JP4165282B2 - ゴルフクラブヘッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は中空部を有するゴルフクラブヘッドに関し、特にウッド型のゴルフクラブヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ウッド型のゴルフクラブヘッドは、内部を中空にした構造が主流となっている。図4は従来の中空構造のウッド型ゴルフクラブヘッドを示す斜視図であり、図5は図4に示すC−C線による断面図である。従来のウッド型のゴルフクラブヘッドは、図4及び図5に示すように、ボールを打撃するフェース部101と、上面を形成するクラウン部102と、底面を形成するソール部103と、クラウン部102とソール部103との間で側面を形成するサイド部104と、シャフト(図示せず)が装着される筒状のホーゼル部105とで構成される。従来の中空構造のゴルフクラブヘッドにおけるフェース部101は、厚さがほぼ均一で、その内面の形状は平坦状又は僅かに湾曲した曲面状であった。このようなゴルフクラブヘッドの材料としては、例えば、金属材料等が使用される。その場合、各部材は夫々別々又は一体で成形された後、溶接又は接着等により接合され、その後必要に応じて熱処理、研磨及び塗装等が施される。
【0003】
ゴルフクラブヘッド、特にドライバー等のウッド型のゴルフクラブヘッドにおいては、ボールをより遠くに飛ばす飛距離性能が求められる。そこで、フェース部の内面にスウィートスポットを囲むようにして環状の溝を設けて、フェース部の1次固有振動数をボールの1次固有振動数に近づけることにより、飛距離特性を向上させるゴルフクラブヘッドが提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、前述の環状の溝に加えて、フェース部の中央部から外周部に向かって徐々に厚さを薄くすることでフェース部の反発性を高めて、飛距離性能を向上させるゴルフクラブヘッドも提案されている(特許文献2参照)。図6(a)及び(b)は特許文献2で提案されたゴルフクラブヘッドを示す断面図であり、図6(a)は図4に示すC−C線による断面図に相当し、図6(b)は図4に示すD−D線による断面図に相当する。このゴルフクラブヘッドは、図6(a)及び(b)に示すように、ボールを打撃するフェース部101と、上面を形成するクラウン部102と、底面を形成するソール部103と、クラウン部102とソール部103との間で側面を形成するサイド部104と、シャフト(図示せず)が装着される筒状のホーゼル部105とで構成されるウッド型のゴルフクラブヘッドであり、そのフェース部101は、スイートスポット108及びその近傍のフェース部の中心点107とを含みフェース部101において最も厚く且つ厚さが均一な中央部106Aと、この中央部106Aの外縁106Aeからフェース部101の端部に向かい徐々に厚さが薄くなっている周辺部106Bとからなる。また、周辺部106Bの内面には中央部106Aを囲むように環状溝109が形成されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−299519号公報 (第2−3頁、第3−5図)
【特許文献2】
特開2002−239040号公報 (第2−4頁、第1−2図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1で提案されたゴルフクラブヘッドは、インパクト時にフェース部101の内面に形成された環状溝に応力が集中して破壊の起点となる虞がある。また、特許文献2で提案されたゴルフクラブヘッドは、フェース部101の端部に近いほど厚さが薄くなるため、クラウン部102側の端部及びソール部103側の端部における強度が低下し、耐久性に問題がある。一般に、フェース部厚さを中心部と外周部とで変化させたゴルフクラブヘッドにおいては、その厚さが必要以上に薄く設定されていたり、又は厚く設定されていたりすることがある。このようにフェース面の厚さが最適化されていないゴルフクラブヘッドにおいては、反発力を効率的に向上させることは難しく、フェース部の破壊も発生しやすくなる。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、飛距離性能及び耐久性能が優れたゴルフクラブヘッドを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るゴルフクラブヘッドは、ボールを打撃するフェース部と、上面を形成するクラウン部と、底面を形成するソール部と、前記クラウン部とソール部との間で側面を形成するサイド部と、シャフトが装着される筒状のホーゼル部とを有し、内部が中空であるゴルフクラブヘッドにおいて、前記フェース部は、スウィートスポットを含みフェース部の中で厚さが最も厚い中央厚肉部と、前記中央厚肉部を囲むように形成され外縁側になるに従い厚さが薄くなる中央肉厚徐変部と、この中央肉厚徐変部を囲むように形成されフェース部の中で最も厚さが薄い薄肉部と、前記クラウン部側端部に形成され厚さが前記中央厚肉部の厚さ以下である上部厚肉部と、前記上部厚肉部の下縁を囲み前記フェース部の縁部まで延びるように帯状に形成され前記上部厚肉部から前記薄肉部に向けて厚さが薄くなる上部肉厚徐変部と、ソール部側端部に形成され厚さが前記中央厚肉部の厚さ以下である下部厚肉部と、前記下部厚肉部の上縁を囲み前記フェース部の縁部まで延びるように帯状に形成され前記下部厚肉部から前記薄肉部に向けて厚さが薄くなる下部肉厚徐変部と、を有し、各部の境界では厚さが滑らかに変化していることを特徴とする。
【0009】
本発明においては、前記フェース部に薄肉部を設けることによりフェース部全体の剛性が低下し、インパクト時の撓み量が増加する。また、前記フェース部のクラウン部側端部及びソール部側端に厚肉部を設けることにより、前述の特許文献2において問題となっていたクラウン部側端部及びソール部側端部の強度が確保される。更に、前記フェース部の内面は、溝及び段差のない滑らかな面で形成されているため、応力が特定の箇所に集中することがなく、優れた耐久性が得られる。
【0010】
前記ゴルフクラブヘッドは、中央厚肉部の厚さが2.2mm以上であり、上部厚肉部及び下部厚肉部の厚さが前記中央厚肉部の厚さの85乃至100%であり、前記薄肉部の厚さが前記中央厚肉部の厚さの70%以上で且つ85%未満であることが好ましい。これにより、フェース部の各部の肉厚分布が最適化され、強度を劣化させることなくフェース部の反発力を効率的に増大することができる。
【0011】
また、前記ゴルフクラブヘッドにおける中央厚肉部及び中央肉厚徐変部の外縁は、例えば、自由曲線状である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係るゴルフクラブヘッドについて、添付の図面を参照して具体的に説明する。本実施形態のゴルフクラブヘッドは、中空構造を有するウッド型のゴルフクラブヘッドである。図1は本発明のゴルフクラブヘッドを示す斜視図である。また、図2は図1に示すA−A線による断面図であり、図3は図1に示すB−B線による断面図である。
【0013】
本実施形態のゴルフクラブヘッドは、図1に示すように、ボールを打撃するフェース部1と、上面を形成するクラウン部2と、底面を形成するソール部3と、クラウン部2とソール部3との間で側面を形成するサイド部4と、シャフト(図示せず)が装着される筒状のホーゼル部5とで構成される。
【0014】
本実施形態のゴルフクラブヘッドにおけるフェース部1は、図2及び図3に示すように、スウィートスポット15を含みフェース部の中で厚さが最も厚い中央厚肉部(領域A)と、この中央厚肉部(領域A)を囲むように形成され外縁側になる従い厚さが薄くなる中央肉厚徐変部(領域B)と、クラウン部2側の端部に形成され厚さが中央厚肉部(領域A)の厚さ以下である上部厚肉部(領域E)と、この上部厚肉部(領域E)の下縁を囲むように帯状に形成されソール部3側になるに従い厚さが薄くなる上部肉厚徐変部(領域D)と、ソール部3側の端部に形成され厚さが中央厚肉部(領域A)の厚さ以下である下部厚肉部(領域G)と、この下部厚肉部(領域G)の上縁を囲むように帯状に形成されクラウン部2側になるに従い厚さが薄くなる下部肉厚徐変部(領域F)と、それ以外の領域に形成されフェース部1の中で最も厚さが薄い薄肉部(領域C)とからなり、各部の境界では厚さが滑らかに変化している。
【0015】
本実施形態のゴルフクラブヘッドのフェース部1における中央厚肉部(領域A)の厚さt(A)は、2.2mm以上であることが好ましい。この中央厚肉部(領域A)は、耐久性を確保する領域であるため、厚さt(A)が2.2mmより薄くなると十分な耐久性が得られない。なお、フェース部1の外面にフェースライン溝14が形成されている場合は、厚さt(A)はフェースライン溝14が形成されていない部分の厚さとし、以下の部分の厚さについても同様とする。また、トウ13側からホーゼル部5側に向かう方向をX方向、ソール部3側からクラウン部2側に向かう方向をZ方向とした場合、中央厚肉部(領域A)のX方向における最も長い部分の長さa1は10乃至30mmであり、Z方向における最も長い部分の長さa2は5乃至15mmであることが好ましい。X方向における最大長さが10mmより短いと耐久性が低下し、30mmより長いと撓みが少なくなるため反発力が低下する。また、Z方向における最大長さが5mmより短いと耐久性が低下し、15mmより長いと撓みが少なくなり反発特性が低下する。
【0016】
本実施形態のゴルフクラブヘッドのフェース部1においては、クラウン部2側の端部及びソール部3側の端部に夫々上部厚肉部(領域E)及び下部厚肉部(領域G)が設けられている。これらを設けることにより、クラウン部2側端部及びソール部3側端部の強度を確保し、薄肉部(領域C)を設けることによる耐久性の低下を防ぐことができる。この上部厚肉部(領域E)の厚さt(E)及び下部厚肉部(領域G)の厚さt(G)は、中央厚肉部(領域A)の厚さt(A)の85乃至100%であることが好ましい。これらの厚さが中央厚肉部(領域A)の厚さt(A)の85%より薄いと耐久性が低下し、100%より厚い(中央厚肉部より厚い)と撓みが少なくなり反発力が低下する。また、上部厚肉部(領域E)のX方向における最も長い長さe1及び下部厚肉部(領域G)のX方向における最も長い部分の長さg1は20乃至60mmであることが好ましい。更に、Z方向における最も長い部分の長さe2及びg2は2乃至5mmであることが好ましい。X方向における最大長さe1及びg1が20mmより短いと耐久性が低下し、60mmより長いと撓みが少なくなり反発力が低下する。また、Z方向における最大長さe2及びg2が2mmより短いと耐久性が低下し、5mmより長いと撓みが少なくなり反発力が低下する。
【0017】
本実施形態のゴルフクラブヘッドにおいては、中央厚肉部(領域A)を囲むように中央肉厚徐変部(領域B)が設けられている。この中央肉厚徐変部(領域B)は、中央厚肉部(領域A)と薄肉部(領域C)との厚さの差により、フェース部内面に段差が生じ、そこに応力が集中するのを防ぐものであり、図2(b)に示すように、中央厚肉部(領域A)から薄肉部(領域C)に向かう方向に厚さが薄くなっている。中央肉厚徐変部(領域B)のX方向におけるホーゼル部5側の縁とトウ13側の縁との最大間隔b1は40乃至100mmであり、Z方向におけるクラウン部2側の縁とソール部3側の縁との最大間隔b2は20乃至30mmであることが好ましい。X方向における縁の最大間隔b1が40mmより短いと徐変勾配が急になるため、応力集中が発生しやすくなり、耐久性が低下する。また、最大間隔b1が100mmより長いと撓みが少なくなり反発力が低下する。また、Z方向における縁の最大間隔b2が20mmより短いと応力が集中しやすくなり、30mmより長いと撓みが少なくなり反発力が低下する。
【0018】
本実施形態のゴルフクラブヘッドにおいては、上部厚肉部(領域E)と薄肉部(領域C)との間及び下部厚肉部(領域G)と薄肉部(領域C)との間にも、中央肉厚徐変部(領域B)と同様に応力集中を防ぐために、夫々上部肉厚徐変部(領域D)及び下部肉厚徐変部(領域F)が設けられている。この上部肉厚徐変部(領域D)のX方向における最大長さd1及び下部肉厚徐変部(領域F)のX方向における最大長さf1は40乃至85mmであることが好ましい。また、Z方向における最大長さd2及びf2は5乃至15mmであることが好ましい。X方向における最大長さd1及びf1が40mmより短いと耐久性が低下し、85mmより長いと撓みが少なくなり反発力が低下する。また、Z方向における最大長さd2及びf2が5mmより短いと徐変勾配が急になるため応力集中が生じやすくなり、耐久性が低下する。また、最大長さd2及びf2が15mmより長いと反発力が低下する。
【0019】
また、本実施形態のゴルフクラブヘッドのフェース部1における前述の各部以外の領域には、フェース部1の中で最も厚さが薄い薄肉部(領域C)が設けられている。この薄肉部(領域C)の厚さt(C)は、厚肉部(領域A)の厚さt(A)の70%以上で且つ85%未満であることが好ましい。この薄肉部(領域C)の厚さt(C)が、中央厚肉部(領域A)の厚さt(A)の70%より薄いとフェース部の破壊が発生しやすくなり、85%以上であると十分な撓み量が得られないことがある。
【0020】
更に、中央肉厚徐変部(領域B)のクラウン部2側の外縁と上部肉厚徐変部(領域D)のソール部3側の縁又は中央肉厚徐変部(領域B)のソール部3側の外縁と下部肉厚徐変部(領域F)のクラウン部2側の縁との最短部分における間隔cは1乃至3mmであることが好ましい。この間隔cが1mmより少ないと撓み効果が減少し、3mmより大きいと徐変勾配が急になるため、応力集中が発生しやすくなり耐久性が低下する。
【0021】
なお、図2(a)においては、中央厚肉部(領域A)及び中央肉厚徐変部(領域B)の外縁の形状を楕円状としているが、特に限定するものではなく、自由曲線状であればよい。また、上部厚肉部(領域E)及び下部厚肉部(領域G)、又は上部肉厚徐変部(領域D)及び下部肉厚徐変部(領域F)についても同じ大きさ又は厚さにする必要はなく、本発明の範囲内であれば形状又は大きさが異なっていても本発明の効果は得られる。
【0022】
本実施形態のゴルフクラブヘッドのフェース部1における中央肉厚徐変部(領域B)、上部肉厚徐変部(領域D)又は下部肉厚徐変部(領域F)と中央厚肉部(領域A)、上部厚肉部(領域E)、下部厚肉部(領域G)又は薄肉部(領域C)との境界は曲面により形成されている。本実施形態のフェース部1の内面は、溝及び段差等がなく、滑らかな曲面を有して肉厚が変化しているため、インパクト時にフェース部にかかる応力を分散することができる。
【0023】
次に、本実施形態のゴルフクラブヘッドの製造方法について説明する。本実施形態のゴルフクラブヘッドは以下の方法により作製される。先ず、3DCAD等により基本となるゴルフクラブヘッドのモデリングを行う。次に、この基本となるゴルフクラブヘッドのインパクト挙動についてシミュレーションを行い、歪み分布を計算により求める。そして、前記シミュレーションにより得られた歪み分布のデータを基に、中央厚肉部(領域A)、上部厚肉部(領域E)、下部厚肉部(領域G)及び薄肉部(領域C)の夫々の厚さを設定し、フェース部1における肉厚分布を決定する。その後、このように決定された厚み分布を有するフェース部1を実際に作製し、そのフェース部1と、クラウン部2、ソール部3、サイド部4及びホーゼル部8とを溶接又は接着等により接合する。これらの部材は、塑性加工、鍛造製法、又は鋳造法により別々に又は一体で成形される。その後、必要に応じて熱処理、研磨及び塗装等を施し、ゴルフクラブヘッドにする。
【0024】
次に、上述の如く構成されたゴルフクラブヘッドの動作について説明する。本実施形態のゴルフクラブヘッドは、シャフト及びグリップが取り付けられ、ドライバー等のウッド型のゴルフクラブヘッドとなる。本実施形態のゴルフクラブヘッドは、そのフェース部1の内面が溝及び段差等がない滑らかな面により形成されているため、インパクト時における応力を分散させることができる。更に、シミュレーションにより得られた歪み分布を基にフェース部1における各領域の厚さを設定しているため、反発力に優れ、且つ強度を劣化させることのない肉厚分布となっている。
【0025】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、本発明の範囲から外れる比較例と比較して具体的に説明する。本実施例においては、サイド部及びソール部を一体成形により形成し、フェース部、ソール部(以下サイド部を含む)、クラウン部及びホーゼル部からなる4ピース鍛造法により、本発明の範囲内である実施例1乃至5及び本発明の範囲から外れる比較例1乃至4のゴルフクラブヘッドを作製した。その際、フェース部はβ系チタン合金を使用し、450℃の温度条件下で成形した。また、クラウン部、ソール部及びホーゼル部には純チタンを使用し、ホーゼル部は丸棒から削りだして成形した。前記フェース部、クラウン部、ソール部及びホーゼル部を溶接により接合した後、研磨及び塗装を行ってウッド型のゴルフクラブヘッドとした。本実施例で作製したゴルフクラブヘッドにおけるフェース部の肉厚分布を表1に示す。表1における各領域は図2(a)に示す領域に対応している。なお、表中の”〜”は右に示す領域の厚さから左に示す領域の厚さに変化していることを示す。
【0026】
【表1】
【0027】
次に、実施例及び比較例で作製したゴルフクラブヘッドに、シャフト及びグリップを取り付けてゴルフクラブとし、その性能評価を行った。飛距離性能試験は、ゴルフクラブをゴルフスイングマシンに取り付け、ヘッドスピードを40m/秒とし、夫々10球ずつ実打した。また、耐久性能試験は、飛距離性能試験と同様にヘッドスピードを40m/秒として実打し、目視観察によりフェイス面の中央部に割れ又は凹部が確認された打数により評価した。この耐久性能試験においては、6000発まで実打しても破壊が生じていないものを合格とした。これら試験の評価結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】
表2に示すように、本発明の範囲内で作製した実施例1乃至5のゴルフクラブヘッドは、飛距離が199m(2218ヤード)、破壊回数が5500発以上であり、飛距離性能及び耐久性能が優れていた。特に、実施例1のゴルフクラブヘッドは、中央厚肉部(領域A)の厚さが2.2mm以上であり、上部厚肉部(領域E)及び下部厚肉部(領域G)の厚さが中央厚肉部(領域A)の厚さの85%であり、薄肉部(領域C)の厚さが中央厚肉部(領域A)の厚さの70%であるので、飛距離が201m(220ヤード)と長く、6000発実打後にも割れ又は凹部は発生せず、最も優れた特性を示した。
【0030】
一方、従来のゴルフクラブと同様にフェース部の肉厚が均一な比較例1のゴルフクラブヘッドは、フェース部の厚さが全て2.20mmと厚いため耐久性能には優れていたが、飛距離が196m(215ヤード)であり実施例1のゴルフクラブヘッドに比べて劣っていた。また、比較例1と同様に従来のゴルフクラブヘッドである比較例2のゴルフクラブヘッドは、端部を薄くしたことにより反発力が増し、比較例1のゴルフクラブヘッドより飛距離は向上したが、耐久性が劣化して5000発で破壊が生じた。また、上部厚肉部(領域E)が本発明の範囲より厚い比較例3のゴルフクラブヘッド、及び下部厚肉部(領域G)が本発明の範囲より厚い比較例4のゴルフクラブヘッドは、厚みが増したことにより耐久性は向上したが、比較例1及び2の従来のゴルフクラブヘッドと同程度の飛距離しか得られなかった。
【0031】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によればゴルフクラブヘッドのフェース部の内面を溝及び段差のない曲面により形成することにより、インパクト時に特定の箇所に応力が集中するのを防ぐことができ、耐久性を損なわずに飛距離性能を向上することができる。また、本発明のゴルフクラブにおいては、シミュレーションにより求めた歪み分布を基にフェース部の肉厚分布を適正化しているため、効率的に反発力を向上することができ、更に強度を低下させない最適な厚さが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のゴルフクラブヘッドを示す斜視図である。
【図2】図1に示すA−A線による断面図である。
【図3】図1に示すB−B線による断面図である。
【図4】従来の中空構造のウッド型ゴルフクラブヘッドを示す斜視図である。
【図5】図4に示すC−C線による断面図である。
【図6】特許文献2で提案された従来のゴルフクラブヘッドを示す断面図であり、(a)は図3に示すC−C線による断面図に相当し、(b)は図3に示すD−D線による断面図に相当する。
【符号の説明】
1;フェース部 2;クラウン部 3;ソール部 4;サイド部 5;ホーゼル部 13;トウ 14;フェースライン溝 15、108;スウィートスポット 101;フェース部 102;クラウン部 103;ソール部 104;サイド部 105;ホーゼル部 106A;中央部 106Ae;中央部の外縁 106B;周辺部 107;フェース部中心点 109;溝 A;中央厚肉部 B;中央肉厚徐変部 C;薄肉部 D;上部肉厚徐変部 E;上部厚肉部 F;下部肉厚徐変部 G;下部厚肉部
Claims (3)
- ボールを打撃するフェース部と、上面を形成するクラウン部と、底面を形成するソール部と、前記クラウン部とソール部との間で側面を形成するサイド部と、シャフトが装着される筒状のホーゼル部とを有し、内部が中空であるゴルフクラブヘッドにおいて、前記フェース部は、スウィートスポットを含みフェース部の中で厚さが最も厚い中央厚肉部と、前記中央厚肉部を囲むように形成され外縁側になるに従い厚さが薄くなる中央肉厚徐変部と、この中央肉厚徐変部を囲むように形成されフェース部の中で最も厚さが薄い薄肉部と、前記クラウン部側端部に形成され厚さが前記中央厚肉部の厚さ以下である上部厚肉部と、前記上部厚肉部の下縁を囲み前記フェース部の縁部まで延びるように帯状に形成され前記上部厚肉部から前記薄肉部に向けて厚さが薄くなる上部肉厚徐変部と、ソール部側端部に形成され厚さが前記中央厚肉部の厚さ以下である下部厚肉部と、前記下部厚肉部の上縁を囲み前記フェース部の縁部まで延びるように帯状に形成され前記下部厚肉部から前記薄肉部に向けて厚さが薄くなる下部肉厚徐変部と、を有し、各部の境界では厚さが滑らかに変化していることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
- 前記中央厚肉部の厚さが2.2mm以上であり、前記上部厚肉部及び前記下部厚肉部の厚さが前記中央厚肉部の厚さの85乃至100%であり、前記薄肉部の厚さが前記中央厚肉部の厚さの70%以上で且つ85%未満であることを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
- 前記中央厚肉部及び前記中央肉厚徐変部の外縁は自由曲線状であることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴルフクラブヘッド。
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