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JP4164224B2 - インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 - Google Patents
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JP4164224B2 - インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクをノズルから吐出して記録を行なうインクジェット記録装置、特に、複数のノズルからなるノズル群を複数配列してなる記録ヘッドを用い、所定の記録媒体における同一の主走査記録領域に対し異なるノズル群によって複数回主走査を行ない、各主走査により間引きマスクパターンに従って間引き画像を形成し画像を完成させるようにした所謂マルチパス方式を採る記録装置に関し、さらに詳しくは、濃度むらや白すじなどの画像劣化要因の低減に関するものである。
【0002】
なお、本発明は、一般的なプリント装置のほか、複写機や通信システムを有するファクシミリ、プリント部を有するワードプロセッサなどの装置、さらには各種処理装置と複合的に組み合わされた産業用記録装置に適用可能な他、捺染装置やエッチングなどの加工装置にも応用することができる。
【0003】
【従来の技術】
プリンタ、複写機、ファクシミリ等の記録装置は、画像情報に基づいて紙やプラスチック薄板等の記録媒体上にドットパターンからなる画像を記録していくように構成されている。この記録装置は、その記録方式によりインクジェット方式、ワイヤドット方式、サーマル方式、レーザービーム方式等に分類することができ、このうち、インクジェット方式を用いた記録装置(インクジェット記録装置)は、記録ヘッドのノズルの吐出口からインク(記録液)を例えば滴として吐出飛翔させ、これを記録媒体に付着させて記録するよう構成されている。
【0004】
数多くの記録装置が使用される近年では、記録装置に対し高速記録、高解像度、高画像品質、低騒音などが要求されており、このような要求に応える記録装置としては前記インクジェット記録装置を挙げることができる。このインクジェット記録装置では、記録ヘッドからインクを吐出させて記録を行うため、上記要求を満たすのにインク吐出方向の安定化、インク吐出量の安定化が要求される。
【0005】
このため、インクジェット記録装置では、回復装置など装置本体側での改善が種々なされているが、インク吐出量の安定化は、記録ヘッド単体の性能に依存するところが大きい。すなわち、記録ヘッドの吐出口の形状やインクを吐出するために利用されるエネルギーを発生する電気熱変換体(吐出ヒータ)や電気機械変換体(ピエゾ素子)などの素子のバラツキ等、記録ヘッド製作工程時に生じる僅かな誤差が、それぞれ吐出されるインクの吐出量や吐出方向の向きに大きく影響を及ぼし、最終的に形成される画像の濃度ムラとして画像品位を劣化させる原因となっている。
【0006】
この現象の具体例を図36(a)、(b)及び(c)に示す。
図36(a)において、1101はマルチノズルヘッドであり、ここでは説明を簡略化するため、8個のノズル(本明細書では、特にことわらない限り吐出口ないしこれに連通する液路及びインク吐出に利用されるエネルギーを発生する素子を総括して「ノズル」と言うものとする。)1102によって構成されているものとする。また、1103はマルチノズル1102よって吐出されたインクドロップレットであり、通常は図示のように揃った吐出量で、揃った方向にインクが吐出されるのが理想とされる。つまり、この様な状態で吐出が行われれば、図36(b)に示すように紙面上に揃った大きさのドットが着弾され、全体的にも図36(c)に示すような濃度ムラの無い一様な画像が得られる。
【0007】
しかしながら、実際には、ノズル1つ1つにはそれぞれバラツキがあり、そのまま上記と同じように記録を行った場合には、図37(a)に示すようにそれぞれのノズル1102より吐出されるインクドロップレット1103の大きさ及び向きにバラツキが生じ、紙面上においては図37(b)に示すようになる。この図によれば、ヘッド主走査方向に対し、周期的に白紙の部分が存在したり、また逆に必要以上にドットが重なり合ったり、あるいはこの図の中央部分に見られるような白筋が発生したりしている。この様な状態で記録されたドットの集まりはノズルの配列方向に対し、図37(c)に示した濃度分布となり、結果的に、通常は人間の目で見たときにこれらの現象が濃度ムラとして感知される。
【0008】
そこでこの濃度ムラ対策として、次のような方法が提案されている。
図38(a)、(b)、(c)及び図39(a)、(b)、(c)によりこの方式を説明する。
この方法では、前述の図36で示した記録領域を完成させるべく、図38(a)、(b)、(c)及び図39(a)、(b)、(c)に示すように、記録ヘッド2001によって3回のスキャン(主記録走査)を行っているが、図中、縦方向8画素の半分である4画素を単位とする記録走査領域は2回の記録走査(パス)で完成されている。この場合、記録ヘッド2001内の8ノズルは、上側の4ノズル(上側ノズル群)と、下側の4ノズル(下側ノズル群)のグループに分けられ、1ノズルが1回のスキャンで記録するドットは、規定の画像データをある所定の画像データ配列に従って、約半分に間引いたものである。そして、2回目のスキャン時に残りの半分のドットを先に形成した間引き画像に埋め込むことにより、4画素単位領域の記録を完成させるようになっている。
【0009】
以上のような記録法はマルチパス記録方法と称す。この記録方法を実施すれば、図37(a)で示したようにインク吐出量及び吐出方向にバラツキのあるノズルを備えた記録ヘッドを使用したとしても、各ノズル固有の記録画像への影響が半減されるので、記録された画像は図38(b)に示すようになり、図37(b)に示すような黒筋や白筋が余り目立たなくなる。従って、濃度ムラも図38(c)に示すように図37(c)に示す場合と比べ、かなり緩和される。
しかしながら、このようなマルチパス記録法を行った場合にも、各主走査の記録デューティーによっては全く濃度ムラが解消されなかったり、中間調では新たな濃度ムラの発生が確認されている。そこで特開平7‐52465号公報では、マルチパス記録において紙送り量を乱数的に設定することで、各記録領域のピッチを可変としている。これにより、スジムラの周期はランダム化され、スジムラは目立ちにくくなり高品質な画像形成が実現される。
【0010】
さらに、特開平8‐25693号公報では、記録ヘッドの前回の1走査により記録された画像と、次の走査によって記録する画像とを一部重複させて記録するものが開示されている。ここでは、前回の1スキャンにより記録される画像データのうち、次のスキャンと重複する領域に対して記録する記録データをランダムマスクパターンでマスクする。さらに次のスキャンで記録する画像データのうち、前回のスキャンと重複する領域に記録する記録データをランダムマスクパターンの反転パターンでマスクする。そして、得られた画像データを用いて記録を行う。
【0011】
ところで、現在では画像の高解像度化やカラー化が進み、画像品位が目覚しく向上し、1ドット当たりの吐出量を小さくすることで、さらなる高解像度画像を実現してゆく一方、より銀縁写真に迫る画質を実現するために、基本となる4色のインク(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)の他に、濃度を薄くした淡インクを同時に記録する技術が提案、実施されている。しかしながら、1ドットあたりの吐出量を小さくすることによる弊害(ドットの着弾位置ずれ、吐出安定性など)も懸念されている。
【0012】
例えば、各色吐出量4pl、1200dpiピッチにて256ノズルを有する記録ヘッドにて画像を形成する場合、記録ヘッド両端部のノズルの着弾位置が大幅にずれてしまう現象(以下、この現象を端部よれと称す)が発生するという不都合が生じた。図40にインク滴の着弾位置は紙送りの境界にて大きくよれた状態を示す。図示のように、1200dpiピッチで、吐出量4plの記録ヘッドにおいては、記録し始める数ドットの着弾位置はよれていないが、キャリッジが加速するにつれてよれはじめ、約50μm程よれる。
【0013】
図41に、記録ヘッド1101の両端部のドットが既によれ始めているとき、キャリッジ方向から見た記録ヘッド1101の吐出傾向を模式的に示す。図示のように、記録ヘッド両端部の数ノズル1102は内斜傾向にあることが明らかとなっている。こうした傾向は、4p1のような極小ドットにて画像を形成する場合に特に顕著に見られる。そして、このドットのよれが、視覚特性上、白スジとして認知される部分を形成する。このため、従来では、マルチパス数を増やすことによって視覚的に白すじを目立たないようにすることが考えられている。
【0014】
しかしながら、上述の各従来技術にあっては、いずれも次のようなさらに改善すべき点があった。
【0015】
すなわち、上記特開平7−52465号公報に記載の技術にあっては、記録媒体の送り量を乱数的に設定しているため、白スジの発生頻度はランダム化されるものの、白スジの発生低減には更なる改良が望まれる。
【0016】
また、特開平8−25693号公報では、記録媒体に対して前回の1スキャンにより記録された画像領域と、次のスキャンによる画像領域とを一部重複させて記録していたため、濃度スジの発生は改善される。しかし、記録ヘッドの両端部のノズルの着弾位置精度が図40及び図41に示すように大きくずれる現象が発生した場合、そのずれが白スジとして視覚特性上感知されてしまう。
【0017】
しかも、前記各公報に記載の技術にあっては、通常の紙送りピッチに対し、紙送りピッチを変えて制御しているため、スループットの低下が懸念されている。
【0018】
また、前述のようにマルチパス数を増大させることによって白スジを目立たないようにすることも、スループットを低下させる。こうしたスループットの低下は、近年の記録装置に要求される高速記録化の実現を妨げる要因となっていた。
【0019】
本発明は上記従来技術の問題点に着目してなされたもので、白スジや濃度ムラなどによる画像品質の低下を抑えつつ、高解像度の画像を高速に形成することが可能な記録装置及び記録方法の提供を目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を実現するため、本発明は次のような構成を有する。
【0021】
すなわち、複数のノズルを配列してなる記録ヘッドを記録媒体上の所定の記録領域に対して複数回走査させ、前記複数回の走査各々で前記記録ヘッドの異なるノズル群を用いて間引き画像を記録することにより、前記所定の記録領域に記録すべき画像を完成させるインクジェット記録装置であって、前記所定の記録領域に対応する画像データを前記複数回の走査夫々で用いるノズル群に対応する複数の間引きマスクパターンを用いて間引くことにより、前記複数回の走査各々で記録すべき画像データを生成する手段と、前記複数回の走査各々で、前記所定の記録領域に対向するノズル群を用いて前記生成された画像データに基づいて前記間引き画像を記録する記録制御手段とを備え、前記複数の間引きマスクパターン夫々は、前記ノズル配列の中央部寄りのノズルに対応した部分よりも端部寄りのノズルに対応した部分の方が記録画素の割合が小さくなるように記録画素と非記録画素が配列されてなり、前記記録ヘッドの端部ノズルを含むノズル群に対応した前記間引きマスクパターンの記録画素の割合は、前記端部ノズルを含まないノズル群に対応した前記間引きマスクパターンの記録画素の割合よりも小さいことを特徴とする。
【0022】
他の形態では、複数のノズルを配列してなる記録ヘッドを記録媒体上の所定の記録領域に対して複数回走査させ、前記複数回の走査各々で前記記録ヘッドの異なるノズルを用いて間引き画像を記録することにより、前記所定の記録領域に記録すべき画像を完成させるインクジェット記録装置であって、前記複数のノズルを所定数単位で分割してなる複数のノズル群夫々を前記複数回の走査各々において前記所定の記録領域に対向させるために、単一の前記ノズル群に対応する量だけ前記記録媒体を搬送する搬送手段と、前記複数回の走査各々で用いられるノズル群夫々に対応する複数の間引きマスクパターンを用いて前記所定の記録領域に対応する画像データを間引くことにより、前記複数回の走査各々において各ノズル群により記録すべき画像データを生成する手段と、前記複数回の走査の各々において、前記所定の記録領域に対向するノズル群を用いて、前記生成された画像データに基づいて前記間引き画像を記録する記録制御手段とを備え、前記複数の間引きマスクパターン夫々は、前記ノズル配列に沿って当該配列の中央部側から端部側に向かうに従って記録画素の割合が小さくなるように記録画素と非記録画素が配列されてなり、前記記録ヘッドの端部ノズルを含むノズル群に対応した間引きマスクパターンの記録画素の割合は前記端部ノズルを含まないノズル群に対応した前記間引きマスクパターンの記録画素の割合よりも小さいことを特徴とする。
さらに他の形態では、複数のノズルを配列してなる記録ヘッドを記録媒体の所定の記録領域に対して複数回走査させ、前記複数回の走査各々で前記記録ヘッドの異なるノズル群を用いて間引き画像を記録することにより、前記所定の記録領域に記録すべき画像を完成させるインクジェット記録装置であって、前記複数回の走査各々において前記異なるノズル群を前記所定の記録領域に対向させるために、前記所定の記録領域におけるノズル配列方向の幅に対応する量だけ前記記録媒体を搬送する搬送手段と、前記所定の記録領域に対応する画像データを前記複数回の走査夫々で用いるノズル群に対応する複数の間引きマスクパターンを用いて間引くことにより、前記複数回の走査各々で記録すべき画像データを生成する手段と、前記複数回の走査各々において、前記所定の記録領域に対向するノズル群を用い、前記生成された画像データに基づいて前記間引き画像を記録する記録制御手段とを備え、前記複数の間引きマスクパターン夫々は、前記ノズル配列に沿って当該配列の中央部側から端部側に向かうに従って記録率が小さくなり、前記記録ヘッドの端部ノズルを含むノズル群に対応した前記間引きマスクパターンの記録率は、前記端部ノズルを含まないノズル群に対応した前記間引きマスクパターンの記録率よりも小であることを特徴とする。
さらに他の形態では、複数のノズルを配列してなる記録ヘッドを記録媒体の所定の記録領域に対して複数回走査させ、前記複数回の走査各々で前記記録ヘッドの異なるノズル群を用いて間引き画像を記録することにより、前記所定の記録領域に記録すべき画像を完成させるインクジェット記録装置であって、記録画素と非記録画素が配列されてなる間引きマスクパターンであって、前記複数回の走査夫々で使用されるノズル群夫々に対応する複数の前記間引きマスクパターンを記憶したメモリと、前記所定の記録領域に対応する画像データと前記メモリから読み出した複数の間引きマスクパターンに基づいて、前記複数回の走査各々で異なるノズル群により記録すべき画像データを生成する手段と、前記複数回の走査の各々において、前記所定の記録領域に対向するノズル群を用いて、前記生成された画像データに基づいて前記間引き画像を記録する記録制御手段とを備え、前記複数の間引きマスクパターン夫々は、単一の前記ノズル群が分割されてなる小ノズル群夫々に対応する複数の部分として、前記記録ヘッドの中央部ノズルから相対的に遠い小ノズル群に対応する第1の部分と前記中央部ノズルに相対的に近い小ノズル群に対応する第2の部分を少なくとも含み、且つ前記第1の部分における記録画素の割合は前記第2の部分における記録画素の割合よりも小であり、前記記録ヘッドの端部ノズルを含むノズル群に対応した前記間引きマスクパターンの記録画素の割合は、前記中央部ノズルを含むノズル群に対応した前記間引きマスクパターンの記録画素の割合よりも小であることを特徴とする。
【0023】
さらに他の形態では、複数のノズルを配列してなる記録ヘッドを記録媒体の所定の記録領域に対して2回走査させ、前記2回の走査各々で前記記録ヘッドの異なるノズル群を用いて間引き画像を記録することにより、前記所定の記録領域に記録すべき画像を完成させるインクジェット記録装置であって、記録画素と非記録画素が配列されてなる間引きマスクパターンであって、前記2回の走査夫々で使用されるノズル群夫々に対応する2つの前記間引きマスクパターンを記憶したメモリと、前記所定の記録領域に対応する画像データと前記メモリから読み出した前記2つの間引きマスクパターンに基づいて、前記2回の走査各々で異なるノズル群により記録すべき画像データを生成する手段と、前記2回の走査の各々において、前記所定の記録領域に対向するノズル群を用いて、前記生成された画像データに基づいて前記間引き画像を記録する記録制御手段とを備え、前記2つの間引きマスクパターン夫々は、前記ノズル配列に沿って当該配列の中央部側から端部側へ向かうに従って記録画素の割合が複数段階で徐々に小さくなるように記録画素と非記録画素とが配列されてなり、前記複数段階は3段階以上であることを特徴とする。
さらに他の形態では、複数のノズルを配列してなる記録ヘッドを記録媒体上の所定の記録領域に対して2回走査させ、前記2回の走査各々で前記記録ヘッドの異なるノズル群を用いて間引き画像を記録することにより、前記所定の記録領域に記録すべき画像を完成させるインクジェット記録装置であって、前記複数のノズルを2分割してなる2つのノズル群夫々を前記2回の走査各々において前記所定の記録領域に対向させるために、単一の前記ノズル群に対応する量だけ前記記録媒体を搬送する搬送手段と、前記2回の走査各々で用いられるノズル群夫々に対応する2つの間引きマスクパターンを用いて前記所定の記録領域に対応する画像データを間引くことにより、前記2回の走査各々において各ノズル群により記録すべき画像データを生成する手段と、前記2回の走査の各々において、前記所定の記録領域に対向するノズル群を用いて、前記生成された画像データに基づいて前記間引き画像を記録する記録制御手段とを備え、前記2つの間引きマスクパターン夫々は、前記ノズル配列に沿って当該配列の中央部側から端部側に向かうに従って記録画素の割合が複数段階で徐々に小さくなるように記録画素と非記録画素が配列されてなり、前記複数段階は3段階以上である特徴とする。
【0024】
また、複数のノズルを配列してなる記録ヘッドを記録媒体上の所定の記録領域に対して複数回走査させ、前記複数回の走査各々で前記記録ヘッドの異なるノズル群を用いて間引き画像を記録することにより、前記所定の記録領域に記録すべき画像を完成させるインクジェット記録方法であって、前記所定の記録領域に対応する画像データを前記複数回の走査夫々で用いるノズル群に対応する複数の間引きマスクパターンを用いて間引くことにより、前記複数回の走査各々で記録すべき画像データを生成する工程と、前記複数回の走査各々で、前記所定の記録領域に対向するノズル群を用いて前記生成された画像データに基づいて前記間引き画像を記録する工程とを有し、前記複数の間引きマスクパターン夫々は、前記ノズル配列の中央部寄りのノズルに対応した部分よりも端部寄りのノズルに対応した部分の方が記録画素の割合が小さくなるように記録画素と非記録画素が配列されてなり、前記記録ヘッドの端部ノズルを含むノズル群に対応した前記間引きマスクパターンの記録画素の割合は、前記端部ノズルを含まないノズル群に対応した前記間引きマスクパターンの記録画素の割合よりも小さいことを特徴とする。
他の形態では、複数のノズルを配列してなる記録ヘッドを記録媒体上の所定の記録領域に対して複数回走査させ、前記複数回の走査各々で前記記録ヘッドの異なるノズルを用いて間引き画像を記録することにより、前記所定の記録領域に記録すべき画像を完成させるインクジェット記録方法であって、前記複数のノズルを所定数単位で分割してなる複数のノズル群夫々を前記複数回の走査各々において前記所定の記録領域に対向させるために、単一の前記ノズル群に対応する量だけ前記記録媒体を搬送する搬送工程と、前記複数回の走査各々で用いられるノズル群夫々に対応する複数の間引きマスクパターンを用いて前記所定の記録領域に対応する画像データを間引くことにより、前記複数回の走査各々において各ノズル群により記録すべき画像データを生成する工程と、前記複数回の走査の各々において、前記所定の記録領域に対向するノズル群を用いて、前記生成された画像データに基づいて前記間引き画像を記録する工程とを有し、前記複数の間引きマスクパターン夫々は、前記ノズル配列に沿って当該配列の中央部側から端部側に向かうに従って記録画素の割合が小さくなるように記録画素と非記録画素が配列されてなり、前記記録ヘッドの端部ノズルを含むノズル群に対応した間引きマスクパターンの記録画素の割合は前記端部ノズルを含まないノズル群に対応した前記間引きマスクパターンの記録画素の割合よりも小さいことを特徴とする。
さらに他の形態では、複数のノズルを配列してなる記録ヘッドを記録媒体の所定の記録領域に対して複数回走査させ、前記複数回の走査各々で前記記録ヘッドの異なるノズル群を用いて間引き画像を記録することにより、前記所定の記録領域に記録すべき画像を完成させるインクジェット記録方法であって、前記複数回の走査各々において前記異なるノズル群を前記所定の記録領域に対向させるために、前記所定の記録領域におけるノズル配列方向の幅に対応する量だけ前記記録媒体を搬送する搬送工程と、前記所定の記録領域に対応する画像データを前記複数回の走査夫々で用いるノズル群に対応する複数の間引きマスクパターンを用いて間引くことにより、前記複数回の走査各々で記録すべき画像データを生成する工程と、前記複数回の走査各々において、前記所定の記録領域に対向するノズル群を用い、前記生成された画像データに基づいて前記間引き画像を記録する工程とを備え、前記複数の間引きマスクパターン夫々は、前記ノズル配列に沿って当該配列の中央部側から端部側に向かうに従って記録率が小さくなり、前記記録ヘッドの端部ノズルを含むノズル群に対応した前記間引きマスクパターンの記録率は、前記端部ノズルを含まないノズル群に対応した前記間引きマスクパターンの記録率よりも小であることを特徴とする。
【0025】
さらに他の形態では、複数のノズルを配列してなる記録ヘッドを記録媒体の所定の記録領域に対して複数回走査させ、前記複数回の走査各々で前記記録ヘッドの異なるノズル群を用いて間引き画像を記録することにより、前記所定の記録領域に記録すべき画像を完成させるインクジェット記録方法であって、記録画素と非記録画素が配列されてなる間引きマスクパターンであって、前記複数回の走査夫々で使用されるノズル群夫々に対応する複数の前記間引きマスクパターンを記憶したメモリから、前記間引きマスクパターンを読み出す工程と、前記所定の記録領域に対応する画像データと前記メモリから読み出した複数の間引きマスクパターンに基づいて、前記複数回の走査各々で異なるノズル群により記録すべき画像データを生成する工程と、前記複数回の走査の各々において、前記所定の記録領域に対向するノズル群を用いて、前記生成された画像データに基づいて前記間引き画像を記録する工程とを備え、前記複数の間引きマスクパターン夫々は、単一の前記ノズル群が分割されてなる小ノズル群夫々に対応する複数の部分として、前記記録ヘッドの中央部ノズルから相対的に遠い小ノズル群に対応する第1の部分と前記中央部ノズルに相対的に近い小ノズル群に対応する第2の部分を少なくとも含み、且つ前記第1の部分における記録画素の割合は前記第2の部分における記録画素の割合よりも小であり、前記記録ヘッドの端部ノズルを含むノズル群に対応した前記間引きマスクパターンの記録画素の割合は、前記中央部ノズルを含むノズル群に対応した前記間引きマスクパターンの記録画素の割合よりも小であることを特徴とする。
さらに他の形態では、複数のノズルを配列してなる記録ヘッドを記録媒体の所定の記録領域に対して2回走査させ、前記2回の走査で前記記録ヘッドの異なるノズル群を用いて間引き画像を記録することにより、前記所定の記録領域に記録すべき画像を完成させるインクジェット記録方法であって、記録画素と非記録画素が配列されてなる間引きマスクパターンであって、前記2回の走査夫々で使用されるノズル群夫々に対応する2つの前記間引きマスクパターンを記憶したメモリから、前記間引きマスクパターンを読み出す工程と、前記所定の記録領域に対応する画像データと前記メモリから読み出した2つの間引きマスクパターンに基づいて、前記2回の走査各々で異なるノズル群により記録すべき画像データを生成する工程と、前記2回の走査の各々において、前記所定の記録領域に対向するノズル群を用いて、前記生成された画像データに基づいて前記間引き画像を記録する工程とを備え、前記2つの間引きマスクパターン夫々は、前記ノズル配列に沿って当該配列の中央部側から端部側へ向かうに従って記録画素の割合が複数段階で徐々に小さくなるように記録画素と非記録画素が配列されてなり、前記複数段階は3段階以上であることを特徴とする。
さらに他の形態では、複数のノズルを配列してなる記録ヘッドを記録媒体上の所定の記録領域に対して2回走査させ、前記2回の走査で前記記録ヘッドの異なるノズル群を用いて間引き画像を記録することにより、前記所定の記録領域に記録すべき画像を完成させるインクジェット記録方法であって、前記複数のノズルを2分割してなる2つのノズル群夫々を前記2回の走査各々において前記所定の記録領域に対向させるために、単一の前記ノズル群に対応する量だけ前記記録媒体を搬送する工程と、前記2回の走査各々で用いられるノズル群夫々に対応する2つの間引きマスクパターンを用いて前記所定の記録領域に対応する画像データを間引くことにより、前記2回の走査各々において各ノズル群により記録すべき画像データを生成する工程と、前記2回の走査の各々において、前記所定の記録領域に対向するノズル群を用いて、前記生成された画像データに基づいて前記間引き画像を記録する工程とを備え、前記2つの間引きマスクパターン夫々は、前記ノズル配列に沿って当該配列の中央部側から端部側に向かうに従って記録画素の割合が複数段階で徐々に小さくなるように記録画素と非記録画素が配列されてなり、前記複数段階は3段階以上である特徴とする。
【0026】
以上の構成を有する本発明においては、同一走査記録領域内が所定のピッチで分割され、各分割領域内のデューティーを異なるものとしたため、通常のピッチで紙送り動作を行った場合にも、認知されるバンディングは短いピッチで発生するため、視覚特性上、このバンディングか濃度ムラとして認知されることはなくなり、良好な画像品質を得ることができる。
【0027】
また、前記各分割領域の中の両端部に位置する領域の記録デューティーを他の領域のデューティーより小さな値に設定し、端部ノズルの使用頻度を抑えることにより、端部ノズルにおける着弾位置のずれ数を低減することができ、確実に白スジの発生を低減することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る液体吐出記録ヘッドを備える記録装置に係る実施形態を説明する。
【0029】
なお、以下に説明する実施形態では、インクジェット記録方式を用いた記録装置としてプリンタを例に挙げ説明する。
【0030】
そして、本明細書において、「プリント」(「記録」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広くプリント媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も言うものとする。
【0031】
ここで、「プリント媒体」とは、一般的なプリント装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板等、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能な物も言うものとする。
【0032】
さらに、「インク」(「液体」という場合もある)とは、上記「プリント」の定義と同様広く解釈されるべきもので、プリント媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成またはプリント媒体の加工、或いはインクの処理(例えばプリント媒体に付与されるインク中の色材の凝固または不溶化)に供され得る液体を言うものとする。
【0033】
[装置本体]
図1及び図2にインクジェット記録方式を用いたプリンタの概略構成を示す。図1において、この実施形態におけるプリンタの装置本体M1000の外殻は、下ケースM1001、上ケースM1002、アクセスカバーM1003及び排出トレイM1004を含む外装部材と、その外装部材内に収納されたシャーシM3019(図2参照)とから構成される。
【0034】
シャーシM3019は、所定の剛性を有する複数の板状金属部材によって構成され、記録装置の骨格をなし、後述の各記録動作機構を保持するものとなっている。
また、下ケースM1001は装置本体M1000の外装の略下半部を、上ケースM1002は装置本体M1000の外装の略上半部をそれぞれ形成しており、両ケースの組合せによって内部に後述の各機構を収納する収納空間を有する中空体構造をなしている。装置本体M1000の上面部及び前面部には、それぞれ、開口部が形成されている。
【0035】
さらに、排出トレイM1004は、その一端部が下ケースM1001に回転自在に保持され、その回転によって下ケースM1001の前面部に形成される前記開口部を開閉させ得るようになっている。このため、記録動作を実行させる際には、排出トレイM1004を前面側へと回転させて開口部を開成させることにより、ここから記録シートが排出可能となると共に排出された記録シートPを順次積載し得るようになっている。また、排紙トレイM1004には、2枚の補助トレイM1004a、M1004bが収納されており、必要に応じて各トレイを手前に引き出すことにより、用紙の支持面積を3段階に拡大、縮小させ得るようになっている。
【0036】
アクセスカバーM1003は、その一端部が上ケースM1002に回転自在に保持され、上面に形成される開口部を開閉し得るようになっており、このアクセスカバーM1003を開くことによって本体内部に収納されている記録ヘッドカートリッジH1000あるいはインクタンクH1900等の交換が可能となる。なお、ここでは特に図示しないが、アクセスカバーM1003を開閉させると、その裏面に形成された突起がカバー開閉レバーを回転させるようになっており、そのレバーの回転位置をマイクロスイッチなどで検出することにより、アクセスカバーの開閉状態を検出し得るようになっている。
【0037】
また、上ケースM1002の後部上面には、電源キーE0018及びレジュームキーE0019が押下可能に設けられると共に、LED E0020が設けられており、電源キーE0018を押下すると、LED E0020が点灯し記録可能であることをオペレータに知らせるものとなっている。また、LED E0020は点滅の仕方や色の変化をさせたり、プリンタのトラブル等をオペレータに知らせる等種々の表示機能を有する。さらに、ブザーE0021(図7)をならすこともできる。なお、トラブル等が解決した場合には、レジュームキーE0019を押下することによって記録が再開されるようになっている。
【0038】
[記録動作機構]
次に、プリンタの装置本体M1000に収納、保持される本実施形態における記録動作機構について説明する。
【0039】
本実施形態における記録動作機構としては、記録シートPを装置本体内へと自動的に給送する自動給送部M3022と、自動給送部から1枚ずつ送出される記録シートPを所定の記録位置へと導くと共に、記録位置から排出部M3030へと記録シートPを導く搬送部M3029と、記録位置に搬送された記録シートPに所望の記録を行なう記録部と、前記記録部等に対する回復処理を行う回復部(M5000)とから構成されている。
【0040】
(記録部)
ここで、記録部について説明するに、その記録部は、キャリッジ軸M4021によって移動可能に支持されたキャリッジM4001と、このキャリッジM4001に着脱可能に搭載される記録ヘッドカートリッジH1000とからなる。
【0041】
記録ヘッドカートリッジ
まず、記録部に用いられる記録ヘッドカートリッジについて図3〜5に基づき説明する。
【0042】
この実施形態における記録ヘッドカートリッジH1000は、図3に示すようにインクを貯留するインクタンクH1900と、このインクタンクH1900から供給されるインクを記録情報に応じてノズルから吐出させる記録ヘッドH1001とを有する。記録ヘッドH1001は、後述するキャリッジM4001に対して着脱可能に搭載される、いわゆるカートリッジ方式を採るものとなっている。
【0043】
ここに示す記録ヘッドカートリッジH1000では、写真調の高画質なカラー記録を可能とするため、インクタンクとして、例えば、ブラック、ライトシアン、ライトマゼンタ、シアン、マゼンタ及びイエローの各色独立のインクタンクH1900が用意されており、図4に示すように、それぞれが記録ヘッドH1001に対して着脱自在となっている。
【0044】
そして、記録ヘッドH1001は、図5の分解斜視図に示すように、記録素子基板H1100、第1のプレートH1200、電気配線基板H1300、第2のプレートH1400、タンクホルダーH1500、流路形成部材H1600、フィルターH1700、シールゴムH1800から構成されている。
【0045】
記録素子基板H1100には、Si基板の片面にインクを吐出するための複数の記録素子と、各記録素子に電力を供給するAl等の電気配線とが成膜技術により形成され、この記録素子に対応した複数のインク流路と複数の吐出口H1100Tとがフォトリソグラフィ技術により形成されると共に、複数のインク流路にインクを供給するためのインク供給口が裏面に開口するように形成されている。また、記録素子基板H1100は第1のプレートH1200に接着固定されており、ここには、前記記録素子基板H1100にインクを供給するためのインク供給口H1201が形成されている。さらに、第1のプレートH1200には、開口部を有する第2のプレートH1400が接着固定されており、この第2のプレートH1400を介して、電気配線基板H1300が記録素子基板H1100に対して電気的に接続されるよう保持されている。この電気配線基板H1300は、記録素子基板H1100にインクを吐出するための電気信号を印加するものであり、記録素子基板H1100に対応する電気配線と、この電気配線端部に位置し本体からの電気信号を受け取るための外部信号入力端子H1301とを有しており、外部信号入力端子H1301は、後述のタンクホルダーH1500の背面側に位置決め固定されている。
【0046】
一方、インクタンクH1900を着脱可能に保持するタンクホルダーH1500には、流路形成部材H1600が例えば、超音波溶着により固定され、インクタンクH1900から第1のプレートH1200に亘るインク流路H1501を形成している。また、インクタンクH1900と係合するインク流路H1501のインクタンク側端部には、フィルターH1700が設けられており、外部からの塵埃の侵入を防止し得るようになっている。また、インクタンクH1900との係合部にはシールゴムH1800が装着され、係合部からのインクの蒸発を防止し得るようになっている。
【0047】
さらに、前述のようにタンクホルダーH1500、流路形成部材H1600、フィルターH1700及びシールゴムH1800から構成されるタンクホルダー部と、前記記録素子基板H1100、第1のプレートH1200、電気配線基板H1300及び第2のプレートH1400から構成される記録素子部とを、接着等で結合することにより、記録ヘッドH1001を構成している。
【0048】
キャリッジ
次に、図2を参照して記録ヘッドカートリッジH1000を搭載するキャリッジM4001を説明する。
【0049】
図2に示すように、キャリッジM4001には、キャリッジM4001と係合し記録ヘッドH1001をキャリッジM4001上の所定の装着位置に案内するためのキャリッジカバーM4002と、記録ヘッドH1001のタンクホルダーH1500と係合し記録ヘッドH1001を所定の装着位置にセットさせるよう押圧するヘッドセットレバーM4007とが設けられている。
すなわち、ヘッドセットレバーM4007はキャリッジM4001の上部にヘッドセットレバー軸に対して回動可能に設けられると共に、記録ヘッドH1001との係合部には、ばね付勢されるヘッドセットプレート(不図示)が備えられ、このばね力によって記録ヘッドH1001を押圧しながらキャリッジM4001に装着する構成となっている。
【0050】
また、キャリッジM4001の記録ヘッドH1001との別の係合部にはコンタクトフレキシブルプリントケーブル(図7参照、以下、コンタクトFPCと称す)E0011が設けられ、コンタクトFPC E0011上のコンタクト部と記録ヘッドH1001に設けられたコンタクト部(外部信号入力端子)H1301とが電気的に接触し、記録のための各種情報の授受や記録ヘッドH1001への電力の供給などを行い得るようになっている。
【0051】
ここでコンタクトFPC E0011のコンタクト部とキャリッジM4001との間には不図示のゴムなどの弾性部材が設けられ、この弾性部材の弾性力とヘッドセットレバーばねによる押圧力とによってコンタクト部とキャリッジM4001との確実な接触を可能とするようになっている。さらに前記コンタクトFPC E0011はキャリッジM4001の背面に搭載されたキャリッジ基板E0013に接続されている(図7参照)。
【0052】
[スキャナ]
この実施形態におけるプリンタは、上述した記録ヘッドカートリッジH1000の代わりにキャリッジM4001にスキャナを装着することで読取装置としても使用することができる。
【0053】
このスキャナは、プリンタ側のキャリッジM4001と共に主走査方向に移動し、記録媒体に代えて給送された原稿画像をその主走査方向への移動の過程で読み取るようになっており、その主走査方向の読み取り動作と原稿の副走査方向の給送動作とを交互に行うことにより、1枚の原稿画像情報を読み取ることができる。
【0054】
図6(a)および(b)は、このスキャナM6000の概略構成を説明するために、スキャナM6000を上下逆にして示す図である。
【0055】
図示のように、スキャナホルダM6001は、略箱型の形状であり、その内部には読み取りに必要な光学系・処理回路などが収納されている。また、このスキャナM6000をキャリッジM4001へと装着した時に、原稿面と対面する部分には読取部レンズM6006が設けられており、このレンズM6006により原稿面からの反射光を内部の読取部に収束することで原稿画像を読み取るようになっている。一方、照明部レンズM6005は内部に不図示の光源を有し、その光源から発せられた光がレンズM6005を介して原稿へと照射される。
【0056】
スキャナホルダM6001の底部に固定されたスキャナカバーM6003は、スキャナホルダM6001内部を遮光するように嵌合し、側面に設けられたルーバー状の把持部によってキャリッジM4001への着脱操作性の向上を図っている。スキャナホルダM6001の外形形状は記録ヘッドH1001と略同形状であり、キャリッジM4001へは記録ヘッドカートリッジH1000と同様の操作で着脱することができる。
【0057】
また、スキャナホルダM6001には、読取り処理回路を有する基板が収納される一方、この基板に接続されたスキャナコンタクトPCBが外部に露出するよう設けられており、キャリッジM4001へとスキャナM6000を装着した際、スキャナコンタクトPCB M6004がキャリッジM4001側のコンタクトFPC E0011に接触し、基板を、キャリッジM4001を介して本体側の制御系に電気的に接続させるようになっている。
【0058】
[プリンタの電気回路の構成]
次に、本発明の実施形態における電気的回路構成を説明する。
図7は、この実施形態における電気的回路の全体構成例を概略的に示す図である。
【0059】
この実施形態における電気的回路は、主にキャリッジ基板(CRPCB)E0013、メインPCB(Printed Circuit Board)E0014、電源ユニットE0015等によって構成されている。
ここで、電源ユニットE0015は、メインPCB E0014と接続され、各種駆動電源を供給するものとなっている。
また、キャリッジ基板E0013は、キャリッジM4001(図2)に搭載されたプリント基板ユニットであり、コンタクトFPC E0011を通じて記録ヘッドとの信号の授受を行うインターフェースとして機能する他、キャリッジM4001の移動に伴ってエンコーダセンサE0004から出力されるパルス信号に基づき、エンコーダスケールE0005とエンコーダセンサE0004との位置関係の変化を検出し、その出力信号をフレキシブルフラットケーブル(CRFFC)E0012を通じてメインPCB E0014へと出力する。
【0060】
さらに、メインPCB E0014はこの実施形態におけるインクジェット記録装置の各部の駆動制御を司るプリント基板ユニットであり、紙端検出センサ(PEセンサ)E0007、ASF(自動給紙装置)センサE0009、カバーセンサE0022、パラレルインターフェース(パラレルI/F)E0016、シリアルインターフェース(シリアルI/F)E0017、リジュームキーE0019、LED E0020、電源キーE0018、ブザーE0021等に対するI/Oポートを基板上に有する。またさらに、キャリッジM1400を主走査させるための駆動源をなすモータ(CRモータ)E0001、記録媒体を搬送するための駆動源をなすモータ(LFモータ)E0002、記録ヘッドの回動動作と記録媒体の給紙動作に兼用されるモータ(PGモータ)E0003と接続されてこれらの駆動を制御する他、インクエンプティセンサE0006、GAPセンサE0008、PGセンサE0010、CRFFC E0012、電源ユニットE0015との接続インターフェイスを有する。
【0061】
図8Aおよび8Bは、メインPCB E0014の内部構成を示すブロック図である。図において、E1001はCPUであり、このCPU E1001は内部に発振回路E1005に接続されたクロックジェネレータ(PCG) E1002を有し、その出力信号E1019によりシステムクロックを発生する。また、制御バスE1014を通じてROM E1004およびASIC(Application Specific Integrated Circuit) E1006に接続され、ROMに格納されたプログラムに従って、ASIC E1006の制御、電源キーからの入力信号E1017、及びリジュームキーからの入力信号E1016、カバー検出信号E1042、ヘッド検出信号(HSENS)E1013の状態の検知を行ない、さらにブザー信号(BUZ)E1018によりブザーE0021を駆動し、内蔵されるA/DコンバータE1003に接続されるインクエンプティ検出信号(INKS)E1011及びサーミスタによる温度検出信号(TH)E1012の状態の検知を行う一方、その他各種論理演算・条件判断等を行ない、インクジェット記録装置の駆動制御を司る。
【0062】
ここで、ヘッド検出信号E1013は、記録ヘッドカートリッジH1000からフレキシブルフラットケーブルE0012、キャリッジ基板E0013及びコンタクトフレキシブルプリントケーブルE0011を介して入力されるヘッド搭載検出信号であり、インクエンプティ検出信号E1011はインクエンプティセンサE0006から出力されるアナログ信号、温度検出信号E1012はキャリッジ基板E0013上に設けられたサーミスタ(図示せず)からのアナログ信号である。
【0063】
E1008はCRモータドライバであって、モータ電源(VM)E1040を駆動源とし、ASIC E1006からのCRモータ制御信号E1036に従って、CRモータ駆動信号E1037を生成し、CRモータE0001を駆動する。E1009はLF/PGモータドライバであって、モータ電源E1040を駆動源とし、ASIC E1006からのパルスモータ制御信号(PM制御信号)E1033に従ってLFモータ駆動信号E1035を生成し、これによってLFモータを駆動すると共に、PGモータ駆動信号E1034を生成してPGモータを駆動する。
【0064】
E1010は電源制御回路であり、ASIC E1006からの電源制御信号E1024に従って発光素子を有する各センサ等への電源供給を制御する。パラレルI/F E0016は、ASIC E1006からのパラレルI/F信号E1030を、外部に接続されるパラレルI/FケーブルE1031に伝達し、またパラレルI/FケーブルE1031の信号をASIC E1006に伝達する。シリアルI/F E0017は、ASIC E1006からのシリアルI/F信号E1028を、外部に接続されるシリアルI/FケーブルE1029に伝達し、また同ケーブルE1029からの信号をASIC E1006に伝達する。
【0065】
一方、電源ユニットE0015からは、ヘッド電源(VH)E1039及びモータ電源(VM)E1040、ロジック電源(VDD)E1041が供給される。また、ASIC E1006からのヘッド電源ON信号(VHON)E1022及びモータ電源ON信号(VMOM)E1023が電源ユニットE0015に入力され、それぞれヘッド電源E1039及びモータ電源E1040のON/OFFを制御する。電源ユニットE0015から供給されたロジック電源(VDD)E1041は、必要に応じて電圧変換された上で、メインPCB E0014内外の各部へ供給される。
【0066】
またヘッド電源信号E1039は、メインPCB E0014上で平滑化された後にフレキシブルフラットケーブルE0011へと送出され、記録ヘッドカートリッジH1000の駆動に用いられる。
E1007はリセット回路で、ロジック電源電圧E1041の低下を検出して、CPU E1001及びASIC E1006にリセット信号(RESET)E1015を供給し、初期化を行なう。
【0067】
このASIC E1006は1チップの半導体集積回路であり、制御バスE1014を通じてCPU E1001によって制御され、前述したCRモータ制御信号E1036、PM制御信号E1033、電源制御信号E1024、ヘッド電源ON信号E1022、及びモータ電源ON信号E1023等を出力し、パラレルI/F E0016およびシリアルI/F E0017との信号の授受を行なう他、PEセンサE0007からのPE検出信号(PES)E1025、ASFセンサE0009からのASF検出信号(ASFS)E1026、記録ヘッドと記録媒体とのギャップを検出するためのセンサ(GAP)センサE0008からのGAP検出信号(GAPS)E1027、PGセンサE0010からのPG検出信号(PGS)E1032の状態を検知して、その状態を表すデータを制御バスE1014を通じてCPU E1001に伝達し、入力されたデータに基づきCPU E1001はLED駆動信号E1038の駆動を制御してLEDE0020の点滅を行なう。
【0068】
さらに、エンコーダ信号(ENC)E1020の状態を検知してタイミング信号を生成し、ヘッド制御信号E1021で記録ヘッドカートリッジH1000とのインターフェイスをとり記録動作を制御する。ここにおいて、エンコーダ信号(ENC)E1020はフレキシブルフラットケーブルE0012を通じて入力されるCRエンコーダセンサE0004の出力信号である。また、ヘッド制御信号E1021は、フレキシブルフラットケーブルE0012、キャリッジ基板E0013、及びコンタクトFPC E0011を経て記録ヘッドH1000に供給される。
【0069】
図9(a)および(b)は、ASIC E1006の内部構成例を示すブロック図である。
【0070】
なお、同図において、各ブロック間の接続については、記録データやモータ制御データ等、ヘッドや各部機構部品の制御にかかわるデータの流れのみを示しており、各ブロックに内蔵されるレジスタの読み書きに係わる制御信号やクロック、DMA制御にかかわる制御信号などは図面上の記載の煩雑化を避けるため省略している。
【0071】
図中、E2002はPLLコントローラであり、図9に示すようにCPU E1001から出力されるクロック信号(CLK)E2031及びPLL制御信号(PLLON)E2033により、ASIC E1006内の大部分へと供給するクロック(図示しない)を発生する。
【0072】
また、E2001はCPUインターフェース(CPUI/F)であり、リセット信号E1015、CPU E1001から出力されるソフトリセット信号(PDWN)E2032、クロック信号(CLK)E2031及び制御バスE1014からの制御信号により、以下に説明するような各ブロックに対するレジスタ読み書き等の制御や、一部ブロックへのクロックの供給、割り込み信号の受け付け等(いずれも図示しない)を行ない、CPU E1001に対して割り込み信号(INT)E2034を出力し、ASIC E1006内部での割り込みの発生を知らせる。
【0073】
また、E2005はDRAMであり、記録用のデータバッファとして、受信バッファE2010、ワークバッファE2011、プリントバッファE2014、展開用データバッファE2016などの各領域を有すると共に、モータ制御用としてモータ制御バッファE2023を有し、さらにスキャナ動作モード時に使用するバッファとして、上記の各記録用データバッファに代えて使用されるスキャナ取込みバッファE2024、スキャナデータバッファE2026、送出バッファE2028などの領域を有する。
【0074】
また、このDRAM E2005は、CPU E1001の動作に必要なワーク領域としても使用されている。すなわち、E2004はDRAM制御部であり、制御バスによるCPU E1001からDRAM E2005へのアクセスと、後述するDMA制御部E2003からDRAM E2005へのアクセスとを切り替えて、DRAM E2005への読み書き動作を行なう。
【0075】
DMA制御部E2003では、各ブロックからのリクエスト(図示せず)を受け付けて、アドレス信号や制御信号(図示せず)、書込み動作の場合には書込みデータE2038、E2041、E2044、E2053、E2055、E2057などをDRAM制御部E20042出力してDRAMアクセスを行なう。また読み出しの場合には、DRAM制御部E2004からの読み出しデータE2040、E2043、E2045、E2051、E2054、E2056、E2058、E2059を、リクエスト元のブロックに受け渡す。
【0076】
また、E2006は、IEEE 1284I/Fであり、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、パラレルI/F E0016を通じて、図示しない外部ホスト機器との双方向通信インターフェイスを行なう他、記録時にはパラレルI/F E0016からの受信データ(PIF受信データE2036)をDMA処理によって受信制御部E2008へと受け渡し、スキャナ読み取り時にはDRAM E2005内の送出バッファE2028に格納されたデータ(1284送信データ(RDPIF)E2059)をDMA処理によりパラレルI/Fに送信する。
【0077】
E2007は、ユニバーサルシリアルバス(USB)I/Fであり、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、シリアルI/F E0017を通じて、図示しない外部ホスト機器との双方向通信インターフェイスを行なう他、印刷時にはシリアルI/F E0017からの受信データ(USB受信データE2037)をDMA処理により受信制御部E2008に受け渡し、スキャナ読み取り時にはDRAM E2005内の送出バッファE2028に格納されたデータ(USB送信データ(RDUSB)E2058)をDMA処理によりシリアルI/F E0017に送信する。受信制御部E2008は、1284I/F E2006もしくはUSBI/F E2007のうちの選択されたI/Fからの受信データ(WDIF)E2038)を、受信バッファ制御部E2039の管理する受信バッファ書込みアドレスに、書込む。
E2009は圧縮・伸長DMAコントローラであり、CPUI/F E2001を介したCPUE1001の制御により、受信バッファE2010上に格納された受信データ(ラスタデータ)を、受信バッファ制御部E2039の管理する受信バッファ読み出しアドレスから読み出し、そのデータ(RDWK)E2040を指定されたモードに従って圧縮・伸長し、記録コード列(WDWK)E2041としてワークバッファ領域に書込む。
【0078】
E2013は記録バッファ転送DMAコントローラで、CPUI/F E2001を介したCPU E1007の制御によってワークバッファE2011上の記録コード(RDWP)E2043を読み出し、各記録コードを、記録ヘッドカートリッジH1000へのデータ転送順序に適するようなプリントバッファE2014上のアドレスに並べ替えて転送(WDWP E2044)する。また、E2012はワーククリアDMAコントローラであり、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御によって記録バッファ転送DMAコントローラ E2013による転送が完了したワークバッファ上の領域に対し、指定したワークフィルデータ(WDWF)E2042を繰返し書込む。
【0079】
E2015は記録データ展開DMAコントローラであり、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、ヘッド制御部E2018からのデータ展開タイミング信号E2050をトリガとして、プリントバッファ上に並べ替えて書込まれた記録コードと展開用データバッファE2016上に書込まれた展開用データとを読み出し、展開記録データ(RDHDG)E2045をカラムバッファ書込みデータ(WDHDG)E2047としてカラムバッファE2017に書込む。ここで、カラムバッファE2017は、記録ヘッドカートリッジH1000への転送データ(展開記録データ)を一時的に格納するSRAMであり、記録データ展開DMAコントローラE2015とヘッド制御部E2018とのハンドシェーク信号(図示せず)によって両ブロックにより共有管理されている。
【0080】
E2018はヘッド制御部で、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、ヘッド制御信号を介して記録ヘッドカートリッジH1000またはスキャナとのインターフェイスを行なう他、エンコーダ信号処理部E2019からのヘッド駆動タイミング信号E2049に基づき、記録データ展開DMAコントローラに対してデータ展開タイミング信号E2050の出力を行なう。
【0081】
また、印刷時には、前記ヘッド駆動タイミング信号E2049に従って、カラムバッファから展開記録データ(RDHD)E2048を読み出し、そのデータをヘッド制御信号E1021として記録ヘッドカートリッジH1000に出力する。
また、スキャナ読み取りモードにおいては、ヘッド制御信号E1021として入力された取込みデータ(WDHD)E2053をDRAM E2005上のスキャナ取込みバッファE2024へとDMA転送する。E2025はスキャナデータ処理DMAコントローラであり、CPUI/F E2001を介したCPUE1001の制御により、スキャナ取込みバッファE2024に蓄えられた取込みバッファ読み出しデータ(RDAV)E2054を読み出し、平均化等の処理を行なった処理済データ(WDAV)E2055をDRAM E2005上のスキャナデータバッファE2026に書込む。
E2027はスキャナデータ圧縮DMAコントローラで、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、スキャナデータバッファE2026上の処理済データ(RDYC)E2056を読み出してデータ圧縮を行ない、圧縮データ(WDYC)E2057を送出バッファE2028に書込み転送する。
【0082】
E2019はエンコーダ信号処理部であり、エンコーダ信号(ENC)を受けて、CPU E1001の制御で定められたモードに従ってヘッド駆動タイミング信号E2049を出力する他、エンコーダ信号E1020から得られるキャリッジM4001の位置や速度にかかわる情報をレジスタに格納して、CPU E1001に提供する。CPU E1001はこの情報に基づき、CRモータE0001の制御における各種パラメータを決定する。また、E2020はCRモータ制御部であり、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、CRモータ制御信号E1036を出力する。
【0083】
E2022はセンサ信号処理部で、PGセンサE0010、PEセンサE0007、ASFセンサE0009、及びGAPセンサE0008等から出力される各検出信号E1033、E1025、E1026、E1027を受けて、CPUE1001の制御で定められたモードに従ってこれらのセンサ情報をCPU E1001に伝達する他、LF/PGモータ制御用DMAコントローラ E2021に対してセンサ検出信号E2052を出力する。
【0084】
LF/PGモータ制御用DMAコントローラE2021は、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、DRAM E2005上のモータ制御バッファE2023からパルスモータ駆動テーブル(RDPM)E2051を読み出してパルスモータ制御信号E1033を出力する他、動作モードによっては前記センサ検出信号を制御のトリガとしてパルスモータ制御信号E1033を出力する。
また、E2030はLED制御部であり、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、LED駆動信号E1038を出力する。さらに、E2029はポート制御部であり、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、ヘッド電源ON信号E1022、モータ電源ON信号E1023、及び電源制御信号E1024を出力する。
【0085】
[プリンタの動作]
次に、上記のように構成された本発明の実施形態におけるインクジェット記録装置の動作を図10のフローチャートに基づき説明する。
【0086】
AC電源に装置本体1000が接続されると、まず、ステップS1では装置の第1の初期化処理を行なう。この初期化処理では、本装置のROMおよびRAMのチェックなどの電気回路系のチェックを行ない、電気的に本装置が正常に動作可能であるかを確認する。
【0087】
次にステップS2では、装置本体M1000の上ケースM1002に設けられた電源キーE0018がONされたかどうかの判断を行い、電源キーE0018が押された場合には、次のステップS3へと移行し、ここで第2の初期化処理を行う。
【0088】
この第2の初期化処理では、本装置の各種駆動機構及び記録ヘッドのチェックを行なう。すなわち、各種モータの初期化やヘッド情報の読み込みを行うに際し、装置が正常に動作可能であるかを確認する。
【0089】
次にステップS4ではイベント待ちを行なう。すなわち、本装置に対して、外部I/Fからの指令イベント、ユーザ操作によるパネルキーイベントおよび内部的な制御イベントなどを監視し、これらのイベントが発生すると当該イベントに対応した処理を実行する。
【0090】
例えば、ステップS4で外部I/Fからの印刷指令イベントを受信した場合には、ステップS5へと移行し、同ステップでユーザ操作による電源キーイベントが発生した場合にはステップS10へと移行し、同ステップでその他のイベントが発生した場合にはステップS11へと移行する。
ここで、ステップS5では、外部I/Fからの印刷指令を解析し、指定された紙種別、用紙サイズ、印刷品位、給紙方法などを判断し、その判断結果を表すデータを本装置内のRAM E2005に記憶し、ステップS6へと進む。
次いでステップS6ではステップS5で指定された給紙方法により給紙を開始し、用紙を記録開始位置まで送り、ステップS7に進む。
ステップS7では記録動作を行なう。この記録動作では、外部I/Fから送出されてきた記録データを、一旦記録バッファに格納し、次いでCRモータE0001を駆動してキャリッジM4001の主走査方向への移動を開始すると共に、プリントバッファE2014に格納されている記録データを記録ヘッドH1001へと供給して1行の記録を行ない、1行分の記録データの記録動作が終了するとLFモータE0002を駆動し、LFローラM3001を回転させて用紙を副走査方向へと送る。この後、上記動作を繰り返し実行し、外部I/Fからの1ページ分の記録データの記録が終了すると、ステップ8へと進む。
【0091】
ステップS8では、LFモータE0002を駆動し、排紙ローラM2003を駆動し、用紙が完全に本装置から送り出されたと判断されるまで紙送りを繰返し、終了した時点で用紙は排紙トレイM1004a上に完全に排紙された状態となる。
【0092】
次にステップS9では、記録すべき全ページの記録動作が終了したか否かを判定し、記録すべきページが残存する場合には、ステップS5へと復帰し、以下、前述のステップS5〜S9までの動作を繰り返し、記録すべき全てのページの記録動作が終了した時点で記録動作は終了し、その後ステップS4へと移行し、次のイベントを待つ。
【0093】
一方、ステップS10ではプリンタ終了処理を行ない、本装置の動作を停止させる。つまり、各種モータやヘッドなどの電源を切断するために、電源を切断可能な状態に移行した後、電源を切断しステップS4に進み、次のイベントを待つ。
【0094】
また、ステップS11では、上記以外の他のイベント処理を行なう。例えば、本装置の各種パネルキーや外部I/Fからの回復指令や内部的に発生する回復イベントなどに対応した処理を行なう。なお、処理終了後にはステップS4に進み、次のイベントを待つ。
【0095】
なお、本発明が有効に用いられる一形態は、電気熱変換体が発生する熱エネルギーを利用して液体に膜沸騰を生じさせ気泡を形成する形態である。
【0096】
[ヘッドの構成]
ここで、本実施形態で用いるヘッドH1001の吐出口群の構成配置について説明する。
【0097】
図11は本実施形態で用いた高密度記録を実現するためのヘッドの模式的正面図である。この例では、1列当り、600dpi(ドット/インチ)のピッチ(約42μmピッチ)で128個の吐出口を配列した吐出口列を1色当り2列互いに副走査方向(紙送り方向)に約21μmずらして、主走査方向(キャリッジスキャン方向)に設けてあり、1色当り合計256個の吐出口にて1200dpiの解像度を実現している。さらに、図示の例ではそのような吐出口列を6色に対応して主走査方向に並置し、6色について合計ぬふ列の吐出口列で1200dpiの記録を行う一体構造のヘッド構成としている。但し、製造上は並列する2色分が1チップとして同時に作成され、その後3チップを並列して接着させる構成をとっているので、隣り合う2チップ(ブラック(Bk)及びライトシアン(LC)の組、ライトマゼンタ(LM)およびシアン(C)の組、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の組)は他に比べ駆動条件が似通ったものとなっている。1200dpiの場合、紙面上では約21μm四方の画素領域となるが、本実施形態に用いるドロップ(液滴)は、4plで、紙面状では、約45μm直径の円形ドットを形成する。
【0098】
(本発明の特徴的構成)
次に、本発明の実施形態における特徴的構成、作用を図面に基づき説明する。なお、各図中、上述の基本構成と同一もしくは相当部分には同一符号を付す。
【0099】
(第1の実施形態)
ここで、まず、上記記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置および記録方法の第1実施形態を説明する。なお、この実施形態におけるインクジェット記録装置は、一つの記録領域に対する画像を4回の主記録走査(4パス)を実行することによって完成させるマルチパス記録方式を採るものである。
【0100】
図12は、この実施形態における画像処理部を概略的に示すブロック図である。
【0101】
図中、11は入力端子、12は記録バッファ、13は濃度ムラ(スジムラ)検出部、14はパス数設定部、15はマスク処理部、16はマスクパターンテーブル、17はヘッドI/F部、H1001は記録ヘッドを示している。
【0102】
ここで、入力端子11から入力されたビットマップデータは、図9に示すプリントバッファE2014、展開用データバッファE2016、データ展開DMAE2015を含めた総合的部分に相当する不図示の記録バッファ制御部により、記録バッファ12(図9に示すカラムバッファE2017に相当)の所定のアドレスに格納される。記録バッファ12は1スキャンと紙送り量分のビットマップデータを格納できる容量を有し、FIFOメモリのような紙送り量単位のリングバッファを構成している。記録バッファ制御部は、記録バッファ12を制御し、1スキャン分のビットマップデータが記録バッファ12に格納されるとプリンタエンジンを起動し、記録ヘッドの各ノズルの位置に応じて記録バッファ12よりビットマップデータを読み出し、パス数設定部14に入力する。また、入力端子11から次回のスキャンのビットマップデータが入力されると、記録バッファ12の空き領域(記録が完了した紙送り量に相当する領域)に格納するように記録バッファ12を制御する。
【0103】
一方、前記スジムラ検出部13は、記録ヘッドH1001の各色毎のスジムラ量、例えばヨレ量、吐出量、吐出速度などを検出する。この検出ブ13は、例えば、所定のパッチあるいはパターンなどのテスト画像を記録ヘッドにて記録させる制御部と、テスト画像を光学的センサを用いて読み取らせる読取部と、その読取結果に基づいて記録ヘッドH1001の各色毎のスジムラ量を推定評価する演算部と、その演算結果を格納するEEPROMとを有する構成とすることができる。
【0104】
この場合、読取部としては、例えば、図6(a)、(b)に示すような構成を備えるスキャナM6000を用いることが考えられる。このスキャナM6000を、記録ヘッドカートリッジH1000に代えてキャリッジM4001に装着し、キャリッジM4001と共にスキャナM6000を主走査方向に移動させることにより、テスト画像を読み取らせることができる。
また、記録装置内の記録用紙の搬送路上に光学スキャナを取り付けておき、記録直後のパターンをそのスキャナによって読み取って解析するようにしても良い。
【0105】
ここで、画像処理部におけるパス数設定部のより具体的構成例を説明する。 パス数設定部14では分割パス数を決定し、そのパス数をマスク処理部15へ出力する。マスクパターンテーブル16では予め格納されているマスクパターンテーブル、例えば、2パス記録、4パス記録、8パス記録のマスクパターンから、必要なマスクパターンを決定された分割パス数に応じて選択し、マスク処理プ15に出力する。マスク処理部15は記録バッファ12に架空のされているビットマップデータをマスクパタンーン用いて各パス記録毎にマスクしてヘッドドライバに出力すると、ヘッドドライバではそのマスクされたビットマップデータを記録ヘッド18が用いる順に並び替え、記録ヘッド18に転送する。
【0106】
図21はパス数決定部14の詳細な構成を示すブロック図である。
【0107】
図21において、141はK成分記録データを用いて記録するときのパス数を決定するパス数決定部、142はC成分記録データを用いて記録するときのパス数を決定するパス数決定部、143はM成分記録データを用いて記録するときのパス数を決定するパス数決定部、144はY成分記録データを用いて記録するときのパス数を決定するパス数決定部、145はパス数決定部141〜144で決定された夫々の色成分の記録に関するパス数の最大パス数を検出するパス数決定部である。
【0108】
さて、スジムラ検出部13によって検出された各色インクを吐出するためのノズル毎のスジムラ情報、例えば、ヨレの標準偏差、平均値、最大ヨレ、インク吐出量、吐出速慶等はパス数決定部141〜144へと転送される。また、各色成分毎に記録バッファ12に格納された各走査毎のビットマップデータがパス数決定部141〜144へ転送される。そして、各色成分記録データ毎に分割パス数を決宰する。
【0109】
この決定は、スジムラ検出部13によって検出されるスジムラの一因となる種々の因子に基づいてなされる。例えぱ、そのような因子の内の各色インクを吐出するためのノズル群毎のヨレ情報に着目すると、そのヨレ情報に基づきある閾値を設定する。例えば、ヨレの標準偏差で3.6μmと2つの閾値を設定し、これらの閾値とヨレ量(σ)とを比較し、σ≦3μmの範囲では2パス記録、3<σ≦6μmのは倍では4パス記録、σ>6μmの範囲では8パス記録を行うことができるようビットマップデータの分割パス数を予め設定しておく。
【0110】
この他にスジムラの発生原因となる各因子に関しても同様な方法で、各因子に関する最適な記録パス数を決定する。これら各因子に関して重み付けを行ない、パス数決定部141〜144では各色成分毎にパス数を決定し、その結果をパス数決定部145へ出力する。パス数決定部145ではパス決定部141〜144にて決定された各色成分毎のパス数のうち最大となるパス数を抽出しマスク部115へ出カする。そして、マスク処理部15ではそのパス数に応じたマスクパターンを選択し、マスクされたビットマツプデータをヘッドドライバへ転送する。なお、考慮する因子がヨレ情報のみであれば、重みづけは必要ないことは言うまでもない。
【0111】
次に、以上のような方法を臭体的な画像記録に適用してパス数を決定する処理について説明する。
【0112】
図22は1ぺ一ジの記録媒体に複数の色の領域から構成される画像を記録する例を示す図である。図22において、41は記録媒体(記録用紙)の有効記録領域、42は黒色記録領域、43は赤色記録領域、44は緑色記録領域、45は青色記録領域、46は黒色記録領域、47は自然画記録領域である。
【0113】
ここでは記録ヘッド1のKインクを吐出するノズル、Cインクを吐出するノズル、Mインクを吐出するノズル、Yインクを吐出するノズルに関するヨレの標準偏差がそれぞれ、1、2、3、4μmであり、これらヨレの標準偏差に基づき決定した閾値(上述した2つの閾値)によりパス数を決定する場合について、図23に示すフローチャートを参照して説明する。
【0114】
まず、ステップS100では、黒記録領域42のバンド記録、あるいは、記録ヘッド1の1走査分のために用いられるビットマップデータを記録バッファ113に転送する。この場合のデータはK成分記録データである。
【0115】
次に、ステップS110では、パス数決定部141〜144において、上述した決定方法に従って記録パス数を決定する。上述したように、黒記録領域の記録にはK成分記録データのみが用いられるので、パス数決定部141のみが用いられ、他のパス数決定部142〜144に対してパス数を決定するために用いるビットマップデータが存在しない。上述のように、Kインクを吐出するノズルに関するヨレの標準偏差はσ=1(μm)であるので、黒色記録領域42を記録する際のパス数が“2”と決定される。
【0116】
さらに、ステップS120では、パス数決定部141〜144において決定されたパス数がパス数決定部145へ転送され、最終的なパス数が決定される。
【0117】
そして、ステップS130では、パス数決定部145における決定結果に基づいて、マルチパス記録が実行される。なお、黒記録領域42の記録には、パス数決定部141の決定結果のみが反映され、2パス記録が開始される。
【0118】
最後に、ステップS140では、記録ヘッド1の1層差分の記録が終了するたび毎に一連の記録動作を終了したかどうかを調べる。ここで、記録動作が続行する場合には、処理はステップS100に戻って上述の処理を繰り返すが・記録媒体に対する記録を完了したと判断される場合には、処理は終了する。
【0119】
図5に示す画像を記録する場合、黒色記録領域42の記録が完了すると、次に赤色睨録領城43の記録が開始される。
【0120】
赤色記録領域43を記録する場合には、M成分記録データとY成分記録データとが用いられるので、ステップS110の処理では、パス決定部143および144において、M成分記録データとY成分記録データを夫々用いて記録する場合のパス数が決定される。上述のように、Mインクを吐出するノズルに関するヨレの標準偏差はσ=3(μm)であり、Yインクを吐出するノズルに関するヨレの標準偏差はσ≡4(μm)であるので、Mインクを用いた紀録のパス数が“2”、Yインクを用いた記録のパス数が“4”と決定される。なお、この場合の記録では、パス数決定部141、142に対してパス数を決定するために用いるビットマップデータが存在しない。
【0121】
従って、パス数決定部143、144からの出カがパス数決定部145へ転送され、その結果、最大パス数、即ち、“4”が抽出され、赤色記録領域43に対しては4パス記録が開始される。
【0122】
緑色記録領域44および青色記録領域45への記録においても同様な処理がなされる。
【0123】
次に、主走査方向に黒色記録領域46および自然画記録領域47とが混在する領域を記録する場合には、黒色記録領域46の記録に対してはK成分記録データのみが用いられるので、自然画記録領域47の記録に対して、C、M、Y成分記録データが用いられるので記録バッファ113に格納されたK、C、M、Y成分から構成される記録データが各色成分毎にビットマップデータがパス数決定部 121〜124に入力され、各色の記録に関して、パス数がそれぞれ、“2”、
“2”、“4”、“4”と決定される。
【0124】
その後、これらの値がパス数決定部145へ転送され、これらの値の最大値である“4”を抽出し、4パス記録を開始する。
【0125】
従って、以上説明した実施形態に従えば、各色インクを吐出する記録ヘッド18のノズルの精度情報(ヨレ情報)と各色成分の1走査毎の記録データとに基づいて、各走査毎のパス数を動的に決定しているため、スジムラを低滅しつつ、且つ、高速記録を行うことが可能となる。
【0126】
なお、スジムラを発生させる因子としてヨレ情報以外の因子についても同様に閾値を設定し、これらの因子毎に重みづけをして複数の因子を総合的に評価し、最適なパス数を決定しても良い。
【0127】
図24は画像処理部の他の機能構成例を示すブロック図である。
図24において、図21〜図23に示す実施形態で脱明したのと同じ構成要素には同じ参照番号を付し、その説明は省略する。特に、図24では、入力端子11からパス数決定部145の前段までを示している。
【0128】
図24に示すように、記録バッファ12と入力端子11との間にはバッファ判定部302が設けられ、記録バッファ12は自然画用のK成分データを格納する記録バッファ303と、文字記録用のK成分データを格納する配銀バッファ304と、C成分データを格納する記録バッファ305と、M成分データを格納する記録バッファ306と、Y成分データを格納する記録バッファ307とから構成されている。
【0129】
また、図21〜図23に示す実施形態で説明したパス数決定部141は、この実施形態では、自然画用K成分データを用いた記録に関するパス数を決定するパス数決定部141aと、文字記録用K成分データを用いた記録に関するパス数を決定するパス数決定部141bとに分けられて構成されている。
従って、バッファ判定部302は入力端子301より入カされたデータを記録バッファ12に格納する際に、そのデータが自然画を形成するデータであるか或いは文字画像を形成するデータであるかを判定する。文字と自然画の分離方法については、従来から、画像の局所的な性質(ヒストグラム、周波数測定)を利用した方法など種々の実現手段が存在する。従って、その分離ができる限り本発明ではどのような分離方法を用いても良い。
【0130】
通常、文字画像を記録をする場合、自然画を記録する場合に比べて、睨録ヘッド個々のばらつきの許容範囲が広い。つまり、スジとして認識される許容幅囲が広くなる。
【0131】
図25は1ぺ一ジの記録媒体に記録される画像に黒文字と自然画とが混在する例を示す図である。図25において、51は記録媒体の有効記録領域、52は黒文字記録領域、53は自然画記録領域である。
【0132】
図8に示すような画像を記録する場合、始めに黒文宇領域52のみを記録するため、記録バッファ304にのみ全てのビットマップデータが格納される。。このため、文字記録用K成分記録データだけを用いた記録がなされる場合、パス数決定部141bでは、そのパス数の決定に用いる閾値を緩和し、即ち、スジムラ検出部13より得られる記録ヘッド18の特性情報等によって算出される閾値を小さく設定し、より少ないパス数が選択されるようにする。
【0133】
図21〜図23に示す実施形態で説明したようにKインクによる記録のヨレの標準偏差が1μmである場合、図21〜図23に示す実施形態で設定した閾値に従えば、そのデータが文字画像を形成するために用いられるか、自然画を形成するために用いられるかに係りなく、2パス記録が行なわれる。
【0134】
しかしながら、この実施形態では、バッファ判定部302での判定に従って、K成分データが自然画を形成するために用いられる場合には、そのビットマップデータを記録バッファ303へと転送し、そのデータを用いて記録する際のパス数はパス数決定部141aで決定され、そのK成分データが文字画像を形成するために用いられる場合には、そのビットマップデータを記録バッファ303へと転送し、そのデータを用いて記録する際のパス数はパス数決定部141bで決定される。
【0135】
そして、パス数決定部141aでは、図21〜図23に示す例と同様にパス数決定を行なうが、パス数決定部141bでは文字画像形成の品質がスジムラの影讐に対して広い許容範囲をもつため、標準偏差(σがσ≦3μmの籟囲では1パス記録、3<σ≦6μmの範囲では2パス記録、σ>6μmの範囲では4パス記録を行なうようにパス数を決定する。
【0136】
その結果、この実施形態に従えば、ヨレの標準偏差が小さいなら、黒文字領域52を1パスで記録する可能性もあり、高速記録が可能となる。
【0137】
なお、他の記録領域に関しては前述の図21〜図23に示す例と同様の方法でパス数が決定されるため説明は省略する。
【0138】
また、図24に示す構成では、K成分記録データにっいてのみ文字記録用と自然画像記録用とに区別するようにしているが、他の色成分データに関しても同様に文字記録用の記録バッファとパス数決定部を備えることにより、カラー文字に対しても同様の処理をすることができ、高速記録を実現することが可能となる。
【0139】
図26は画像処理部のさらに他の機能構成例を示すブロック図である。
【0140】
図26において、図21〜図24に示す例で説明したのと同一の構成要素には同じ参照番号を付し、その脱明は省略する。特に、図26では、入力端子111からパス数決定部140までを示している。
【0141】
図26において、130はデータ総量計測部である。
【0142】
ここでは、スジムラ要因として挙げられる各々の因子の経時変化について着目している。記録ヘッドの特性、例えば、インク吐出量、インク吐出速度等が記録時間と共に変化していくことは周知の事実である。
【0143】
そこで、この例では、データ総量計測部130で記録媒体ぺ一ジ単位のデータ総量をカウントし、あるぺ一ジ数に相当するデータ量を超えた場合、この回路が起動し、パス数決定部14における閾値を緩和するように制御する。
【0144】
例えば、パス数決定部14がパス数を“2”と決定しようとしている場合、記録データによって睨録される画像が3ぺ一ジ以上超えている場合等にこの回路が起動し、スジムラ検出部13によって得られる、例えば、ヨレの標準偏差とその問値とを比較して決定されるパス数を増すように制御する。
【0145】
その結果、ここに示す例によれば、通常の場合(例えば、2パス記録)に対しスジムラが多いため、決定されるパス数が増加する。このように、データ総量計測部を設け、その測定結果をパス数の決定に反映させているため、インク吐出量、インク吐出速度等の記録ヘッドの特性の経時変化による変動の影響を緩和することが可能となり、より高品位な画像記録に貢献する。
【0146】
ところで、画像処理部において、各パスにて行なう記録デューティーは次のようにして設定されている。
すなわち、4パスにて画像記録を行う際、従来までは各パスの記録デューティーは100/パス数=25%の記録デューティーで設定している。これはマルチパス記録方式の典型的な例であり、パス数を増すことによりスジムラなどの濃度ムラによる画像劣化を軽減している。
【0147】
しかしながら、こうした従来のマルチパス方式にあっては、記録ヘッドの吐出精度、インクの打ち込み順序等の影響により濃度ムラ(以下、バンディングと称す)が発生している。また、上記のような端部ヨレの影響により、白スジが紙送りピッチ毎に顕著に現れ、これが視覚特性において認知され画像劣化として判断される。特に往復記録にて画像を形成する場合は打ち込み順序差による色味の違いも生じ、これがバンディングとして現れるため、画像の劣化は一層顕著に現れる。
【0148】
そこで、この実施形態においては、特有のマスク処理を行なうことにより、視覚的にバンディングを見えにくくしている。すなわち、この実施形態においては、同一走査領域E(パス領域)を2分割し、各分割領域e1、e2における記録デューティーを異なるものとする(分割デューティーとする)ことにより、視覚特性上、バンディングを見えにくくするものとなっている。
図13(a)、図14(a)及び図13(b)、図13(b)は、各分割領域e1、e2の記録デューティーの設定例をそれぞれ示している。
【0149】
図15(a)は、各分割領域e1、e2が均一のデューティーによって形成された通常のマルチパス記録された画像を示し、図15(b)は、前記2分割デューティーによって形成された画像を示す。なお、図16において、H100Tは、各パス領域Eの記録を行なう複数のノズル群を示しており、各ノズル群は複数(図では4個)のノズルnによってそれぞれ構成されている。
【0150】
ここで、図14(a)に示す均一デューティーによって形成された画像では、例えば一様なベタパターンを記録した場合、紙送りピッチでバンディングが発生する。この紙送りピッチ程度のピッチでは視覚特性上、バンディングの存在が認知されてしまい、画像品質の劣化を感じる。ところが、この実施形態では、紙送りピッチの半分のピッチでバンディングが発生するため、そのバンディング発生ピッチは、視覚特性上、認知されるピッチ内に収まり、画像品質の劣化を感じさせることはない。
【0151】
本発明者の実験によれば、338μmのピッチでは、打ち込み順序差などによる濃度ムラ(バンディング)が視覚上認識されにくいことを確認している。但し、それ以上ピッチを減少させても顕著な効果は見られなかった。また、分割数に関しては、例えば4パス記録の場合、各パス領域を4分割した場合に、画像劣化軽減効果が顕著に現れた。
【0152】
以上のように、ある一定領域Eをマルチパス記録に記録する場合、少ないパス数ほど記録デューティーの設定領域を細分化する方が往復記録にはより好ましいと言える。なお、この記録デューティーは、マルチパス数、分割数の最適な値を種々のメディア特性(吸収性、にじみ等)に応じて選択、設定するようにすることも可能である。これは、予めマスクテーブルに格納しておき、上記の条件に応じて適宜読み出すようにすることで実施できる。
【0153】
(第2の実施形態)
次に、この発明におけるインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法の第2の実施形態を説明する。
【0154】
この第2の実施形態では、前記各主走査によって形成される同一パス領域Eのうち、記録ヘッドの両端部に対応する分割領域e1、e2の記録デューティーがその両端部に対応する分割領域e1、e2の内側に位置する分割領域の記録デューティーより小なる値に設定されるものである。
【0155】
すなわち、図17(a)に示すように、従来より行なわれている通常の4パス記録(分割数1)の場合、各ノズル列を4つのパス領域Eに分け、各記録領域Eの記録デューティーを25%としているが、この実施形態においては、図17(b)に示すように各パス領域Eを2分割して分割領域e1、e2を設定し、かつ記録ヘッドH1001の両端部分のノズルnに対応する分割領域e1、e2の記録デューティーを他の分割領域e1、e2より低い値(6.25%)に設定したものであり、各パス領域内の記録デューティーは、18.75%〜31.25%までの分布となる。そして、このように各分割領域e1、e2における記録デューティーを設定することにより、記録ヘッドの両端部に位置するノズルnの使用頻度は低減され、端部ヨレの発生数を確実に抑えることができ、白スジの発生を低減することができる。この白スジの抑制効果は、第2の実施形態において形成される画像(図19参照)と、従来の4パス記録によって形成される画像(図18参照)とを比較すれば明らかである。
【0156】
図18に示す画像は、各パス領域Eへの記録デューティーを均一な値(25%デューティー)に設定して形成される画像である。図示のように、この画像では、4ドット中の1ドット(25%)に端部ヨレが発生することとなり、この端部ヨレの発生は、マルチパス数がさらに減少した場合に一層顕著となり、これが白スジとして明確に認知されることとなる。
これに対し、この第2の実施形態においては、4パス記録の場合にあって、図17(b)に示すように、端部の分割領域e1、e2の記録デューティーが6.25%(従来の均一デューティーの1/4)に設定され、かつ記録ヘッドH1001の中央部に近い領域ほど記録デューティーが高くなるように設定されている。
【0157】
このように、端部の記録デューティーを低い値に設定することより、画像における端部ヨレは、16ドット中1ドットという極めて低い頻度で発生することとなり、その端部ヨレが白スジとして認識されることはなくなる。従って、画像におけるバンドルが上記第1の実施形態と同様に解消されることに加え、さらに端部ヨレに起因する白スジの発生も解消でき、より高品質な画像を得ることができる。
【0158】
なお、この第2の実施形態においては、パス領域Eを2分割した場合を例にとり説明したが、上記分割数は3分割以上とすることも可能である。例えば、図20(a)、図20(b)に示すように、一つのパス領域Eを4つの分割領域e1、e2、e3、e4に分割することも可能である。この場合、両端部に位置する分割領域e1、e4の記録デューティーは、12.5%という比較的低い値に設定され、かつ、その他の分割領域は、ここでも記録ヘッドの内側に向かうに従って高い値に設定されている。
【0159】
また、図20(b)において、M1はこの記録デューティーを設定するためのランダムマスクパターンを、図20(a)におけるMは、均一デューティーにて4パス記録を行なう場合のランダムマスクパターンをそれぞれ模式的に示している。図からも明らかなように、マスクパターンMは、集中ドットdが均一に存在しているが、マスクパターンM1は端部に向かうに従って集中ドットd1がより分散された状態となっている。
【0160】
(第3の実施形態)
次に本発明におけるインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法の第3の実施形態を説明する。
【0161】
上記第1、第2の実施形態では、乱数の周期が短い場合、出力画像に繰り返しパターンが生じたり、乱数として一様乱数を用いたとき、乱数の低周波成分により粒状性が悪化するということも懸念される。そこで、この実施形態では、複数の記録素子を有する記録ヘッドを記録媒体に対して相対的に移動する移動手段と、前記記録ヘッドを複数の領域に分割し、記録媒体上の同一領域に対して、前記記録ヘッドの分割された同一のまたは異なる領域を用いて複数回の走査を行い、各走査で間引きパターンに従って間引き画像を形成して画像を完成させる記録装置において、任意のレベルで二値化された際に、非記録画素と記録画素の配置が視覚的に好ましくなるような疑似周期的マスク配列と、前記マスク配列から複数のマスクパターンを生成するマスク生成手段と、前記マスクパターンを前記各記録領域に対する間引きパターンとして記録データを間引くための間引き手段とを有することを特徴とする。
【0162】
上記構成において、疑似周期的マスク配列(擬似ランダムマスク配列とも呼ぶ)は、一様乱数と比べて低周波成分が少ないため、繰り返しパターンの発生や粒状性の悪化を防止するように働く。図27は本発明の第3例である画像記録装置の構成を示すブロック図である。10は画像データの入力端子、11は一回の走査により印字される画像データを蓄積しておくための画像バッファ、12は画像データとマスクデータの同期を取るためのアドレスカウンタ、13はマスクデータを生成するマスク生成部、14はマスクデータを格納するためのマスクバッファ、15は画像データとマスクデータからヘッド駆動信号を生成するマスク処理部、16はヘッド駆動信号に従い画像を形成するプリンタ、17は予め他の装置により生成された母マスクデータを格納するための母マスクメモリ(ROM)である。
【0163】
プリンタ16は、記録ヘッド101を記録媒体104に対して相対的に縦横に移動することにより、記録媒体上に画像を形成する。記録ヘッド101は複数の記録素子から構成され、各記録素子はインクジェット方式によりインクを記録媒体上に吐出することにより画像を形成するものとする。102は記録ヘッドを移動するための移動部であり、103は記録媒体を搬送する搬送部である。このようなプリンタにおいては、記録ヘッド101を構成する記録素子の配置や特性のばらつき、あるいは移動装置および搬送装置の機械的精度等により、画像上に帯状の濃度むらが発生することは避け難い。
【0164】
図28は記録ヘッド101の構成例を示す図である。図28においては、説明を簡単にするため用紙搬送方向に記録素子が一列に配置された構成を有する記録ヘッドを示しているが、記録素子の数、配置は任意であり、たとえば記録素子が複数列あっても、記録素子がジグザグに配置されているような構成であっても良い。図28において、120は記録素子であり縦に一定間隔で16個配置されている。
【0165】
記録ヘッド101は記録媒体104に対し、左から右に移動しながら一定の駆動間隔で各記録素子を駆動し記録媒体上に画像を記録する。一回の走査が終了すると、記録ヘッドを左端に戻すと同時に、記録媒体を一定量搬送する。以上の処理を繰り返すことにより画像の記録が行われる。
【0166】
一回の走査毎の記録媒体の搬送量を記録素子の数より少なくすることによりマルチパス記録法による印字が行われる。本実施形態では、記録媒体の搬送量を記録素子の数の1/4とした場合について説明する。
【0167】
図29(a)〜図29(d)は、マスク処理部15により画像バッファ11およびマスクバッファ14から記録ヘッド制御信号を生成する手順を説明する図である。画像バッファ11は、横方向が印字可能な横画素数と同数で、縦方向が記録素子と同数の画素を記録できるメモリである。図29(a)〜図29(d)では都合上、横画素数を16画素としているが、実際の画像バッファの横画素数は、記録媒体の横方向に記録可能な画素数と同数である。例えば、記録媒体上で記録可能な領域の横幅が8インチであり、プリンタの解像度が600DPIであれば、記録可能な横画素数は、4800画素であるから、画像バッファの横画素数も4800画素となる。図29(a)〜(d)において、各ます目が画素に対応しており、白のます目30は当該画素を記録しないことを表し、黒のます目31は当該画素を記録することを表す。また、マスクバッファ14のサイズは横方向は16画素、縦方向は記録素子と同数の16画素とした。
【0168】
図29(a)は、第一の走査における記録ヘッド制御信号を生成するためのマスク処理を示した図である。まず、第一の走査においては画像バッファ11の下側4画素分の領域に入力画像の上端から4画素分の画像データが格納される。次に、後述する手順によりマスク生成部13から生成された第一のマスクパターン32と画像バッファ11の画素毎のAND演算を行い、ヘッド駆動信号を生成する。すなわち、画像バッファ11およびマスクパターン32が両方とも記録状態の画素に対応する記録素子のみを駆動する。
【0169】
図29(b)は、第二の走査における記録ヘッド制御信号を生成するためのマスク処理を示した図である。第一の走査が行われた後、搬送部103により記録素子の数の1/4、すなわち4画素分の紙送りが行われる。従って、画像バッファの内容も4画素分上に移動し、追加の4画素分のデータを画像データ入力端子より取得し画像バッファに格納する。図では説明の都合上、画像データを移動しているように表現しているが、画像バッファをリングバッファとして構成しておけばバッファ内での画像データの移動をアドレスカウンタの変更のみで処理できるため便利である。次に、後述する手順によりマスク生成部13から生成された第二のマスクパターン34と画像バッファ11の画素毎のAND演算を行い、ヘッド駆動信号35を生成する。
【0170】
図29(c)は、第3の走査における記録ヘッド制御信号を生成するためのマスク処理を示した図である。第二の走査が行われた後、搬送部103により記録素子の数の1/4、すなわち4画素分の紙送りが行われる。従って、画像バッファの内容も4画素分上に移動し、追加の4画素分のデータを画像データ入力端子より取得し画像バッファに格納する。次に、後述する手段によりマスク生成部13から生成された第三のマスクパターン36と画像バッファ11の画素毎のAND演算を行い、ヘッド駆動信号を生成する。
【0171】
図29(d)は、第4の走査における記録ヘッド制御信号を生成するためのマスク処理を示した図である。第三の走査が行われた後、搬送部103により記録素子の数の1/4、すなわち4画素分の紙送りが行われる。従って、画像バッファの内容も4画素分上に移動し、追加の4画素分のデータを画像データ入力端子より取得し画像バッファに格納する。次に、後述する手段によりマスク生成部13から生成された第四のマスクパターン38と画像バッファ11の画素毎のAND演算を行い、ヘッド駆動信号を生成する。
【0172】
以上の4回の走査により、画像上端の4画素分の画像の印字処理が終了する。以下同様な処理を繰り返すことにより、画像全体の印字処理を行う。なお、第五の走査においては、すでに画像上端4画素分の印字は終了しているので、画像バッファ上端4画素分のデータを捨て、新たに生じた空き領域に追加の4画素分のデータを格納する。
【0173】
次に、母マスクデータの作成手順を図30のフローチャートに従って説明する。
本実施形態においては、母マスクのサイズは縦横16画素とする。まず、1レベル目のドット配置をランダムに一つ決める(ステップS40)。ここでは、最初のドット位置を(x0、y0)とする。次に、母マスクデータを初期化する(ステップS41)。すなわち最初のドット位置(x0、y0)のマスク値を254にその他のマスク値を255とする。次にポテンシャルの初期化を行う(ステップS42)。ポテンシャルはドット位置からの距離rに対して以下の関数f(r)で与えられるものとする。
【0174】
f(r)=−0.41r+1.21 (r<2)
f(r)=2.76exp(−r) (2≦r<10)
f(r)=0 (r≧10)
従って、ドット位置(x0、y0)による、マスク位置(x、y)に対するポテンシャルP(x、y)は、次式で求められる。
【0175】
【数1】
Figure 0004164224
【0176】
図32にポテンシャルの形を示す。このような斥力型のポテンシャルをドット位置に対して与えることにより、すでに発生しているドットの付近に新たなドットが生じることを防ぐ。なお、ポテンシャルの裾がマスクの領域を越える場合は、図33に示すようにマスク領域の反対側に折り返して計算する。これは、マスク境界においてドット配置の不連続性を発生させないためである。
次に、ポテンシャルの最も小さい位置を検索しその位置にドットを追加する(ステップS43)。ポテンシャルの最小値を持つ位置が複数ある場合は、ランダムに一つの位置を選択する。次に、新たに追加したドットを含むすべてのドットの位置に対応するマスク値を1減らす(ステップS44)。次に、新たに追加したドットに対するポテンシャルを加算する(ステップS45)。追加したドットの位置を(x1、y1)とすると、新たなポテンシャルは次式により求められる。
【0177】
【数2】
Figure 0004164224
【0178】
前記ステップS43、S44、S45を母マスクのすべての画素位置にドットが追加されるまで繰り返す。以上のようにして母マスクの生成が行われる。このような手順により、マスク値が一様に分散した視覚的に好ましい疑似周期的マスクパターンを生成することができる。なお、母マスクの生成のための手段は、本画像記録装置に組み込まれる必要はなく、あらかじめ別個の母マスク生成装置により母マスクデータを生成し、結果の母マスクデータのみを母マスクメモリに格納するものとする。
尚、本実施形態にて適用した数式は類似数式であれば、特に限定しなくても構わないものとする。
【0179】
次に、図31のフローチャートに従い、マスク生成部13によりマスクバッファ14に格納されるマスクデータ32、34、36、38の生成手順を説明する。母マスクは縦横16画素で各マスク値が0から255の値を持つ。まず、マスクデータをマルチパスの走査回数に量子化する(ステップS50)。すなわち、本実施形態では4回の走査によるマルチパス印字であるから、マスク値0から63を第一パスに、マスク値64から127を第二パスに、マスク値128から191を第三パスに、マスク値192から255を第四パスに割り当てる。次に、各パスに対応するマスクデータの画素をオンにする(ステップS52)。すなわち、第一パスのマスクデータ32の第一パスに割り当てられた画素位置をオンにし、第二パスのマスクデータ34の第二パスに割り当てられた画素位置をオンとし、第三パスのマスクデータ36の第三パスに割り当てられた画素位置をオンとし、第四パスのマスクデータ38の第四パスに割り当てられた画素位置をオンとする。次に、各パスにおける搬送量に対応して、マスクデータをローテーションする(ステップS52)。すなわち、マスクデータ34を上に4画素分、マスクデータ36を上に8画素分、マスクデータ38を上に12画素分ローテーションする。
【0180】
以上のような構成により、ドットの分散性の高い疑似周期配列の母マスクを用いることにより、短い周期の乱数を用いた場合に生じる繰り返しパターンや、一様乱数によるマスクを用いた場合に生じる粒状性の悪化を防ぐことができる。なお、上記手段により生成したマスクパターンを以後、擬似周期配列マスクパターンと定義する。
【0181】
ここで、擬似周期配列マスクパターンにて、図34に示すように、同一走査領域E(パス領域)を2分割し、各分割領域e1、e2における記録デューティーを異なるものとした場合について説明する。このような分割デューティーとすることにより、視覚特性上、バンディングを見えにくくするものとなっている。図13(a)および図13(b)、図14(c)は、分割領域e1、e2の記録デューティーの設定例をそれぞれ示している。図15(a)は、各分割領域e1、e2が均一のデューティーによって形成された画像を示し、図15(b)は前記2分割デューティーによって形成された画像を示す。いずれの画像もキャリッジを往復動することにより、形成された場合、打ち込み順序の差に起因する色ムラが上記模式図の如く顕著に見られる。なお、図34において、H100Tは、各パス領域Eの記録を行う複数のノズル群を示しており各ノズル群は(図では4個)のノズルnによってそれぞれ構成されている。
【0182】
ここで前述の図14(a)に示す均一デューティーによって形成された画像では、例えば一様なベタパターンを記録した場合、紙送りピッチでバンディングが発生する。この紙送りピッチ程度のピッチでは視覚特性上、バンディングの存在が認知されてしまい、画像品質の劣化を感じる。ところが、この第3の実施形態においても、前記第1の実施形態、第2の実施形態と同様に、紙送りピッチの半分のピッチでバンディングが発生するため、そのバンディング発生ピッチは視覚特性上、認知されるピッチ内におさまり、画像品質の劣化を感じさせることはない。本発明者の実験によれば、338μmのピッチでは、打ち込み順序差などによる色ムラ(バンディング)が視覚特性上認識されにくいことを確認している。但し、それ以上のピッチを減少させても顕著な効果は見られなかった。また、分割数に関しては、例えば4パス記録の場合、各パス領域を4分割した場合に、画像劣化軽減効果が顕著に現れる。
【0183】
さらに、従来までのランダム関数により生成したマスクパターンの場合に対し、粒状性、マスクの周期性(テクスチャ)といった面での飛躍的に改善していることを確認している。
【0184】
以上のように、ある一定領域Eをマルチパス記録にて記録する場合、少ないパス数ほど記録デューティーの設定領域を細分化する方が往復記録にはより好ましいと言える。なお、この記録デューティーは、マルチパス数、分割数の最適な値を種々のメディア特性(吸収性、にじみ)に応じて選択、設定するようにすることも可能である。これは、予めマスクテーブルに格納しておき、上記のの条件に応じて適宜読み出すようにすることで実現できる。
【0185】
(第4の実施形態)
次に、本発明におけるインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法の第4の実施形態を説明する。
この第4の実施形態においては、第3実施形態に示す生成手段と同様な手法にて、前記各主走査によって形成される同一パス領域Eのうち、記録ヘッドの分割領域e1、e2の記録デューティーがその両端部に対応する分割領域e1、e2の内側に位置する分割領域の記録デューティーより小なる値に設定されるものである。
【0186】
すなわち図17(a)に示すように、従来より行われている通常の4パス記録(パス内分割数1)の場合、各ノズル列を4つのパス領域Eに分け、各記録領域Eの記録デューティーを25%としているが、この実施形態においては、図17(b)に示すように各パス領域Eを2分割して分割領域e1、e2を設定し、かつ記録ヘッドH1001の両端部分のノズルnに対応する分割領域e1、e2の記録デューティーをほかの分割領域e1、e2より低い値(6.25%)に設定したものであり、各パス領域内の記録デューティーは、18.75%〜31.25%までの分布となる。
そして、このようにe1、e2における記録デューティーを設定することにより、記録ヘッドの両端部に位置するノズルnの使用頻度は低減され、端部ヨレの発生数を確実に抑えることができ、白スジの発生を低減することができる。この白スジ抑制効果は、第2の実施形態において形成される画像(図19参照)と、従来の4パス記録によって形成される画像(図18参照)とを比較すれば明らかとなる。
【0187】
図18に示す画像は、各パス領域Eへの記録デューティーを均一な値(25%デューティー)に設定して形成される画像である。図示のように、この画像では4ドット中の1ドット(25%)に端部ヨレが発生することになり、この端部ヨレの発生は、マルチパス数をさらに減少させたた場合に一層顕著となり、これが白スジとして明確に認知されることとなる。
これに対し、図19に示す画像は、同じ4パス記録の場合にあって図17Bに示すように、端部の分割領域e1、e2の記録デューティーが6.25%(従来の均一デューティーの1/4)に設定され、かつ記録ヘッドH1001の中央部に近い領域ほど記録デューティーが高くなるように設定されている。
このように、端部の記録デューティーを低い値に設定することにより、画像における端部ヨレは、16ドット中1ドットという極めて低い頻度で発生することとなり、その端部ヨレが白スジとして認知されることはなくなる。従って、画像におけるバンドルが上記第1の実施形態と同様に解消されることに加え、さらに端部ヨレに起因する白スジの発生も解消でき、より高品質な画像を得ることができる。
【0188】
なお、この第2実施形態においては、パス領域Eを2分割した場合を例にとり説明しているが、上記分割数は3分割以上とすることも可能である。例えば、図35(a)は全ての分割領域e1,e2,e3,e4で記録デューティーが25%という均一なマスクパターンを示している。これに対し、図35(b)に示すように、両端部に位置する分割領域e1、e4の記録デューティーは6.25%という比較的低い値に設定され、かつその分割領域はここでも記録ヘッドの内側へ向かうに従って高い値に設定されている。なお、図35(a)においては、記録デューティーが25%という均一なマスクパターンであるので、上述のように、分割することは必ずしも必要ではない。
【0189】
また、図35(b)において、M1はこの記録デューティーを設定するための擬似周期配列マスクパターンを、図35(a)におけるMは、均一デューティーにて4パス記録を行う場合の擬似周期配列マスクパターンをそれぞれ模式的に示している。図からも明らかなように、マスクパターンM1は端部に向かう従って集中ドットd1がより分散された状態となっている。
【0190】
このように、上記第3の実施形態及び第4の実施形態によれば、擬似周期的配列にて視覚的に好ましいドット配置を持つマスクパターンを生成することにより、乱数によるマスクパターンに比べて、繰り返しパターンの発生や粒状性をより低減することができる。
【0191】
なお、本発明が有効に用いられる一形態は、電気熱変換体が発生する熱エネルギーを利用して液体に膜沸騰を生じさせ、気泡を形成する形態である。
【0192】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明によれば、各記録走査にて記録される同一記録領域内を分割し、その分割領域における記録デューティーを異なるものにしたため、通常紙送りピッチにて認知されるバンディングの発生領域を短くすることができ視角特性上、優れた効果が得られる。
また、前記各主走査によって形成される同一領域のうち、両端部に位置する分割領域に対する記録デューティーをその内側に位置する分割領域の記録デューティーより小なる値に設定し、記録ヘッドの両端部に位置するノズルの使用頻度を抑えるようにしたため、端部ノズルにおける液滴の着弾位置ズレの発生回数を低減することができ、より良好な画像品質を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるインクジェットプリンタの外観構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示すプリンタの外装部材を取り外した状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態によるプリンタに用いる記録ヘッドカートリッジを組立てた状態を示す斜視図である。
【図4】図3に示す記録ヘッドカートリッジを示す分解斜視図である。
【図5】図4に示した記録ヘッドを斜め下方から観た分解斜視図である。
【図6】(a),(b)は図3の記録ヘッドカートリッジに代えて本発明の実施形態によるプリンタに搭載可能なスキャナカートリッジの構成を示すために、そのスキャナカートリッジを天地逆にして示す斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態のプリンタにおける電気的回路の全体構成を概略的に示すブロック図である。
【図8】図7に示した電気回路のうちメインPCBの内部構成例を示すブロック図である。
【図9】図8に示したメインPCBのうちASICの内部構成例を示すブロック図である。
【図10】本発明の一実施形態のプリンタの動作例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第1の実施形態における記録ヘッドを模式的に示す平面図である。
【図12】本発明の第1の実施形態における画像処理部を示すブロック図である。
【図13】同上実施形態における4パス記録において各パス内での記録デューティを示す図で、(a)は各走査記録領域均一なデューティ(25%)で記録する場合を、(b)は各走査記録領域の記録デューティを異なるものとした場合をそれぞれ示している。
【図14】同上実施形態における4パス記録において各パス内の記録デューティーを示す図で、(a)は均一なデューティに設定した場合を、(b)は各パス内の各分割領域における記録デューティを異なる値に設定した場合をそれぞれ示している。
【図15】(a)は同上実施形態において通常の4パス記録に使用するランダムマスタパターンを示す模式図、(b)は同上実施形態において4パス記録に使用するランダムマスタパターンを示す模式図である。
【図16】同上実施形態において4パス記録にて形成される画像の模式図であり、各パス領域内を2分割し、各領域内の記録デューティーを異なる値に設定した場合を示している。
【図17】同上実施形態において4パス記録における各パス内の記録デューティーを示す図で、(a)は均一なデューティーに設定した場合を、(b)は各パス内の各分割領域における記録デューティーを異なる値に設定した場合をそれぞれ示す。
【図18】同上実施形態において4パス記録にて形成される画像の模式図であり、(a)は各パス領域内を均一記録デューティーにて形成した場合を、(b)は各パス領域内を2分割し、各領域内の記録デューティーを異なる値に設定した場合をそれぞれ示している。
【図19】同上実施形態において、4パス記録において記録領域の端部のみを6.25%の記録デューティにて形成した画像を示す模式図である。
【図20】(a)は均一デューティーにて4パス記録を行なう場合のランダムマスクパターンを、(b)は異なる記録デューティーを設定するためのランダムマスクパターンをそれぞれ模式的に示す図である。
【図21】同上実施形態におけるパス数決定部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図22】同上実施形態において1ページの記録媒体に複数の色の領域から構成される画像を記録する例を示す図である。
【図23】同上実施形態においてヨレの標準偏差に基づき決定した閾値によりパス数を決定する場合のフローチャートである。
【図24】同上実施形態における画像処理の他の機能構成例を示すブロック図である。
【図25】同上実施形態において1ページの記録媒体に記録される画像に黒文字と自然画とが混在する例を示す図である。
【図26】同上実施形態における画像処理のさらに他の機能構成例を示すブロック図である。
【図27】本発明の第3の実施形態である画像記録装置の構成を示すブロック図である。
【図28】本発明の第3の実施形態における記録ヘッドの構成例を示す図である。
【図29】同上実施形態におけるマスク処理部によって画像バッファ及びマスクバッファから記録ヘッド制御信号を生成する手順を説明する図であり、(a)は第1走査における記録ヘッド制御信号を生成するためのマスク処理を示した図、(b)は第2走査における記録ヘッド制御信号を生成するためのマスク処理を示した図、(c)は第3走査における記録ヘッド制御信号を生成するためのマスク処理を示した図、(d)は第4走査における記録ヘッド制御信号を生成するためのマスク処理を示した図である。
【図30】同上実施形態における母マスクデータの作成手順を示すフローチャートである。
【図31】同上実施形態においてマスク処理部によりマスクバッファに格納されるマスクデータの生成手順を示すフローチャートである。
【図32】同上実施形態においてマスク位置に対するポテンシャルを示す図である。
【図33】同上実施形態においてポテンシャルの裾がマスクの領域を越える場合の計算方法を示す説明図である。
【図34】同上実施形態において4パス記録にて形成される画像の模式図であり、各パス領域を2分割し、各領域内の記録デューティーを擬似周期配列マスクパターンを用いて異なる値に設定した場合を示す図である。
【図35】(a)は一つのパス領域を4分割し、各パス領域の記録デューティーを均一デューティにて4パス記録を行う場合の擬似周期配列マスクパターンを模式的に示す図、(b)は一つのパス領域を4分割し、各パス領域の記録デューティーを異なる値に設定した状態、及びその状態における擬似周期配列的マスクパターンを模式的に示す図である。
【図36】(a)は記録ヘッドから吐出されるインク滴の適正吐出状態を示す模式図、(b)は同図(a)のインク滴の吐出によって得られる滴濃度ムラの無い画像を示す模式図、(c)は同図(b)に示す画像の濃度分布を示す線図である。
【図37】(a)は記録ヘッドから吐出されるインク滴のバラツキ状態を示す模式図、(b)は同図(a)のインク滴の吐出によって得られる滴濃度ムラの生じた画像を示す模式図、(c)は同図(b)に示す画像の濃度分布を示す線図である。
【図38】同上実施形態において、マルチパス記録(2パス記録)を行なった場合を示す図であり、(a)は記録ヘッドから吐出されるインク滴の吐出状態を示す模式図、(b)は同図(a)のインク滴の吐出によって得られる滴濃度ムラの生じた画像を示す模式図、(c)は同図(b)に示す画像の濃度分布を示す線図である。
【図39】同上実施形態において、マルチパス記録(2パス記録)によって形成される画像を示す図であり、(a)は1パス目で形成される画像を、(b)は2パス目で形成される画像を、(c)は3パス目で形成される画像をそれぞれ示している。
【図40】記録ヘッドを模式的に示す平面図である。
【図41】記録ヘッド側から見た液滴の端部よれ現象発生状態を示す模式図である。
【符号の説明】
M1000 装置本体
M1001 下ケース
M1002 上ケース
M1003 アクセスカバー
M1004 排出トレイ
M2015 紙間調整レバー
M2003 排紙ローラ
M3001 LFローラ
M3019 シャーシ
M3022 自動給送部
M3029 搬送部
M3030 排出部
M4000 記録部
M4001 キャリッジ
M4002 キャリッジカバー
M4007 ヘッドセットレバー
M4021 キャリッジ軸
M5000 回復系ユニット
M6000 スキャナ
M6001 スキャナホルダ
M6003 スキャナカバー
M6004 スキャナコンタクトPCB
M6005 スキャナ照明レンズ
M6006 スキャナ読取レンズ1
M6100 保管箱
M6101 保管箱ベース
M6102 保管箱カバー
M6103 保管箱キャップ
M6104 保管箱バネ
E0001 キャリッジモータ
E0002 LFモータ
E0003 PGモータ
E0004 エンコーダセンサ
E0005 エンコーダスケール
E0006 インクエンドセンサ
E0007 PEセンサ
E0008 GAPセンサ(紙間センサ)
E0009 ASFセンサ
E0010 PGセンサ
E0011 コンタクトFPC(フレキシブルプリントケーブル)
E0012 CRFFC(フレキシブルフラットケーブル)
E0013 キャリッジ基板
E0014 メイン基板
E0015 電源ユニット
E0016 パラレルI/F
E0017 シリアルI/F
E0018 電源キー
E0019 リジュームキー
E0020 LED
E0021 ブザー
E0022 カバーセンサ
E1001 CPU
E1002 OSC(CPU内蔵オシレータ)
E1003 A/D(CPU内蔵A/Dコンバータ)
E1004 ROM
E1005 発振回路
E1006 ASIC
E1007 リセット回路
E1008 CRモータドライバ
E1009 LF/PGモータドライバ
E1010 電源制御回路
E1011 INKS(インクエンド検出信号)
E1012 TH(サーミスタ温度検出信号)
E1013 HSENS(ヘッド検出信号)
E1014 制御バス
E1015 RESET(リセット信号)
E1016 RESUME(リジュームキー入力)
E1017 POWER(電源キー入力)
E1018 BUZ(ブザー信号)
E1019 発振回路出力信号
E1020 ENC(エンコーダ信号)
E1021 ヘッド制御信号
E1022 VHON(ヘッド電源ON信号)
E1023 VMON(モータ電源ON信号)
E1024 電源制御信号
E1025 PES(PE検出信号)
E1026 ASFS(ASF検出信号)
E1027 GAPS(GAP検出信号)
E0028 シリアルI/F信号
E1029 シリアルI/Fケーブル
E1030 パラレルI/F信号
E1031 パラレルI/Fケーブル
E1032 PGS(PG検出信号)
E1033 PM制御信号(パルスモータ制御信号)
E1034 PGモータ駆動信号
E1035 LFモータ駆動信号
E1036 CRモータ制御信号
E1037 CRモータ駆動信号
E0038 LED駆動信号
E1039 VH(ヘッド電源)
E1040 VM(モータ電源)
E1041 VDD(ロジック電源)
E1042 COVS(カバー検出信号)
E2001 CPU I/F
E2002 PLL
E2003 DMA制御部
E2004 DRAM制御部
E2005 DRAM
E2006 1284 I/F
E2007 USB I/F
E2008 受信制御部
E2009 圧縮・伸長DMA
E2010 受信バッファ
E2011 ワークバッファ
E2012 ワークエリアDMA
E2013 記録バッファ転送DMA
E2014 プリントバッファ
E2015 記録データ展開DMA
E2016 展開用データバッファ
E2017 カラムバッファ
E2018 ヘッド制御部
E2019 エンコーダ信号処理部
E2020 CRモータ制御部
E2021 LF/PGモータ制御部
E2022 センサ信号処理部
E2023 モータ制御バッファ
E2024 スキャナ取込みバッファ
E2025 スキャナデータ処理DMA
E2026 スキャナデータバッファ
E2027 スキャナデータ圧縮DMA
E2028 送出バッファ
E2029 ポート制御部
E2030 LED制御部
E2031 CLK(クロック信号)
E2032 PDWM(ソフト制御信号)
E2033 PLLON(PLL制御信号)
E2034 INT(割り込み信号)
E2036 PIF受信データ
E2037 USB受信データ
E2038 WDIF(受信データ/ラスタデータ)
E2039 受信バッファ制御部
E2040 RDWK(受信バッファ読み出しデータ/ラスタデータ)
E2041 WDWK(ワークバッファ書込みデータ/記録コード)
E2042 WDWF(ワークフィルデータ)
E2043 RDWP(ワークバッファ読み出しデータ/記録コード)
E2044 WDWP(並べ替え記録コード)
E2045 RDHDG(記録展開用データ)
E2047 WDHDG(カラムバッファ書込みデータ/展開記録データ)E2048 RDHD(カラムバッファ読み出しデータ/展開記録データ)
E2049 ヘッド駆動タイミング信号
E2050 データ展開タイミング信号
E2051 RDPM(パルスモータ駆動テーブル読み出しデータ)
E2052 センサ検出信号
E2053 WDHD(取込みデータ)
E2054 RDAV(取込みバッファ読み出しデータ)
E2055 WDAV(データバッファ書込みデータ/処理済データ)
E2056 RDYC(データバッファ読み出しデータ/処理済データ)
E2057 WDYC(送出バッファ書込みデータ/圧縮データ)
E2058 RDUSB(USB送信データ/圧縮データ)
E2059 RDPIF(1284送信データ)
H1000 記録ヘッドカートリッジ
H1001 記録ヘッド
H1100 記録素子基板
H1100T 吐出口
H1200 第1のプレート
H1201 インク供給口
H1300 電気配線基板
H1301 外部信号入力端子
H1400 第2のプレート
H1500 タンクホルダー
H1501 インク流路
H1600 流路形成部材
H1700 フィルター
H1800 シールゴム
H1900 インクタンク
n ノズル
N ノズル群

Claims (20)

  1. 複数のノズルを配列してなる記録ヘッドを記録媒体上の所定の記録領域に対して複数回走査させ、前記複数回の走査各々で前記記録ヘッドの異なるノズル群を用いて間引き画像を記録することにより、前記所定の記録領域に記録すべき画像を完成させるインクジェット記録装置であって、
    前記所定の記録領域に対応する画像データを前記複数回の走査夫々で用いるノズル群に対応する複数の間引きマスクパターンを用いて間引くことにより、前記複数回の走査各々で記録すべき画像データを生成する手段と、
    前記複数回の走査各々で、前記所定の記録領域に対向するノズル群を用いて前記生成された画像データに基づいて前記間引き画像を記録する記録制御手段とを備え、
    前記複数の間引きマスクパターン夫々は、前記ノズル配列の中央部寄りのノズルに対応した部分よりも端部寄りのノズルに対応した部分の方が記録画素の割合が小さくなるように記録画素と非記録画素が配列されてなり、
    前記記録ヘッドの端部ノズルを含むノズル群に対応した前記間引きマスクパターンの記録画素の割合は、前記端部ノズルを含まないノズル群に対応した前記間引きマスクパターンの記録画素の割合よりも小さいことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 複数のノズルを配列してなる記録ヘッドを記録媒体上の所定の記録領域に対して複数回走査させ、前記複数回の走査各々で前記記録ヘッドの異なるノズルを用いて間引き画像を記録することにより、前記所定の記録領域に記録すべき画像を完成させるインクジェット記録装置であって、
    前記複数のノズルを所定数単位で分割してなる複数のノズル群夫々を前記複数回の走査各々において前記所定の記録領域に対向させるために、単一の前記ノズル群に対応する量だけ前記記録媒体を搬送する搬送手段と、
    前記複数回の走査各々で用いられるノズル群夫々に対応する複数の間引きマスクパターンを用いて前記所定の記録領域に対応する画像データを間引くことにより、前記複数回の走査各々において各ノズル群により記録すべき画像データを生成する手段と、
    前記複数回の走査の各々において、前記所定の記録領域に対向するノズル群を用いて、前記生成された画像データに基づいて前記間引き画像を記録する記録制御手段とを備え、
    前記複数の間引きマスクパターン夫々は、前記ノズル配列に沿って当該配列の中央部側から端部側に向かうに従って記録画素の割合が小さくなるように記録画素と非記録画素が配列されてなり、
    前記記録ヘッドの端部ノズルを含むノズル群に対応した間引きマスクパターンの記録画素の割合は前記端部ノズルを含まないノズル群に対応した前記間引きマスクパターンの記録画素の割合よりも小さいことを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 前記間引きマスクパターンは、前記端部側のノズルに対応する第1の部分と前記中央部側のノズルに対応する第2の部分を含み、
    前記第1の部分における記録画素の割合は、前記第2の部分における記録画素の割合より小さいことを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記端部ノズルを含むノズル群に対応した前記間引きマスクパターン内の前記第2の部分における記録画素の割合は、前記端部ノズルを含まないノズル群に対応した前記間引きマスクパターン内の前記第1の部分における記録画素の割合より大きいことを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記間引きマスクパターンは、前記非記録画素と前記記録画素とが一様に分散配置される擬似周期的配列であることを特徴とする請求項1または2記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記記録ヘッドを用いて記録された画像のスジムラ量を検出するスジムラ量検出手段をさらに備え、
    前記スジムラ量検出手段は、所定のテスト画像を記録ヘッドにて記録させる制御部と、前記記録されたテスト画像を光学的センサを用いて読み取らせる読み取り部と、その読み取り結果に基づいて記録ヘッドのスジムラ量を求める演算部と、その演算部の演算結果を格納するレジスタとを有することを特徴とする請求項1ないし5いずれか記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記記録ヘッドは、各ノズルから1回の吐出動作によって吐出されるインクの量が4pl以下であることを特徴とする請求項1ないし6いずれか記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記記録ヘッドは、各ノズルから1回の吐出動作によって吐出されるインクによる平均ドット径が50μm以下であることを特徴とする請求項1ないし7いずれか記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記記録ヘッドは、600dpi以上の密度でノズルが配列されたことを特徴とする請求項1ないし8いずれか記載のインクジェット記録装置。
  10. 複数のノズルを配列してなる記録ヘッドを記録媒体の所定の記録領域に対して複数回走査させ、前記複数回の走査各々で前記記録ヘッドの異なるノズル群を用いて間引き画像を記録することにより、前記所定の記録領域に記録すべき画像を完成させるインクジェット記録装置であって、
    前記複数回の走査各々において前記異なるノズル群を前記所定の記録領域に対向させるために、前記所定の記録領域におけるノズル配列方向の幅に対応する量だけ前記記録媒体を搬送する搬送手段と、
    前記所定の記録領域に対応する画像データを前記複数回の走査夫々で用いるノズル群に対応する複数の間引きマスクパターンを用いて間引くことにより、前記複数回の走査各々で記録すべき画像データを生成する手段と、
    前記複数回の走査各々において、前記所定の記録領域に対向するノズル群を用い、前記生成された画像データに基づいて前記間引き画像を記録する記録制御手段とを備え、
    前記複数の間引きマスクパターン夫々は、前記ノズル配列に沿った当該配列の中央部側から端部側に向かうに従って記録率が小さくなり、
    前記記録ヘッドの端部ノズルを含むノズル群に対応した前記間引きマスクパターンの記録率は、前記端部ノズルを含まないノズル群に対応した前記間引きマスクパターンの記録率よりも小であることを特徴とするインクジェット記録装置。
  11. 前記間引きマスクパターンの記録率とは、前記間引きマスクパターンを構成する記録画素と非記録画素のうち記録画素が占める割合であることを特徴とする請求項10に記載のインクジェット記録装置。
  12. 複数のノズルを配列してなる記録ヘッドを記録媒体の所定の記録領域に対して複数回走査させ、前記複数回の走査各々で前記記録ヘッドの異なるノズル群を用いて間引き画像を記録することにより、前記所定の記録領域に記録すべき画像を完成させるインクジェット記録装置であって、
    記録画素と非記録画素が配列されてなる間引きマスクパターンであって、前記複数回の走査夫々で使用されるノズル群夫々に対応する複数の前記間引きマスクパターンを記憶したメモリと、
    前記所定の記録領域に対応する画像データと前記メモリから読み出した複数の間引きマスクパターンに基づいて、前記複数回の走査各々で異なるノズル群により記録すべき画像データを生成する手段と、
    前記複数回の走査の各々において、前記所定の記録領域に対向するノズル群を用いて、前記生成された画像データに基づいて前記間引き画像を記録する記録制御手段とを備え、
    前記複数の間引きマスクパターン夫々は、単一の前記ノズル群が分割されてなる小ノズル群夫々に対応する複数の部分として、前記記録ヘッドの中央部ノズルから相対的に遠い小ノズル群に対応する第1の部分と前記中央部ノズルに相対的に近い小ノズル群に対応する第2の部分を少なくとも含み、且つ前記第1の部分における記録画素の割合は前記第2の部分における記録画素の割合よりも小であり、
    前記記録ヘッドの端部ノズルを含むノズル群に対応した前記間引きマスクパターンの記録画素の割合は、前記中央部ノズルを含むノズル群に対応した前記間引きマスクパターンの記録画素の割合よりも小であることを特徴とするインクジェット記録装置。
  13. 複数のノズルを配列してなる記録ヘッドを記録媒体の所定の記録領域に対して2回走査させ、前記2回の走査各々で前記記録ヘッドの異なるノズル群を用いて間引き画像を記録することにより、前記所定の記録領域に記録すべき画像を完成させるインクジェット記録装置であって、
    記録画素と非記録画素が配列されてなる間引きマスクパターンであって、前記2回の走査夫々で使用されるノズル群夫々に対応する2つの前記間引きマスクパターンを記憶したメモリと、
    前記所定の記録領域に対応する画像データと前記メモリから読み出した前記2つの間引きマスクパターンに基づいて、前記2回の走査各々で異なるノズル群により記録すべき画像データを生成する手段と、
    前記2回の走査の各々において、前記所定の記録領域に対向するノズル群を用いて、前記生成された画像データに基づいて前記間引き画像を記録する記録制御手段とを備え、
    前記2つの間引きマスクパターン夫々は、前記ノズル配列に沿って当該配列の中央部側から端部側へ向かうに従って記録画素の割合が複数段階で徐々に小さくなるように記録画素と非記録画素とが配列されてなり、
    前記複数段階は3段階以上であることを特徴とするインクジェット記録装置。
  14. 複数のノズルを配列してなる記録ヘッドを記録媒体上の所定の記録領域に対して2回走査させ、前記2回の走査各々で前記記録ヘッドの異なるノズル群を用いて間引き画像を記録することにより、前記所定の記録領域に記録すべき画像を完成させるインクジェット記録装置であって、
    前記複数のノズルを2分割してなる2つのノズル群夫々を前記2回の走査各々において前記所定の記録領域に対向させるために、単一の前記ノズル群に対応する量だけ前記記録媒体を搬送する搬送手段と、
    前記2回の走査各々で用いられるノズル群夫々に対応する2つの間引きマスクパターンを用いて前記所定の記録領域に対応する画像データを間引くことにより、前記2回の走査各々において各ノズル群により記録すべき画像データを生成する手段と、
    前記2回の走査の各々において、前記所定の記録領域に対向するノズル群を用いて、前記生成された画像データに基づいて前記間引き画像を記録する記録制御手段とを備え、
    前記2つの間引きマスクパターン夫々は、前記ノズル配列に沿って当該配列の中央部側から端部側に向かうに従って記録画素の割合が複数段階で徐々に小さくなるように記録画素と非記録画素が配列されてなり、
    前記複数段階は3段階以上である特徴とするインクジェット記録装置。
  15. 複数のノズルを配列してなる記録ヘッドを記録媒体上の所定の記録領域に対して複数回走査させ、前記複数回の走査各々で前記記録ヘッドの異なるノズル群を用いて間引き画像を記録することにより、前記所定の記録領域に記録すべき画像を完成させるインクジェット記録方法であって、
    前記所定の記録領域に対応する画像データを前記複数回の走査夫々で用いるノズル群に対応する複数の間引きマスクパターンを用いて間引くことにより、前記複数回の走査各々で記録すべき画像データを生成する工程と、
    前記複数回の走査各々で、前記所定の記録領域に対向するノズル群を用いて前記生成された画像データに基づいて前記間引き画像を記録する工程とを有し、
    前記複数の間引きマスクパターン夫々は、前記ノズル配列の中央部寄りのノズルに対応した部分よりも端部寄りのノズルに対応した部分の方が記録画素の割合が小さくなるように記録画素と非記録画素が配列されてなり、
    前記記録ヘッドの端部ノズルを含むノズル群に対応した前記間引きマスクパターンの記録画素の割合は、前記端部ノズルを含まないノズル群に対応した前記間引きマスクパターンの記録画素の割合よりも小さいことを特徴とするインクジェット記録方法。
  16. 複数のノズルを配列してなる記録ヘッドを記録媒体上の所定の記録領域に対して複数回走査させ、前記複数回の走査各々で前記記録ヘッドの異なるノズルを用いて間引き画像を記録することにより、前記所定の記録領域に記録すべき画像を完成させるインクジェット記録方法であって、
    前記複数のノズルを所定数単位で分割してなる複数のノズル群夫々を前記複数回の走査各々において前記所定の記録領域に対向させるために、単一の前記ノズル群に対応する量だけ前記記録媒体を搬送する搬送工程と、
    前記複数回の走査各々で用いられるノズル群夫々に対応する複数の間引きマスクパターンを用いて前記所定の記録領域に対応する画像データを間引くことにより、前記複数回の走査各々において各ノズル群により記録すべき画像データを生成する工程と、
    前記複数回の走査の各々において、前記所定の記録領域に対向するノズル群を用いて、前記生成された画像データに基づいて前記間引き画像を記録する工程とを有し、
    前記複数の間引きマスクパターン夫々は、前記ノズル配列に沿って当該配列の中央部側から端部側に向かうに従って記録画素の割合が小さくなるように記録画素と非記録画素が配列されてなり、
    前記記録ヘッドの端部ノズルを含むノズル群に対応した間引きマスクパターンの記録画素の割合は前記端部ノズルを含まないノズル群に対応した前記間引きマスクパターンの記録画素の割合よりも小さいことを特徴とするインクジェット記録方法。
  17. 複数のノズルを配列してなる記録ヘッドを記録媒体の所定の記録領域に対して複数回走査させ、前記複数回の走査各々で前記記録ヘッドの異なるノズル群を用いて間引き画像を記録することにより、前記所定の記録領域に記録すべき画像を完成させるインクジェット記録方法であって、
    前記複数回の走査各々において前記異なるノズル群を前記所定の記録領域に対向させるために、前記所定の記録領域におけるノズル配列方向の幅に対応する量だけ前記記録媒体を搬送する搬送工程と、
    前記所定の記録領域に対応する画像データを前記複数回の走査夫々で用いるノズル群に対応する複数の間引きマスクパターンを用いて間引くことにより、前記複数回の走査各々で記録すべき画像データを生成する工程と、
    前記複数回の走査各々において、前記所定の記録領域に対向するノズル群を用い、前記生成された画像データに基づいて前記間引き画像を記録する工程とを備え、
    前記複数の間引きマスクパターン夫々は、前記ノズル配列に沿って当該配列の中央部側から端部側に向かうに従って記録率が小さくなり、
    前記記録ヘッドの端部ノズルを含むノズル群に対応した前記間引きマスクパターンの記録率は、前記端部ノズルを含まないノズル群に対応した前記間引きマスクパターンの記録率よりも小であることを特徴とするインクジェット記録方法。
  18. 複数のノズルを配列してなる記録ヘッドを記録媒体の所定の記録領域に対して複数回走査させ、前記複数回の走査各々で前記記録ヘッドの異なるノズル群を用いて間引き画像を記録することにより、前記所定の記録領域に記録すべき画像を完成させるインクジェット記録方法であって、
    記録画素と非記録画素が配列されてなる間引きマスクパターンであって、前記複数回の走査夫々で使用されるノズル群夫々に対応する複数の前記間引きマスクパターンを記憶したメモリから、前記間引きマスクパターンを読み出す工程と、
    前記所定の記録領域に対応する画像データと前記メモリから読み出した複数の間引きマスクパターンに基づいて、前記複数回の走査各々で異なるノズル群により記録すべき画像データを生成する工程と、
    前記複数回の走査の各々において、前記所定の記録領域に対向するノズル群を用いて、前記生成された画像データに基づいて前記間引き画像を記録する工程とを備え、
    前記複数の間引きマスクパターン夫々は、単一の前記ノズル群が分割されてなる小ノズル群夫々に対応する複数の部分として、前記記録ヘッドの中央部ノズルから相対的に遠い小ノズル群に対応する第1の部分と前記中央部ノズルに相対的に近い小ノズル群に対応する第2の部分を少なくとも含み、且つ前記第1の部分における記録画素の割合は前記第2の部分における記録画素の割合よりも小であり、
    前記記録ヘッドの端部ノズルを含むノズル群に対応した前記間引きマスクパターンの記録画素の割合は、前記中央部ノズルを含むノズル群に対応した前記間引きマスクパターンの記録画素の割合よりも小であることを特徴とするインクジェット記録方法。
  19. 複数のノズルを配列してなる記録ヘッドを記録媒体の所定の記録領域に対して2回走査させ、前記2回の走査で前記記録ヘッドの異なるノズル群を用いて間引き画像を記録することにより、前記所定の記録領域に記録すべき画像を完成させるインクジェット記録方法であって、
    記録画素と非記録画素が配列されてなる間引きマスクパターンであって、前記2回の走査夫々で使用されるノズル群夫々に対応する2つの前記間引きマスクパターンを記憶したメモリから、前記間引きマスクパターンを読み出す工程と、
    前記所定の記録領域に対応する画像データと前記メモリから読み出した2つの間引きマスクパターンに基づいて、前記2回の走査各々で異なるノズル群により記録すべき画像データを生成する工程と、
    前記2回の走査の各々において、前記所定の記録領域に対向するノズル群を用いて、前記生成された画像データに基づいて前記間引き画像を記録する工程とを備え、
    前記2つの間引きマスクパターン夫々は、前記ノズル配列に沿って当該配列の中央部側から端部側へ向かうに従って記録画素の割合が複数段階で徐々に小さくなるように記録画素と非記録画素が配列されてなり、
    前記複数段階は3段階以上であることを特徴とするインクジェット記録方法。
  20. 複数のノズルを配列してなる記録ヘッドを記録媒体上の所定の記録領域に対して2回走査させ、前記2回の走査で前記記録ヘッドの異なるノズル群を用いて間引き画像を記録することにより、前記所定の記録領域に記録すべき画像を完成させるインクジェット記録方法であって、
    前記複数のノズルを2分割してなる2つのノズル群夫々を前記2回の走査各々において前記所定の記録領域に対向させるために、単一の前記ノズル群に対応する量だけ前記記録媒体を搬送する工程と、
    前記2回の走査各々で用いられるノズル群夫々に対応する2つの間引きマスクパターンを用いて前記所定の記録領域に対応する画像データを間引くことにより、前記2回の走査各々において各ノズル群により記録すべき画像データを生成する工程と、
    前記2回の走査の各々において、前記所定の記録領域に対向するノズル群を用いて、前記生成された画像データに基づいて前記間引き画像を記録する工程とを備え、
    前記2つの間引きマスクパターン夫々は、前記ノズル配列に沿って当該配列の中央部側から端部側に向かうに従って記録画素の割合が複数段階で徐々に小さくなるように記録画素と非記録画素が配列されてなり、
    前記複数段階は3段階以上である特徴とするインクジェット記録方法。
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