JP4163966B2 - カメラ用フォーカルプレンシャッタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラ用フォーカルプレンシャッタに関する。
【0002】
【従来の技術】
カメラに用いられている最近のフォーカルプレンシャッタには、先羽根(群),後羽根(群)と称される二つのシャッタ羽根を備えたものと、一つのシャッタ羽根を備えたものとが知られており、前者は、デジタルスチルカメラにも銀塩カメラにも採用されているが、後者は、デジタルスチルカメラにだけ採用されている。また、何れの場合にも、各シャッタ羽根は各々の駆動部材の回転に連動して作動させられるようになっており、撮影時においては、駆動部材の回転の開始を、電磁石を介して制御するようにしている。そして、それらのうちのシャッタ羽根は、シャッタ地板と補助地板(カバー板ともいう)との間に構成された羽根室内に収容されている。
【0003】
シャッタ地板には略中央部に撮影光路用の開口部が形成されていて、その開口部の側方領域には、板面を平行にし且つ所定の空間を空けて支持板(上地板,取付基板,ラチェット板などともいう)が取り付けられており、上記の駆動部材と電磁石とは、その空間に配置され、電磁石は支持板に取り付けられている。また、支持板にはプリント配線板が重合されていて、その配線パターンには、上記の電磁石のコイル端子が接合されている(例えば、特許文献1参照)。更に、そのプリント配線板の配線パターンには、上記の駆動部材の回転によって操作されるフラッシュ同調用のスイッチが接合されており(例えば、特許文献2参照)、そのスイッチは、駆動部材、ひいてはシャッタ羽根の誤動作を検出するスイッチとして用いることも可能であることが知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0004】
また、そのスイッチは、特許文献2にも記載されているように、通常は、二つの接片部材で構成されており、それらの一端を上記の配線パターンに接合し、他端には接点部を設けている。そして、常態では、それらの接片部材は、自己の弾性によってプリント配線板の別々の端面に接触し、両者の接点部を非接触状態にさせられているが、所定の時機に、一方の接片部材が駆動部材の回転によって押されると、両者は、それらの接点部を接触状態にさせられ、プリント配線板の端面から離されるようになっている。しかしながら、中には、上記の他方の接片部材を金属製のシャッタ構成部材(例えば、金属製のシャッタ地板)で兼用する(所謂、ボディーアース)ように構成する場合もある。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−133944号公報(第3,4頁、図1,2)
【特許文献2】
特開平8−201877号公報(第3,4頁、図1−6)
【特許文献3】
特開2002−55377号公報(第3−7頁、図1−4)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような構成のスイッチを好適に機能させるためには、二つの接点部の接触位置精度が高いことと、二つの接点部が確実にオンすることが要求される。即ち、前者については、一方の接片部材が駆動部材によって押されたとき、所定の位置で他方の接片部材に接触するようにする必要があるが、そのようにするためには、他方の接片部材が自己の弾性力によって接触しているプリント配線板の端面位置が高精度に形成されていなければならない。また、後者については、二つの接点部の間に塵埃が付着しないようにする必要があるが、そのようにするためには、二つの接片部材の近傍で塵埃を発生させないようにしたり、接点部に塵埃が飛来しにくいようにしなければならない。
【0007】
ところが、上記のようなフォーカルプレンシャッタの構成においては、支持板が比較的薄い金属の板材で製作されているため、プリント配線板には所定の強度が要求される。そのため、従来から、このプリント配線板の材料としては、硬質のガラスエポキシ銅張積層板(ガラエポ基板ともいう)が採用され、必要な配線パターンをエッチング加工で形成するなどした後、大きな材料から所定の形状に打ち抜いたものを使用していた。そして、上記の各接片部材を、常態では、そのようにして打ち抜かれた外形形成端面や、所定の形状の孔を形成している端面に接触させていた。
【0008】
しかしながら、ガラスエポキシ銅張積層板を打ち抜いた場合には、その積層板が硬質である上に比較的厚いため、ガラス繊維などの影響で端面の形成にバラツキが生じ易く、仕上げ作業や接片部材の調整作業などを必要とする大きな要因の一つになっていた。また、打ち抜きや仕上げ作業に起因して生じた微細な塵埃が、端面近傍位置に付着した状態になっていたり、端面が撮影時における接片部材の接離の繰り返しによって塵埃を発生させ易い状態になっていると、いずれはそのような塵埃が接点部に付着して接触不良の原因になる恐れがあった。更に、ガラスエポキシ銅張積層板のプリント配線板を使用していると、他の領域から飛来してくる塵埃から接点部を少しでもガードしたいときには、専用の部材を用意しないと不可能であった。
【0009】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、ガラスエポキシ銅張積層板のプリント配線板を用いないでも上記のような電磁石やスイッチへの電気的な接続が可能であって、且つ接片部材の常態での位置精度を高めることができ、その上、接点部に塵埃が付着するのを好適に抑制できるようにすることも可能なカメラ用フォーカルプレンシャッタを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタは、撮影光路用の開口部を有していて補助地板との間に少なくとも一つのシャッタ羽根を収容しているシャッタ地板と、前記開口部の側方領域において板面を平行にし且つ所定の空間を空けて前記シャッタ地板に取り付けられている支持板と、前記支持板に該支持板を前記シャッタ地板側にして重合されている合成樹脂製のスイッチ取付板と、前記空間に配置されていて自己の回転によって前記シャッタ羽根を作動させる少なくとも一つの駆動部材と、前記支持板に取り付けられて前記空間に配置されており撮影時における前記駆動部材の回転の開始を可能にする少なくとも一つの電磁石と、自己の弾性によって前記スイッチ取付板の端面に接触する習性を有した接片部材に設けられており該接片部材が該習性に抗して前記駆動部材に押されたとき前記端面から離れて他方の接点に接触するスイッチと、複数の配線パターンを有しており前記スイッチ取付板に重合されているところに前記スイッチ及び前記電磁石との接続部を有していて前記スイッチ取付板に重合されているところから伸長したところに電源側の接続部を有しているフレキシブルプリント配線板と、を備えている。その場合、前記他方の接点が、前記配線パターンに接続されていて自己の弾性によって前記スイッチ取付板の端面に接触する習性を有したもう一つの接片部材に設けられているようにしてもよい。
【0011】
また、前記スイッチ取付板が、前記スイッチの取付位置近傍に、前記シャッタ地板側に略垂直に形成された壁部を有しており、該壁部が、前記接点の配置領域の少なくとも一側面をカバーしているようにすると、飛来する塵埃の付着から各接点を保護することができ、また、前記スイッチ取付板が、少なくとも前記開口部側とは反対側の縁に沿って、前記シャッタ地板側に略垂直に形成された壁部を有しており、該壁部が、前記空間を側面からカバーしているようにすると、飛来する塵埃の付着からスイッチの接点や電磁石の吸着面を保護することが可能となる。
【0012】
更に、前記支持板と前記スイッチ取付板とが一部品として構成され、それに前記電磁石が取り付けられているようにすると、部品点数を削減することが可能になる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図示した三つの実施例によって説明するが、それらの実施例は、いずれも、特許文献1〜3に記載されているような、二つのシャッタ羽根を備えたフォーカルプレンシャッタである。そして、本発明は、主にスイッチに関連した構成に関するものであるため、その点については詳細に説明するが、その他のシャッタ構成については、周知のことでもあるので、説明を簡略的に行ったり、省略したりする。また、各実施例のスイッチは、特許文献3にも記載されているように、シャッタ羽根を連結している駆動部材の誤動作をも検出するようにすることが可能であるが、フラッシュ同調用スイッチとして用いた場合についてだけ説明することにする。
【0014】
また、各実施例の説明に用いる図面は、図1が、カメラに組み込んだとき、撮影レンズ側から見て左側の約半分を示した第1実施例の平面図であり、図2が、図1の下側から見た要部の底面図であり、図3が、スイッチのオン状態を示した第1実施例の部分平面図である。また、図4は、図2と同じようにして見た第2実施例の要部底面図である。更に、図5は、図1と同じようにして見た第3実施例の平面図であり、図6は、図2と同じようにして見た第3実施例の要部底面図である。尚、図7は、各実施例におけるスイッチ取付板と、電磁石の支持板とを一部品として構成した場合の一例を示した説明図である。
【0015】
[第1実施例]
本実施例のシャッタ地板1と補助地板2とは、合成樹脂製であって、補助地板2は、その壁部2a(図2参照)がシャッタ地板1との間を塞ぐようにして、シャッタ地板1に取り付けられている。また、シャッタ地板1と補助地板2との間は、図示していない周知の中間板によって仕切られており、シャッタ地板1と中間板との間に先羽根の羽根室を構成し、中間板と補助地板2との間に後羽根の羽根室を構成している。そして、シャッタ地板1,中間板,補助地板2には、それらの略中央部に撮影光路用の開口部が形成されているが、図1には、それらのうち、シャッタ地板1に形成された開口部1aの左側の約半分が示されている。
【0016】
また、先羽根と後羽根とは、明示していないが、周知の構成をしており、各々、シャッタ地板1に一端を枢着された二つのアームと、それらの他端に向けて順に枢支された3枚の羽根とで構成されている。そして、図1は、シャッタのセット状態を示したものであるため、先羽根の3枚の羽根3,4,5は、展開されて(相互の重なりを最小にして)開口部1aを覆っているが、後羽根の3枚の羽根は重畳されて(相互の重なりを最大にして)開口部1aの上方位置に格納されている。
【0017】
開口部1aの左側の領域には、シャッタ地板1側から順に重ねられている金属製の支持板6,合成樹脂製のスイッチ取付板7,フレキシブルプリント配線板8が、それらの面をシャッタ地板1と平行にし、二つのビス9,10によって、シャッタ地板1に設けられた明示されていない柱の先端に取り付けられ、支持板6とシャッタ地板1との間に所定の空間を設けている。また、スイッチ取付板7には、位置決め用の四つのピン7a,7b,7c,7dが形成されており、フレキシブルプリント配線板8は、それらのうちのピン7a,7bに、位置決め用の孔を嵌合させている。尚、図1においては、図面を見易くするために、フレキシブルプリント配線板8の外形と配線パターン8aとを二点鎖線で示し、半田接合部を斜線で示してある。
【0018】
また、本実施例の支持板6の形状は明示されていないが、例えば特許文献1に記載のような周知の形状をしていて、シャッタ地板1側に、先羽根用電磁石と後羽根用電磁石を取り付けている。そして、先羽根用電磁石のコイルの端子ピン11,12と、後羽根用電磁石のコイルの端子ピン13,14とは、スイッチ取付板7とフレキシブルプリント配線板8とに形成された孔を貫通し、配線パターン8aに半田付けされている。
【0019】
更に、接片部材15,16は、それらの一端に形成された孔をスイッチ取付板7の位置決め用のピン7c,7dに嵌合させ、且つ舌状部の先端を小判型の孔にくぐらせておいてから、接片部材15は1箇所で、また、接片部材16は2箇所で、各々配線パターン8aに半田付けされている。また、それらの取付部以外は折り曲げられ、シャッタ地板1側の上記空間に配置されており、それらの自由端に接点部15a,16aを設けている。そして、図2から分かるように、接片部材15の接点部15aは、上方へ張り出した張出部15bを有していて、図1に示した接片部材15の常態では、自己の弾性力によってその張出部15bを、スイッチ取付板7のシャッタ地板側1に形成された段部7eに接触させている。また、接片部材16にも、その長さ方向の略中間に、図2において上方へ張り出した張出部16bが形成されていて、図1に示した常態では、自己の弾性力によってその張出部16bを、スイッチ取付板7の段部7f(図3参照)に接触させている。
【0020】
スイッチ取付板7は、図1における右下隅の三角形の領域が、ビス10の頭部やピン7c,7dの先端の高さまで盛り上がってカバー部を形成しており(図2参照)、その内側(シャッタ地板1側)に、上記の段部7e,7fが形成されている。また、そのカバー部には、シャッタ地板1に向けて略垂直に壁部7gが形成され、接点部15a,16aの近傍をカバーしており、それによって、塵埃が直接飛来して接点部15a,16aに付着し、接触不良が生じるのを少しでも抑制できるようにしている。
【0021】
次に、シャッタ地板1と支持板6との間で、シャッタ地板1に立設された軸に取り付けられている部材を説明するが、それらの部材は周知であって、例えば特許文献1に記載のものと殆ど同じであるため、図面上には明示されていないものや、全く示されていないものがある。シャッタ地板1には、軸1b,1c,1dが立設されており、それらの先端を、重合されている支持板6,スイッチ取付板7,フレキシブルプリント配線板8の孔に嵌合させている。そして、軸1bには、先羽根用駆動部材17(図2参照)が、軸1cには、図示していない後羽根用駆動部材が、軸1dには、セット部材18(図1参照)が、夫々回転可能に取り付けられている。
【0022】
先羽根用駆動部材17は、先羽根用駆動ばね19によって、図1において時計方向へ回転するように付勢されている。また、先羽根用駆動部材17に設けられている駆動ピン17aは、シャッタ地板1の図示していない長孔を貫通し、羽根室内で、先羽根を構成している二つのアームの一方に連結されている。更に、先羽根用駆動部材17には、明示されていないが、先羽根用電磁石に吸着される鉄片部材が取り付けられており、図2に示すように、その取付部の上方には、接片部材16を押すための押動部17bが形成されている。軸1bには、ラチェット歯車20も回転可能に取り付けられていて、先羽根用駆動ばね19の一端が掛けられている。従って、このラチェット歯車20を回転させると、先羽根用駆動ばね19の付勢力を調整できるようになっていて、その調整後は、支持板6に設けられた図示していないラチェット爪によって係止されるようになっている。
【0023】
また、シャッタ地板1の軸1cに取り付けられている各部材の構成も、上記の軸1bに対する取付け構成と実質的に同じである。即ち、軸1cには、図示していない後羽根用駆動部材とラチェット歯車21(図1参照)が回転可能に取り付けられており、両者の間には図示していない後羽根用駆動ばねが掛けられている。また、後羽根用駆動ばねは、図1において後羽根用駆動部材を時計方向へ回転させるように付勢しており、その付勢力は、ラチェット歯車21を回転させて行われ、調整後は、支持板6に設けられた図示していないラチェット爪によって係止するようになっている。また、後羽根用駆動部材は、図示していない後羽根用電磁石に吸着される鉄片部材を取り付けていると共に、羽根室内において後羽根のアームに連結させた駆動ピンを有している。
【0024】
更に、シャッタ地板1の軸1dに回転可能に取り付けられているセット部材18は、図示していない復帰ばねによって反時計方向へ回転するように付勢されている。また、このセット部材18は、その被押動部18aを図示していないカメラ本体側の部材に押されたとき、その復帰ばねの付勢力に抗して時計方向へ回転させられ、その過程で、上記の二つの駆動部材を、それらの駆動ばねの付勢力に抗してセット位置まで、反時計方向へ回転させるように構成されている。図1は、そのようにして行われたセット作動の完了状態を示したものであるが、このとき、上記の二つの電磁石は非通電状態となっていて、上記の二つの駆動部材に取り付けられている鉄片部材とは、接触はしているものの吸着をしていないため、セット部材18は、撮影が行われるまで、カメラ本体側の部材によってこの状態を維持させられている。
【0025】
次に、接片部材15,16をフラッシュ同調用スイッチとしてだけ機能させる場合の作動を説明する。図1のセット状態においては、上記したように、セット部材18によって、先羽根用駆動部材17が反時計方向へ回転させられた状態にあるため、先羽根用駆動部材17に設けられている押動部17bが接片部材16から離れている。そのため、接片部材16は、自己の弾性力による習性によって、張出部16bをスイッチ取付板7の段部7fに接触させている。また、もう一方の接片部材15も、自己の弾性力による習性によって、張出部15bをスイッチ取付板7の段部7eに接触させている。従って、両者の接点部15a,16aは接触しておらず、スイッチはオフ状態となっている。また、本実施例のスイッチ取付板7は、合成樹脂製であるため、張出部15b,16bの当接している段部7e,7fの面が、従来のガラスエポキシ銅張積層板の端面と比較して高精度に加工されており、接片部材15,16の位置精度が好適に得られている。
【0026】
撮影に際して、カメラのレリーズボタンが押されると、先ず、図示していない先羽根用電磁石と後羽根用電磁石のコイルに通電され、先羽根用駆動部材17の鉄片部材と後羽根用駆動部材の鉄片部材とが吸着保持される。その直後には、図示していないカメラ本体側の部材が、セット部材18の被押動部18aに対する押圧力を解いていくので、セット部材18は、図示していない復帰ばねの付勢力によって反時計方向へ回転し、図示していないストッパに当接して停止する。そして、そのときには、セット部材18は、二つの駆動部材の作動に干渉しない状態となっている。
【0027】
このようにして、セット部材18が停止すると、先羽根用電磁石のコイルに対する通電が断たれる。そのため、先羽根用駆動部材17は、先羽根用駆動ばね19の付勢力によって、図1において時計方向へ回転させられるが、このとき、先羽根も駆動ピン17aによって作動させられ、3枚の羽根3,4,5は、相互の重なりを大きくしつつ下方へ走行し、開口部1aを上方から開放していく。そして、開口部1aが全開状態になる直前には、先羽根用駆動部材17の押動部17bが接片部材16を押し始め、接点部16aを、接片部材15の接点部15aに接触させる。この接触は、上記のように、接片部材15,16の位置精度がよいため、好適なタイミングで行われ、開口部1aが全開となった直後にはフラッシュが発光されるようになる。
【0028】
先羽根用駆動部材17の押動部17bは、接点部16aを接点部15aに接触させた後も接片部材16を押していくため、接点部15a,16aの接触を保ちながら、接片部材15も押されて撓まされる。図3は、そのようにして、先羽根用駆動部材17が停止したときの状態を示したものである。フラッシュが発光した後、今度は、後羽根用電磁石のコイルに対する通電が断たれる。それによって、図示していない後羽根用駆動部材が、後羽根用駆動ばねの付勢力によって、図1において時計方向へ回転し、図示していない3枚の羽根によって、開口部1aを上方から閉鎖していく。そして、その3枚の羽根が開口部1aを完全に閉鎖すると、その直後に後羽根用駆動部材の回転が停止し、撮影のための作動が終了する。
【0029】
このようにして、撮影のための作動が終了すると、上記のようにして、セット部材18が図1の状態まで回転して、二つの駆動部材、即ち二つのシャッタ羽根(先羽根と後羽根)のセット作動を行うが、このとき、二つの接片部材15,16は、先羽根用駆動部材17の押動部17bが接片部材16から退いていくことによって、自己の弾性力によって復帰作動を行う。そして、先ず、張出部15bが段部7eに当接することによって、接片部材15の復帰作動が終了し、次に、張出部16bが段部7fに当接することによって、接片部材16の復帰作動が終了する。
【0030】
本実施例のスイッチ取付板7は、合成樹脂製であり、段部7e,7fの面が好適に形成されているので、このような張出部15b,16bの当接によって塵埃を発生させる恐れは全くなく、飛来してきた塵埃があったとしても、壁部7gが設けられているため付着する可能性が少ない。そのため、接片部材15,16の位置精度が低下したり、接触不良を生じる可能性も少ない。このようにして、張出部15b,16bが段部7e,7fに当接した後も、二つの駆動部材はセット作動を行わされ、セット部材18の時計方向の回転が停止することによって、図1の状態に復帰する。
【0031】
[第2実施例]
次に、図4を用いて、第2実施例を説明する。本実施例の構成は、第1実施例を示した図1において、スイッチ取付板7の右下隅に形成されている三角領域のカバー部と、そこからシャッタ地板1に向けて垂直に形成されている壁部7gとを取り除いたものである。そのため、図4においては、第1実施例を示した図2で用いられている符号が、そのまま用いられている。カメラ内の他の構成部材から発生して飛来する塵埃や、外部からカメラ内に進入し飛来する塵埃が無視し得る程度のものである場合は、本実施例のように構成すると、第1実施例の場合よりは低コストになる。そして、このように構成したとしても、接片部材15,16の位置が、第1実施例の場合と同様に、高精度に得られることは言うまでもない。
【0032】
[第3実施例]
次に、図5及び図6を用いて、第3実施例を説明する。本実施例の構成は、図1に示された第1実施例のスイッチ取付板7の左側の縁に、シャッタ地板1に向けて略垂直に壁部7hを一体成形により形成したものである。そのため、図5及び図6においては、その壁部7h以外、図1及び図2で用いられている符号が、そのまま用いられている。本実施例のように、壁部7hが、シャッタ地板1と支持板6との間を側面からカバーすると、カメラ内の他の構成部材から発生した塵埃や、外部からカメラ内に進入した塵埃が、接片部材15,16の接点部15a,16aに飛来しにくくなることは勿論であるが、図示していない電磁石の吸着面に付着して、吸着不良を起こす可能性も少なくなるし、駆動ピン17aを貫通させる長孔から羽根室内に進入するのを抑制することも可能になる。そして、このように構成したとしても、接片部材15,16の位置が、第1実施例の場合と同様に、高精度に得られることは言うまでもない。
【0033】
尚、本実施例の場合には、壁部7hが、開口部1aとは反対側にあるスイッチ取付板7の縁に沿ってだけ形成されているが、設計上,コスト上で問題がなければ、シャッタ地板1と支持板6との間の空間を、側面から可能な限りカバーするようにしてもよい。
【0034】
次に、上記の各実施例の変形例を説明する。上記の各実施例は、支持板6,スイッチ取付板7,フレキシブルプリント配線板8が、各々別部材として製作されているものとして説明した。しかしながら、支持板6とスイッチ取付板7を一つの部品として製作したり、スイッチ取付板7とフレキシブルプリント配線板8を一つの部品として製作することが可能である。
【0035】
そこで、先ず、支持板6とスイッチ取付板7を一つのスイッチ取付板22として製作した場合を、図7を用いて説明する。スイッチ取付板22は、合成樹脂製であって、上記の第1実施例におけるスイッチ取付板7の形状を全て備えている。即ち、フレキシブルプリント配線板8の位置決め用のピン22a,22bと、接片部材15,16の位置決め用のピン22c,22dと、接片部材15,16の張出部15b,16bが当接する段部22e,22fと、壁部22gとを有している。また、このほかにも、二つの電磁石の端子ピン11,12,13,14が挿入される四つの孔22h,22i,22j,22kと、シャッタ地板1の軸1b,1c,1dの先端が挿入される三つの孔22m,22n,22pと、ビス9,10の挿入される孔22q,22rと、接片部材15,16に形成された舌状部を挿入する小判型の孔22s,22tも有している。
【0036】
スイッチ取付板22は、このように、第1実施例におけるスイッチ取付板7の形状を全て備えているほかに、支持板6の機能を有するようにも形成されている。即ち、それらについては部分拡大斜視図が付記されているが、二つのラチェット歯車20,21を係止するためのラチェット爪22u,22vと、図示されていなかった二つの電磁石の略U字状をした鉄心の基部を取り付ける載置部22w,22xと、吸着部近傍で二つの磁極部の位置を安定させるための挟持部22y,22zである。成形によってスイッチ取付板22をこのように製作すれば、第1実施例の場合よりも低コストになることは間違いない。尚、スイッチ取付板22に対する各電磁石の取付け方は同じであるため、その一方の取付け方だけを説明すると、載置部22xに鉄心の基部を嵌め込んだ後、略U字形をした鉄心の一方の脚部に嵌装されているコイルを、載置部22xと挟持部22zの間に挟み込みながら、鉄心をシャッタ地板1側から押し上げ、挟持部22zによって挟持させるようにする。
【0037】
次に、図面を用意していないが、上記の各実施例におけるスイッチ取付板7とフレキシブルプリント配線板8を、一つのスイッチ取付板として製作する場合を説明する。最近では、技術が進歩し、図1,図5に示されている程度の配線パターンであれば、メッキやホットスタンプなどの手法によって、合成樹脂製基板に成形することが可能になってきた。従って、上記の各実施例は、いずれもスイッチ取付板7が合成樹脂製であることから、配線パターン8aを直接スイッチ取付板7に成形することができる。これからは、そのようにすることによって、上記の各実施例の場合よりもコストを低減することが可能になる。
【0038】
尚、上記の実施例では、接片部材15,16をフラッシュ同調用スイッチの場合で説明したが、特許文献3にも記載されているように、同じ構成のままで、先羽根用駆動部材17の誤動作検出用スイッチとして機能させることもできるし、配置位置を変えれば、後羽根用駆動部材の誤動作検出用スイッチとしても機能させることが可能である。また、接片部材16は、そのまま可撓性を有する可動接点とし、接片部材15を固定接点としても差し支えない。更に、このようなスイッチ構成は、デジタルスチルカメラにのみ採用される、シャッタ羽根を一つだけ備えたフォーカルプレンシャッタにも適用が可能である。
【0039】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、従来のようにガラスエポキシ銅張積層板のプリント配線板を用いずに、電磁石やスイッチへの電気的な接続を可能な構成にしたから、接片部材の常態での位置精度を高めることができ、その上、接点部に塵埃が付着するのを好適に抑制できるという特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】カメラに組み込んだとき、撮影レンズ側から見て左側の約半分を示した第1実施例の平面図である。
【図2】図1の下側から見た要部の底面図である。
【図3】スイッチのオン状態を示した第1実施例の部分平面図である。
【図4】図2と同じようにして見た第2実施例の要部底面図である。
【図5】図1と同じようにして見た第3実施例の平面図である。
【図6】図2と同じようにして見た第3実施例の要部底面図である。
【図7】各実施例におけるスイッチ取付板と、電磁石の支持板とを一部品として構成した場合の一例を示した説明図である。
【符号の説明】
1 シャッタ地板
1a 開口部
1b,1c,1d 軸
2 補助地板
2a,7g,7h,22g 壁部
3,4,5 羽根
6 支持板
7,22 スイッチ取付板
7a,7b,7c,7d,22a,22b,22c,22d ピン
7e,7f,22e,22f 段部
8 フレキシブルプリント配線板
8a 配線パターン
9,10 ビス
11,12,13,14 端子ピン
15,16 接片部材
15a,16a 接点部
15b,16b 張出部
17 先羽根用駆動部材
17a 駆動ピン
17b 押動部
18 セット部材
18a 被押動部
19 先羽根用駆動ばね
20,21 ラチェット歯車
22h,22i,22j,22k,22m,22n,22p,22q,22r,22s,22t 孔
22u,22v ラチェット爪
22w,22x 載置部
22y,22z 挟持部
Claims (5)
- 撮影光路用の開口部を有していて補助地板との間に少なくとも一つのシャッタ羽根を収容しているシャッタ地板と、前記開口部の側方領域において板面を平行にし且つ所定の空間を空けて前記シャッタ地板に取り付けられている支持板と、前記支持板に該支持板を前記シャッタ地板側にして重合されている合成樹脂製のスイッチ取付板と、前記空間に配置されていて自己の回転によって前記シャッタ羽根を作動させる少なくとも一つの駆動部材と、前記支持板に取り付けられて前記空間に配置されており撮影時における前記駆動部材の回転の開始を可能にする少なくとも一つの電磁石と、自己の弾性によって前記スイッチ取付板の端面に接触する習性を有した接片部材に設けられており該接片部材が該習性に抗して前記駆動部材に押されたとき前記端面から離れて他方の接点に接触するスイッチと、複数の配線パターンを有しており前記スイッチ取付板に重合されているところに前記スイッチ及び前記電磁石との接続部を有していて前記スイッチ取付板に重合されているところから伸長したところに電源側の接続部を有しているフレキシブルプリント配線板と、を備えていることを特徴とするカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
- 前記他方の接点が、前記配線パターンに接続されていて自己の弾性によって前記スイッチ取付板の端面に接触する習性を有したもう一つの接片部材に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
- 前記スイッチ取付板が、前記スイッチの取付位置近傍に、前記シャッタ地板側に略垂直に形成された壁部を有しており、該壁部が、前記接点の配置領域の少なくとも一側面をカバーしていることを特徴とする請求項1又は2に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
- 前記スイッチ取付板が、少なくとも前記開口部側とは反対側の縁に沿って、前記シャッタ地板側に略垂直に形成された壁部を有しており、該壁部が、前記空間を側面からカバーしていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
- 前記支持板と前記スイッチ取付板とが一部品として構成され、それに前記電磁石が取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
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