複製、書き換えが困難であることが重要となる。
【0016】
本発明は、上述したような、識別番号を電気的に扱えること、低コスト、かつ、安全性の高い基板の識別番号の付与の方式を提供することを課題とする。
【0017】
まず、本発明では、TFTによって構成された回路でもって識別番号の付与または判定を行う。こうすることにより、画素部や様々なロジック回路を形成すると同時に識別番号を付与すること、および、識別番号を電気的に扱うことが可能となる。なお、本発明では、このような基板の識別番号の付与または判定を行う回路を基板識別回路と呼ぶ。基板識別回路は、基板に固有な番号を発生する回路、あるいは、基板に固有な番号を発生し基板の識別を行う回路と言うこともできる。
【0018】
本発明の特徴は、絶縁表面を有する基板上に形成されたTFTの特性ばらつきに着目し、基板識別回路をこのTFTの特性ばらつきを利用して作製することにある。本発明では、TFTの特性ばらつきを用いて0/1を生成するので、マスクROMのように基板ごとにマスクを変更する必要がなく、低コストでの基板識別回路の作製が実現される。同時に、基板識別番号を書き換えたり複製することが困難であり、安全性の高い基板識別回路を実現することが可能となる。
【0019】
TFT特性のばらつきを利用した基板識別回路の基本概念について、図2(A)を用いて説明する。図2(A)に示した回路201は、k個(kは1以上の整数)のTFT202(1)〜202(k)からなる回路であり、k個のTFT202(1)〜202(k)のソースまたはドレインの一方を電源VDDに接続し、ゲート電極に電位VGを印加したものである。k個のTFT202(1)〜202(k)のソースまたはドレインの残る一方は、V(1)〜V(k)として出力される。
【0020】
回路201において、k個のTFT202(1)〜202(k)は同サイズのTFTであるとし、k個のTFTのしきい値Vth(1)〜Vth(k)はV0を中心としてδVのばらつきを有するとする。
【0021】
なお、しきい値ばらつきは、しきい値の分布を正規分布で近似した場合の標準偏差によって表される。
【0022】
例えば、k個のTFT202(1)〜202(k)はNチャネル型であるとし、電源VDDと電圧VGは、k個のTFTのしきい値Vth(i)(i=1、2、・・、k)対して、VDD>VG−Vth(i)がそれぞれ成り立っているとすると、回路201の出力V(1)〜V(k)は、図2(B)に表すような、VG−V0を中心とするばらつきδVの分布を示す。
【0023】
つまり、図2(A)に示した回路201は、k個のTFT202(1)〜202(k)のしきい値ばらつきを出力V(1)〜V(k)に反映させる回路である。回路201を用いて、例えば、VG−V0より高い出力電位に1を、VG−V0より低い出力電位に0を、割り当てることによって、TFT202(1)〜202(k)の特性ばらつきを反映した、回路201を形成した基板に固有な番号を生成することが可能となる。
【0024】
基板識別回路は、この固有な番号を基板の識別番号とすることによって作製することができる。例えば、回路201が生成した固有な番号と、外部からの入力された識別番号のデータとを比較し判定する構成としてもよいし、単に、回路201が生成した固有な番号を識別番号として出力する構成であっても良い。
【0025】
しかしながら、実際には、絶縁基板上に作製したTFTは全て特性ばらつきを有するため、上述した基板識別回路の方式をそのまま実現する場合には次の問題点がある。
【0026】
つまり、上述した基板識別回路は、TFT202(1)〜202(k)それぞれの特性ばらつきに基づいて1ビットの乱数を割り当てる方式となるが、実際には、個々のTFTの特性ばらつきを抽出することは難しい。例えば、図2(B)のような連続的な分布を有する電位に0または1を割り当てる場合には、差動増幅回路が必要となるが、差動増幅回路もまた、TFTの特性ばらつきの影響を受けるためである。
【0027】
本発明の基板識別回路は、この問題を解決するために、個々のTFTの特性ばらつきを抽出して1ビットの乱数を割り当てる方式ではなく、複数のTFTからなる回路全体に1ビットの乱数を割り当てる方式を採用する。本発明では、この複数のTFTからなる回路を固有ビット生成回路と呼ぶ。固有ビット生成回路は、構成要素である複数のTFTの特性ばらつき全体に基づいて1ビットの乱数(固有ビットと呼ぶ)を出力することを特徴とする。また、図2(B)に示すようなアナログの出力ではなく、1ビットのデジタル信号を出力することを特徴とする。
【0028】
基板に固有な番号は、固有ビット生成回路から出力される固有ビットを組み合わせることで生成される。本発明では、複数の固有ビットを組み合わせた基板に固有な番号を固有ワードと呼び、固有ワードを出力する回路を固有ワード生成回路と呼ぶ。
【0029】
本発明の基板識別回路の構成要素である固有ワード生成回路を簡単なブロック図で書くと、図3のように表される。図3において、固有ワード生成回路101はk個(kは自然数)の固有ビット生成回路102(1)〜102(k)によって構成される。個々の固有ビット生成回路102(1)〜102(k)は、固有ビットDid(1)〜Did(k)をそれぞれ出力し、固有ワード生成回路101は、kビットの固有ワード(Did(1)、・・、Did(k))を出力する。
【0030】
なお、固有ワード生成回路101には、電源VDD、GNDが入力される。また調整用の入力電位Vinが必要に応じて入力される。図1には調整用の入力電位Vinが一つである場合を示しているが、Vin(1)、Vin(2)、・・と複数あっても構わない。
【0031】
本発明の基板識別回路は、固有ワード生成回路を構成要素として含み、基板に固有な番号である固有ワードを基板の識別番号とすることを特徴とする。基板識別回路は、固有ワードと、外部からの入力された識別番号のデータとを比較し判定する構成としてもよいし、単に、固有ワードを識別番号として出力する構成であっても良い。
【0032】
以上のように構成された本発明の基板識別回路は、TFTの特性ばらつきに基づいて基板に固有な番号を生成するので、マスクROMのように基板ごとにマスクを変更する必要がなく、また、書き換えや複製を行うことは困難である。
【0033】
なお、1ビットの信号(Hi/Loの電位、または、0/1の電位)は、正確に電源VDDまたはGNDに一致する必要はない。インバータやNAND回路、NOR回路といった論理回路が、これを構成するTFTの特性ばらつきを考慮しても、HiまたはLoと判定することが可能である範囲の電位であればよい。
【0034】
また、TFTの特性ばらつきは、不純物に起因するもの、装置に起因するもの、のいずれであっても構わない。特に、TFTの活性層として多結晶半導体を用いた場合には、活性領域のグレインパタンに起因する特性ばらつきも重要である。グレインパタンに起因する特性ばらつきは、核発生やグレインの成長に依存し、実質的にランダムな特性ばらつきを得ることができるため、基板に固有な番号に用いる場合、好ましい。
【0035】
グレインパタンに起因する特性ばらつきは、TFTサイズと典型的なグレインサイズの関係によって、ばらつきの程度をある程度制御することができる。TFTサイズが典型的なグレインサイズよりもずっと大きい場合には、TFTのチャネル領域に多数のグレインが存在するため、グレインに起因するばらつきは平均化され、ばらつきは小さくなる。一方、TFTサイズと典型的なグレインサイズが同程度である場合には、TFTのチャネル領域は少数のグレインによって構成されるため大きな特性ばらつきとなる。また、TFTサイズが典型的なグレインサイズよりもずっと小さい場合には、殆どのTFTは一つのグレインによって形成されることになるが、一部のTFTでは、チャネル領域にグレインの境界が存在し、特性が大きく変化し、偏った特性ばらつきとなる。従って、固有ビット生成回路を形成するTFTのサイズは、典型的なグレインサイズは同程度の大きさとすることが好ましい。
【0036】
なお、グレインが一方向に延在するような場合には、短軸方向の幅とTFTサイズを同程度とすればよい。
【0037】
本発明では、基板の識別番号はTFTばらつきによってランダムに生成されるため、基板の識別番号のビット数が少ないと、多数の基板を識別することが困難になってしまう。実際には、以下の議論によって、100ビット程度で、十分な数の基板を識別することが可能であることがわかる。
【0038】
基板の識別番号のビット数をnとすると、2n通りの識別番号のうちの一つが生成される。識別したい基板の数を1010個(>全世界の人口)とし、識別番号はランダムに形成されるため重なる可能性を考慮して、さらに108倍の十分な余裕を取るとしても、ビット数にして、60ビット(〜log2(1018)ビット)程度の識別番号で十分であることがわかる。
【0039】
なお、本発明における基板識別回路は、TFT特性を利用することを特徴とするため、識別番号は温度や他の環境に多少依存する。つまり、環境変化に対し出力の値(0/1)が変化する固有ビット生成回路も存在する。これは、環境変化に対し変化しない固有ビットを、基板の識別が十分できる数だけ確保できるように設計し、環境変化に対し変化しない固有ビットで、基板の識別を行う構成とすれば問題はない。
【0040】
なお、固有ビット生成回路を、サイズや極性の等しいTFT間のばらつきを反映させる構成とすることで、温度等の環境変化にあまり依存しない固有ビットを生成することができる。これは、サイズや極性の等しいTFTは、温度等の環境変化に対し、同じ特性変化を示すためである。
【0041】
なお、半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能する装置全般を指し、例えば、液晶表示装置や発光装置に代表される半導体表示装置や、半導体表示部を有する電子機器をその範疇に含む。なお、半導体表示部とは、絶縁表面を有する基板上に電極あるいは薄膜トランジスタを形成してなる表示部を言い、例えば、液晶表示部や発光表示部、あるいは、パッシブマトリクス型表示部やアクティブマトリクス型表示部をその範疇に含む。なお、自明な場合には、半導体表示部を単に表示部とも表す。
【0042】
また、薄膜トランジスタ(TFT)とは、SOI技術を用いて形成されるトランジスタの全体を指す。
【0043】
以下に本願発明の構成を示す。
【0044】
絶縁表面を有する基板上に形成された基板識別回路であって、
前記基板識別回路は、複数の第1回路を有し、
前記第1回路は、複数のTFTによって構成されており、
前記第1回路は、前記複数のTFTの特性ばらつきに基づいて1ビット乱数を出力し、
複数の前記1ビット乱数を用いて前記基板に固有な数値を発生することを特徴とする基板識別回路が提供される。
【0045】
絶縁表面を有する基板上に形成された基板識別回路であって、
前記基板識別回路は、複数の第1回路を有し、
前記第1回路は、複数のTFTによって構成されており、
前記第1回路は、前記複数のTFTの特性ばらつきに基づいて1ビット乱数を出力し、
複数の前記1ビット乱数を用いて前記基板に固有な数値を発生し、
外部から入力する数値と、前記基板に固有な数値と、の比較を行う第2回路を有することを特徴とする基板識別回路が提供される。
【0046】
絶縁表面を有する基板上に形成された基板識別回路であって、
前記基板識別回路は、複数の第1回路を有し、
前記第1回路は、複数のTFTによって構成されており、
前記第1回路は、前記複数のTFTのしきい値ばらつきに基づいて1ビット乱数を出力し、
複数の前記1ビット乱数を用いて前記基板に固有な数値を発生することを特徴とする基板識別回路が提供される。
【0047】
絶縁表面を有する基板上に形成された基板識別回路であって、
前記基板識別回路は、複数の第1回路を有し、
前記第1回路は、複数のTFTによって構成されており、
前記第1回路は、前記複数のTFTのしきい値ばらつきに基づいて1ビット乱数を出力し、
複数の前記1ビット乱数を用いて前記基板に固有な数値を発生し、
外部から入力する数値と、前記基板に固有な数値と、の比較を行う第2回路を有することを特徴とする基板識別回路が提供される。
【0048】
絶縁表面を有する基板上に形成された基板識別回路であって、
前記基板識別回路は、複数の第1回路を有し、
前記第1回路は、複数のTFTによって構成されており、
前記複数のTFTは、多結晶半導体膜でなる活性層を有し、
前記第1回路は、前記複数のTFTの活性層のグレインパタンに基づいて1ビット乱数を出力し、
複数の前記1ビット乱数を用いて前記基板に固有な数値を発生することを特徴とする基板識別回路が提供される。
【0049】
絶縁表面を有する基板上に形成された基板識別回路であって、
前記基板識別回路は、複数の第1回路を有し、
前記第1回路は、複数のTFTによって構成されており、
前記複数のTFTは、多結晶半導体膜でなる活性層を有し、
前記第1回路は、前記複数のTFTの活性層のグレインパタンに基づいて1ビット乱数を出力し、
複数の前記1ビット乱数を用いて前記基板に固有な数値を発生し、
外部から入力する数値と、前記基板に固有な数値と、の比較を行う第2回路を有することを特徴とする基板識別回路が提供される。
【0050】
前記第1回路は差動増幅回路を構成要素として含んでいても良い。
【0051】
前記第1回路はインバータを構成要素として含んでいても良い。
【0052】
前記基板識別回路と、画素部と、が前記基板上に一体形成されていることを特徴とする半導体装置が提供される。
【0053】
前記基板識別回路と、画素部と、画素部を駆動する駆動回路と、が前記基板上に一体形成されていることを特徴とする半導体装置が提供される。
【0054】
前記半導体装置は液晶表示装置であってもよい。
【0055】
前記半導体装置は発光装置であってもよい。
【0056】
前記基板識別回路と、演算処理回路とが前記基板上に一体形成されていることを特徴とする半導体装置が提供される。
【0057】
前記基板識別回路と、メモリとが前記基板上に一体形成されていることを特徴とする半導体装置が提供される。
【0058】
前記半導体装置として、ゲーム機、ビデオカメラ、頭部取り付け型のディスプレイ、DVDプレーヤー、パーソナルコンピュータ、携帯電話、カーオーディオが提供される。
【0059】
【発明の実施の形態】
本実施の形態では、kビット(kは1以上の整数)の識別番号を有する基板識別回路の代表的な回路構成と動作について述べる。説明には、図1、図4、図5を用いる。
【0060】
図1に示すのは、本発明の基板識別回路のブロック図である。ここでは、基板識別回路の代表的な構成として、識別番号と判定基準に関する信号と調整用の信号とを入力信号とし、識別番号が固有ワードと一致したかどうかを表す判定結果が出力される構成の基板識別回路を考える。
【0061】
図1において、基板識別回路304は、固有ワード生成回路301と判定回路303によって構成されている。また、基板識別回路304には、電源VDD、GND、調整用の電位Vin、および入力データとして識別番号と判定基準を定める信号が入力され、判定結果としてVoutが出力される。
【0062】
固有ワード生成回路301はk個の固有ビット生成回路302(1)〜302(k)によって構成される。そして、固有ワード生成回路301は、複数のTFTの特性ばらつきを反映して、kビットの固有ワード(Did(1)、・・、Did(k))を出力する。また、固有ワード生成回路301には、電源VDD、GNDおよび調整用の電位Vinが入力される。
【0063】
判定回路303は、固有ワード生成回路301の出力である固有ワード(Did(1)、・・、Did(k))と外部から入力される識別番号とを比較し、判定する回路である。外部からは、判定基準を定める信号も入力される。そして、判定結果を、Voutとして出力する。
【0064】
次に、基板識別回路304を構成する固有ビット生成回路302、および判定回路303の回路構成について説明する。
【0065】
図4(A)および(B)に示すのは、固有ビット生成回路の代表的な回路構成である。
【0066】
図4(A)に示すのは、差動増幅回路401の2つの入力に共通の電位Vinを接続した回路である。差動増幅回路401は、2つの入力の大小関係に従って、HiまたはLoを出力する回路である。従って、差動増幅回路401を2つの入力を共通とし、かつ、差動増幅回路401を構成するTFTのばらつきを無視すれば、中間電位が出力されることになる。しかしながら、実際には、差動増幅回路401を構成するTFTは特性ばらつきを有するため、中間電位が出力されることはなく、差動増幅回路401を構成するTFTのばらつきに従って、HiまたはLoの信号が出力される。
【0067】
つまり、図4(A)に示した固有ビット生成回路は、差動増幅回路401を構成するTFTの特性ばらつきに基づいてHiまたはLoの信号(固有ビット)を出力する。
【0068】
なお、差動増幅回路401は、公知のどのような回路であっても構わない。また、図4(A)では差動増幅回路401の2つの入力を共通としているが、2つの入力を別々としても構わない。
【0069】
図4(B)は、インバータ402、403を直列に接続した回路であり、初段のインバータ402には電位Vinが入力されている。インバータは入力電位(HiまたはLo)を反転して出力する回路であるから、Vinとして中間電位を入力した場合、インバータを構成するTFTの特性ばらつきを無視すれば、出力は中間電位となる。しかしながら、実際には、インバータを構成するTFTは特性ばらつきを有するため、中間電位が出力されることはなく、インバータ402、403を構成するTFTのばらつきに従って、HiまたはLoの信号が出力される。
【0070】
つまり、図4(B)に示した固有ビット生成回路は、インバータ402、403を構成するTFTの特性ばらつきに基づいてHiまたはLoの信号(固有ビット)を出力する。
【0071】
なお、図4(B)では、インバータの段数が2段の場合を示したが、この段数に限られるわけではなく、1段以上であれば何段でも構わない。また、インバータの代わりに、バッファ回路を直列に接続した回路を用いても構わない。インバータ回路およびバッファ回路は公知のどのような回路を用いても構わない。
【0072】
ただし、インバータまたはバッファ回路の段数が少ない場合には、出力電位が十分Hi側またはLo側にならずに、中間電位となる可能性がある。出力電位が中間電位となるかどうかは、TFT特性のばらつきとインバータまたはバッファ回路の特性との兼ね合いで決まるが、インバータまたはバッファ回路の段数は、出力がデジタル信号となる段数であることが好ましい。
【0073】
次に、判定回路の回路構成について述べる。図5には、判定回路の一例が示されている。
【0074】
図5において、判定回路504には、kビットの固有ワード(Did(1)、Did(2)、・・、Did(k))と、kビットの識別番号(Din(1)、Din(2)、・・、Din(k))と、判定基準を定める信号Vjudgeとが入力され、Voutが出力される。判定回路504は、k個のEXNOR回路501(1)〜501(k)と、等しい容量を有するk個の容量素子502(1)〜502(k)と、差動増幅回路503によって構成されている。
【0075】
判定回路504に入力された固有ワードと識別番号の各ビットは(ここでは第iビットとし、iは1以上k以下の整数とする)、EXNOR回路501(i)に入力され、その出力は容量素子502(i)の一方の端子に接続されている。容量素子502(1)〜502(k)の残る一方の端子は互いに接続され、かつ、差動増幅回路503に入力される。このノードをノードE、電位をVEとする。差動増幅回路503の残る一方の入力には、判定基準を定める信号Vjudgeが入力され、差動増幅回路503の出力としてVoutが出力される。
【0076】
EXNOR回路は、2つの入力が等しい場合にHiを、2つの入力が異なる場合にLoを出力する。従って、例えば、kビットの固有ワードとkビットの識別番号をビット毎に比較して、kビットのうちのhビット(hは1以上k以下の整数とする)が一致する場合、EXNOR回路501(1)〜501(k)の出力のうちのh本にはHiが、残る(k−h)本にはLoが出力される。
【0077】
差動増幅回路の入力容量は容量素子502(1)〜502(k)と比較して十分小さいとすると、ノードEの電位VEは、容量素子502(1)〜502(k)によって決まる。例えば、EXNOR回路501(1)〜501(k)の出力のうちのh本はHi、残る(k−h)本はLoが出力されたとし、Hiの電位をVDDとし、Loの電位を0Vとすると、ノードEの電位VEは、VE=h/k×VDDとなる。
【0078】
差動増幅回路には、VEとVjudgeが入力され、VE>Vjudgeである場合にはVoutにHiが出力され、VE<Vjudgeである場合にはVoutにLoが出力される。つまりVjudgeが判定基準となり、VoutがHiの場合には固有ワードと識別番号とが一致、VoutがLoの場合には固有ワードと識別番号とが不一致、と判断することができる。
【0079】
例えば、Vjudge=3/4×VDDとした場合、判定基準は、固有ワードと識別番号とが75%以上のビットで一致すること、であり、固有ワードと識別番号とをビット毎に比較して75%以上一致した場合にはVoutがHi、75%以下しか一致しない場合にはVoutがLo、となる。
【0080】
なお、判定回路を構成するk個の容量素子の容量を等しいとしたが、k個の容量素子の容量が異なる場合であっても構わない。k個の容量素子の容量を異ならせることによって、ビット毎の判定基準の重みを変えることができる。また、簡単のため、差動増幅回路の入力容量や特性ばらつきを無視したが、これらを含めて考えてもよい。差動増幅回路の入力容量や特性ばらつきの影響は、Vjudgeの値を変化させることによって補正する事が可能であるため、この影響を考慮して判定基準を設定すればよい。
【0081】
以上のようにして、本発明の基板識別回路は構成される。そして上述した基板識別回路を、画素部、画素部の駆動回路、あるいは他のロジック回路と絶縁表面を有する基板上に一体形成することで、そのTFT基板に固有の番号を割り当てることが可能となる。
【0082】
調整用の電位Vinや判定基準を定める電位Vjudgeの設定の方針について述べる。固有ワードはVinや、温度等の環境に多少依存する。これは、TFT特性が環境変化に依存するためである。調整用の電位Vinや判定基準を定める電位Vjudgeはこれらのマージンを考慮して決めるとよい。例えば、Vinが2.0±0.5Vの範囲、温度がー30℃から100℃の範囲、において固有ワードを構成するビットのうちの60%は変化しないとすれば、Vinを2Vとし、かつ、60%以上一致することを判定基準とするVjudgeを用いることによって、基板の識別を行うことができる。
【0083】
この場合には、固有ワードを構成する60%のビット数で、十分な数の基板を識別する事が可能である必要がある。
【0084】
なお、基板の管理だけを目的とする場合には、基板識別回路として固有ワード生成回路のみを用いることも可能である。出力される固有ワードを識別番号として管理することができる。また、基板の識別番号を、特定のTFT基板に対して選択的に権利を付与する場合などに用いる場合には、本実施の形態で説明した基板識別回路を、TFT基板のシステムの一部として組み込めばよい。例えば、識別番号を入力することにより、判定結果である出力をTFT基板内の他のロジック回路のイネーブル信号として用いることができる。また、半導体装置内の他のICチップや異なる半導体装置への出力信号として用いることも可能である。
【0085】
以下に本発明の実施例を示す。
【0086】
(実施例1)
本実施例では、実施の形態で説明した固有ビット生成回路の具体的な回路構成について説明する。説明には図6を用いる。
【0087】
図6に示す固有ビット生成回路は、電位Vin1とVin2を入力とし、固有ビットDidを出力とする。図6において、Nチャネル型TFT602のドレイン領域とPチャネル型TFT604のドレイン領域とがノードAにおいて接続されており、Nチャネル型TFT603のドレイン領域とPチャネル型TFT605のドレイン領域とがノードBにおいて接続されている。Nチャネル型TFT602のソース領域とNチャネル型TFT603のソース領域とは互いに接続されており、定電流源に接続されている。Pチャネル型TFT604のソース領域とPチャネル型TFT605のソース領域とは互いに接続されており、電源VDDに接続されている。また、Pチャネル型TFT604、605のゲート電極は互いに接続されており、ノードAに接続されている。入力電位Vin1、Vin2は、Nチャネル型TFT602、603のゲート電極にそれぞれ接続されており、出力電位である固有ビットDidは、ノードBに接続されている。
【0088】
なお、図6では、Nチャネル型TFT602と603、およびPチャネル型TFT604と605はそれぞれ同じサイズである。
【0089】
図6に示した固有ビット生成回路は、入力Vin1とVin2に共通の電位を入力すれば、以下のように、回路を構成するTFTのばらつきを反映して固有ビットを出力する。
【0090】
例えば、Nチャネル型TFT602、603のしきい値電圧をVthN1、VthN2とし、Pチャネル型TFT604、605のしきい値電圧をVthP1、VthP2とし、定電流源を理想的なものと仮定する。この時、Vin1=Vin2とし、4つのしきい値の関係がTFTのばらつきによって、VthN1>VthN2、VthP1=VthP2であれば、出力はLoとなり、VthN1<VthN2、VthP1=VthP2であれば、出力はHiとなり、VthN1=VthN2、VthP1>VthP2であれば、出力はLoとなり、VthN1=VthN2、VthP1<VthP2であれば、出力はHiとなる。実際には、これらの組合せ、および定電流源のばらつき等も含めて出力が決まることになる。
【0091】
図6に示した固有ビット生成回路は、Vin1=Vin2である場合に、同じサイズと極性を有するTFT間の特性の違い、つまり、Nチャネル型TFT602と603の特性の違い、およびPチャネル型TFT604と605の特性の違い、のみを反映して固有ビットを生成するために、環境やVin1(=Vin2)の変化に対する固有ビットの依存性は小さい。
【0092】
なお、調整用に入力をVin1、Vin2と別々に入力する構成としたが、Vin1とVin2を同電位として入力を一つにまとめてもよい。
【0093】
また、出力端子にインバータ、あるいは複数のインバータを直列に接続した回路を接続しても良い。
【0094】
(実施例2)
本実施例では、固有ビット生成回路の具体的な回路構成として、実施例1とは異なる例を説明する。説明には図7を用いる。
【0095】
図7に示す固有ビット生成回路は、電位Vin1とVin2を入力とし、固有ビットDidを出力とする。図7において、Nチャネル型TFT701のドレイン領域とPチャネル型TFT702のドレイン領域とがノードCにおいて接続されている。ノードCはインバータ703入力端子に接続され、インバータ703と704は直列に接続されている。固有ビット生成回路への入力Vin1、Vin2は、Pチャネル型TFT702のゲート電極、Nチャネル型TFT701のゲート電極にそれぞれ接続され、固有ビット生成回路の出力である固有ビットDidは、インバータ704の出力端子に接続されている。
【0096】
図7に示した固有ビット生成回路は、入力Vin1とVin2に適切な電位を入力すれば、以下のように、回路を構成するTFTのばらつきを反映して固有ビットを出力する。
【0097】
入力Vin1とVin2に入力する電位としては、Nチャネル型TFT701とPチャネル型TFT702が平均的な特性である場合に、ノードCに中間電位が現れるような電位を入力する。
【0098】
例えば、Nチャネル型TFT701のしきい値をVthN、Pチャネル型TFT702のしきい値をVthPとし、インバータ703、704が理想的なインバータであると仮定する。また、Nチャネル型TFTのしきい値の平均をVthN0、Pチャネル型TFTのしきい値の平均をVthP0とする。
【0099】
この時、2つのしきい値の関係がTFTのばらつきによって、VthN>VthN0かつVthP=VthP0であれば、出力はHiとなり、VthN<VthN0かつVthP=VthP0であれば、出力はLoとなり、VthN=VthN0かつVthP>VthP0であれば、出力はHiとなり、VthN=VthN0かつVthP<VthP0であれば、出力はLoとなる。実際には、これらの組合せ、およびインバータ703、704のばらつきを含めて出力が決まることになる。
【0100】
なお、調整用に入力をVin1、Vin2と別々に入力する構成としたが、Vin1とVin2を同電位として入力を一つにまとめてもよい。
【0101】
なお、インバータの段数は2段に限られず、何段であっても構わない。
【0102】
(実施例3)
本実施例では、固有ワード生成回路の具体的な回路構成として、実施の形態とは異なる例を説明する。説明には図8を用いる。
【0103】
図8に示すのは、電位Vin1とVin2が入力され、kビット(kは1以上の整数)の固有ワード(Did(1)、・・、Did(k))が出力される固有ワード生成回路である。図8に示した固有ワード生成回路は、参照電圧発生回路802と、k個の固有ビット生成回路801(1)〜801(k)によって構成される。k個の固有ビット生成回路801(1)〜801(k)は、それぞれNチャネル型TFTとPチャネル型TFTの組(805(1)、806(1))〜(805(k)、806(k))からなり、その回路構成は、図7においてインバータ703、704を除いた構成と一致する。また、その動作は実施例2で説明したのと同様であるので省略する。
【0104】
本実施例では、固有ビット生成回路への入力の一方に、参照電圧発生回路802の出力を用いることが特徴である。参照電圧発生回路802は、Nチャネル型TFT803のドレイン領域とPチャネル型TFT804のドレイン領域とがノードDにおいて接続されている。Nチャネル型TFT803のソース領域はGNDに、Pチャネル型TFT804のソース領域はVDDに接続されている。また、Nチャネル型TFT803のゲート電極には入力電位Vin1が接続され、Pチャネル型TFT804のゲート電極は、ノードDと接続されており、参照電位Vrefとして出力される。
【0105】
なお、図8において、Nチャネル型TFT803と、Nチャネル型TFT805(1)〜805(k)とは、同じサイズであり、Pチャネル型TFT804と、Nチャネル型TFT806(1)〜806(k)とは、同じサイズであるとする。
【0106】
図8に示した固有ワード生成回路は、入力Vin1とVin2に共通の電位を入力すれば、回路を構成するTFTのばらつきを反映して固有ワードを出力する。
【0107】
ここでは、固有ワードの第1ビット目であるDid(1)だけを考える。例えば、Nチャネル型TFT803、805(1)のしきい値電圧をVthN1、VthN2とし、Pチャネル型TFT804、806(1)のしきい値電圧をVthP1、VthP2とすると、4つのしきい値の関係がTFTのばらつきによって、VthN1>VthN2、VthP1=VthP2であれば、出力はLoとなり、VthN1<VthN2、VthP1=VthP2であれば、出力はHiとなり、VthN1=VthN2、VthP1>VthP2であれば、出力はLoとなり、VthN1=VthN2、VthP1<VthP2であれば、出力はHiとなる。実際には、これらの組合せによって出力が決まることになる。
【0108】
また、固有ワードの第iビット目Did(i)についても同様である。
【0109】
なお、図8において、参照電圧発生回路802をなくして、参照電圧VrefとVin2とを入力とする固有ワード生成回路を構成することもできる。この場合には、異なる極性を有するTFT805(i)とTFT806(i)間の特性の違いを反映して固有ワードを生成する。
【0110】
図8に示した固有ワード生成回路は、Vin1=Vin2である場合に、同じサイズと極性を有するTFT間の特性の違い、つまり、Nチャネル型TFT803と805(i)の特性の違い、およびPチャネル型TFT804と806(i)の特性の違い、のみを反映して固有ビットを生成するために、参照電圧発生回路802を設けない場合と比較して、環境やVin1(=Vin2)の変化に対する固有ビットの依存性を小さくすることができる。
【0111】
なお、調整用に入力をVin1、Vin2と別々に入力する構成としたが、Vin1とVin2を同電位として入力を一つにまとめてもよい。
【0112】
また、出力端子にインバータ、あるいは複数のインバータを直列に接続した回路を接続しても良い。
【0113】
(実施例4)
本実施例では、実施の形態で説明した判定回路とは異なる回路構成について説明する。説明には図9を用いる。
【0114】
実施の形態では、判定基準としてアナログ信号Vjudgeを入力し、固有ワードと入力した識別番号との一致の判定をアナログ回路である差動増幅回路を用いて行っていたが、本実施の形態では、判定基準としてデジタル信号を入力し判定も全てデジタル回路で行なう例について説明する。
【0115】
図9に示す判定回路は、kビットの固有ワード(Did(1)、Did(2)、・・、Did(k))と、kビットの識別番号(Din(1)、Din(2)、・・、Din(k))と、判定基準を定めるデジタル信号(Min(1)、Min(2)、・・、Min(k))eとが入力され、Voutが出力される。判定回路は、k個のEXNOR回路901(1)〜901(k)と、k個のNAND回路902(1)〜902(k)と、k本の入力を有するNAND回路903によって構成されている。
【0116】
判定回路に入力された固有ワードと識別番号の各ビットは(ここでは第iビットとし、iは1以上k以下の整数とする)、EXNOR回路901(i)に入力され、その出力はNAND回路902(i)の一方の端子に接続されている。NAND回路902(i)の残る一方の端子には、判定基準を定めるデジタル信号Min(i)が入力される。NAND回路902(i)の出力はNAND回路903に入力され、NAND回路903の出力は、Voutとして判定回路から出力される。
【0117】
EXNOR回路は、2つの入力が等しい場合にHiを、2つの入力が異なる場合にLoを出力する。従って、例えば、kビットの固有ワードとkビットの識別番号をビット毎に比較して、kビットのうちのhビット(hは1以上k以下の整数とする)が一致する場合、EXNOR回路901(1)〜901(k)の出力のうちのh本にはHiが、残る(k−h)本にはLoが出力される。
【0118】
判定基準を定めるデジタル信号Min(i)にはそれぞれ0または1が入力されるが、Min(i)に0が入力された場合には、NAND回路902(i)の出力は、EXNOR回路901(i)の出力によらず1となる。また、Min(i)に1が入力された場合には、NAND回路902(i)の出力は、EXNOR回路901(i)の出力の反転信号となる。
【0119】
そして、判定回路の出力Voutは、NAND回路902(i)の出力が全て1である場合にのみ0が出力される。つまり、信号Min(i)が1であるビットにおいて、Did(i)とDin(i)が一致である場合にのみ0が出力される。
【0120】
言い替えると、デジタル信号(Min(1)、Min(2)、・・、Min(k))には、固有ワードと入力する識別番号とをビット毎に比較して、一致する必要のないビットには0を、一致すべきる必要のないビットには1を入力することによって、判定基準を定めることができる。
【0121】
そして、Voutが0の場合には固有ワードと識別番号とが一致、Voutが1の場合には固有ワードと識別番号とが不一致、と判断することができる。
【0122】
例えば、デジタル信号(Min(1)、Min(2)、・・、Min(k))において、3番目のビットMin(3)にだけ1を、他のビットには0を入力した場合、判定基準は、固有ワードと識別番号とが3番目のビットを除いて全て一致した場合にVoutが0、それ例外はVoutが1となる。
【0123】
このように構成した判定回路は全てデジタル回路であるから、TFTの特性ばらつきの影響はない。
【0124】
判定基準を定めるデジタル信号(Min(1)、Min(2)、・・、Min(k))の設定方針としては、例えば、固有ワードの調整用の電位Vinや、温度等の環境に対する依存性を考慮して決めれば良い。例えば、温度がー30℃から100℃の範囲、において固有ワードが変化するビットに関しては、デジタル信号Min(i)を0とし、固有ワードが変化しないビットに関しては、デジタル信号Min(i)を1とするとよい。その場合、温度がー30℃から100℃の範囲において固有ワードが変化しないビットのみが全て一致することで、基板の識別を行うことができる。
【0125】
なお、本実施例は、実施例1〜3と自由に組み合わせることが可能である。
【0126】
(実施例5)
本実施例では、実施の形態で説明した基板識別回路とは異なる回路構成について説明する。説明には図10を用いる。
【0127】
実施の形態では、基板識別回路の形態として、kビットの固有ワードを一度に比較し判定する構成を示したが、本実施例では、固有ビット生成回路をマトリクス状に配置して、列ごとに固有ワード比較する構成を説明する。
【0128】
図10において、基板識別回路は、n行m列のマトリクス状に配置された固有ビット生成回路1004(i,j)(1≦i≦n、1≦j≦m、i,jは整数)と、判定回路1003と、セレクタ112と、デコーダ1001によって構成される。
【0129】
固有ビット生成回路1004には、調整用の電位Vinがと外部入力Vselが入力され、固有ビットが出力される。固有ビット生成回路は、Vselが入力されると固有ビットを出力し、Vselが入力されないと固有ビットを出力しない構成となっている。判定回路はnビットの固有ワードと、入力データ(識別番号と判定基準を定める信号)を入力し、判定結果Voutを出力する。また、デコーダにはアドレス信号が入力される。
【0130】
なお、固有ビット生成回路および判定回路としては、実施の形態や実施例1〜4で説明した回路を応用することができる。
【0131】
デコーダ1001にアドレス信号が入力されると、m本の出力のうちの1本が選択され、固有ビット生成回路を活性化する選択信号Vselが1列の固有ビット生成回路に入力される。その結果、選択された固有ビット生成回路から固有ビットが出力され、判定回路1003にはnビットの固有ワードが入力される。
【0132】
固有ワードと識別番号と判定は、判定回路によってm回に分けて行えばよい。m回の判定を全てビット毎に記憶しておくことで、どのような判定を行う事も可能である。また、実施例3で説明した判定回路を応用する場合には、m回の判定において、判定結果のみを記憶すれば十分である。
【0133】
なお、本実施例は、実施例1〜4と自由に組み合わせることが可能である。
【0134】
(実施例6)
本実施例では、本発明の基板識別回路を、アクティブマトリクス型液晶表示部を構成するTFT基板に形成した例について述べる。説明には図11を用いる。
【0135】
図11(A)はアクティブマトリクス型液晶表示部のブロック図である。図11(A)において、TFT基板には、画素1104がマトリクス状に配置された画素部1101と、データ線駆動回路1102と、走査線駆動回路1103と、基板識別回路1108とが設けられている。
【0136】
基板識別回路1108には、識別番号が入力され、判定結果としてイネーブル信号が出力される。データ線駆動回路1102には、画像データおよびイネーブル信号が入力され、データ線1105が接続されている。また、走査線駆動回路1103には、走査線1106が接続されている。容量線1107にはコモン電位Vcomが与えられている。
【0137】
図11(B)は、画素部1101を構成する画素1104の回路図の一例を示したものである。画素1104は、スイッチングTFT1111、液晶素子1112およびコンデンサ1113を有し、スイッチングTFT1111のゲート電極は走査線1106に、ソース・ドレイン電極の一方がデータ線1105に接続されている。スイッチングTFT1111のソース・ドレイン電極の残る一方は、液晶素子1112およびコンデンサ1113に接続されている。また、液晶素子1112の残る一方の電極は対向電極1114に接続され、コンデンサ1113の残る一方の電極は容量線1107に接続されている。
【0138】
このように、基板識別回路1108をアクティブマトリクス型液晶表示部を構成するTFT基板に形成することによって、基板識別回路1108内で生成される固有ワードを識別番号として電気的に処理することが可能となる。
【0139】
例えば、図11(A)では、基板識別回路1108の出力がイネーブル信号としてデータ線駆動回路1102に入力されており、データ線駆動回路は1102、イネーブル信号がアクティブの場合のみ動作可能とする構成とすることによって、このアクティブマトリクス型液晶表示部の動作を、基板の識別番号でもって選択的に行うことが可能となる。
【0140】
この他、基板識別回路1108の出力を走査線駆動回路1103に入力する構成としてもよいし、基板の外に出力しても良い。
【0141】
なお、データ線駆動回路1102と走査線駆動回路1103の一方あるいは両方は、画素部1101を形成する基板上に形成されていても良いし、画素部1201を形成する基板とは異なる基板上に形成されていても良い。
【0142】
本実施例は、実施例1〜5のいずれの構成を組み合わせても良い。
【0143】
(実施例7)
本実施例では、本発明の基板識別回路を、アクティブマトリクス型EL表示部を構成するTFT基板に形成した例について述べる。説明には図12を用いる。
【0144】
図12(A)はアクティブマトリクス型EL表示部のブロック図である。図12(A)において、TFT基板には、画素1204がマトリクス状に配置された画素部1201と、データ線駆動回路1202と、走査線駆動回路1203と、基板識別回路1208とが設けられている。
【0145】
基板識別回路1208には、識別番号が入力され、判定結果としてイネーブル信号が出力される。データ線駆動回路1202には、画像データおよびイネーブル信号が入力され、データ線1205が接続されている。また、走査線駆動回路1203には、走査線1206が接続されている。電源供給線1208には所定の電位が与えられている。
【0146】
図12(B)は、画素部1201を構成する画素1204の回路図の一例を示したものである。画素1204は、スイッチングTFT1211、EL駆動用TFT1212、EL素子1213を有し、スイッチングTFT1211のゲート電極は走査線1206に、ソース・ドレイン電極の一方がデータ線1205に接続されている。スイッチングTFT1211のソース・ドレイン電極の残る一方は、EL駆動用TFT1212のゲート電極に接続されている。また、EL駆動用TFT1212のソース電極が電源供給線1207に、ドレイン電極がEL素子1213に接続されている。EL素子1213のもう一方の電極は対向電極1214に接続されている。
【0147】
このように、基板識別回路1208をアクティブマトリクス型EL表示部を構成するTFT基板に形成することによって、基板識別回路1208内で生成される固有ワードを識別番号として電気的に処理することが可能となる。
【0148】
例えば、図12(A)では、基板識別回路1208の出力がイネーブル信号としてデータ線駆動回路1202に入力されており、データ線駆動回路1202は、イネーブル信号がアクティブの場合のみ動作可能とする構成とすることによって、このアクティブマトリクス型EL表示部の動作を、基板の識別番号でもって選択的に行うことが可能となる。
【0149】
この他、基板識別回路1208の出力を走査線駆動回路1203に入力する構成としてもよいし、基板の外に出力しても良い。
【0150】
なお、データ線駆動回路1202と走査線駆動回路1203の一方あるいは両方は、画素部1201を形成する基板上に形成されていても良いし、画素部1201を形成する基板とは異なる基板上に形成されていても良い。
【0151】
本実施例は、実施例1〜5のいずれの構成を組み合わせても良い。
【0152】
(実施例8)
本実施例では、本発明の基板識別回路を、様々なロジック回路を形成したTFT基板に内蔵した例について述べる。説明には図13を用いる。
【0153】
図13は本実施例のTFT基板のブロック図であり、例えば、画像データの基を取り込み、または作成して、画像データの加工とフォーマット変換を行い、画像データを出力する装置を構成することができる。これに液晶表示部やOLED表示部と組み合わせる事で、例えば、ゲーム機、ビデオカメラ、カーナビゲーション、パーソナルコンピュータ等を考える事ができる。
【0154】
特に、本実施例のTFT基板を、液晶表示部やOLED表示部の対向基板として応用する事も可能である。その場合には、各ブロックは、表示に影響しない部分(駆動回路部の対向部分など)に形成する必要がある。画素部を形成する基板側のみ光を透過する場合には、対向基板全面に形成しても良い。
【0155】
図13に示したTFT基板1308には、第1の制御回路302、第2の制御回路1303、CPU1304、第1のメモリ1305、第2のメモリ1306、および基板識別回路1307が設けられている。これらのロジック回路はTFTによって構成され、TFT作製工程によって一体形成される。
【0156】
以下に、本実施例のTFT基板の動作について述べる。
【0157】
基板識別回路1308は、バスを介してCPU1304に制御され、必要に応じて基板の識別が行なわれる。つまり、基板識別回路1308には識別番号が入力され、CPUは、基板識別回路1308の判定結果を判断して、TFT基板の回路動作の実行の可否を決定する。
【0158】
あるいは、基板識別回路を入力側の第1の制御回路へのイネーブル信号として専用に用いる構成としてもよい。
【0159】
図13において、入力端子1301からは、それぞれの電子機器に応じて、画像データの基となるデータが入力される。例えば、放送受信機ではアンテナからの入力データであり、ビデオカメラではCCDからの入力データである。DVテープやメモリーカードからの入力データであってもよい。入力端子1301から入力されたデータは、第1の制御回路1302によって画像信号に変換される。第1の制御回路1302では、MPEG規格やテープフォーマット等に従って圧縮符号化された画像データの復号処理、画像の補間やリサイズといった画像信号処理が行われる。第1の制御回路1302から出力された画像信号や、CPU1304が作成または加工した画像信号は、第2の制御回路303に入力され、半導体表示部302に適したフォーマット(例えば走査フォーマット等)に変換される。第2の制御回路1303からは、フォーマット変換された画像信号と制御信号が出力される。
【0160】
CPU1304は、第1の制御回路1302、第2の制御回路1303および他のインターフェイス回路における信号処理を効率良く制御する。また、画像データを作成したり、加工したりする。第1のメモリ1305は、第1の制御回路312から出力される画像データや第2の制御回路1303から出力される画像データを格納するメモリ領域、CPUによる制御を行う際のワークメモリ領域、CPUによって画像データを作成する際のワークメモリ領域、等として用いられる。第1のメモリ1305としては、DRAMやSRAMが用いられる。第2のメモリ1306は、CPU314によって画像データを作成または加工する場合に必要となる、色データや文字データを格納するメモリ領域であり、マスクROMやEPROMによって構成される。
【0161】
本実施例は、実施例1〜5のいずれの構成を組み合わせても良い。
【0162】
(実施例9)
本実施例では、本発明の基板識別回路を、画素部、画素部の駆動回路、他のロジック回路を一体形成したTFT基板に内蔵した例について述べる。説明には図14を用いる。
【0163】
図14は本実施例のTFT基板のブロック図であり、例えば、画像データの基を取り込み、または作成して、画像データの加工とフォーマット変換を行い、画像を表示する装置を構成することができる。例えば、ゲーム機、ビデオカメラ、カーナビゲーション、パーソナルコンピュータ等を考えることができる。
【0164】
図14に示したTFT基板1411には、第1の制御回路1402、第2の制御回路1403、CPU1404、第1のメモリ1405、第2のメモリ1406、基板識別回路1410、および半導体表示部1412が設けられている。半導体表示部1412は、走査線駆動回路1408、信号線駆動回路1407、画素部1409によって構成される。
【0165】
基板識別回路1410は、バスを介してCPU1404に制御され、必要に応じて基板の識別が行なわれる。つまり、基板識別回路1410には識別番号が入力され、CPUは、基板識別回路1410の判定結果を判断して、TFT基板の回路動作の実行の可否を決定する。
【0166】
あるいは、基板識別回路を入力側の第1の制御回路へのイネーブル信号として専用に用いる構成としてもよい。
【0167】
図14に示したブロック構成は図13に示したブロック図と半導体表示部を組み合わせた構成となっており、動作および機能に関しては実施例8を参考にすることができる。
【0168】
本実施例は、実施例1〜5のいずれの構成を組み合わせても良い。
(実施例10)
本実施例では、本発明の基板識別回路を内蔵したアクティブマトリクス型液晶表示部を構成するTFT基板の作製方法について説明する。説明には、画素部を代表して書き込み用TFTおよび保持容量を、画素部の駆動回路、基板識別回路、および他のロジック回路(CPU、SRAM等)を代表して、Nチャネル型TFTおよびPチャネル型TFTを用いる。なお、本実施例では、画素部の駆動回路、基板識別回路、および他のロジック回路を合わせてロジック回路部と呼ぶ。
本実施例の作製方法により、絶縁表面を有する基板上に画素部、画素部の駆動回路、基板識別回路および他のロジック回路を一体形成することが可能となる。
【0169】
基板3001は、ガラス基板、石英基板、シリコン基板、金属基板又はステンレス基板の表面に絶縁膜を形成したものを用いる。また本作製工程の処理温度に耐えうる耐熱性を有するプラスチック基板を用いても良い。本実施例ではバリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス等のガラスからなる基板3001を用いた。
【0170】
次いで、基板3001上に酸化珪素膜、窒化珪素膜又は窒化酸化珪素膜などの絶縁膜から成る下地膜3002を公知の手段により形成する。本実施例の下地膜3002は2層構造で形成したが、前記絶縁膜の単層構造又は前記絶縁膜を2層以上積層させた構造であっても良い。
【0171】
本実施例では、下地膜3002の1層目として、プラズマCVD法を用いて、SiH4、NH3、及びN2Oを反応ガスとして成膜される窒化酸化珪素膜5001aを10〜200[nm](好ましくは50〜100[nm])の厚さに形成する。本実施例では、窒化酸化珪素膜3002aを50[nm]の厚さに形成した。次いで下地膜3002の2層目として、プラズマCVD法を用いて、SiH4及びN2Oを反応ガスとして成膜される窒化酸化珪素膜3002bを50〜200[nm](好ましくは100〜150[nm])の厚さに形成する。本実施例では、窒化酸化珪素膜3002bを100[nm]の厚さに形成した。
【0172】
次いで、下地膜上に半導体膜を形成する。半導体膜は公知の手段(スパッタ法、LPCVD法、またはプラズマCVD法等)により25〜200nm(好ましくは30〜150nm)の厚さで半導体膜を成膜し、レーザ結晶化法や公知の熱結晶化法を用いて結晶化させる。
【0173】
レーザ結晶化法で結晶質半導体膜を作製するには、連続発振またはパルス発振の固体レーザまたは気体レーザまたは金属レーザを用いる。なお、前記固体レーザとしては連続発振またはパルス発振のYAGレーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ、YAlO3レーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライドレーザ、Ti:サファイアレーザ等があり、前記気体レーザとしては連続発振またはパルス発振のエキシマレーザ、Arレーザ、Krレーザ、CO2レーザ等があり、前記金属レーザとしてはヘリウムカドミウムレーザ、銅蒸気レーザ、金蒸気レーザが挙げられる。もちろん、レーザ結晶化法だけでなく、他の公知の結晶化法(RTAやファーネスアニール炉を用いた熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いた熱結晶化法等)と組み合わせて行ってもよい。前記半導体膜としては、非晶質半導体膜や微結晶半導体膜、結晶性半導体膜などがあり、非晶質珪素ゲルマニウム膜などの非晶質構造を有する化合物半導体膜を適用しても良い。
【0174】
本実施例では、プラズマCVD法を用い、50nmの非晶質珪素膜を成膜し、この非晶質珪素膜に結晶化を助長する金属元素を用いた熱結晶化法およびレーザ結晶化法を行う。金属元素としてニッケルを用い、溶液塗布法により非晶質珪素膜上に導入した後、550℃で5時間の熱処理を行って第1の結晶性珪素膜を得る。そして、出力10Wの連続発振のYVO4レーザから射出されたレーザ光を非線形光学素子により第2高調波に変換したのち、実施例3乃至6のいずれか一に示す光学系により線状ビームを形成して照射して第2の結晶性珪素膜を得る。前記第1の結晶性珪素膜にレーザ光を照射して第2の結晶性珪素膜とすることで、結晶性が向上する。このときのエネルギー密度は0.01〜100MW/cm2程度(好ましくは0.1〜10MW/cm2)が必要である。そして、0.5〜2000cm/s程度の速度でレーザ光に対して相対的にステージを動かして照射し、結晶性珪素膜を形成する。また、パルス発振のエキシマレーザを用いる場合には、周波数300Hzとし、レーザーエネルギー密度を100〜1000mJ/cm2(代表的には200〜800mJ/cm2)とするのが望ましい。このとき、レーザ光を50〜98%オーバーラップさせても良い。
【0175】
もちろん、第1の結晶性珪素膜を用いてTFTを作製することもできるが、第2の結晶性珪素膜は結晶性が向上しているため、TFTの電気的特性が向上するので望ましい。
【0176】
このようにして得られた結晶性半導体膜をフォトリソグラフィ法を用いたパターニング処理により、島状半導体層3003〜3006を形成する。
【0177】
なお半導体層3003〜3006を形成した後、TFTのしきい値を制御するために微量な不純物元素(ボロンまたはリン)のドーピングを行ってもよい。
【0178】
次いで、島状半導体層3003〜3006を覆うゲート絶縁膜3007を形成する。ゲート絶縁膜3007はプラズマCVD法またはスパッタ法を用い、厚さを40〜150[nm]としてシリコンを含む絶縁膜で形成する。本実施例では、120[nm]の厚さの酸化窒化シリコン膜を形成する。勿論、ゲート絶縁膜はこのような酸化窒化シリコン膜に限定されるものでなく、他のシリコンを含む絶縁膜を単層または積層構造として用いても良い。
【0179】
そして、ゲート絶縁膜3007上にゲート電極を形成するための第1の導電膜3008と第2の導電膜3009とを形成する。本実施例では、第1の導電膜3008をTaで50〜100[nm]の厚さに形成し、第2の導電膜3009をWで100〜300[nm]の厚さに形成する。
【0180】
Ta膜はスパッタ法で、TaのターゲットをArでスパッタすることにより形成する。
【0181】
W膜を形成する場合には、Wをターゲットとしたスパッタ法で形成する。その他に6フッ化タングステン(WF6)を用いる熱CVD法で形成することもできる。
【0182】
なお、本実施例では、第1の導電膜3008をTa、第2の導電膜3009をWとしたが、特に限定されず、いずれもTa、W、Ti、Mo、Al、Cuなどから選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料もしくは化合物材料で形成しても良い。また、リン等の不純物元素をドープした多結晶シリコン膜に代表される半導体膜を用いても良い。
【0183】
なお、LDDを小さくして済むような場合は、W単層などの構成にしても良いし、構成は同じでも、テーパー角を立てることによって、LDDの長さを小さくすることができる。
【0184】
次に、レジストによるマスク3010〜3015を形成し、電極及び配線を形成するための第1のエッチング処理を行う。本実施例ではICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)によるエッチングを行う。エッチング用ガスにCF4とCl2を混合した場合にはW膜及びTa膜とも同程度にエッチングされる。
【0185】
上記エッチング条件では、レジストによるマスクの形状と、基板側に印加するバイアス電圧の効果により第1の導電層及び第2の導電層の端部がテーパー形状となる。テーパー部の角度は15〜45°となる。こうして、第1のエッチング処理により第1の導電層と第2の導電層から成る第1の形状の導電層3017〜3022(第1の導電層3017a〜3022aと第2の導電層3017b〜3022b)を形成する。このとき、ゲート絶縁膜3007においては、第1の形状の導電層3017〜3022で覆われない領域は20〜50[nm]程度エッチングされ薄くなった領域3016が形成される。(図15(B))
【0186】
続いて、図15(C)に示すように、レジストマスク3010〜3015は除去しないまま、第2のエッチング処理を行う。エッチングガスにCF4とCl2とO2とを用い、W膜を選択的にエッチングする。この時、第2のエッチング処理により第2の形状の導電層3024〜3029(第1の導電層3024a〜3029aと第2の導電層3024b〜3029b)を形成する。このとき、ゲート絶縁膜3007においては、第2の形状の導電層3024〜3029で覆われない領域はさらに20〜50[nm]程度エッチングされ薄くなった領域3023が形成される。
【0187】
そして、第1のドーピング処理を行いn型を付与する不純物元素を添加する。ドーピングの方法はイオンドープ法もしくはイオン注入法で行えば良い。イオンドープ法の条件はドーズ量を1×1013〜5×1014[atoms/cm2]とし、加速電圧を60〜100[keV]として行う。n型を付与する不純物元素として15族に属する元素、典型的にはリン(P)または砒素(As)を用いるが、ここではリン(P)を用いる。この場合、導電層3024〜3029がn型を付与する不純物元素に対するマスクとなり、自己整合的に第1の不純物領域3030〜3033が形成される。第1の不純物領域3030〜3033には1×1020〜1×1021[atoms/cm3]の濃度範囲でn型を付与する不純物元素を添加する。(図15(C))
【0188】
そして、図16(A)に示すようにp型TFTと書き込み用TFTになる部分をレジストマスク3034、3035で覆った上での第2のドーピング処理を行う。このとき、画素部TFTは全てレジストマスクで覆わずに外側を開けてドーピングを行う。第2のドーピング処理は、第1のドーピング処理よりもドーズ量を下げて高い加速電圧の条件としてn型を付与する不純物元素をドーピングする。例えば、加速電圧を70〜120[keV]とし、1×1013[atoms/cm2]のドーズ量で行い、図15(B)で島状半導体層に形成された第1の不純物領域3030〜3033内に新たな不純物領域3036〜3038を形成する。ドーピングは、第2の形状の導電層3024、3028を不純物元素に対するマスクとして用い、レジストマスクで覆われていないところの第1の導電層3024a、3028aの下側の領域の半導体層にも不純物元素が添加されるようにドーピングする。こうして、第3の不純物領域3039、3040が形成される。この第3の不純物領域3039、3040に添加されたリン(P)の濃度は、第1の導電層3024a、3028aのテーパー部の膜厚に従って緩やかな濃度勾配を有している。
【0189】
そして、図16(B)に示すように、pチャネル型TFTを形成する島状半導体層3004と保持容量を形成する島状半導体層3006に、第1の導電型とは逆の導電型の第4の不純物領域3043、3044を形成する。第2の形状の導電層3025b、3028bを不純物元素に対するマスクとして用い、自己整合的に不純物領域を形成する。このとき、nチャネル型TFTを形成する島状半導体層3003、および画素部TFT3005はレジストマスク3041、3042で全面を被覆しておく。ドーピングは、第2の形状の導電層3025、3028を不純物元素に対するマスクとして用い、レジストマスクで覆われていないところの第1の導電層3025a、3028aの下側の領域の半導体層にも不純物元素が添加されるようにドーピングする。こうして、第5の不純物領域3045、3046が形成される。不純物領域3043と3044にはそれぞれ異なる濃度でリンが添加されているが、ジボラン(B26)を用いたイオンドープ法で形成し、そのいずれの領域においても不純物濃度が2×1020〜2×1021[atoms/cm3]となるようにする。
【0190】
以上までの工程でそれぞれの島状半導体層に不純物領域が形成される。島状半導体層と重なる第3の形状の導電層3024〜3027がゲート電極として機能する。また、3029は島状のソース信号線として機能する。3028は容量配線として機能する。
【0191】
レジストマスク3041、3042を除去した後、島状半導体層に添加された不純物元素を活性化する工程を行う。この工程はファーネスアニール炉を用いる熱アニール法で行う。その他に、レーザアニール法、またはラピッドサーマルアニール法(RTA法)を適用することができる。熱アニール法は酸素濃度が1[ppm]以下、好ましくは0.1[ppm]以下の窒素雰囲気中で400〜700[℃]、代表的には500〜600[℃]で行う。本実施例では500[℃]で4時間の熱処理を行う。
【0192】
さらに、3〜100[%]の水素を含む雰囲気中で、300〜450[℃]で1〜12時間の熱処理を行い、島状半導体層を水素化する工程を行う。この工程は熱的に励起された水素により半導体層のダングリングボンドを終端する工程である。水素化の他の手段として、プラズマ水素化(プラズマにより励起された水素を用いる)を行っても良い。
【0193】
次いで、第1の層間絶縁膜3047として酸化窒化シリコン膜jを100〜200[nm]の厚さで形成する。その上にアクリルなどの有機絶縁物材料から成る第2の層間絶縁膜3048を形成する。また、第2の層間絶縁膜3048として有機絶縁物材料の代わりに無機材料を用いることもできる。無機材料としては無機SiO2やプラズマCVD法で作製したSiO2(PCVD‐SiO2)、SOG(Spin on Glass;塗布珪素酸化膜)等が用いられる。2つの層間絶縁膜を形成した後にコンタクトホールを形成するためのエッチング工程を行う。
【0194】
そして、ロジック回路部において島状半導体層のソース領域とコンタクトを形成するソース配線3049、3050ドレイン領域とコンタクトを形成するドレイン配線3051、を形成する。また、画素部においては、接続電極3052、画素電極3053、3054を形成する(図17(A))。
【0195】
なお、本実施例では、書き込み用TFTは、ダブルゲート構造で示したが、シングルゲート構造でもよいし、複数のゲートを有するマルチゲート構造でも構わない。
【0196】
以上のようにして、nチャネル型TFT、pチャネル型TFTを有するロジック回路部と、書き込み用TFT、保持容量を有する画素部とを同一の基板上に形成することができる。このようにTFTが形成された基板をTFT基板と呼ぶ。
【0197】
本実施例では、画素電極の端部をソース信号線や書き込み用ゲート信号線と重なるように配置されている。こうすることによって、ブラックマトリクスを用いることなく、画素電極間の隙間を遮光することができる。
【0198】
また、本実施例で示す工程に従えば、TFT基板の作製に必要なフォトマスクの数を5枚(島状半導体層パターン、第1配線パターン(ソース信号線、容量配線)、pチャネル領域のマスクパターン、コンタクトホールパターン、第2配線パターン(画素電極、接続電極含む))とすることができる。その結果、工程を短縮し、製造コストの低減及び歩留まりの向上に寄与することができる。
【0199】
続いて、図17(A)の状態のTFT基板を得た後、TFT基板上に配向膜3055を形成しラビング処理を行う。
【0200】
一方、対向基板3056を用意する。対向基板3056にはカラーフィルタ層3057〜3059、オーバーコート層3060を形成する。カラーフィルタ層はTFTの上方で赤色のカラーフィルタ層3057と青色のカラーフィルタ層3058とを重ねて形成し遮光膜を兼ねる構成とする。少なくともTFTと、接続電極と画素電極との間を遮光する必要があるため、それらの位置を遮光するように赤色のカラーフィルタと青色のカラーフィルタを重ねて配置することが好ましい。
【0201】
また、接続電極3052に合わせて赤色のカラーフィルタ層3057、青色のカラーフィルタ層3058、緑色のカラーフィルタ層3059とを重ね合わせてスペーサ3064を形成する。各色のカラーフィルタはアクリル樹脂に顔料を混合したもので1〜3[μm]の厚さで形成する。これは感光性材料を用い、マスクを用いて所定のパターンに形成することができる。スペーサ3064の高さはオーバーコート層3060の厚さ1〜4[μm]を考慮することにより2〜7[μm]、好ましくは4〜6[μm]とすることができ、この高さによりアクティブマトリクス基板と対向基板とを貼り合わせた時のギャップを形成する。オーバーコート層3060は光硬化型または熱硬化型の有機樹脂材料で形成し、例えば、ポリイミドやアクリル樹脂などを用いる。
【0202】
オーバーコート層3060を形成した後、対向電極3061をパターニング形成し、配向膜3062を形成した後ラビング処理を行う。
【0203】
そして、画素部とロジック回路部が形成されたTFT基板と対向基板とをシール剤3065で貼り合わせる。シール剤3065にはフィラーが混入され、このフィラーとスペーサによって均一な間隔を持って2枚の基板が貼り合わせられる。その後、両基板の間に液晶材料3063を注入し、封止剤(図示せず)によって完全に封止する。液晶材料3063には公知の液晶材料を用いれば良い。このようにして図17(B)に示すアクティブマトリクス型液晶表示装置が完成する。
【0204】
以上のようにして、nチャネル型TFT、pチャネル型TFTを有するロジック回路部と、書き込み用TFT、保持容量を有する画素部とを同一の基板上に形成したアクティブマトリクス型液晶表示装置を作製することができる。
【0205】
なお、上記の行程により作成されるアクティブマトリクス型液晶表示装置におけるTFTはトップゲート構造をとっているが、その他に、活性層の下側にゲート電極を形成したボトムゲート型TFT、あるいは活性層を挟み込むように、上下にゲート電極を有するデュアルゲート型TFTを作製することも可能である。
【0206】
本実施例は、実施形態及び実施例1〜7および9と自由に組み合わせて実施することが可能である。
【0207】
(実施例11)
本発明の基板識別回路は、アクティブマトリクス型発光表示部を構成するTFT基板に形成することも可能である。本実施例では、実施例10に示した工程に従い、図12(A)に示すように、第1および第2の層間絶縁膜まで形成したTFT基板から発光素子を形成する工程および発光素子が形成された基板の断面構造について説明する。
【0208】
図18(A)〜(B)は、複数の色に対応する有機発光層を作製したアクティブマトリクス型発光部を構成する基板の断面構造である。本実施例では、特にR(赤)、G(緑)、B(青)の各色に対応した3つの副画素を有する画素の断面構造について、図18(A)〜(B)を用いて説明する。
【0209】
図18(A)において、5201〜5203は、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色に対応した有機発光素子を駆動するNチャネル型TFTである。
【0210】
まず実施例10に示した工程に従い、図12(A)に示すように、第1および第2の層間絶縁膜まで形成する。
【0211】
5204〜5206はドレイン配線であり、Nチャネル型TFT5201〜5203のドレイン領域と電気的に接続されている。5207〜5209はソース配線であり、Nチャネル型TFT5201〜5203のソース領域と電気的に接続されている。
【0212】
本実施例では、ドレイン配線5204〜5206とソース配線5207〜5209は、膜厚100nmのTi膜と、膜厚350nmのAl膜と、膜厚100nmのTi膜との積層膜をスパッタ法で連続形成して、所望の形状にパターニングして形成した。なおドレイン配線5204〜5206とソース配線5207〜5209は、前述した構成に限定されず、単層構造、2層構造又は4層以上の積層構造にしてもよい。さらに、配線の材料は、AlとTiに限定されず、他の材料を用いて形成してもよい。
【0213】
そして、ドレイン配線5204〜5206と、ソース配線5207〜5209とを覆うように第3の層間絶縁膜5210を形成した。第3の層間絶縁膜5210としては、プラズマCVD法を用いて、窒化酸化珪素膜、酸化窒化珪素膜、窒化珪素膜、酸化珪素膜等を10〜300nm(好ましくは50〜200nm)の厚さに形成するとよい。本実施例では、第3の層間絶縁膜5210として、窒化酸化珪素膜を150nmの厚さに形成した。
【0214】
次いで、第3の層間絶縁膜5210に、ドレイン配線5204〜5206に達するコンタクトホールを形成し、前記コンタクトホール上に陰極5211〜5213を形成した。陰極5211〜5213は、マグネシウムと銀との合金膜(MgAg膜)を30〜300nmの厚さに成膜して、所望の形状にパターニングして形成した。陰極5211〜5213の材料は、周期表の1族、2族に属する元素からなる導電膜、又はそれらから構成される元素を添加した導電膜を用いてもよい。
【0215】
そして、陰極5211〜5213を完全に覆うように、第4の層間絶縁膜を形成した。本実施例では、陰極5211〜5213を覆うように、100nmの厚さに窒化珪素膜を成膜して、次いで所望の形状にパターニングして、第4の層間絶縁膜5214〜5216を形成した。第4の層間絶縁膜5214〜5216は、窒化酸化珪素膜、酸化窒化珪素膜、窒化珪素膜、酸化珪素膜等を用いて、10〜300nm(好ましくは50〜200nm)の厚さに成膜して、所望の形状にパターニングして形成するとよい。
【0216】
次いで、第4の層間絶縁膜5214〜5216が形成されていない領域(開口部)であって、且つ露出している領域の陰極5211〜5213上に、有機発光層5217〜5219を形成した。有機発光層5217〜5219は、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色に対応した材料を用いて形成した。
【0217】
このとき、有機発光層5217〜5219を構成する材料が異なるため、一度に成膜することが難しい。そのため本実施例では、メタルマスクを用いて、最初にR用の有機発光層5217を形成し、次いでG用の有機発光層5218を形成し、最後にB用の有機発光層5219を形成した。有機発光層5217〜5219を構成する材料としては、公知の材料を用いて形成すればよい。また、有機発光層5217〜5219の構造は、公知の構造を用いればよく、単層構造と積層構造のどちらの構造を採用してもよい。
【0218】
そして最後に、有機発光層5217〜5219を覆うように陽極5220を形成した。本実施例では、陽極5220として、酸化インジウムと酸化スズの化合物(ITO)を110nmの厚さで成膜して形成した。陽極5220は、透明導電膜を用いて形成され、前記透明導電膜にガリウムを添加した材料を用いてもよい。
【0219】
陽極5220が形成されると、発光素子が完成する。発光素子は、陰極5211〜5213と、有機発光層5217〜5219と、陽極5221とで形成されたダイオードに相当する。図18(A)において、陰極5211と有機発光層5217と陽極5221とが重なっている部分がR用の発光素子5221に相当する。また、陰極5212と有機発光層5218と陽極5221とが重なっている部分がG用の発光素子5222に相当し、陰極5213と有機発光層5219と陽極5221とが重なっている部分がB用の発光素子5223に相当する。そして発光素子5221〜5223から発せられる光は、陽極5220の方向へ出射する。
【0220】
従来では、多くの場合において、RGBの各色に対応した有機発光層を塗り分けるときには、各色に対応した土手を形成していた。しかし、図18(A)に示す断面構造においては、土手は形成されていない。そしてその代わりに、第4の層間絶縁膜5214〜5216を形成した。本実施例では、このような構造を採用することによって、画素の開口部を大きくすることが出来る。言い換えると、画素の開口率を向上させることが出来る。
【0221】
なお、第4の層間絶縁膜5214〜5216が形成されている領域上には、異なる色に対応した有機発光層が形成されている。例えば、層間絶縁膜5214上には、R用の有機発光層5217とB用の有機発光層5219が形成されている。つまり、陰極5211上に層間絶縁膜5214が形成され、前記層間絶縁膜5214上に、2つの色に対応した有機発光層5217、5219とが形成されている。そして、前記有機発光層5217、5219上には陽極5220が形成されている。つまり、第4の層間絶縁膜5214〜5216が形成されている領域は、ダイオードが形成されていないため、有機発光層5214〜5216からは光は発せられない。
【0222】
次いで、図18(A)とは異なる構成の画素の断面構造について、図18(B)を用いて説明する。なお、画素を構成する材料等は、図18(A)を用いた上述の説明に準ずるので、ここでは構成のみを説明する。
【0223】
図18(B)において、5301〜5303は、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色に対応した有機発光素子を駆動するNチャネル型TFTである。
【0224】
5304〜5306はドレイン配線であり、Nチャネル型TFT5301〜5303のドレイン領域と電気的に接続されている。5307〜5309はソース配線であり、Nチャネル型TFT5301〜5303のソース領域と電気的に接続されている。
【0225】
そして、ドレイン配線5304〜5306と、ソース配線5307〜5309とを覆うように第3の層間絶縁膜5310を形成した。本実施例では、第3の層間絶縁膜5310として、窒化酸化珪素膜を150nmの厚さに形成した。
【0226】
次いで、第3の層間絶縁膜5310に、ドレイン配線5304〜5306に達するコンタクトホールを形成し、前記コンタクトホール上に陰極5311〜5313を形成した。
【0227】
そして、陰極5311〜5313を完全に覆うように、層間絶縁膜5324〜5326を形成した。前記層間絶縁膜5324〜5326はバンクとして機能する。そのため、開口部を形成するときには、該開口部の側壁が十分になだらかでないと、段差に起因する有機発光層の劣化が顕著な問題となってしまうため、注意が必要である。
【0228】
次いでバンク5324〜5326上に、第4の層間絶縁膜5314〜5316を形成した。そして、第4の層間絶縁膜5314〜5316が形成されていない領域であって、且つ露出している領域(開口部)の陰極5311〜5313上に、有機発光層5317〜5319を形成した。有機発光層5317〜5319は、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色に対応した材料を用いて形成した。
【0229】
このとき、有機発光層5317〜5319を構成する材料が異なるため、一度に成膜することが難しい。そのため本実施例では、メタルマスクを用いて、最初にR用の有機発光層5317を形成し、次いでG用の有機発光層5318を形成し、最後にB用の有機発光層5319を形成した。
【0230】
そして最後に、有機発光層5317〜5319を覆うように陽極5320を形成した。本実施例では、陽極5320として、酸化インジウムと酸化スズの化合物(ITO)を110nmの厚さで成膜して形成した。
【0231】
陽極5320が形成されると、発光素子が完成する。発光素子は、陰極5311〜5313と、有機発光層5317〜5319と、陽極5321とで形成されたダイオードに相当する。図18(B)において、陰極5311と有機発光層5317と陽極5321とが重なっている部分がR用の発光素子5321に相当する。また、陰極5312と有機発光層5318と陽極5321とが重なっている部分がG用の発光素子5322に相当し、陰極5313と有機発光層5319と陽極5321とが重なっている部分がB用の発光素子5323に相当する。
【0232】
図18(B)に示す断面構造においては、RGBの各色に対応した有機発光層を塗り分けるために、各色に対応した土手5324〜5326を形成している。
つまり、土手5324〜5326が形成されている領域は、ダイオードが形成されていないため、有機発光層5314〜5316からは光は発せられない。
【0233】
本実施例は、実施形態及び実施例1〜7および9と自由に組み合わせて実施することが可能である。
【0234】
(実施例12)
【0235】
本発明の基板識別回路は、さまざまな電子機器に用いられている表示部を構成する基板に内蔵して応用することができる。このような電子機器には、携帯情報端末(電子手帳、モバイルコンピュータ、携帯電話など)、ビデオカメラ、デジタルカメラ、パーソナルコンピュータ、テレビなどが挙げられる。それらの一例を図19に示す。
【0236】
図19(A)は液晶ディスプレイもしくはOLEDディスプレイであり、筐体1401、支持台1402、表示部1403などによって構成されている。本発明の基板識別回路は、表示部1403を構成する基板に内蔵して応用することができる。
【0237】
図19(B)はビデオカメラであり、本体1411、表示部1412、音声入力1413、操作スイッチ1414、操作スイッチ1415、バッテリー1416、受像部1417などによって構成されている。本発明の基板識別回路は、表示部1417を構成する基板に内蔵して応用することができる。
【0238】
図19(C)はノート型のパーソナルコンピュータであり、本体1421、筐体1422、表示部1423、キーボード1424などによって構成されている。本発明の基板識別回路は表示部1423を構成する基板に内蔵して応用することができる。
【0239】
図19(D)は携帯情報端末であり、本体1431、表示部1432、操作ボタン1433、外部インターフェイス1434などによって構成されている。本発明の基板識別回路は表示部1432を構成する基板に内蔵して応用することができる。
【0240】
図19(E)は音響再生装置、具体的には車載用のオーディオ装置であり、本体1441、表示部1442、操作スイッチ1443、1444などによって構成されている。本発明の基板識別回路は表示部1442を有する表示装置を構成する基板に内蔵して応用することができる。また、ここでは車載用オーディオ装置を例に上げたが、携帯型もしくは家庭用オーディオ装置に用いてもよい。
【0241】
図19(F)はデジタルカメラであり、本体1451、表示部(A)1452、接眼部1453、操作スイッチ1454、表示部(B)1455、バッテリー1456などによって構成されている。本発明の基板識別回路は表示部(A)1452および表示部(B)1455を構成する基板に内蔵して応用することができる。
【0242】
図19(G)は携帯電話であり、本体1461、音声出力部1462、音声入力部1463、表示部1464、操作スイッチ1465、アンテナ1466などによって構成されている。本発明の基板識別回路は表示部1464を構成する基板に内蔵して応用することができる。
【0243】
このように、本発明の基板識別回路を電子機器に用いられている表示部を構成する基板に内蔵することで、電子機器(あるいはそれを構成する基板)を識別する番号を、低コストで安全に、かつ電気的に割り当てることができる。その結果、電子機器(あるいはそれを構成する基板)の管理だけでなく、様々な権利の選択的な付与といった用途に用いることが可能となる。
【0244】
なお、これらの電子機器に使われる表示装置はガラス基板だけでなく耐熱性のプラスチック基板を用いることもできる。それによってよりいっそうの軽量化を図ることができる。
【0245】
また、本実施例に示した例はごく一例であり、これらの用途に限定するものではないことを付記する。
【0246】
本実施例は、実施形態及び実施例1〜11と自由に組み合わせて実施することが可能である。
【0247】
【発明の効果】
本発明の基板識別回路によって、低コストで、基板識別番号を書き換えたり複製することが困難で、かつ電気信号として扱うことができる、TFT基板に固有な数値を割り当てることが可能となる。
【0248】
本発明によって、そのような基板識別回路を有するTFT基板、あるいは半導体装置を提供することが可能となる。
【0249】
その結果、TFT基板あるいは、TFT基板を内蔵した半導体装置の管理や、保証あるいはサービスといった権利の選択的な付与、を低コストかつ安全に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基板識別回路のブロック図。
【図2】 TFTのばらつきを反映してアナログ電位を出力する回路の回路図。
【図3】 本発明の基板識別回路を構成する固有ワード生成回路のブロック図。
【図4】 本発明の基板識別回路を構成する固有ビット生成回路の回路図。
【図5】 本発明の基板識別回路を構成する判定回路の回路図。
【図6】 本発明の基板識別回路を構成する固有ビット生成回路の回路図。
【図7】 本発明の基板識別回路を構成する固有ビット生成回路の回路図。
【図8】 本発明の基板識別回路を構成する固有ワード生成回路の回路図。
【図9】 本発明の基板識別回路を構成する判定回路の回路図。
【図10】 本発明の基板識別回路のブロック図。
【図11】 本発明の半導体装置を構成するアクティブマトリクス型液晶表示部のブロック図。
【図12】 本発明の半導体装置を構成するアクティブマトリクス型発光表示部のブロック図。
【図13】 本発明の半導体装置のブロック図。
【図14】 本発明の半導体装置のブロック図。
【図15】 本発明の半導体装置の作製工程を示す図。
【図16】 本発明の半導体装置の作製工程を示す図。
【図17】 本発明の半導体装置の作製工程を示す図。
【図18】 アクティブマトリクス型発光表示部の断面図。
【図19】 本発明を応用した電子機器の一例を示す図。
【符号の説明】
301 固有ワード生成回路
302(1)〜302(k) 固有ビット生成回路
303 判定回路
304 基板識別回路
305 第2の制御回路

Claims (15)

  1. 複数の第1の回路を含む第2の回路を有し、
    前記複数の第1の回路の各々は、同じ基板上に設けられた複数のトランジスタを有し、
    前記複数の第1の回路の各々は、前記複数のトランジスタの各々の活性層のグレインパタンに対応した第1の数値を示す第1の信号を生成し、
    前記第2の回路は、前記複数の第1の回路の各々から出力される前記第1の信号を用いて、前記基板に固有の第2の数値を示す第2の信号を生成することを特徴とする半導体装置。
  2. 複数の第1の回路を含む第2の回路と、第3の回路を有し、
    前記複数の第1の回路の各々は、同じ基板上に設けられた複数のトランジスタを有し、
    前記複数の第1の回路の各々は、前記複数のトランジスタの特性に対応した第1の数値を示す第1の信号を生成し、
    前記第2の回路は、前記複数の第1の回路の各々から出力される前記第1の信号を用いて、前記基板に固有の第2の数値を示す第2の信号を生成し、
    前記第3の回路は、前記第2の回路から出力される前記第2の信号と、外部から入力される第3の数値を示す第3の信号とを比較することを特徴とする半導体装置。
  3. 複数の第1の回路を含む第2の回路と、第3の回路を有し、
    前記複数の第1の回路の各々は、同じ基板上に設けられた複数のトランジスタを有し、
    前記複数の第1の回路の各々は、前記複数のトランジスタのしきい値電圧に対応した第1の数値を示す第1の信号を生成し、
    前記第2の回路は、前記複数の第1の回路の各々から出力される前記第1の信号を用いて、前記基板に固有の第2の数値を示す第2の信号を生成し、
    前記第3の回路は、前記第2の回路から出力される前記第2の信号と、外部から入力される第3の数値を示す第3の信号とを比較することを特徴とする半導体装置。
  4. 複数の第1の回路を含む第2の回路と、第3の回路を有し、
    前記複数の第1の回路の各々は、同じ基板上に設けられた複数のトランジスタを有し、
    前記複数の第1の回路の各々は、前記複数のトランジスタの各々の活性層のグレインパタンに対応した第1の数値を示す第1の信号を生成し、
    前記第2の回路は、前記複数の第1の回路の各々から出力される前記第1の信号を用いて、前記基板に固有の第2の数値を示す第2の信号を生成し、
    前記第3の回路は、前記第2の回路から出力される前記第2の信号と、外部から入力される第3の数値を示す第3の信号とを比較することを特徴とする半導体装置。
  5. 請求項1乃至請求項のいずれか1項において、
    前記複数の第1の回路の各々は、差動増幅回路を有することを特徴とする半導体装置。
  6. 請求項1乃至請求項のいずれか1項において、
    前記複数の第1の回路の各々は、1つ又は複数のインバータ回路を有することを特徴とする半導体装置。
  7. 請求項1乃至請求項のいずれか1項において、
    前記第1の数値は、1ビットの乱数であることを特徴とする半導体装置。
  8. 請求項1乃至請求項のいずれか1項において、
    前記基板上に設けられたロジック回路を有することを特徴とする半導体装置。
  9. 請求項1乃至請求項のいずれか1項において、
    前記基板上に設けられた画素を有し、
    前記画素は液晶素子を有することを特徴とする半導体装置。
  10. 請求項1乃至請求項のいずれか1項において、
    前記基板上に設けられた画素及び駆動回路を有し、
    前記画素は液晶素子を有することを特徴とする半導体装置。
  11. 請求項1乃至請求項のいずれか1項において、
    前記基板上に設けられた画素、駆動回路及びロジック回路を有し、
    前記画素は液晶素子を有することを特徴とする半導体装置。
  12. 請求項1乃至請求項のいずれか1項において、
    前記基板上に設けられた画素を有し、
    前記画素は発光素子を有することを特徴とする半導体装置。
  13. 請求項1乃至請求項のいずれか1項において、
    前記基板上に設けられた画素及び駆動回路を有し、
    前記画素は発光素子を有することを特徴とする半導体装置。
  14. 請求項1乃至請求項のいずれか1項において、
    前記基板上に設けられた画素、駆動回路及びロジック回路を有し、
    前記画素は発光素子を有することを特徴とする半導体装置。
  15. 請求項1乃至請求項1のいずれか一項に記載の前記半導体装置が用いられた電子機器。
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