JP4165982B2 - ガスセンサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はガスセンサに関し、特に自動車、船舶、飛行機等の移動用、産業用の内燃機関の排ガス中、或いはボイラ等の燃焼ガス中のNOxガス濃度、HCガス濃度又はNH3ガス濃度の測定に用いられるガスセンサに関し、中でもガスセンサの構成要素である測定用ポンプセルの電極成分に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、被測定ガス雰囲気に含まれる測定対象ガス成分の濃度を測定するガスセンサ、例えばNOxガスセンサでは、かかる被測定ガスにおける酸素濃度が制御されたガスを生成するための第1室と、測定対象ガス成分の濃度、即ちNOxガス濃度を測定するための第2室とを有する限界電流式のものが知られている。このようなNOxガスセンサにあっては、第2室内でNOxガスを解離させるため、第2室内に面するガス濃度測定用電極に所定の電圧を印加している。この電極(第2内部電極)としては、一般的に、Pt電極が用いられている。一方、特開平9−288084号公報には、この第2室内に面するNOxガス濃度測定用電極として、RhとジルコニアからなるRhサーメット電極が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記Pt電極は、妨害ガス、例えばH2O、COを解離させる触媒能力も高いため、これら妨害ガスの影響を受けて、NOxガス濃度の正確な測定が困難である場合がある。一方、上記特開平9−288084号公報に提案されたRhサーメット電極は、高温領域(例えば、700〜800℃)での長期間の使用に伴いRhが酸化してしまい、NOxを解離させる触媒能力が十分に発揮されない場合があるという問題がある。
【0004】
本発明は、妨害ガスの影響を受け難く、正確な測定対象ガス成分の濃度測定が可能なガスセンサを提供することを目的とする。特に、本発明は、測定対象ガス成分の濃度を測定するための第2室内に面し、低い印加電圧においても測定対象ガス成分に対する触媒能力が高いガス濃度測定用電極を有するガスセンサを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第1の視点において、Ptを主たる電極成分とし且つIrを含み、さらにこのIrが、該Pt及び該Irの合量に対して0.2〜50wt%含まれるガス濃度測定用電極を提供する。
【0006】
本発明は、第2の視点において、Ptを主たる電極成分とし且つRuを含み、さらにこのRuが、該Pt及び該Ruの合量に対して0.2〜50wt%含まれるガス濃度測定用電極を提供する。
【0007】
前記第1及び第2の視点に係るガス濃度測定用電極は、複数の室(気体流通部)を有する限界電流式のガスセンサに適用される。このガスセンサは、測定対象ガス成分を含む被測定ガスを内部に導き、かかる被測定ガス中の酸素濃度を制御するための第1室と、測定対象ガス成分の濃度を測定するための第2室と、前記第1室と前記第2室とを拡散抵抗をもって連通する連通部と、酸素イオン伝導体上に形成された複数の電極と、を有し、該複数の電極のうち少なくとも一つの電極が該第2室内に面すると共に、前記測定対象ガス成分を解離或いは酸化又は還元させるガス濃度測定電極をなし、前記複数の電極間に電圧が印加されて前記測定対象ガス成分の濃度に応じた電流が発生される。このガスセンサは、測定対象ガスに対する触媒能力が高い電極を有するため、この電極に印加する電圧を低くして、該電極上での妨害ガス(含酸素ガス成分)の解離を抑制することができる。これによって、CO2、H2O等の妨害ガスの影響が少なく、精度の高い測定対象ガス成分の濃度測定が可能となる。また、このガスセンサは、第2室内に面するガス濃度測定用電極として、測定対象ガスに対する触媒能力が高い電極を有することにより、該電極上においてより短時間で、測定対象ガス成分が例えばNOxガスの場合にはそのNOxガスが解離され、HCガスやNH3ガスの場合にはそのHCガス又はNH3ガスが酸化されることになる。この結果、ガスセンサの検出精度や応答性も向上する。
【0008】
本発明のその他の視点及び特徴は、各請求項に記載のとおりであり、その引用をもってその重複記載を省略する。よって、各請求項の各特徴は、ここに記載されているものとみなされる。なお、従属項はそれぞれ、各独立項に記載された発明の原理に反しない限り、各独立項に適用され得、又従属項は他の従属項に適用され得る。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を説明する。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態によれば、第2室内に面するガス濃度測定用電極において、その電極成分が測定用セルを構成する酸素イオン伝導体成分に担持されている。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、測定対象ガス成分を解離或いは酸化又は還元させるために、第2室内に面するガス濃度測定用電極の少なくとも一部が、PtとIrの合量に対して、Irを2〜20wt%含む。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、測定対象ガス成分を解離或いは酸化又は還元させるために、第2室内に面するガス濃度測定用電極の少なくとも一部が、PtとRuの合量に対して、Ruを1〜12wt%含む。
【0013】
本発明の好ましい実施の形態においては、測定対象ガス成分を解離或いは酸化又は還元させるために、第2室内に面するガス濃度測定用電極の少なくとも一部が、PtとIrとRuの合量に対して、Irを2〜20wt%及びRuを1〜12wt%含む。
【0014】
Ptに対してIr及びRuを添加する場合、これらの添加量が規定量より少ない場合には、Ptが粒成長して三相界面(気相、電極成分(触媒相)及び酸素イオン伝導相の界面)を形成する面積が減少し、測定対象ガス成分を解離或いは酸化又は還元する触媒能力が低下する。反対に、これらの添加量が規定量より多い場合には、Ir及びRuが粒成長して三相界面を形成する面積が減少し、測定対象ガス成分を解離或いは酸化又は還元する触媒能力が低下する。また、Ir、Ruが添加されることにより、ガス濃度測定用電極の高温領域における耐酸化性が向上する。
【0015】
本発明の好ましい実施の形態においては、第2室内に面するガス濃度測定用電極の一部、例えば、第2室内に直接的に面する外周(外側)部分のみを、IrないしRuを含むよう形成する。また、この電極には、本発明の効果が得られる限りにおいて、他の金属元素や酸素イオン伝導体と同質の成分を添加することができる。
【0016】
本発明の好ましい実施の形態によれば、本発明の効果が得られる限りにおいて、第2室内に面するガス濃度測定用電極に、Pt、Ir及びRu以外の電極成分、例えば、その他の卑金属ないし貴金属成分を所定量単独又は複合添加することを許容する。
【0017】
本発明の好ましい実施の形態に係るガスセンサは、第1拡散抵抗部に通じる第1室と、酸素イオン伝導体上に第1室内外にそれぞれ面して形成された内部電極及び外部電極を備え、酸素を該第1室内外間で汲み出し入れする酸素ポンプセルと、第1室内に面して酸素イオン伝導体上に形成された酸素濃度検知電極と、該第1室で酸素濃度が制御されたガスが前記連通部に配設された第2拡散抵抗部を通じて導入される第2室と、酸素イオン伝導体上に形成された複数の電極を含み該複数の電極のうち少なくとも一つの電極が第2室内に面するガス濃度測定用電極(第2内部電極)である測定対象ガス成分濃度の測定用セルと、を有し、酸素濃度検知電極の電位に基づいて酸素ポンプセルによる酸素の汲み出し入れ量が制御され、又測定用セルの複数の電極間に電圧が印加されて測定対象ガス成分の濃度に応じた電流が発生される。さらに好ましくは、第1室において酸素ポンプセルにより、第2室に拡散するガス中の酸素濃度を可及的に低く制御する。これによって、測定用セル(第2酸素ポンプセル)に流れる酸素イオン伝導に起因する酸素ポンプ電流量が、第2室に拡散する酸素濃度の影響を受け難くされて、ガス濃度をよりよく反映するようになる。
【0018】
例えば、本発明によるガスセンサをNOxガス濃度測定に用いる場合、触媒能力が高いIr又は/及びRuが添加されたPt電極上でNOx、特にNOの解離が促進され、より低い印加電圧で短時間に、NOxが解離して生じた酸素イオンを酸素イオン伝導体を通じて汲み出すことができる。この結果、NOxガス濃度測定の検出精度や応答性が向上する。また、HCガス濃度測定に用いる場合には、触媒能力が高いIr又は/及びRuが添加されたPt電極上でHCガス成分の酸化が促進され、効率よくHCガスが酸化されて酸素が消費されるため、その酸素の消費量から求められるHCガス濃度測定の検出精度や応答性が向上する。
【0019】
本発明の好ましい実施の形態においては、酸素濃度検出電極と酸素イオン伝導体を介して配設される酸素濃度基準電極の電位を安定化させるため、酸素濃度基準電極と第2室に面するガス濃度測定用電極の間を、拡散抵抗をもって連通する。これによって、第2室に面するNOxガス濃度測定用電極上でNOxガスが解離されて生じた酸素イオン由来のO2ガスが酸素濃度基準電極に向かって拡散していく。かくして、酸素濃度基準電極は酸素濃度が高められた自己生成基準極となる。また、好ましくは、酸素濃度基準電極に微小電流を供給することによって、酸素濃度基準電極を酸素濃度が高められた自己生成基準極とする。
【0020】
また、好ましくは、上記第1及び第2室(気体流通部)をセラミック等の多孔体、微細な貫通孔又は細かいスリット(すきま状にする)から構成する。
【0021】
本発明によるガスセンサ(素子)は、公知のグリーンシートの積層焼成によるガスセンサの製造技術に基づき、次のように作製することができる。すなわち、酸素イオン伝導性を有するZrO2を主体とするグリーンシート単体、酸素ポンプセルの内部電極等となる多孔質な電極を形成するためPt等の電極成分を含むペースト、第1拡散抵抗部(拡散孔)を形成するためのアルミナペースト、層間を絶縁するため或いは処理室を画成するための緻密層を形成するためのアルミナペースト、並びに処理室を画成するためのカーボンペーストなどがそれぞれ所定位置にスクリーン印刷法を用いて塗布されたZrO2を主体とするグリーンシート、及び第2拡散抵抗部(拡散孔)を形成するための多孔質セラミックス体(例えばアルミナ)が埋め込まれたZrO2を主体とするグリーンシート等を積層し、乾燥し、焼成する。なお、ここでは安定化剤(例えば、CaOやMgO)を含有するZrO2を用いることが好ましい。
【0022】
なお、第2室内に面するガス濃度測定用電極を形成するための原料ペーストは、Pt粉末、Ir粉末ないしRu粉末、及び適量の有機溶剤、場合によってはZrO2粉末を混合し、分散させ、これに有機バインダーを有機溶剤に溶解させたものを添加し、さらに粘度調整剤を添加し、混合することにより作製できる。或いは、IrないしRuを含む合金粉末を用いて、乾式混合、分散、湿式混合を経て原料ペーストを作製することもできる。
【0023】
【実施例】
以上説明した本発明の好ましい実施の形態をさらに明確化するために、以下図面を参照して、本発明の一実施例を説明する。なお、本実施例では、ガスセンサの内でNOxガス濃度の測定を行うNOxガスセンサについて説明する。
【0024】
図1は、本発明の一実施例に係るNOxガスセンサ(NOxガスセンサ素子)の説明図であり、このガスセンサ素子の先端部を長手方向かつ積層方向に沿って切断した断面を示している。図1を参照すると、このガスセンサ素子は、酸素イオン伝導性の固体電解質(例えば、ZrO2)を主体とする第1層1〜第5層5が順に積層されて構成されている。なお、各層1〜5間には絶縁層が形成されている。第2層2及び第4層4は、酸素イオン伝導性の固体電解質層に代えて絶縁層(例えば緻密なアルミナ絶縁層)とすることができる。さらに、第2層2と同層に、第1層1、第2層2及び第3層3に囲まれて、測定対象ガス成分を含む被測定ガス雰囲気と画されてなる第1室7が画成されている。第4層4と同層に、第3層3、第4層4及び第5層5に囲まれて第2室9が画成されている。第2層2の両側面の一部には、第1拡散抵抗部6が形成されている。第1室7の一端側は、第1拡散抵抗部6を通じて被測定ガス雰囲気に連通している。第3層3中には、第2拡散抵抗部8(拡散抵抗をもつ連通部のこと)が形成されている。第2拡散抵抗部8の一端側は、第1室7の他端側であって第1拡散抵抗部6から離間した位置に開口している。第2拡散抵抗部8の他端側は、第2室9に開口している。これによって、第1室7と第2室9は拡散抵抗をもつ連通部(ここでは拡散抵抗部8のこと)を介して互いに連通している。
【0025】
酸素イオン伝導性の固体電解質層である第1層1の被測定ガス雰囲気に面する一面上には第1外部電極10、その第1室7に面する他面上には第1内部電極11が形成されている。但し、第1内部電極11の長さは、第1外部電極10の長さより短くされ、第1拡散抵抗部6近傍から第2拡散抵抗部8の開口直上直前まで延在し、同開口直上までは形成されていない。第1酸素ポンプセルは、第1層1、第1外部電極10及び第1内部電極11から構成される。
【0026】
酸素イオン伝導性の固体電解質層である第3層3の第1室7に面する一面上には、酸素濃度検知電極12が第2拡散抵抗部8の開口近傍に形成されている。第3層3の他面上(第3層3、第4層4間)には、酸素濃度基準電極13が形成されている。酸素濃度測定セルは、第3層3、酸素濃度検知電極12及び酸素濃度基準電極13から構成される。また、酸素濃度基準電極13の電位を安定化させるため、酸素濃度基準13と後述の第2外部電極15の間は、第3拡散抵抗部16を通じて連通されている。
【0027】
酸素イオン伝導性の固体電解質層である第5層5の一面上、第2室9内に面してガス濃度測定用電極(以下「第2内部電極」という)14が形成され、第2室9外(第4層4、第5層5間)にはガス濃度測定用外部電極(以下「第2外部電極」という)15が形成されている。第2酸素ポンプセル、すなわち測定対象ガス成分(NOxガス)濃度の測定用セルは、第5層5、第2内部電極14及び第2外部電極15から構成される。
【0028】
次に、このNOxガスセンサ(素子)に適用される制御回路について説明する。
【0029】
第1外部電極10と第1内部電極11間には、電源及び第1電流計が互いに直列に接続されている。電源が第1外部電極10と第1内部電極11間に印加する第1印加電圧Vp1は、酸素濃度検知電極12と酸素濃度基準電極13の電位差が一定となるよう可変に制御される。第1電流計は、第1外部電極10と第1内部電極11間に流れる第1酸素ポンプ電流Ip1を検出する。第1酸素ポンプ電流Ip1の大きさは基本的に被測定ガス中の酸素濃度に比例する。一方、第2内部電極14と第2外部電極15間には定電圧源及び第2電流計が接続されている。第2電流計は、第2内部電極14と第2外部電極15間に流れる第2酸素ポンプ電流Ip2を検出する。第2酸素ポンプ電流Ip2の大きさは基本的に被測定ガス中の測定対象ガス成分(NOxガス)の濃度に比例している。
【0030】
なお、ガスセンサ素子を適温で動作させるために、素子の上層及び/又は下層には、ヒータが設置ないし貼着される(図1参照)。
【0031】
[測定例]
図1に示したような構造を有し、第2内部電極の電極成分(表1参照)が互いに異なるNOxガスセンサ(試料No.1〜11)を作製した。試料No.2〜6に係るNOxガスセンサにおいては、PtとIrの合量(100wt%)にIr粉末を下記の表1に示す重量で添加したペーストを用いて第2内部電極を作製した。試料No.7〜11に係るNOxガスセンサにおいては、PtとRuの合量(100wt%)にRu粉末を下記の表1に示す重量で添加したペーストをそれぞれ用いて第2内部電極を作製した。なお、試料No.1に係るNOxガスセンサ(比較例)においては、Ir及びRu粉末が添加されていないPtペーストを用いて第2内部電極を作製した。
【0032】
これらのNOxガスセンサに妨害ガス成分を含む被測定ガス(1)或いは(2)を投入し、測定用セルの両電極間(第2内部電極と第2外部電極間)に印加する電圧(第2印加電圧)Vp2を変えて、測定用セルに流れる第2酸素ポンプ電流Ip2を測定した。下記に測定条件を示し、表1に測定結果を示す。なお、表1中、Ip2[O2]は、被測定ガス(1)投入時、測定用セルに流れたO2に対するIp2の限界電流を表し、Ip2[NO]は被測定ガス(2)投入時、測定用セルに流れたNOに対するIp2の限界電流を表す。
【0033】
[測定条件]
[被測定ガス(1)の組成 750ppm、CO2:10%、H2O:10%、N2:bal、
被測定ガス組成(2)の組成 NO:1500ppm、CO2:10%、H2O:10%、N2:bal、
被測定ガス温度 680℃、
測定用セル(第2の酸素ポンプセル)への印加電圧450[mV]。
【0034】
【表1】
(*) 試料No.1は比較例
【0035】
ところで、O2は酸素2原子を有するのに対してNOは酸素1原子を有するから、理想的には、図2に示したO2=750ppm時のIp2限界電流値と、図3に示したNO=1500ppm時のIp2限界電流値は一致する。つまり、NOxガス濃度を酸素イオン伝導によって流れる電流に基づいて測定するためには、O2=750ppm時の限界電流値に対するNO=1500ppm時の限界電流値が「1」に近い方が好ましい。
【0036】
表1を参照すると、Ir及びRuが添加されていない試料No.1のNOxガスセンサ(比較例)の「Ip2[NO]/Ip2[O2]」が最も小さくなっている。よって、IrないしRuの添加によって、「Ip2[NO]/Ip2[O2]」が「1」に近づき、低い印加電圧でもNOxが十分に解離されることが分かる。
【0037】
さらに、試料No.5に係るNOxガスセンサ(実施例)のO2及びNOに対する限界電流特性を、試料No.1に係るNOxガスセンサ(比較例)の同特性と対比して説明する。図2には、試料No.1及び5のNOxガスセンサについて、被測定ガスがNOxガスを含まない場合のVp2とIp2の関係、特に酸素に対する測定用セルの限界電流特性を示す。一方、図3には、両センサについて、被測定ガスがNOxガスを含む場合のVp2とIp2の関係、特にNOガスに対する測定用セルの限界電流特性を示す。
【0038】
図2及び図3を参照すると、試料No.5のNOxガスセンサ(実施例)によれば、特に、第2印加電圧Vp2が低い範囲で、図2に示したO2によるIp2と図3に示したNOによるIp2の差が小さく、NOが第2室において十分に解離されていることが分かる。このように第2印加電圧Vp2を低く設定できることにより、第2内部電極上における妨害ガス、例えばCO、H2O等の解離が抑制される。この結果、NOxガス濃度をより正確に測定することが可能となる。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、妨害ガスの影響を受け難く、正確な測定対象ガス成分の濃度測定が可能なガスセンサが提供される。また、本発明によれば、低い印加電圧においても測定対象ガス成分に対する触媒能力が高いガス濃度測定用電極を有するガスセンサが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るNOxガスセンサの説明図である。
【図2】試料No.1及び5に係るNOxガスセンサにおいて、O2に対する測定用セルの限界電流特性を示すグラフである。
【図3】試料No.1及び5に係るNOxガスセンサにおいて、NOに対する測定用セルの限界電流特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1,…,5 第1層,…,第5層
6 第1拡散抵抗部
7 第1室
8 第2拡散抵抗部
9 第2室
10 第1外部電極(酸素濃度制御ガス生成用の外部電極)
11 第1内部電極(第1室内に面する酸素濃度制御ガス生成用の内部電極)
12 酸素濃度検知電極
13 酸素濃度基準電極
14 第2内部電極(第2室内に面するガス濃度測定用電極)
15 第2外部電極(ガス濃度測定用外部電極)
16 第3拡散抵抗部
Claims (5)
- 測定対象ガス成分を含む被測定ガスを内部に導き、かかる被測定ガス中の酸素濃度を制御するための第1室と、測定対象ガス成分の濃度を測定するための第2室と、前記第1室と前記第2室とを拡散抵抗をもって連通する連通部と、酸素イオン伝導体上に形成された複数の電極と、を有し、該複数の電極のうち少なくとも一つの電極が該第2室内に面すると共に、前記測定対象ガス成分を解離或いは酸化又は還元させるガス濃度測定電極をなし、前記第2室内に面する測定対象ガス成分の濃度を測定するための当該ガス濃度測定用電極の少なくとも一部が、Ptを主たる電極成分とし且つIrを含み、さらにこのIrが、PtとIrの合量に対して0.2〜50wt%含まれ、前記複数の電極間に電圧が印加されて前記測定対象ガス成分の濃度に応じた電流が発生されることを特徴とするガスセンサ。
- 前記第2室内に面するガス濃度測定用電極が、前記Ptと前記Irの合量に対して、Irを2〜20wt%含むことを特徴とする請求項1記載のガスセンサ。
- 測定対象ガス成分を含む被測定ガスを内部に導き、かかる被測定ガス中の酸素濃度を制御するための第1室と、測定対象ガス成分の濃度を測定するための第2室と、前記第1室と前記第2室とを拡散抵抗をもって連通する連通部と、酸素イオン伝導体上に形成された複数の電極と、を有し、該複数の電極のうち少なくとも一つの電極が該第2室内に面すると共に、前記測定対象ガス成分を解離或いは酸化又は還元させるガス濃度測定電極をなし、前記第2室内に面する測定対象ガス成分の濃度を測定するための当該ガス濃度測定用電極の少なくとも一部が、Ptを主たる電極成分とし且つRuを含み、さらにこのRuが、PtとRuの合量に対して0.2〜50wt%含まれ、前記複数の電極間に電圧が印加されて前記測定対象ガス成分の濃度に応じた電流が発生されることを特徴とするガスセンサ。
- 前記第2室内に面するガス濃度測定用電極が、前記PtとRuの合量に対して、Ruを1〜12wt%含むことを特徴とする請求項3記載のガスセンサ。
- 測定対象ガス成分を含む被測定ガス雰囲気に通じる第1拡散抵抗部と、前記第1拡散抵抗部に通じる前記第1室と、酸素イオン伝導体上に前記第1室内に面して形成された内部電極及び該酸素イオン伝導体上に該第1室外に面して形成された外部電極を備え酸素を該第1室内外間で汲み出し入れする酸素ポンプセルと、前記第1室内に面して酸素イオン伝導体上に形成された酸素濃度検知電極と、該第1室で酸素濃度が制御されたガスが前記連通部に配設された第2拡散抵抗部を通じて導入される前記第2室と、酸素イオン伝導体上に形成された複数の電極を含み該複数の電極のうち少なくとも一つの電極が該第2室内に面する前記ガス濃度測定用電極であるガス濃度測定用セルと、を有し、前記酸素濃度検知電極の電位に基づいて前記酸素ポンプセルによる酸素の汲み出し量又は汲み入れ量が制御されること、及び前記測定用セルの前記複数の電極間に電圧が印加されて測定対象ガス成分の濃度に応じた電流が発生されること、を特徴とする請求項1〜4のいずれか一記載のガスセンサ。
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