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JP4172376B2 - エチレンオキサイドの分解処理方法および分解処理装置 - Google Patents
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JP4172376B2 - エチレンオキサイドの分解処理方法および分解処理装置 - Google Patents

エチレンオキサイドの分解処理方法および分解処理装置 Download PDF

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Description

この発明は、医療器具の滅菌処理や有機合成などに使われるエチレンオキサイドの分解処理に関し、滅菌処理後などに排出されるエチレンオキサイドが含まれる排ガスを対象とし、この排ガス中のエチレンオキサイドを効率よく分解処理できるようにしたものである。
エチレンオキサイドを用いた滅菌装置から滅菌処理後に排出される排ガスにあっては、その排出初期では、滅菌装置内に外気を導入することなく、装置内のガスを吸引するため、エチレンオキサイド濃度が高く、特にエチレンオキサイド源としてカートリッジ型のボンベを用いた滅菌装置では、排ガス中のエチレンオキサイド濃度はほぼ100%である。そして、滅菌装置からの排ガスの排出が進むにつれて、排ガス中のエチレンオキサイド濃度は急激に低下する。
さらに、滅菌装置内のガーゼなどの被滅菌材料に付着、吸着しているエチレンオキサイドを除去するため、滅菌装置内に外気を導入し、しばらくしてから装置内のガスを再び吸引する洗浄と呼ばれる工程を数回繰り返す操作が行われ、この洗浄工程中に排出される排ガス中のエチレンオキサイド濃度も変動する。
このようなエチレンオキサイド濃度の変動の大きな排ガス中のエチレンオキサイドを、従来の酸化触媒を用いて分解する方法では、酸化触媒の処理能力を排ガス中のエチレンオキサイドの最高濃度に対応できるようにしなければ、処理能力を上回るエチレンオキサイドが未分解のまま排出されるので、多量の酸化触媒を使用せねばならないなど、分解処理装置のコストが高騰する欠点がある。
このため、WO99/61137に開示されているように、排ガス中のエチレンオキサイド濃度の変動を少なくし、エチレンオキサイド濃度を低濃度にしてから分解処理装置に送り込む方法が提案されている。
この先行発明においては、図8に示すように、水などの液体を貯留する容器1に管2、弁3を介して滅菌装置(図示略)からの排ガスを導入し、曝気部材4から液体中に排ガスを曝気して、排ガス中のエチレンオキサイドを液体に溶解して吸収させる。排ガス中の大部分のエチレンオキサイドが吸収され、エチレンオキサイド濃度が大きく低減した排ガスは容器1から管5を経て酸化触媒が充填された触媒燃焼装置6に送られ、ここで分解処理される。
滅菌装置から供給される排ガス中のエチレンオキサイド濃度が低下した場合は、送気ポンプ7を動作させて、管2に外気を送り込み、この外気を容器1内の液体中に曝気し、液体中に溶解しているエチレンオキサイドを空気中に移行せしめる。このエチレンオキサイドが溶出した空気を触媒燃焼装置6に送り込んで分解処理するようにしている。
この分解処理方法では、排ガス中のエチレンオキサイド濃度の大きな変動幅が小さくされて平準化され、エチレンオキサイド濃度が低くなるため、高濃度のエチレンオキサイドを含む排ガスが触媒燃焼装置6に送り込まれることがなく、触媒燃焼装置6を小型化でき、設備コストを低減できるとされている。
しかしながら、この先行発明のエチレンオキサイドの分解処理方法にあっては、以下の問題点がある。
まず、エチレンオキサイドの分解手段として、酸化触媒を使用しているため、分解後の排出ガスが高温(300〜400℃)となり、このまま排出することができず、別途冷却装置や外気による希釈装置を設けなければならない。
また、容器1からの排ガス中のエチレンオキサイド濃度が何らかの理由により、十分低減されず、酸化触媒の処理能力を超える濃度のエチレンオキサイドが含まれた排ガスが触媒燃焼装置6に送り込まれた場合には、未分解のエチレンオキサイドが系外に排出されることがある。
さらに、送気ポンプ7を動作させるなどしているため、分解処理装置全体が正圧となり、装置から排ガスが外部に漏洩することがあり、これを防止するために機密性の高い装置構造とせねばならず、余分の設備コストがかかる。
国際公開番号WO99/61137
よって、本発明における課題は、分解処理後の排出ガスが高温になることがなく、何らかの理由により高濃度のエチレンオキサイドを含む排ガスが分解処理手段に流入しても未分解のエチレンオキサイドが系外に排出されることがないエチレンオキサイドの分解処理方法を得ることにある。また、分解処理装置からエチレンオキサイドを含む排ガスが外部に漏洩することがないエチレンオキサイドの分解処理方法を得ることにもある。
かかる課題を解決するため、
請求項1にかかる発明は、
エチレンオキサイドが含まれ、エチレンオキサイド濃度が変動するガス中のエチレンオキサイドを分解する方法であって、このガス中のエチレンオキサイド濃度をその最高濃度未満の所定の濃度に低減したのち、酸化チタン粉末または酸化チタン粉末を圧縮成形加工したものを酸化チタンからなる担体に担持させたエチレンオキサイド吸着能を有する光触媒部材、または、酸化チタン粉末または酸化チタン粉末を圧縮成形加工したものを樹脂のバインダーで酸化チタンからなる基材に固着したエチレンオキサイド吸着能を有する光触媒部材に、エチレンオキサイドを吸着させるとともに分解することを特徴とするエチレンオキサイドの分解処理方法である。
請求項2にかかる発明は、前記所定の濃度を、光触媒の吸着能力以下で、かつ処理開始から経過時間までの投入濃度の積分値から光触媒部材の分解能力の積分値を差し引いた値が光触媒部材の吸着能力以下となるようにエチレンオキサイド濃度に制御することを特徴とする請求項1記載のエチレンオキサイドの分解処理方法である。
また、本発明においては、エチレンオキサイドが含まれ、エチレンオキサイド濃度が変動するガス中のエチレンオキサイドを分解する方法として、このガス中のエチレンオキサイド濃度をその最高濃度未満の所定の濃度に低減したのち、エチレンオキサイド吸着能を有する吸着剤にエチレンオキサイドを吸着させるとともに、前記吸着剤とプラズマとの作用により分解してもよい。
更に、本発明においては、前記所定の濃度を、吸着剤の吸着能力以下で、かつ処理開始から経過時間までの投入濃度の積分値からプラズマの分解能力の積分値を差し引いた値が吸着剤の吸着能力以下となるようにエチレンオキサイド濃度に制御してもよい。
請求項にかかる発明は、前記分解の分解速度が吸着速度よりも遅いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエチレンオキサイドの分解処理方法である。
請求項にかかる発明は、前記所定の濃度の制御がエチレンオキサイドが含まれるガスを水に通して、曝気することにより行われることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエチレンオキサイドの分解処理方法である。
請求項にかかる発明は、分解処理系の全体を負圧とすることを特徴とする請求項4に記載のエチレンオキサイドの分解処理方法である。
尚、本発明においては、エチレンオキサイドが含まれ、エチレンオキサイド濃度が変動するガス中のエチレンオキサイドを分解する装置であって、このガス中のエチレンオキサイドの濃度をその最高濃度未満に低減するバッファー部と、このバッファー部から送られるガス中のエチレンオキサイドを分解する分解部を有し、この分解部がエチレンオキサイド吸着能を有する光触媒部材またはエチレンオキサイド吸着能を有する光触媒部材とプラズマ装置を備えエチレンオキサイドの分解処理装置を上記の分解処理方法に用いてもよい。
また、本発明においては、エチレンオキサイドが含まれ、エチレンオキサイド濃度が変動するガス中のエチレンオキサイドを分解する装置であって、このガス中のエチレンオキサイドの濃度をその最高濃度未満に低減するバッファー部と、このバッファー部から送られるガス中のエチレンオキサイドを分解する分解部を有し、この分解部がエチレンオキサイド吸着能を有する吸着剤とプラズマ装置を備えエチレンオキサイドの分解処理装置を上記の分解処理方法に用いてもよい。
また、本発明においては、バッファー部が、水を満たした水槽と、この水槽内の水にエチレンオキサイドを曝気する散気管を備えた曝気槽であるエチレンオキサイドの分解処理装置を上記の分解処理方法に用いてもよい。
また、本発明においては、分解部の後段に、バッファー部と分解部を負圧とする排気装置を設けたエチレンオキサイドの分解処理装置を上記の分解処理方法に用いてもよい。
本発明では、エチレンオキサイドの分解処理手段として光触媒を採用しているので、エチレンオキサイドの分解処理後の排出ガスの温度が低く、このまま排出できる。また、光触媒による分解処理を行っているので、処理効率が高く、循環処理などの複雑な処理を要しない。さらに、光触媒または吸着剤がエチレンオキサイドの吸着能力を有するので、高濃度のエチレンオキサイドを含む排ガスが万一、光触媒または吸着剤に流入しても、一旦光触媒または吸着剤に吸着されたのち、徐々に分解処理されるため、未分解のエチレンオキサイドが排出されることがないとともに、分解部での分解能力が小さいものでも対応できる。さらに、分解処理装置全体を負圧とすることで、装置からエチレンオキサイドを含む排ガスが外部に漏れることがない。
図1は、本発明の分解処理装置の例を示すもので、この例の分解処理装置は、滅菌部11と、バッファー部21と、分解部31と、排気部41とから概略構成されている。
上記滅菌部11は、さらに滅菌チャンバー12とエジェクター13とから構成されている。この滅菌チャンバー12は、その内部に注射器などの種々の医療器具等の被滅菌部材が収容され、別途設けられたカートリッジ式ボンベなどのエチレンオキサイド供給源14から供給されるガス状のエチレンオキサイドが導入されて内部の被滅菌部材が滅菌処理されるようになっている。また、滅菌チャンバー12には、外気に開放した管15が弁16を介して接続されており、この管15から外気が導入できるようになっている。
また、滅菌チャンバー12には、図示略の圧縮空気源からの圧縮空気を用いるエジェクター13が付設されている。このエジェクター13は、滅菌チャンバー12内のエチレンオキサイドを含む排ガスを外部に排出する機能を有するものである。なお、エジェクター13に代えて真空ポンプなどの排気手段を用いても良い。
この滅菌部11の後段には、バッファー部21が設けられている。この例のバッファー部21は、図2に示すように、内部に水が満たされた水槽22からなる曝気槽である。この水槽22内には曝気用の散気管23が水中に沈められて設けられており、滅菌部11から管24を通って流入する排ガスがこの散気管23から水中に曝気されるようになっている。また、水槽22上部には、水面から離れて開口する管25が取り付けられており、この管25は分解部31に接続され、バッファー部21からの排ガスが後段の分解部31に送られるようになっている。
また、管24には、外気に開放した管26が弁27を介して接続されており、弁27を開とすることで、外気が管26から管24を経て散気管23から水中に曝気されるようになっている。
このバッファー部21での散気管23による曝気および管25から分解部31への排ガスの流入は、上記排気部41による排気に起因して発生する水槽22内および分解部31内の負圧によってなされるようになっている。また、排気部41設ける代わりに、外気を圧縮空気として導入し、バッファー部21、分解部31内を正圧としてもよい。
バッファー部21の後段には分解部31が設けられている。この分解部31は、光触媒装置または光触媒装置とプラズマ分解装置を具備するもので、バッファー部21から管25を経て供給される排ガス中のエチレンオキサイドを光触媒または光触媒とプラズマとの作用により分解するものである。
上記光触媒装置は、光触媒部材と、これに紫外線または可視光線を照射する光源を備えたものである。光触媒部材としては、特に限定されることはなく、エチレンオキサイドを吸着する能力を有する酸化チタン粉末またはこの酸化チタン粉末を圧縮成形加工したものを種々の担体に種々の形態で担持したものや、エチレンオキサイドを吸着する能力を有する酸化チタン粉末またはこの酸化チタン粉末を圧縮成形加工したものを樹脂などの種々のバインダーで基材に固着したものなどの公知のものが用いられる。
また、酸化チタン粉末としては、主にアナターゼ型結晶構造を有するものが用いられ、紫外線のみならず可視光線の照射によっても触媒機能を発揮するものが好ましい。
また、光触媒部材を構成する担体あるいは基材として親水性と吸着性を具備する材料を採用し、光触媒部材により高いエチレンオキサイドに対する吸着性を付与しておくこともできる。親水性と吸着性を有する担体あるいは基材として用いられる材料としては、ゼオライト、シリカゲル、珪藻土、酸化チタンなどが挙げられる。光触媒部材の形状としては、表面積が大きく、吸着能力が高いタブレット状や粒状とすることが好ましい。
また、上記プラズマ分解装置としては、特に限定されるものではなく、従来より知られている非平衡プラズマなどによるものなどが用いられる。この非平衡プラズマを形成する放電形式には、パルスストリーマ放電、無声放電、部分放電、沿面放電などが用いられ、なかでも沿面放電方式が窒素酸化物(NOx)の発生が抑えられて好ましい。
さらに、光触媒と非平衡プラズマとを併用する場合には、以下のような複合形態を採用することで分解効率が高いものとなる。
図3は、この複合形態の第1の例を示すもので、図3中符号32は第1の電極を示し、この第1の電極32に対峙して第2の電極33が設けられている。第1の電極32は、誘電体からなる板状の基材34内に埋設され、第2の電極33は基材34の表面に配設されている。また、第2の電極33上には、粒状の光触媒部材35が固着層36により固定されている。さらに、第1の電極32と第2の電極33は交流電源37に接続され、交流電圧が印加されるようになっている。
このような複合形態では、光触媒およびプラズマ本来の分解作用に加えて、プラズマの発光による紫外線、可視光線により光触媒が励起されて分解が進む。また、プラズマにより発生するオゾンが光触媒の分解効率を高める。さらに、プラズマにより発生する一酸化炭素が光触媒の酸化作用により二酸化炭素に変化し、有害な一酸化炭素の発生率が小さくなるなどの効果がある。
図4は、この複合形態の第2の例を示すもので、図3に示したものと同一構成部分には同一符号を付してその説明を簡略化する。この例では、誘電体からなる基材34が円筒状となっており、その内周面側に第2の電極33、光触媒部材35が設けられている。この形態では、基材34の内部の空洞に排ガスを流すことによってエチレンオキサイドが分解される。
図5は、複合形態の第3の例を示すもので、図3に示したものと同一構成部分には同一符号を付してその説明を簡略化する。この例では、板状の基材34の内部に第1の電極32を、表面に第2の電極33を配置し、この基材34を厚さ方向に貫通する複数の貫通孔38、38・・を形成してなる放電ユニット39を複数個間隔を介して並べ、その間隔内に粒状の光触媒部材35を充填したものである。なお、交流電源は図示していない。このものでは、放電ユニット39の各貫通孔38、38・・に排ガスを流して、これに含まれるエチレンオキサイドを分解処理する。
分解部31の後段には排気部41が設けられている。この排気部41は、分解部31から管42を経て排出される分解処理ガスを吸引して外部に排出するとともに、その前段にある分解部31およびバッファー部21の内部を負圧にするものである。この排気部41には、通常の真空ポンプやエジェクターなどが用いられる。排気部41から排出される分解処理ガスは管43から系外に放出されるようになっている。また、この排気部41は常時作動状態にあり、常時分解部31およびバッファー部21の内部を負圧とするようになっている。
次に、この分解処理装置を用いてエチレンオキサイドを含む排ガスを処理する方法について説明する。
滅菌チャンバー12において滅菌処理が終了すると、まずエチレンオキサイド濃度の高い排ガスをエジェクター13を動作させて排出し、この排ガスを管からバッファー部21に送る。ついで、弁16を開として、エジェクター13を間欠的に動作させ、管15を介して外気を滅菌チャンバー12内に導入し、滅菌チャンバー12内に残存するエチレンオキサイドおよび被滅菌処理対象物に付着、吸着しているエチレンオキサイドを離脱させて、排ガスをバッファー部21に送る動作(洗浄工程)を複数回行う。
この時、滅菌部11から排出される排ガスのエチレンオキサイド濃度をそのまま計測すると、この時間的変化は100%近い高濃度から出発し、急激かつ大きな変動を有するものとなる。図6の実線Aに、このエチレンオキサイド濃度を示す。ここでは、縦軸にエチレンオキサイドの濃度を、横軸に処理開始からの時間を取った。この変動は、先に説明した従来技術の排ガスのエチレンオキサイド濃度と同様の変動であり、初期の排ガスは、滅菌部11内のガス吸引によって、100%近い高濃度を示す(a)。排出が進むにつれ、この濃度は急激に低下する(b)。その後滅菌チャンバー12に外気導入されると、ガーゼ等に付着したエチレンオキサイドが放出され、再び滅菌チャンバー12内のエチレンオキサイドの濃度が高くなる。この排ガスを吸引すると、一旦低くなったエチレンオキサイド濃度が若干高くなる(c)が、再びこれが排出されると、濃度はまた低下する(d)。これを繰り返す結果、このエチレンオキサイド濃度の変動幅は時間と共に小さくなり、エチレンオキサイド濃度も徐々に小さくなり、数分でほぼ0%になる。
バッファー部21では、このエチレンオキサイド濃度の大きな変動を低減化し、少なくとも滅菌チャンバー12から排出されるエチレンオキサイドの最高濃度以下の濃度に低減させる。具体的にはバッファー部21から排出される排ガスにおけるエチレンオキサイド濃度がその爆発限界の30000ppm以下、好ましくは3000ppm以下とされることが好ましい。
滅菌部11からの排ガスは、管24を経てバッファー部21の散気管23から水中に曝気される。排ガス中のエチレンオキサイドは、水溶性であるため水に容易に溶解する。排ガスの排出初期のエチレンオキサイド濃度が高い場合には、その大部分が水に溶解し、溶解しきれない一部のエチレンオキサイドが水中から空気中に移行し、この排ガスはエチレンオキサイド濃度が低減された状態で管25から排出され、分解部31に送られる。
このバッファー部21での散気管23による曝気は、排気部41の常時動作により常時行われるようになっている。
また、洗浄工程で滅菌部11から排出される排ガスは、その大部分が空気であり、この排ガスを散気管23から曝気することで、先に水中に溶解していたエチレンオキサイドがガス化して空気中に移行し、エチレンオキサイド濃度が低い排ガスとして管25から分解部31に送られる。
このようにバッファー部21においては、滅菌部11から排出されるエチレンオキサイド濃度の変化が激しい排ガス中のエチレンオキサイド濃度が低減化されて、滅菌部11からの排ガスのエチレンオキサイドの最高濃度以下になってバッファー部21から分解部31に送り込まれる。このバッファー部21から分解部31に供給される排ガス中にエチレンオキサイド濃度の時間的な変化の例を、図6に破線(B)で示す。
図6の破線Bは、バッファー部21から排出され、分解部31に送られる前のエチレンオキサイド濃度の時間的を変化を示す。この変動は、先行発明による排ガスのエチレンオキサイド濃度の変動と同じである。バッファー部21において、予めエチレンオキサイド濃度は低下されているため、初期段階では、滅菌部11から排出されるガス(バッファー部21なし)のエチレンオキサイド濃度より遙かに低い(a´)が、処理開始して所定の時間が経過したときで比較すると、まずAとBでエチレンオキサイド濃度は逆転する(b´)。これは、水にエチレンオキサイドが飽和し、溶解されないまま排出されるためである。滅菌チャンバー12内の外気を間欠導入して、ガーゼ等に付着したエチレンオキサイドが放出されても、バッファー部21があるため過敏な濃度の変動はみられない。この結果、エチレンオキサイドの濃度は一定に近づくが、これをバッファー部21で曝気することで、水に溶解していたエチレンオキサイドがガス化して排出されるため、エチレンオキサイド濃度はさらに低下する。
また、バッファー部21のかかる動作中において、弁27を開とし、管26から外気を導入し、この外気を散気管23から曝気することもできる。この外気による曝気のタイミングを適宜設定することで、バッファー部21におけるエチレンオキサイド濃度の低減度合いを制御することが可能となる。
このエチレンオキサイド濃度の低減度合いは、これに続く分解部31での処理能力に応じて、設定すればよいが、本発明の場合は、最高濃度未満で、かつ処理開始から経過時間までの投入濃度の積算値(=投入量)から光触媒または光触媒とプラズマの分解能力の積分値を差し引いた値(=吸着量)が光触媒の吸着能力以下となるように制御されていれば十分である。好ましくは、エチレンオキサイドの爆発限界である3%以下とするのが好ましい。
バッファー部21からの排ガスは、管25を経て分解部31に送られ、ここで分解処理される。分解部31での分解処理は、エチレンオキサイド吸着能を有する光触媒部材またはこの光触媒部材とプラズマ分解装置との併用によって行われる。
この光触媒部材もしくは光触媒部材とプラズマによるエチレンオキサイドの分解処理は低温で進行し、その分解処理後の排出ガスは100℃以下の低温となる。また、分解部31に流入する排ガス中のエチレンオキサイド濃度が低いものとなっているので、エチレンオキサイドを完全に分解することができ、未分解のエチレンオキサイドが外部に排出されることがない。
また、分解部31に流入する排ガス中のエチレンオキサイド濃度は、バッファー部21において低減されているので、エチレンオキサイドを光触媒部材が完全に吸着することができ、光触媒部材は徐々にそのエチレンオキサイドを分解する。ここでの吸着とは、物質表面への物理的、化学的な付着を言うものとする。したがって、未分解のエチレンオキサイドが外部に排出されることがない。また、分解部31の分解能力としては、その時点で、エチレンオキサイドを完全に分解できる能力を必須とはせず、完全に吸着することができれば、エチレンオキサイドを一時的に吸着して「ため込む」ことができるので、分解能力は低くても使用可能である。
言い換えると、その時点での分解能力がその時点での濃度を下回っていても、前述の経過時間までに流入された投入濃度の積分値(=投入量)から光触媒または光触媒とプラズマの分解能力の積分値を差し引いた値(=吸着量)が光触媒の吸着能力以下となるように調整すればよい。
つまり、見かけ上分解速度よりも吸着速度の方が速い状態になる。こうすると、高濃度のエチレンオキサイドに対応させる必要がなくなり、処理能力の小さなもので十分なレベルで分解処理が可能となり、設備全体を小型化、簡素化できる。
また、光触媒は元来親水性であり、それ自体でエチレンオキサイドを吸着する能力を有している。さらに、担体あるいは基材としてゼオライト、シリカゲル、珪藻土などの親水性、吸着性を有する材料を用いた場合には、担体あるいは基材にもエチレンオキサイドを吸着する能力を有する。このため、万一バッファー部21から、高濃度のエチレンオキサイドを含む排ガスが流入しても、この光触媒部材がこの高濃度のエチレンオキサイドを一旦吸着し、徐々にこれを分解していくので、未分解のエチレンオキサイドが排気部41に流れ出すことがない。
次いで、分解部31で分解処理され、エチレンオキサイドが含まれない排ガスは、管42を経て排気部41に吸引され、管43から系外に無害な清浄なガスとして排出される。この際、排気部41によってバッファー部21および分解部31が常時負圧となっているので、バッファー部21および分解部31ならびに管路が破損した場合も、排ガスが外部に漏れることがない。
図7は、この発明の分解処理装置の他の例を示すもので、図1に示した装置と同一構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
この例の装置においては、圧縮空気源51が設けられ、この圧縮空気源51からの圧縮空気が管52からエジェクター13に供給されるとともに、管53から管26、24を経てバッファー部21の散気管23に供給されるようになっている。また、先の例での排気部41は存在しない。
この分解処理装置による分解処理方法では、圧縮空気源51からの圧縮空気を供給することにより、バッファー部21での曝気槽による曝気および管25からの排ガスの分解部31への流入が行われる。
本発明では、他の実施形態として、分解部31での分解処理に光触媒を使用することなく、ゼオライト、シリカゲル、珪藻土などのエチレンオキサイド吸着能を有する吸着剤とプラズマとの作用によって行うことができる。
このものでは、バッファー部21からの排ガス中のエチレンオキサイドが吸着剤に一旦吸着され、この吸着剤に吸着したエチレンオキサイドがプラズマの分解作用によって徐々に分解処理されることになる。このため、この実施形態においても、若干処理効率が低下するものの、先の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
この実施形態における具体的な処理装置の形態は、図3、4、5における光触媒部材35に代えてゼオライト、シリカゲル、珪藻土などの吸着剤を用いるものなどを挙げることができる。
また、バッファー部21として、水槽22と散気管23からなる曝気槽を2基以上直列に配して、曝気を2段以上としてもよく、これによれば、分解部31に流入する排ガス中のエチレンオキサイド濃度の時間的変化はより平準化され、分解部31における分解能力をさらに小さいものとすることができる。
また、本発明でのバッファー部21として、図2に示した水槽22を用いる以外に、ゼオライト、シリカゲル、珪藻土などのエチレンオキサイドを吸着する能力を有する吸着剤を充填した吸着筒を採用することができる。この吸着筒でも、高濃度エチレンオキサイドが含まれる排ガスが流入した場合には、その大部分のエチレンオキサイドが吸着筒で吸着される。エチレンオキサイドがほとんど含まれない排ガスが流入した場合には、吸着剤からエチレンオキサイドが濃度勾配によって脱着して排ガス中に移行する。これにより高濃度のエチレンオキサイドを含む排ガスが流入したも、エチレンオキサイドが低濃度となって流出し、バッファー部21として機能する。
具体例を示す。
排ガス(エチレンオキサイド100%)を水に曝気して、バッファー部21からの排出ガスのエチレンオキサイド濃度を2000ppmに制御する。具体的には、バッファー部21の水量と曝気空気量を調整する。この濃度は、2000〜4000ppm以下で任意に設定できる。ここで分解能力を1000ppmとした光触媒部材を用いる。なお、分解能力は触媒量とその触媒への接触時間を流量に応じて調整可能である。すると、分解能力を超えるガスが分解部31に導入されることになる。最初は主としてガス中のエチレンオキサイドを分解するため、光触媒の分解能力1000ppmに律速され、処理能力も1000ppmとなる。それと同時に、光触媒にエチレンオキサイドが分解されずに吸着される。5時間後にはガス中のエチレンオキサイド濃度は触媒の分解能力以下になるが、光触媒がエチレンオキサイドを吸着しているので、光触媒は余剰能力でこのエチレンオキサイドを分解する。そして10時間後にはガス中のエチレンオキサイドはほぼ0ppmとなる。
本発明は、医療用エチレンオキサイド以外に、エチレンオキサイドを原料とする各種有機合成装置から排出されるエチレンオキサイドの分解処理にも適用できる。
本発明の分解処理装置の一例を示す概略構成図である。 本発明でのバッファー部の一例を示す概略構成図である。 光触媒とプラズマとを複合した複合形態の第1の例を示す概略構成図である。 光触媒とプラズマとを複合した複合形態の第2の例を示す概略構成図である。 光触媒とプラズマとを複合した複合形態の第3の例を示す概略構成図である。 滅菌チャンバーから排出される排ガス中のエチレンオキサイド濃度の時間的変化およびバッファー部から排出される排ガス中のエチレンオキサイド濃度の時間的変化の一例を示すグラフである。 本発明の分解処理装置の他の例を示す概略構成図である。 先行発明におけるエチレンオキサイドの分解処理装置を示す概略構成図である。
符号の説明
21・・・バッファー部、22・・・水槽、23・・・散気管、31・・・分解部、41・・・排気部

Claims (5)

  1. エチレンオキサイドが含まれ、エチレンオキサイド濃度が変動するガス中のエチレンオキサイドを分解する方法であって、このガス中のエチレンオキサイド濃度をその最高濃度未満の所定の濃度に低減したのち、
    酸化チタン粉末または酸化チタン粉末を圧縮成形加工したものを酸化チタンからなる担体に担持させたエチレンオキサイド吸着能を有する光触媒部材、または、酸化チタン粉末または酸化チタン粉末を圧縮成形加工したものを樹脂のバインダーで酸化チタンからなる基材に固着したエチレンオキサイド吸着能を有する光触媒部材に、エチレンオキサイドを吸着させるとともに分解することを特徴とするエチレンオキサイドの分解処理方法。
  2. 前記所定の濃度を、光触媒の吸着能力以下で、かつ処理開始から経過時間までの投入濃度の積分値から光触媒部材の分解能力の積分値を差し引いた値が光触媒部材の吸着能力以下となるようにエチレンオキサイド濃度に制御することを特徴とする請求項1記載のエチレンオキサイドの分解処理方法。
  3. 前記分解の分解速度が吸着速度よりも遅いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエチレンオキサイドの分解処理方法。
  4. 前記所定の濃度の制御がエチレンオキサイドが含まれるガスを水に通して、曝気することにより行われることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエチレンオキサイドの分解処理方法。
  5. 分解処理系の全体を負圧とすることを特徴とする請求項4に記載のエチレンオキサイドの分解処理方法。
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