JP4170632B2 - 焼成炉 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス基板に形成した構成要素を焼き固めるのに使用する焼成炉の技術分野に属し、特にプラズマディスプレイ用基板などの電子部品としてのガラス基板の焼成工程において好適に使用される焼成炉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のガラス基板上に形成された構成要素を焼き固める焼成炉としては、例えば図1に示すタイプのものが一般的に使用されている。通常プラズマディスプレイ用基板として使用している高歪点ガラスの歪点は570℃であるのに対し、電極、誘電体、リブの焼成温度は500〜600℃程度であるため、焼成時にはより耐熱性の高いセッタ−Sの上にガラス基板Gを載せた状態で焼成を行っている。プラズマディスプレイ基板の焼成には、このセッタ−として結晶化ガラス板(例えば、日本電気硝子製「ネオセラムN−O」)が用いられている。
【0003】
図1に示す焼成炉では、まず焼成炉本体1の外部においてリフタ−コンベア2の上段位置にあるセッタ−Sの上にガラス基板Gが載せられる。そして、ガラス基板Gはセッタ−Sと共に入口コンベア3により焼成炉本体1における上段通路の中に導入され、そのままセッタ−Sと共にロ−ラコンベアで搬送されながら加熱部にて常温から500〜600℃程度のピ−ク温度まで加熱された後、徐冷部にて400℃程度にまで冷却される。次いで、上段通路の端まで搬送されたところでガラス基板Gはセッタ−Sと共にリフタ−コンベア4により下段通路に降下され、下段通路内をロ−ラコンベアで逆方向に搬送されながら冷却部にて常温まで戻される。ガラス基板Gを載せたセッタ−Sが出口まで到達すると、出口コンベア5によりリフタ−コンベア2に移し替えられ、そこで焼成を終えたガラス基板Gが除去される。そして、空になったセッタ−Sはリフタ−コンベア2で上段位置に移動し、ここで次のガラス基板Gが載置されて焼成工程が繰り返される。このタイプの焼成炉では、上段通路の天井および床にヒ−タ−が連続的に設置されており、これらのヒ−タ−により上記の如く焼成温度を管理するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記したタイプの焼成炉においては、等速度で搬送する連続搬送方式が主流であるが、寸法精度を上げるため等の理由でタクト搬送を全工程にわたって、または、一部で採用している装置もある。いずれの焼成炉においても、基板の大型化、タクトアップ要求のため、装置は大型化するので、焼成プロセス時間の短縮が要求されている。ところが、昇温および均熱部は、形成された膜面の特性・品質を保つため、また、徐冷部は基板の寸法を安定化させ歪みを防ぐため、ある程度以上の短縮は不可能である。そこで、タクト短縮、装置の小型化には、徐冷後の冷却工程の短縮が必要となる。しかしながら、高温の基板を冷却すると、外周部の方が中央部より速く冷却が進むため、中央部が高温で外周部が低温という温度勾配が生じる。このような温度勾配になると、基盤中央部の膨張しようとする力と、外周部の収縮しようとする力によって基板が割れやすく、冷却速度を速くすることが難しいのが現状である。
【0005】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、基板の冷却速度を上げることができる基板冷却装置を備えた焼成炉を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の焼成炉は、加熱部とその後に冷却部を備えた焼成炉本体の中を、耐熱性のセッタ−にガラス基板を載置した状態で搬送しながらそのガラス基板の焼成を行う焼成炉であって、前記冷却部は、冷却室からなり、耐熱性のセッタ−上で加熱処理された基板を、該耐熱性のセッタ−上に載せたまま、該冷却室内で冷却する基板冷却装置を有し、該基板冷却装置は、冷却室の室下部中央に上向きにエアを吹き出す多孔板を設置するとともに、その多孔板以外のところには上向きにエアを吹き出す複数のスリットノズルを並べて配置したものであって、該冷却室内の搬送機構が、ガラス基板を載置した耐熱性のセッタ−を前のゾーンである該冷却室外から基板冷却装置上に搬入する動作、基板冷却装置の中央部付近にて一定時間揺動させる動作、揺動終了後に次のゾーンである該冷却室外へ搬出する動作を繰り返し行うと共に、揺動を行っている時のみ、前記多孔板および前記複数のスリットノズルからセッタ−の下面にエアを吹き付けてガラス基板を冷却することを特徴とする。
【0010】
本発明の焼成炉は、前記冷却室をセッタ−搬送方向に連続して複数備えており、各々の冷却室毎に揺動動作を制御することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0013】
図2は本発明に係る基板冷却装置の一例を示す概略断面図であり、この基板冷却装置は、図1に示すタイプの焼成炉における冷却部に使用されている。
【0014】
図1にて説明したように、セッタ−に載置された状態で加熱部及び徐冷部を通過してきたガラス基板は、冷却部にて常温まで戻されるが、図2は、基板Gを載せたセッタ−Sがロ−ラコンベア10で搬送され、冷却部の一つの区画(冷却室に相当)に停止した状態を示している。また、図3はセッタ−Sの下方に位置する送風機構の平面図である。図4は、基板冷却装置を備えた焼成炉冷却室27の一例を示す概略構成図である。図5は、加熱部と冷却部が上下に2組ある2階建て構造になっている本発明の焼成炉の一例を示す概略図である。
【0015】
図2及び図3に示すように、ロ−ラコンベア10上で停止しているセッタ−Sの下方には、セッタ−Sに向けて上向きにエアを吹き出す多孔板21が設置され、その多孔板21以外のところには上向きにエアを吹き出す複数のスリットノズル22が並んで配置されている。また、各スリットノズル22の間には複数個の排気孔23が所定間隔で設けられている。
【0016】
多孔板21は下方にダクト24が繋がれており、そのダクト24を通してブロアからエアが供給される。また、複数のスリットノズル22は下方で一つの給気用中継スペ−ス25に繋がっており、その給気用中継スペ−ス25が側方でダクトに繋がれ、そのダクトを通してブロアからエアが供給されるようになっている。また、排気孔23はスペ−ス25の下側の排気用中継スペ−ス26に繋がり、そこからダクトを通して排気されるようになっている。そして、各ダクトのダンパ−やブロアの周波数、エアの温度などを調整することで、多孔板21とスリットノズル22に対しそれぞれに風量や風速を調整できるようになっている。
【0017】
基板Gの冷却に際しては、セッタ−Sの下側に向け、多孔板21とスリットノズル22からエアを吹き出す。この時、基板Gの中央部が外周部と同じ速度もしくはより速く冷却されるように多孔板21とスリットノズル22の風量や風速の調整を行い、また供給されるエアの量に見合う分の排気を排気孔23を通して行う。
【0018】
このようにして基板を冷却することで、徐冷後の基板を数分で室温程度に冷却することが可能となった。また、上下からエアを吹き付けると、基板の上面には直接エアが当たり、表裏で冷却速度が異なるので基板に反りを生じるが、上記の装置ではセッタ−Sの下方からエアを吹き付けて基板Gを間接的に冷却するので、基板Gに反りが生じることがない。
【0019】
なお、本発明の焼成炉は上記の如き基板冷却装置を備えたものであるが、そのタクトや目標とする冷却温度によって、上記の如き基板冷却装置を複数連続して設けてもよい。
【0020】
そして、基板の中央部から冷却するために、基板の搬送はタクト搬送とし、各冷却装置の略中央部分に基板が搬送されたタイミングで冷却を行うようにするのが望ましい。また、スリットノズル22のある部分とない部分によって温度差が生じるのを防ぐためには、ロ−ラコンベア10により基板Gに対して前後方向に所定量の揺動運動を行うようにするとよい。
【0021】
すなわち、前のゾ−ンから送り込まれた基板載置状態のセッタ−は、基板冷却装置のほぼ真上に来たところで一時停止し、もしくは直ちに、基板冷却装置上で揺動運動に入る。揺動運動はセッタ−搬送方向に所定量、所定時間行う。揺動運転中にのみ、基板を載置したセッタ−の下面に基板冷却装置からエアをあて、基板中央部の温度が低くなるように冷却を行う。揺動が終了したと同時にエアを止め、セッタ−を次のゾ−ンに払い出す。すぐ後ろに次のセッタ−が来ている場合は、払い出すと同時に次のセッタ−を引き込み、揺動と冷却、払い出しを繰り返す。
【0022】
図4に示す冷却室27の搬送機構においては、前ゾ−ンから搬送されてきたセッタ−はあるタイミングで減速を開始し、折り返し点となるある位置で揺動運動に入るが、この時の減速のタイミングは在荷センサ−29、揺動の位置を決める前後の折り返し点については、在荷センサ−28、30によって規定する。揺動している間に、多孔板21およびスリットノズル22よりエアをセッタ−Sに吹き付け、セッタ−Sとその上のガラス基板Gを冷却する。揺動時間はタイマ−によって規定し、揺動時間がタイマ−設定値になったら、セッタ−を次のゾ−ンに搬送する。冷却室は連続的に複数設け、各々の冷却室に基板冷却装置と在荷センサ−を設置し、冷却室毎に制御することが好ましい。
【0023】
加熱部とその後に冷却部を備えた本発明の焼成炉は、図5に一例を示すように、加熱部と冷却部とを1組の連続した構成とし、上部と下部の各々に加熱部と冷却部を設けた、上下2組の2階建て構造とするのが好ましく、省スペ−ス化が図れるので、コストダウンに寄与し得る。
【0024】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明による基板冷却装置を使用した焼成炉は、上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは当然のことである。
【0025】
【実施例】
ガラスの大きさ1460mm×1100mm、厚さ3mmの基板上に、電極を形成し、その上に誘電体層を形成した後、リブ形成材料を全面に塗布し、塗布したリブ形成材料を乾燥して膜厚180μmの乾燥膜を得た。次に、ドライフィルムレジスト(日本合成化学工業(株)製「NCP225」)を乾燥膜上にラミネ−トし、線幅80μm、ピッチ220μmのラインパタ−ンを有するフォトマスクを用いて紫外線露光し、露光後、現像して、線幅80μm、ピッチ220μmのレジストパタ−ンを形成した。続いて、研磨材料として褐色溶融アルミナ#1000を用いてサンドブラスト加工を行い、レジストパタ−ンから露出している不要部分を切削除去した後、レジストパタ−ンを剥離した。
【0026】
次に、本発明の加熱部と冷却部が上下に2組ある2階建て構造になっている焼成炉を用いて、前記のリブパタ−ンを形成した基板を、セッタ−上に載せてピ−ク温度が600℃で焼成した。図4に示すように、焼成した基板は焼成後に、前のゾ−ン側から冷却室27に入る。冷却室は5室準備し、それぞれに本発明に係る基板冷却装置を備えている。最初の冷却室に入る時のガラス基板温度は400℃前後であった。前のゾ−ンから搬入されたセッタ−Sはセンサ−29の位置から減速させ、揺動はセンサ−28と30の間で行った。揺動速度は600mm/分で、揺動している間、多孔板21およびスリットノズル22から、給気風量15m3/分でエアをセッタ−Sに吹き付け、セッタ−Sとその上のガラス基板Gを冷却した。図3に示すように、本発明に用いた基板冷却装置は大きさ1650mm×1150mmで、エアを吹き出すスリットノズル22が長さ1600mm、ピッチ150mmで複数本設けられ、中央部には大きさ500mm×220mmの多孔板21が1つ設けられている。揺動時間はタイマ−で設定し、100秒を経た時点で次の冷却室に払い出した。最後の冷却室を出る時のガラス基板温度は100℃前後になるように設定した。本発明の焼成炉により、ガラス基板に反りを生ぜず、表面平滑性が高く、形状が良い焼成したリブが得られた。
【0027】
リブ焼成後、冷却された基板は後工程として、PDP用として使用される通常の紫外線励起型の蛍光体をスクリ−ン印刷し、蛍光体を焼成して、それぞれのリブ間に赤色、緑色、青色の蛍光体層を形成し、PDP背面板を得た。
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る基板冷却装置によれば、基板が破損しにくいような温度分布になるように中央部を外周部と同じ速さもしくはより速く冷却することができ、しかもセッタ−を介して下方から間接的に冷却するので、反りを生じることもなく基板を速い速度で冷却することができる。
【0028】
そして、この基板冷却装置を冷却部に備えた焼成炉は、基板の冷却が促進されるので、冷却部での冷却速度が上がり、工程全体の時間短縮につながることから、効率の良い焼成工程を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の焼成炉の概略図である。
【図2】本発明に係る基板冷却装置の一例を示す概略断面図である。
【図3】図2においてセッタ−の下方に位置する送風機構の平面図である。
【図4】本発明の基板冷却装置を備えた焼成炉冷却室の一例を示す概略構成図である。
【図5】加熱部と冷却部を上下2組の2階建て構造とした本発明の焼成炉の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
G ガラス基板
S セッタ−
1 焼成炉本体
2 リフタ−コンベア
3 入口コンベア
4 リフタ−コンベア
5 出口コンベア
10 ロ−ラコンベア
21 多孔板
22 スリットノズル
23 排気孔
24 ダクト
25 給気用中継スペ−ス
26 排気用中継スペ−ス
27 冷却室
28 在荷センサ−1
29 在荷センサ−2
30 在荷センサ−3
31 セッタ−搬送コンベア
32 基板供給手段
33 基板受取手段
Claims (2)
- 加熱部とその後に冷却部を備えた焼成炉本体の中を、耐熱性のセッタ−にガラス基板を載置した状態で搬送しながらそのガラス基板の焼成を行う焼成炉であって、
前記冷却部は、冷却室からなり、耐熱性のセッタ−上で加熱処理された基板を、該耐熱性のセッタ−上に載せたまま、該冷却室内で冷却する基板冷却装置を有し、
該基板冷却装置は、冷却室の室下部中央に上向きにエアを吹き出す多孔板を設置するとともに、その多孔板以外のところには上向きにエアを吹き出す複数のスリットノズルを並べて配置したものであって、
該冷却室内の搬送機構が、ガラス基板を載置した耐熱性のセッタ−を前のゾーンである該冷却室外から基板冷却装置上に搬入する動作、基板冷却装置の中央部付近にて一定時間揺動させる動作、揺動終了後に次のゾーンである該冷却室外へ搬出する動作を繰り返し行うと共に、
揺動を行っている時のみ、前記多孔板および前記複数のスリットノズルからセッタ−の下面にエアを吹き付けてガラス基板を冷却することを特徴とする焼成炉。 - 前記冷却室をセッタ−搬送方向に連続して複数備えており、各々の冷却室毎に揺動動作を制御することを特徴とする請求項1に記載の焼成炉。
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