JP4166887B2 - 光半導体装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光半導体装置に係り、特にレンズを有する光半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からある光半導体装置として、例えば特公平7−16017号公報に開示されるものがある。この公報に記載される光半導体装置は、リード部に電気的に接続された光半導体チップを有し、この光半導体チップとリード部の一部がエポキシ樹脂等の透光性のモールド樹脂により封止されて光半導体素子が構成され、この光半導体素子には半球状のレンズ部が一体となって設けられている。このような光半導体装置は、例えばトランスファ成形法などにより成形され、この成形法で使用される金型には、リード部、レンズ部および光半導体素子等の型がとられている。また、このレンズ部の付いた光半導体装置には、集光レンズを有する遮光ケースが取り付けられ、レンズ部と集光レンズとの間に空気層が存在している。一方、光半導体素子は、キャスティング法により成形することも可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来の光半導体装置は、レンズ部と光半導体素子とがトランスファ成形法により一体に成形されるため、レンズ部に対する光半導体チップの位置精度が良好となる一方、金型形状が複雑となるため、金型に極めて高い精度が要求され、非常に高価となり、大量生産の必要がない光半導体装置の製造が困難となる。一方、キャスティング法で成形する場合には、安価な製造が可能であるがレンズ部に対する位置精度の点で問題がある。
【0004】
また、光半導体装置は、レンズ部に対する光半導体チップの位置精度を高める必要性からレンズ部と光半導体素子とがエポキシ樹脂で一体成形されているが、光半導体装置においては、レンズ部としてエポキシ樹脂より更に透明性の高いものが要求され、その光学特性の向上が求められている。
【0005】
さらに、レンズ部と集光レンズとの間に空気層が存在しているため、集光レンズに光が入射する場合に、空気層とレンズ部との境界面、および空気層と集光レンズとの境界面において反射損が生じ、光半導体装置全体としての光学特性が低下するおそれがある。
【0006】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、光半導体チップの位置精度を良好に保持しつつ、安価に製造することができ、且つ、光学特性を向上させた光半導体装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、本発明は、光半導体チップを透光性のモールド樹脂で封止して構成され、光半導体チップの受光面又は投光面側に平坦な接合面を有する光半導体素子と、光半導体素子の接合面に対向する平坦な底面を含み光半導体素子の形状に対応した位置合せ部を有すると共に、モールド樹脂と異なる透光性のレンズ成形樹脂から形成されたレンズ体と、光半導体チップをレンズ体の光軸上に位置合せした状態で位置合せ部の底面と接合面との間に介在され、光半導体素子とレンズ体とを接合させる透光性の接着材と、を備えており、接合面のコーナー部に面取り部が形成され、位置合せ部と面取り部とで囲まれる領域が底面側に向かって末広がりとなっていることを特徴とする。
【0008】
この光半導体装置によれば、光半導体素子がモールド樹脂で構成され、レンズ体がレンズ成形樹脂で構成され、このモールド樹脂とレンズ成形樹脂とが互いに異なるようにされているので、それぞれの機能に適した樹脂を選択することが可能になる。また、光半導体装置の組立時においては、光半導体素子は、その接合面とレンズ体の位置合せ部の底面とを接合させることで、レンズ体に容易に位置合せされる。また、使用時においては、外部から光半導体チップの受光面又は投光面に光が入射する際に、レンズ体と接着材とがともに透光性であるため、レンズ体と接着材との界面で入射光の反射が抑えられる。また、この面取り部が接合面のコーナー部に形成されているため、レンズ体と光半導体素子とを接着材を介して接合させる場合に、液状となった接着材を位置合せ部に滴下し、この液状の接着材を光半導体素子の接合面で押圧したときに、接着材中の空気が抜けるようにすることができる。
【0009】
また、モールド樹脂はエポキシ樹脂を含み、レンズ成形樹脂はアクリル樹脂を含むことが好ましく、アクリル樹脂としてポリメタクリル酸メチルを含むのが更に好ましい。このようにした場合、アクリル樹脂の透明性は、エポキシ樹脂より高いため、レンズ体の光学特性は向上する。特に、アクリル樹脂をポリメタクリル酸メチルとした場合には、ポリメタクリル酸メチルの高い透明性のため、レンズ体の光学特性は更に向上する。
【0010】
また、モールド樹脂は、特定波長域の光を選択的に通過させる樹脂からなることが好ましい。この光半導体装置によれば、レンズ体を通って光半導体素子に光が入射される場合に、この入射光のうち特定波長域の光が選択的に通過されて光半導体チップに入射される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明による光半導体装置の第1実施形態について詳細に説明する。
【0012】
図1は、光半導体装置の分解斜視図である。同図に示すように、光半導体装置1は、肉厚平板状の光半導体素子6を有している。この光半導体素子6は、2本のリード部2,3を有し、一方のリード部2には、平板状の先端部2aが設けられ、この先端部2a上には、平板状の光半導体チップ4(例えば受光素子)が固定されている。また、この光半導体チップ4は、Au細線5を介して他方のリード部3に接続されている。そして、この光半導体チップ4、及びリード部2,3の一部がトランスファ成形法等により透光性のモールド樹脂(例えばエポキシ樹脂)で封止されている。また、モールド樹脂には、光半導体チップ4の受光面4aと対峙する位置に平坦な矩形状の接合面6aが形成され、この接合面6aと光半導体チップ4の受光面4aとは互いに平行となっている。そして、この接合面6aの四辺に沿って接合部6bが設けられている。ここで、光半導体素子6は、その外形寸法がバラツキを含めても±0.03以内に収まる程度の精度で作られている。
【0013】
一方、光半導体装置1は、光半導体素子6と異なるレンズ成形樹脂からなる砲弾型のレンズ体10を有している。このレンズ体10には、位置合せ部としての位置合せ用枠部8が一体に設けられ、この位置合せ用枠部8は、光半導体素子6に対応した形状となっている。すなわち、位置合せ用枠部8は、矩形平板状の平坦部16と、この平坦部16の三辺に沿ったガイド部17とで構成され、平坦部16の底面16aが光半導体素子6の接合面6aと接合され、光半導体素子6の接合部6bがガイド部17と接合されるようになっている。なお、レンズ体10は、平坦部16上に設けられている。
【0014】
レンズ体10を構成するレンズ成形樹脂として、エポキシ樹脂より透明性が高いという理由からアクリル樹脂が使用されている。ここで、アクリル樹脂として、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)を用いることが好ましい。ポリメタクリル酸メチルを用いるのは、ポリメタクリル酸メチルの透明性が極めて高くレンズ体10として適しているためである。また、ポリメタクリル酸メチル自体安価であり、成形性が良いためである。なお、このようなアクリル樹脂でレンズ体10を成形する場合には、レンズ体10は、例えば射出成形法の自動多量成形方式で成形される。このため、レンズ体10は、光半導体素子6とほぼ同程度の精度で成形されている。また、レンズ体10に耐熱性が要求される場合には、アクリル樹脂として、ポリカーボネート(PC)を用いることも可能である。
【0015】
図2は、光半導体装置1を示す正面図である。同図に示すように、レンズ体10および光半導体素子6は、位置合せ用枠部8と光半導体素子6の接合面6aとの間に透光性の接着材9を介在させて接合され、この接合された状態において、光半導体チップ4がレンズ体10の光軸C上に位置合せした状態で配置されている。ここで、接着材9は、例えば熱硬化性樹脂が用いられ、特にエポキシ樹脂、シリコーン樹脂又はアクリル樹脂等を用いることが好適である。これは、これらの熱硬化性樹脂がモールド樹脂及びレンズ成形樹脂の屈折率に近い値をもつためである。
【0016】
なお、光半導体素子6の接合面6aのコーナー部には、空気抜き用の面取り部11が形成されている。この面取り部11は、レンズ体10と光半導体素子6とを接着材9を介して接合させる場合に、液状となった接着材9を位置合せ用枠部8に滴下し、この液状の接着材9を光半導体素子6の接合面6aで押圧したときに、接着材9中の空気が抜けるようにするためのものである。
【0017】
このように、前述した光半導体装置1によれば、レンズ体10が光半導体素子6のエポキシ樹脂と異なるアクリル樹脂で構成されるようにしたので、レンズ体10の光学特性を向上させることが可能となる。特に、レンズ体10を構成するアクリル樹脂としてポリメタクリル酸メチルを用いる場合には、ポリメタクリル酸メチルの透明性が特に高いため、レンズ体10の光学特性は更に向上する。また、光がレンズ体10を通って光半導体チップ4の受光面4aに入射する場合に、接着材9の屈折率がレンズ成形樹脂及びモールド樹脂の屈折率に近い値をもつため、レンズ体10と接着材9との界面、及び接着材9と光半導体素子6との界面で入射光の反射が抑えられる。
【0018】
また、光半導体装置1の製造時においては、レンズ体10と光半導体素子6とが異なる樹脂で形成されていることから、レンズ体10の成形に際して、リード部2,3及び光半導体素子6等の型を、成形に使用する金型に形成する必要がなくなり、金型の形状が複雑になることがない。一方、レンズ体10は、アクリル樹脂による射出成形法の自動多量成形方式で成形されるため、成形に使用する金型をトランスファ成形法における場合より小型にすることが可能となる。このため、金型自体の価格を低下させることが可能となり、ひいては光半導体素子6の価格を低下させることができる。具体的には、金型の価格を従来品に対して1/10程度とすることができる。従って、大量生産を必要としない小量多品種の製造にも対応可能となる。また、レンズ体10の成形に際して、レンズ体10の成形に使用する金型の形状が複雑にならないので、トランスファ成形法による場合よりレンズ体10中に気泡が溜まり難くなると共に成形不良が発生し難くなり、製品の歩留まりが向上する。
【0019】
また、光半導体装置1の組立時においては、光半導体素子6は、その接合面6aをレンズ体10の位置合せ用枠部8の底面16aと接合させることで、レンズ体10に確実に位置合せされる。このとき、光半導体素子6とレンズ体10の位置合せ用枠部8とが同程度の高い寸法精度で作られているため、光半導体チップ4のレンズ体10に対する位置ズレが極めて小さくなり、レンズ体10のレンズ効果を十分に発揮することができる。
【0020】
なお、レンズ体10と光半導体素子6を異なる樹脂で作るようにしているので、光半導体素子6のみ市販の製品を使用し、この形状に合わせてレンズ体10を製造することも勿論可能である。
【0021】
次に、本発明による光半導体装置の第2実施形態について説明する。なお、図中、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号を付すこととする。
【0022】
図3に示すように、光半導体装置20においては、レンズ体10が光半導体素子6より大きくなっており、レンズ体10に設けられる円柱状のベース部12に位置合せ部としての位置合せ用凹部13を形成させている点で第1実施形態の光半導体装置1と異なる。この位置合せ用凹部13は、ベース部12の下面側からレンズ体10に到達し、光半導体素子6が埋没する深さに形成されている。この凹部13の形状は、光半導体素子6の上部形状に対応する形状、すなわち、光半導体素子6の上部が填まり込める形状となっている。そして、この凹部13の底面13aは平坦面となっており、鏡面仕上げがなされている。また、ベース部12には、その凹部13からベース部12の外周面12aまで延びるガイド溝14,15が形成され、このガイド溝14,15により光半導体素子6のモールド樹脂から突出する2本のリード部2,3(図5参照)が案内されている。
【0023】
この光半導体装置20によれば、光半導体素子6が凹部13に埋没するようになっているので、光半導体素子1を組み立てる場合より位置合せが容易になる。また、凹部13の底面13aに鏡面仕上げがなされているので、底面13aに光が入射する際の反射が抑えられる。なお、この種の光半導体装置20は、光半導体素子6よりレンズ体10の方が大きくなっており、従来のトランスファ成形法によってはその製造が困難なものであるが、本発明によれば、このようなタイプの光半導体装置20の製造も可能となる。
【0024】
なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではない。例えば、前述した実施形態の光半導体装置1,20の他に、様々なタイプの光半導体装置を製造することが可能である。例えば、図6及び図7に示すような光半導体装置30を製造することも可能となる。すなわち、この光半導体装置30のレンズ体10は、その外形を釣鐘形状としており、レンズ体10に位置合せ部としての位置合せ用凹部13を直接形成している。この点で、第2実施形態の光半導体装置20がレンズ体10のベース部12に位置合せ用凹部13を形成しているのとは異なる。なお、この凹部13は光半導体素子6の上部の外形寸法に合わせた形状となっている。
【0025】
また、レンズ体10の他の例として図8及び図9に示すような形状とすることも可能である。すなわち、レンズ体10は、円柱部10bと、円錐台部10cとを有し、この円錐台部10cには円錐形状の凹部10dが形成されている。一方、円柱部10bの平面部10aには、位置合せ部としての位置合せ用凹部13が形成されている。
【0026】
なお、レンズ体10は、図1から図6の形状のものに限られず、レンズ体として適する形状であれば、如何なる形状であってもよい。
【0027】
また、モールド樹脂のみを特定波長域の光を選択的に通過させる樹脂で構成し、モールド樹脂にフィルタ効果を持たせることも可能である。例えばモールド樹脂を黒色とした場合には、外部からの光がレンズ体10を通って光半導体チップ4の受光面4aに入射する際に、モールド樹脂により可視域及び紫外域の光のみがカットされ、赤外域の光のみが選択的に光半導体チップ4の受光面4aに導かれる。なお、特定波長域の光を選択する樹脂は、選択すべき波長に応じて適宜選択される。
【0028】
さらに、前述の実施形態においては、光半導体チップ4として受光素子を用いたが、発光素子を用いてもよい。この場合、レンズ体10は、光半導体チップ4の投光面から発せられる光を発散させる機能を有することとなる。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように本発明による光半導体装置は、光半導体チップを透光性のモールド樹脂で封止して構成され、光半導体チップの受光面又は投光面側に平坦な接合面を有する光半導体素子と、光半導体素子の接合面に対向する平坦な底面を含み光半導体素子の形状に対応した位置合せ部を有すると共に、モールド樹脂と異なる透光性のレンズ成形樹脂から形成されたレンズ体とを備え、光半導体素子とレンズ体とを、光半導体チップをレンズ体の光軸上に位置合せした状態で位置合せ部の底面と接合面との間に介在させて接合するようにしたので、レンズ体に対する光半導体チップの位置精度を維持しつつ、安価に製造することができ、且つ、光学特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光半導体装置の第1実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】図1の光半導体装置を示す正面図である。
【図3】本発明の光半導体装置の第2実施形態を示す正面図である。
【図4】図3の光半導体装置の平面図である。
【図5】図3の光半導体素子の平面図である。
【図6】本発明の光半導体装置の第3実施形態を示す斜視図である。
【図7】図6の光半導体装置の縦断正面図である。
【図8】本発明の光半導体装置の第4実施形態を示す斜視図である。
【図9】図8の光半導体装置の縦断正面図である。
【符号の説明】
1,20,30…光半導体装置、4…光半導体チップ、4a…受光面、6…光半導体素子、6a…接合面、8…位置合せ用枠部(位置合せ部)、9…接着材、10…レンズ体、13…位置合せ用凹部(位置合わせ部)。
Claims (4)
- 光半導体チップを透光性のモールド樹脂で封止して構成され、前記光半導体チップの受光面又は投光面側に平坦な接合面を有する光半導体素子と、
前記光半導体素子の前記接合面に対向する平坦な底面を含み前記光半導体素子の形状に対応した位置合せ部を有すると共に、前記モールド樹脂と異なる透光性のレンズ成形樹脂から形成されたレンズ体と、
前記光半導体チップを前記レンズ体の光軸上に位置合せした状態で前記位置合せ部の前記底面と前記接合面との間に介在され、前記光半導体素子と前記レンズ体とを接合させる透光性の接着材と、を備えており、
前記接合面のコーナー部に面取り部が形成され、
前記位置合せ部と前記面取り部とで囲まれる領域が前記底面側に向かって末広がりとなっていることを特徴とする接合構造。 - 前記モールド樹脂はエポキシ樹脂を含み、前記レンズ成形樹脂はアクリル樹脂を含むことを特徴とする請求項1記載の接合構造。
- 前記アクリル樹脂は、ポリメタクリル酸メチルを含むことを特徴とする請求項2記載の接合構造。
- 前記モールド樹脂は、特定波長域の光を選択的に通過させる樹脂からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の接合構造。
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